JPH07290840A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JPH07290840A
JPH07290840A JP6113645A JP11364594A JPH07290840A JP H07290840 A JPH07290840 A JP H07290840A JP 6113645 A JP6113645 A JP 6113645A JP 11364594 A JP11364594 A JP 11364594A JP H07290840 A JPH07290840 A JP H07290840A
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JP
Japan
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acid
thermosensitive recording
reversible thermosensitive
recording material
resin
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JP6113645A
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Yoshihiro Hieda
嘉弘 稗田
Yasushi Inoue
泰史 井上
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の可逆性感熱記録材料は、架橋された
樹脂母材および有機低分子物質を含み、加熱により繰返
し記録、消去を行うことのできる可逆性感熱記録媒体で
あって、前記樹脂母材が特定の架橋密度を有する。 【効果】 本発明の可逆性感熱記録材料は、印字−消去
の繰返しによる白濁度の低下がなく記録の可逆性が大幅
に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドなどの
加熱手段により可逆的に画像の形成、消去を繰り返し行
うことのできる可逆性感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】近年、サーマルヘッドの普及
にともない、感熱記録材料の需要は急激に拡大してい
る。特に通信、運輸、流通等の分野において急速に普及
しつつあるプリペイドカードにおいては、磁気情報を可
視情報としてカード上に表示されることが多い。このよ
うな磁気カードは、ハイウエーカード、百貨店、スーパ
ー等のプリペイドカード、JRオレンジカードなどとし
て広く用いられている。
【0003】しかしながら、このような記録材料におい
て、可視情報が表示できる面積は限られており、例えば
高額なプリペイドカードの場合、その残高を追記してい
くと情報が表示し切れなくなることがある。このような
場合は、従来、新しいカードを再発行するなどして対応
しておりコスト高となるなどの問題があった。
【0004】このような問題を解決するために、同一エ
リアに繰り返し記録、消去を行うことができる可逆性記
録材料について検討がなされている。このような材料を
用いると、古い不要な情報を消去して新しい情報を表示
することができるので、表示しきれなくなって新しいカ
ードを再発行する必要はない。また、このような記録材
料を例えばファクシミリ用紙として用いることにより資
源の節約が可能となり環境問題に対する解決の一助とな
る。
【0005】従来、このような情報を可逆的に記録、消
去することのできる感熱記録材料としては、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、ポリアミド等の樹脂母材中に高級アルコール、高級
脂肪酸等の有機低分子物質を分散させた感熱層を有する
ものが提案されている(特開昭54−119377号、5
5−154198号および特開平2−1363号等)。
【0006】かかる可逆性感熱記録材料の画像の形成お
よび消去の原理は、異なる温度まで昇温し常温に戻した
時の感熱層の透明度の変化にある。すなわち、このよう
な記録材料はある温度まで上昇させ常温に戻した時は透
明状態を示し、また別の温度まで上昇させ常温に戻した
時は白濁状態を示す。
【0007】このような感熱記録層への記録方法として
はサーマルヘッドが好ましく、また消去方法としては熱
ロール、ホットスタンプ、サーマルヘッドなどが好まし
い。
【0008】しかしながら、記録−消去装置の共通性を
確保するめたには、消去にあたってもサーマルヘッドを
使用することが望ましい。この場合、例えば特開昭55
−154198号公報などに記載の従来の記録材料で
は、消去が可能な適正エネルギー範囲が極端に狭く消去
は事実上不可能である。
