JP3845979B2 - 浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法 - Google Patents

浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱脂処理あるいは化成処理などの前処理工程または電着塗装工程など、各種表面処理工程で用いられるフルディップまたはハーフディップの浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法に関し、特に槽内処理液の攪拌性に優れた浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車ボディの塗装には、下塗り塗装、中塗り塗装および上塗り塗装からなる3コート塗装系が採用されているが、このうちの下塗り塗装工程には、たとえば脱脂処理、化成処理あるいは電着塗装などの工程において、自動車ボディを処理液または塗料液中に全没させるディッピング塗装法が広く用いられている。
【0003】
この種のディッピング塗装法においては、連続的に搬送される自動車ボディを所定の時間だけ全没させる必要があるため、処理槽や塗料槽には大量の処理液や塗料液が収容されている。
【0004】
なかでも、電着塗料液は、低固形分に希釈されているので、常時あるいは間欠的に攪拌しないと顔料沈降が生じ、また槽内収容量が大量であることから、いったん顔料が沈降すると再分散させるのはきわめて困難である。電着塗料液において顔料の分散が不均一であると、塗膜の光沢が変動し、これが上塗り塗膜にまで影響を及ぼすことになる。
【0005】
また、電気泳動作用により塗膜形成を行う電着塗装においては、塗膜形成時、すなわちディッピング時に被塗面で反応ガスが発生し、この気泡をそのまま放置すると析出中の塗膜内に残留して塗膜欠陥になる。この意味からも、槽内の電着塗料液に適当な流速を与え、これにより反応ガスを被塗面から除去する必要がある。
【0006】
さらに、電着塗装においては、塗膜形成時に反応熱が生じるため、被塗面近傍の塗料温度が上昇し塗膜抵抗が低下するが、これを放置すると局部的に厚膜になる。電着膜厚が不均一であると、塗膜表面品質、たとえば鮮映性や塗り肌も不均一となる他、厚膜すぎるとコスト的にも問題がある。したがって、被塗面に適温の塗料液を送って冷却する意味からも、槽内攪拌が必要となる。
【0007】
一方、塗装工程の前工程である溶接工程では、車体パネルをスポット溶接やアーク溶接などにより接合して組み立てるので、スポット溶接時のスパッタ等の金属粉が自動車ボディに付着したまま塗装工程に搬入される。電着塗装工程の前処理工程では、このような異物を洗浄するために多段の洗浄工程が設けられているが、微細な金属粉や室内に付着した異物を完全に洗い落とすことはできない。
【0008】
こうした金属粉が電着槽内に持ち込まれると、これが自動車ボディの特に水平部などに再付着し、電着塗膜内に入りこんで塗膜欠陥を引き起こすことになる。このため、被塗面に付着しようとする金属粉などの異物を除去し、また濾過器により槽外へ排出する意味からも、槽内攪拌が利用されている。
【0009】
このように、顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止などの諸観点から、電着槽内の攪拌が行われている。
【0010】
この種の槽内攪拌については、従来より特開平6−272091号公報、特開平6−272092号公報、特開平8−41687号公報等に記載された塗料循環方式が知られている。
【0011】
従来の塗料循環方式による槽内攪拌は、概ね以下のとおりである。
すなわち、図8に示されるように、被塗物である自動車ボディBは、ハンガHに搭載され、電着塗料液Lが投入された電着槽1内へ、オーバーヘッドコンベアCにより一定速度で搬入される。
【0012】
電着槽1における自動車ボディBは、約30°の角度で入槽し、3分以上の全没時間を確保して槽内を通過したのち、約30°の角度で出槽する。この間、カチオン型電着塗料では、電着槽1の側壁および底壁に配置された図外の電極板を介して、電着塗料Lに300V前後の直流電圧が印加され、これによりアース側であるボディBとの間で塗料粒子の電気泳動が生じ、ボディBの内外板や袋構造内面に電着塗膜が形成される。
【0013】
従来の槽内攪拌は、大きく2つの循環系が設けられている。その一つは、電着槽1の出槽部に設けられたオーバーフロータンクTから塗料液Lを吸引し、濾過後にこれを槽内のノズル21から吐出する循環系2であり、他の一つは、電着槽1自体から塗料液Lを吸引し、濾過後に再び槽内のノズル31から吐出する循環系3である。図において矢印で示すように、何れの循環系2,3も、槽内に大きな塗料液Lの循環が生じるようにノズル21,31から吐出され、この大きな塗料液の循環によって槽内攪拌が行われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の槽内攪拌は、電着槽1の液面側と底面側とで液流が逆になるように塗料液Lを全体的に循環させるので、ちょうどボディBが通過する槽中央部Aの液流が必然的に弱くなり、塗料の顔料や金属粉などがここに集約して浮遊する傾向があった。
