JPH08127182A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

Info

Publication number
JPH08127182A
JPH08127182A JP6292414A JP29241494A JPH08127182A JP H08127182 A JPH08127182 A JP H08127182A JP 6292414 A JP6292414 A JP 6292414A JP 29241494 A JP29241494 A JP 29241494A JP H08127182 A JPH08127182 A JP H08127182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
acid
resin
reversible thermosensitive
thermosensitive recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6292414A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Hieda
嘉弘 稗田
Seiji Kondo
誠司 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP6292414A priority Critical patent/JPH08127182A/ja
Publication of JPH08127182A publication Critical patent/JPH08127182A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の可逆性感熱記録媒体は樹脂母材及び
有機低分子物質からなり加熱により繰り返し記録、消去
を行なうことのできるものであって、有機低分子物質と
して少なくとも下記(A)〜(C)の3成分を含有する。 (A)融点が50℃以上の、ケトン化合物および飽和ま
たは不飽和高級脂肪酸の少なくとも1種 (B)融点が100℃以上の飽和脂肪酸ビスアミド、不
飽和脂肪酸ビスアミドおよび芳香族ビスアミドの少なく
とも1種 (C)脂肪族飽和ジカルボン酸の少なくとも1種 【効果】 本発明の可逆性感熱記録媒体は、実質的な透
明温度領域が拡大し、ホットスタンプ等による消去を容
易とすることができ、かつ55℃の耐熱保存性による印
字濃度の低下も抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドなどの
加熱手段により可逆的に画像の形成、消去を繰り返し行
ない得る可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サーマルヘッドの普及に伴ない、
感熱記録媒体の需要は急激に拡大している。特に、通
信、運輸、流通等の分野において急速に普及しつつある
プリペイドカードにおいては、磁気情報を可視情報とし
てカード上に表示されることが多い。このような磁気カ
ードは、ハイウエーカード、百貨店、スーパー等のプリ
ペイドカード、JRオレンジカード等として広く用いら
れている。
【0003】しかしながら、このような記録媒体は可視
情報を表示し得る面積が限られており、例えば高額なプ
リペイドカードの場合、利用のつどその残高を追記して
いくと情報が表示しきれなくなることがある。このよう
な場合は新しいカードを再発行するなどして対応してお
りコスト高になるなどの問題があった。
【0004】このような問題を解決するために、同一エ
リアに繰返し記録、消去を行なうことができる可逆性記
録媒体について研究されている。例えば、このようなこ
の材料を用いた磁気カードでは、古い不要な情報を消去
して新しい必要な情報のみを表示することができるので
表示しきれなくなって新しいカードを再発行する必要は
ない。また、このような記録媒体を例えばファックス用
紙に用いると、資源の節約が可能となり環境問題の解決
にも寄与する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、このように情報
を可逆的に記録、消去することのできる感熱記録媒体と
しては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂母材中に高級
アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散させ
た感熱層を有するものが提案されている(特開昭54−
119377号、55−154198号および特開平2
−1363号等)。
【0006】このような可逆性感熱記録媒体の画像の形
成および消去の原理は、異なる温度に記録媒体を昇温
し、常温に戻した時の感熱層の透明度の変化にある。す
なわち、このような記録媒体は所定の温度まで上昇させ
常温に戻した時は透明状態を示し、また別の温度まで上
昇させ常温に戻した時は白濁状態を示す。かかる感熱記
