JP3148935B2 - 新規な粉末食酢 - Google Patents
新規な粉末食酢Info
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- JP3148935B2 JP3148935B2 JP30519591A JP30519591A JP3148935B2 JP 3148935 B2 JP3148935 B2 JP 3148935B2 JP 30519591 A JP30519591 A JP 30519591A JP 30519591 A JP30519591 A JP 30519591A JP 3148935 B2 JP3148935 B2 JP 3148935B2
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Description
【産業上の利用分野】本発明は新規な粉末食酢に関し、
更に詳しくは、家庭用、業務用又は各種食品の加工用等
々として好適な粉末食酢に関する。即ち、本発明は、ま
ろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加
えて分岐オリゴ糖高含有により体調調節機能性を併せ持
つ粉末食酢であり、家庭用、業務用における粉末食酢と
しての利用を始め、ポン酢、すし酢、サラダ酢やラッキ
ョウ酢及びこの他の野菜酢漬類、海産酢漬類等の粉末加
工酢として利用でき、また、スープ、ソース、ケチャッ
プ、マヨネーズ、サラダドレッシング等の粉末副原料と
して利用でき、更に、味噌、醤油、つゆ、タレ、ダシの
素、複合調味料、発酵調味料等の粉末調味料用としての
利用、食酢飲料、スポーツ飲料、健康飲料、炭酸飲料、
乳性飲料、果汁飲料、発酵飲料、酒類などの粉末飲料用
としての利用、米飯、パン、米菓、和菓子、洋菓子、冷
菓、氷菓、缶詰、びん詰、チューブ詰、乳製品や畜肉加
工品、魚肉加工品、珍味類、各種ペースト類、ジャム、
佃煮、惣菜、調理済食品、即席飲食品等の各種食物用と
しての利用、餌料や飼料、ペットフード等として家畜、
家禽、その他蜂蜜、蚕、魚等の飼育用としての利用、化
粧水、口紅、リップクリーム等の化粧品用としての利
用、健康食品や機能性食品用としての利用、口中清涼
剤、うがい薬、内服薬等の医薬用としての利用、その他
歯みがき、洗髪料、洗剤、入浴剤等の各種日用品として
の利用、或いはタバコ等々の各種の多分野で利用できる
新規な粉末食酢に関する。
更に詳しくは、家庭用、業務用又は各種食品の加工用等
々として好適な粉末食酢に関する。即ち、本発明は、ま
ろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加
えて分岐オリゴ糖高含有により体調調節機能性を併せ持
つ粉末食酢であり、家庭用、業務用における粉末食酢と
しての利用を始め、ポン酢、すし酢、サラダ酢やラッキ
ョウ酢及びこの他の野菜酢漬類、海産酢漬類等の粉末加
工酢として利用でき、また、スープ、ソース、ケチャッ
プ、マヨネーズ、サラダドレッシング等の粉末副原料と
して利用でき、更に、味噌、醤油、つゆ、タレ、ダシの
素、複合調味料、発酵調味料等の粉末調味料用としての
利用、食酢飲料、スポーツ飲料、健康飲料、炭酸飲料、
乳性飲料、果汁飲料、発酵飲料、酒類などの粉末飲料用
としての利用、米飯、パン、米菓、和菓子、洋菓子、冷
菓、氷菓、缶詰、びん詰、チューブ詰、乳製品や畜肉加
工品、魚肉加工品、珍味類、各種ペースト類、ジャム、
佃煮、惣菜、調理済食品、即席飲食品等の各種食物用と
しての利用、餌料や飼料、ペットフード等として家畜、
家禽、その他蜂蜜、蚕、魚等の飼育用としての利用、化
粧水、口紅、リップクリーム等の化粧品用としての利
用、健康食品や機能性食品用としての利用、口中清涼
剤、うがい薬、内服薬等の医薬用としての利用、その他
歯みがき、洗髪料、洗剤、入浴剤等の各種日用品として
の利用、或いはタバコ等々の各種の多分野で利用できる
新規な粉末食酢に関する。
【従来の技術】伝統的な基礎調味料である食酢は、米
酢、粕酢のように、主食の米を利用して古くから製造さ
れてきた。また、明治以後、アルコールを原料としたア
ルコール酢や、近年では麦芽を主原料とした麦芽酢、果
物を原料としたリンゴ酢、ブドウ酢も生産されている。
この他、原料により食酢は多様化しているが、基本的に
はJASにより分類されている。即ち、食酢は醸造酢と
合成酢に大別され、醸造酢は[穀物酢(穀物酢、米
酢)]、[果実酢(果実酢、リンゴ酢、ブドウ酢)]及
び[穀物酢と果実酢以外の醸造酢]に整理されている。
これらの食酢は製造原理上からも液状品が主体である
が、食生活の多様化、高級化、簡便化が進むなかで、粉
末食酢の要求も高まっている。すなわち食酢を粉末化す
ることにより、好ましいテクスチャーが得られ、フレ
ーバーが安定に保持される。好ましい形態性状として
新しい用途が得られる。重量あるいは容量を減らし、
