JPH06253809A - 糖類酒 - Google Patents
糖類酒Info
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- JPH06253809A JPH06253809A JP11398292A JP11398292A JPH06253809A JP H06253809 A JPH06253809 A JP H06253809A JP 11398292 A JP11398292 A JP 11398292A JP 11398292 A JP11398292 A JP 11398292A JP H06253809 A JPH06253809 A JP H06253809A
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- Japan
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- oligosaccharide
- sugar
- bond
- saccharide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、呈味としてまろやかな苦甘味とコク
のある芳醇な風味を持ち、体調調節機能性を併せ持つ新
規な糖類酒の提供を目的とする。 【構成】本発明の糖類酒は、オリゴ糖がβ−結合を有す
る二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類を主成
分であるオリゴ糖含有糖類をアルコール発酵することに
より得られるものである。 【効果】本発明の糖類酒はグルコース低含有、オリゴ糖
高含有であり、呈味としてまろやかな苦甘味とコクのあ
る芳醇な風味を持ち呈味改善効果に優れており、加えて
オリゴ糖高含有により体調調節機能性を併せ持ち、広範
囲な他分野において有利に用いることが出来る。
のある芳醇な風味を持ち、体調調節機能性を併せ持つ新
規な糖類酒の提供を目的とする。 【構成】本発明の糖類酒は、オリゴ糖がβ−結合を有す
る二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類を主成
分であるオリゴ糖含有糖類をアルコール発酵することに
より得られるものである。 【効果】本発明の糖類酒はグルコース低含有、オリゴ糖
高含有であり、呈味としてまろやかな苦甘味とコクのあ
る芳醇な風味を持ち呈味改善効果に優れており、加えて
オリゴ糖高含有により体調調節機能性を併せ持ち、広範
囲な他分野において有利に用いることが出来る。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、苦みを有するゲンチビ
オース等のβ−結合オリゴ糖を成分とすることが特徴
で、呈味としてまろやかな苦甘味とコクのある芳醇な風
味をもちながら、その糖組成が、オリゴ糖高含有のファ
ッショナブルな感覚のカクテルなどに適した酒で、低ア
ルコール分、淡泊、軽い酔い心地を特徴とすると同時
に、料理の味を引き立たせてくれる酒であり、特にヤン
グや女性に好まれる新規な糖類酒を提供するものであ
る。
オース等のβ−結合オリゴ糖を成分とすることが特徴
で、呈味としてまろやかな苦甘味とコクのある芳醇な風
味をもちながら、その糖組成が、オリゴ糖高含有のファ
ッショナブルな感覚のカクテルなどに適した酒で、低ア
ルコール分、淡泊、軽い酔い心地を特徴とすると同時
に、料理の味を引き立たせてくれる酒であり、特にヤン
グや女性に好まれる新規な糖類酒を提供するものであ
る。
【従来の技術】酒の歴史は人類の歴史とともに古く、日
本を含め世界各地には数多くの酒がある。こうした世界
の伝統的な酒類はこれを大別すると、発酵したものをそ
のまま飲む「醸造酒」と、それらを加熱蒸留してつくる
「蒸留酒」とに大別される。また、その原料のタイプか
らは、原料中の主成分が糖分で、酵母の作用のみでアル
コールを生成する「糖分の酒」と、原料中の主成分が澱
粉質または糖分まで分解されていないために糖化の工程
を必要とする「澱粉の酒」に二分される。糖分の酒とし
ては、例えば蜂蜜、果実(バナナ、リンゴ、ブドウ)、
乳、黒糖を原料とした醸造酒である「蜂蜜酒」、「果実
酒(バナナ酒、リンゴ酒、ワイン)」、「クムイス」、
「黒糖酒」等がある。またリンゴ酒、ワイン、クムイ
ス、黒糖酒を加熱蒸留した蒸留酒である「カルバド
ス」、「ブランデー」、「エルヒ」、「ラム」等があ
る。澱粉の酒としては、例えばトウモロコシ、オオム
ギ、モチ米、ウルチ米を原料とした醸造酒である「チチ
ャ」、「ビール」、「黄酒(フォアンチュウ)」「清
