JP2002194596A - 自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法 - Google Patents

自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法

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JP2002194596A
JP2002194596A JP2000395832A JP2000395832A JP2002194596A JP 2002194596 A JP2002194596 A JP 2002194596A JP 2000395832 A JP2000395832 A JP 2000395832A JP 2000395832 A JP2000395832 A JP 2000395832A JP 2002194596 A JP2002194596 A JP 2002194596A
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tank
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electrodeposition tank
longitudinal direction
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Hiroshi Seo
廣志 瀬尾
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜形成性の高い箇所の塗膜を厚く形成し過
ぎずに、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御し得る自動車
車体の電着塗装装置及び電着塗装方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、電着塗料1を収容する電着
槽2と、自動車車体3を、電着槽2の長手方向の一端か
ら入槽させ、電着槽2内で長手方向に進行させ、電着槽
2の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次
行う搬送手段4と、電着槽2に入槽されて電着塗料1中
に浸漬された自動車車体3が一方の電極、電着槽2内で
自動車車体3とは離間して配置された電極部材17a〜
17hが他方の電極となるように、両電極間に直流電圧
を印加して、電着塗料1を自動車車体3の表面に電着さ
せる通電手段と、が設けられてなり、電極部材17a〜
17hの電着槽2長手方向の長さの合計が、電着槽2に
おける深さ方向及び/又は幅方向で、位置により異なる
自動車車体の電着塗装装置、及び電着塗装方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電着槽内に満たさ
れた電着塗料を用い、電着槽に浸漬された自動車車体に
電着塗装を施す自動車車体の電着塗装装置および電着塗
装方法に関するものであり、詳しくは、自動車車体の箇
所に応じて塗膜厚を適切に制御し得る電着塗装装置およ
び電着塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電着塗装は、塗装工程の自動化が
容易であり、塗料の被塗物への付き回り性が良く、均一
な膜厚の塗膜が得られ、さらには水系塗料であるために
環境に対する負荷が少なく、安全性が高い等の利点を有
するので、従来から工業用塗装ライン等で広く用いられ
ている。かかる電着塗装としては、電着塗料としてアニ
オン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を陽
極として電着を行う陽極電着塗装と、電着塗料としてカ
チオン電着塗料を用いた上で導電材料からなる被塗物を
陰極として電着を行う陰極電着塗装と、が行われてい
る。
【0003】近年、各種塗装ラインにおいては、陰極電
着塗装が陽極電着塗装を凌駕しつつある。これは、陰極
電着塗装は、被塗物が陰極となる関係上被塗物素地の溶
失が起こらず、またカチオン電着塗料に含まれるアミノ
基によって被塗物表面の防食性が高められるなどといっ
た種々の利点を有することに基づくものである。よっ
て、特に自動車車体(ホワイトボディ)の下地塗装であ
る防食塗装には陰極電着塗装を行うのが一般的である。
【0004】電着塗装を施す際には、電着塗膜が自動車
車体全体に形成されるように、電着槽には多数の電極部
材が配置される。しかし、自動車車体は複雑な形状をし
ており、その箇所により塗膜形成性が異なり、塗膜形成
性の低い部分に十分な塗膜を形成しようとすると、塗膜
形成性の高い部分においては塗膜が厚くなりすぎて、塗
料使用量の増加をもたらす。例えば、塗膜形成性の低
い、自動車車体における袋部の内部に十分な塗膜を形成
しようとすると、塗膜形成性の高い、自動車車体の両サ
イド(フェンダー、サイドドア、リアフェンダー、ピラ
ー等)の塗膜が厚くなりすぎてしまう。
【0005】ここで、自動車車体における袋部の内部に
おける塗膜形成性について説明する。自動車車体には、
ロッカーパネル(サイドシール)や、ラゲッジルーム、
エンジンルーム等に多くの袋部を有する。通常袋部に
は、内部に電着塗料が流れ込むようにするため孔が設け
られており、自動車車体が電着塗料に浸漬された状態で
は、各袋部にできるだけエアーポケットが生じないよう
に設計され、電着塗料で満たされた状態となっている。
ところが、電着塗装の際は、塗膜が形成される箇所と電
極部材との距離により、塗膜形成性が決定され、袋部の
内側は塗膜が形成されにくくなっている。
【0006】袋部においては、塗膜形成性の高い、袋部
の外側にまず塗膜が形成され、該塗膜が抵抗体となった
後、塗膜形成性の低い内側に塗膜が形成される。したが
って、袋部の内側まで十分な塗膜を形成するには、長い
電着時間を確保する必要があり、そのためには電着塗料
の中で、袋部のできるだけ近くに、できるだけ長い時間
近接するように電極部材を配することが望まれる。
【0007】ところが、既述の如く、袋部の内側に十分
な塗膜を形成するために、より長い時間電着を行うと、
他の塗膜形成性の良好な部位の塗膜が厚くなりすぎ、塗
料の使用量増加につながる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、塗膜形成性の高い箇所の塗膜を厚く形成し過ぎず
に、袋部の内側など塗膜形成性の低い箇所に十分な塗膜
を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御し得