【0015】
槽中央部Aに顔料が集まる、つまり顔料リッチになると、既述したように電着塗膜の光沢が低下し、上塗り塗膜の光沢まで影響が出る。また、ボディBが通過する槽中央部Aに金属粉などの異物が集まるので、当然「ブツ」と呼ばれる塗装欠陥が多くなる。
【0016】
さらに、液流が弱くなることで、反応ガスの除去性能が低下し、気泡を巻き込んだ塗装欠陥も多発するおそれがある他、反応熱の冷却性能も低下するので厚い塗膜が形成されがちとなる。
【0017】
以上は、電着塗装工程での問題点であるが、アルカリ化合物を主成分とする脱脂液が満たされた脱脂槽や、リン酸亜鉛を主成分とする化成処理液が満たされた化成処理槽においても同様のディッピング法が採用されており、電着塗装法特有の問題を除き、金属粉などの異物付着などは電着工程と同じ問題を抱えている。
【0018】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、上述した塗装品質およびコストの点から槽内攪拌を適正化することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の浸漬型表面処理装置は、処理槽に満たされた処理液に被処理物を浸漬する浸漬型表面処理装置において、前記処理槽のうち少なくとも前記被処理物が通過する第1の領域は、処理液の流れを一の方向とし、前記処理槽のうち前記第1の領域以外の第2の領域は、処理液の流れを前記第1の領域の流れとは逆方向の流れとする撹拌手段を有することを特徴とする。
【0020】
この請求項1記載の浸漬型表面処理装置では、少なくとも被処理物が通過する第1の領域の液流が一の方向とされているので、処理領域において滞留することのない適正な液流が確保され、これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。
【0021】
また、処理槽全体の液流を一の方向にするのではなく、処理槽内において処理液の循環がなされるので、大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数の循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0022】
請求項1記載の浸漬型表面処理装置における第1の領域とは、少なくとも、被処理物が処理槽内を通過する際の移動軌跡で形成される領域をいい、特に限定されないが主として処理槽中央から上部が該当する。これに対して、第2の領域とは、第1の領域以外の処理槽の領域をいい、特に限定されないが処理槽の底部あるいは側部が該当する。これら第1の領域と第2の領域とは、処理槽内に形成されるが、ここでいう処理槽は、たとえば被塗物が通過する処理タンクの底部や側部に、第2の領域を構成する流路を付加したものも含まれる概念である。
【0023】
請求項1記載の浸漬型表面処理装置において、第1の領域と第2の領域との区画手段は特に限定されず、物理的乃至は構造的な手段を用いずに液流のみによって区画することもできるが、請求項2記載の浸漬型表面処理装置は、前記第1の領域と第2の領域との間に仕切り板が設けられ、当該仕切り板の両端のそれぞれに両領域を連通する開口部が形成されていることを特徴とする。
【0024】
この請求項2記載の浸漬型表面処理装置では、第1の領域を流下した処理液は仕切り板の一方の開口部から第2の領域に流入し、この第2の領域を流下したのち、仕切り板の他方の開口部から再び第1の領域に流入する。
【0025】
これにより、処理槽全体として大きな処理液の循環(攪拌)が生じるが、本発明では処理槽内を仕切り板により物理的乃至は構造的に仕切り、第1の領域と第2の領域とを形成するので、第1の領域における処理液の流れがより一層均一化でき、また処理条件に応じて液流を制御することも可能となる。
【0026】
請求項2記載の浸漬型表面処理装置において、仕切り板は処理槽の底面近傍あるいは処理槽の側面などに設けることができる。また、上述したように本来の処理槽の底面あるいは側面自体を仕切り板とし、外部に第2の領域を付加したものも本発明に含まれる趣旨である。これらの場合、処理槽の容量や攪拌量に応じて、仕切り板で形成される第2の領域の容積や開口部の開口面積を決定することが望ましい。
【0027】
請求項2記載の浸漬型表面処理装置において、第2の領域の下流側は仕切り板に形成された開口部によって第1の領域に連通しているが、ここに槽内に持ち込まれた金属粉などの異物を除去するための手段を設けることもできる。すなわち、請求項3記載の浸漬型表面処理装置は、前記第2の領域の液流方向の先端に、前記仕切り板の開口部から分岐するように、流下した処理液の一部を集約するホッパーが形成されていることを特徴とする。