酒」等がある。またビール、黄酒、清酒(清酒粕)を加
熱蒸留した蒸留酒である「ウイスキー」、「白酒(パイ
チュウ)」、「焼酎」等がある。本発明は、オリゴ糖含
有糖類をアルコール発酵することにより得られることを
特徴とするもので、「糖分の酒」に属するものである
が、その原料から定義すれば「オリゴ糖酒」であり、あ
るいは「オリゴ酒」又は「糖類酒」と呼称されるもので
ある。このような酒は従来の技術には見いだすことは出
来ないものである。
本を含め世界各地には数多くの酒がある。こうした世界
の伝統的な酒類はこれを大別すると、発酵したものをそ
のまま飲む「醸造酒」と、それらを加熱蒸留してつくる
「蒸留酒」とに大別される。また、その原料のタイプか
らは、原料中の主成分が糖分で、酵母の作用のみでアル
コールを生成する「糖分の酒」と、原料中の主成分が澱
粉質または糖分まで分解されていないために糖化の工程
を必要とする「澱粉の酒」に二分される。糖分の酒とし
ては、例えば蜂蜜、果実(バナナ、リンゴ、ブドウ)、
乳、黒糖を原料とした醸造酒である「蜂蜜酒」、「果実
酒(バナナ酒、リンゴ酒、ワイン)」、「クムイス」、
「黒糖酒」等がある。またリンゴ酒、ワイン、クムイ
ス、黒糖酒を加熱蒸留した蒸留酒である「カルバド
ス」、「ブランデー」、「エルヒ」、「ラム」等があ
る。澱粉の酒としては、例えばトウモロコシ、オオム
ギ、モチ米、ウルチ米を原料とした醸造酒である「チチ
ャ」、「ビール」、「黄酒(フォアンチュウ)」「清
酒」等がある。またビール、黄酒、清酒(清酒粕)を加
熱蒸留した蒸留酒である「ウイスキー」、「白酒(パイ
チュウ)」、「焼酎」等がある。本発明は、オリゴ糖含
有糖類をアルコール発酵することにより得られることを
特徴とするもので、「糖分の酒」に属するものである
が、その原料から定義すれば「オリゴ糖酒」であり、あ
るいは「オリゴ酒」又は「糖類酒」と呼称されるもので
ある。このような酒は従来の技術には見いだすことは出
来ないものである。
【発明が解決しようとする課題】本発明はオリゴ糖含有
糖類をアルコール発酵することにより得られ、且つ呈味
としてまろやかな苦甘味とコクのある芳醇な風味を持ち
ながら、その糖組成がオリゴ糖高含有のファッショナブ
ルな感覚のカクテルなどに適した酒で、低アルコール
分、淡泊、軽い酔い心地が特徴の新規な糖類酒である。
糖類をアルコール発酵することにより得られ、且つ呈味
としてまろやかな苦甘味とコクのある芳醇な風味を持ち
ながら、その糖組成がオリゴ糖高含有のファッショナブ
ルな感覚のカクテルなどに適した酒で、低アルコール
分、淡泊、軽い酔い心地が特徴の新規な糖類酒である。
【課題を解決するための手段】以下に本発明を詳しく説
明する。本発明に係わる糖類酒は、オリゴ糖がβ−結合
を有する二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類
を主成分とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコー
ル発酵することにより得られるものである。このオリゴ
糖含有糖類は澱粉の酸加水分解によって得ることができ
る。即ち、澱粉は植物の光合成によって生産される高分
子炭水化物で、グルコースの重合体からできている。こ
のグルコースの結合はα−1,4結合およびα−1,6
結合のグルコシド結合であり、理論的には稀酸と共に加
熱すると容易にグルコースまで加水分解される。しかし
ながら工業的に採用される加水分解の条件においては、
実際には澱粉分子は非常に低い濃度においても均一の溶
液とはならず、ミセルを作って、加水分解を受け難い部
分があり、更に澱粉や酸の濃度あるいは反応温度が高い
場合にはいったん生じたグルコースの逆合成が起こって
β−結合のゲンチビオース等が生成し澱粉を完全にグル
コース単位にすることは困難である。このように、酸糖
化法による澱粉の加水分解後には主成分のグルコースの
他に相当量のオリゴ糖を含有する有用なオリゴ糖含有糖
類が得られる。ここにおいて生成含有するα−結合オリ
ゴ糖としてはニゲロースの他に、コージビオース、イソ
マルトース、マルトース、α−トレハロースであり、β
−結合オリゴ糖としてはゲンチビオースの他に、ラミナ
リビオース、ソホロース、セロビオース、β−トレハロ
ースである。これらのオリゴ糖の中でゲンチビオースは
構造においてC1−C6のβ−結合のため苦味を呈するこ
とが特徴である。またこれらのオリゴ糖はゲンチビオー
スのように酵母では発酵されにくい性質を有するものが
ほとんどである。本発明において、オリゴ糖がβ−結合