軽減化により包装、輸送、貯蔵のコストが下げられる。
水分活性が低下して保存安定性が増す。安定で良質
の食酢利用食品を必要な時、即座に消費者に供給するこ
とができる等である。このため食酢の粉末技術に関する
研究が鋭意行われ、例えば特公昭53−1347号、特
開昭58−111678号など、粉末化基材として澱粉
加水分解物等を高度に利用して各種食酢を粉末化する方
法が掲示されている。これら従来の粉末食酢について
は、例えば栗栖敏郎[調味料香気成分の粉末化と保持技
術]フードケミカル、1987年、11月号(100〜
105頁)に詳細に説明されているが、これに対して本
発明である分岐オリゴ糖を含有せしめた粉末食酢につい
ては従来の技術には見出すことは出来ないものである。
酢、粕酢のように、主食の米を利用して古くから製造さ
れてきた。また、明治以後、アルコールを原料としたア
ルコール酢や、近年では麦芽を主原料とした麦芽酢、果
物を原料としたリンゴ酢、ブドウ酢も生産されている。
この他、原料により食酢は多様化しているが、基本的に
はJASにより分類されている。即ち、食酢は醸造酢と
合成酢に大別され、醸造酢は[穀物酢(穀物酢、米
酢)]、[果実酢(果実酢、リンゴ酢、ブドウ酢)]及
び[穀物酢と果実酢以外の醸造酢]に整理されている。
これらの食酢は製造原理上からも液状品が主体である
が、食生活の多様化、高級化、簡便化が進むなかで、粉
末食酢の要求も高まっている。すなわち食酢を粉末化す
ることにより、好ましいテクスチャーが得られ、フレ
ーバーが安定に保持される。好ましい形態性状として
新しい用途が得られる。重量あるいは容量を減らし、
軽減化により包装、輸送、貯蔵のコストが下げられる。
水分活性が低下して保存安定性が増す。安定で良質
の食酢利用食品を必要な時、即座に消費者に供給するこ
とができる等である。このため食酢の粉末技術に関する
研究が鋭意行われ、例えば特公昭53−1347号、特
開昭58−111678号など、粉末化基材として澱粉
加水分解物等を高度に利用して各種食酢を粉末化する方
法が掲示されている。これら従来の粉末食酢について
は、例えば栗栖敏郎[調味料香気成分の粉末化と保持技
術]フードケミカル、1987年、11月号(100〜
105頁)に詳細に説明されているが、これに対して本
発明である分岐オリゴ糖を含有せしめた粉末食酢につい
ては従来の技術には見出すことは出来ないものである。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、まろやかな
あっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて機能
性糖類であるイソマルトースやパノース、イソマルトト
リオース等の分岐オリゴ糖を含有することにより体調調
節機能性を併せ持つ新規な粉末食酢を提供するものであ
る。
あっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて機能
性糖類であるイソマルトースやパノース、イソマルトト
リオース等の分岐オリゴ糖を含有することにより体調調
節機能性を併せ持つ新規な粉末食酢を提供するものであ
る。
【課題を解決するための手段】本発明に係る粉末食酢
は、分岐オリゴ糖を含有することを特徴とするものであ
る。即ち、本発明は、分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造
用アルコールとの混合物を酢酸発酵することにより食酢
となしたもの或いは分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアル
コール発酵と酢酸発酵とを行うことにより食酢となした
ものに、必要によってアルコール酢及び/又は粉末化基
材として分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴など
を添加溶解し、噴霧乾燥を実施することにより得られる
粉末食酢であるか、又は、アルコール酢に粉末化基材と
して特に分岐オリゴ糖含有糖類を選んで添加溶解し、噴
霧乾燥を実施することにより得られる粉末食酢に関する
ものである。以下に本発明を詳しく説明する。分岐オリ
ゴ糖は、非発酵性糖類とも称せられ、特に日本古来の伝
統的酒類である清酒中に存在するオリゴ糖として詳細に
研究されてきた。即ち、イソマルトース(分子内にα−
1,6グルコシド結合を有する二糖類)、パノース(分
子内にα−1,6とα−1,4グルコシド結合を有する
三糖類)、イソマルトトリオース(分子内にα−1,6
グルコシド結合を有する三糖類)等である。これらの分
岐オリゴ糖は、清酒のうま味、こく味に関与する成分で
あり、分岐オリゴ糖含有糖類製品で、その糖成分が酒税
法に適合するものは、醸造用糖類としても利用されてい
る。また、分岐オリゴ糖は、ビフィズス菌因子であり、
かつ、低う蝕性などの体調調節機能性があることが知ら
れている。分岐オリゴ糖の製造方法に関しては特開昭5
