JP3270342B2 - 熱可逆性記録材料 - Google Patents
熱可逆性記録材料Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱的手段により
可逆的に記録・消去を繰り返し行うことのできる熱可逆
性記録材料に関するものである。
可逆的に記録・消去を繰り返し行うことのできる熱可逆
性記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可逆性記録材料は、熱履歴により当該
材料の透明度(ここでは、可視光に対する透明度につき
論じる。以下、同様。)が変化する特性を有する。した
がって例えばサーマルヘッド等のような熱的手段を用い
て当該材料の所望の一部分を選択的に加熱して透明状態
に変化させ、それ以外の部分は不透明状態(白濁状態と
もいう。)のままとすることで、両部分の透明度に差を
つけることによって表示等を行う。透明状態では無記
録、つまり消去を表し、白濁状態で記録(表示)、つま
り書き込みを表している。
材料の透明度(ここでは、可視光に対する透明度につき
論じる。以下、同様。)が変化する特性を有する。した
がって例えばサーマルヘッド等のような熱的手段を用い
て当該材料の所望の一部分を選択的に加熱して透明状態
に変化させ、それ以外の部分は不透明状態(白濁状態と
もいう。)のままとすることで、両部分の透明度に差を
つけることによって表示等を行う。透明状態では無記
録、つまり消去を表し、白濁状態で記録(表示)、つま
り書き込みを表している。
【0003】このような熱可逆性記録材料の従来例とし
て、例えば特開昭55−154198号公報に開示され
ているものがある。この熱可逆性記録材料は、ポリエス
テルをはじめとするポリマーまたは樹脂からなるマトリ
クス材にベヘン酸(ドコサン酸)をはじめとする有機低
分子を分散させて構成されたものである。具体的には以
下の〜の構成の、かつ特性を有する熱可逆性記録材
料がそれぞれ実施例として挙げられている。:芳香族
ジカルボン酸および脂肪族ジオールをベースにした高分
子直鎖コポリエステルと、ドコサン酸とを含むもの。こ
れは72℃に加熱して冷却すると安定した透明性を示
し、また77℃以上の温度に再加熱することによっての
み白濁状態に戻すことができるものであった。:塩化
ビニリデンおよびアクリロニトリロの共重合体と、ドコ
サン酸と、流動性改善のためのフルオラッド潤滑剤とを
含むもの。これは63℃にまで加熱して冷却すると安定
した透明性を示し、また74℃以上の温度に再加熱する
ことによってのみ白濁状態に戻すことができるものであ
った。:塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体と、
ドコサノールとを含むもの。これは68℃にまで加熱し
て冷却すると安定した透明性を示し、また70℃以上の
温度に再加熱することによってのみ白濁状態に戻すこと
ができるものであった。:ポリエステルと、ドコサン
酸とを含むもの。これは72℃にまで加熱して冷却する
と安定した透明性を示し、また77℃以上の温度に再加
熱することによってのみ白濁状態に戻すことができるも
のであった。
て、例えば特開昭55−154198号公報に開示され
ているものがある。この熱可逆性記録材料は、ポリエス
テルをはじめとするポリマーまたは樹脂からなるマトリ
クス材にベヘン酸(ドコサン酸)をはじめとする有機低
分子を分散させて構成されたものである。具体的には以
下の〜の構成の、かつ特性を有する熱可逆性記録材
料がそれぞれ実施例として挙げられている。:芳香族
ジカルボン酸および脂肪族ジオールをベースにした高分
子直鎖コポリエステルと、ドコサン酸とを含むもの。こ
れは72℃に加熱して冷却すると安定した透明性を示
し、また77℃以上の温度に再加熱することによっての
み白濁状態に戻すことができるものであった。:塩化
ビニリデンおよびアクリロニトリロの共重合体と、ドコ
サン酸と、流動性改善のためのフルオラッド潤滑剤とを
含むもの。これは63℃にまで加熱して冷却すると安定
した透明性を示し、また74℃以上の温度に再加熱する
ことによってのみ白濁状態に戻すことができるものであ
った。:塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体と、
ドコサノールとを含むもの。これは68℃にまで加熱し
て冷却すると安定した透明性を示し、また70℃以上の
温度に再加熱することによってのみ白濁状態に戻すこと
ができるものであった。:ポリエステルと、ドコサン
酸とを含むもの。これは72℃にまで加熱して冷却する
と安定した透明性を示し、また77℃以上の温度に再加
熱することによってのみ白濁状態に戻すことができるも
のであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱可逆性記録材料では、所要の透明状態を形成するため
の温度範囲が、上記のものにあっては(77−72)
=5℃、のものにあっては(74ー63)=11℃、
のものにあっては(70−68)=2℃、のものに
あっては(77ー72)=5℃というように、最大でも
11℃しかなくて温度範囲は非常に狭い。このため、こ
の種の熱可逆性記録材料を用いて記録(表示)を行わせ
る場合、厳密な温度制御が必要であった。また、近年で
は記録画像の消去をもサーマルヘッドによって行うオー
バーライト方法が取り入れられつつあるが、上記のよう
に透明(消去)状態を形成できる温度範囲が狭い場合に
は温度を制御することができないため使用することはで
きなかった。
熱可逆性記録材料では、所要の透明状態を形成するため
の温度範囲が、上記のものにあっては(77−72)
=5℃、のものにあっては(74ー63)=11℃、
のものにあっては(70−68)=2℃、のものに
あっては(77ー72)=5℃というように、最大でも
11℃しかなくて温度範囲は非常に狭い。このため、こ
の種の熱可逆性記録材料を用いて記録(表示)を行わせ
る場合、厳密な温度制御が必要であった。また、近年で
は記録画像の消去をもサーマルヘッドによって行うオー
バーライト方法が取り入れられつつあるが、上記のよう
に透明(消去)状態を形成できる温度範囲が狭い場合に