【0028】
こうすることで、第2の領域を流下して異物を含んだ処理液の一部がホッパーに導かれ、ここに濾過器などを設けることで処理液に含まれた異物を系外へ排出することができる。本発明に係るホッパーは、異物を集約し易くする意味から、第2の領域の液流方向に対向し、かつ徐々に縮径する構造とすることが望ましい。
【0029】
請求項1記載の攪拌手段は、特に限定されないが、請求項4記載の浸漬型表面処理装置は、前記攪拌手段は、前記第2の領域を流下した処理液の一部を前記ホッパーから吸引し、これを前記第1の領域の液流方向に沿って吐出する第1の処理液循環手段と、前記処理槽の槽外に設けられたオーバーフロー槽から処理液を吸引し、これを前記第1の領域の液流方向に沿って吐出する第2の処理液循環手段と、前記第2の領域の処理液に一の方向の流れを付与する圧送手段と、を少なくとも有することを特徴とする。
【0030】
この請求項4記載の浸漬型表面処理装置では、少なくとも第1の処理液循環手段、第2の処理液循環手段および圧送手段によって、請求項1記載の液流を発生させる。この場合の第1および第2の処理液循環手段では、処理液を吸引する手段として遠心ポンプ、回転ポンプ、往復ポンプなどが用いられ、処理液を吐出する手段としてノズルなどが用いられる。特にこれら第1および第2の処理液循環手段に濾過器を設け、処理液に含まれる異物を濾過することが好ましい。また、電着塗装装置に適用する場合には、これら第1および第2の処理液循環手段に熱交換器、冷凍機などからなる温度調節装置を設けることが好ましい。
【0031】
なかでも、請求項5記載の浸漬型表面処理装置は、前記圧送手段は、前記第2の領域に設けられたプロペラ形羽根車を有することを特徴とする。
【0032】
処理液を循環させる場合に遠心ポンプなどのポンプを用いると、ポンプ効率が60%〜80%であるため圧送ロスが大きいが、本発明に係るプロペラ羽根車は処理液をダイレクトに圧送するので、遠心ポンプの圧送損失を30%〜40%低減することができる。
【0033】
上記浸漬型表面処理装置における処理槽の形状は特に限定されないが、請求項6記載の浸漬型表面処理装置は、前記第2の領域から前記仕切り板の開口部を介して前記第1の領域に至った処理液が、前記第1の領域の端部液面で処理液の流れにターンして合流するように、前記処理槽の端部が湾曲して形成されていることを特徴とする。
【0034】
このように処理槽の端部を湾曲して形成することで、第2の領域から仕切り板の開口部を介して第1の領域に至った処理液は、この湾曲面で滑らかにターンし、第1の領域の液流に円滑に合流することになる。これにより、処理液の液流がより均一になる他、処理液の泡立ちも防止できる。
【0035】
上記浸漬型表面処理装置において、第1の領域における処理液の流れ方向は被処理物の移動方向に対して何れの方向でも良いが、請求項7記載の浸漬型表面処理装置は、前記第1の領域における処理液の一の方向の流れが、前記被処理物の移動方向に対向した方向であることを特徴とする。
【0036】
この請求項7記載の浸漬型表面処理装置では、第1の領域の液流方向が被処理物の移動方向に対向しているので、液流と被塗物との相対速度を高めることができ、その結果金属粉などの異物の付着をより効果的に防止することができる。また、電着塗装装置に適用した場合には、被塗物表面で生じる気泡や熱を効果的に除去することができる。特に、処理槽の入槽側にオーバーフロータンクを設ければ、被塗物の入槽時に持ち込まれた異物をそのままオーバーフロータンクへ流し出すことができ、これにより「ブツ」などの塗膜欠陥を減少させることができる。
【0037】
上述した目的は、以下に示す浸漬式表面処理方法によっても達成することができる。
すなわち、請求項8浸漬式表面処理方法は、処理槽に満たされた処理液に被処理物を浸漬する浸漬式表面処理方法において、前記処理槽内を前記被処理物が通過する第1の領域とそれ以外の第2の領域とに区画し、それぞれの領域の液流が一の方向であって両領域の液流が処理槽全体として連続するように、前記処理液を攪拌しながら前記被処理物を処理することを特徴とする。
【0038】
この請求項8記載の浸漬式表面処理方法では、被処理物が通過する第1の領域の液流が一の方向とされているので、処理領域において滞留することのない適正な液流が確保され、これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。
【0039】
また、処理槽全体の液流を一の方向にするのではなく、処理槽内において処理液の循環がなされるので、大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数の循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0040】