を有する二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類
を主成分とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコー
ル発酵させる原理的な理由は、その成分中に共存する発
酵性糖のグルコースを発酵させることによってアルコー
ル成分となし、この特性を積極的に利用して難発酵性糖
の苦味を有するゲンチオビース等のβ−結合オリゴ糖を
残糖せしめ、糖類酒成分の主体とするものである。これ
らのオリゴ糖は難消化性であり、ヒトの健康に好ましい
影響を及ぼすビフィズス菌の増殖効果などの体調調節機
能性を有することが知られている。また本発明の発酵調
味料に用いるオリゴ糖含有糖類の製造方法に関しては、
例えば酸糖化法では特開平3−31294号等があり、
酵素法では特開平2−219584号等が知られてい
る。本発明においては、上述したβ−結合オリゴ糖を含
有するものであれば特に制限はない。以上の原理を実施
して得た本発明に係わる糖類酒は、オリゴ糖高含有のフ
ァッショナブルな感覚のテーブル酒となり、低アルコー
ル分によりソフトでありながら、まろやかな苦甘味とコ
クのある芳醇な風味が特徴である。このような特徴を有
する糖類酒は本発明が最初の提示である。またアルコー
ル発酵液に後からゲンチビオース等のオリゴ糖含有糖類
を加えることは容易であるが、この方法ではアルコール
発酵によって得られる呈味成分及び香気成分において、
本発明の糖類酒とは明白な差がある。アルコール発酵の
原理は、酵母を糖液中で嫌気的に培養することにより行
われるが、酵母としては、一般に糖からのアルコール生
成率の高いSaccharomyces属が利用され
る。例えばSaccharomyces cerevi
siae、Saccharomyces formos
ensis、Saccharomyces ellip
soideus、Saccharomycesfrag
ilis等が用いられるが、本発明におけるアルコール
発酵のための酵母の種類は問わない。オリゴ糖がβ−結
合を有する二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖
類を主成分とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコ
ール発酵するための条件としては、糖濃度5%以上、発
酵温度5〜35℃、発酵期間5〜20日が望ましいが、
固定化増殖菌体等による連続発酵方式も可能である。更
に、本発明のオリゴ糖含有糖類と特性が類似したオリゴ
糖類や糖アルコール類(例えばキシリトール、ソルビト
ール、マンニトール、マルチトール、イソマルチトール
等)も本発明の原理を用いれば、各々特有の糖組成の糖
類酒を得ることが出来る。
明する。本発明に係わる糖類酒は、オリゴ糖がβ−結合
を有する二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類
を主成分とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコー
ル発酵することにより得られるものである。このオリゴ
糖含有糖類は澱粉の酸加水分解によって得ることができ
る。即ち、澱粉は植物の光合成によって生産される高分
子炭水化物で、グルコースの重合体からできている。こ
のグルコースの結合はα−1,4結合およびα−1,6
結合のグルコシド結合であり、理論的には稀酸と共に加
熱すると容易にグルコースまで加水分解される。しかし
ながら工業的に採用される加水分解の条件においては、
実際には澱粉分子は非常に低い濃度においても均一の溶
液とはならず、ミセルを作って、加水分解を受け難い部
分があり、更に澱粉や酸の濃度あるいは反応温度が高い
場合にはいったん生じたグルコースの逆合成が起こって
β−結合のゲンチビオース等が生成し澱粉を完全にグル
コース単位にすることは困難である。このように、酸糖
化法による澱粉の加水分解後には主成分のグルコースの
他に相当量のオリゴ糖を含有する有用なオリゴ糖含有糖
類が得られる。ここにおいて生成含有するα−結合オリ
ゴ糖としてはニゲロースの他に、コージビオース、イソ
マルトース、マルトース、α−トレハロースであり、β
−結合オリゴ糖としてはゲンチビオースの他に、ラミナ
リビオース、ソホロース、セロビオース、β−トレハロ
ースである。これらのオリゴ糖の中でゲンチビオースは
構造においてC1−C6のβ−結合のため苦味を呈するこ
とが特徴である。またこれらのオリゴ糖はゲンチビオー
スのように酵母では発酵されにくい性質を有するものが
ほとんどである。本発明において、オリゴ糖がβ−結合