る自動車車体の電着塗装装置および電着塗装方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、以下の本発明により、上記課
題が解決できることを見出し、本発明を想到するに至っ
た。
【0010】すなわち、第1の本発明は、少なくとも、
液状の電着塗料を収容する舟形または直方体形の電着槽
と、自動車車体を、前記電着槽の長手方向の一端から入
槽させ、前記電着槽内で長手方向に進行させ、前記電着
槽の長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次
行う搬送手段と、前記電着槽に入槽されて前記電着塗料
中に浸漬された自動車車体が一方の電極となり、かつ、
前記電着槽内で前記自動車車体とは離間して配置された
複数の電極部材が他方の電極となるように、前記自動車
車体および前記電極部材間に直流電圧を印加して、前記
電着塗料を前記自動車車体の表面に電着させる通電手段
と、が設けられてなる自動車車体の電着塗装装置であっ
て、前記電極部材の、前記電着槽長手方向の長さの合計
が、前記電着槽における深さ方向および/または幅方向
で、位置により異なることを特徴とする自動車車体の電
着塗装装置である。
【0011】第1の本発明の電着塗装装置によれば、前
記電着槽における深さ方向および/または幅方向での位
置による比較において、塗膜形成性の低い部位の近傍に
配置された電極部材を長く、塗膜形成性の高い部位の近
傍に配置された電極部材を短く、それぞれの前記電着槽
長手方向の長さの合計を調整することができ、塗膜形成
性の高い箇所の塗膜を厚く形成し過ぎずに、塗膜形成性
の低い箇所に十分な塗膜を形成し得る等、箇所に応じて
塗膜厚を適切に制御することができる。
【0012】第2の本発明は、第1の本発明の電着塗装
装置であって、前記電極部材のうち一部または全部が、
前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴
とする。一般に電極部材は、前記電着槽の深さ方向に延
在して配置されるものである。しかし、第2の本発明に
おいては、前記電極部材のうち一部または全部が、前記
電着槽の長手方向に延在して配置される。そのため、自
動車車体のうち、塗膜形成性の低い部位や、塗膜を厚く
つけたい部位等に、長い時間電極部材が近接するように
電極部材を配置することができ、また、電極部材の前記
電着槽長手方向の長さの合計を適切に調整することがで
き、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御することができ
る。
【0013】第3の本発明は、第1または第2の本発明
の電着塗装装置であって、前記電着槽に入槽されて前記
電着塗料中に浸漬された自動車車体における、袋部の近
傍に配置された前記電極部材の、前記電着槽長手方向の
長さの合計が、他の箇所の近傍に配置された前記電極部
材の、前記電着槽長手方向の長さの合計に比べて、長い
ことを特徴とする。第3の本発明によれば、電極部材
が、他の箇所よりも長い時間、塗膜形成性の低い袋部の
近傍に位置する状態となるため、該袋部の内側まで十分
な塗膜を形成することができる。
【0014】第4の本発明は、第1〜第3のいずれか1
の本発明の電着塗装装置であって、前記搬送手段が、前
記自動車車体を、その車長方向を軸として略垂直に傾け
た状態で、前記入槽、前記進行および前記出槽させる手
段であることを特徴とする。第4の本発明の電着塗装装
置によれば、電着塗料中で前記自動車車体が、その車長
方向を軸として略垂直に傾けられた状態となっているた
め、ロッカーパネル等の袋部が多く存在する自動車車体
の下回りが電着槽の一方の側面に対向している状態とな
っており、該自動車車体の下回りに存在する袋部に対向
させて、適切に電極部材を配置することができる。
【0015】また、塗膜外観が重要視されるフード、ル
ーフ、ラゲッジ等の水平部が電着塗料中で略垂直に立っ
た状態となっており、該水平部への顔料の沈着の心配が
ほとんどなく、該水平部における塗膜の均一性、平滑性
および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成すること
ができる。
【0016】さらに、電着槽の前記自動車車体の進行方
向側から見た断面形状は、一般的な電着塗装装置におけ
る電着槽では略正方形となるが、第4の本発明では縦長
の長方形となり、電着槽全体のタンク容量を低減させる
ことができる。タンク容量の低減により、付随するポン
プ、塗料補給装置、およびフィルター等の設備の能力な
いし面積を小さくすることができ、電着塗装装置の設置
面積を小さくすることができるとともに、塗料使用量の
低減にもつながる。
【0017】第5の本発明は、舟形または直方体形の電
着槽に収容された液状の電着塗料中に、自動車車体を、
前記電着槽の長手方向の一端から入槽させ、前記電着槽
内で長手方向に進行させ、前記電着槽の長手方向の他端
から出槽させ、これを連続的に順次行い、かつ、前記電
着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自動車車
体が一方の電極となり、かつ、前記電着槽内で前記自動
車車体とは離間して配置された複数の電極部材が他方の
電極となるように、前記自動車車体および前記電極部材
間に直流電圧を印加して、前記電着塗料を前記自動車車
体の表面に電着させる自動車車体の電着塗装方法であっ
て、前記電極部材の、前記電着槽長手方向の長さの合計
が、前記電着槽における高さ方向および/または幅方向
で、位置により異なることを特徴とする自動車車体の電
着塗装方法である。
【0018】第5の本発明の電着塗装方法によれば、塗
膜形成性の低い部位の近傍に配置された電極部材を長
く、塗膜形成性の高い部位の近傍に配置された電極部材
を短く、それぞれの前記電着槽長手方向の長さの合計を
調整することができ、塗膜形成性の高い箇所の塗膜を厚
く形成し過ぎずに、塗膜形成性の低い箇所に十分な塗膜
を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御する
ことができる。
【0019】第6の本発明は、第5の本発明の電着塗装
方法であって、前記電極部材のうち一部または全部が、
前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴
とする。第6の本発明においては、前記電極部材のうち
一部または全部が、前記電着槽の長手方向に延在して配
置される。そのため、自動車車体のうち、塗膜形成性の
低い部位や、塗膜を厚くつけたい部位等に、長い時間電
極部材が近接するように電極部材を配置することがで
き、また、電極部材の前記電着槽長手方向の長さの合計
を適切に調整することができ、箇所に応じて塗膜厚を適
切に制御することができる。
