JPH1111025A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JPH1111025A
JPH1111025A JP9182996A JP18299697A JPH1111025A JP H1111025 A JPH1111025 A JP H1111025A JP 9182996 A JP9182996 A JP 9182996A JP 18299697 A JP18299697 A JP 18299697A JP H1111025 A JPH1111025 A JP H1111025A
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acid
resin
heat
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JP9182996A
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Kenji Kono
研二 河野
Hiroyuki Mitsuhashi
裕之 光橋
Ichiji Miyata
一司 宮田
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Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度に応じて透明度が可逆的に変化する感熱
層を有する可逆性感熱記録材料において、特定の水溶液
等の液体中あるいは気体雰囲気中に置いた場合に生じる
白濁度の低下ないし白濁の阻害を防止ないし抑制する。 【解決手段】 支持体上に、温度に依存して透明度が可
逆的に変化する感熱層を設ける。この感熱層は、樹脂母
材とこの樹脂母材中に分散された有機分子とを主成分と
して有する。感熱層の上に、必要に応じて中間層、保護
層等を積層して可逆性感熱記録材料を構成する。このよ
うな可逆性感熱記録材料において、当該感熱層上に設け
られた層あるいは層上もしくは層間の一部または全部
に、酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20℃)
以下である樹脂を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度変化に基づき
画像等の情報の記録および消去を繰り返して行うことの
できる可逆性感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報を可逆的に記録、消去するこ
とのできる感熱記録材料として、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリアミド等の母材中に高級アルコール、高
級脂肪酸等の有機低分子を分散させた感熱層を有するも
のが提案されている(例えば、特開昭54−11937
7号公報、特開昭55−154198号公報および特開
昭64−14077号公報参照)。この種の感熱記録材
料では、透明から白濁または白濁から透明というよう
に、温度に応じて感熱層の透明度が可逆的に変化するこ
とを利用して、画像等の情報の記録および消去を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような可逆性感
熱記録材料では、感熱層を保護するため、感熱層上に一
層ないし数層の保護層等が設けられるのが通例である。
ところが、保護層等が設けられていても、特定の水溶液
等の液体中あるいは気体雰囲気中に可逆性感熱記録材料
をおくと、感熱層の白濁度が弱くなったり全く白濁しな
くなったりするという問題を生じることがある。このよ
うな白濁度の低下ないし白濁の阻害が起こると、もちろ
ん印字性が低下する。
【0004】可逆性感熱記録材料における白濁度の低下
ないし白濁の阻害は、感熱層の内部に他の物質が侵入す
ることにより生じると考えられる。その場合の侵入物質
は、例えば、感熱層以外の層、溶剤、汗や唾等の体液、
飲食物、洗剤等から供給される可能性がある。侵入物質
が気体状の物質(例えば、汗に含まれているアンモニア
が蒸発することによって生じるアンモニアガス等)であ
る場合には、従来提案されていた保護層では侵入を阻止
することが困難であり、この種の気体状物質の侵入によ
って可逆性感熱記録材料の製造時や実際の使用中に白濁
度が低下したり全く白濁しなくなったりすることがあ
る。
【0005】本発明の目的は、白濁度の低下や白濁の阻
害をひき起こす感熱層内部への他の物質の侵入、特に気
体の侵入をも阻害することにより、印字性の低下を確実
に防止ないし抑制できる可逆性感熱記録材料を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに鋭意検討した結果、本願発明者は、可逆性感熱記録
材料を構成する材料ないし層あるいは層上もしくは層間
の一部または全部に、酸素ガス透過率が100cc/m
2(24hr atm 20℃)以下である樹脂を含有させれば、
従来の感熱記録材料で白濁度が弱くなったり全く白濁し
なくなったりしていた条件下においても、白濁度の低下
の程度を大幅に小さくできることを見い出し、この知見
に基づいて本発明を次のように構成した。
【0007】すなわち、支持体上に、樹脂母材とこの樹
脂母材中に分散された有機分子とを主成分とし且つ温度
に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層が設けられ
た可逆性感熱記録材料において、当該感熱層上に設けら
れた層あるいは層上もしくは層間の一部または全部に、
酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20℃) 以下
である樹脂を含有させる構成とする。この種の可逆性感