6−51982号、特開昭61−124389号、特開
昭63−291588号、更に高純度品に関する特開平
1−98601号など多くの方法が示されているが、特
に本発明の粉末食酢に用いる分岐オリゴ糖含有糖類とし
ての制限はない。これらの製法上の基本は、マルトース
を生成するアミラーゼを主体とし、これに糖の転移作用
を有する酵素を作用させるものである。即ち、この反応
は転移酵素がマルトースに作用分解して生じたグルコー
スが受容体としてのグルコースやマルトースに転移して
イソマルトースやパノース等を生成するものであるが、
分岐オリゴ糖の生成が進行するにつれてグルコースが副
生し、又未反応のマルトースもあるために、反応液は非
発酵性糖類の分岐オリゴ糖を主体とするが、発酵性糖類
であるグルコース、マルトースも副生糖分として含有す
るものである。また、クロマト分離法により、分岐オリ
ゴ糖含有糖類中の発酵性糖類のグルコースをほとんど除
去して、非発酵性糖類を高純度とした分岐オリゴ糖含有
糖類もできる。本発明において、分岐オリゴ糖含有糖類
と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵させる原
理は、分岐オリゴ糖が清酒のうま味、こく味の成分であ
る如く、発酵によりつくられる食酢の糖成分としてなじ
み易いことと、分岐オリゴ糖含有糖類を酢酸発酵するこ
とにより、まろやかなあっさりした酸味と風味で分岐オ
リゴ糖高含有の食酢が得られることにある。また、分岐
オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵を
行なう原理は、副生糖分である発酵性糖類のグルコース
或はマルトースをアルコール発酵させて最終的に酢酸成
分となし、非発酵性糖類のイソマルトース、パノースや
イソマルトトリオースなどの分岐オリゴ糖を残糖させる
ことにより、まろやかなあっさりした酸味と風味で分岐
オリゴ糖高含有の食酢が得られることにある。このよう
にして得られた食酢に対して、必要によりアルコール酢
及び/又は粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖類、水
飴、低DE水飴などを添加溶解し、噴霧乾燥を実施する
ことにより分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢を得るもの
である。特に粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖類を
用いることは本発明の性格からみても好都合であり、ア
ルコール酢に対して粉末化基材として特に分岐オリゴ糖
含有糖類を選んで添加溶解し、噴霧乾燥を実施すること
により分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢を得ることもで
きる。本発明において、粉末化基材として分岐オリゴ糖
含有糖類、水飴、低DE水飴などの澱粉糖化物を用いる
原理は、これらが噴霧乾燥法における粉末化基材として
の噴霧性、乾燥性、香気成分保持性等が優れていること
による。分岐オリゴ糖含有糖類は、イソマルトース、パ
ノース、イソマルトトリオースなどの分岐オリゴ糖を主
体に含有するものであるが、本発明における分岐オリゴ
糖含有糖類とは、日本健康食品協会の「オリゴ糖類食
品」または「オリゴ糖類含有食品」の規格基準に適合で
きる資質を有するものである。即ち、「オリゴ糖類食
品」とは、オリゴ糖類を製品固形物中50%以上含有し
ているものをいう。また、「オリゴ糖類含有食品」と
は、オリゴ糖類を製品固形物中10%以上50%未満含
有しているものをいう。従って、本発明における分岐オ
リゴ糖含有糖類は、少なくとも分岐オリゴ糖を製品固形
物中10%以上含有しているものである。なお、分岐オ
リゴ糖含有糖類の粉末化に関しては特開平1−9180
0号が公知となっている。水飴は澱粉加水分解工業にお
ける主要製品である。澱粉を酸または酵素で加水分解す
ると、その分解条件により異なる組成の、各種の中間生
成物の混合物が得られるが、甘味度、溶解性、粘性、結
晶性、吸湿性、その他の性状が連続的に変化する。この
澱粉の加水分解の程度は、世界共通の指標としてDE
(dextrose equivalent)で表示さ
れている。水飴は食品国際規格ではDE20以上と決め
られているが、一般にその上限はDE50程度であり、
また、DE20以下は低DE水飴と呼ばれている。粉末
化基材としての水飴はDEが高くなると保水性が低下
し、したがって水分を少なくしなければ粉末状を保持で
きず、また、吸湿性もDEに比例して大となるので、高
DEの水飴は粉末化基材には適さない。一方、DE10
以下で一般に「デキストリン」と呼ばれる製品では比較
的高分子のデキストリンを主体とし、その含有割合も高
いため溶解性が劣り、かつ粘性が大となるため噴霧乾燥
用の粉末化基材としては好ましくないものである。本発
