JPH0523163A - 新食酢 - Google Patents

新食酢

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JPH0523163A
JPH0523163A JP3202335A JP20233591A JPH0523163A JP H0523163 A JPH0523163 A JP H0523163A JP 3202335 A JP3202335 A JP 3202335A JP 20233591 A JP20233591 A JP 20233591A JP H0523163 A JPH0523163 A JP H0523163A
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vinegar
acetic acid
oligosaccharide
alcohol
containing saccharides
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JP3202335A
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Shoichi Hirooka
正一 広岡
Toshio Hirohashi
利夫 広橋
Takanao Kimura
高尚 木村
Sachiko Kurihara
幸子 栗原
Shoji Tsugi
昭次 都木
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、まろやかなあっさりした酸味と風味
をもち、体調調節機能性を併せ持つ新食酢の提供を目的
とする。 【構成】本発明の食酢は、ガラクトオリゴ糖含有糖類或
いはフラクトオリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコール
との混合物を酢酸発酵させることにより得られるもので
ある。 【効果】本発明の食酢は、ガラクトオリゴ糖含有糖類或
いはフラクトオリゴ糖含有糖類を主体とし、しかも、高
含有であることから、まろやかなあっさりした酸味と風
味とをもち、酢としての各種効能を発揮することに加え
て更に体調調節機能性をも有する。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は新食酢に関し、更に詳し
くは、家庭用、業務用、また、各種食品の加工用等々と
して好適な食酢に関する。即ち、本発明は、まろやかな
あっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて更に
機能性オリゴ糖高含有により体調調節機能性を併せ持つ
食酢であり、家庭用、業務用における食酢としての利用
を始め、ポン酢、すし酢、サラダ酢、ラッキョウ酢及び
その他の野菜酢漬類、海産酢漬類などの加工酢として利
用でき、また、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、サラ
ダドレッシング等の副原料として利用でき、更に、味
噌、醤油、つゆ、タレ、ダシの素、複合調味料、発酵調
味料などの調味料用としての利用、食酢飲料、スポーツ
飲料、健康飲料、炭酸飲料、乳性飲料、果汁飲料、発酵
飲料、酒類などの飲料用としての利用、米飯、パン、米
菓、和菓子、洋菓子、冷菓、氷菓、缶詰、びん詰、チュ
ーブ詰、乳製品や畜肉加工品、魚肉加工品、珍味類、各
種ペースト類、ジャム、佃煮、惣菜、調理済食品や即席
飲食品等の各種食物用としての利用、餌料、飼料、ペッ
トフード等として家畜、家禽、その他蜂蜜、蚕、魚等の
飼育用としての利用、肥料、土壌改良剤等用としての利
用、果実、野菜、草花などの作物育成用としての利用、
化粧水、口紅、リップクリーム等の化粧品用としての利
用、健康食品、機能性食品用としての利用、口中清涼
剤、うがい薬、内服薬等の医薬用としての利用、その他
歯みがき、洗髪料、洗剤、入浴剤等の各種日用品として
の利用、或いは、タバコ等々の各種の多分野で利用でき