また、請求項9記載の浸漬式表面処理方法は、前記第2の領域を流下した処理液の一部を液流外に集約し、濾過したのち前記処理槽に戻すことを特徴とする。
【0041】
この請求項9記載の浸漬式表面処理方法では、第2の領域を流下した処理液の一部を液流外に集約し、濾過したのち処理槽に戻すので、処理槽内に持ち込まれた金属粉などの異物を効率的に系外へ除去することができ、「ブツ」などの塗膜欠陥を減少させることができる。
【0042】
この場合、第1の領域における処理液の流れ方向は被処理物の移動方向に対して何れの方向でも良いが、請求項10記載の浸漬式表面処理方法は、前記第1の領域における処理液の一の方向の流れが、前記被処理物の移動方向に対向した方向であることを特徴とする。
【0043】
こうすることで、液流と被塗物との相対速度を高めることができ、金属粉などの異物の付着をより効果的に防止することができる。また、電着塗装方法に適用した場合には、被塗物表面で生じる気泡や熱を効果的に除去することができる。特に、処理槽の入槽側にオーバーフロータンクを設ければ、被塗物の入槽時に持ち込まれた異物をそのままオーバーフロータンクへ流し出すことができ、これにより「ブツ」などの塗膜欠陥をより減少させることができる。
【0044】
上述した本発明の浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法における被処理物の浸漬法には、被処理物を全没させるフルディップ法と、被処理物の一部を浸漬するハーフディップ法とが含まれる。
【0045】
また、本発明の浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法における表面処理には、脱脂処理、表面調整処理、化成処理などの前処理と、電着塗装とが含まれる。
【0046】
本発明の浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法は、自動車ボディ、自動車部品など、各種金属製部品の表面処理に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1または4記載の浸漬型表面処理装置によれば、処理領域において滞留することのない適正な液流が確保され、これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。
【0048】
また、大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数の循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0049】
また、請求項2記載の浸漬型表面処理装置によれば、第1の領域における処理液の流れがより一層均一化でき、また処理条件に応じて液流を制御することも可能となる。
【0050】
請求項3記載の浸漬型表面処理装置によれば、第2の領域を流下して異物を含んだ処理液の一部がホッパーに導かれるので、ここに濾過器などを設けることで処理液に含まれた異物を系外へ効率よく排出することができる。
【0051】
請求項5記載の浸漬型表面処理装置によれば、プロペラ羽根車で処理液をダイレクトに圧送するので、遠心ポンプの圧送損失を30%〜40%低減することができ、省エネルギーに寄与することになる。
【0052】
請求項6記載の浸漬型表面処理装置によれば、処理液が湾曲面で滑らかにターンし第1の領域の液流に円滑に合流することになるので、処理液の液流がより均一になる他、処理液の泡立ちも防止できる。
【0053】
請求項7記載の浸漬型表面処理装置によれば、第1の領域の液流方向が被処理物の移動方向に対向しているので、液流と被塗物との相対速度を高めることができ、その結果金属粉などの異物の付着をより効果的に防止することができる。また、電着塗装装置に適用した場合には、被塗物表面で生じる気泡や熱を効果的に除去することができる。
【0054】
請求項8記載の浸漬式表面処理方法によれば、処理領域において滞留することのない適正な液流が確保され、これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。また、大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数の循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0055】
請求項9記載の浸漬式表面処理方法によれば、処理槽内に持ち込まれた金属粉などの異物を効率的に系外へ除去することができ、「ブツ」などの塗膜欠陥を減少させることができる。
【0056】
請求項10記載の浸漬式表面処理方法によれば、液流と被塗物との相対速度を高めることができ、金属粉などの異物の付着をより効果的に防止することができる。また、電着塗装方法に適用した場合には、被塗物表面で生じる気泡や熱を効果的に除去することができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の浸漬型表面処理装置を電着塗装装置に適用した実施形態を示す断面図、図2は図1のII-II 線に沿う断面図、図3は図1の電着塗装装置の入槽部を示す平面図である。