明における粉末化基材としての水飴は、DE30以下か
或いは低DE水飴の範囲のものが必要である。即ち、D
E10〜20の低DE水飴或いはDE20〜30の水飴
は、比較的低分子のデキストリンを主体とし、その含有
割合も低いので、溶解性、粘性に優れ、かつ保水性、吸
湿性も実用上適切な範囲であり、これらは容易に白色粉
末に噴霧乾燥可能で、製菓関係、アイスクリーム、酒造
用糖類、調味料、健康食品等に広く利用されている。こ
れらについては、例えば[ 澱粉科学ハンドブック]朝倉
書店、1977(430〜441頁)に詳細な説明があ
る。本発明に用いる粉末化基材としての分岐オリゴ糖含
有糖類、水飴、低DE水飴の形状は、液状のものである
か、或いはこれら粉末化基材自身を噴霧乾燥して粉末状
としたものを、使用時溶解して利用するものでもよい。
食酢の粉末化に関しては、その製品を均質かつ瞬時に粉
末状に乾燥できる方法が望ましく、種々ある乾燥方法の
中で液体原料を熱風中に噴霧して、数秒以内で連続的に
粉末製品にすることのできる噴霧乾燥方式が最適であ
る。本発明における食酢と粉末化基材の混合物の噴霧乾
燥条件を示すと、以下の如くである。 (1)混合物は、ポンプで液送し或いは噴霧するに充分
な液状態で流動性をもつものである。この流動性は糖固
形分と品温によるが、糖固形分30〜80%、糖固形に
対する食酢の割合は酢酸として5〜35%、品温20〜
60℃で粘度を10〜500cPに保つことが望まし
い。 (2)混合物を瞬時に微粒化する噴霧方式は、加圧ノズ
ルや二流体ノズルのようなノズル式よりも高速回転円板
を使用するディスク式が望ましく、その回転数を100
00〜40000r.p.m.に保つことが望ましい。 (3)微粒化された混合物の液滴は、熱風との瞬間的接
触、蒸発により粉末化するが、この熱風温度を入口60
〜120℃、出口30〜90℃に保つことが望ましい。 (4)粉末化した噴霧粒子は、球形で多孔質であり、流
動性、溶解性、分散性が良好である。 このようにして得られる分岐オリゴ糖を含有する粉末食
酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味をもちなが
ら、酢の効能、例えば、疲労回復に役立つ、動脈硬
化などの予防効果、栄養素の体内での燃焼を促進して
エネルギーの利用効率を高める、食欲を増進して消化
吸収を助ける、防腐殺菌作用がある等の食酢固有の効
果がある。加えて、分岐オリゴ糖は、腸内の有用菌の
代表とされているビフィズス菌に選択的に利用されて顕
著な腸内菌叢改善効果があり、非発酵性に示される如
く消化酵素の作用を受け難いために低カロリー性で、
虫歯の原因菌であるミュータンス菌の生育に利用されず
低う蝕性で、コレステロールの低下などの血清脂質改
善作用があり、便秘改善効果などの整腸作用がある等
の体調調節機能性を併せもつもので、粉末食酢としての
価値を著しく高めるものである。このような分岐オリゴ
糖含有糖類の特性を利用する技術思考に基づく粉末食酢
は、本発明が最初の提示である。食酢は醸造酢と合成酢
に大別されるが、醸造酢における食酢は、有用微生物の
参加様式から下記1〜3段型に分けて考えることができ
る。1段型は、含有アルコールを酢酸菌が酸化して酢酸
に変えるタイプで、例えばアルコール酢、粕酢などがあ
る。上記アルコール酢においては、酢酸菌の栄養源とし
て、必要により含窒素物、無機塩及び発酵性糖類(グル
コース、フラクトース等)を加えることもある。2段型
は、発酵性糖類(グルコース、フラクトース、マルトー
ス、シュクロース等)を含む原料に酵母を加え、アルコ
ールをつくらせてから酢酸菌を追加して酢酸に変えるタ
イプで、例えばりんご酢、ぶどう酢等がある。3段型
は、澱粉或いは穀類、イモ類を糊化して粉砕し、麦芽と
まぜるか、麹カビを接種させ澱粉を発酵性糖類であるグ
ルコース、マルトースまでに分解し、酵母を加えてアル
コールとした濾過液或いは蒸留液に酢酸菌をはたらかせ
たタイプで例えば、米酢、麦芽酢等がある。即ち、醸造
酢における食酢とは、原料が穀類、果実、アルコール、
糖類で、酢酸菌の発酵作用が必須であって、合成酢酸は
混在しないものであるということになる。分岐オリゴ等
含有糖類と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵
することにより得られる食酢は、1段型の食酢の原理に
基づくものであり、分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアル
コール発酵と酢酸発酵とを行なうことにより得られる食
酢は、2段型の食酢の原理に基づくものである。本発明
においては、上述した分岐オリゴ糖高含有の食酢を用い
る方法に加えて、アルコール酢に対して粉末化基材とし
て特に分岐オリゴ糖含有糖類を選んで混合する方法を提
示したが、上記アルコール酢に替えて前記した食酢であ
る米酢、粕酢、麦芽酢、りんご酢、ぶどう酢あるいは合