る新食酢に関する。
【従来の技術】伝統的な基礎調味料である食酢は、米
酢、粕酢のように、主食の米を利用して古くから製造さ
れてきた。また、明治以後、アルコールを原料としたア
ルコール酢や、近年では麦芽を主原料とした麦芽酢、果
物を原料としたリンゴ酢、ブドウ酢も生産されている。
この他、原料により食酢は多様化しているが、基本的に
はJASにより分類されている。即ち、食酢は醸造酢と
合成酢に大別され、醸造酢は[穀物酢(穀物酢、米
酢)]、[果実酢(果実酢、リンゴ酢、ブドウ酢)]及
び[穀物酢と果実酢以外の醸造酢]に整理されている。
上述した醸造酢における食酢は、有用微生物の参加様式
から1〜3段型に分けて考えることができる。1段型
は、含有アルコールを酢酸菌が酸化して酢酸に変えるタ
イプで、例えばアルコール酢、粕酢などがある。上記ア
ルコール酢においては、酢酸菌の栄養源として、必要に
より含窒素物、無機塩及び発酵性糖類(グルコース、フ
ラクトース等)を加えることもある。2段型は、発酵性
糖類(グルコース、フラクトース、マルトース、シュク
ロース等)を含む原料に酵母を加え、アルコールをつく
らせてから酢酸菌を追加して酢酸に変えるタイプで、例
えば糖蜜酢、果実酢等がある。3段型は、澱粉或いは穀
類、イモ類を糊化して粉砕し、麦芽とまぜるか、麹カビ
を接種させ澱粉を発酵性糖類であるグルコース、マルト
ースまでに分解し、酵母を加えてアルコールとした濾過
液、或いは、蒸留液に酢酸菌をはたらかせたタイプで、
例えば、米酢、麦芽酢等がある。即ち、醸造酢における
食酢とは、原料は穀類、果実、アルコール、糖類で、酢
酸菌の発酵作用が必須であり、合成酢酸は混在しないも
のということになる。以上の説明のように、食酢におい
ては、糖類が重要な役割をしていて、これが甘味と腰の
強さを与えるものであるが、従来技術における食酢はグ
ルコース、フラクトース、マルトース、シュクロース等
の発酵性糖類を利用するものであることから、食酢成分
中の糖組成もグルコース、フラクトース、マルトース、
シュクロース等の発酵性糖類を主体にするものであり、
しかも、低含有率のものであった。従来の食酢の糖組成
については、例えば海老根英雄「酢とビネガーの品質」
食の科学、63号、54ページ(1981)に詳しく説
明されており、下記表1にその各成分を示す。
【表1】従来の食酢の糖組成 (単位:g/
100ml)
【発明が解決しようとする課題】近年、我国では食生活
が多様化し、加工食品、調理済食品、ファーストフード
等の利用が急激に増加する一方で、消費者の健康指向が
極めて高まっている。このため、健康に対して付加価値
をもった食品素材や加工食品の開発が大いに期待されて
いる。本発明は、上述のような状況に鑑みて開発、完成
されたものであり、食酢の効能に加えて機能性オリゴ糖
高含有により体調調節機能性をもつ新食酢を提供するこ
とにある。本発明は、1段型の食酢に属するものである
が、従来の食酢とは著しく異なり、高糖分であって、そ
の糖組成がガラクトオリゴ糖或いはフラクトオリゴ糖を
主体としながら、味と香りの特に優れた新食酢を提供す
るものである。
【発明の構成】
【課題を解決するための手段】本発明に係る食酢は、ガ
ラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラクトオリゴ糖含有糖
類と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵するこ
とにより得られるものである。以下に本発明を詳しく説
明する。本発明において、ガラクトオリゴ糖含有糖類或
いはフラクトオリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコール
との混合物を酢酸発酵させる原理は、ガラクトオリゴ糖
含有糖類或いはフラクトオリゴ糖含有糖類が上質でまろ
やかな甘味質を有し、発酵によりつくられる食酢の糖成
分としてなじみ易いことと、ガラクトオリゴ糖含有糖類
或いはフラクトオリゴ糖含有糖類を酢酸発酵することに
