JPH0627065B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH0627065B2
JPH0627065B2 JP60046254A JP4625485A JPH0627065B2 JP H0627065 B2 JPH0627065 B2 JP H0627065B2 JP 60046254 A JP60046254 A JP 60046254A JP 4625485 A JP4625485 A JP 4625485A JP H0627065 B2 JPH0627065 B2 JP H0627065B2
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敦子 五十嵐
正二 福島
輝明 林
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OOSAKA YAKUHIN KENKYUSHO KK
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    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はルシオシドの1種又は2種以上を含有すること
により、創傷治癒、肌荒れ防止、肌荒れ改善の外、細胞
賦活効果に優れた皮膚外用剤に関する。
[従来の技術] 従来、アロエ、ヒレハリ草、シコン等あるいはそれらの
抽出物を配合することにより創傷治癒や肌荒れ防止の効
果を目的とする外用剤等があるがいまだ満足できるもの
がなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、こうした事情にかんがみ、創傷治癒、肌
荒れ防止、肌荒れ改善、細胞賦活効果に優れる皮膚外用
剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、
ルシオシドの1種又は2種以上を含有した皮膚外用剤
は、これらの効果に優れていることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は下記一般式で表されるルシオシドの
1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用
剤を提供するものである。
(式中、R1=CH,CHOH又はCHO R2=H又はβ−D−グルコピラノシド R3=H又はOH R4=H又はOHである。) 本発明のルシオシドは、合成品でも天然物の抽出物でも
良い。また天然物の抽出物の場合はルシオシドを含む混
合物であっても良いし、ルシオシドそのものであっても
良い。天然物の抽出方法としては例えば以下のような方
法がある。
ヘチマ等の植物を溶媒、例えば低級アルコールなどで抽
出してルシオシドを含む混合物が得られる。さらに上記
抽出液を濃縮した後、n−ブタノールと水に分配し、ブ
タノール層を濃縮して、ヘチマ粗サポニンを得、それを
シリカゲルクロマトグラフィーなどの吸着系クロマトグ
ラフィーを用いて分画してルシオシドが得られる。
本発明におけるルシオシドは下記構造式で示されるルシ
オシドA、ルシオシドB、ルシオシドC、ルシオシド
D、ルシオシドE、ルシオシドF、ルシオシドG、ルシ
オシドH、ルシオシドIであり、個々のルシオシドにつ
いては特願昭58-155552号にて構造が明らかにされてい
る。
ルシオシドA;R1=CHOH、R2=β−D−グルコピ
ラノシド、R3=OH、R4=H ルシオシドB;R1=CHOH、R2=β−D−グルコピ
ラノシド、R3=H、R4=OH ルシオシドC;R1=CH、R2=β−D−グルコピラノ
シド、R3=OH、R4=H ルシオシドD;R1=CHO、R2=β−D−グルコピラノ
シド、R3=H、R4=OH ルシオシドE;R1=CHOH、R2=β−D−グルコピ
ラノシド、R3=H、R4=H ルシオシドF;R1=CHO、R2=β−D−グルコピラノ
シド、R3=H、R4=H ルシオシドG;R1=CH、R2=β−D−グルコピラノ
シド、R3=H、R4=OH ルシオシドH;R1=CH、R2=β−D−グルコピラノ
シド、R3=H、R4=H ルシオシドI;R1=CHOH、R2=H、R3=H、R4
OH これらの中でルシオシドE、ルシオシドFが最も好まし
い。
本発明の実施にあたっては、上記の1種又は2種以上が
適宜選択され配合される。
配合量は、皮膚外用剤全量中、乾燥固形分として0.0005
〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。0.0005
重量%以下であると、本発明でいう効果が十分に発揮さ
れず、好ましくない。
本発明の皮膚外用剤は前記の必須成分に加えて必要に応
じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医
薬品等に一般に用いられる各種成分、すなわち水性成
分、粉末成分、油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防
腐剤、酸化防止剤、香料、色剤、薬剤等を配合すること
ができる。薬剤の中でも特にL−アスコルビン酸又は素
のエステル、例えば、L-アスコルビン酸モノステアレー
ト、L-アスコルビン酸モノパルミテート、L-アスコルビ
ン酸モノオレート等のL-アスコルビン酸モノアルキルエ