は温度を制御することができないため使用することはで
きなかった。
【0005】このため、従来より情報を消去できる透明
状態を形成できる温度範囲が大であって厳密な温度制御
を必要としない熱可逆性記録材料の出現が望まれてい
た。
状態を形成できる温度範囲が大であって厳密な温度制御
を必要としない熱可逆性記録材料の出現が望まれてい
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の熱可
逆性記録材料によれば、マトリクス材および有機低分子
物質を含み、熱履歴により透明度が変化する熱可逆性記
録材料において、マトリクス材として塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体を含有し、有機低分子物質は、少なくとも
2つ以上の有機低分子の混合物とし、該混合物のうちの
1つの有機低分子はフルオレンカルボン酸であることを
特徴とする。
逆性記録材料によれば、マトリクス材および有機低分子
物質を含み、熱履歴により透明度が変化する熱可逆性記
録材料において、マトリクス材として塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体を含有し、有機低分子物質は、少なくとも
2つ以上の有機低分子の混合物とし、該混合物のうちの
1つの有機低分子はフルオレンカルボン酸であることを
特徴とする。
【0007】後述する説明からも明らかなように、以上
のような物質を含む熱可逆性記録材料を用いると、透明
状態を形成できる温度範囲を従来の約3〜6倍に飛躍的
に拡大することができる。このため、情報を消去するた
めに厳密な温度制御をすることはなくなる。
のような物質を含む熱可逆性記録材料を用いると、透明
状態を形成できる温度範囲を従来の約3〜6倍に飛躍的
に拡大することができる。このため、情報を消去するた
めに厳密な温度制御をすることはなくなる。
【0008】また、ここで、有機低分子物質のうちの、
フルオレンカルボン酸の他に混合する有機低分子は、飽
和カルボン酸、飽和カルボン酸の誘導体、ケトンおよび
エーテル等が好ましい。飽和カルボン酸および飽和カル
ボン酸の誘導体としては、これに限られるものではない
が、次に挙げるものが使用して好適である。
フルオレンカルボン酸の他に混合する有機低分子は、飽
和カルボン酸、飽和カルボン酸の誘導体、ケトンおよび
エーテル等が好ましい。飽和カルボン酸および飽和カル
ボン酸の誘導体としては、これに限られるものではない
が、次に挙げるものが使用して好適である。
【0009】(A)カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ア
ラキン酸、ヘンエイコ酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リ
グノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコ
サン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ヘン
トリアコンタン酸、ラクセル酸、トリトリアコンタン
酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンタン
酸、ヘプタトリアコンタン酸、ノナトリアコンタン酸、
テトラコンタン酸などの炭素数が10〜40の飽和カル
ボン酸。
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ア
ラキン酸、ヘンエイコ酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リ
グノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコ
サン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ヘン
トリアコンタン酸、ラクセル酸、トリトリアコンタン
酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンタン
酸、ヘプタトリアコンタン酸、ノナトリアコンタン酸、
テトラコンタン酸などの炭素数が10〜40の飽和カル
ボン酸。
【0010】また、炭素数が10〜40の飽和カルボン
酸の誘導体としては次のものに限られないが、 (B−1)ステアリン酸アミド、ノナデカン酸アミド、
アラキン酸アミド、ヘンコエイサン酸アミド、ベヘン酸
アミド、トリコサン酸アミド、リグノセリン酸アミド、
ペンタコサン酸アミド、セロチン酸アミド、ヘプタコサ
ン酸アミド、モンタン酸アミド、ノナコサン酸アミド、
メリシン酸アミド、ヘントリアコンタン酸アミド、ラク
セル酸アミド、トリトリアコンタン酸アミド、ゲダ酸ア
ミド、セロプラスチン酸アミド、ヘキサトリアコンタン
酸アミド、ヘプタトリアコンタン酸アミド、ノナトリア
コンタン酸アミド、テトラコンタン酸アミドなどの飽和
カルボン酸のアミド。
酸の誘導体としては次のものに限られないが、 (B−1)ステアリン酸アミド、ノナデカン酸アミド、
アラキン酸アミド、ヘンコエイサン酸アミド、ベヘン酸
アミド、トリコサン酸アミド、リグノセリン酸アミド、
ペンタコサン酸アミド、セロチン酸アミド、ヘプタコサ
ン酸アミド、モンタン酸アミド、ノナコサン酸アミド、
メリシン酸アミド、ヘントリアコンタン酸アミド、ラク
セル酸アミド、トリトリアコンタン酸アミド、ゲダ酸ア
ミド、セロプラスチン酸アミド、ヘキサトリアコンタン
酸アミド、ヘプタトリアコンタン酸アミド、ノナトリア
コンタン酸アミド、テトラコンタン酸アミドなどの飽和
カルボン酸のアミド。
【0011】(B−2)ステアリルアミン、ノナデカン
酸アミン、アラキン酸アミン、ヘンコエイサン酸アミ
ン、ベヘン酸アミン、トリコサン酸アミン、リグノセリ
ン酸アミン、ペンタコサン酸アミン、セロチン酸アミ
ン、ヘプタコサン酸アミン、モンタン酸アミン、ノナコ
サン酸アミン、メリシン酸アミン、ヘントリアコンタン
酸アミン、ラクセル酸アミン、トリトリアコンタン酸ア
ミン、ゲダ酸アミン、セロプラスチン酸アミン、ヘキサ
トリアコンタン酸アミン、ヘプタトリアコンタン酸アミ
ン、ノナトリアコンタン酸アミン、テトラコンタン酸ア