成酢、更には玄米酢、はとむぎ酢、小麦胚芽酢、柿酢、
パイナップル酢、バナナ酢、みかん酢、桃酢、いちご
酢、梨酢、トマト酢、梅酢、そば酢、ハーブ酢その他各
種の食酢等を用いても夫々特有の香味をもちながら分岐
オリゴ糖を含有する粉末食酢が得られる。
は、分岐オリゴ糖を含有することを特徴とするものであ
る。即ち、本発明は、分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造
用アルコールとの混合物を酢酸発酵することにより食酢
となしたもの或いは分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアル
コール発酵と酢酸発酵とを行うことにより食酢となした
ものに、必要によってアルコール酢及び/又は粉末化基
材として分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴など
を添加溶解し、噴霧乾燥を実施することにより得られる
粉末食酢であるか、又は、アルコール酢に粉末化基材と
して特に分岐オリゴ糖含有糖類を選んで添加溶解し、噴
霧乾燥を実施することにより得られる粉末食酢に関する
ものである。以下に本発明を詳しく説明する。分岐オリ
ゴ糖は、非発酵性糖類とも称せられ、特に日本古来の伝
統的酒類である清酒中に存在するオリゴ糖として詳細に
研究されてきた。即ち、イソマルトース(分子内にα−
1,6グルコシド結合を有する二糖類)、パノース(分
子内にα−1,6とα−1,4グルコシド結合を有する
三糖類)、イソマルトトリオース(分子内にα−1,6
グルコシド結合を有する三糖類)等である。これらの分
岐オリゴ糖は、清酒のうま味、こく味に関与する成分で
あり、分岐オリゴ糖含有糖類製品で、その糖成分が酒税
法に適合するものは、醸造用糖類としても利用されてい
る。また、分岐オリゴ糖は、ビフィズス菌因子であり、
かつ、低う蝕性などの体調調節機能性があることが知ら
れている。分岐オリゴ糖の製造方法に関しては特開昭5
6−51982号、特開昭61−124389号、特開
昭63−291588号、更に高純度品に関する特開平
1−98601号など多くの方法が示されているが、特
に本発明の粉末食酢に用いる分岐オリゴ糖含有糖類とし
ての制限はない。これらの製法上の基本は、マルトース
を生成するアミラーゼを主体とし、これに糖の転移作用
を有する酵素を作用させるものである。即ち、この反応
は転移酵素がマルトースに作用分解して生じたグルコー
スが受容体としてのグルコースやマルトースに転移して
イソマルトースやパノース等を生成するものであるが、
分岐オリゴ糖の生成が進行するにつれてグルコースが副
生し、又未反応のマルトースもあるために、反応液は非
発酵性糖類の分岐オリゴ糖を主体とするが、発酵性糖類
であるグルコース、マルトースも副生糖分として含有す
るものである。また、クロマト分離法により、分岐オリ
ゴ糖含有糖類中の発酵性糖類のグルコースをほとんど除
去して、非発酵性糖類を高純度とした分岐オリゴ糖含有
糖類もできる。本発明において、分岐オリゴ糖含有糖類
と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵させる原
理は、分岐オリゴ糖が清酒のうま味、こく味の成分であ
る如く、発酵によりつくられる食酢の糖成分としてなじ
み易いことと、分岐オリゴ糖含有糖類を酢酸発酵するこ
とにより、まろやかなあっさりした酸味と風味で分岐オ
リゴ糖高含有の食酢が得られることにある。また、分岐
オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵を
行なう原理は、副生糖分である発酵性糖類のグルコース
或はマルトースをアルコール発酵させて最終的に酢酸成
分となし、非発酵性糖類のイソマルトース、パノースや
イソマルトトリオースなどの分岐オリゴ糖を残糖させる
ことにより、まろやかなあっさりした酸味と風味で分岐
オリゴ糖高含有の食酢が得られることにある。このよう
にして得られた食酢に対して、必要によりアルコール酢
及び/又は粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖類、水
飴、低DE水飴などを添加溶解し、噴霧乾燥を実施する
ことにより分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢を得るもの
である。特に粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖類を
用いることは本発明の性格からみても好都合であり、ア
ルコール酢に対して粉末化基材として特に分岐オリゴ糖
含有糖類を選んで添加溶解し、噴霧乾燥を実施すること
により分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢を得ることもで
きる。本発明において、粉末化基材として分岐オリゴ糖