【0009】このような問題を解決するため、種々の添
加剤を加えて消去の可能なエネルギー範囲を拡大する試
みもあり(特開昭63−39378号、63−10487
9号、63−178079、特開平3−2089号およ
び特開平4−78573号等)可逆性感熱記録材料の実
用性向上に寄与している。
【0010】しかしながら、このような記録材料におい
ても、サーマルヘッドによる印字、および消去操作を繰
返すと次第に白濁度が低下し、遂にはもはや判読可能な
コントラストが得られなくなる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の記
録媒体について種々研究を重ねた結果、可逆性感熱記録
媒体に架橋された樹脂を用いることにより劣化が生じに
くくなり、さらに樹脂母材の架橋度合い、すなわち、架
橋密度の違いと、高温(140℃)における貯蔵弾性率を
制御することにより記録(白濁)濃度の低下抑制をはか
ることができるとの知見を得て、本発明を完成するに至
った。
【0012】すなわち、本発明は架橋された樹脂母材お
よび有機低分子物質を含み、加熱により繰返し記録、消
去を行うことのできる可逆性感熱記録媒体であって、前
記樹脂母材の架橋密度が所定値を有する可逆性感熱記録
媒体を提供するものである。従来のこの種の可逆性感熱
記録材料が繰り返し使用により劣化するメカニズムには
サーマルヘッドにより熱および剪断力が同時に加えられ
ることに起因すると考えられる。このような熱と剪断力
の同時付加による影響は、架橋密度の増加に伴い高温で
の樹脂の貯蔵弾性率が増加するため少なくなるものと思
われる。
【0013】本発明の感熱記録材料に用いられる樹脂母
材の架橋密度ρは3.50×10-4mol/cm3以上(ただ
し、ρ=E´/3φRTであり、E´は動的粘弾性測定
によるゴム領域(Tg+40℃)における貯蔵弾性率、φ
(フロント係数)≒1、Rは気体定数、Tは絶対温度)
である。また、本発明の可逆性感熱記録材料は前記樹脂
母材の架橋密度ρ:2.00×10-4 mol/cm3 ≦ ρ ≦
3.00×10-3 mol/cm3(ただし、ρ、E´、φ、R
およびTは前記に同じ)の可逆性感熱記録材料である。
【0014】このように本発明感熱記録材料の母材の架
橋密度ρの下限は2.00×10-4mol/cm3であり、好ま
しくは3.50×10-4mol/cm3である。また、架橋密
度の上限は3.00×10-3 mol/cm3であるのが好まし
い。架橋密度が前記の下限より小さいと記録−消去の繰
り返しにより、特に白濁(印字)濃度が低下し、一方、
架橋密度が前記の上限より大きいと透明化温度の幅が狭
くなり、消去が困難となる傾向があり好ましくない。
【0015】また、樹脂母材の動的粘弾性測定による1
40℃での貯蔵弾性率E´は、 1.0×106 Pa ≦ E´≦ 1×108 Pa であるのが好ましい。E´がこの範囲より低いと記録−
消去の繰り返しにより、特に白濁(印字)濃度が低下
し、一方、この範囲より大きいと透明化温度の幅が狭く
なり、消去が困難となる傾向があり好ましくない。
【0016】このような可逆性感熱記録材料の貯蔵弾性
率は、以下の動的粘着性装置にて測定を行い、Tg+4
0℃の貯蔵弾性率からゴム状態式(1)を用いて算出し
た。動的粘弾性測定はセイコー電子工業(株)製DMS2
10粘弾性測定装置を使用し、温度分散(2.0℃/
分、20〜220℃、10Hz)にて測定した。
【0017】ρ=E´/3φRT (1) ρ:架橋密度、E′:貯蔵弾性率、φ(フロント係数)
≒1 R:気体定数、T:絶対温度 なお、樹脂母材中の熱架橋の確認はつぎのようにして行
った。例えば架橋剤にイソシアネート化合物を用い、樹
脂母材に塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシプロピル
アクリレート共重合体を用いた場合、FT−IR測定に
より未反応−N=C=Oが残存すれば、2273cm-1
付近に−N=Cの伸縮振動スペクトルが特徴的に確認さ
れる。また、完全にイソシアネート化合物の−N=C=
Oが反応した場合は、樹脂母材のヒドロキシル基と反応
し、−NHCO−の特徴的な−NH伸縮振動スペクトル
が1520〜1540cm-1付近に確認できる。
【0018】次に本発明の可逆性感熱記録材料の各成分
について説明する。
【0019】樹脂母材 樹脂母材は、有機低分子物質を均一に分散保持した層を
形成するものであり、透明時の記録層の透明度に大きく
影響する。このため樹脂母材は透明性が高く、機械的に
安定で、かつ成膜性に優れた樹脂が好ましい。また、架
橋剤による熱架橋が可能であることが望ましい。このよ
うな樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体などのヒドロキ