ミンなどのアミン。
酸アミン、アラキン酸アミン、ヘンコエイサン酸アミ
ン、ベヘン酸アミン、トリコサン酸アミン、リグノセリ
ン酸アミン、ペンタコサン酸アミン、セロチン酸アミ
ン、ヘプタコサン酸アミン、モンタン酸アミン、ノナコ
サン酸アミン、メリシン酸アミン、ヘントリアコンタン
酸アミン、ラクセル酸アミン、トリトリアコンタン酸ア
ミン、ゲダ酸アミン、セロプラスチン酸アミン、ヘキサ
トリアコンタン酸アミン、ヘプタトリアコンタン酸アミ
ン、ノナトリアコンタン酸アミン、テトラコンタン酸ア
ミンなどのアミン。
【0012】(B−3)パルミトアニリド、ステアリル
アニリド、ノナデカン酸アニリド、アラキン酸アニリ
ド、ヘンコエイサン酸アニリド、ベヘン酸アニリド、ト
リコサン酸アニリド、リグノセリン酸アニリド、ペンタ
コサン酸アニリド、セロチン酸アニリド、モンタン酸ア
ニリド、ノナコサン酸アニリド、メリシル酸アニリド、
ヘントリアコンタン酸アニリド、ラクセル酸アニリド、
トリトリアコンタン酸アニリド、ゲダ酸アニリド、セロ
プラスチン酸アニリド、ヘキサトリアコンタン酸アニリ
ド、ヘプタトリアコンタン酸アニリド、ノナトリアコン
タン酸アニリド、テトラコンタン酸アニリドなどのアニ
リド。
アニリド、ノナデカン酸アニリド、アラキン酸アニリ
ド、ヘンコエイサン酸アニリド、ベヘン酸アニリド、ト
リコサン酸アニリド、リグノセリン酸アニリド、ペンタ
コサン酸アニリド、セロチン酸アニリド、モンタン酸ア
ニリド、ノナコサン酸アニリド、メリシル酸アニリド、
ヘントリアコンタン酸アニリド、ラクセル酸アニリド、
トリトリアコンタン酸アニリド、ゲダ酸アニリド、セロ
プラスチン酸アニリド、ヘキサトリアコンタン酸アニリ
ド、ヘプタトリアコンタン酸アニリド、ノナトリアコン
タン酸アニリド、テトラコンタン酸アニリドなどのアニ
リド。
【0013】(B−4)セチルアルコール、ステアリル
アルコール、ノナデカール、エイコサノール、ヘンエイ
コサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ペンタ
コサノール、ヘキサノール、ヘプタコサノール、オクタ
コサノール、ノナコサノール、メリシルアルコール、ヘ
ントリアコンタノール、ラッセノール、トリトリアコン
タノール、テトラアコンタノール、ペンタアコンタノー
ル、ヘキサアコンタノール、ヘプタアコンタノール、ノ
ナトリアコンタノールなどのアルコール。
アルコール、ノナデカール、エイコサノール、ヘンエイ
コサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ペンタ
コサノール、ヘキサノール、ヘプタコサノール、オクタ
コサノール、ノナコサノール、メリシルアルコール、ヘ
ントリアコンタノール、ラッセノール、トリトリアコン
タノール、テトラアコンタノール、ペンタアコンタノー
ル、ヘキサアコンタノール、ヘプタアコンタノール、ノ
ナトリアコンタノールなどのアルコール。
【0014】(B−5)ステアリン酸フェニル、ステア
リン酸ビニル、ステアリン酸nドデシル、ノナデカン酸
メチル、アラキン酸メチル、ヘンコエイサン酸メチル、
ベヘン酸メチル、トリコサン酸メチル、リグノセリン酸
メチル、ペンタコサン酸メチル、セロチン酸メチル、ヘ
プタコサン酸メチル、モンタン酸メチル、ノナコサン酸
メチル、メリシン酸メチル、ヘントリアコンタン酸メチ
ル、ラクセル酸メチル、トリトリアコンタン酸メチル、
ゲダ酸メチル、セロプラスチン酸メチル、ヘキサトリア
コンタン酸メチル、ヘプタトリアコンタン酸メチル、ノ
ナトリアコンタン酸メチル、テトラコンタン酸メチルな
どのエステル。
リン酸ビニル、ステアリン酸nドデシル、ノナデカン酸
メチル、アラキン酸メチル、ヘンコエイサン酸メチル、
ベヘン酸メチル、トリコサン酸メチル、リグノセリン酸
メチル、ペンタコサン酸メチル、セロチン酸メチル、ヘ
プタコサン酸メチル、モンタン酸メチル、ノナコサン酸
メチル、メリシン酸メチル、ヘントリアコンタン酸メチ
ル、ラクセル酸メチル、トリトリアコンタン酸メチル、
ゲダ酸メチル、セロプラスチン酸メチル、ヘキサトリア
コンタン酸メチル、ヘプタトリアコンタン酸メチル、ノ
ナトリアコンタン酸メチル、テトラコンタン酸メチルな
どのエステル。
【0015】(B−6)ステアロン、19−ヘプタトリ
アコンタノン、20−ノナトリアコンタノン、21−ヘ
ンテトラコンタノン、22−トリテトラコンタノンなど
のケトン。
アコンタノン、20−ノナトリアコンタノン、21−ヘ
ンテトラコンタノン、22−トリテトラコンタノンなど
のケトン。
【0016】(B−7)ステアリン酸Ca、ステアリン
酸Co、ステアリン酸Cu、ステアリン酸Fe、ステア
リン酸K、ステアリン酸Li、ステアリン酸Mg、ステ
アリン酸Mn、ステアリン酸Ni、ステアリン酸Pb、
ステアリン酸Sn、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Z
r、ノナデカン酸Ca、アラキン酸Ca、ヘンエイコ酸
Ca、ベヘン酸Ca、トリコサン酸Ca、リグノセリン
酸Ca、ペンタコサン酸Ca、セロチン酸Ca、ヘプタ
コサン酸Ca、モンタン酸Ca、ノナコサン酸Ca、メ
リシン酸Ca、ヘントリアコンタン酸Ca、ラクセル酸
Ca、トリトリアコンタン酸Ca、ゲダ酸Ca、セロプ
ラスチン酸Ca、ヘキサトリアコンタン酸Ca、ヘプタ
トリアコンタン酸Ca、ノナトリアコンタン酸Ca、テ
トラコンタン酸Caなどの金属塩。
酸Co、ステアリン酸Cu、ステアリン酸Fe、ステア
リン酸K、ステアリン酸Li、ステアリン酸Mg、ステ
アリン酸Mn、ステアリン酸Ni、ステアリン酸Pb、
ステアリン酸Sn、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Z
r、ノナデカン酸Ca、アラキン酸Ca、ヘンエイコ酸
Ca、ベヘン酸Ca、トリコサン酸Ca、リグノセリン
酸Ca、ペンタコサン酸Ca、セロチン酸Ca、ヘプタ
コサン酸Ca、モンタン酸Ca、ノナコサン酸Ca、メ
リシン酸Ca、ヘントリアコンタン酸Ca、ラクセル酸
Ca、トリトリアコンタン酸Ca、ゲダ酸Ca、セロプ
ラスチン酸Ca、ヘキサトリアコンタン酸Ca、ヘプタ
トリアコンタン酸Ca、ノナトリアコンタン酸Ca、テ