より香味の優れた食酢が得られることにある。すなわ
ち、酢酸発酵が終了した従来の食酢に後からガラクトオ
リゴ糖含有糖類或いはフラクトオリゴ糖含有糖類を加え
ることは容易であるが、この方法では、酢酸発酵によっ
て得られる呈味成分及び香気成分においても、本発明の
食酢とは明白な差がある。酢酸発酵は、酢酸菌がエチル
アルコールを酸化して酢酸に変えるもので、食酢の有機
酸の大部分は酢酸で酸味の主体となっているが、酢酸以
外の有機酸も食酢の香味を支えている。例えば、グルコ
ン酸、コハク酸、フマール酸、リンゴ酸やクエン酸など
は食酢の呈味、酸味の利きの良否に影響を与えている
が、特にグルコン酸はやわらかみを醸すために、グルコ
ン酸を含む酢は味が良いとされている。ガラクトオリゴ
糖含有糖類或いはフラクトオリゴ糖含有糖類を酢酸発酵
することにより、ガラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラ
クトオリゴ糖含有糖類中のグルコース、シュクロース等
の発酵性糖類の一部が酢酸菌に利用されて、グルコン酸
をはじめとする有機酸を生成するので呈味性は格段に向
上する。また同時に、酢酸発酵により酢酸メチル、酢酸
エチルなどのエステル類、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒドなどのカルボニル化合物やその他、アルコ
ール類、酸類などの香味成分を生成するので、香りの高
い芳醇な食酢となる。ガラクトオリゴ糖含有糖類或いは
フラクトオリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコールとの
混合物を酢酸発酵して得られる本発明の食酢は、ガラク
トオリゴ糖含有糖類或はフラクトオリゴ糖含有糖類の有
するまろやかな呈味性と酢酸発酵により生成する有機
酸、香味成分が融合一体化して、まろやかなあっさりし
た酸味と風味をもちながら、酢の効能、例えば、疲労
回復に役立つ、動脈硬化等の予防硬化、栄養素の体
内での燃焼を促進してエネルギーの利用効率を高める、
食欲を増進して消化吸収を助ける、防腐殺菌作用が
ある等の食酢固有の効果がある。加えて、ガラクトオリ
ゴ糖或はフラクトオリゴ糖は、腸内の有用菌の代表と
されているビフィズス菌に選択的に利用されている顕著
な腸内菌叢改善効果があり、小腸内の消化酵素で分解
されずに大腸まで到達するので難消化性であるために低
カロリー性であり、虫歯の原因菌であるミュータンス
菌の生育に利用されず低う蝕性で、コレステロールの
低下等の血清脂質改善作用があり、便秘改善効果など
の整腸作用がある等の体調調節機能性を併せもつもの
で、食酢としての価値を著しく高めるものである。この
ようなガラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラクトオリゴ
糖含有糖類の発酵性糖類と難発酵性糖類との特性を利用
する技術的思想に基づく食酢は、本発明が最初の提示で
ある。本発明に使用するガラクトオリゴ糖含有糖類或い
はフラクトオリゴ糖含有糖類の製造上の制限は特にな
い。食酢の原理は、含アルコールもろみが酢酸菌の酸化
発酵により食酢となるものであり、この酢酸発酵を大別
すると、静置発酵法(表面発酵法)と深部発酵法(全面
発酵法)の二つの方法がある。上記静置発酵法は、種酢
(前回の発酵終了液)にアルコールを含有する原料液を
加えて充分に混合して、温度は25〜35℃で1〜3ヶ
月間静置して酢酸発酵を行うものである。上記深部発酵
法は、原料液と酢酸菌の混合物に空気を送り込み激しく
撹拌して、液内全体で急速に酢酸発酵を行うものであ
る。本発明における酢酸発酵の方法には特に限定はな
い。また、本発明におけるアルコール発酵のための酵母
としてはSaccharomyces cerevisiae種が主に用いられ、
酢酸発酵のための酢酸菌としてはAcetobacter aceti、A
cetobacter pasteuri-anus、Gluconobacter oxydans等
が用いられるが、その菌株の種類は問わない。又、必要