を有する二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類
を主成分とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコー
ル発酵させる原理的な理由は、その成分中に共存する発
酵性糖のグルコースを発酵させることによってアルコー
ル成分となし、この特性を積極的に利用して難発酵性糖
の苦味を有するゲンチオビース等のβ−結合オリゴ糖を
残糖せしめ、糖類酒成分の主体とするものである。これ
らのオリゴ糖は難消化性であり、ヒトの健康に好ましい
影響を及ぼすビフィズス菌の増殖効果などの体調調節機
能性を有することが知られている。また本発明の発酵調
味料に用いるオリゴ糖含有糖類の製造方法に関しては、
例えば酸糖化法では特開平3−31294号等があり、
酵素法では特開平2−219584号等が知られてい
る。本発明においては、上述したβ−結合オリゴ糖を含
有するものであれば特に制限はない。以上の原理を実施
して得た本発明に係わる糖類酒は、オリゴ糖高含有のフ
ァッショナブルな感覚のテーブル酒となり、低アルコー
ル分によりソフトでありながら、まろやかな苦甘味とコ
クのある芳醇な風味が特徴である。このような特徴を有
する糖類酒は本発明が最初の提示である。またアルコー
ル発酵液に後からゲンチビオース等のオリゴ糖含有糖類
を加えることは容易であるが、この方法ではアルコール
発酵によって得られる呈味成分及び香気成分において、
本発明の糖類酒とは明白な差がある。アルコール発酵の
原理は、酵母を糖液中で嫌気的に培養することにより行
われるが、酵母としては、一般に糖からのアルコール生
成率の高いSaccharomyces属が利用され
る。例えばSaccharomyces cerevi
siae、Saccharomyces formos
ensis、Saccharomyces ellip
soideus、Saccharomycesfrag
ilis等が用いられるが、本発明におけるアルコール
発酵のための酵母の種類は問わない。オリゴ糖がβ−結
合を有する二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖
類を主成分とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコ
ール発酵するための条件としては、糖濃度5%以上、発
酵温度5〜35℃、発酵期間5〜20日が望ましいが、
固定化増殖菌体等による連続発酵方式も可能である。更
に、本発明のオリゴ糖含有糖類と特性が類似したオリゴ
糖類や糖アルコール類(例えばキシリトール、ソルビト
ール、マンニトール、マルチトール、イソマルチトール
等)も本発明の原理を用いれば、各々特有の糖組成の糖
類酒を得ることが出来る。
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 [反応例1]反応例としては特開平3−31294号に
記載される反応例1および実施例1に準じた。即ち、内
容量3lの撹拌機(30r.p.m)付の単缶式糖化缶
(加圧缶)を用いた。仕込水2000mlにシュウ酸を
加えてpH1.7に調整した。これにコーンスターチ1
400gを加えて澱粉乳とし、温度140℃で糖化し
た。糖化温度140℃まで要した時間は25分であっ
た。140℃に上がってから撹拌機を回転させ、糖化進
行の均一化をはかりながら40分間糖化した。糖化終了
後、炭酸カルシウムを加えpH5.6まで中和し、濾
過、イオン交換精製、活性炭精製、濃縮してオリゴ糖を
含有する原液を得た。このオリゴ糖を含有する原液を所
定の濃度に希釈し、強酸性陽イオン交換樹脂に通液さ
せ、β−結合を主成分とする区分とグルコースを主成分
とする区分に分離した。β−結合を有する二糖類を主成
分とする区分は、濾過、イオン交換精製、活性炭精製、
濃縮してβ−結合を有する二糖類を主成分とするオリゴ
糖含有糖類を調整した。このオリゴ糖含有糖類は水分2
4.5%、固形分75.5%、固形あたりの糖組成は主
にグルコースからなるDP1区分11.2%、主にβ−
結合のゲンチビオースからなるDP2区分72.6%、
DP3以上のオリゴ糖区分16.2%、オリゴ糖合計8
8.8%で、まろやかな苦味を有するものであった。な
お、上記の分離条件は以下の通りである。 充填剤:ダイヤイオンFR01(Na型) (三菱化成
社製) 分離カラム:40mmφ×2000mmH (樹脂量
2l) 負荷糖量:154g×BX65 (1工程) 通液速度:SV0.05 [実施例1]前記反応例1にて得たオリゴ糖含有糖類