シルまたはカルボキシル変性の塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体などが挙げられる。これらの樹脂母材は単独、
あるいは2種類以上を併用してもよく、またその他の樹
脂と混合してもよい。
【0020】本発明では樹脂母材を架橋することにより
記録材料のリサイクル性が向上する。このような架橋の
方法としては、記録特性など他の特性を阻害しないよう
熱架橋を行うのが好ましい。ここで用いられる架橋剤と
しては、例えばアミノ樹脂、フェノール樹脂、イソシア
ネート類、アミン類、エポキシ化合物などが挙げられ
る。アミノ樹脂としてはメラミン樹脂(例えばヘキサメ
トキシエチルメラミン)、ベンゾグアナミン、尿素樹脂
等が挙げられる。フェノール樹脂としては、トリメチロ
ールフェノール等が挙げられる。また、イソシアネート
類としては、トルエンジイソシアネートのトリメチロー
ルプロパン付加物(コロネートL)、ヘキサメチレンジ
イソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(コロ
ネートHL)、2,4−または2,6−トリレンジイソシ
アネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等が挙げられる。
【0021】さらにアミン類としては、ポリメチレンジ
アミン、ジアミノフェニルメタン、ジアミノフェニルス
ルホン、o−トルイジン、ベンジルジメチルアミン等が
挙げられる。エポキシ化合物としては、トリグリシジル
イソシアヌレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、エポキシ化メラミン樹脂等が挙げられる。その他、
酸無水物、メチルアクリルアシドグリコレートメチルエ
ーテル等を用いてもよい。特にヒドロキシ変性塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体にはイソシアネート系の架橋剤
が好ましい。架橋にはこれら架橋剤、並びにジブチルス
ズジラウレート等の触媒を用いてもよい。
【0022】樹脂母材に対する架橋剤の配合量は1.0
〜50.0 phr、好ましくは1.0〜40.0 phrであ
る。架橋剤が1.0 phrより少ないと架橋が充分でな
く、サーマルヘッドからの熱と剪断力に対する抑制力が
ないため、白濁濃度が低下するため、長期使用による劣
化の防止が充分でない。また50.0 phrより多いと架
橋剤が可塑剤的な作用を示し、リサイクル性が低下する
か、もしくは透明温度領域を狭くすることなどから好ま
しくない。
【0023】なお、架橋密度ρは、樹脂に対する架橋剤
添加量(phr)と架橋の条件(温度×時間)、特にエイ
ジング温度により調整することができる。例えば、マト
リックスポリマーが塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキ
シプロピルアクリレート(81:4:15wt%)であ
り、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのト
リメチロールプロパン付加物(コロネートHL)を使用
した感熱層の場合、乾燥温度が140℃×3分間で、エ
ージング温度が50℃×24時間の場合、架橋剤(コロ
ネートHL)の添加量は、2.0〜50phrであるのが好
ましい。また、エージング温度が60℃×24時間の場
合、架橋剤(コロネートHL)の添加量は1.0〜40p
hrが好ましい。さらにエージング温度が80℃×24時
間の場合は、0.5〜30phrであるのが好ましい。この
ように、架橋時の温度を高くすると、架橋剤量は少なく
てよい。
【0024】以上のように、架橋密度ρは、樹脂に対す
る架橋剤添加量と架橋の条件(温度×時間)、さらには
ヒドロキシ変性マトリックスポリマーおよび架橋剤の種
類によっても異なるが、架橋密度ρが本発明の範囲であ
れば、繰り返し耐久性、特に白濁濃度の低下が防止され
る。
【0025】有機低分子物質 本発明で用いられる有機低分子物質は、(i)炭素数16
以上の高級脂肪酸および融点50℃以上のケトンから選
ばれた少なくとも1種の化合物、並びに(ii)脂肪族飽和
ジカルボン酸および一般式: HOOC(CH2)m−S−(CH2)nCOOH (mおよびnは各々1〜5の整数)で示されるスルフィ
ドから選ばれた少なくとも1種の化合物であるのが好ま
しい。
【0026】有機低分子物質の第一成分としては、高級
脂肪酸、特に炭素数16以上の高級脂肪酸、融点が50
℃以上のケトン類が好ましく用いられる。
【0027】炭素数16以上の高級脂肪酸の具体例とし
ては、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノ
ナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘ
プタコサン酸、モンタン酸、トリアコンタン酸、ノナコ
サン酸、メリシン酸、2−ヘキサデシン酸、トランス−
3−ヘキサデセン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−
2−オクタデセン酸、シス−2−オクタデカン酸、トラ
ンス−4−オクタデセン酸、2−ヘプタデセン酸、シス
−6−オクタデセン酸、エライジン酸、バセニン酸、ト
ランス−ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸、ブラシ
ジン酸、セラコレイン酸、トランス−セラコレイン酸、
トランス−8,トランス−10−オクタデカジエン酸、
リノエライジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレ
オステアリン酸、プソイドエレオステアリン酸、12,
20−ヘンエイコサジエン酸などが挙げられる。
【0028】また、ケトン類を第一成分として用いる場
合は融点が50℃以上であることが好ましい。融点が5
0℃以下のケント類を用いた場合は常温で不安定であ
り、保存中により記録或いは消去に必要なエネルギーが
変化する。従って、一定の設定エネルギーで消去を行う
ことが不可能となり好ましくない。この種の融点が50
℃以上のケトン類を以下に列記する。
【0029】1)ジアルキルケトン 一般式 CH3(CH2n-1CO(CH2n-1CH3
n≧8 2)メチルアルキルケトン 一般式 CH3CO(CH2n-3CH3
n≧17 3)フェニルアルキルケトン 一般式 C65CO(CH2n-1CH3
n≧10
【0030】4)大環状ケトン
【化1】 5)対称α−ジケトン 一般式 RCOCOR R=Cn2n+1
n≧7 6)アシロイン 一般式 RCH(OH)COR R=Cn2n+1
n≧9
【0031】7)環状アシロイン
【化2】
【0032】8)ケテンダイマー
【化3】 次に、有機低分子物質の第二成分としては脂肪族飽和ジ
カルボン酸または一般式HOOC(CH2)m−S−(C
2)nCOOH(m、nは各々1〜5の整数)で示され
るスルフィドが好ましく用いられる。
【0033】脂肪族飽和ジカルボン酸の具体例としては
一般式HOOC(CH2n-2COOHで示される以下の
物質を挙げることができる。
【0034】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ n 物 質 名 n 物 質 名 ────────────────────────────────── 2 シュウ酸 15 ペンタデカン二酸 3 マロン酸 16 ヘキサデカン二酸 4 コハク酸 17 ヘプタデカン二酸 5 グルタル酸 18 オクタデカン二酸 6 アジピン酸 19 ノナデカン二酸 7 ピメリン酸 20 エイコサン二酸 8 スベリン酸 21 ヘンエイコサン二酸 9 アゼライン酸 22 ドコサン二酸 10 セバシン酸 23 トリコサン二酸 11 ウンデカン二酸 24 テトラコサン二酸 12 ドデカン酸 26 ヘキサコサン二酸 13 トリデカン二酸 30 ノナコサン二酸 14 テトラデカン二酸 34 ドトリアコンタン二酸 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0035】また、一般式HOOC(CH2)m−S−(C
2)nCOOH(mおよびnは各々1〜5の整数)で示
されるスルフィドの具体例としては、(1,1'−ジカル
ボキシ)ジメチルスルフィド、(2,2'−ジカルボキ
シ)ジエチルスルフィド[チオジプロピオン酸]、
(3,3'−ジカルボキシ)ジプロピルスルフィド、
(1,2'−ジカルボキシ)メチルエチルスルフィド、
(1,3'−ジカルボキシ)メチルプロピルスルフィド、
(1,4'−ジカルボキシ)メチルブチルスルフィド、
(2,3'−ジカルボキシ)エチルプロピルスルフィド、
(1,4'−ジカルボキシ)メチルブチルスルフィド、
(1,4'−ジカルボキシ)エチルブチルスルフィド、
(5,5'−ジカルボキシ)ジペンチルスルフィドなどが
挙げられ、特にチオジプロピオン酸が好ましい。
【0036】有機低分子物質の第一成分に対する第二成
分の配合割合は90:10〜10:90(重量比)が好ましい。第
二成分の配合割合が少なすぎると透明化エネルギー領域
が狭くなり好ましくなく、また多すぎるとコントラスト
が充分に得られず共に好ましくない。
【0037】更に、これら有機低分子物質の樹脂母材に
対する配合量の総計は、樹脂母材100重量部に対し5
〜100重量部であるのが好ましい。有機低分子の配合
量が少なすぎるとコントラストが低くなり、多すぎると