【0020】第7の本発明は、第5または第6の本発明
の電着塗装方法であって、前記電着槽に入槽されて前記
電着塗料中に浸漬された自動車車体における、袋部の近
傍に配置された前記電極部材の、前記電着槽長手方向の
長さの合計が、他の箇所の近傍に配置された前記電極部
材の、前記電着槽長手方向の長さの合計に比べて、長い
ことを特徴とする。第7の本発明によれば、電極部材
が、他の箇所よりも長い時間、塗膜形成性の低い袋部の
近傍に位置する状態となるため、該袋部の内側まで十分
な塗膜を形成することができる。
【0021】第8の本発明は、第5〜第7のいずれか1
の本発明の電着塗装方法であって、前記自動車車体を、
その車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、前記入
槽、前記進行および前記出槽させることを特徴とする。
第8の本発明の電着塗装方法によれば、電着塗料中で前
記自動車車体が、その車長方向を軸として略垂直に傾け
られた状態となっているため、ロッカーパネル等の袋部
が多く存在する自動車車体の下回りが電着槽の一方の側
面に対向している状態となっており、該自動車車体の下
回りに存在する袋部に対向させて、適切に電極部材を配
置することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、好ましい
実施の形態を挙げて、図面を参照しつつ具体的に説明す
る。 [第1の実施形態]図1は、本発明の第1の実施形態で
ある電着塗装装置SPの上面図であり、電着槽2の外部
の構成、および被塗物である自動車車体は省略してあ
る。また、図2は、図1におけるA−A断面図であり、
図1で省略された電着槽2の外部の構成のうち、搬送装
置関係(自動車車体3を含む)が図示されている。図3
は、図1におけるB−B断面図であり、搬送装置関係の
概略の他、電着塗装装置SPにおける電着液の循環状態
および電気系の回路を、電着槽2の外部の構成を含め説
明するための概略構成が付加されている。
【0023】自動車車体(ホワイトボディー)にプライ
マー(電着塗料)を電着塗装するための電着塗装装置S
Pは、実質的に、液状の(カチオン)電着塗料1を保持
する舟形の電着槽2と、導電材料(例えば、鉄、アルミ
ニウム、亜鉛めっき等)からなる自動車車体3を矢印Y
1〜Y3方向に搬送する搬送機構4と、マイナス側電極と
して機能する自動車車体3、および、プラス側電極(後
で説明する側面電極部材17a〜17h,17’a〜1
7’hおよび底部電極部材18)間に直流電圧を印加す
る通電機構(通電手段)5と、で構成され、電着塗料1
中に浸漬されている自動車車体3の表面に、電着塗料1
中の塗膜成分(電着塗料中における、最終的に塗膜を形
成する全ての成分を言う)を付着(電着)させるように
なっている。
【0024】なお、以下の説明においては便宜上、自動
車車体3の搬送方向(矢印Y1〜Y3方向)にみて、自動
車車体3が電着槽2に入槽する側(図1中における位置
関係では右側)を「入槽側」といい、自動車車体3が電
着槽2から出槽する側(図1中における位置関係では左
側)を「出槽側」ということにする。
【0025】電着槽2の入槽側端部6には、この入槽側
端部6に隣接して、傾斜した底部を有する入口側傾斜部
7が設けられ、さらに連続して、水平な底部を有する平
底部8が設けられている。また、電着槽2の出槽側端部
10の入槽側には、出槽側端部10と隣接して、傾斜し
た底部を有する出口側傾斜部9が設けられている。
【0026】なお、図2に示すように本実施形態の電着
槽2は、完全には舟形になっていないが、自動車車体3
の入槽側および/または出槽側の槽底面が、端部に向か
って上昇しているような形状であれば、本発明に規定す
る「舟形」の範疇に含まれるものとする。また、本発明
においては、電着槽の形状は舟形に限定されず、直方体
形であってもよい。ここで、本発明に規定する「直方体
形」とは、槽全体が概ね直方体形状であればその範疇に
含まれるものとし、構造上の多少の変形は勿論のこと、
槽壁面や底面に凹凸を有していたり、これらが曲面を有
していたり等の変形であっても、いわゆる連続式の電着
塗装装置における電着槽として機能し得るものであれ
ば、かかる変形は考慮しないものとする。
【0027】搬送機構4には、電着槽2の上方で概ね入
槽側から出槽側に向かって延びるレール11と、該レー
ル11に沿って移動することができる複数の搬送機12
と、各搬送機12に取り付けられ自動車車体3を載せる
ことができるキャリア13とが設けられている。
【0028】各搬送機12は、それぞれ、レール11に
沿って所定の速度で矢印Y1、Y2、Y3で示す方向に移
動する。ここで、レール11の上下方向については、概
ね電着槽2の底面の起伏に対応して起伏している。この
ため、各搬送機12が矢印Y 1、Y2、Y3で示す方向に
移動したときには、該搬送機12に取り付けられている
キャリア13に載せられた自動車車体3は、それぞれ、
電着槽2の入口側傾斜部7上方で電着槽2に入槽し電着
塗料1中に浸漬され始め、平底部8ではその出槽側端部
付近を除けば電着塗料1中に完全に浸漬された状態で進
行し、平底部8の出槽側端部付近から出口側傾斜部9に
かけての部分で電着槽2から出槽し電着塗料1中から抜
け出ることになる。このようにして、各キャリア13に
載せられた自動車車体3は、順次、連続的に電着槽2内
の電着塗料1中に所定時間だけ浸漬され、電着塗装が施
される。
【0029】通電機構(通電手段)5には、直流電圧を
出力することができる直流電源15が設けられ、直流電
源15のマイナス側出力端子はマイナス側導線16およ
び不図示の搬送昇降機構を介して搬送機12に電気的に
接続されている。搬送機12およびキャリア13はそれ
ぞれ導電材料で形成されているため、電着槽2内の電着
塗料1中に浸漬されている自動車車体3は、キャリア1
3と搬送機12とマイナス側導線16とを介して直流電
源15のマイナス側出力端子に電気的に接続されている
ことになる。したがって、導電材料からなる自動車車体
3は、当該電着塗装における陰極として機能することに
なる。
【0030】また、電着槽2内には、当該電着塗装にお
ける陽極として機能する16本の側面電極部材17a〜
17h,17’a〜17’h(以下、側面電極部材全部
を総称する際には、「側面電極部材17」と称す
る。)、複数の上部電極部材14、および複数の底部電
極部材18が配設されている。ここで、側面電極部材1
7は、電着塗料1中に完全に浸漬された状態にある自動
車車体3の両側方に、自動車車体3とは適度に離間する
ようにして配置されている。一方、上部電極部材14お
よび底部電極部材18は、電着塗料1中に完全に浸漬さ
れた状態にある自動車車体3の上方および下方に、自動
車車体3とは適度に離間するようにして配置されてい