トラコンタン酸Caなどの金属塩。
【0017】(B−8)2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、2−ウンデシルイミダゾール、2−ステアリルイミ
ダゾールなどのイミダゾール。
ル、2−ウンデシルイミダゾール、2−ステアリルイミ
ダゾールなどのイミダゾール。
【0018】また、次に示すようなケトン、エーテルな
ども用いて好適である。
ども用いて好適である。
【0019】(C)CH3 (CH2 )n CO(CH2 )
m CH3 ・・・(ケトン)。例えばラウロンなど(n、
mは自然数)。
m CH3 ・・・(ケトン)。例えばラウロンなど(n、
mは自然数)。
【0020】(D)CH3 (CH2 )n −O−(CH
2 )m CH3 ・・・(エーテル)。例えばn−テトラド
デシルエーテルなど(n、mは自然数)。
2 )m CH3 ・・・(エーテル)。例えばn−テトラド
デシルエーテルなど(n、mは自然数)。
【0021】上述したカルボン酸、カルボン酸の誘導
体、ケトン、およびエーテルなどの融点は、熱可逆性記
録材料の特性を考慮すると50℃以上が好ましい。これ
は、熱可逆性記録材料を透明状態を形成することができ
る温度にまで加熱した後、一旦冷却し、上記の材料を固
相化してから、不透明(白濁)状態を形成する温度に再
加熱して、再び冷却するという一連の操作を行ううえ
で、これらの有機低分子物質が溶解した後冷却されて、
過冷却状態になったとしても、融点が50℃以上であれ
ば、室温(約20℃)程度にまで冷却されたときには固
相化(結晶化もしくは凝固)する。この状態を経て再加
熱可能、つまり記録(不透明あるいは白濁)状態または
消去状態へ変化させるための再加熱を行うことができる
からである。
体、ケトン、およびエーテルなどの融点は、熱可逆性記
録材料の特性を考慮すると50℃以上が好ましい。これ
は、熱可逆性記録材料を透明状態を形成することができ
る温度にまで加熱した後、一旦冷却し、上記の材料を固
相化してから、不透明(白濁)状態を形成する温度に再
加熱して、再び冷却するという一連の操作を行ううえ
で、これらの有機低分子物質が溶解した後冷却されて、
過冷却状態になったとしても、融点が50℃以上であれ
ば、室温(約20℃)程度にまで冷却されたときには固
相化(結晶化もしくは凝固)する。この状態を経て再加
熱可能、つまり記録(不透明あるいは白濁)状態または
消去状態へ変化させるための再加熱を行うことができる
からである。
【0022】また、ここで用いるフルオレンカルボン酸
としては、これに限られるものではないが、下記のフル
オレン構造を有するもの、例えば1−フルオレンカルボ
ン酸(I)、9−フルオレンカルボン酸(II)などが挙
げられる。
としては、これに限られるものではないが、下記のフル
オレン構造を有するもの、例えば1−フルオレンカルボ
ン酸(I)、9−フルオレンカルボン酸(II)などが挙
げられる。
【0023】
【化1】
【0024】また、熱可逆性記録材料を使用するにあた
って、マトリクス材および有機低分子物質を支持体に被
着させるためにマトリクス材および有機低分子物質を含
む塗布溶液を調整する場合がある。その際にはマトリク
ス材および有機低分子物質を溶剤に溶かして塗布溶液を
得るのがよい。そして、この溶剤としては、これに限ら
れるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四
塩化炭素、エタノール、トルエンおよびベンゼン等の中
から選ばれた1種を用いるか、または2種以上を混合し
て用いるのがよい。また、塗布溶液は必要とあらば加熱
して用いてもよい。
って、マトリクス材および有機低分子物質を支持体に被
着させるためにマトリクス材および有機低分子物質を含
む塗布溶液を調整する場合がある。その際にはマトリク
ス材および有機低分子物質を溶剤に溶かして塗布溶液を
得るのがよい。そして、この溶剤としては、これに限ら
れるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四
塩化炭素、エタノール、トルエンおよびベンゼン等の中
から選ばれた1種を用いるか、または2種以上を混合し
て用いるのがよい。また、塗布溶液は必要とあらば加熱
して用いてもよい。
【0025】この塗布溶液をバーコータやグラビアコー
タ等の方法により支持体に塗布し、加熱乾燥を行うこと
により熱可逆性記録材料が得られる。
タ等の方法により支持体に塗布し、加熱乾燥を行うこと
により熱可逆性記録材料が得られる。
【0026】この発明の熱可逆性記録材料は、マトリク
ス材として、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有し、
2つ以上の有機低分子の混合物からなる有機低分子物質
はフルオレンカルボン酸を含んでいる。この材料を用い
れば、透明(消去)状態を形成することができる温度幅
が従来の3〜6倍もの温度範囲に飛躍的に拡大できる。
よって多様な消去装置を用いても高品質な消去状態を容
易に実現することが可能である。また、サーマルヘッド
を用いて行うオーバーライト記録方法を使用することも
できるようになり、さらにこの場合、記録消去デバイス
としてサーマルヘッドのみを有するために記録消去装置
の小型軽量化が実現できる。
ス材として、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有し、
2つ以上の有機低分子の混合物からなる有機低分子物質
はフルオレンカルボン酸を含んでいる。この材料を用い
れば、透明(消去)状態を形成することができる温度幅
が従来の3〜6倍もの温度範囲に飛躍的に拡大できる。
よって多様な消去装置を用いても高品質な消去状態を容
易に実現することが可能である。また、サーマルヘッド
を用いて行うオーバーライト記録方法を使用することも
できるようになり、さらにこの場合、記録消去デバイス
としてサーマルヘッドのみを有するために記録消去装置
の小型軽量化が実現できる。
【0027】また、上述の有機低分子物質を、9−フル
オレンカルボン酸とベヘン酸との混合物とすると好適な
熱可逆性記録材料を形成することができる。
オレンカルボン酸とベヘン酸との混合物とすると好適な