成膜性が低下し共に好ましくない。
【0038】感熱記録層の形成に用いられる溶剤は、母
材及び有機低分子物質の種類によって種々選択してよい
が、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、
エタノール、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサノン等
を挙げることができる。
【0039】本発明の記録材料には、更に必要に応じて
滑剤、静電防止剤、可塑剤、分散剤、安定剤、界面活性
剤、無機あるいは有機の充填剤などを配合してもよい。
【0040】感熱記録層を形成するには一般に、樹脂母
材及び有機低分子物質の二成分を溶解した溶液を調製す
るか、あるいは有機低分子物質のうち少なくとも1種を
溶解しない溶剤を用いて樹脂母材の溶液を調製し、これ
に有機低分子物質を微粒子状に分散し、これらを基材上
に塗布し乾燥して感熱記録層を形成する。つぎに適宜の
熱処理条件にて、樹脂母材を硬化させる。感熱記録層の
膜厚は通常1〜40μmであり、これより厚くなると感
度が低下し、厚み方向に温度勾配が生じて好ましくな
い。一方、これより薄いとコントラストが低下して好ま
しくない。特にサーマルヘッドを用いてパルス幅2msec
以下の高速で記録、消去を行なう場合には感熱記録層の
厚みは10μm以下であることが好ましい。
【0041】本発明の記録材料には、更に必要に応じて
滑剤、静電防止剤、可塑剤、分散剤、安定剤、界面活性
剤、無機あるいは有機の充填剤等を配合してもよい。
【0042】前記感熱記録層の上にはその保護のために
必要に応じて、直接或いは下引き層を介してオーバーコ
ート層を設けてもよい。オーバーコート層としては、U
V硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、EB硬化型樹脂が用いら
れる。また、アクリル系、シリコーン系、フッ素系、エ
ポキシ系などの有機物質を用いてもよいし、またSi
2、SiO、MgO、ZnO、TiO2、Al23、AlN、
Ta25などの無機物質を用いてもよい。
【0043】オーバーコート層の形成には、従来公知の
塗工法や真空薄膜形成法(真空蒸着法など)が用いられ、
厚みは0.1〜5.0μm、好ましくは0.5〜4.0μm
とする。オーバーコートの厚みがこれより薄いと保護効
果が充分でなく、またこれより厚いと記録に必要なエネ
ルギー量が大きくなり共に好ましない。
【0044】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により更
に具体的に説明する。なお、以下に部と示すのは重量部
を意味する。
【0045】[実施例1] 組成 重量部 ステアロン(CH3(CH216CO(CH216CH3) 30部 セバシン酸 10部 塩化ビニル-酢酸ビニル-ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 80部 (日信化学製、TA2) ポリイソシアネート類架橋剤(75%固形分) 5.3部 (日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL:5.0phr) テトラヒドロフラン 496部 該溶液をワイヤーバーで金属反射基材(ポリエチレンテ
レフタレートフィルム188μm上に真空蒸着法により
0.1μm厚のAl層を形成したもの)上に塗布し、1
40℃にて3分間加熱乾燥して 5μm厚の感熱記録層
を設けた。ついで、60℃にて24時間エイジングして
樹脂母材を硬化させた。さらに、感熱層上に保護層とし
てシリコーン系の熱硬化型樹脂層(2μm厚)を形成し
た。
【0046】[実施例2]架橋剤コロネートL(75
%)添加量が10.7部(10.0phr)用いたこと以外
は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製し
た。
【0047】[実施例3]コロネートLの代わりにコロ
ネートHL(日本ポリウレタン工業(株)製)を5.3部
(5.0phr)用いたこと以外は実施例1と同様にして可
逆性感熱記録材料を作製した。
【0048】[実施例4]コロネートLの代わりにコロ
ネートHLを25.0部(23.0phr)用いたこと以外
は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製し
た。
【0049】[実施例5]コロネートLの代わりにコロ
ネートHLを2.1部(2.0phr)用いたこと以外は実
施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。
【0050】[比較例1]コロネートLを除いたこと以