る。
【0031】そして、側面電極部材17、上部電極部材
14、および底部電極部材18は、それぞれ、プラス側
導線19を介して、直流電源15のプラス側出力端子に
電気的に接続され、電着塗装における陽極として機能す
るようになっている。側面電極部材17は、隔膜室20
内に配されている。すなわち、側面電極部材17を保護
するため側面電極部材17を取り囲むように形成ないし
は配置された隔膜21が設けられて、隔膜室20が構成
される。なお、本発明に特徴的な側面電極部材17の構
成については、後述することとする。
【0032】電着槽2の外部には、所定量の隔膜液23
を保持することができる隔膜液タンク22が設けられ、
この隔膜液タンク22内に保持されている隔膜液23
と、電着槽2の隔膜21によって囲まれた隔膜室20に
保持されている電着塗料1とは、ポンプ24によって、
第1隔膜液パイプ25および第2隔膜液パイプ26を介
して両者間を循環させられるようになっている。ここ
で、隔膜液タンク22には、純水タンク27内に貯留さ
れた純水28が、純水供給通路29を介して供給される
ようになっている。なお、純水供給通路29には、純水
供給通路29内を流れる純水28の流量を制御する制御
弁31が介設されており、電導度計30によって検出さ
れる値に基づき、コントローラ32で制御弁31をフィ
ードバック制御することで、隔膜液23の電導度が所定
の範囲内に保たれるようになっている。
【0033】電着塗装装置SPには、電着槽2内に保持
された電着塗料1中の各成分の分布ないしは分散を均一
化させるために、流動撹拌により電着塗料1を撹拌する
流動式撹拌機構35が設けられている。
【0034】流動式撹拌機構35には、電着槽2からオ
ーバーフローした電着塗料1を受け入れる受け槽37が
設けられ、この受け槽37内の電着塗料1は、循環ポン
プ38によって加圧され、電着塗料循環配管39を介し
て、電着槽2の底部近傍に配置されたライザー40に供
給され、このライザー40から電着槽2内の電着塗料1
中に噴出させられるようになっている。
【0035】なお、本実施形態において、電着塗料循環
配管39には、電着塗料1中の異物を除去するフィルタ
41と、電着塗料循環配管39内を流れる電着塗料1の
流量を調整するための流量調整バルブ42と、電着塗料
循環配管39内を流れる電着塗料1の温度を調整する液
温調整装置(熱交換手段)43と、が介設されている。
これら構成は、本発明においては、勿論任意的要素であ
る。
【0036】電着塗料循環配管39には、その中途にU
F装置(UF濾過手段)が配されていることが望まし
い。UF装置は、本実施形態においては、電着塗料循環
配管39における液温調整装置43の下流に設けること
が望ましい。UF装置(UF濾過手段)では、高分子物
質やコロイド状物質を含んだ液から半透膜に圧力をかけ
ることにより、水、イオン、低分子物質のみを半透膜の
無数の微細な孔から透過分離し、透過液を水洗に使うこ
とで、電着工程のクローズド化が可能となり、塗料持ち
出し量を減少させる働きがある。
【0037】ライザー40から電着槽2内に噴出させら
れた電着塗料1によって、電着槽2内には、電着槽2下
部では受け槽37側に向かって流れる一方、電着槽2上
部ではその逆に流れるといった循環流が生じ、これによ
って電着槽2内の電着塗料1が撹拌されることになる。
【0038】本発明に特徴的な構成として、側面電極部
材17a〜17h,17’a〜17’hのうち、17a
〜17e,17’a〜17’eの10本の側面電極部材
が長く、17f,17’fの2本の側面電極部材がそれ
よりも短く、17g〜17h,17’g〜17’hの4
本の側面電極部材が最も短くなっている。なお、図2に
おいては、同図が図1のA−A断面図であるため、自動
車車体3の進行方向右側の側面電極部材17a〜17h
のみが表され、自動車車体3の進行方向左側の側面電極
部材17’a〜17’hは、表れていない。しかし、各
側面電極部材17において、符号中のアルファベットが
同一の側面電極部材は、同一の長さのものであり、換言
すれば、電着槽2の長手方向に見て左右対称に各側面電
極部材17が配置されている。したがって、以降の説明
においては、自動車車体3の進行方向右側の側面電極部
材17a〜17hについてのみ挙げて説明するが、自動
車車体3の進行方向左側の側面電極部材17’a〜1
7’hについても同様である。
【0039】側面電極部材17a〜17eは、電着槽2
の深さ方向に見て、自動車車体3の底面からルーフ近傍
まで、ほぼ全高にわたる範囲に延在する長さとなってい
る。これに対して、側面電極部材17fは、電着槽2の
深さ方向に見て、自動車車体3の底面からウエストライ
ンまでで途切れており、ルーフやピラーに対向する部位
には存在しない状態となっている。さらに、側面電極部
材17g〜17hは、自動車車体3の底面近傍にのみに
対向するように配置されている。
【0040】ここで、本実施形態における、電着槽2の
深さ方向に見た各位置ごとに、側面電極部材17の電着
槽2長手方向の長さの合計を検証する。なお、本発明に
おいて、「電極部材の電着槽長手方向の長さの合計」と
は、電着槽における深さ方向または幅方向の特定の位置
での、電着槽内から壁面を垂直に見たときに見える、露
出した(ただし、隔膜内を含む)電極部材の電着槽長手
方向の長さの合計のことをいう。
【0041】図2に示されるように、電着槽2における
深さ,,の3つの位置について見てみる。深さ
においては、電着槽2の長手方向に17a〜17eの5
つの側面電極部材が存在し、深さにおいては、電着槽
2の長手方向に17a〜17fの6つの側面電極部材が
存在し、また、深さにおいては、電着槽2の長手方向
に17a〜17hの8つの側面電極部材が存在する。側
面電極部材17の1つについての電着槽3の長手方向の
長さ(つまり、図2における側面電極部材17の幅)を
xとすると、側面電極部材17の電着槽2長手方向の長
さの合計は、深さにおいて5x、深さにおいて6
x、深さにおいて8xと、ぞれぞれなる。つまり、深
さ<深さ<深さの順で、側面電極部材17の電着
槽2長手方向の長さの合計が長くなっている。以上のよ
うに、本実施形態において、側面電極部材17の、電着
槽2の長手方向の長さの合計が、電着槽2における深さ
方向で、位置により異なっている。
【0042】自動車車体3においては、その下回りに、
ロッカーパネル等の袋部が多く存在する。また、ウエス
トラインにも袋部がある。本実施形態においては、塗膜
形成性に劣ることから、できる限り長い時間電極部材と
対向させておきたい袋部が多く存在する下回りに対応す
る位置である深さで、最も側面電極部材17の電着槽
2長手方向の長さの合計が長くなっている。また、自動
車車体3の下回り程ではないが、やはり袋部が多く存在