ステル類、L-アスコルビン酸モノリン酸エステル、L-ア
スコルビン酸−2−硫酸のようなL-アスコルビン酸モノ
エステル誘導体、L-アスコルビン酸ジステアレート、L-
アスコルビン酸ジパルミテート、L-アスコルビン酸ジオ
レート等のL-アスコルビン酸ジリン酸エステルのような
L-アスコルビン酸ジエステル誘導体、L-アスコルビン酸
トリステアレート、L-アスコルビン酸トリパルミテー
ト、L-アスコルビン酸トリオレート等のトリアルキルエ
ステル類、L-アスコルビン酸トリリン酸エステル等のア
スコルビン酸トリエステル誘導体等をあげることができ
る。L-アスコルビン酸エステルは一種又は二種以上併用
してもよいし、又アスコルビン酸と併用してもよい。
また本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば化
粧水等の可溶化系、乳液、クリーム等の乳化系あるいは
軟膏、分散液、などの剤型をとることができる。
[発明の効果] 本発明の皮膚外用剤は、創傷治癒、肌荒防止、肌荒改善
効果及び皮膚の細胞賦活効果に優れるものである。
[実施例] ルシオシドの皮膚の創傷治癒、肌荒防止、肌荒改善効果
及び皮膚の細胞賦活効果を示すために次の皮膚細胞増殖
促進作用の試験を行った。
(皮膚細胞増殖促進作用) ヒト皮膚組織を細片し、細胞培養用シャーレの底面に附
着させてEagle′s MEM培養液(10%牛胎児血清含有)中
で1週間培養するとシャーレの底面がほぼ全面に線維芽
細胞で満たされる。この線維芽細胞を0.25%トリプシン
溶液で処理することによって単一細胞とし、次に10000
コ細胞/mlの細胞浮遊液をつくり、この溶液をシャーレ
当たり0.1ml加え、Eagle′s MEM培養液及びルシオシド
(最終濃度5μg/ml)またはヘチマ抽出物(最終濃度
20μg/ml、ただしルシオシドとしては5μg/ml)を
更に加えてCO−インキュベター中で2週間培養し、
その後細胞固定して染色した後、細胞のコロニーを計測
した。なおルシオシドを添加しない場合をコントロール
とした。結果を第1図に示す。コロニー形成率は次式に
よって算出した。(ただし、ヘチマ抽出物の場合は次式
のルシオシドをヘチマ抽出物に置き換えたものであ
る。) 第1図に示す如く、ルシオシドE、ルシオシドF、ヘチ
マ抽出物はコントロール、ヘチマ水に比べていずれも著
明な効果を示した。
更に皮膚に対する創傷治癒効果を示すために次の試験を
行った。
(創傷治癒効果) 生後8週令のウイスター系ラット(雄)を5匹1群と
し、毛刈の後、試験に供した。ラットはネンブタールに
より麻酔後正中線にそって、約2cm背部皮膚を切開し、
ただちに切開部をミッヘル縫合後、ヘチマ抽出物0.05g
(ルシオシドとして0.012gを含む)を生食溶液0.1mlに溶
解して1日1回2週間塗布した。縫合針は3〜4日後に
外した。2週間後、ラットを死亡させ、切開部を中心に
幅2cmの短冊状の皮膚切片を作成した。張力測定にはテ
ンシロンUTM−4(東洋測器株式会社製)を用い皮膚
切片の切断弾力を測定した。なお、コントロールはヘチ
マ抽出部を含まない生理食塩水を塗布した皮膚切片を用
いた。
結果を第1表に示す。
第1表の結果から、ヘチマ抽出物塗布部位はいずれも無
塗布部位(コントロール)に比べ張力が増加し、顕著な
治癒促進効果が認められた。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
尚、本発明はこれにより限定されるものではない。配合
量は重量%である。
実施例1 化 粧 水 (1)ルシオシドF 0.05 (2)グリセリン 4.0 (3)1,3-ブチレングリコール 4.0 (4)エタノール 7.0 (5)ポリオキシエチレン オレイルアルコール 0.5 (6)メチルパラベン 0.05 (7)クエン酸 0.01 (8)クエン酸ソーダ 0.1 (9)香料 0.05 (10)精製水 84.24 (製法) 精製水にクエン酸、クエン酸ソーダ、グリセリン、1,3-
ブチレングリコール、を溶解する。別にエタノールにポ
リオキシエチレンオレイルアルコール、ルシオシドF、
香料、メチルパラベンを溶解し、これを前述の精製水溶
液に加えて可溶化し、ろ過して化粧水を得た。
実施例2 クリーム (1)セトステアリルアルコール 3.5 (2)スクワラン 40.0 (3)ミツロウ 3.0 (4)還元ラノリン 5.0 (5)エチルパラベン 0.3 (6)ポリオキシエチレン(20)ソルビ タンモノパルミチン酸エステル 2.0 (7)ステアリン酸モノグリセリド 2.0 (8)ルシオシドA 1.0 (9)香料 0.03 (10)1,3-ブチレングリコール 5.0 (11) グリセリン 5.0 (12)精製水 33.17 (製法) (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)と(9)を加熱溶解し75℃に
保ったものを、75℃に加温した(10)(11)と(12)に攪拌し
ながら加える。ホモミキサー処理し乳化粒子を細かくし
た後、攪拌しながら急冷し、クリームを得た。
実施例3 乳 液 (1)ルシオシドB 0.001 (2)ステアリン酸 1.5 (3)セチルアルコール 0.5 (4)ミツロウ 2.0 (5)ポリオキシエチレン(10) モノオレイン酸エステル 1.0 (6)グリセリンモノステアリン 酸エステル 1.0 (7)アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム0.1 (8)クインスシード抽出物(5%水溶液) 20.0 (9)プロピレングリコール 5.0 (10)エタノール 3.0 (11)エチルパラベン 0.3 (12)香料 0.03 (13)精製水 残余 (製法) エタノールにルシオシドB、香料を加えて溶解する(ア