熱可逆性記録材料を形成することができる。
【0028】また、この混合物(有機低分子物質)は4
−フルオレンカルボン酸とベヘン酸との混合物としても
よく、また、9−フルオレンカルボン酸とリグノセリン
酸との混合物、または9−フルオレンカルボン酸とn−
テトラドデシルエーテルとの混合物、または9−フルオ
レンカルボン酸と、テトラデカン2酸と、ステアリン酸
との混合物、または9−フルオレンカルボン酸と、エイ
コ酸2酸と、ラウロンとの混合物としてもよく、これら
の物質は比較的容易に入手することができ、また、これ
らの物質を用いた熱可逆性記録材料は、透明(消去)状
態を形成することができる温度範囲は従来の約3〜6倍
と拡大できる。
−フルオレンカルボン酸とベヘン酸との混合物としても
よく、また、9−フルオレンカルボン酸とリグノセリン
酸との混合物、または9−フルオレンカルボン酸とn−
テトラドデシルエーテルとの混合物、または9−フルオ
レンカルボン酸と、テトラデカン2酸と、ステアリン酸
との混合物、または9−フルオレンカルボン酸と、エイ
コ酸2酸と、ラウロンとの混合物としてもよく、これら
の物質は比較的容易に入手することができ、また、これ
らの物質を用いた熱可逆性記録材料は、透明(消去)状
態を形成することができる温度範囲は従来の約3〜6倍
と拡大できる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついてそれぞれ説明する。なお、説明に用いる各図はこ
の発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎな
い。また、以下の実施例で述べる使用材料および数値的
条件はこの発明の範囲内の好適な一例にすぎず、したが
って、この発明がこれら使用材料および数値的条件にの
み限定されるものではない。
ついてそれぞれ説明する。なお、説明に用いる各図はこ
の発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎな
い。また、以下の実施例で述べる使用材料および数値的
条件はこの発明の範囲内の好適な一例にすぎず、したが
って、この発明がこれら使用材料および数値的条件にの
み限定されるものではない。
【0030】<実施例1>この実施例では、塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体として、ユニオンカーバイド社製の
VYHH(商品名)を、またフルオレンカルボン酸とし
て9−フルオレンカルボン酸、また飽和カルボン酸とし
てベヘン酸をそれぞれ用意する。そして、この実施例で
はVYHHを60重量部、9ーフルオレンカルボン酸を
5重量部、ベヘン酸を10重量部の割合で、500重量
部のテトラヒドロフラン(THF)中に加えて溶解さ
せ、この溶液を熱可逆性記録材料の塗布溶液とする。
酢酸ビニル共重合体として、ユニオンカーバイド社製の
VYHH(商品名)を、またフルオレンカルボン酸とし
て9−フルオレンカルボン酸、また飽和カルボン酸とし
てベヘン酸をそれぞれ用意する。そして、この実施例で
はVYHHを60重量部、9ーフルオレンカルボン酸を
5重量部、ベヘン酸を10重量部の割合で、500重量
部のテトラヒドロフラン(THF)中に加えて溶解さ
せ、この溶液を熱可逆性記録材料の塗布溶液とする。
【0031】次にこの実施例では図1に示すように、支
持体11として、この場合ポリエチレンテレフタラート
基板を用意する。そして、この支持体11上に上記塗布
溶液をバーコート法により所定の厚さに塗布する。次に
この試料を例えば所定の温度で所定時間熱処理して、熱
可逆性記録材料の層13を得る。ここでの熱処理は、主
に、塗布溶液調整に用いたTHFを除去できる条件とす
る。ここでは大気雰囲気において120℃の温度で所定
時間熱処理している。このように形成した熱可逆性記録
材料の層13は全面白濁しているものとなる。ここで塗
布方法としては、上述したバーコート法の他に、環境温
度や塗布溶液の状態(粘度等)によって、ロールコート
法、グラビアコート法、ブレードコート法、リップダイ
レクト法など他の好適な方法を用い得る。
持体11として、この場合ポリエチレンテレフタラート
基板を用意する。そして、この支持体11上に上記塗布
溶液をバーコート法により所定の厚さに塗布する。次に
この試料を例えば所定の温度で所定時間熱処理して、熱
可逆性記録材料の層13を得る。ここでの熱処理は、主
に、塗布溶液調整に用いたTHFを除去できる条件とす
る。ここでは大気雰囲気において120℃の温度で所定
時間熱処理している。このように形成した熱可逆性記録
材料の層13は全面白濁しているものとなる。ここで塗
布方法としては、上述したバーコート法の他に、環境温
度や塗布溶液の状態(粘度等)によって、ロールコート
法、グラビアコート法、ブレードコート法、リップダイ
レクト法など他の好適な方法を用い得る。
【0032】なお、支持体11と支持体11上に形成さ
れた熱可逆性記録材料の層13(熱可逆性記録層ともい
う。)とで構成される構造体は最も基本的な構成の熱可
逆性記録媒体15(第1の実施例の熱可逆性記録媒体)
と言える。この媒体15において熱可逆性記録層13へ
の熱印加は、熱可逆性記録層13側からこの層13を加
熱する方法の他、支持体11が熱伝導率のよいものの場
合であれば支持体11側から支持体11を介して層13
を加熱する方法をとることができる。また、熱印加は上
述したサーマルヘッドやヒートローラ、ヒートブロック
等を用いて熱可逆性記録層13へ接触して加熱する方法
はもちろん、レーザー等による非接触の加熱方法をとる
こともできる。なお、図1において、「光」という文字
を付した矢印は媒体への光の入射状態を示したもの、
「加熱」という文字を付した矢印は上述の方法による熱
の印加方向を示したものである。この図1の例は熱可逆
性記録層13の上方から媒体15を見て、媒体15から
の反射光の有無により画像を認識する例である。もちろ
ん、図1の構成において、光を支持体11から媒体15
に入射させるようにして透過光の有無で画像を認識する
ようにしてもよい。
れた熱可逆性記録材料の層13(熱可逆性記録層ともい
う。)とで構成される構造体は最も基本的な構成の熱可
