JPH06255245A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JPH06255245A
JPH06255245A JP5075020A JP7502093A JPH06255245A JP H06255245 A JPH06255245 A JP H06255245A JP 5075020 A JP5075020 A JP 5075020A JP 7502093 A JP7502093 A JP 7502093A JP H06255245 A JPH06255245 A JP H06255245A
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和彦 深谷
Takashi Endo
孝 遠藤
Kensaku Azuma
健策 東
Tsutomu Murata
力 村田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明化温度幅が広く、温度制御の容易な可逆
性感熱記録媒体を提供する。 【構成】 支持体上に、有機高分子樹脂および可塑剤よ
りなる樹脂組成物中に有機低分子物質を分散させてな
り、透明度が温度によって可逆的に変化し得る感熱記録
層を設けてなる可逆性感熱記録媒体であって、有機低分
子物質として、融点50〜100℃の長鎖アルキル基含
有化合物の少なくとも1種と、融点120℃以上の飽和
脂肪族ビスアミドの少なくとも1種を98:2〜80:
20の割合で用い、可塑剤を感熱記録層の全固形分比率
で1〜10%含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱することによって
可逆的に画像を記録、消去することが可能な可逆性感熱
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭55−154198号および同6
1−257883号公報等には、加熱した際の到達温度
の違いにより、冷却後の透明度が可逆的に変化し、それ
によって画像を記録、消去することができる可逆性感熱
記録媒体が提案されている。これらの可逆性感熱記録媒
体は、感熱記録層として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体のような有機高分子樹脂中に、高級脂肪酸のような
有機低分子物質を微粒子状に分散したものが、支持体上
に設けられた層構成を有している。
【0003】これらの可逆性感熱記録媒体の透明状態
と、それに与える熱履歴との関係を、図1で説明する。
図1は、可逆的感熱記録媒体における温度と透明率との
関係を示す状態図であって、不透明(白濁)部は、ある
温度範囲T1 〜T2 に加熱し、室温TR に徐冷すること
によって透明化することができる(→→→)。
逆に透明部を不透明(白濁)化するには、透明部を温度
T3 以上に加熱後、室温まで冷却すればよい(→→
→→)。この場合、透明状態および白濁状態は、
室温TR においては安定に保たれる。従来の方法では、
不透明(白濁)部を透明化する際の加熱温度範囲T1 〜
T2の幅(透明化温度幅TW )は非常に狭く、また任意
にコントロールすることができないため、不透明な状態
にある可逆性感熱記録媒体を透明状態にするには、温度
の厳密なコントロールが必要となり、実際面での使用は
非常に困難なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】不透明状態の可逆性感
熱記録媒体を透明化する際に、加熱手段として、十分な
熱容量を持った加熱媒体、例えばオーブンやヒートブロ
ックを用いて、十分な時間をかけてこの可逆性感熱記録
媒体を加熱する場合においては、その透明化温度幅TW
はあまり広くなくてもよい。しかしながら、透明化の際
の加熱手段が十分な熱容量を持たない場合、或いは十分
な時間加熱することのできない場合、例えばサーマルヘ
ッドやレーザーなどによる数msecオーダーでの加熱
による場合には、加熱に際して可逆性感熱記録媒体の感
熱記録層の厚さ方向に温度勾配が生じ、均一な温度に加
熱され難いため、その透明化温度TW を十分広くとる必
要がでてくる。ところが、従来の可逆性感熱記録媒体
は、その透明化温度幅がかなり狭く、画像消去に対して
サーマルヘッドなどを加熱媒体として用いることが困難
であった。また、従来の可逆性記録媒体は感熱ヘッドの
ような十分な熱容量、或いは、十分な時間加熱すること
ができない加熱手段により、白濁印字部を消去して透明
化しようとするとき、消去性が十分ではないという問題
を有していた。したがって、本発明の目的は、上記の従
来の技術における問題点を解決し、透明化温度幅TW を
広げた、すなわち温度制御の容易で、白濁印字部の消去
特性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の可逆性感熱記録
媒体は、支持体上に、有機高分子樹脂および可塑剤より
なる樹脂組成物中に有機低分子物質を分散させてなり、
透明度が温度によって可逆的に変化し得る感熱記録層を
有するものであって、有機低分子物質として、融点50
〜100℃の長鎖アルキル基含有化合物の少なくとも1
種と、融点120℃以上の飽和脂肪族ビスアミドの少な
くとも1種を98:2〜80:20の割合で用い、ま