【0058】
本実施形態の電着塗装装置は、長い船状の電着槽(処理槽)1を有し、この電着槽1内に電着塗料液Lが満たされている。被塗物(被処理物)である自動車ボディBは、ハンガHに搭載された状態でオーバーヘッドコンベアCにより一定速度で搬入されるが、電着槽1内へボディBを全没させるために、オーバーヘッドコンベアCは、電着槽1の入槽側で約20°〜40°の下向き傾斜とされ、電着槽有効範囲においてはボディBが全没する高さを保ち、出槽側で約20°〜40°の上向き傾斜とされている。図1においては、図の左側が入槽側であり右側が出槽側である。
【0059】
電着槽有効範囲、つまりボディBが全没する範囲の電着槽1の長さは、3分以上の全没時間が確保されるように設定されている。ボディBが入槽されると、カチオン型電着塗料では、電着槽1の側壁および底壁に配置された電極板4(図2参照)を介して、電着塗料Lに300V前後の直流電圧が印加され、これによりアースされたボディBとの間で塗料粒子の電気泳動が生じ、ボディBの内外板や袋構造内面に電着塗膜が形成される。
【0060】
図1に示すように、本実施形態の電着槽1は、底面近傍に仕切り板13が設けられており、この仕切り板13により、電着槽1内が、ボディBが入槽、全没、出槽する第1の領域11と、仕切り板13より底面側の第2の領域12とに区画される。また、この仕切り板13の入槽側および出槽側のそれぞれには、その幅方向の全域にわたって開口部14a,14bが形成されており、これにより第1の領域11と第2の領域12とが連通するようになっている。
【0061】
仕切り板13の底面側に形成された第2の領域12の出槽側には、プロペラ形羽根車16aとモータ16bとからなる圧送手段16が設けられており、出槽側の開口部14bから導入された電着塗料液Lを入槽側へ向かって押し出し、一の方向、ここでは図の左向き方向の液流を付与する機能を司る。このように第2の領域12を流れる電着塗料液Lに一の方向の液流を付与するための他の手段としては、たとえば吸引ポンプとノズルとを用いた圧送手段も適用できるが、本実施形態のように電着塗料液Lをダイレクトに押し出すプロペラ形羽根車16aを採用することで、吸引ポンプに比べて圧送損失が小さくなり、省エネルギーに寄与することができる。なお、本実施形態では、図2に示されるように圧送手段16を電着槽1の幅方向に沿って3セット設けている。
【0062】
電着槽1の入槽側に形成された仕切り板13の開口部14aに近接して、第2の領域12の略延長線上にはホッパー15が形成されており、このホッパー15は、図3の平面図に示されるように電着槽1の幅方向に2つ形成されている。このホッパー15は、第2の領域12を流下した電着塗料液Lの一部を集約するためのもので、その先端には吸引ポンプP、フィルタFおよび熱交換器Eが設けられ、さらにその先端には複数のノズル31が設けられている。
【0063】
これらが第1の電着液循環手段3を構成し、これにより、第2の領域12を流下した電着塗料液Lは、その一部がホッパー15に導かれ、ポンプPにより吸引されてフィルタFで濾過されたのち、熱交換器Eで適切な温度に制御され、ノズル31から再び電着槽1の第1の領域11内で吐出される。
【0064】
この第1の電着液循環手段3のノズル31は、図1および図2に示されるように、電着槽1の両側壁に立設された複数本のパイプPのそれぞれに装着され、電着塗料液の吐出方向が図1の矢印方向に向かって設けられている。第1の領域11における液流は主としてこれらのノズル31からの吐出力によって生じることとなる。
【0065】
本実施形態に係るホッパー15は、第2の領域12を流下した電着塗料液Lが、仕切り板13の開口部14aとホッパー15とに分岐されるように形成されているが、電着塗料液Lに含まれる金属粉などの異物の殆どは、自重および第2の領域12からの液流の惰性力によってホッパー15側に導かれることになる。したがって、フィルタFによる濾過効果が大いに期待され、電着槽1の第1の領域11に戻される電着塗料液Lは異物の混入が少ないものとなる。
【0066】
電着槽1の出槽側の外部には、オーバーフロータンクTが設けられており、電着槽1とオーバーフロータンクTとの間の堰T1を越えた電着塗料液Lは当該オーバーフロータンクTへ流入する。したがって、電着槽1の液面は堰T1の高さで決定される。
【0067】
このオーバーフロータンクTには、吸引ポンプP、フィルタF、熱交換器Eおよび複数のノズル21を有する第2の電着液循環手段2が設けられており、オーバーフロータンクTの電着塗料液LはポンプPで吸引され、フィルタFで濾過されたのち、熱交換器Eで適切な温度に調節され、ノズル21から第1の領域11内へ吐出される。