があれば、フラクトオリゴ糖含有糖類のアルコール発酵
には、フラクトオリゴ糖の残存率を高めるためにインベ
ルターゼ欠損酵母を用いても良い。本発明の新食酢は、
1段型の食酢に属するものであるが、ガラクトオリゴ糖
又はフラクトオリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコール
との混合物を酢酸発酵することにより得られるものであ
る。また、ガラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラクトオ
リゴ糖類と特性が類似したオリゴ糖類、例えば、パラチ
ノース含有糖類、パラチノースオリゴ糖含有糖類、イソ
ラフィノース含有糖類、6α−ガラクトオリゴ糖含有糖
類、カップリングシュガー(グルコシルシュクロース、
マルトシルシュクロース)含有糖類、異性化乳糖(ラク
チュロース)含有糖類、直鎖オリゴ糖(マルトトリオー
ス、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルト
ヘキサオース、マルトヘプタオース)含有糖類、サイク
ロデキストリン(α、β、γ)含有糖類、分岐サイクロ
デキストリン含有糖類、糖アルコール(エリスリトー
ル、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マル
チトール、イソマルチトール、ラクチトール)含有糖
類、ネオトレハロース含有糖類、マルチュロース含有糖
類、イヌロオリゴ糖含有糖類、レバンオリゴ糖含有糖
類、アガロオリゴ糖含有糖類、キシロオリゴ糖含有糖
類、セロオリゴ糖含有糖類、キチンオリゴ糖含有糖類、
キトサンオリゴ糖含有糖類、マンノオリゴ糖含有糖類、
ゲンチオオリゴ糖含有糖類、ダイフラクトースアンハイ
ドライド(DFA)含有糖類、キシロシルフラクトシド
含有糖類、乳果オリゴ糖(ラクトシュクロース)含有糖
類などに加えて、更にはポリデキストロース含有糖類、
分岐デキストロリン含有糖類、食物繊維(難消化性多糖
類)含有糖類等の多糖類含有糖類も本発明の原理を用い
れば、夫々特有の糖組成からなる食酢を得ることが出来
る。ガラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラクトオリゴ糖
含有糖類と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵
するための条件としては、アルコール濃度15%以下、
糖濃度5%以上、発酵温度25〜35℃、発酵開始時の
酸度1%以上、発酵終了後の酢酸濃度4%以上である。
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。本実
施例におけるガラクトオリゴ糖含有糖類とフラクトオリ
ゴ糖含有糖類について説明する。ガラクトオリゴ糖は母
乳中に存在する糖類として知られている。工業的なガラ
クトオリゴ糖の製法には大きく分けて二つある。第1の
方法は、特公昭58−20266号、特開昭60−25
1896号等に示されている如くラクトース(乳糖)に
β−ガラクトシダーゼを作用させる転移ガラクトオリゴ
糖である。この反応においては、ラクトース2分子の
内、1分子が供与体に、別の1分子が受容体となり、供
与体のガラクトース残基が受容体のガラクトース残基側
に転移されるために、6’−ガラクトシルラクトース或
は4’−ガラクトシルラクトースである三糖類のガラク
トオリゴ糖が生成する。第2の方法は天然物抽出型のガ
ラクトオリゴ糖であり、特開昭62−155082号の
大豆から抽出したラフィノース(三糖類)、スタキオー
ス(四糖類)を組成とする大豆オリゴ糖と呼ばれるガラ
クトオリゴ糖、又は、特開昭62−126951号の甜
菜糖から抽出したラフィノース(三糖類)を組成とする
ガラクトオリゴ糖がある。一方、フラクトオリゴ糖は、
ゴボウ、タマネギ、ニンニク等の高等植物に広く存在し
ている糖類である。フラクトオリゴ糖の工業的な製法
は、特開昭59−53834号等に示されている如くシ