録層への記録方法としては、サーマルヘッドが好まし
く、また記録−消去装置の汎用性を考慮した場合には、
消去方法としても熱ロール、ホットスタンプを使用する
のが望ましい。
【0007】しかしながら、これら感熱記録媒体はいず
れも透明温度幅が数度と狭く実用上消去が困難である。
また特開平2−1363号、特開平3−2089号公報
などに記載の感熱記録媒体は、高級脂肪酸と脂肪族ジカ
ルボン酸の2成分を必須とし両者の共融化により透明化
温度を拡大して消去温度幅の問題を解決するものであ
る。しかしながら、その特性は透明化温度が100℃以
下であり、かつ幅がせいぜい数℃〜20℃程度である。
例えばベヘン酸/エイコサン二酸(重量比3/1)の系で
は、透明化温度は72〜82℃との10℃程度とせま
く、消去は困難である。また、この記録媒体では使用環
境温度に対する耐熱保存性が不十分であり、特に55℃
×48hでの印字濃度が低下する。
【0008】一方、特開平5−294062号に開示の
記録媒体では、融点50〜100℃の長鎖アルキル基を
含む化合物の少なくとも1種と融点110℃以上の飽和
脂肪族ビスアミドの少なくとも1種を98:2〜80:
20の割合で配合し透明化温度を33℃程度に拡大して
いる。しかしながら、このような記録媒体、例えばジス
テアリルケトン/エチレンビスベヘン酸アミドでは、初
期の静的透明化温度幅が28℃(72.5〜100.5℃)
と拡大してはいるが、温度90℃にてサーマルヘッドに
よる印字とスタンプによる消去を繰り返す耐久性試験
(100回)を行うと、ヘッド印字部以外のスタンプ消去
した地肌濃度が低下、すなわち印字部の消去後の消去濃
度と地肌濃度の濃度差が大きくなり、消去状態での濃度
差が大きく印字部の透明抜けが顕著になる。
【0009】さらに前記の有機低分子物質2成分を配合
した記録媒体では、図5に示すようにサーマルヘッド1
により印字され、ホットスタンプ2によって消去された
後に搬送ローラー3に接触するため、消去透明化処理さ
れた記録媒体が急冷され、ローラー接触部分のみが白濁
する問題もある。
【0010】また、特開平4−358878号に記載の
炭素数15以上の高級ケトンと炭素数12以上の脂肪族
飽和ジカルボン酸を98:2〜30:70の範囲にて併
用たとえば、ステアロン/エイコサン二酸(重量比3/
1)の感熱記録媒体では、透明化温度幅は見掛け上、7
5〜95℃であるが、その形状は高温右下がりとなり、
実用的には75〜85℃でしか均一な透明状態が得られ
ず、均一なスタンプ消去が困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、所定の3種類の
有機低分子物質を必須成分として配合することにより可
逆性感熱記録媒体の透明温度領域の形状を台形に近づけ
ることができるとの知見をえて本発明を完成した。この
ような感熱記録媒体により、実質的な透明温度領域を高
温側に拡大、すなわちサーマルヘッド印字/スタンプ消
去方式による100回以上の繰り返し操作における、ス
タンプ消去温度領域(実質の消去温度領域)を拡大するこ
とができ、さらに55℃の耐熱保存による印字濃度の低
下も抑制することができる。
【0012】すなわち本発明は、樹脂母材及び有機低分
子物質からなり加熱により繰り返し記録、消去を行なう
ことのできる可逆性感熱記録媒体であって、前記有機低
分子物質が少なくとも下記(A)〜(C)の3成分を含有し
てなる可逆性感熱記録媒体。 (A)融点が50℃以上の、ケトン化合物および飽和ま
たは不飽和高級脂肪酸の少なくとも1種 (B)融点が100℃以上の飽和脂肪酸ビスアミド、不
飽和脂肪酸ビスアミドおよび芳香族ビスアミドの少なく
とも1種 (C)脂肪族飽和ジカルボン酸の少なくとも1種 次に本発明の可逆性感熱記録媒体についてさらに詳しく
説明する。
【0013】樹脂母材 樹脂母材は、有機低分子物質を均一に分散保持した層を
形成するものであり、透明時の記録層の透明度に大きく
影響する。このため樹脂母材は透明性が高く、機械的に
安定で、かつ成膜性に優れた樹脂が好ましい。また、架
橋剤による熱架橋が可能な樹脂が好ましい。このような
樹脂のうち、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロ
キシプロピルアクリレート共重合体等の塩化ビニル−酢
酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート系樹脂、あ
るいは塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体など、少なくともヒドロキシル基またはカルボキシル
基等の架橋剤と反応する極性基を有する塩化ビニル系共
重合体等が好ましい。
【0014】またエポキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂等の熱硬化性樹脂などであってもよい。これらの樹脂
母材は単独で、或いは2種以上を併用してもよい。
【0015】これら樹脂母材は架橋することにより、記
