JPH06257472A

JPH06257472A - 排気ブレーキ用バタフライバルブの軸受装置

Info

Publication number: JPH06257472A
Application number: JP6735693A
Authority: JP
Inventors: Hideaki Yaginuma; 英朗柳沼
Original assignee: Fuji Oozx Inc; Fuji Valve Co Ltd
Current assignee: Fuji Oozx Inc
Priority date: 1993-03-04
Filing date: 1993-03-04
Publication date: 1994-09-13

Abstract

(57)【要約】【目的】排気ガスのシール性の高いバタフライバルブ
の軸受装置を提供する。【構成】弁軸３を嵌合孔２内に支承する軸受ブッシュ
６の外方の弁軸３に、小径シールワッシャ７と大径シー
ルワッシャ８とを交互に重合して嵌挿し、小径シールワ
ッシャ７の軸孔９を、弁軸３の直径よりやや小径のテー
パ状として、弁軸３をボディ１の外方より圧入すること
により、塑性変形させ、小径シールワッシャ７の内周面
と弁軸３の外周面とを隙間なく密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエンジンの排
気路を開閉して、制動力を制御する排気ブレーキ用のバ
タフライバルブに係り、特に、バタフライバルブの軸部
を支承する軸受装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は、本願出願人が既に実願平４−７
６５４７号において実用新案登録出願をしたバタフライ
バルブ装置を示すもので、ほぼ円筒形をなすボディ(10
1)内には、流路(109)と直交する左右１対の弁軸(102)(1
03)により支持されたバタフライ形の弁体(104)が、回転
可能に収容されている。

【０００３】弁軸(102)(103)は、ボディ(101)における
両側壁の厚肉部(101a)の嵌合孔(101b)に嵌合したブッシ
ュ(105)により回転可能に枢支され、ボディ(101)を貫通
して左方に突出している駆動側の弁軸(102)の端部に固
着したレバー(106)を操作することにより、弁体(104)を
開閉することができる。

【０００４】各弁軸(102)(103)におけるブッシュ(105)
の内方には、シール保持部材(107)がそれぞれ圧入さ
れ、その外周面中央に形成した環状溝(107a)に、シール
リング(108)を外嵌してある。

【０００５】各シールリング(108)の外周面が、厚肉部
(101a)に穿設した嵌合孔(101b)の内周面に密接すること
により、流路(109)より侵入した排気ガスがボディ(101)
の外部に漏出するのを防止している。

【０００６】図６の装置は、シールリング(108)をシー
ル保持部材(107)に装着する作業が面倒であるばかりで
なく、シールリング(108)が流路(109)と近い位置に設け
られているため、高温の排気ガスにさらされ易く、また
排気ガス中のカーボン等が付着してシール性が損なわれ
る恐れがあった。

【０００７】図７は、このような問題に対処しうるよう
にした軸受装置の一例を示す断面図で、ボデイ(101)の
嵌合孔(101b)内に挿通されて、弁体(104)を支承してい
る弁軸(102)の弁体(104)に近接した位置には、円筒状の
リテーナ(110)が圧入され、その外方には、軸受ブッシ
ュ(111)が嵌合されている。

【０００８】軸受ブッシュ(111)は、弁軸(102)の外周面
及び嵌合孔(101b)の内周面に対して、それぞれ僅かな隙
間を設けて遊嵌してあり、その外方の弁軸(102)には、
径の異なる大小２個ずつのシールワッシャ(112)(113)が
交互に重合して装着されている。

【０００９】小径のシールワッシャ(以下小径シールワ
ッシャという)(112)は、その内周面が弁軸(102)(103)に
密接し、外周面と嵌合孔(101b)の内周面との間には若干
の隙間が設けられている。一方、大径のシールワッシャ
(以下大径シールワッシャという)(113)は、その外周面
が嵌合孔(101b)の内周面に密接し、内周面と弁軸(102)
との間には若干の隙間が設けられている。

【００１０】図７の装置は、リテーナ(110)及び軸受ブ
ッシュ(111)を嵌合孔(101b)に支承した弁軸(102)に外嵌
したのち、小径シールワッシャ(112)と大径シールワッ
シャ(113)とを交互に挿入するだけでよいので、図６の
装置に比して、容易に組み立てることができる。また、
各シールワッシャ(112)(113)が流路(109)と離れている
ため、熱的影響を受けにくく、しかもカーボン等が付着
しにくいという利点がある。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】図７の装置は、上述し
た利点がある反面、排気ガスのシール性に問題がある。
すなわち、各シールワッシャ(112)(113)と弁軸(102)及
び嵌合孔(101b)間には、嵌合代ろ分の極く僅かな隙間が
形成されており、このために、排気ガスが、弁軸(102)
(103)と小径シールワッシャ(112)との僅かな隙間を通っ
て、ボディ(101)の外部に漏出する不都合が生じる。

