JPH06256712A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH06256712A
JPH06256712A JP4683693A JP4683693A JPH06256712A JP H06256712 A JPH06256712 A JP H06256712A JP 4683693 A JP4683693 A JP 4683693A JP 4683693 A JP4683693 A JP 4683693A JP H06256712 A JPH06256712 A JP H06256712A
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mol
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弘 田近
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惠一朗 戸川
Kuniyuki Doi
邦之 土井
Kenji Ohama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた加工性と耐食性有する塗料用樹脂組成
物を提供する。 【構成】 脂肪族ジカルボン酸と下記の化3の一般式で
示されるビスフェノールAのエチレンオサイドまたは/
およびプロピレンオキサイド付加物を主成分とするガラ
ス転移点温度が30℃以下、高速引張り時の破断伸度が
100%以上のポリエステル樹脂とこれと反応し得る硬
化剤からなる塗料用樹脂組成物。 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装金属板用塗料組成物
に関するものである。さらに詳しくは本発明は加工性に
優れ、かつ耐酸性、耐食性等に優れた塗装金属板用プラ
イマー塗料組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】塗装金属板、すなはちいわゆるプレコー
ト金属板はその経済性、生産性、加工性などの利点をい
かして屋根材、壁材など建材分野、物置、ラジエターユ
ニットなどの屋外器物、VTR、洗濯機、冷蔵庫などの
家電製品に広く使用されている。塗装金属板として、ま
ず第1に要求される特性は折り曲げ加工性に優れている
ことである。現在用いられている塗料用樹脂としてはア
ルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等がある
が、これらは加工性に問題があり、高度の加工性を要求
される分野においては、高分子量ポリエステルが使用さ
れているのが現状である。
【0003】現在、塗装金属板用プライマー樹脂として
は、主としてエポキシ樹脂であるが、エポキシ樹脂は可
撓性に欠けるため高度の加工には耐えられず、加工部の
塗膜にクラックが発生し、容易に腐食するという欠点が
ある。また、エポキシ樹脂は一般に耐食性が良好である
と認識されているが、耐衝撃性に劣り、塗装金属板を切
断する際に端面に微小な塗膜のウキが生じるため端面の
耐食性に劣るという問題がある。上記問題のために高加
工用プライマーとしてはその利点が生かせないという重
大な欠点があり、また、加工性の良好な高分子量ポリエ
ステル樹脂を上塗りに用いた場合はプライマーと上塗り
の層間密着性が不良である問題もある。
【0004】このような問題を解決したものとしては、
特公昭62−5467号、特開平3−217471号等
が知られており、加工性と耐湿性、耐食性、耐薬品性な
どを両立させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、年々要
求特性は厳しくなり、建材、家電を問わず加工性と硬
度、種々の耐汚染性、耐薬品性、耐候性、耐食性等の塗
膜物性の高度の両立が要求されている。さらには、端面
あるいは加工部の耐食性の保証、絞り加工性も要求され
るようになって来ており、上記の従来技術では加工性お
よび端面の耐食性、絞り加工性が満たされなくなってき
た。このような要求特性に対し上塗り用樹脂も鋭意検討
されているものの加工性とその他の塗膜物性の両立が不
充分であり、従来技術のプライマーとの組合せにおいて
は、未だ満足な特性が得られておらず、従来にない優れ
たプライマー用樹脂の開発が要望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした問
題に鑑み、優れた加工性と耐食性、耐薬品性を合わせも
つプライマー塗料用樹脂について鋭意検討した結果、脂
肪族ジカルボン酸30〜80モル%、その他のジカルボ
ン酸20〜70モル%、グリコール成分がビスフェノー
ルAのエチレンオサイドまたは/およびプロピレンオキ
サイドの付加物10〜100モル%からなり、かつ、ガ
ラス転移点温度が30℃以下で、高速引っ張り時(50
0mm/分)の破断伸度が100%以上のポリエステル
樹脂は優れた加工性を有し、かつ驚くべきことに加工部
および端面の耐食性が著しく優れ、さらには優れた耐薬
品性をも合わせ持つことを発見し、本発明に到達した。
【0007】すなはち本発明は、(A)脂肪族ジカルボ
ン酸30〜80モル%、その他のジカルボン酸20〜7
0モル%、グリコール成分が下記の化2の一般式(I)
で示されるビスフェノールAのエチレンオサイドまたは
/およびプロピレンオキサイドの付加物10〜100モ
ル%からなり、かつ、ガラス転移点温度が30℃以下
で、高速引っ張り時(500mm/分)の破断伸度が1
00%以上のポリエステル樹脂に、(B)これと反応し
得る硬化剤を(A)/(B)=95/5〜60/40
(重量比)の割合で配合することを特徴とする塗料用樹
脂組成物である。
【化2】 (式中、R1,2 は水素またはメチル基であり、m、n
はそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n≦8で
ある。)
【0008】本発明のポリエステル樹脂(A)におい
て、共重合する酸成分は脂肪族ジカルボン酸が30〜8
0モル%、好ましくは30〜50モル%である。脂肪族
ジカルボン酸が30モル%未満では良好な加工性、良好
な加工部および端面の耐食性が得られず、80モル%を
越えると耐食性、耐薬品性が低下する。
【0009】本発明のポリエステル樹脂(A)に共重合
する脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、アゼ
ライン酸、ダイマー酸などが挙げられる。このうちアジ
ピン酸、セバシン酸が加工性、耐食性、耐薬品性の面か
ら特に好ましい。
【0010】ポリエステル樹脂(A)に共重合するその
他ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、
オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸など
の芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン
酸が挙げられる。その他のジカルボン酸は経済性、塗膜
物性から適宜選択されるが、テレフタル酸、イソフタル
酸が好ましい。
【0011】ポリエステル樹脂(A)に共重合するグリ
コール成分は一般式(I)で示されるビスフェノールA
のエチレンオサイドまたは/およびプロピレンオキサイ
ドの付加物10〜100モル%、好ましくは20〜80