【0068】
この第2の電着液循環手段2のノズル21は、図1に示されるように、電着槽1の出槽側の底面に幅方向にわたって設けられた複数本のパイプ(図示省略)のそれぞれに装着され、電着塗料液Lの吐出方向が出槽側の底面に沿うとともに開口部14bに向かうように設けられている。第1の領域11の終端におけるUターン流は、主としてこれらのノズル21からの吐出力によって生じることとなる。
【0069】
なお、電着槽1の入槽側の端部17は、当該入槽側の底面に沿って上昇する電着塗料液Lが円滑にUターンするように幅方向にわたって湾曲して形成されている。
【0070】
次に作用を説明する。
第1の電着液循環手段3のポンプPを駆動し、ホッパー15から第2の領域12を流下した電着塗料液Lを吸引する。この電着塗料液Lは、フィルタFによって濾過され、熱交換器Eによって適切な温度に調節されたのち、複数のノズル31から第1の領域11内へ吐出される。この吐出力により、ボディBが通過する第1の領域に図示する矢印方向の液流が生じる。
【0071】
また、第2の電着液循環手段2のポンプPを駆動し、オーバーフロータンクTからタンク内の電着塗料液Lを吸引する。この電着塗料液Lは、フィルタFによって濾過され、熱交換器Eによって適切な温度に調節されたのち、複数のノズル21から電着槽1の出槽側の底面へ吐出される。この吐出力により、ボディBが通過する第1の領域の終端にUターン流が生じる。
【0072】
さらに、圧送手段16のモータ16bを駆動し、第2の領域12に設けられたプロペラ形羽根車16aを回転させる。このプロペラ形羽根車16aの回転により、ノズル21でUターンした出槽側の開口部14b近傍の電着塗料液Lは、第2の領域12内へ吸引され、これが第2の領域12に沿って押し出される。
【0073】
第2の領域12を一方向に流下した電着塗料液Lは、当該第2の領域12の終端で、ホッパー15へそのまま直進する液流と開口部14aに上昇する液流とに分岐し、ホッパー15へ直進した電着塗料Lは、上述したように第1の電着液循環手段3に導かれるが、開口部14aを通過して第1の領域11に戻った電着塗料液Lは、入槽側の底面に沿って上昇し、電着槽1の湾曲端部17でUターンする。
【0074】
以上のことから、まずボディBが通過する第1の領域11においては入槽側から出槽側へ向かう一の方向となり、第2の領域12においては出槽側から入槽側へ向かう一の方向となり、電着槽1全体として一つの大きな槽内循環系が生じることになる。
【0075】
この槽内循環系は、ボディBが通過する第1の領域11全体の液流が一の方向とされているので、電着有効領域において電着塗料液が滞留することのない適正な液流が確保される。これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。
【0076】
また、電着槽1全体の液流を一の方向にするのではなく、電着槽1内において一つの大きな循環がなされるので、こうした電着槽1のように大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数のポンプ、配管などからなる循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0077】
さらに、第2の領域12の終端、すなわちホッパー15と開口部14aとの分岐点では、電着塗料液Lに含まれた金属粉などが停滞し易くなり、これをそのままホッパー15で集約し、フィルタFで系外へ除去することができる。
【0078】
第2実施形態
図4は本発明の浸漬型表面処理装置の実施形態である電着塗装装置の他の形態を示す断面図、図5は図4の電着塗装装置を示す平面図、図6は図4のVI-VI 線に沿う断面図である。
【0079】
本実施形態の電着塗装装置では、第2の領域12が第1の領域11の下部両側面に形成されている点で、上述した第1実施形態と相違する。第1実施形態と共通する構成部材には同一の符号を付すが、図4乃至図6に示すように、本実施形態の電着槽1は、下部両側面に仕切り板13,13が設けられており、この仕切り板13により、電着槽1内が、ボディBが入槽、全没、出槽する第1の領域11と、仕切り板13,13より外側の第2の領域12,12とに区画される。また、この仕切り板13,13の入槽側および出槽側のそれぞれには、図5に示すように開口部14a,14bが形成されており、これにより第1の領域11と第2の領域12とが連通するようになっている。
【0080】
仕切り板13の外側に形成された第2の領域12,12の出槽側には、プロペラ形羽根車16aとモータ16bとからなる圧送手段16がそれぞれ設けられており、出槽側の開口部14bから導入された電着塗料液Lを入槽側へ向かって押し出し、一の方向、ここでは図の左向き方向の液流を付与する機能を司る。
【0081】