ュクロース(砂糖)にβ−フラクトフラノシダーゼ(フ
ラクトシルトランスフェラーゼ)を作用させるものであ
る。上記反応においては、シュクロース2分子の内、1
分子が供与体に、別の1分子が受容体となり、供与体の
フラクトース残基が受容体のフラクトース残基側に転移
されるために、1−ケトース(三糖類)を生成するが、
同時に一連の反応により、ニストース(四糖類)、フラ
クトシル・ニストース(五糖類)等のフラクトオリゴ糖
が生成する。以上説明した如く、β−ガラクトシダーゼ
によるガラクトオリゴ糖の場合、ラクトース(ガラクト
ース+グルコース)にβ−ガラクトシダーゼが作用分解
してガラクトース残基が転移するために、発酵性糖類の
グルコースが同時に副生するものである。大豆から抽出
するガラクトオリゴ糖(ラフィノース、スタキオース)
の場合には、大豆中にラフィノース約1%、スタキオー
ス約4%、シュクロース約5%が含まれているために、
抽出によって共存する発酵性糖類のシュクロースが同時
に副生するものである。甜菜糖から抽出するガラクトオ
リゴ糖(ラフィノース)においては、廃糖蜜を精製して
利用する場合、共存する発酵性糖類のシュクロースが同
時に副生するものである。また、β−フラクトフラノシ
ダーゼによるフラクトオリゴ糖の場合は、シュクロース
(グルコース+フラクトース)にβ−フラクトフラノシ
ダーゼが作用分解して、フラクトース残基が転移するた
めに、発酵性糖類のグルコースが同時に副生するもので
ある。更には、ラクトース(乳糖)或いはフラクトース
(果糖)を高温で加熱重合することにより、ガラクトオ
リゴ糖含有糖類或いはフラクトオリゴ糖含有糖類と類似
のものを得る方法もある。後記の表2〜表5に、ガラク
トオリゴ糖含有糖類及びフラクトオリゴ糖含有糖類の一
般的な糖組成を示す。下記表2に、市販のガラクトオリ
ゴ糖類含有糖類(日新製糖製、カップオリゴH−70)
を示す。
【表2】β−ガラクトシダーゼによる市販のガラクトオ
リゴ糖含有糖類 なお、表2においてガラクトオリゴ糖としては4’−ガ
ラクトシルラクトースを主成分とする。その他の糖の成
分はガラクトース、ラクトースである。下記表3に、市
販のガラクトオリゴ糖含有糖類(カルピス食品工業製:
大豆オリゴ糖)を示す。
【表3】大豆から抽出した市販のガラクトオリゴ糖含有
糖類 なお、上記表3におけるガラクトオリゴ糖はラフィノー
ス、スタキオースである。その他の糖の成分はグルコー
ス、フラクトース、ガラクトース、ベルバスコース等で
ある。下記表4に示したガラクトオリゴ糖含有糖類は、
甜菜糖廃糖蜜をイオン交換樹脂精製、活性炭精製、濃縮
して調製したものである。
【表4】甜菜糖から抽出(廃糖蜜を精製)したガラクト
オリゴ糖含有糖類 なお、上記表4におけるガラクトオリゴ糖はラフィノー
スである。その他の糖の成分はグルコース、フラクトー
ス、ガラクトース等である。下記表5に示したフラクト
オリゴ糖含有糖類は、シュクロース(砂糖)にβ−フラ
クトフラノシダーゼを作用させて調製したものである。
即ち、砂糖濃度60%溶液をpH6.0に調製し、これ
にβ−フラクトフラノシダーゼ活性含有酵素剤(例えば
ノボノルディスク社製:SP系酵素剤)を対固形分当た
り0.5%w/w添加した。温度50℃で24時間転移
反応を行った後、濃縮して調製したものである。
【表5】β−フラクトフラノシダーゼによるフラクトオ
リゴ糖含有糖類 なお、表5におけるフラクトオリゴ糖は1−ケストー
ス、ニストース、フラクトシル・ニストースである。そ
の他の糖の成分はシュクロース、フラクトースである。 [実施例1]前記表2に示した市販のガラクトオリゴ糖
含有糖類(日新製糖製:カップオリゴH−70)と食酢
製造用アルコール(純度95%)との混合物を純水にて
アルコール濃度5.5%V/V、糖濃度20%W/Wに
調製して1000mlを原料とした。これに酵母エキス
1g、リン酸一カリウム0.5g、リン酸二アンモニウ
ム0.5gと種酢(Acetobacter acetiの酢酸発酵液)
30mlを加えて、酸度1.5%に調製した後、温度3