録媒体のリサイクル性が向上する。このような架橋の方
法としては、記録特性などを阻害しないような熱架橋を
行うのが好ましい。ここで用いられる架橋剤としては、
例えばアミノ樹脂として、ヘキサメトキシメチルメラミ
ンのようなメラミン樹脂、ベンゾグアナミン、尿素樹
脂、フェノール樹脂として、トリメチロールフェノール
など、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加
物(コロネートL)、ヘキサメチレンジイソシアネートの
トリメチロールプロパン付加物(コロネートHL)などの
イソシアネート化合物、ポリメチレンジアミン、ジアミ
ノフェニルメタン、ジアミノフェニルスルフォン、o−
トルイジン、ベンジルジメチルアミンのようなアミン
類、トリグリシジルイソシアネート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレートのようなエポキシ化合物等があげら
れる。
【0016】その他、酸無水物、メチルアクリルアシド
グリコレートメチルエーテル等を用いてもよい。特に、
ヒドロキシル基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル系共重
合体にはイソシアネート化合物系の架橋剤が好ましい。
なお、これら架橋剤は単独であるいは反応促進のため
に、ジブチル錫ジラウレート等の金属触媒を併用しても
よい。
【0017】樹脂母材に対する架橋剤の配合量は、0.
5〜50.0重量%、好ましくは1.0〜40.0重量%
である。架橋剤が0.5重量%より少ないと架橋が充分
でなく特にサーマルヘッドからの熱と剪断力に対する抑
制力がなくなり、白濁印字濃度が低下し、長期使用によ
る劣化の防止が充分でない。また、架橋剤が50重量%
より多いと架橋剤が可塑剤的な作用を示し、リサイクル
性が低下したり、透明温度領域が狭くなり好ましくな
い。
【0018】有機低分子物質:成分(A) 本発明で用いられる有機低分子物質は少なくとも三成分
から構成され、その第一成分としては、融点50℃以上
のケトン化合物、及び融点が50℃以上の高級脂肪酸の
少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0019】融点50℃以下の第一成分(A)を用いた
場合は常温で不安定であり、保存により記録或は消去に
必要なエネルギーが変化したり、環境温度(−5℃〜4
0℃)にて特に印字濃度の変化が発生する。従って、一
定の設定エネルギー(熱)で消去を行うことが不可能とな
り好ましくない。かかるケトンとして代表的なものを以
下に例示する。
【0020】 1)ジアルキルケトン 一般式 CH3(CH2)n-1CO(CH2)n-1CH3 n≧8 2)メチルアルキルケトン 一般式 CH3CO(CH2)n-3CH3 n≧17 3)フェニルアルキルケトン 一般式 C65CO(CH2)n-1CH3 n≧10
【化1】 5)対称α−ジケトン 一般式 RCOCOR R=Cn2n+1 n≧7 6)アシロイン 一般式 RCH(OH)COR R=Cn2n+1 n≧9
【化2】
【0021】また、高級脂肪酸の具体例としては、ミリ
スチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン
酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘン
エイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコサ
ン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、トリ
アコンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、2−ヘプタ
デセン酸、トランス−6−オクタデセン酸、トランス−
ゴンドイン酸、ブラシン酸、トランス−8,トランス−
10−オクタデカジエン酸等の飽和、不飽和の高級モノ
脂肪酸などが挙げられる。
【0022】有機低分子物質:成分(B) 次に有機低分子物質の第二成分(B)として融点が100
℃以上の飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミ
ドおよび芳香族ビスアミドとしては、つぎの化合物が例
示される。
【0023】飽和脂肪酸ビスアミドとしては、メチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミ
ド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミ
ド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等があ
げられる。
【0024】不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、エチレ
ンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン
酸アミド等があげられる。
【0025】芳香族ビスアミドとしては、m−キシレン
ビスステアリン酸アミド等があげられる。
【0026】これらビスアミドは単独で、また2種以上
を混合して用いてもよい。なお、第二成分(B)が融点
が100℃未満のビスアミドであると、実質的な透明温
度領域が狭く、スタンプやサーマルヘッドなどの動的手
段により消去することが困難となる。
【0027】有機低分子物質:成分(C) 次に有機低分子物質の第三成分(C)である脂肪族飽和
ジカルボン酸としては、一般式 HOOC−(CH2)n-2COOHで
示される下記の物質をあげることができる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ n 物 質 名 n 物 質 名 ───────────────────────────────── 2 シュウ酸 15 ペンタデカン二酸 3 マロン酸 16 ヘキサデカン二酸 4 コハク酸 17 ヘプタデカン二酸 5 グルタル酸 18 オクタデカン二酸 6 アジピン酸 19 ノナデカン二酸 7 ピメリン酸 20 エイコサン二酸 8 スベリン酸 21 ヘンエイコリン二酸 9 アゼライン酸 22 ドコサン二酸 10 セバシン酸 23 トリコサン二酸 11 ウンデカン二酸 24 テトラコサン二酸 12 ドデカン二酸 26 ヘキサコサン二酸 13 トリドデカン二酸 30 ノナコサン二酸 14 テトラデカン二酸 34 ドトリアコンタン二酸 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 有機低分子物質の第一成分(A)、第二成分(B)、第
三成分(C)とマトリックスポリマーの配合割合は、
0.10≦(A+B+C)/マトリックス≦0.80であ
り、好ましくは、0.15〜0.70である。前記(A+
B+C)の配合量が0.1未満であると、コントラスト
が低くなり、一方0.8を越えると成膜性が低下し、ま
た感熱層表面への有機低分子のブリードが多すぎて、保
護層が均一塗工できず、共に好ましくない。
【0028】さらに各成分間の混合比率に関しては、A
成分に対するB、C成分の合計量のはA:(B+C)が
98:2〜30:70であるのが好ましく、B成分とC
成分との比率は90:10〜5:95とするのがよい。
【0029】B成分の割合が少なすぎると、透明化温度
領域の拡大効果がなく、さらに55℃の耐熱保存による
印字濃度の低下抑制の効果もない。また多すぎると白濁
が不均一となり、コントラストが低下する。一方、C成
分の量が少ないと、サーマルヘッド印字/スタンプ消去
の繰り返し操作にて、地肌濃度の低下が発生し、搬送ロ
ーラーの急冷痕も発生する。また、多すぎると透明温度
幅が狭くなる。
【0030】感熱記録層の調製 感熱記録層を形成するには、通常、樹脂母材及び有機低
分子物質の二成分を溶解した溶液を調製するか、或いは
有機低分子物質のうち少なくとも1種を溶解しない溶液
を用いて樹脂母材の溶液を調製し、これに有機低分子物
質を微粒子状に分散して調製し、これらを基材上に塗布
し乾燥して感熱記録層を形成する。
【0031】感熱記録層の形成に用いられる溶剤は、母
材及び有機低分子物質の種類に応じて種々選択してよい
が、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、
エタノール、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサノン等
を挙げることができる。
【0032】感熱記録層の膜厚は1〜20μmが一般的
であり、これより厚くなると感熱度が低下し厚み方向に
温度勾配が生じて好ましくない。また、これより薄いと
コントラストが低下して好ましくない。特に2msec以下
の高速のエネルギー印加手段を用いる時は感熱記録層の
厚みは10μm以下であることが好ましい。
【0033】本発明の記録媒体には、更に必要に応じ
て、軟化点が40℃以上の熱溶融性樹脂として天然系樹
脂、変性ロジン、オレフィンおよびジオレフィン重合体
などの脂肪族系炭化水素樹脂等や、滑剤、静電防止剤、
可塑剤、分散剤、安定剤、界面活性剤、無機あるいは有
機の充填剤などを配合してもよい。
【0034】感熱記録層の上には更に該層保護のために
必要に応じて、直接或いは下引き層を介してオーバーコ
ート層を設けてもよい。オーバーコート層としては、U
V硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、EB硬化型樹脂が用いら
れる。またアクリル系、シリコーン系、フッ素系、エポ
キシ系などの有機物質を用いてもよく、またSiO2、S
iO、MgO、ZnO、TiO2、AI23、AIN、Ta25
などの無機物質を用いてもよい。
【0035】オーバーコート層の形成には、従来公知の
塗工法や真空薄膜形成法(真空蒸着法など)が用いら
れ、厚みは0.1〜10.0μm、好ましくは0.5〜8.