電着槽1の入槽側に形成された開口部14aに近接して、第2の領域12の略延長線上にはホッパー15が形成されており、このホッパー15は、図5の平面図に示されるように電着槽1の両側にそれぞれ形成されている。このホッパー15は、第2の領域12を流下した電着塗料液Lの一部を集約するためのもので、その先端には吸引ポンプP、フィルタFおよび熱交換器Eが設けられ、さらにその先端には複数のノズル31が設けられている。
その他の構成については第1実施形態と同じである。
【0082】
次に作用を説明する。
第1の電着液循環手段3のポンプPを駆動し、ホッパー15から第2の領域12を流下した電着塗料液Lを吸引する。この電着塗料液Lは、フィルタFによって濾過され、熱交換器Eによって適切な温度に調節されたのち、複数のノズル31から第1の領域11内へ吐出される。この吐出力により、ボディBが通過する第1の領域に図示する矢印方向の液流が生じる。
【0083】
また、第2の電着液循環手段2のポンプPを駆動し、オーバーフロータンクTからタンク内の電着塗料液Lを吸引する。この電着塗料液Lは、フィルタFによって濾過され、熱交換器Eによって適切な温度に調節されたのち、複数のノズル21から電着槽1の出槽側の底面へ吐出される。この吐出力により、ボディBが通過する第1の領域の終端にUターン流が生じる。
【0084】
さらに、圧送手段16のモータ16bを駆動し、第2の領域12に設けられたプロペラ形羽根車16aを回転させる。このプロペラ形羽根車16aの回転により、ノズル21でUターンした出槽側の開口部14b近傍の電着塗料液Lは、第2の領域12,12内へそれぞれ吸引され、これが第2の領域12,12のそれぞれに沿って押し出される。
【0085】
第2の領域12,12のそれぞれを一方向に流下した電着塗料液Lは、当該第2の領域12,12のそれぞれの終端で、ホッパー15,15へそのまま直進する液流と開口部14aに流入して上昇する液流とに分岐し、ホッパー15へ直進した電着塗料Lは、上述したように第1の電着液循環手段3に導かれるが、開口部14aを通過して第1の領域11に戻った電着塗料液Lは、入槽側の底面に沿って上昇し、電着槽1の湾曲端部17でUターンする。
【0086】
以上のことから、まずボディBが通過する第1の領域11においては入槽側から出槽側へ向かう一の方向となり、第2の領域12,12のそれぞれにおいては出槽側から入槽側へ向かう一の方向となり、電着槽1全体として大きな槽内循環系が生じることになる。
【0087】
この槽内循環系は、ボディBが通過する第1の領域11全体の液流が一の方向とされているので、電着有効領域において電着塗料液Lが滞留することのない適正な液流が確保される。これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。
【0088】
また、電着槽1全体の液流を一の方向にするのではなく、電着槽1内において大きな循環がなされるので、こうした電着槽1のように大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数のポンプ、配管などからなる循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0089】
さらに、第2の領域12,12のそれぞれの終端、すなわちホッパー15と開口部14aとの分岐点では、電着塗料液Lに含まれた金属粉などが停滞し易くなり、これをそのままホッパー15で集約し、フィルタFで系外へ除去することができる。
【0090】
第3実施形態
図7は本発明の浸漬型表面処理装置の実施形態である電着塗装装置さらに他の形態を示す断面図である。
【0091】
本実施形態では、第1の領域11における液流方向がボディBの移動方向に対向した方向とされている点で上述した第1実施形態と相違する。すなわち、電着槽1その他の電着塗装装置の構成は第1実施形態と同様であるが、オーバーヘッドコンベアCによるボディBの搬送方向が逆となっている。また、オーバーフロータンクTも入槽側に設けられている。
【0092】
こうした電着塗装装置にあっても、同様の槽内循環が生じ、電着有効領域において電着塗料液Lが滞留することのない適正な液流が確保される。そして、これにより顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止を達成することができる。
【0093】
また、電着槽1全体の液流を一の方向にするのではなく、電着槽1内において大きな循環がなされるので、こうした電着槽1のように大容量の処理槽にあっても、高能力あるいは多数のポンプ、配管などからなる循環系を必要とせず、設備費やランニングコストの点においても有利となる。
【0094】
さらに、第2の領域12,12のそれぞれの終端、すなわちホッパー15と開口部14aとの分岐点では、電着塗料液Lに含まれた金属粉などが停滞し易くなり、これをそのままホッパー15で集約し、フィルタFで系外へ除去することができる。
【0095】