0℃、25日間酢酸発酵を行った。上記発酵後の酢酸濃
度5.0%V/W、アルコール濃度0.3%V/Vであ
った。これを濾過して菌体を除き、75℃で加熱処理し
てガラクトオリゴ糖を主成分とする食酢とした。この食
酢はまろやかなあっさりした酸味と風味が特徴であっ
た。下記表6に、本実施例に係る食酢の酸度、無塩可溶
性固形分及び糖組成を示す。なお、酸度、無塩可溶性固
形分の分析方法は食酢の日本農林規格、昭和54年6月
8日、農林水産省告示第801号、第5条(測定方法)
で行った。糖組成の高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)は(財)日本健康食品協会、オリゴ糖加工食品規
格基準のガラクトオリゴ糖(転移ガラクトオリゴ糖)の
分析法に準じた。
【表6】ガラクトオリゴ糖含有糖類より作った食酢の品
なお、表6におけるガラクトオリゴ糖としては4’−ガ
ラクトシルラクトースを主成分とする。その他の糖の成
分はガラクトース、ラクトースである。表6から明らか
なように、本実施例の食酢は、表1に示した従来の食酢
の糖組成とは異なり、高糖分であって、その糖組成がガ
ラクトオリゴ糖高含有の新食酢である。 [実施例2]表5に示したフラクトオリゴ糖含有糖類を
所定の濃度に希釈し、強酸性陽イオン交換樹脂に通液さ
せ、フラクトオリゴ糖の区分を分離した後、濾過、イオ
ン交換精製、活性炭処理、濃縮して高純度フラクトオリ
ゴ糖含有糖類に調製した。分離条件は下記の通りであ
る。 充填剤 :ダウエックス 50W×4、50〜100
メッシュ(ナトリウム型)(ダウケミカル社製) 分離カラム:40mm×2000mmH(樹脂量2L) 原液濃度 :BX30 負荷糖量 :12% on Resin 分離温度 :70℃ 通液速度 :SV0.05 下記表7に、高純度フラクトオリゴ糖含有糖類の特性値
を示す。
【表7】高純度フラクトオリゴ糖含有糖類 なお、表7におけるフラクトオリゴ糖は1−ケストー
ス、ニストース、フラクトシル・ニストースである。そ
の他の糖の成分はシュクロース、フラクトースである。
前記高純度フラクトオリゴ糖含有糖類と食酢製造用アル
コール(純度95%)との混合物を純水にてアルコール
濃度5.5%V/V、糖濃度20%W/Wに調整して、
1000mlを原料とした。これに酵母エキス1g、リ
ン酸一カリウム、0.5gと種酢(Acetobacter aceti
の酢酸発酵液)30mlを加えて、酸度1.5%に調製
した後、温度30℃、25日間酢酸発酵を行った。発酵
後の酢酸濃度5.0%V/W、アルコール濃度0.3%
V/Vであった。これを濾過して菌体を除き、75℃で
加熱処理してフラクトオリゴ糖を主成分とする食酢とし
た。この食酢はまろやかであっさりした酸味と風味が特
徴であった。下記表8に、本実施例に係る食酢の酸度、
無塩可溶性固形分及び糖組成を示す。酸度、無塩可溶性
固形分の分析方法は実施例1と同じである。糖組成の高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)は(財)日本健
康食品協会、オリゴ糖類加工食品規格基準のフラクトオ
リゴ糖の分析法に準じた。
【表8】高純度フラクトオリゴ糖含有糖類より作った食
酢の品質 なお、上記表8におけるフラクトオリゴ糖は1−ケスト
ース、ニストース、フラクトシル・ニストースである。
その他の糖の成分はシュクロース、フラクトースであ
る。上記表8から明らかなように、本実施例の食酢は、
前記表1に示した従来の食酢の糖組成とは異なり、フラ
クトオリゴ糖高含有の食酢である。 [比較例1] (比較例1の食酢の配合)実施例1で使用した前記表2
に示したガラクトオリゴ糖含有糖類を市販のアルコール
酢に添加後、水を配合することにより、実施例1で作っ
た食酢とほぼ1同じ酸度、無塩可溶性固形分、糖組成と
した食酢を調製した。下記表9に、比較例1の食酢の配
合割合を示す。
【表9】比較例1の食酢の配合 なお、表9において使用したアルコール酢は酸度10
%、無塩可溶性固形分0.1%のものを使用した。 (官能検査)実施例1の食酢と比較例1の食酢の官能検