ルコール相)。
精製水にプロピレングリコールを加え加熱溶解して70℃
に保つ(水相)。クインスシード抽出物を除く他の成分
を混合し、加熱溶解して70℃に保つ(油相)。水相に油
相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化す
る。これを攪拌しながらアルコール相とクインスシード
抽出物を加える。その後攪拌しながら30℃に冷却して乳
液を得た。
実施例4 パ ッ ク (1)ヘチマ抽出物(第1図の7の物) 0.4 (ルシオシドとして0.1%) (2)ポリビニルアルコール 15.0 (3)ポリエチレングリコール 3.0 (4)プロピレングリコール 7.0 (5)エタノール 10.0 (6)メチルパラベン 0.05 (7)香料 0.05 (8)精製水 64.80 (製法) 精製水にポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、メチルパラベンを加え攪拌溶解する。つぎにポリビ
ニルアルコールを加え加熱攪拌し、ルシオシドC、香料
を溶解したエタノールを加え攪拌溶解してパックを得
た。
実施例5 軟 膏 (1)ルシオシドI 5.0 (2)ステアリルアルコール 18.0 (3)モクロウ 20.0 (4)ポリオキシエチレン(10)モノ オレイン酸エステル 0.25 (5)グリセリンモノステアリン酸 エステル 0.25 (6)ワセリン 40.0 (7)精製水 16.5 (製法) 精製水を70℃に保ち(水相)。他の成分を70℃にて混合
溶解する(油相)。水相に油相を加え、ホモミキサーで
均一に乳化後冷却して軟膏を得た。
(肌荒れ改善効果) 実施例1で得た化粧水とブランク化粧水[ルシオシドF
を配合しないもの(精製水で置換)]を用いて人体パネ
ルで肌荒れ改善効果試験を行った。
すなわち、女性健常人(顔面)の皮膚表面形態をミリス
ン樹脂によるレプリカ法を用いて肌のレプリカを取り顕
微鏡(17倍)にて観察する。
波紋の状態及び角層の剥離状態から表−2に示す基準に
もとづいて肌荒れ評価1,2と判断された者(肌荒れパ
ネル)25名を用い、顔面左右半々に、実施例1で得た化
粧水とブランク化粧水を1日1回2週間塗布した。
2週間後、再び上述のレプリカ法にて肌の状態を観察
し、表−2の判定基準に従って評価した。
結果を表−3に示す。
この結果より、ルシオシドF配合の化粧水を使用した顔
面部位はブランク化粧水を使用した顔面部位と比較し、
顕著な肌荒れ改善効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る皮膚外用剤の皮膚細胞増殖効果を
示すグラフである。 1はコントロールすなわちヘチマ抽出物を添加していな
いものである。 2はヘチマの液汁を添加したものである。 3はヘチマをメタノールで抽出し、抽出物をn- ブタノ
ールに溶解して水を加えて振盪して分配し、n-ブタノ
ール部を濃縮して得られる濃縮物を添加したものであ
る。 4は3の濃縮物を50%エタノールに溶解し、濃縮したも
のを添加したものである。 5はルシオシドEである。 6はルシオシドFである。 7は3の濃縮物を50%エタノールに浸し、50%エタノール
難溶性部を添加したものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 15/256 (72)発明者 福島 正二 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)発明者 林 輝明 兵庫県川西市東多田字太井ノ垣内189―11 (72)発明者 有地 滋 大阪府豊中市寺内2−6番1―1002号 審査官 佐野 整博 (56)参考文献 特開 昭57−108006(JP,A) 特開 昭59−1406(JP,A) 特開 昭60−48995(JP,A) 特公 昭53−46892(JP,B1) 日本薬学会中国四国支部第67例会公演要 旨集P.7〜8(1983)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で表されるルシオシドの1種又
    は2種以上を乾燥固形分として0.0005〜10重量
    %含有することを特徴とする皮膚外用剤。 (式中、R=CH,CHOH又はCHO R=H又はβ−D−グルコピラノシド R=H又はOH R=H又はOHである。)
JP60046254A 1985-03-08 1985-03-08 皮膚外用剤 Expired - Fee Related JPH0627065B2 (ja)

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JPS61205203A JPS61205203A (ja) 1986-09-11
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日本薬学会中国四国支部第67例会公演要旨集P.7〜8(1983)

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