このような効果に加え、第1の領域11の液流方向とボディBの移動方向とが対向した電着塗装装置では、電着塗料液LとボディBとの相対速度を高めることができるので、金属粉などの異物の付着をより効果的に防止することができ、また、ボディ表面で生じる気泡や熱を効果的に除去することができる。
【0096】
さらに、電着槽1の入槽側にオーバーフロータンクTが設けられているので、ボディBの入槽時に持ち込まれた異物をそのままオーバーフロータンクTへ流し出すことができ、槽内に金属粉などが混入することが少なくなる。これにより「ブツ」などの塗膜欠陥を減少させることができる。
【0097】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浸漬型表面処理装置の実施形態である電着塗装装置を示す断面図である。
【図2】図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図1の電着塗装装置の入槽部を示す平面図である。
【図4】本発明の浸漬型表面処理装置の実施形態である電着塗装装置の他の形態を示す断面図である。
【図5】図4の電着塗装装置を示す平面図である。
【図6】図4のVI-VI 線に沿う断面図である。
【図7】本発明の浸漬型表面処理装置の実施形態である電着塗装装置さらに他の形態を示す断面図である。
【図8】従来の電着塗装装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…電着槽(処理槽)
11…第1の領域
12…第2の領域
13…仕切り板
14a,14b…開口部
15…ホッパー
16…圧送手段
16a…プロペラ形羽根車
16b…モータ
17…湾曲端部
2…第2の電着液循環手段(第2の処理液循環手段)
3…第1の電着液循環手段(第1の処理液循環手段)
B…自動車ボディ(被処理物)
C…オーバーヘッドコンベア
T…オーバーフロータンク

Claims (10)

  1. 処理槽に満たされた処理液に被処理物を浸漬する浸漬型表面処理装置において、
    前記処理槽のうち少なくとも前記被処理物が通過する第1の領域は、処理液の流れを一の方向とし、前記処理槽のうち前記第1の領域以外の第2の領域は、処理液の流れを前記第1の領域の流れとは逆方向の流れとする撹拌手段を有することを特徴とする浸漬型表面処理装置。
  2. 前記第1の領域と第2の領域との間に仕切り板が設けられ、当該仕切り板の両端のそれぞれに両領域を連通する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の浸漬型表面処理装置。
  3. 前記第2の領域の液流方向の先端に、前記仕切り板の開口部から分岐するように、流下した処理液の一部を集約するホッパーが形成されていることを特徴とする請求項2記載の浸漬型表面処理装置。
  4. 前記撹拌手段は、前記第2の領域を流下した処理液の一部を前記ホッパーから吸引し、これを前記第1の領域の液流方向に沿って吐出する第1の処理液循環手段と、
    前記処理槽の槽外に設けられたオーバーフロー槽から処理液を吸引し、これを前記第1の領域の液流方向に沿って吐出する第2の処理液循環手段と、
    前記第2の領域の処理液に一の方向の流れを付与する圧送手段と、を少なくとも有することを特徴とする請求項3記載の浸漬型表面処理装置。
  5. 前記圧送手段は、前記第2の領域に設けられたプロペラ形羽根車を有することを特徴とする請求項4記載の浸漬型表面処理装置。
  6. 前記第2の領域から前記仕切り板の開口部を介して前記第1の領域に至った処理液が、前記第1の領域の端部液面で処理液の流れにターンして合流するように、前記処理槽の端部が湾曲して形成されていることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の浸漬型表面処理装置。
  7. 前記第1の領域における処理液の一の方向の流れが、前記被処理物の移動方向に対向した方向であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の浸漬型表面処理装置。
  8. 処理槽に満たされた処理液に被処理物を浸漬する浸漬式表面処理方法において、
    前記処理槽内を前記被処理物が通過する第1の領域とそれ以外の第2の領域とに区画し、それぞれの領域の液流が一の方向であって両領域の液流が処理槽全体として連続するように、前記処理液を撹拌しながら前記被処理物を処理することを特徴とする浸漬式表面処理方法。
  9. 前記第2の領域を流下した処理液の一部を液流外に集約し、濾過したのち前記処理槽に戻すことを特徴とする請求項8記載の浸漬式表面処理方法。
  10. 前記第1の領域における処理液の一の方向の流れが、前記被処理物の移動方向に対向した方向であることを特徴とする請求項8または9記載の浸漬式表面処理方法。
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