するウエストラインに対応する位置である深さでは、
側面電極部材17の電着槽2長手方向の長さの合計が、
深さよりは短いが、深さよりも長くなっている。一
方、一般的に厚膜が要求されないルーフに対応する位置
である深さでは、側面電極部材17の電着槽2長手方
向の長さの合計が、他の位置に比べ、短くなっている。
【0043】このように本実施形態においては、電着槽
2における深さ方向での位置による比較において、塗膜
形成性の低い部位の近傍に配置された側面電極部材17
を長く、塗膜形成性の高い部位の近傍に配置された側面
電極部材17を短く、それぞれの電着槽2の長手方向の
長さの合計を調整することができ、塗膜形成性の高い箇
所の塗膜を厚く形成し過ぎずに、塗膜形成性の低い箇所
に十分な塗膜を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適
切に制御することができる。
【0044】なお、本発明において、「近傍に配置」と
は、電極部材が自動車車体と最接近した際、自動車車体
における最も電極部材に近接した部位が、対象となる箇
所(袋部)となる状態のことをいい、両者の間隙として
は、自動車車体の搬送に支障を来さない範囲でできる限
り近接させることが、袋部の内部に十分な塗膜を形成さ
せる上で望ましい。
【0045】本実施形態の変形例として、側面電極部材
17の一部と、自動車車体3との間隙に、電着塗料1や
水、イオンを透過しない隔壁(いわゆる「隔膜」ではな
い。)を設けることで、側面電極部材17の電着槽2長
手方向の長さの合計を、深さ方向の位置により調整する
ことができる。例えば、上記第1の実施形態において、
側面電極部材17として、全て長さの同一の物を用い、
側面電極部材17fについては、上端およびその近傍の
自動車車体3側に前記隔壁を設け、側面電極部材17g
〜17hについては、下端およびその近傍を残して、他
の部分の自動車車体3側に前記隔壁を設けることによっ
ても、実質的に上記第1の実施形態と同一の効果が得ら
れる。
【0046】[第2の実施形態]図4は、本発明の第2
の実施形態である電着塗装装置SP’の長手方向におけ
る断面図であり、第1の実施形態における図2に対応す
るものである。また、図5は、図4におけるC−C断面
図であり、第1の実施形態における図3に対応するもの
である。本実施形態においては、第1の実施形態と側面
電極部材17i〜17kの構成が異なっている。その
他、第1の実施形態と同一の符号が付された部材は、第
1の実施形態の各部材と同一の機能を有するものであ
り、その詳細な説明は省略する。
【0047】本実施形態の説明においては、第1の実施
形態における図1に対応する図面については割愛する
が、側面電極部材17i〜17kの構成を除いては、こ
れらと基本的に同様の構成である。なお、図4において
は、図1のA−A断面図である図2と同様、自動車車体
3の進行方向右側の側面電極部材17i〜17kのみが
表され、自動車車体3の進行方向左側の側面電極部材
は、表れていないが、電着槽2の長手方向に見て左右対
称に各側面電極部材が配置されている。したがって、以
降の説明においては、自動車車体3の進行方向右側の側
面電極部材17i〜17kについてのみ挙げて説明する
が、自動車車体3の進行方向左側の側面電極部材につい
ても同様である。
【0048】本実施形態において、側面電極部材17i
〜17kは、電着槽2の長手方向に延在して配置されて
いる。連続式の電着塗装装置である図4の電着塗装装置
SP’において、浸漬された自動車車体3は、電着槽2
の長手方向である矢印Y2方向に進行する。自動車車体
3の「1点」に着目すると、その「1点」は電着槽2内
を長手方向に進行している。通常の電着塗装装置におけ
る電極部材は、図2に示す側面電極部材17のように、
鉛直方向に延びた形状のものであり、電着槽2の長手方
向に自動車車体3が進行すると共に、前記「1点」に近
接する電極部材が次々に切り替わる。したがって、通常
の電着塗装装置においては、自動車車体と電極部材とが
最も近接した状態は、断続的にしか存在せず、塗膜形成
性を局部的に向上させることが、困難であった。
【0049】しかし、本実施形態の側面電極部材17i
〜17kのように、電着槽2の長手方向に延在した状態
で配置される電極部材を使用すれば、前記「1点」に電
極部材を長い時間連続して近接した状態にすることがで
きる。したがって、電着塗膜を厚く付けたい場合、ある
いは、袋部の内側のように塗膜形成性の低い箇所に十分
な被膜を付けたい場合に、そのような箇所に連続して対
向した状態で電極部材を配置することができ、局部的な
塗膜形成性の向上を図ることができる。
【0050】本実施形態においては、3つの側面電極部
材17i〜17kが、電着槽2の長手方向に延在した状
態で配置されているが、図4に示すように、そのうち側
面電極部材17iが最も短く、側面電極部材17k最も
長くなっている。本実施形態の場合、各側面電極部材1
7i〜17kの深さ方向の位置における、側面電極部材
17i〜17kの電着槽2長手方向の長さの合計は、各
側面電極部材17i〜17kのそれぞれの長さと同一と
なる。
【0051】したがって、本実施形態においても、側面
電極部材17i〜17kの、電着槽2の長手方向の長さ
の合計が、電着槽2における深さ方向で、位置により異
なっている。最も長い側面電極部材17kは、自動車車
体3における袋部であるロッカーパネルに近接している
ので、当該ロッカーパネルの内側まで十分な塗膜を形成
することができる。また、ウエストラインにも袋部があ
り、当該ウエストラインに近接した側面電極部材17j
も側面電極部材17kに次いで長く、適切な厚さの塗膜
を形成することができる。さらに、一般的にルーフには
厚膜が要求されず、当該ルーフに近接した側面電極部材
17jは最も短く、ルーフ等に対して塗膜が厚く付き過
ぎることを防止している。
【0052】このように、本実施形態によれば、第1の
実施形態において挙げた各効果の他、塗膜を形成したい
ところに狙い撃ちで電極部材を対向させて配置すること
ができ、袋部(ロッカーパネル等)の内側まで十分な塗
膜を形成し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御す
ることができる。
【0053】電着槽2の長手方向に延在して配置し得る
電極部材としては、通常の電極部材同様、隔膜室20内
に配されていてもよい。電着槽2の長手方向に延在して
配置し得る電極部材は、通常の電極部材と同一のもので
あって、長尺上のものであれば問題無いが、いわゆる円
筒形電極を用いれば、上記のような配置が容易であり、
また長尺状のものを容易に入手することができる。この
ような円筒形電極としては、例えば、特許第26230