含有糖類、水飴、低DE水飴などの澱粉糖化物を用いる
原理は、これらが噴霧乾燥法における粉末化基材として
の噴霧性、乾燥性、香気成分保持性等が優れていること
による。分岐オリゴ糖含有糖類は、イソマルトース、パ
ノース、イソマルトトリオースなどの分岐オリゴ糖を主
体に含有するものであるが、本発明における分岐オリゴ
糖含有糖類とは、日本健康食品協会の「オリゴ糖類食
品」または「オリゴ糖類含有食品」の規格基準に適合で
きる資質を有するものである。即ち、「オリゴ糖類食
品」とは、オリゴ糖類を製品固形物中50%以上含有し
ているものをいう。また、「オリゴ糖類含有食品」と
は、オリゴ糖類を製品固形物中10%以上50%未満含
有しているものをいう。従って、本発明における分岐オ
リゴ糖含有糖類は、少なくとも分岐オリゴ糖を製品固形
物中10%以上含有しているものである。なお、分岐オ
リゴ糖含有糖類の粉末化に関しては特開平1−9180
0号が公知となっている。水飴は澱粉加水分解工業にお
ける主要製品である。澱粉を酸または酵素で加水分解す
ると、その分解条件により異なる組成の、各種の中間生
成物の混合物が得られるが、甘味度、溶解性、粘性、結
晶性、吸湿性、その他の性状が連続的に変化する。この
澱粉の加水分解の程度は、世界共通の指標としてDE
(dextrose equivalent)で表示さ
れている。水飴は食品国際規格ではDE20以上と決め
られているが、一般にその上限はDE50程度であり、
また、DE20以下は低DE水飴と呼ばれている。粉末
化基材としての水飴はDEが高くなると保水性が低下
し、したがって水分を少なくしなければ粉末状を保持で
きず、また、吸湿性もDEに比例して大となるので、高
DEの水飴は粉末化基材には適さない。一方、DE10
以下で一般に「デキストリン」と呼ばれる製品では比較
的高分子のデキストリンを主体とし、その含有割合も高
いため溶解性が劣り、かつ粘性が大となるため噴霧乾燥
用の粉末化基材としては好ましくないものである。本発
明における粉末化基材としての水飴は、DE30以下か
或いは低DE水飴の範囲のものが必要である。即ち、D
E10〜20の低DE水飴或いはDE20〜30の水飴
は、比較的低分子のデキストリンを主体とし、その含有
割合も低いので、溶解性、粘性に優れ、かつ保水性、吸
湿性も実用上適切な範囲であり、これらは容易に白色粉
末に噴霧乾燥可能で、製菓関係、アイスクリーム、酒造
用糖類、調味料、健康食品等に広く利用されている。こ
れらについては、例えば[ 澱粉科学ハンドブック]朝倉
書店、1977(430〜441頁)に詳細な説明があ
る。本発明に用いる粉末化基材としての分岐オリゴ糖含
有糖類、水飴、低DE水飴の形状は、液状のものである
か、或いはこれら粉末化基材自身を噴霧乾燥して粉末状
としたものを、使用時溶解して利用するものでもよい。
食酢の粉末化に関しては、その製品を均質かつ瞬時に粉
末状に乾燥できる方法が望ましく、種々ある乾燥方法の
中で液体原料を熱風中に噴霧して、数秒以内で連続的に
粉末製品にすることのできる噴霧乾燥方式が最適であ
る。本発明における食酢と粉末化基材の混合物の噴霧乾
燥条件を示すと、以下の如くである。 (1)混合物は、ポンプで液送し或いは噴霧するに充分
な液状態で流動性をもつものである。この流動性は糖固
形分と品温によるが、糖固形分30〜80%、糖固形に
対する食酢の割合は酢酸として5〜35%、品温20〜
60℃で粘度を10〜500cPに保つことが望まし
い。 (2)混合物を瞬時に微粒化する噴霧方式は、加圧ノズ
ルや二流体ノズルのようなノズル式よりも高速回転円板
を使用するディスク式が望ましく、その回転数を100
00〜40000r.p.m.に保つことが望ましい。 (3)微粒化された混合物の液滴は、熱風との瞬間的接
触、蒸発により粉末化するが、この熱風温度を入口60
〜120℃、出口30〜90℃に保つことが望ましい。 (4)粉末化した噴霧粒子は、球形で多孔質であり、流
動性、溶解性、分散性が良好である。 このようにして得られる分岐オリゴ糖を含有する粉末食
酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味をもちなが
ら、酢の効能、例えば、疲労回復に役立つ、動脈硬
化などの予防効果、栄養素の体内での燃焼を促進して
エネルギーの利用効率を高める、食欲を増進して消化
吸収を助ける、防腐殺菌作用がある等の食酢固有の効
果がある。加えて、分岐オリゴ糖は、腸内の有用菌の
代表とされているビフィズス菌に選択的に利用されて顕
著な腸内菌叢改善効果があり、非発酵性に示される如
く消化酵素の作用を受け難いために低カロリー性で、
虫歯の原因菌であるミュータンス菌の生育に利用されず
低う蝕性で、コレステロールの低下などの血清脂質改
善作用があり、便秘改善効果などの整腸作用がある等
の体調調節機能性を併せもつもので、粉末食酢としての
価値を著しく高めるものである。このような分岐オリゴ