0μmである。厚みがこれより少ないとオーバーコート
による効果が薄く、またこれより厚いと記録に必要なエ
ネルギー量が大きくなり共に好ましくない。
【0036】
【作用】本発明の感熱記録媒体は、有機低分子物質とし
て必須の3成分を含有して、透明消去温度幅が高温側に
拡大すると共に、透明化温度特性の形状が台形に近いた
め、サーマルヘッド印字とホットスタンプ消去からなる
繰り返しの記録−消去操作を行なう時の実質消去温度
(動的)が拡大し、汎用装置を用いることが可能となっ
た。さらに、耐熱保存(55℃)テストをした場合の印
字濃度の低下も防止することができる。
【0037】なお、有機低分子物質として成分(A)と
成分(B)だけを配合した場合は耐熱保存テストによる
印字濃度の低下は小さくなるが、実質上の消去温度領域
は狭く、特にスタンプ等の消去後の搬送ローラー接触部
の白濁化ならびに繰り返し操作100回による地肌濃度
の低下がある。一方、成分(A)と成分(C)だけの場
合は、透明温度領域がせいぜい数℃〜20℃でかつ10
0℃以下であり、実質上の消去温度領域が狭く、また5
5℃耐熱保存による印字濃度が低下する。また、感熱記
録媒体に対してサーマルヘッドによる印字とホットスタ
ンプ消去を繰り返すと、サーマルヘッドの熱と剪断力に
よって次第に白濁度が低下してコントラストが得られな
くなり、ついには判読可能となることもあるが、樹脂母
材を熱架橋すると白濁低下を抑制することができる。
【0038】
【実施例】次に、本発明の可逆性感熱記録媒体の実施例
を挙げて更に具体的に説明する。なお、以下に部と示す
のは重量部を意味する。
【0039】[実施例1] 組 成 重量部 ステアロン([CH3(CH2162CO) 30.0部 (mp:86.0℃) ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド 5.0部 (C1735CONH)2(CH2)6 (mp:146.0℃) セバシン酸(mp:134.5℃) 5.0部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 (日信化学(株)製、TA2) 133.3部 ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 (日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートHL、5.0重量%) 8.9部 テトラヒドロフラン 693.2部 該溶液をワイヤーバーで金属反射基材(ポリエチレンテ
レフタレートフィルム188μm上に真空蒸着法により
0.1μm厚のアルミニウム層を形成)上に塗布し、加
熱乾燥して10μm厚の可逆性感熱記録層を設けた。更
に感熱層上に保護層として紫外線硬化型樹脂層(厚さ
2.0μm)を形成した。
【0040】[実施例2]セバシン酸の代わりにエイコ
サン二酸(mp:131.1℃)を用いたこと以外は実
施例1と同様にして可逆性感熱記録層を設けた。
【0041】[実施例3]セバシン酸の代わりにドデカ
ン二酸(mp:128.0℃)を用いたこと以外は実施
例1と同様にして可逆性感熱記録層を設けた。
【0042】[実施例4]ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミドの代わりにヘキサメチレンビスベヘン酸アミ
ド(mp:143.0℃)を用いたこと以外は実施例1
と同様にして可逆性感熱記録層を設けた。
【0043】[実施例5]ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミドの代わりにヘキサメチレンビスヒドロキシス
テアリン酸アミド(mp:138.0℃)を用いたこと
以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録層を設け
た。
【0044】[実施例6]ステアリンの代わりにベヘン
酸(mp:80.0℃)を用いたこと以外は実施例1と
同様にして可逆性感熱記録層を設けた。
【0045】[実施例7]ステアロンの代わりにベヘン
酸(mp:80.0℃)を用い、セバシン酸の代わりに
エイコサン二酸(mp:131.1℃)を用いたこと以
外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録層を設けた。
【0046】[比較例1]ステアロンとエイコサン二酸
を用い、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドを除い
たこと以外は実施例2と同様にして可逆性感熱記録層を
設けた。
【0047】[比較例2]ステアロンとヘキサメチレン
ビスステアリン酸アミドを用い、エイコサン二酸を除い
た系にて、ステアロンとヘキサメチレンビスステアリン
酸アミドの配合比を24/1にしたこと以外は実施例2
と同様にして可逆性感熱記録層を設けた。
【0048】[比較例3]ベヘン酸とエイコサン二酸を
用い、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドを除いた
こと以外は実施例7と同様にして可逆性感熱記録層を設
けた。
【0049】[比較例4]ベヘン酸とヘキサメチレンビ
スステアリン酸アミドを用い、エイコサン二酸を除いた
こと以外は実施例7と同様にして可逆性感熱記録層を設
けた。
【0050】[試験]実施例、比較例にて得られた可逆
性感熱記録媒体の光学特性をつぎの方法により評価し
た。
【0051】試料として金属反射基材上に可逆性感熱記