を、純水にてBrix度30に調整して1000mlを
原料とした。これに酵母(Saccharomyces
cerevisiae種の保存菌から殺菌培地で拡大
培養のもの)10mlと酵母エキス3g、リン酸一カリ
ウム0.5g、リン酸二アンモニウム0.5gを加え、
温度15〜25℃で、7〜14日間、アルコール発酵を
行った。発酵液は珪藻土を濾過助剤として濾過を行った
後、65℃で10分間加熱処理殺菌して糖類酒とした。
この糖類酒は、アルコール分3.5%v/v、Brix
度26であり、固形分(Brix度)あたりおもにゲン
チビオースからなるオリゴ糖を98%含有するファッシ
ョナブルな感覚のカクテルなどに適した酒で、まろやか
な苦甘味とコクのある芳醇な風味をもちながら、低アル
コール分、淡泊、軽い酔い心地が特徴であった。 [比較例1]発酵性糖類であるグルコース及びフラクト
ースを主成分とする蜂蜜をアルコール発酵の原料とした
蜂蜜酒をつくり、本発明の成分比較を行った。蜂蜜は市
販のユーカリの蜂蜜(Brix度80)を用いた。糖組
成はグルコース+フラクトースが89%、その他の糖
(シュクロース、ツラノース、マルトースなど)が11
%である。上記の蜂蜜を純水にてBrix度30に調整
して、1000mlを原料とした。以下実施例1と同じ
条件で蜂蜜酒を得た。この蜂蜜酒は、アルコール分8%
v/v、Brix度13であり、固形分(Brix度)
あたりグルコース及びフラクトースを61%含有するも
のであった。この蜂蜜酒が、本発明の糖類酒と比較する
と、糖濃度が低く、糖組成も発酵性糖のグルコース及び
フラクトースを主成分とするものであり、ゲンチビオー
ス等のβ−結合オリゴ糖を含まず苦味は認められなかっ
た。
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 [反応例1]反応例としては特開平3−31294号に
記載される反応例1および実施例1に準じた。即ち、内
容量3lの撹拌機(30r.p.m)付の単缶式糖化缶
(加圧缶)を用いた。仕込水2000mlにシュウ酸を
加えてpH1.7に調整した。これにコーンスターチ1
400gを加えて澱粉乳とし、温度140℃で糖化し
た。糖化温度140℃まで要した時間は25分であっ
た。140℃に上がってから撹拌機を回転させ、糖化進
行の均一化をはかりながら40分間糖化した。糖化終了
後、炭酸カルシウムを加えpH5.6まで中和し、濾
過、イオン交換精製、活性炭精製、濃縮してオリゴ糖を
含有する原液を得た。このオリゴ糖を含有する原液を所
定の濃度に希釈し、強酸性陽イオン交換樹脂に通液さ
せ、β−結合を主成分とする区分とグルコースを主成分
とする区分に分離した。β−結合を有する二糖類を主成
分とする区分は、濾過、イオン交換精製、活性炭精製、
濃縮してβ−結合を有する二糖類を主成分とするオリゴ
糖含有糖類を調整した。このオリゴ糖含有糖類は水分2
4.5%、固形分75.5%、固形あたりの糖組成は主
にグルコースからなるDP1区分11.2%、主にβ−
結合のゲンチビオースからなるDP2区分72.6%、
DP3以上のオリゴ糖区分16.2%、オリゴ糖合計8
8.8%で、まろやかな苦味を有するものであった。な
お、上記の分離条件は以下の通りである。 充填剤:ダイヤイオンFR01(Na型) (三菱化成
社製) 分離カラム:40mmφ×2000mmH (樹脂量
2l) 負荷糖量:154g×BX65 (1工程) 通液速度:SV0.05 [実施例1]前記反応例1にて得たオリゴ糖含有糖類
を、純水にてBrix度30に調整して1000mlを
原料とした。これに酵母(Saccharomyces
cerevisiae種の保存菌から殺菌培地で拡大
培養のもの)10mlと酵母エキス3g、リン酸一カリ
ウム0.5g、リン酸二アンモニウム0.5gを加え、
温度15〜25℃で、7〜14日間、アルコール発酵を
行った。発酵液は珪藻土を濾過助剤として濾過を行った
後、65℃で10分間加熱処理殺菌して糖類酒とした。
この糖類酒は、アルコール分3.5%v/v、Brix
度26であり、固形分(Brix度)あたりおもにゲン
チビオースからなるオリゴ糖を98%含有するファッシ
ョナブルな感覚のカクテルなどに適した酒で、まろやか
な苦甘味とコクのある芳醇な風味をもちながら、低アル
コール分、淡泊、軽い酔い心地が特徴であった。 [比較例1]発酵性糖類であるグルコース及びフラクト
ースを主成分とする蜂蜜をアルコール発酵の原料とした
蜂蜜酒をつくり、本発明の成分比較を行った。蜂蜜は市
販のユーカリの蜂蜜(Brix度80)を用いた。糖組
成はグルコース+フラクトースが89%、その他の糖