査を行った。方法は2点嗜好試験法とし、パネル10名
に2種の酢を室温にて試飲してもらい、味、香りの総合
評価について好ましい方を選ばせた。下記表10に、官
能検査結果を示す。
【表10】実施例1の食酢と比較例1の食酢との官能検
査結果 [パネル10名] (危険率1%) 以上の結果から、市販のガラクトオリゴ糖含有糖類と食
酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵して得られる
本発明の実施例1の食酢は、アルコール酢に市販のガラ
クトオリゴ糖含有糖類を添加した比較例1の食酢に比べ
て、味と香りが特に優れており、嗜好性が良好であるこ
とが分かる。 [比較例2] (比較例2の食酢の配合)実施例2で使用した表7に示
した高純度のフラクトオリゴ糖含有糖類を市販のアルコ
ール酢に添加後、水を配合することにより、実施例2で
作られた食酢とほぼ同じ酸度、無塩可溶性固形分、糖組
成とした食酢を調製した。下記表11に、比較例2の食
酢の配合を示す。
【表11】比較例2の食酢の配合 なお、表11において使用したアルコール酢は酸度10
%、無塩可溶性固形分0.1%のものを使用した。 (官能検査)実施例2の食酢と比較例2の食酢との官能
検査を行った。方法は比較例1と同じである。下記表1
2に官能検査結果を示す。
【表12】実施例2の食酢と比較例2の食酢との官能検
査結果 [パネル10名] (危険率1%) 以上の結果から、高純度のフラクトオリゴ糖含有糖類と
食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵して得られ
る本発明の実施例2の食酢は、アルコール酢に高純度の
フラクトオリゴ糖含有糖類を添加した比較例2の食酢に
比べて、味と香りが特に優れており、嗜好性が良好であ
ることが分かる。
【発明の効果】本発明は、ガラクトオリゴ糖含有糖類或
いはフラクトオリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコール
との混合物を酢酸発酵して食酢とするもので、本発明に
より得られる食酢は従来からある食酢とは異なり、高糖
分であって、その糖組成が、ガラクトオリゴ糖或いはフ
ラクトオリゴ糖を主体とするものである。又従来からあ
る食酢にガラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラクトオリ
ゴ糖含有糖類を添加して、食酢としたものよりも味と香
りが著しく優れたものである。本発明による食酢は、ま
ろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加
えて更にガラクトオリゴ糖或いはフラクトオリゴ糖高含
有により、体調調節機能性を併せもつものであり、家庭
用、業務用、加工副原料、調味料、飲料、各種食物用、
飼料、健康食品、機能性食品、医薬、化粧品、洗剤及び
タバコ原料等の多分野で利用される新食酢である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 幸子 群馬県高崎市大八木町622番地 群栄化学 工業株式会社内 (72)発明者 都木 昭次 群馬県高崎市大八木町622番地 群栄化学 工業株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ガラクトオリゴ糖含有糖類或いはフラクト
    オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコールとの混合物を
    酢酸発酵させることにより得られることを特徴とする新
    食酢。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113150942A (zh) * 2018-04-28 2021-07-23 天津科技大学 一种食醋固态发酵营养盐及应用

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