逆性記録媒体15(第1の実施例の熱可逆性記録媒体)
と言える。この媒体15において熱可逆性記録層13へ
の熱印加は、熱可逆性記録層13側からこの層13を加
熱する方法の他、支持体11が熱伝導率のよいものの場
合であれば支持体11側から支持体11を介して層13
を加熱する方法をとることができる。また、熱印加は上
述したサーマルヘッドやヒートローラ、ヒートブロック
等を用いて熱可逆性記録層13へ接触して加熱する方法
はもちろん、レーザー等による非接触の加熱方法をとる
こともできる。なお、図1において、「光」という文字
を付した矢印は媒体への光の入射状態を示したもの、
「加熱」という文字を付した矢印は上述の方法による熱
の印加方向を示したものである。この図1の例は熱可逆
性記録層13の上方から媒体15を見て、媒体15から
の反射光の有無により画像を認識する例である。もちろ
ん、図1の構成において、光を支持体11から媒体15
に入射させるようにして透過光の有無で画像を認識する
ようにしてもよい。
【0033】次に、この熱可逆性記録材料の層13の熱
処理温度に対する透明度の変化の特性を調べる。図2は
熱可逆性記録材料の熱処理温度に対する透明度の変化を
説明するための特性曲線図である。図2において、横軸
に熱処理温度(T(℃))をとり、縦軸に光学反射濃度
(ODR )をとっている。ここでは、図2中に黒丸で示
されている各温度毎に、その温度に熱可逆性記録材料を
一旦加熱した後冷却して透明度をそれぞれ測定してい
る。また、ここでいう透明度は光学反射濃度(ODR )
を指し、次式で定義する。このODR の値が大きいほど
透明度が高い。
処理温度に対する透明度の変化の特性を調べる。図2は
熱可逆性記録材料の熱処理温度に対する透明度の変化を
説明するための特性曲線図である。図2において、横軸
に熱処理温度(T(℃))をとり、縦軸に光学反射濃度
(ODR )をとっている。ここでは、図2中に黒丸で示
されている各温度毎に、その温度に熱可逆性記録材料を
一旦加熱した後冷却して透明度をそれぞれ測定してい
る。また、ここでいう透明度は光学反射濃度(ODR )
を指し、次式で定義する。このODR の値が大きいほど
透明度が高い。
【0034】 ODR =log101/R R:反射率 また、この光学反射濃度(ODR )は、マクベス濃度計
と呼ばれる装置によって測定されたものを用いている。
よって図2中の熱履歴−透明度特性曲線は、温度T1〜
T2の温度範囲で加熱して室温(約20℃)に冷却した
場合に最大透明度を示し、T2以上に加熱した後室温に
冷却した場合、最小透明度(白濁状態)を示しているこ
とがわかる。すなわち、温度Tが20℃付近であると光
学反射濃度ODR は0.7付近であり、T=50℃では
ODR =0.75程度であるが、その後は急激に上昇
し、温度T1=70℃程度では、濃度ODR =1.7程
度と大きくなっている。さらに温度Tを高くすると濃度
ODR は徐々に低下して、温度T2=125℃程度では
濃度ODR =1.38程度にまで下がるが、T2よりも
さらに温度を下げると濃度ODR は急激に下がり、T=
140℃程度となると、濃度ODR =0.75程度にま
で低下してしまう。このように、この実施例の場合、T
1は70℃、T2は125℃であるため、透明状態を形
成することができる温度範囲は70〜125℃内の内の
いずれでもよく、その温度範囲は55℃もあり、非常に
透明温度幅が広いことがわかった。また、別の見方をす
れば、このようなT1からT2までの範囲内のいずれか
の温度に熱可逆性記録層13を加熱してやれば情報を消
去することができる。
と呼ばれる装置によって測定されたものを用いている。
よって図2中の熱履歴−透明度特性曲線は、温度T1〜
T2の温度範囲で加熱して室温(約20℃)に冷却した
場合に最大透明度を示し、T2以上に加熱した後室温に
冷却した場合、最小透明度(白濁状態)を示しているこ
とがわかる。すなわち、温度Tが20℃付近であると光
学反射濃度ODR は0.7付近であり、T=50℃では
ODR =0.75程度であるが、その後は急激に上昇
し、温度T1=70℃程度では、濃度ODR =1.7程
度と大きくなっている。さらに温度Tを高くすると濃度
ODR は徐々に低下して、温度T2=125℃程度では
濃度ODR =1.38程度にまで下がるが、T2よりも
さらに温度を下げると濃度ODR は急激に下がり、T=
140℃程度となると、濃度ODR =0.75程度にま
で低下してしまう。このように、この実施例の場合、T
1は70℃、T2は125℃であるため、透明状態を形
成することができる温度範囲は70〜125℃内の内の
いずれでもよく、その温度範囲は55℃もあり、非常に
透明温度幅が広いことがわかった。また、別の見方をす
れば、このようなT1からT2までの範囲内のいずれか
の温度に熱可逆性記録層13を加熱してやれば情報を消
去することができる。
【0035】また、この実施例1の熱可逆性記録層の透
明状態時と白濁状態時の各々での波長550nmの光の
透過率をそれぞれ求める。前者の状態での透過率は83
%以上であり、後者の状態での透過率は7%以下であっ
た。
明状態時と白濁状態時の各々での波長550nmの光の
透過率をそれぞれ求める。前者の状態での透過率は83
%以上であり、後者の状態での透過率は7%以下であっ
た。
【0036】また、実施例1の熱可逆性記録層につい
て、85℃の温度に加熱した後室温に冷却する条件で透
明化する処理と、その後、130℃の温度に再び加熱し
た後に冷却する条件で白濁化する処理を1サイクルとす
る記録・消去処理を100サイクル繰り返す。そして1
00サイクル終了後に上記透過率を再び測定して変化を
観察してみる。このときの透明および白濁状態時の透過
率は初期値(透明状態時83%以上、白濁状態時7%以
下)を保持することがわかった。
て、85℃の温度に加熱した後室温に冷却する条件で透
明化する処理と、その後、130℃の温度に再び加熱し
た後に冷却する条件で白濁化する処理を1サイクルとす
る記録・消去処理を100サイクル繰り返す。そして1
00サイクル終了後に上記透過率を再び測定して変化を
観察してみる。このときの透明および白濁状態時の透過
率は初期値(透明状態時83%以上、白濁状態時7%以
下)を保持することがわかった。