糖含有糖類の特性を利用する技術思考に基づく粉末食酢
は、本発明が最初の提示である。食酢は醸造酢と合成酢
に大別されるが、醸造酢における食酢は、有用微生物の
参加様式から下記1〜3段型に分けて考えることができ
る。1段型は、含有アルコールを酢酸菌が酸化して酢酸
に変えるタイプで、例えばアルコール酢、粕酢などがあ
る。上記アルコール酢においては、酢酸菌の栄養源とし
て、必要により含窒素物、無機塩及び発酵性糖類(グル
コース、フラクトース等)を加えることもある。2段型
は、発酵性糖類(グルコース、フラクトース、マルトー
ス、シュクロース等)を含む原料に酵母を加え、アルコ
ールをつくらせてから酢酸菌を追加して酢酸に変えるタ
イプで、例えばりんご酢、ぶどう酢等がある。3段型
は、澱粉或いは穀類、イモ類を糊化して粉砕し、麦芽と
まぜるか、麹カビを接種させ澱粉を発酵性糖類であるグ
ルコース、マルトースまでに分解し、酵母を加えてアル
コールとした濾過液或いは蒸留液に酢酸菌をはたらかせ
たタイプで例えば、米酢、麦芽酢等がある。即ち、醸造
酢における食酢とは、原料が穀類、果実、アルコール、
糖類で、酢酸菌の発酵作用が必須であって、合成酢酸は
混在しないものであるということになる。分岐オリゴ等
含有糖類と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵
することにより得られる食酢は、1段型の食酢の原理に
基づくものであり、分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアル
コール発酵と酢酸発酵とを行なうことにより得られる食
酢は、2段型の食酢の原理に基づくものである。本発明
においては、上述した分岐オリゴ糖高含有の食酢を用い
る方法に加えて、アルコール酢に対して粉末化基材とし
て特に分岐オリゴ糖含有糖類を選んで混合する方法を提
示したが、上記アルコール酢に替えて前記した食酢であ
る米酢、粕酢、麦芽酢、りんご酢、ぶどう酢あるいは合
成酢、更には玄米酢、はとむぎ酢、小麦胚芽酢、柿酢、
パイナップル酢、バナナ酢、みかん酢、桃酢、いちご
酢、梨酢、トマト酢、梅酢、そば酢、ハーブ酢その他各
種の食酢等を用いても夫々特有の香味をもちながら分岐
オリゴ糖を含有する粉末食酢が得られる。
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 [試験例]
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 [試験例]
【表1】本実施例に係る分岐オリゴ糖高含有の食酢及び
アルコール酢 [*分岐オリゴ糖]上記した表1中の食酢No.1−
1、No.1−2は分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用
アルコールとの混合物を酢酸発酵することにより食酢と
なしたものであり、No.1−3は分岐オリゴ糖含有糖
類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵とを行なうことに
より食酢となしたものである。また、No.1−4は市
販のアルコール酢(高酸度醸造酢)である。 [試験例1]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵して得た分岐オリゴ糖高含有
の食酢(表1中のNo.1−1)の調製 市販の分岐オリゴ糖含有糖類(後記表3中のNo.3−
1)と食酢製造用アルコール(純度95%)との混合物
を純水にてアルコール濃度5.5%v/v、糖濃度20
%w/wに調整して、1000mlを原料とした。これ
に酵母エキス1g、リン酸二アンモニウム0.5gと種
酢(Acetobacter acetiの酢酸発酵
液)30mlを加えて、酸度1.5%に調整した後、温
度30℃にて、25日間酢酸発酵を行った。発酵後の酢
酸濃度5.0%v/w、アルコール濃度0.3%v/v
であった。これを濾過して菌体を除き、75℃で加熱処
理して分岐オリゴ糖を主成分とする食酢とした。この食
酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味が特徴であっ
た。上記表1中のNo.1−1に本試験例に係る食酢の
酸度、無塩可溶性固形分及び糖組成を示す。なお、酸度
及び無塩可溶性固形分の分析法は、食酢の日本農林規
格、昭和54年6月8日、農林水産省告示第801号、
第5条(測定方法)で行った。また、糖組成分の分析装
置としてはHPLC(高速液体クロマトグラフィー):
ウォーターズ90型、カラムSCR101N(島津)
(触媒は水)と島津LC4A型、カラムzorbax
NH2(デユポン)(触媒はアセトニトリル:水=7
0:30)を使用した。表1中のNo.1−1から明か
なように、本例の食酢は、後記表2に示した従来の食酢
とは異なり、高糖分であって、その糖組成が機能性糖類