【００１２】本発明は、この問題を解決した排気ブレー
キ用バタフライバルブの軸受装置を提供することを目的
とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ボディの流路内に収容した弁体を、ボデ
ィの両側壁に穿設された、流路と連通する嵌合孔に挿通
した弁軸により開閉可能に支承し、前記嵌合孔内におけ
る弁軸に、該弁軸の外周面に密着する小径シール部材
と、嵌合孔の内周面に密着する大径シール部材とを、交
互に重合して外嵌してなる排気ブレーキ用バタフライバ
ルブの軸受装置において、前記小径シール部材の軸孔
を、外方に向かって拡径するテーパ状とし、かつその小
径側の内径を弁軸の外径よりもやや小径として、弁軸を
ボディの外方より圧入したことを特徴とするものでる。

【００１４】また、上記目的は、大径シール部材の外周
面を、外方に向かって拡径するテーパ状とし、かつその
大径側の外径を嵌合孔の内径よりもやや大径として、嵌
合孔に圧入したことによっても達成することができる。

【００１５】

【作用】小径シール部材を嵌合孔内の所定位置に内嵌し
たのち、弁軸をボディの外方から小径シール部材の軸孔
に圧入すると、小径シール部材の軸孔のテーパ面がやや
塑性変形して、弁軸の外周面に密着する。また、大径シ
ール部材を嵌合孔内に圧入すると、テーパ状の外周面が
塑性変形して、嵌合孔の内周面と密着する。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明の一実施例の軸受装置を示す
断面図である。

【００１７】この軸受装置は、図７に示した従来例とほ
ぼ同一の構成で、ボディ(１)の両側壁(駆動側のみを図
示する)に穿設した嵌合孔(２)に弁軸(３)を挿通して、
ボデイ(１)内に収容した弁体(４)を回転可能に支承して
ある。なお、右方の従動側の軸受部については、駆動側
と同様につき省略する。

【００１８】嵌合孔(２)内における弁軸(３)には、弁体
(４)に近接した部分にリテーナ(５)が圧入され、その外
方に軸受ブッシュ(６)を嵌合してある。リテーナ(５)の
外周面は、嵌合孔(２)の内面に対して隙間を設けてあ
り、また軸受ブッシュ(６)は、弁軸(３)と嵌合孔(２)と
に対して、それぞれ若干の隙間を設けて遊嵌してある。

【００１９】弁軸(３)における軸受ブッシュ(６)の外方
の部分には、各２個ずつの小径シールワッシャ(７)と大
径シールワッシャ(８)とが、小径シールワッシャ(７)を
内方に位置させて、交互に重合して外嵌されている。

【００２０】小径シールワッシャ(７)は、後述する手法
により、軸孔の内周面を弁軸(３)の外周面に密着させて
あり、外周面と嵌合孔(２)の内周面との間には、若干の
隙間が設けられている。

【００２１】大径シールワッシャ(８)は、図５の従来例
と同様に、その外周面を嵌合孔(２)の内面に密接させ、
軸孔の内周面と弁軸(３)の外周面との間には若干の隙間
が設けられている。

【００２２】図２は、小径シールワッシャ(７)の拡大断
面図で、軸孔(９)は、軸受ブッシュ(６)側に面する内方
から外方に向かって拡径するテーパー状に形成されてい
る。

【００２３】テーパー状の軸孔(９)の小径側の内径
(ｄ₁)は、弁軸(３)を圧入したときに、弁軸(３)に隙間
なく圧着するように、弁軸(３)の直径(ｄ)(図１に示す)
よりもやや小さい寸法に設定し、一方、大径側の内径
(ｄ₂)は、弁軸(３)の直径(ｄ)よりも若干大きく設定し
てある。

【００２４】本発明の軸受装置を組み立てるには、ま
ず、嵌合孔(２)中にリテーナ(５)及び軸受ブッシュ(６)
を挿入したのち、軸受ブッシュ(６)の外方に、２個ずつ
の小径シールワッシャ(７)と大径シールワッシャ(８)と
を、交互に重合して装着する。

【００２５】次いで、弁軸(３)を、ボディ(１)の外側か
ら、嵌合孔(２)に装着した各部材の軸孔に挿入する。

【００２６】このとき、大径シールワッシャ(８)の軸孔
は、弁軸(３)に対して隙間を設けてあるので、弁軸(３)
は、大径シールワッシャ(８)に対しては容易に挿入でき
る。