(シュクロース、ツラノース、マルトースなど)が11
%である。上記の蜂蜜を純水にてBrix度30に調整
して、1000mlを原料とした。以下実施例1と同じ
条件で蜂蜜酒を得た。この蜂蜜酒は、アルコール分8%
v/v、Brix度13であり、固形分(Brix度)
あたりグルコース及びフラクトースを61%含有するも
のであった。この蜂蜜酒が、本発明の糖類酒と比較する
と、糖濃度が低く、糖組成も発酵性糖のグルコース及び
フラクトースを主成分とするものであり、ゲンチビオー
ス等のβ−結合オリゴ糖を含まず苦味は認められなかっ
た。
【発明の効果】本発明は、オリゴ糖がβ−結合を有する
二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類を主成分
とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコール発酵す
ることにより、呈味としてまろやかな苦甘味とコクのあ
る芳醇な風味をもちながら、その糖組成が、オリゴ糖高
含有のファッショナブルな感覚のカクテルなどに適した
糖類酒で、更に低アルコール分、淡泊、軽い酔い心地を
特徴とすると同時に、料理の味を引き立たせてくれる、
特にヤングや女性に好まれる新規な糖類酒を提供するも
のである。加えて本発明の糖類酒において高含有成分で
ある主にゲンチビオース等からなるオリゴ糖の機能性は
製菓素材をはじめとした各種食品の加工用等々として有
利に用いられる。
二糖類であるか或いはβ−結合を有する二糖類を主成分
とするものであるオリゴ糖含有糖類をアルコール発酵す
ることにより、呈味としてまろやかな苦甘味とコクのあ
る芳醇な風味をもちながら、その糖組成が、オリゴ糖高
含有のファッショナブルな感覚のカクテルなどに適した
糖類酒で、更に低アルコール分、淡泊、軽い酔い心地を
特徴とすると同時に、料理の味を引き立たせてくれる、
特にヤングや女性に好まれる新規な糖類酒を提供するも
のである。加えて本発明の糖類酒において高含有成分で
ある主にゲンチビオース等からなるオリゴ糖の機能性は
製菓素材をはじめとした各種食品の加工用等々として有
利に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都木 昭次 群馬県高崎市大八木町622番地 群栄化学 工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】オリゴ糖がβ−結合を有する二糖類である
か或いはβ−結合を有する二糖類を主成分とするもので
あるオリゴ糖含有糖類をアルコール発酵することにより
得られる呈味として苦甘味を有することを特徴とする糖
類酒。 - 【請求項2】オリゴ糖含有糖類におけるオリゴ糖のβ−
結合を有する二糖類が、ゲンチビオース、ラミナリビオ
ース、ソホロース、セロビオース、β−トレハロースの
中から選ばれる1種又は2種以上のものである請求項1
記載の糖類酒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11398292A JPH06253809A (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 糖類酒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11398292A JPH06253809A (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 糖類酒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06253809A true JPH06253809A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=14626097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11398292A Pending JPH06253809A (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 糖類酒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06253809A (ja) |
-
1992
- 1992-04-07 JP JP11398292A patent/JPH06253809A/ja active Pending
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