熱記録材料においては、通常、感熱層の上に直接または
接着層等の中間層を介して保護層もしくはオーバーコー
ト層が設けられ、さらには印刷層等が設けられることが
ある。保護層は支持体の裏面(感熱層の形成されている
側の面とは反対側の面)にも設けられる場合がある。本
発明は、これら複数の層を有するものを含む。
【0008】樹脂の酸素ガス透過率を100cc/m2(24
hr atm 20℃) 以下としたのは、これを越えた材料では
感熱層内部に他の気体状物質でさえも侵入しやすくなる
からである。100cc/m2(24hr atm 20℃) 以下とい
う範囲は、当該記録材料を構成する材料ないし層に酸素
ガス透過率の異なる樹脂をそれぞれ含有させた各種試料
を用意し、これらを、従来白濁度の低下を生じていた条
件と同じ条件下においてみて、それらの白濁度の低下の
程度を調べ、その中から白濁度の低下の程度が比較的小
さいと認められる試料を選びだし、これらの試料に含有
させた樹脂の酸素ガス透過率から求めたものである。酸
素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20℃) 以下で
ある樹脂としては、具体的には例えば、モノマー成分と
して塩化ビニリデンを有する樹脂を用いる。モノマー成
分として塩化ビニリデンを有する樹脂、例えばポリ塩化
ビニリデンは、ガスに対しても特に高いバリヤー性を有
するからである。
【0009】
【作用】可逆性感熱記録材料における白濁度の低下ない
し白濁の阻害は、上述したように感熱層の内部に他の物
質が侵入することにより生じると考えられる。その場
合、侵入しようとする他の物質が気体であれば特に侵入
を阻止することが困難となる。しかし、本発明の可逆性
感熱記録材料においては、当該記録材料を構成する材料
ないし層の一部または全部に酸素ガス透過率が100cc
/m2(24hr atm 20℃) 以下である樹脂、すなわちガス
透過率の低い(換言すればガスバリアー性の高い)樹脂
が含有されていることにより、感熱層内部への他の物質
の侵入を阻止することができる。しかも、この場合、上
述のような低ガス透過率の樹脂が含有されていることに
より、体液等の液体状の物質だけでなく、アンモニアガ
ス等の気体状の物質の侵入も効果的に阻止することがで
きる。これにより、感熱層内部への他の物質の侵入によ
る白濁度の低下を大幅に抑制できることとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに具体的に説
明する。 (1)酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20
℃)以下である樹脂について本発明の可逆性感熱記録材
料において、酸素ガス透過率が100cc/m2(24hratm
20℃)以下である樹脂は、感熱層上の中間層、保護層
ないしオーバーコート層、印刷層等の当該記録材料を構
成する材料ないし層のうちのいずれに含有させてもよ
い。また、この種の樹脂は、複数の任意の層にわたって
含有させることもでき、さらに、当該記録材料を構成し
ている層と層との間(層間)に含有させてもよい。従来
感熱層に酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20
℃)以下の樹脂である塩化ビニリデン(共重合体)を用
いる例はあるが、この場合、感熱層下部まではガス状物
質等の侵入を阻止できても上部には侵入してしまい、白
濁度の低下は免れないため、上記のように感熱層上のい
ずれかの部分に用いるのがよい。
【0011】支持体は、通常、ポリエステルやポリ塩化
ビニル等の酸素ガス透過率が比較的低く且つ厚い材料を
用いるため、そちら側からの物質の侵入は考慮しなくて
もよい。本発明の以下の説明においてもその点は考慮し
ない。ただし、特殊な用途等で気体を通しやすい支持体
を用いる場合には、支持体自体および支持体裏面側にも
上記樹脂を含有させるのが望ましい。
【0012】酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm
20℃)以下である樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエステル、硝火綿等が挙げられる。これ
らは塗工等のハンドリングを良くする等のため、他の物
質と共重合させたり特定の処理にて変成させたりして用
いてもよい。例えば、塩化ビニリデンと塩化ビニル、ア
クリロニトリル、アクリル酸エステルとの共重合体等が
挙げられる。また、他の物質を混合して用いてもよい。
混合する他の物質の例としては、架橋剤、他の樹脂、可
塑剤、フィラー、ワックス、帯電防止剤、レベリング
剤、消泡剤、顔料、染料、分散剤、潤滑剤、触媒等が挙
げられる。
【0013】感熱層上に設けられる少なくとも一層中に
含まれる酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20
℃)以下である樹脂に混合される他の物質の量は、気体
の透過率を大きく低下させない程度の量であることが好
ましく、具体的には他の物質の酸素ガス透過率が100
cc/m2(24hr atm 20℃)より大きい場合には50%以
下とするのがよい。50%より多い量を混合すると気体
状物質でさえも侵入しやすくなるからである。
【0014】(2)樹脂母材について 本発明に用いられる樹脂母材は、有機低分子物質を均一
に分散保持した層を形成するものであり、透明時の記録
層の透明度に大きく影響する。このため樹脂母材は透明
性が高く、機械的に安定で、かつ成膜性に優れた樹脂が
好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
- 酢酸ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル- 酢酸ビ