モル%からなることが必須である。これが10モル%未
満では良好な耐食性、耐薬品性、耐水性、金属板への密
着性等が得られない。
【0012】その他のグリコールとしてはエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチ
ル−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、TCDグリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。その他の
グリコールは経済性、塗膜物性から適宜選択されるが、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールが特に好ましい。
【0013】また、発明の内容を損なわない範囲で、ト
リメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸ま
たはトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオー
ルを併用しても良い。このような3価以上のポリカルボ
ン酸またはポリオールを適量共重合することにより、さ
らに耐薬品性を向上できる。
【0014】また、本発明のポリエステル樹脂(A)に
おいて、重合後に無水トリメリット酸、無水フタル酸等
の酸無水物を付加させて、酸価を付与しても良い。
【0015】また、本発明のポリエステル樹脂(A)に
おいて、スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸やグリ
コールを5モル%以下の範囲で使用しても良い。スルホ
ン酸金属塩基を含むジカルボン酸としては、スルホテレ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキ
シ〕イソフタル酸などの金属塩を挙げることができる。
スルホン酸金属塩基を含むグリコールとしては2−スル
ホ−1,4−ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−
スルホ−2,5−ヘキサンジオールなどの金属塩が挙げ
られる。金属塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、
Cu、Feなどの塩が挙げられる。
【0016】本発明のポリエステル樹脂(A)は高速引
っ張り時(500mm/分)の破断伸度が100%以
上、好ましくは200〜500%であることが必要であ
る。これが100%未満では加工性、絞り加工性および
塗装金属板を切断した端面の耐食性が悪化する。また、
本発明のポリエステル樹脂(A)はガラス転移点温度が
30℃以下、好ましくは−10〜20℃であることが必
要である。ガラス転移点温度が30℃を超えると良好な
高速引っ張り時(500mm/分)の破断伸度が得られ
ない。また、本発明のポリエステル樹脂(A)は還元粘
度で0.3〜0.7dl/g、数平均分子量で5,00
0〜25, 000であることが好ましい。
【0017】本発明の塗料用樹脂組成物はポリエステル
樹脂(A)とこれと反応し得る硬化剤(B)を(A)/
(B)=95/5〜60/40(重量比)の割合で配合
することが必要である。(A)の配合量が95(A)/
5(B)を越えると良好な耐薬品性、耐食性、加工性等
の塗膜物性が不良となる。60(A)/40(B)未満
では良好な加工性が得られない。
【0018】ポリエステル樹脂(A)と反応し得る硬化
剤としては、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂、エポキシ化合物およびイソシアネート化合物が
挙げられる。
【0019】アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂とは、たとえばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの
炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテ
ル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデ
ヒドなどと尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジア
ミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メト
キシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化
メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールベ
ンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロー
ルメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンな
どが挙げられるが、加工性の面から好ましいのは、メト
キシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラ
ミン、またはメトキシ化/ブトキシ化混合型メチロール
メラミンであり、それぞれ単独、または併用して使用す
ることができる。
【0020】エポキシ化合物としてはビスフェノールA
のジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオ
リゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソ
フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシ
ジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエ
ーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ト
リグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジル
オキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付
加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができ
る。
【0021】さらにイソシアネート化合物としては芳香
族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシ
アネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれ
でもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素
化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネ
ート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化
合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンな
どの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリ
オール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の
高分子活性水素化合物などとを反応させて得られる末端
イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0022】イソシアネート化合物としてはブロック化
イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロッ
ク化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、
メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノー
ル、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシ
ム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキ
シムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンク
ロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールな
どのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−
ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カプロ
ラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、
β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、そ
の他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセト
ン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなど
の活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿
素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げら
れる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート
化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適
宜の方法より付加反応させて得られる。
【0023】これらの架橋剤には、その種類に応じて選
択された公知の硬化剤あるいは促進剤を併用することも
できる。
【0024】本発明の塗料用樹脂組成物の焼付け温度は
金属板の大きさ、厚さ、また焼き付け炉の能力、塗料の
硬化性などにより任意に選択される。塗料組成物の製造
にはロール練り機、ボールミル、ブレンダーなどの混合
機が用いられる。塗装に当たってはローラー塗り、ロー
ルコーター、スプレー塗装、静電塗装などが適時選択さ
れる。
【0025】本発明の塗料用樹脂組成物は目的、用途に
応じて酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、などの体質
顔料、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、
カルシウムクロメート等の防食顔料、公知の着色剤、シ
リカ、ワックスなどの添加剤、グラスファイバー等を配
合することができる。
【0026】本発明の塗料用樹脂組成物は有機溶媒に溶
解した形で使用されるものである。有機溶媒としては、
例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ100、ソルベ
ック150、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカル
ビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソル
ブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチル
カルビトールアセテート、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、イソホロン、N−メチルピロリドン等から
溶解性、蒸発速度を考慮して適宜選択される。
【0027】本発明の塗料用樹脂組成物はそれ自体を塗
布焼付けしただけでも充分な性能を示すが、さらに耐候
性、耐汚染性を向上する目的でトップコートとして公知
の上塗り塗料を塗布することもできる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて説明する。実施
例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項
目は以下の方法に従った。
【0029】1.還元粘度ηsp/c(dl/g) ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロ
ロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25ccに溶か
し、30℃で測定した。
【0030】2.ガラス転移点温度 示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
【0031】3.酸価 試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解し
た。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール
溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタ
レインを用いた。
【0032】4.破断伸度 ポリエステル樹脂をシクロヘキサノンに溶解したワニス
をポリプロピレンフィルムに塗布、乾燥し、厚み約50
μmのフィルムを得た。これをテンシロン型引張り試験
機でサンプル長30mm、引張り速度500mm/分、
25℃で測定した。
【0033】5.加工性 塗装鋼板を180度折り曲げ、屈曲部に発生する割れを
10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部
に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合を示し、0Tは板を
挟まなくて180度折り曲げた場合を示す。
【0034】6.耐アルカリ性 塗装鋼板を5%NaOH中に48時間浸漬し、塗面のブ
リスタ−の発生状態をASTM D714−56に準じ
て評価した。異常のない場合は10とした。
【0035】7.耐酸性 塗装鋼板を5%HCl中に48時間浸漬し、塗面のブリ
スタ−の発生状態をASTM D714−56に準じて
評価した。異常のない場合は10とした。
【0036】8.耐食性 塗装鋼板を所定時間35℃で5%NaCl塩水噴霧試験
を実施し、ブリスターの発生状況を目視判定した。耐食
性はクロスカット部、端面(切断部)、2T加工部につ
いて実施した。尚、塩水噴霧時間はクロスカット部およ
び2T加工部が1000時間、端面は500時間で評価
した。評価基準を以下に示す。 クロスカット部および加工部 ◎:異常なし ○:ほとんどブリスターなし △:
ブリスター発生 ×:ブリスター多数発生 端面(ブリスター幅) ◎:5mm以下 ○:5〜10mm △:10〜20m
m ×:20mm以上
【0037】9.絞り加工性 塗装鋼板をD/L(直径/深さ)=0.6で絞り加工し
た後、その側面部分をセロテープはくり試験をした。評
価基準を以下に示す。 ○:異常なし △:はくりする ×:著しくは
くりする
【0038】10.上塗り塗料の作製 あらかじめ溶解した市販の高分子量ポリエステル バイ
ロン300 60固形部、バイロン200 40固形部
(何れも東洋紡績株会社製)、メチルエーテル化メチロ
ールメラミン スミマールM40S(不揮発分80%、
住友化学工業株式会社製)31部、p−トルエンスルホ
ン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部、酸価チ
タン125部を加え、ガラスビーズ型高速振とう機で5
時間分散し上塗り塗料を作製した。尚、溶剤はシクロヘ
キサノン/ソルベッソ150=50/50混合品を適量
使用した。
【0039】11.塗装鋼板(試験片)の作製 0.5mm厚の溶融亜鉛めっき鋼板にクロメート処理を
施したものを基材とした。この基材に所定のプライマー
を乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、210℃×5
0秒焼付けた。ついで、前記10.で作製した上塗り塗
料を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、230℃
×60秒焼付けて塗装鋼板を作製した。
【0040】合成例(A) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にジ
メチルテレフタル酸68部、ジメチルイソフタル酸47
部、無水トリメリット酸1.9部、エチレングリコール
118部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物であるDA−350(日本油脂株式会社製)96部、
テトラブチルチタネート0.102部を仕込み、160
℃から240℃まで4時間かけてエステル交換反応を行
った。次いで、200℃まで冷却し、アジピン酸58部
を仕込み、徐々に240℃まで加熱しエステル化反応を
行なった。ついで系内を徐々に減圧していき、50分か
けて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下
の真空下、260℃にて60分間重縮合反応を行った。
得られた共重合ポリエステル(A)はNMR等の組成分
析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソソフタ
ル酸/アジピン酸/トリメリット酸=35/22/42
/1であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコ
ール/DA−350=68/32であった。また、還元
粘度を測定したところ0.35dl/gであり、ガラス
転移温度15℃であった。結果を表1に示す。
【0041】以下、上記合成例に準じた方法により表1
〜表3に示す組成のポリエステル樹脂(B)〜(N)を
合成した。(F)〜(N)は比較ポリエステルである。
【0042】実施例 1 1)プライマー塗料の作製 ポリエステル樹脂(A)溶液100固形部に酸化チタン
50部、ジンククロメート50部、メチル/ブチル混合
エーテル化メチロールメラミン(商品名:サイメル25
4、不揮発分80%、三井サイアナミッド株式会社製)
25部、p−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアル
コール溶液2.5部を加え、ガラスビーズ型高速振とう
機で5時間分散しプライマー塗料を作製した。
【0043】この塗料組成物を前記10.に記述した方
法で塗布、焼付けして塗装鋼板を作製し、所定の試験を
おこなった。結果を表4に示す。
【0044】以下、表4〜表7に示す組成により同様に
して、実施例2〜7、比較例1〜9の塗料組成物を作成
し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験結
果を表4〜表7に示す。ただし、塗料の配合比は固形分
換算で表示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物はポリエステ
ル樹脂の酸成分に脂肪族ジカルボン酸を有し、グリコー
ル成分に一般式(1)で示されるビスフェノールAのエ
チレンオキサイドまたは/およびプロピレンオキサイド
付加物を含有するため、加工性、耐食性に優れており、
特に従来のポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂と比
較して、著しく折り曲げ加工性、絞り加工性に優れ、か
つ、加工部および端面の耐食性に優れたものが得られ
る。本発明の塗料用樹脂を塗装金属板用プライマーに用
いることにより上塗り塗料の加工性が著しく向上するた
め、上塗り塗料の使用範囲が広がり、加工性とその他の
塗膜物性を高度に両立することが可能となる。また、加
工部および端面の耐食性が優れるため特に高度の耐食性
が要求される、建材、屋外器物はもとより、冷蔵庫、洗
濯機、エアコン室外機などの耐食性の必要な家電用途に
も幅広く使用することができる。また、本発明に使用す
るポリエステル樹脂は、塗料組成物としてだけではな
く、単独、あるいは公知の硬化剤と併用することによ
り、種々の基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチックフィルム、鉄、ブリキ等の金属板など
の接着剤として、または、各種ピグメントのバインダー
として使用することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大濱 健司 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)脂肪族ジカルボン酸30〜80モ
    ル%、その他のジカルボン酸20〜70モル%、グリコ
    ール成分が下記の化1の一般式(I)で示されるビスフ
    ェノールAのエチレンオサイドまたは/およびプロピレ
    ンオキサイドの付加物10〜100モル%からなり、か
    つ、ガラス転移点温度が30℃以下で、高速引っ張り時
    (500mm/分)の破断伸度が100%以上のポリエ
    ステル樹脂に、(B)これと反応し得る硬化剤を(A)
    /(B)=95/5〜60/40(重量比)の割合で配
    合することを特徴とする塗料用樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1,2 は水素またはメチル基であり、m、n
    はそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n≦8で
    ある。)
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KR100406147B1 (ko) * 2000-12-20 2003-11-15 삼화페인트공업주식회사 상·하도 도료 겸용 폴리에스테르 수지 조성물
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