【0037】<実施例2〜実施例6>実施例1のフルオ
レンカルボン酸とベヘン酸のうち一方もしくは両方を下
記のようにそれぞれ変えたこと以外は実施例1と同様に
して実施例2〜実施例6の熱可逆性記録材料を調整す
る。
レンカルボン酸とベヘン酸のうち一方もしくは両方を下
記のようにそれぞれ変えたこと以外は実施例1と同様に
して実施例2〜実施例6の熱可逆性記録材料を調整す
る。
【0038】<実施例2>:フルオレンカルボン酸とし
て4−フルオレンカルボン酸を用いる。
て4−フルオレンカルボン酸を用いる。
【0039】<実施例3>:飽和カルボン酸としてリグ
ノセリン酸を用いる。
ノセリン酸を用いる。
【0040】<実施例4>:飽和カルボン酸の誘導体と
してn−テトラドデシルエーテルを用いる。
してn−テトラドデシルエーテルを用いる。
【0041】<実施例5>:飽和カルボン酸としてテト
ラデカン2酸を5重量部、およびステアリン酸を10重
量部を用いる。
ラデカン2酸を5重量部、およびステアリン酸を10重
量部を用いる。
【0042】<実施例6>:飽和カルボン酸としてエイ
コ酸2酸を5重量部、およびケトンとしてラウロン10
重量部を用いる。
コ酸2酸を5重量部、およびケトンとしてラウロン10
重量部を用いる。
【0043】実施例2〜実施例6の乾燥条件は実施例1
と同じとした。これらの熱可逆性記録材料における透明
温度幅はいずれも35〜60℃であり、非常に広いこと
がわかった。また、初期コントラストおよび100サイ
クル(透明化処理および白濁化処理)終了後のコントラ
ストはいずれも10以上であることがわかった。
と同じとした。これらの熱可逆性記録材料における透明
温度幅はいずれも35〜60℃であり、非常に広いこと
がわかった。また、初期コントラストおよび100サイ
クル(透明化処理および白濁化処理)終了後のコントラ
ストはいずれも10以上であることがわかった。
【0044】ここでいう、コントラストは白濁状態時の
透過率に対する透明状態時の透過率の割合のことを指
し、例えば白濁状態時の透過率が4%で、透明状態時の
透過率を80%とすると、そのコントラストは20とな
る。また、コントラストは、10以上であれば、熱可逆
性記録材料の特性としては好適である。
透過率に対する透明状態時の透過率の割合のことを指
し、例えば白濁状態時の透過率が4%で、透明状態時の
透過率を80%とすると、そのコントラストは20とな
る。また、コントラストは、10以上であれば、熱可逆
性記録材料の特性としては好適である。
【0045】<比較例1>また、この発明で用いたフル
オレンカルボン酸を使用せず、飽和カルボン酸としてベ
ヘン酸のみを用いたこと以外は実施例1とまったく同様
にして比較例1の塗布溶液を調整すること、この材料の
層を支持体の上に形成すること、この層の熱履歴に対す
る透明度変化特性を測定することをそれぞれ行う。
オレンカルボン酸を使用せず、飽和カルボン酸としてベ
ヘン酸のみを用いたこと以外は実施例1とまったく同様
にして比較例1の塗布溶液を調整すること、この材料の
層を支持体の上に形成すること、この層の熱履歴に対す
る透明度変化特性を測定することをそれぞれ行う。
【0046】この比較例1の熱可逆性記録材料の熱履歴
に対する透明度変化特性は、従来技術において説明した
ものと同様な特性、具体的には72℃にまで加熱して冷
却すると安定した透明状態を示し、これを77℃以上の
温度に再加熱すると白濁状態を示すという特性であっ
た。即ち、この比較例1の熱可逆性記録材料の場合、透
明状態を形成することができる温度は72〜77℃とい
うようにその温度範囲は5℃しかない。また、実用上で
必要なコントラストを得るためには76〜76.5℃の
0.5℃の温度領域内に制御しなければならない。
に対する透明度変化特性は、従来技術において説明した
ものと同様な特性、具体的には72℃にまで加熱して冷
却すると安定した透明状態を示し、これを77℃以上の
温度に再加熱すると白濁状態を示すという特性であっ
た。即ち、この比較例1の熱可逆性記録材料の場合、透
明状態を形成することができる温度は72〜77℃とい
うようにその温度範囲は5℃しかない。また、実用上で
必要なコントラストを得るためには76〜76.5℃の
0.5℃の温度領域内に制御しなければならない。
【0047】<比較例2>フルオレンカルボン酸の代わ
りにテトラデカン2酸を用いたこと以外は、実施例1と
まったく同様にして比較例2の塗布溶液を調整するこ
と、この材料の層を支持体上に形成すること、この層の
熱履歴に対する透明度変化特性を測定することをそれぞ
れ行う。
りにテトラデカン2酸を用いたこと以外は、実施例1と
まったく同様にして比較例2の塗布溶液を調整するこ
と、この材料の層を支持体上に形成すること、この層の
熱履歴に対する透明度変化特性を測定することをそれぞ
れ行う。
【0048】この比較例2の熱可逆性記録材料の熱履歴
に対する透明度変化特性は、78℃まで加熱して冷却す
るといった安定した透明状態を示し、これを100℃以
上の温度に再加熱すると白濁状態を示すという特性であ
った。即ち、この比較例2の熱可逆性記録材料の場合、
透明状態を形成することができる温度は78〜100℃
で、その温度範囲は22℃しかない。
に対する透明度変化特性は、78℃まで加熱して冷却す
るといった安定した透明状態を示し、これを100℃以
上の温度に再加熱すると白濁状態を示すという特性であ
った。即ち、この比較例2の熱可逆性記録材料の場合、
透明状態を形成することができる温度は78〜100℃
で、その温度範囲は22℃しかない。
【0049】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、この
発明の熱可逆性記録材料のほうが、比較例のものと比べ
て透明(消去)状態を形成できる温度幅が35〜60℃
程度と非常に広くとることができる。このような特性を
もつ熱可逆性記録媒体は透明状態を形成する温度範囲
を、従来最大であった11℃と比較してみても、その3
〜6倍にまで飛躍的に拡大することができたため、消去
装置にヒートブロックを用いた場合、温度制御は厳密で
ある必要はない。また、オーバーライト方法にも十分対
応できる。オーバーライト方法を用いることができれ
ば、記録・消去デバイスはサーマルヘッドのみですむた