92号公報に記載された管状電極を使用することができ
る。より詳細には、円筒状電極は、隔膜で被覆された円
筒形の電極であり、円筒内中心部に、材質がステンレス
および/またはフェライトの円筒形または円柱形の陽極
棒を具備し、円筒内部を隔膜水が循環できる機構を持つ
電極となっている。本発明においては、上記のような隔
膜と一体化された電極も使用することができるが、隔膜
無しのいわゆる裸電極であっても、有効に使用すること
ができる。
【0054】[第3の実施形態]図6は、本発明の第3
の実施形態である電着塗装装置SP”の長手方向におけ
る断面図であり、第1の実施形態における図2に対応す
るものである。本実施形態においては、第1の実施形態
と側面電極部材17m〜17pの構成、および、自動車
車体3の搬送状態が異なっている。その他、第1の実施
形態と同一の符号が付された部材は、第1の実施形態の
各部材と同一の機能を有するものであり、その詳細な説
明は省略する。
【0055】なお、本実施形態の説明においては、第1
の実施形態における図1および図3に対応する図面につ
いては割愛するが、側面電極部材17m〜17pの構
成、および、自動車車体3の搬送状態を除いては、これ
らと基本的に同様の構成である。また、第1の実施形態
における図2は、図1におけるA−A断面であるため、
自動車車体3の進行方向右側の電着槽2側面に配される
側面電極部材17について図示されているが、図6にお
いては、自動車車体3の進行方向左側の電着槽2側面に
配される側面電極部材17m〜17pについて図示して
いるため、自動車車体3の一部、および、自動車車体3
の進行方向右側の側面電極部材が、側面電極部材17m
〜17pの裏側に隠れた状態で描かれている。また、各
側面電極部材は、電着槽2の長手方向に見て左右対称に
配置されている。したがって、以降の説明においては、
自動車車体3の進行方向左側の側面電極部材17m〜1
7pについてのみ挙げて説明するが、自動車車体3の進
行方向右側の側面電極部材についても同様である。
【0056】本実施形態において自動車車体3は、その
車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、キャリア1
3に支持されている。自動車車体3のキャリア13への
支持手段としては、特に限定されるものではなく、自動
車車体3のホイールハウス内を含む底面部のいずれかの
箇所において、自動車車体3全体を、その車長方向を軸
として略垂直に傾けた状態で、キャリア13により支持
できるような構成としておけばよい。勿論、キャリア1
3および/または自動車車体3を、設計時に予め所望の
形状としておくことにより、自動車車体3の底面部に代
え、あるいは、底面部と共に他の部位でキャリア13に
より支持できるような構成としておいてもよい。自動車
車体3は、かかる状態のまま、前記入槽、前記進行およ
び前記出槽される。
【0057】本実施形態の電着塗装装置によれば、電着
塗料1中で自動車車体3が、その車長方向を軸として略
垂直に傾けられた状態となっているため、ロッカーパネ
ル等の袋部が多く存在する自動車車体3の下回りが電着
槽2の一方の側面に対向している状態となっており、自
動車車体3の下回りに存在する袋部に対向させて、適切
に側面電極部材17を配置することができる。
【0058】図6においては、4つの側面電極部材17
m〜17pが、電着槽2の長手方向に延在した状態で配
置されているが、そのうち側面電極部材17mおよび1
7pの2つが、他の2つの側面電極部材17nおよび1
7oに比べ、長いものとなっている。側面電極部材17
mおよび17pは、自動車車体3における袋部であるロ
ッカーパネルに近接しているので、当該ロッカーパネル
の内側まで十分な塗膜を形成することができる。また、
塗膜形成性において特に問題の無い箇所においては、電
極部材が長い間近接した状態である必要が無いため、側
面電極部材17nおよび17pは短く設定されている。
【0059】自動車車体3の下回りに存在する袋部に対
向させて配置される側面電極部材17m〜17pとして
は、特にその距離を変更することなく、通常の電着塗装
装置と同様の条件とするだけで、自動車車体3の下回り
に対向させて側面電極部材17m〜17pが配置された
状態となり、袋部の塗膜形成性は各段に向上するが、よ
り厚い塗膜を袋部に形成するためには、側面電極部材1
7m〜17pを、より自動車車体3の袋部近傍に配置す
ることが望ましい。
【0060】また、塗膜外観が重要視されるフード、ル
ーフ、ラゲッジ等の水平部が電着塗料1中で略垂直に立
った状態となっており、該水平部への顔料の沈着の心配
がほとんどなく、該水平部における塗膜の均一性、平滑
性および鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成するこ
とができる。
【0061】勿論、電着塗料1中で、自動車車体3の左
右いずれかのサイド(フェンダー、サイドドア、リアフ
ェンダー、ピラー等)が、電着塗料1中で水平な状態と
なり、当該部位における顔料の沈降による塗膜外観の低
下も予測されるが、実際にはこれらの部位は、ある程度
曲面形状を有していることから沈降した顔料が付着しに
くく、また、フード、ルーフ、ラゲッジ等に比べれば、
要求される塗膜品質も低く、さらに元々その面積も小さ
いため、前記サイドの塗膜外観の低下はほとんど問題に
ならない。
【0062】さらに、電着槽2の自動車車体3の進行方
向側から見た断面の形状は、一般的な電着槽では略正方
形となるが、本実施形態では縦長の長方形となり、電着
槽2全体のタンク容量を低減させることができる。タン
ク容量の低減により、付随するポンプ、塗料補給装置、
およびフィルター等の設備の能力ないし面積を小さくす
ることができ、電着塗装装置の設置面積を小さくするこ
とができるとともに、塗料使用量の低減にもつながる。
【0063】ここで、本発明において、自動車車体の傾
きとして規定される「車長方向を軸として略垂直」と
は、自動車車体の車長方向、すなわち自動車としての前
後方向を軸として略90°回転させた状態を指し、自動
車としての水平状態の底面と、重力方向とが一致してい
る場合の他、若干のずれが生じている場合を含んでい
る。具体的なずれの範囲としては、自動車としての水平
状態の底面と、重力方向と、の為す角が±30°以内で
あり、本発明の効果を考慮すると、±20°以内である
ことが好ましく、±10°以内であることがより好まし
い。なお、本実施形態において自動車車体3は、自動車
車体3後方(入槽側)から見て、左回りに略90°回転
させた状態となっているが、回転させる方向は右回りで
あっても何ら差し支えない。
【0064】以上のように、本実施形態によれば、第1
および第2の実施形態において挙げた各効果の他、自動