録層を10μm厚に形成したものを用い、加熱により白
濁状態としてこれを初期状態とした。ついで、感熱紙静
特性発色装置(大倉電気(株)製)を用いて接触時間0.
1secにて加熱し、常温に戻した時の光学反射濃度をマ
クベス反射濃度計(モデルRD−914)により測定し
て静的透明温度領域を得た。なお、最高光学反射濃度
(ODmax)の90%を示す温度を透明温度領域とし
た。結果を表1および図1、図2に示す。
【0052】つぎにライン型サーマルヘッド(8dot/m
m)印字とスタンプ消去(90℃×1sec)の繰り返し操
作を100回行い、印字濃度、消去濃度、地肌濃度およ
び記録媒体の外観(搬送ローラー痕等)を評価した。結
果を表2に示す。印字条件は、各記録媒体の白濁濃度が
飽和する、飽和印字エネルギー(0.20〜0.40 mJ/
dot)にて行った。なお、消去性として、地肌濃度と消
去濃度の差を求め、その差が±0.05の範囲である温
度を実質上の透明温度領域とした。
【0053】また耐熱保存性は、各組成の飽和印字エネ
ルギーにて印字後、55℃の恒温器に放置し48時間後
の印字濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体は、実質的
な透明温度領域が拡大し、ホットスタンプ等による消去
を容易とすることができ、かつ55℃の耐熱保存性によ
る印字濃度の低下も抑制することができる。また樹脂母
材を架橋することにより印字−消去の繰り返しによる白
濁、コントラストの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例により得られた感熱記録媒体の温度と光
学反射濃度の関係を示すグラフである。
【図2】比較例により得られた感熱記録媒体の温度と光
学反射濃度の関係を示すグラフである。
【図3】実施例2の感熱記録媒体を耐久性評価したとき
の印字−消去の繰り返し回数と光学反射濃度の関係を示
すグラフである。
【図4】比較例2の感熱記録媒体を耐久性評価したとき
の印字−消去の繰り返し回数と光学反射濃度の関係を示
すグラフである。
【図5】可逆性感熱記録媒体を印字−消去する様子を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 2 ホットスタンプ 3 搬送ローラー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂母材及び有機低分子物質からなり加
    熱により繰り返し記録、消去を行なうことのできる可逆
    性感熱記録媒体であって、前記有機低分子物質が少なく
    とも下記(A)〜(C)の3成分を含有してなる可逆性感熱
    記録媒体。 (A)融点が50℃以上の、ケトン化合物および飽和ま
    たは不飽和高級脂肪酸の少なくとも1種 (B)融点が100℃以上の飽和脂肪酸ビスアミド、不
    飽和脂肪酸ビスアミドおよび芳香族ビスアミドの少なく
    とも1種 (C)脂肪族飽和ジカルボン酸の少なくとも1種
  2. 【請求項2】 樹脂母材が熱架橋されている請求項1の
    可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 架橋剤がアミノ樹脂、フェノール樹脂、
    イソシアネート化合物、アミン化合物類およびエポキシ
    化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求
    項2の可逆性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 樹脂母材の主成分が、塩化ビニル−酢酸
    ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸
    ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体、塩
    化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポ
    キシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル−共重合体、フェノキ
    シ樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂から選ばれた
    少なくとも1種の樹脂である請求項3の可逆性感熱記録
    媒体。
JP6292414A 1994-10-31 1994-10-31 可逆性感熱記録媒体 Withdrawn JPH08127182A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6292414A JPH08127182A (ja) 1994-10-31 1994-10-31 可逆性感熱記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6292414A JPH08127182A (ja) 1994-10-31 1994-10-31 可逆性感熱記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08127182A true JPH08127182A (ja) 1996-05-21

Family