ニル- ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル- アクリ
レート共重合体、塩化ビニル- 酢酸ビニル- アクリレー
ト共重合体などの塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニ
リデン、塩化ビニリデン- 塩化ビニル共重合体、塩化ビ
ニリデン- アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン
- アクリル酸エステル共重合体;ポリエステル;ポリア
ミド;ポリアクリレートまたはポリメタクリレート;ア
クリレート- メタクリレート共重合体、シリコーン樹
脂、ポリスチレン、スチレン- ブタジエン共重合体など
の熱可塑性樹脂あるいはその他の熱可塑性樹脂などが挙
げられる。これらの樹脂母材は単独で、あるいは2種類
以上を併用してもよい。
【0015】(3)有機低分子物質について 樹脂母材中に分散される有機低分子物質としては、融点
が50℃以上の脂肪族ケトン化合物、高級脂肪酸および
そのエステル化合物、スルフィド、脂肪族ジカルボン
酸、飽和および不飽和脂肪族ビスアマイド、芳香族ビス
アマイド、飽和および不飽和脂肪族尿素ならびに芳香族
尿素あるいはこれらの物質からなる固溶体が用いられ
る。これらの具体例については、後述する(下記各具体
例(A)〜(K)を参照)。なお、固溶体とは、2種類
以上の独立した有機低分子物質が固体状態で互いに溶け
たものであり、それらの物質の結晶構造が似通っている
場合に生じやすい。脂肪族化合物の場合、固溶体は化合
物の炭素主鎖の長さがほぼ同じ場合に得られやすい。
【0016】本発明に用いられる有機低分子物質は、融
点が50℃以上であることが好ましい。融点が50℃未
満であると室温で不安定となり、記録に必要なエネルギ
ー値が保存中に変化する。このため、透明化エネルギー
領域がシフトし、一定の設定エネルギーで消去を行うこ
とが不可能となり好ましくない。本発明にて用いること
ができる融点50℃以上の脂肪族ケトン、高級脂肪酸お
よびそのエステル、高級アルコールおよびそのエステル
等を以下に挙げる。
【0017】(A)脂肪族ケトンの具体例 i) 一般式 CH3(CH2) n-1CO(CH2) n-1CH3 (n≧8)
で表されるジアルキルケトン、具体的にはステアロン
(n=16)が挙げられる。 ii) 一般式 CH3CO(CH2)n-3CH3 (n≧17) で表
されるメチルアルキルケトン。 iii) 一般式 C6H5CO(CH2) n-1CH3 (n≧10) で
表されるフェニルアルキルケトン。
【0018】(B)高級脂肪酸の具体例 ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガ
リン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、
ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタ
コサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、
トリアコンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、トラン
ス-2- オクタデセン酸、トランス-4- オクタデセン酸、
2-ヘプタデセン酸、トランス- ゴンドイン酸、ブラシン
酸、トランス-8,トランス-10-オクタデカジエン酸など
が挙げられる。
【0019】(C)高級脂肪族エステル化合物 次に示す脂肪酸のメチルエステル、エチルエステルおよ
び高級アルコールとのエステルが挙げられる。すなわ
ち、ベヘン酸メチル、トリコサン酸メチル、トリコサン
酸エチル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチ
ル、ペンタコサン酸メチル、ペンタコサン酸エチル、セ
ロチン酸メチル、セロチン酸エチル、オクタコサン酸メ
チル、オクタコサン酸エチル、モンタン酸メチル、ドト
リアコンタン酸エチル、テトラトリアコンタン酸メチ
ル、テトラトリアコンタン酸エチル、ヘキサトリアコン
タン酸メチル、ヘキサトリアコンタン酸エチル、パルミ
チン酸ペンタデシル、パルミチン酸ヘキサデシル、パル
ミチン酸オクタデシル、パルミチン酸トリアコンチル、
ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸ヘキサデシ
ル、ステアリン酸ヘプタデシル、ステアリン酸オクタデ
シル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸トリア
コンチル、ベヘン酸ドコシル、リグノセリン酸テトラコ
シル、メリシン酸ミリスチルなどである。なお、高級ア
ルコールのエステルとしては、C12以上の一級アルコ
ールのフタル酸モノエステルが挙げられる。
【0020】(D)スルフィドの具体例 本発明において有機低分子物質として用いられるスルフ
ィドは、一般式 HOOC(CH2) m -S-(CH2)n COOH(mおよ
びnは各々1〜5の整数)で示される。具体的には、
(1,1 ’- ジカルボキシ)ジメチルスルフィド、(2,2
’- ジカルボキシ)ジエチルスルフィド〔またはチオ
ジプロピオン酸〕、(3,3 ’- ジカルボキシ)ジプロピ
ルスルフィド、(1,2 ’- ジカルボキシ)メチルエチル
スルフィド、(1,4 ’- ジカルボキシ)メチルブチルス
ルフィド、(2,3 ’- ジカルボキシ)エチルプロピルス
ルフィド、(2,4 ’- ジカルボキシ)エチルブチルスル
フィド、(5,5 ’- ジカルボキシ)ジペンチルスルフィ
ドなどが挙げられ、特にチオジプロピオン酸が好まし
い。