車車体3の水平部における塗膜の均一性、平滑性および
鮮映性等の塗膜外観の良好な塗膜を形成することができ
ると共に、自動車車体3の下回りに多く存在する袋部の
内側まで十分な塗膜を形成することができる。さらに、
本実施形態によれば、電着槽2全体のタンク容量を低減
させることができる。
【0065】以上、3つの実施形態を挙げて本発明を説
明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるも
のではなく、本発明の構成を備える限り、従来公知の知
見にしたがい、これらに種々の変更を加えることができ
る。例えば、第1の実施形態の構成である、通常の電着
槽2の深さ方向に対して延びる電極部材を用いて、第3
の実施形態の構成である、自動車車体3を、その車長方
向を軸として略垂直に傾けた構成であってもよい。ま
た、各電極部材の本数や長さの関係は、全て一つの例示
であり、上記3つの実施形態における各電極部材の本数
や長さの関係に限定されるものではない。
【0066】以上の3つの実施形態においては、上部電
極部材14および底部電極部材18について何ら言及し
ていないが、上部電極部材14および底部電極部材18
についても側面電極部材17と同様の構成が適用可能で
ある。すなわち、上部電極部材14および底部電極部材
18の、電着槽2の長手方向の長さの合計が、電着槽2
における幅方向で、位置により異なる構成として、自動
車車体3の底面における塗膜形成性を調整することがで
きる。なお、上部電極部材14および底部電極部材18
についても、側面電極部材17同様、電着槽2の長手方
向に対して垂直に延びるように電極部材を配置しても、
電着槽2の長手方向に延在して電極部材を配置してもよ
い。
【0067】また、以上の3つの実施形態においては、
電着槽2の長手方向に見て左右対称に各側面電極部材が
配置されている例を挙げて説明したが、勿論左右対称で
ある必要は無く、自動車車体3の塗膜形成性が左右によ
り異なる場合には、積極的に左右の各側面に配置される
電極部材の、電着槽2の長手方向の長さの合計を調整す
ることが望ましい。電着槽2の長手方向の長さの合計に
ついて、例えば、自動車車体3の進行方向左側の側面電
極部材相互間、並びに、同右側の側面電極部材相互間で
は同一の長さであって、左右で長さが異なる場合、本発
明における「幅方向で位置により異なる」の概念に含ま
れる。
【0068】本発明においては、電着槽2の長手方向の
長さの合計が位置により異なるのは、側面電極部材17
および底部電極部材18は勿論のこと、上部電極部材を
含む全ての中の一部の電極部材で構わない。例えば、側
面電極部材17同士、上部電極部材14同士、および底
部電極部材18同士は、それぞれ電着槽2の長手方向の
長さの合計がどの位置でも同じであるが、側面電極部材
17−底部電極部材18間および/または側面電極部材
17−上部電極部材14間等で異なっている場合も、自
動車車体3の上面、底面、サイド、水平面等の相互間で
塗膜形成性を調整することができ、本発明の効果が達成
される。
【0069】本発明において、適用し得る電着塗料は、
カチオン電着塗料およびアニオン電着塗料のいずれであ
ってもよい。以下、本発明の電着塗装装置で用いられる
典型的なカチオン電着塗料の性状ないしはその製造方法
の一例を説明する。なお、電着塗料の組成ないしはその
製造方法がこれに限定されるものではないのは勿論であ
る。この電着塗装で用いられるカチオン電着塗料は、実
質的には、被塗物と塗膜成分との間の、あるいは、塗膜
成分粒子間のバインダとして機能するエマルジョンと、
塗膜の色彩の基となる顔料ペーストと、イオン交換水
(純水)とが混ぜ合わされてなる液状の混合物である。
【0070】典型的なエマルジョンは、酸で中和されて
水溶性生成物を形成している、架橋剤とブレンドされた
エポキシアミンアダクトの水性エマルジョンよりなる。
かかるエマルジョンにおいては、一般に、水を添加して
エマルジョンを形成させる前に、エポキシアミンアダク
トと架橋剤との混合物に金属触媒が添加される。なお、
この金属触媒は、溶液状態で添加されてエポキシアミン
アダクトおよび架橋剤の混合物と混合される(米国特許
第4,419,467号明細書参照)。
【0071】ここで、架橋剤としては、よく知られてい
るように、連鎖型ないしはシクロ型の脂肪族イソシアネ
ートあるいは芳香族イソシアネート、例えばヘキサメチ
レンジイソシアネート、シクロヘキサメチレンジイソシ
アネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェ
ニルジイソシアネート等が用いられる。これらのイソシ
アネートは、イソシアネート官能基、すなわち橋かけ官
能基をブロックするブロッキング剤、例えばオキシム、
アルコールおよびカプロラクタムと予め反応させられ
る。ブロッキング剤は加熱により分離し、その結果反応
性イソシアネート基が生じて橋かけが起こる(米国特許
第4,419,467号明細書参照)。エポキシアミン
アダクトおよびブロックイソシアネートは、電着塗料中
の主な樹脂成分であり、かかる樹脂中には、通常、エポ
キシアミンアダクトが約40〜90重量%含まれ、ブロ
ックイソシアネートが約60〜10重量%含まれる。
【0072】また、顔料ペーストは、分散用ビヒクル中
に顔料を分散させた上で、これに所望の添加物、例えば
湿潤剤、界面活性剤、消泡剤等を添加することによって
調製される。ここで、顔料の分散用ビヒクルとしては、
一般に知られている通常のものが用いられる。分散後に
おける顔料の粒径は、普通、Hegman粒ゲージで約
6〜8である。
【0073】顔料ペーストには、湿潤剤、界面活性剤、
消泡剤等の添加物を添加することができるが、この場
合、かかる添加物は、顔料ペースト中のバインダ固形物
に対して約0.1〜2.0重量%の割合で添加するのが
好ましい。なお、界面活性剤あるいは湿潤剤としては、
アルキルイミダゾリン、アセチレン系アルコール等が用
いられる。また、顔料ペーストに可塑剤を添加してもよ
く、かかる可塑剤としては、高沸点水非混和性材料、例
えばノニルフェノール、あるいはビスフェノールAのエ
チレンオキシドアダクトまたはプロピレンオキシドアダ
クト等が用いられる。かかる可塑剤は、通常、約0.1
〜15重量%添加される。
【0074】電着塗料は水性分散物である。水性分散物
である電着塗料1は、通常、約3〜50重量%、好まし
くは5〜40重量%の固形物を含有する。電着槽に供給
される際に水でさらに希釈される水性分散物は、普通、
10〜30重量%の固形物を含む。
【0075】電着塗料には、膜抵抗調整溶剤も添加され
る。典型的な膜抵抗調整溶剤は、例えば炭化水素、アル
コール、ポリオール、エステル、エーテル、ケトン等で
あるが、好ましくは、アルコール、ポリオールおよびケ