た、可塑剤を感熱記録層の全固形分比率で1〜10%含
有していることを特徴とするものである。
【0006】以下、本発明の可逆性感熱記録媒体の構成
について説明する。支持体としては、合成樹脂フィルム
または紙の表面または裏面に着色被覆層を設けたもの、
着色顔料を混練した合成樹脂フィルム等が使用でき、例
えばカーボンブラックを混練した黒色フィルムが使用で
きる。さらに、透明な有機高分子樹脂フィルム、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアセテート、ポリイミド等のフィルム、或い
は、それらに金属層からなる反射層を設けたものが使用
される。
【0007】感熱記録層に用いる有機高分子樹脂として
は、透明性がよく、機械的強度に優れ、成膜性のよいも
のが好ましい。例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂等があげられる。
【0008】本発明において、感熱記録層における有機
低分子物質の一つとして用いる長鎖アルキル基含有化合
物とは、一般的にワックス、或いはロウと呼ばれ、室温
においては固体状である物質を指し、C14〜C50程度の
長鎖アルキル基を含む化合物であって、融点が50〜1
00℃であれば、如何なるものでも使用することができ
るが、好ましくは、長鎖アルキル基を含有するエステ
ル、アミド、或いはケトンが好ましい。具体的には、エ
ステルとして、例えば、ステアリン酸ステアリル、ステ
アリン酸ベヘニル、ベヘニン酸ベヘニル、モンタン酸ベ
ヘニル、ステアリン酸C30アルコール、ベヘニン酸C30
アルコール、ステアリン酸C50アルコール、ベヘニン酸
50アルコールエステル、エイコサンジ酸ステアリルア
ルコールジエステル等;アミドとしては、例えば、パル
ミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミ
ド、オレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸ア
ミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリ
ルエルカ酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド
等;ケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン、ジ
ベヘニルケトン等があげられるが、これらに限られるも
のではない。これらの長鎖アルキル基含有化合物は、1
種使用してもよいが、2種以上を使用することもでき
る。
【0009】また、有機低分子物質の他の一つとして用
いられる飽和脂肪族ビスアミドは、融点120℃以上、
好ましくは130〜150℃の範囲のものであって、長
鎖飽和脂肪酸とアルキレンジアミンとの酸アミド、ある
いは、飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アミンとの
酸アミドである。具体的には、例えば、 エチレンビスステアリン酸アミド m.p.143℃ (C1735CONH)2 (CH2 2 エチレンビスベヘン酸アミド m.p.141℃ (C2143CONH)2 (CH2 2 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド m.p.146℃ (C1735CONH)2 (CH2 6 ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド m.p.143℃ (C2143CONH)2 (CH2 6 N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド m.p.144℃ (C1837NHCO)2 (CH2 4 N,N′−ジステアリルエイコサンジ酸アミド m.p.128℃ (C1837NHCO)2 (CH2 18 N,N′−ジステアリルセバシン酸アミド m.p.138℃ (C1837NHCO)2 (CH2 8 N,N′−ジラウリルドデカンジ酸アミド m.p.138℃ (C1225NHCO)2 (CH2 10 N,N′−ジラウリルエイコサンジ酸アミド m.p.130℃ (C1225NHCO)2 (CH2 18 等をあげることができるが、これらに限定されるもので
はない。これらの飽和脂肪族ビスアミドは、1種使用し
てもよいが、2種以上用いてもよい。この場合、飽和脂
肪族ビスアミドの融点が120℃よりも低いと、実質的
な透明化温度幅の拡大が得られないと言う問題が生じ
る。
【0010】本発明において、上記長鎖アルキル基含有
化合物と脂肪族ビスアミドとの配合割合は、重量比で9
8:2〜80:20の範囲であることが必要である。脂
肪族ビスアミドの有機低分子物質に占める割合が2重量
%よりも低くなると、透明化温度幅の拡大に対して効果
が得られず、一方、20重量%よりも高くなると、良好
なコントラストが得られなくなる。また、本発明におい
て、有機高分子樹脂中に分散させる有機低分子物質の配
合量は、有機高分子樹脂100重量部に対して、長鎖ア
ルキル基含有化合物と飽和脂肪族ビスアミド合わせて5
〜100重量部の範囲であることが好ましく、特に10
〜50重量部の範囲にあることが好ましい。有機低分子
物質の量が5重量部未満の場合、感熱記録層の不透明