外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製し
た。
【0051】[比較例2]コロネートLの代わりにコロ
ネートHLを0.2部(0.2phr)用いたこと以外は実
施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。
【0052】[比較例3]コロネートLの代わりにコロ
ネートHLを85.3部(80.0phr)用いたこと以外
は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製し
た。
【0053】[試験方法]前記の実施例、比較例にて得
られた可逆性感熱記録材料のリサイクル性をつぎの方法
で評価した。
【0054】8dot/mmのライン型ヘッドを使用し、一定
の印加電圧の下で印加時間を変化させ(パルス周期2.0m
s)、最高白濁度を示す印加時間を求め、この条件を印加
条件とした。次いで印字後のサンプルにつき、ホットス
タンプにて接触時間0.1secにてスタンプ温度を変化さ
せ(接触圧1kg/cm2)、最高透明度を示す温度を求めて消
去条件とした。以下、この条件にて印字、消去を繰返
し、印字及び消去を各1回行った時にリサイクル回数を
1回とした。なお、白濁度及び透明度はマクベス反射濃
度計(RD-914)の反射温度にて評価し、数値が小さいほど
白濁状態(大きいほど透明状態)であることを示してい
る。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録材料は、樹脂母
材の架橋密度ρと高温(140℃)の貯蔵弾性率を制御
することにより、印字−消去の繰返しによる白濁度の低
下がなく記録、消去のの耐久性が大幅に向上する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋された樹脂母材および有機低分子物
    質を含み、加熱により繰返し記録、消去を行うことので
    きる可逆性感熱記録媒体であって、前記樹脂母材の架橋
    密度ρが3.50×10-4mol/cm3以上である可逆性感
    熱記録媒体。(ただし、ρ=E´/3φRTであり、E
    ´は動的粘弾性測定によるゴム領域(Tg+40℃)にお
    ける貯蔵弾性率、φ(フロント係数)≒1、Rは気体定
    数、Tは絶対温度)
  2. 【請求項2】 樹脂母材および有機低分子物質を主成分
    とし、加熱により繰返し記録、消去を行うことのできる
    可逆性感熱記録材料であって、前記樹脂母材の架橋密度
    ρが下記の値を有する可逆性感熱記録材料。 2.00×10-4 mol/cm3 ≦ ρ ≦ 3.00×10-3 m
    ol/cm3 (ただし、ρ、E´、φ、RおよびTは前記に同じ)
  3. 【請求項3】 動的粘弾性測定による140℃での貯蔵
    弾性率E´が 1.0×106 Pa ≦ E´≦ 1×108 Pa である請求項2の可逆性感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 有機低分子物質が、 (i)炭素数16以上の高級脂肪酸および融点50℃以上
    のケトンから選ばれた少なくとも1種の化合物、並びに (ii)脂肪酸飽和ジカルボン酸および一般式: HOOC(CH2)m−S−(CH2)nCOOH (mおよびnは各々1〜5の整数)で示されるスルフィ
    ドから選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項2
    の可逆性感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 架橋剤がアミノ樹脂、フェノール樹脂、
    イソシアネート類、アミン類およびエポキシ化合物から
    選ばれた少なくとも1種の樹脂である請求項2の可逆性
    感熱記録材料。
  6. 【請求項6】 樹脂母材の主成分が、塩化ビニル−酢酸
    ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体、塩
    化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体およ
    び塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体か
    ら選ばれた少なくとも1種のヒドロキシルまたはカルボ
    キシル変性の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体である請
    求項2の可逆性感熱記録材料。
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