【0021】(E)脂肪族ジカルボン酸〔一般式 HOOC
(CH2) n-1COOH 〕の具体例 シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、
テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二
酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン
二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン
二酸、テトラコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ドトリア
コンタン二酸などを挙げることができる。
【0022】(F)飽和ビスアマイドの具体例 メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスカプ
リン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エ
チレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステア
リン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイ
ド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エ
チレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステ
アリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステ
アリン酸アマイド、N-N ’- ジステアリルアジピン酸ア
マイド、N-N ’- ジステアリルセバシン酸アマイドなど
が挙げられる。
【0023】(G)不飽和脂肪酸ビスアマイドの具体例 エチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビス
オレイン酸アマイド、N-N ’- ジオレイルアジピン酸ア
マイド、N-N ’- ジオレイルセバシン酸アマイドなどが
挙げられる。
【0024】(H)芳香族ビスアマイドの具体例 m-キシレンビスステアリン酸アマイド、N-N ’- ジステ
アリルイソフタル酸アマイドなどが挙げられる。
【0025】(I)飽和脂肪族尿素の具体例 N-メチル- N ’- ステアリル尿素、N-ブチル-N’- ステ
アリル尿素などが挙げられ、飽和脂肪族ビス尿素として
は、ヘキサメチレンビスステアリル尿素などが挙げられ
る。
【0026】(J)不飽和脂肪族尿素の具体例 N-ブチル-N’- オレイル尿素、N-ブチル-N’- ミリスト
レイル尿素などが挙げられ、不飽和脂肪族ビス尿素とし
ては、ヘキサメチレンビスオレイル尿素、ヘキサメチレ
ンビスパルミトレイル尿素、ヘキサメチレンビスミリス
トレイル尿素などが挙げられる。
【0027】(K)芳香族尿素の具体例 N-フェニル-N’- ステアリル尿素などが挙げられ、芳香
族ビス尿素としては、キシリレンビスステアリル尿素、
トリイレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビス
ステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素な
どが挙げられる。
【0028】このような感熱層は、1〜10μmの厚さ
にするのが好ましく、1μmより薄いと充分な白濁状態
が得られず、10μmより厚くすると充分な透明度が得
られ難い。
【0029】感熱層上に保護層が形成される場合、この
保護層は、透明で、樹脂を、架橋剤、溶剤などその他の
必要成分とともに混合して保護層用塗料を調整し、これ
を感熱層上に塗布、乾燥して形成される。このような保
護層が感熱層上に形成されると、感熱層がこの保護層に
よって充分に保護され、他の器物が触れたりしても傷が
生じにくく、耐擦傷性が向上する。そして、透明である
ため感熱層の状態変化に影響を及ぼすことがなく、感熱
層に生じた表示の読み取りに支障をきたすこともない。
保護層は必要に応じて1層または2層以上設けることが
できる。
【0030】また、保護層の他、必要に応じて設ける中
間層などは、樹脂を、架橋剤や溶剤などその他の必要成
分とともに混合してそれぞれの用途の塗料を調整し、こ
れを支持体下面、支持体および各層間に適宜塗布、乾燥
して形成される。
【0031】なお、この他、各種特性を改善するため、
感熱層、保護層、中間層には、架橋剤、他の樹脂、可塑
剤、フィラー、ワックス、帯電防止剤、レベリング剤、
消泡剤、顔料、染料、分散剤、潤滑剤、触媒等を必要に
応じて使用することができる。
【0032】また、感熱層等を設ける支持体としては、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポ
リカーボネート、セロハン、酢酸セルロース、ポリ塩化
ビニルなどのプラスチックシートが好ましく使用され
る。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例をその比較例とあわせ
て説明する。 (実施例1)まず、透明なポリエステルフィルム上に、 ステアロン 7.50部 エイコサン二酸 0.25部 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド 0.25部 塩化ビニル- 酢酸ビニル- ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 (日信化学工業(株)製、ソルバインTA-2) 16.00部 ペンタジエン重合体((株)ゼオン製、クイントンB-170) 0.16部 イソシアネート架橋剤 1.10部 (日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL) シクロヘキサノン 18.75部 MIBK 17.75部 トルエン 38.24部 からなる溶液(組成中の「部」は重量部を示す、以下同