め、記録消去装置の小型軽量化が実現できる。
発明の熱可逆性記録材料のほうが、比較例のものと比べ
て透明(消去)状態を形成できる温度幅が35〜60℃
程度と非常に広くとることができる。このような特性を
もつ熱可逆性記録媒体は透明状態を形成する温度範囲
を、従来最大であった11℃と比較してみても、その3
〜6倍にまで飛躍的に拡大することができたため、消去
装置にヒートブロックを用いた場合、温度制御は厳密で
ある必要はない。また、オーバーライト方法にも十分対
応できる。オーバーライト方法を用いることができれ
ば、記録・消去デバイスはサーマルヘッドのみですむた
め、記録消去装置の小型軽量化が実現できる。
【図1】この発明の熱可逆性記録媒体の説明に供する概
略的な断面図である。
略的な断面図である。
【図2】この発明の熱可逆性記録材料の熱履歴−透明度
特性図である。
特性図である。
11:支持体 13:熱可逆性記録材料の層(熱可逆性記録層) 15:熱可逆性記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西岡 洋一 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−209256(JP,A) 特開 平4−221678(JP,A) 特開 平5−169810(JP,A) 特開 平6−48025(JP,A) 特開 平6−171227(JP,A) 特開 平7−81241(JP,A) 特開 平7−266713(JP,A) 特開 平7−52537(JP,A) 特開 平8−80681(JP,A) 特開 平8−230333(JP,A) 特開 平8−300833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36
Claims (7)
- 【請求項1】 マトリクス材および有機低分子物質を含
み、熱履歴により透明度が変化する熱可逆性記録材料に
おいて、 前記マトリクス材として塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
を含有し、 前記有機低分子物質は、少なくとも2つ以上の有機低分
子の混合物とし、該混合物のうちの1つの有機低分子は
フルオレンカルボン酸であることを特徴とする熱可逆性
記録材料。 - 【請求項2】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
いて、 前記混合物を9−フルオレンカルボン酸とベヘン酸とを
混合させてなる物質とすることを特徴とする熱可逆性記
録材料。 - 【請求項3】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
いて、 前記混合物を4−フルオレンカルボン酸とベヘン酸とを
混合させてなる物質とすることを特徴とする熱可逆性記
録材料。 - 【請求項4】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
いて、 前記混合物を9−フルオレンカルボン酸とリグノセリン
酸とを混合させてなる物質とすることを特徴とする熱可
逆性記録材料。 - 【請求項5】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
いて、 前記混合物を9−フルオレンカルボン酸とn−テトラド
デシルエーテルとを混合させてなる物質とすることを特
徴とする熱可逆性記録材料。 - 【請求項6】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
いて、 前記混合物を9−フルオレンカルボン酸と、n−テトラ
デカン2酸と、ステアリン酸とを混合させてなる物質と
することを特徴とする熱可逆性記録材料。 - 【請求項7】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
いて、 前記混合物を9−フルオレンカルボン酸と、エイコ酸2
酸と、ラウロンとを混合させてなる物質とすることを特
徴とする熱可逆性記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25674096A JP3270342B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 熱可逆性記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25674096A JP3270342B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 熱可逆性記録材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10100546A JPH10100546A (ja) | 1998-04-21 |
JP3270342B2 true JP3270342B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=17296791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25674096A Expired - Fee Related JP3270342B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 熱可逆性記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3270342B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP25674096A patent/JP3270342B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10100546A (ja) | 1998-04-21 |
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---|---|---|---|
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