(白濁)化が十分でなく、良好なコントラストを得るこ
とができず、逆に100重量部より多くなると感熱記録
層の成膜性が悪化する。
【0011】また、可塑剤としては、適宜のものが使用
される。具体的には、次のものが例示される。燐酸トリ
ブチル、燐酸トリ−2−エチルヘキシル、燐酸トリフェ
ニル、燐酸トリクレシル等の燐酸エステル、フタル酸ジ
メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル
酸フジカプリル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フ
タル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタ
ル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブトキシエチル等のフ
タル酸エステル、オレイン酸ブチル、オレイン酸テトラ
ヒドロフルフリル、グリセリンモノオレイン酸エステル
等の脂肪族−塩基酸エステル、アジピン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチル
ヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルブチル、アゼラ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジカプ
リル等の脂肪酸二塩基酸エステル、ジエチレングリコー
ルジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エ
チルブチラート、トリエチレングリコールジ−2−エチ
ルヘキソエート等の二価アルコールエステル、アセチル
リシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ア
セチルリシノール酸メトキシエチル、ブチルフタルブチ
ルグリコレート、アセチルクエン酸トリ(2−エチルヘ
キシル)等のオキシ酸エステル、塩素化パラフィン、塩
素化ビフェニル−2−ニトロビフェニル、ジノニルナフ
タリン、ショウ脳、アビエチン酸メチル等。これ等は単
独、または2種以上を適宜選択して使用することができ
る。
【0012】可塑剤の添加量については、感熱記録層の
全固形分濃度の1〜10%の範囲が望ましい。可塑剤の
添加量が上記の範囲よりも少なくなると、可塑剤の添加
効果がなくなり、また、上記の範囲よりも多すぎると、
白濁印字濃度が低下し、白濁印字部と透明地肌部とのコ
ントラスト(視認性)が悪くなる。なお、コントラスト
は、感熱記録層と支持体との間にアルミニウム等の金属
の薄膜からなる光反射層を設けると向上するが、その場
合の白濁部と透明部との反射濃度(マクベス反射濃度)
の差が0.7以上あることが好ましい。使用する可塑剤
の種類及び添加量はこれらを考慮して、上記の範囲で適
宜選択することができる。
【0013】本発明における感熱記録層は、可塑剤を含
む有機高分子樹脂及び長鎖アルキル基を含む化合物と飽
和脂肪族ビスアミドを溶液にしたもの、或いは、可塑剤
を含む有機高分子樹脂の溶液中に長鎖アルキル基を含む
化合物と飽和脂肪族ビスアミドを分散したもの、或いは
長鎖アルキル基を含む化合物と飽和脂肪族ビスアミドを
溶融混合したものを、可塑剤を含む有機高分子樹脂中に
分散したものを支持体の上に塗布または印刷し、成膜す
ることにより設けることができる。形成される感熱記録
層において、有機低分子物質は、前記有機高分子樹脂中
に、粒子状に分散された状態で存在し、その粒径はおよ
そ0.5〜2μmの範囲に分布する。
【0014】感熱記録層の厚さは、1〜20μmの範囲
にあるものが好ましく、3〜10μmの範囲にあるもの
がより好ましい。厚さが1μmよりも薄いと、感熱記録
層の不透明(白濁)化が充分ではなく、また、20μm
より厚いと、サーマルヘッド等による印字記録時、或い
は消去時において熱伝導性が悪くなり、感熱記録層の熱
に対する感度が悪くなる。
【0015】本発明の感熱記録媒体においては、必要に
応じて、以下に述べる層を設けることができる。例え
ば、サーマルヘッドを用いて画像の記録、消去を行う場
合、感熱記録層の耐熱性を向上させるとともに、サーマ
ルヘッドとのマッチング性を保つために、感熱記録層の
上に、熱可塑性或いは熱硬化性樹脂、例えば、ポリメタ
クリレート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アル
キッド樹脂等、光硬化性または電子線硬化性のウレタン
−アクリレート樹脂等の樹脂を主成分とした耐熱性の保
護層を設けてもよい。また、感熱記録層と保護層の間
に、感熱記録層中の有機低分子物質の他の層への移行を
防止するため、或いは感熱記録層と保護層の接着性を高
めるための中間層を設けてもよい。
【0016】さらにまた、支持体の感熱記録層とは反対
側の面上に或いは支持体と感熱記録層の間に、磁気記録
層を設けることもできる。磁気記録層を支持体の感熱記
録層とは反対側の面上に設けた場合には、磁気記録層の
摩耗を防止するために、磁気記録層の表面に熱可塑性樹
脂または熱硬化性樹脂、例えば、ポリメタクリレート樹
脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂
等、光硬化性または電子線硬化性のウレタン−アクリレ
ート樹脂、エポキシ−アクリレート樹脂を主成分とした
耐熱性の保護層を設けてもよい。
【0017】
【作用】本発明の可逆性感熱記録媒体における透明状態
と白濁状態の違いは、感熱記録層中に微粒子状に分散さ
れた有機低分子物質の結晶状態の違いによるものと考え
られる。すなわち、透明化状態については、次のように
説明することができる。該可逆性感熱記録媒体の感熱記
録層を透明化温度T1 〜T2 に加熱する。このとき、感
熱記録層中に分散された有機低分子物質は融解するが、
完全には融解されずに残留した状態になっている。次
に、冷却すると、冷却過程においてこの未融解の有機低
分子物質が核となって大きな結晶が成長する。冷却後の
感熱記録層中に分散された有機低分子物質は、大きな結
晶になっているために、光が入射した際、その界面にお
ける光の散乱の度合が少なく、したがって感熱記録層が
透明状態としてとらえられる。不透明(白濁)状態につ
いては、次のように説明することができる。上記感熱記
録層を温度TW 以上に加熱する。このとき、感熱記録層
中に分散された有機低分子物質は完全に融解した状態に
なる、次いで冷却すると、冷却過程において結晶成長の
核となるものがないため、有機低分子物質の結晶は大き
く成長できず、冷却後細かな微結晶の集合体となる。し
たがって、この感熱記録層に入射した光は、微結晶の界
面で散乱され、不透明(白濁)状態としてとらえられ
る。本発明における可逆性感熱記録材料は、上記のよう
な可逆的な透明度の変化を利用し、画像の記録、消去を
行うものであり、本発明によるとその透明化温度幅を拡
大することができるものである。
【0018】なお、従来の可逆性記録媒体においては、
感熱ヘッドのような十分な熱容量、或いは、十分な時間
加熱することができない加熱手段により、白濁印字部を
消去して透明化しようとするとき、消去性が十分でない
という問題を有していた。原因は感熱記録層の有機高分
子樹脂が分子の再配列により経時により硬くなり、透明
化に要する熱エネルギーが増大して感度が著しく低下す
るためと考えられる。ところが、本発明においては、可
塑剤が含まれるので、それが前述の透明化温度幅を広げ
る効果のほかに、感熱記録層中の有機高分子樹脂の分子
間力を軽減し、有機高分子樹脂が硬くなるのを抑え、上
記白濁印字部の消去特性を向上する効果も示すものと思
われる。
【0019】本発明における感熱記録層には、有機低分
子物質として、融点50〜100℃の長鎖アルキル基含
有化合物と共に、それよりも高い融点である120℃以
上の融点を有する飽和脂肪族ビスアミドを使用するか
ら、透明化のために加熱した際に、長鎖アルキル基含有
化合物が融解する温度以上になっても、飽和脂肪族ビス
アミドは融解されずに感熱記録層中に残留しており、こ
の残留した飽和脂肪族ビスアミド微粒子は、冷却過程に
おいて結晶の核となる。したがって、透明化温度の上限
T2 が高温側にシフトした状態になる。その結果、本発
明の可逆性感熱記録媒体は、透明化温度幅が広くなった
ものである。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。な
お、「部」は重量割合を意味する。 実施例1 188μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面に、アルミニウムの蒸着を施したものを支持体と
して、下記の感熱記録層用の塗料を支持体のアルミニウ
ム蒸着面の反対側にワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥
した後、厚さ10μmの感熱記録層を形成した。 モンタン酸ベヘニル 95部 N,N′−ジステアリルドデカンジ酸アミド 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 300部 フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 20部 テトラヒドロフラン 1600部 次に以下の塗料を感熱記録層上に塗工、乾燥した後、厚
さ3μmの保護層を形成し、本発明の可逆性感熱記録媒
体を得た。 シリコン樹脂 YR3370(東芝シリコーン社製) 400部 触媒 CR15 (東芝シリコーン社製) 1部 イソプロピルアルコール 1600部
【0021】実施例2 実施例1における可塑剤を、アジピン酸ジブチル10部
で置き換えた以外は、実施例1と同じ方法で可逆性感熱
記録媒体を得た。 実施例3 実施例1における可塑剤を、フタル酸ジイソデシル10
部で置き換えた以外は、実施例1と同じ方法で可逆性感
熱記録媒体を得た。 実施例4 実施例1における可塑剤を、セバシン酸ジ−2−エチル
ヘキシル10部で置き換えた以外は、実施例1と同じ方
法で可逆性感熱記録媒体を得た。 実施例5 感熱記録層の有機高分子樹脂を、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコール共重合体(積水化学社製:エスレ
ックA)150部とポリエステル樹脂(東洋紡社製:バ
イロン290)150部の混合物とした以外は、実施例
1と同じ方法で可逆性感熱記録媒体を得た。
【0022】比較例1 下記組成の感熱記録層用の塗料を用い、実施例1と同様