じ。)をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥した後、60
℃、24時間、キュアを行い、10μm厚の感熱記録層
を設けた。
【0034】次に、この感熱記録層上に、 塩化ビニリデン共重合体 2.50部 (旭化成工業(株)製、サランレジンF216、酸素ガス透過率 15cc/m2(24hr atm 20℃)) イソシアネート架橋剤 0.37部 (日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL) テトラヒドロフラン 7.50部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して1
μm厚の低ガス透過率層を設けた。
【0035】次いで、この低ガス透過率層上に、 酢酸ビニル樹脂(重合度5000) 10 部 メタノール 90 部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥した後、40℃、24時間、キ ュアを行い、2μm厚の接着層を設けた。さらに、この接着層上に、 アクリル系UV硬化樹脂(旭電化製、BR-370) 60 部 トルエン 40 部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥した
後、60℃、24時間、キュアを行い、3μm厚のオー
バーコート層を設け、酸素ガス透過率が100cc/m
2(24hr atm 20℃)以下である樹脂を含有する可逆性
感熱記録材料を製造した。
【0036】(比較例1)低ガス透過率層を施さずに接
着層を3μm厚にした以外は実施例1と同様にして酸素
ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20℃)以下であ
る樹脂を含有しない可逆性感熱記録材料を製造した。
【0037】(性能試験および評価)以上の実施例およ
び比較例で得られた可逆性感熱記録材料を、JIS L0848
の B法のアルカリ性人工汗液に室温で4時間浸漬した。
ついで、そのアルカリ性人工汗液から可逆性感熱記録材
料を取り出して表面に残った液を洗い流した後、水滴を
拭き取って50℃以下の温風で乾燥し、30分間放置し
た後、サーマルヘッドで0.51mJ/dotのエネルギーでベ
タ画像を形成する操作をした。このときの白濁度をマク
ベスRD-915光学反射濃度計で光学濃度として測定した。
測定結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、酸素ガス透過率
が100cc/m2(24hr atm 20℃)以下である樹脂を含
有する本発明の可逆性感熱記録材料(実施例1)は、酸
素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20℃)以下で
ある樹脂を含有しない比較例1と比較して、アルカリ性
人工汗液浸漬による白濁度の低下が小さくなっている。
このことから、本発明によって得られる可逆性感熱記録
材料は、極めて安定した白濁を得るのに有効であること
がわかる。こうして、本発明の可逆性感熱記録材料によ
れば、白濁度の低下あるいは白濁の阻害を回避すること
ができ、その結果、印字性の低下を確実に防止ないし抑
制できることが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、支持体上
に、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層が
設けられた可逆性感熱記録材料において、当該記録材料
を構成する材料ないし層あるいは層上もしくは層間の一
部または全部に、酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr
atm 20℃) 以下である樹脂を含有させたので、感熱層
内部への他の物質の侵入を防止ないし抑制することがで
きる。特に、感熱層上に保護層等を設けただけの従来の
可逆性感熱記録材料では回避することができなかった気
体状物質の侵入をも効果的に阻止することができる。こ
れにより、可逆性感熱記録材料における白濁度の低下や
白濁の阻害の程度を大幅に小さくでき、そのような白濁
度の低下等によって生じる印字性の低下を防止ないし抑
制することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、樹脂母材とこの樹脂母材中
    に分散された有機分子とを主成分とし且つ温度に依存し
    て透明度が可逆的に変化する感熱層が設けられており、
    この感熱層上に、中間層を介してまたは直接、保護層が
    積層された可逆性感熱記録材料であって、当該感熱層上
    に設けられた層あるいは層上もしくは層間の一部または
    全部に、酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr atm 20
    ℃) 以下である樹脂が含有されていることを特徴とする
    可逆性感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 酸素ガス透過率が100cc/m2(24hr a
    tm 20℃) 以下である樹脂は、モノマー成分として塩化
    ビニリデンを有する樹脂である請求項1記載の可逆性感
    熱記録材料。
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