【００２７】一方、小径シールワッシャ(７)の軸孔(９)
は、弁軸(３)が挿入される外方に向かって拡径するテー
パー状に形成されているので、弁軸(３)の先端は、軸孔
(９)のテーパー部の内面に当接して、小径シールワッシ
ャ(７)を弁軸(３)と同心位置に整合させる。

【００２８】この状態からさらに弁軸(３)を圧入する
と、弁軸(３)の直径(ｄ)よりも小さい小径(ｄ₁)側の角
部が、弁軸(３)の外周面に沿って塑性変形させられて弁
軸(３)に密着する。

【００２９】弁軸(３)は、２個の小径シールワッシャ
(７)をそれぞれ塑性変形させて圧入した後、さらに軸受
ブッシュ(６)及びリテーナ(５)の軸孔を挿通して、ボデ
ィ(１)内に収容してある弁体(４)に圧入される。

【００３０】図３は、弁軸(３)を矢印方向に圧入したと
きの、小径シールワッシャ(７)の軸孔(９)の塑性変形を
模式的に示す拡大断面図で、テーパー状の軸孔(９)の小
径側の角部は、ボディ(１)内の流路側に向かって流れる
ように変形して、弁軸(３)の外周面に圧着されている。

【００３１】したがって、小径シールワッシャ(７)の軸
孔(９)の内面と弁軸(３)とは、隙間なく密着し、かつ、
弁軸(３)に密着した部分が、ボディ(１)内の流路側を向
いているため、この部分からの排気ガスの漏出を完全に
防止することができる。

【００３２】図４、図５は、本発明の他の実施例を示す
もので、この実施例は、大径シールワッシャ(８)の外径
を外方に向かってテーパ状に拡径させ、これを嵌合孔
(２)に圧入する際に外方に塑性変形させることにより、
嵌合孔(２)の内周面に圧接するようにしたものである。
この実施例においても、上述と同様、シール性を向上さ
せることができる。

【００３３】なお、大小各シールワッシャ(７)(８)の内
外周面を、上述したようなテーパ状に形成することもあ
る。

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、小径シール部材が弁軸
と密着することにより、又は大径シール部材が嵌合孔と
密着することにより、弁軸又は嵌合孔とシール部材との
隙間からの排気ガスの漏出を完全に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の軸受装置を示す縦断面図である。

【図２】小径シールワッシャの拡大断面図である。

【図３】弁軸を圧入したときの小径シールワッシャの塑
性変形を示す模式図である。

【図４】大径シールワッシャの拡大縦断面図である。

【図５】大径シールワッシャ組込み時の塑性変形を示す
模式図である。

【図６】従来例のバタフライバルブ装置を示す縦断面図
である。

【図７】従来の軸受装置の一例を示す要部の縦断面図で
ある。

【符号の説明】

(１)ボディ (２)嵌合孔 (３)弁軸 (４)弁体 (５)リテーナ (６)軸受ブ
ッシュ (７)小径シールワッシャ (８)大径シ
ールワッシャ (９)軸孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ボディの流路内に収容した弁体を、ボデ
ィの両側壁に穿設された、流路と連通する嵌合孔に挿通
した弁軸により開閉可能に支承し、前記嵌合孔内におけ
る弁軸に、該弁軸の外周面に密着する小径シール部材
と、嵌合孔の内周面に密着する大径シール部材とを、交
互に重合して外嵌してなる排気ブレーキ用バタフライバ
ルブの軸受装置において、前記小径シール部材の軸孔
を、外方に向かって拡径するテーパ状とし、かつその小
径側の内径を弁軸の外径よりもやや小径として、弁軸を
ボディの外方より圧入したことを特徴とする排気ブレー
キ用バタフライバルブの軸受装置。
【請求項２】ボディの流路内に収容した弁体を、ボデ
ィの両側壁に穿設された、流路と連通する嵌合孔に挿通
した弁軸により開閉可能に支承し、前記嵌合孔における
弁軸に、該弁軸の外周面に密着する小径シール部材と、
前記嵌合孔の内周面に密着する大径シール部材とを、交
互に重合して外嵌してなる排気ブレーキ用バタフライバ
ルブの軸受装置において、前記大径シール部材の外周面
を、外方に向かって拡径するテーパ状とし、かつその大
径側の外径を嵌合孔の内径よりもやや大径として、嵌合
孔に圧入したことを特徴とする排気ブレーキ用バタフラ
イバルブの軸受装置。