にして可逆性感熱記録媒体を得た。 モンタン酸ベヘニル 100部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 300部 テトラヒドロフラン 1600部 比較例2 モンタン酸ベヘニルの代わりにN−ステアリルオレイン
酸アミド100部を用いた以外は、比較例1と同様にし
て可逆性感熱記録媒体を得た。 比較例3 モンタン酸ベヘニルの代わりにジステアリルケトン10
0部を用いた以外は、比較例1と同様にして可逆性感熱
記録媒体を得た。 比較例4 可塑剤の量を80部にした以外は、実施例1と同じ方法
で可逆性感熱記録媒体を得た。
【0023】このようにして作製された可逆性感熱記録
媒体のサンプルは、130℃のオーブン中で十分加熱
し、完全に全面白濁化させた後、東洋精機社製の熱傾斜
試験機を用いて、圧力400g/m2 で、1秒間ヒート
ブロックをサンプルに押し付け、発色、消色試験を行っ
た。透明化温度となっているヒートブロックが押し付け
られた部分は透明化するので、それによって透明化温度
幅を測定した。また、この可逆性記録媒体を8本/mm
の薄膜タイプのサーマルヘッドで白濁部の透明化を行
い、消去特性についての評価を行った。その結果を表1
に示す。この消去特性の評価は、前記可逆性記録媒体を
乾燥機にて完全に全面透明化させた後、サーマルヘッド
により白濁ベタ印字を行い、最大白濁印字濃度を示すと
ころでサーマルヘッドにより透明化を行うものである。
消去特性の尺度として消去率(R)を下記の式より算出
した。 R=[(B−C)/(A−C)]×100(%) 但し、A、BおよびCは下記の反射濃度をマクベス反射
濃度計(RD−914)により測定したものとする。 A;透明地肌濃度(乾燥機で全面透明化したときの反射
濃度) B;透明化濃度(サーマルヘッドにより透明化された個
所の反射濃度) C;最大白濁印字濃度 また、判定基準として、80%≦Rを〇、70%<R<
80%を△、70%>Rを×として評価した。但し、比
較例4については、最大白濁印字濃度と透明地肌濃度と
の差(コントラスト)が少なく、画像性が不良のため消
去率(R)を評価することなく実用上不能として×とし
た。
【0024】以上の方法で測定した透明化温度幅を表1
に示す。
【表1】
【0025】表1の測定結果により明らかなように、飽
和脂肪族ビスアミドを添加した本発明の実施例のもの
は、それを添加していない比較例の1〜3のものと比べ
ると、透明化温度幅が著しく広くなっており、かつ消去
率も向上していることが確認できた。また、感熱記録層
への可塑剤の添加により前記透明化温度幅及び消去率が
さらに向上することが明らかとなり、比較例4により該
可塑剤の配合量が最大白濁印字濃度と透明地肌濃度との
コントラスト(視認性)に大きな影響を受けることも確
認できた。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明による可逆性感熱
記録媒体において、その感熱記録層の有機低分子物質と
して、長鎖アルキル基含有化合物と飽和脂肪族ビスアミ
ドを重量比98:2〜80:20の割合で用いることに
より、該記録媒体の透明化温度幅を広げることができ、
その結果サーマルヘッド等の微小な熱容量の加熱媒体を
用いた場合における画像の消去が容易な可逆性感熱記録
媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可逆性感熱記録媒体における温度と透明率との
関係を示す状態図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 力 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所電子材料研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、有機高分子樹脂および可塑
    剤よりなる樹脂組成物中に有機低分子物質を分散させて
    なり、透明度が温度によって可逆的に変化し得る感熱記
    録層を設けてなる可逆性感熱記録媒体において、該有機
    低分子物質として、融点50〜100℃の長鎖アルキル
    基含有化合物の少なくとも1種と、融点120℃以上の
    飽和脂肪族ビスアミドの少なくとも1種を98:2〜8
    0:20の割合で用い、該可塑剤を感熱記録層の全固形
    分比率で1〜10%含有することを特徴とする可逆性感
    熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記長鎖アルキル基含有化合物として、
    高級脂肪酸と高級アルコールからなるエステルを用いた
    ことを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記長鎖アルキル基含有化合物として、
    高級脂肪族アミドを用いたことを特徴とする請求項1記
    載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 長鎖アルキル基含有化合物として、高級
    脂肪族ケトンを用いたことを特徴とする請求項1記載の
    可逆性感熱記録媒体。
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