ID=17781483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6292414A Withdrawn JPH08127182A (ja) 1994-10-31 1994-10-31 可逆性感熱記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08127182A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003101752A1 (fr) * 2002-06-03 2003-12-11 Ricoh Company, Ltd. Support, etiquette et element d'enregistrement tehrmoreversible, unite et procede de traitement d'image

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003101752A1 (fr) * 2002-06-03 2003-12-11 Ricoh Company, Ltd. Support, etiquette et element d'enregistrement tehrmoreversible, unite et procede de traitement d'image
US7049268B2 (en) 2002-06-03 2006-05-23 Ricoh Company, Ltd. Heat reversible recording medium, heat reversible recording label, heat reversible recording member, image processor and image processing method
KR100730974B1 (ko) * 2002-06-03 2007-06-22 가부시키가이샤 리코 열가역 기록 매체, 열가역 기록 라벨, 열가역 기록 부재,화상 처리 장치 및 화상 처리 방법
CN100377182C (zh) * 2002-06-03 2008-03-26 株式会社理光 热可逆记录介质、热可逆记录标签、热可逆记录构件、图像处理装置及图像处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5573996A (en) Reversible heat-sensitive recording medium and magnetic card using the same
EP0543264B1 (en) Rewritable thermosensitive recording medium
JPH08127182A (ja) 可逆性感熱記録媒体
EP0529291A1 (en) Reversible heat-sensitive recording material and magnetic card using the same
EP0467379B1 (en) Reversible heat-sensitive recording material, method of recording and erasion, and magnetic card using the recording material
JPH06262849A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07290840A (ja) 可逆性感熱記録材料
US5604175A (en) Reversible heat-sensitive recording medium
JPH06115244A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH08276668A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3686533B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH08276667A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3270342B2 (ja) 熱可逆性記録材料
JP3278008B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH07101161A (ja) 可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録シート
JP3199915B2 (ja) 可逆性感熱記録表示媒体
JP3559079B2 (ja) 可逆性感熱記録材料および可逆性感熱記録方法
JP2707920B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP3089734B2 (ja) 可逆性感熱記録材料および磁気カード
JP3460871B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH06191152A (ja) 可逆性感熱記録材料
EP0609151A1 (en) Erasing method for image recorded on reversible heat-sensitive recording medium
JPH05262033A (ja) 記録シート
JPH05169843A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3410842B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115