トンである。また、膜抵抗調整溶剤として、エチレング
リコールのモノブチルおよびモノヘキシルエーテル、あ
るいはプロピレングリコールのフェニルエーテルが用い
られることもある。膜抵抗調整溶剤の添加量は、一般に
バインダ固形物の重量に対して約0.1〜15重量%、
好ましくは約0.5〜5重量%である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
塗膜形成性の高い箇所の塗膜を厚く形成し過ぎずに、袋
部の内側など塗膜形成性の低い箇所に十分な塗膜を形成
し得る等、箇所に応じて塗膜厚を適切に制御し得る自動
車車体の電着塗装装置および電着塗装方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電着塗装装置の一例を示す上面図で
あり、外部の構成は省略してある。
【図2】 図1におけるA−A断面図であり、搬送装置
関係を含めて示すものである。
【図3】 図1におけるB−B断面図であり、搬送装置
関係の概略の他、電着塗装装置における電着液の循環状
態および電気系の回路を説明するための概略構成を含め
て示すものである。
【図4】 本発明の電着塗装装置の他の一例を示す断面
図であり、外部の構成は省略してある。
【図5】 図4におけるC−C断面図であり、電着塗装
装置における電着液の循環状態および電気系の回路を説
明するための概略構成を含めて示すものである。
【図6】 本発明の電着塗装装置のさらに他の一例を示
す断面図であり、外部の構成は省略してある。
【符号の説明】
1 電着塗料 2 電着槽 3 自動車車体 4 搬送機構 6 入槽側端部 7 入口側傾斜部 8 平底部 9 出口側傾斜部 10 出槽側端部 11 レール 12 搬送機 13 キャリア 14 上部電極部材 15 直流電源 16 マイナス側導線 17,17a,17b,17c,17d,17e,17
f,17g,17h,17i,17j,17k,17
m,17n,17o,17p 側面電極部材 18 底部電極部材 19 プラス側導線 20 隔膜室 21 隔膜 22 隔膜液タンク 23 隔膜液 24 ポンプ 25,26 隔膜液パイプ 27 純水タンク 28 純水 29 純水供給通路 30 電導度計 31 制御弁 32 コントローラ 35 流動式撹拌機構 37 受け槽 38 循環ポンプ 39 電着塗料循環配管 40 ライザー 41 フィルタ 42 流量調整バルブ 43 液温調整装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、液状の電着塗料を収容する
    舟形または直方体形の電着槽と、 自動車車体を、前記電着槽の長手方向の一端から入槽さ
    せ、前記電着槽内で長手方向に進行させ、前記電着槽の
    長手方向の他端から出槽させ、これを連続的に順次行う
    搬送手段と、 前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中に浸漬された自
    動車車体が一方の電極となり、かつ、前記電着槽内で前
    記自動車車体とは離間して配置された複数の電極部材が
    他方の電極となるように、前記自動車車体および前記電
    極部材間に直流電圧を印加して、前記電着塗料を前記自
    動車車体の表面に電着させる通電手段と、が設けられて
    なる自動車車体の電着塗装装置であって、 前記電極部材の、前記電着槽長手方向の長さの合計が、
    前記電着槽における深さ方向および/または幅方向で、
    位置により異なることを特徴とする自動車車体の電着塗
    装装置。
  2. 【請求項2】 前記電極部材のうち一部または全部が、
    前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴
    とする請求項1に記載の自動車車体の電着塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中
    に浸漬された自動車車体における、 袋部の近傍に配置された前記電極部材の、前記電着槽長
    手方向の長さの合計が、 他の箇所の近傍に配置された前記電極部材の、前記電着
    槽長手方向の長さの合計に比べて、長いことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の自動車車体の電着塗装装
    置。
  4. 【請求項4】 前記搬送手段が、前記自動車車体を、そ
    の車長方向を軸として略垂直に傾けた状態で、前記入
    槽、前記進行および前記出槽させる手段であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の自動車車体
    の電着塗装装置。
  5. 【請求項5】 舟形または直方体形の電着槽に収容され
    た液状の電着塗料中に、自動車車体を、前記電着槽の長
    手方向の一端から入槽させ、前記電着槽内で長手方向に
    進行させ、前記電着槽の長手方向の他端から出槽させ、
    これを連続的に順次行い、かつ、前記電着槽に入槽され
    て前記電着塗料中に浸漬された自動車車体が一方の電極
    となり、かつ、前記電着槽内で前記自動車車体とは離間
    して配置された複数の電極部材が他方の電極となるよう
    に、前記自動車車体および前記電極部材間に直流電圧を
    印加して、前記電着塗料を前記自動車車体の表面に電着
    させる自動車車体の電着塗装方法であって、 前記電極部材の、前記電着槽長手方向の長さの合計が、
    前記電着槽における高さ方向および/または幅方向で、
    位置により異なることを特徴とする自動車車体の電着塗
    装方法。
  6. 【請求項6】 前記電極部材のうち一部または全部が、
    前記電着槽の長手方向に延在して配置されることを特徴
    とする請求項5に記載の自動車車体の電着塗装方法。
  7. 【請求項7】 前記電着槽に入槽されて前記電着塗料中
    に浸漬された自動車車体における、 袋部の近傍に配置された前記電極部材の、前記電着槽長
    手方向の長さの合計が、 他の箇所の近傍に配置された前記電極部材の、前記電着
    槽長手方向の長さの合計に比べて、長いことを特徴とす
    る請求項5または6に記載の自動車車体の電着塗装方
    法。
  8. 【請求項8】 前記自動車車体を、その車長方向を軸と
    して略垂直に傾けた状態で、前記入槽、前記進行および
    前記出槽させることを特徴とする請求項5〜7のいずれ
    か1に記載の自動車車体の電着塗装方法。
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