であるイソマルトースやパノース、イソマルトトリオー
ス等の分岐オリゴ糖を主体とする新規な食酢である。 [試験例2]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵して得た分岐オリゴ糖高含有
の食酢(表1中のNo.1−2)の調製 高純度の分岐オリゴ糖含有糖類(後記表3中のNo.3
−5)は、特開平1−98601号(高純度イソマルト
オリゴ糖の製造方法)の実施例に準じて調製したもので
ある。この高純度の分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用
アルコール(純度95%)との混合物を純水にてアルコ
ール濃度5.5%v/v、糖濃度20%w/wに調整し
て、1000mlを原料とした。そして、以下試験例1
と同じ条件で食酢をつくった。この食酢は、まろやかな
あっさりした酸味と風味が特徴であった。上記表1中の
No.1−2にこの試験例に係る食酢の酸度、無塩可溶
性固形分、及び糖組成を示す。なお、酸度、無塩可溶性
固形分、糖組成の分析法は試験例1と同じである。表1
中のNo.1−2から明らかなように、本試験例の食酢
は、後記表2に示した従来の食酢とは異なり、高糖分で
あって、その糖組成が機能性糖類であるイソマルトース
やパノース、イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を
主体とする新規な食酢である。 [試験例3]分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール
発酵と酢酸発酵とを行うことにより得た分岐オリゴ糖高
含有の食酢(表1中のNo.1−3)の調製 市販の分岐オリゴ糖含有糖類(後記表3中のNo.1−
3)を純水にて30%w/wに調整して1000mlを
原料とした。これに酒母(Saccharomyces
cerevisiae Var.ellipoide
usの保存菌から殺菌培地で拡大培養のもの)10ml
と酵母エキス1g、リン酸一カリウム0.5g、リン酸
二アンモニウム0.5gを加え、温度25〜30℃、1
0日間アルコール発酵を行った。発酵後のアルコール濃
度は6.5%v/vであった。これを温度65℃、10
分間加熱して酵母を殺菌した後、アルコール濃度5.5
%v/vに調整した。次に、種酢(Acetobact
er acetiの酢酸発酵液)30mlを加えて、酸
度1.5%に調整した後、温度35〜40℃、10日間
酢酸発酵を行った。発酵後の酢酸濃度5.0%v/w、
アルコール濃度0.3%v/vであった。これを濾過し
て菌体を除き、70℃で10分間加熱処理(殺菌)した
後、非発酵性糖類を主成分とする食酢とした。この食酢
はまろやかなあっさりした酸味と風味とが特徴であっ
た。上記した表1中のNo.1−3に本試験例に係る食
酢の酸度、無塩可溶性固形分、及び糖組成を示す。な
お、酸度、無塩可溶性固形分、糖組成の分析法は試験例
1と同じである。表1中のNo.1−3から明らかなよ
うに、本試験例の食酢は、表2に示した従来の食酢とは
異なり、高糖分であって、その糖組成が機能性糖類であ
るイソマルトースやパノース、イソマルトトリオース糖
の分岐オリゴ糖を主体とする新規な食酢である。下記表
2には、従来の食酢の糖組成(文献)を示した。
アルコール酢 [*分岐オリゴ糖]上記した表1中の食酢No.1−
1、No.1−2は分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用
アルコールとの混合物を酢酸発酵することにより食酢と
なしたものであり、No.1−3は分岐オリゴ糖含有糖
類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵とを行なうことに
より食酢となしたものである。また、No.1−4は市
販のアルコール酢(高酸度醸造酢)である。 [試験例1]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵して得た分岐オリゴ糖高含有
の食酢(表1中のNo.1−1)の調製 市販の分岐オリゴ糖含有糖類(後記表3中のNo.3−
1)と食酢製造用アルコール(純度95%)との混合物
を純水にてアルコール濃度5.5%v/v、糖濃度20
%w/wに調整して、1000mlを原料とした。これ
に酵母エキス1g、リン酸二アンモニウム0.5gと種
酢(Acetobacter acetiの酢酸発酵
液)30mlを加えて、酸度1.5%に調整した後、温
度30℃にて、25日間酢酸発酵を行った。発酵後の酢
酸濃度5.0%v/w、アルコール濃度0.3%v/v
であった。これを濾過して菌体を除き、75℃で加熱処
理して分岐オリゴ糖を主成分とする食酢とした。この食
酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味が特徴であっ
た。上記表1中のNo.1−1に本試験例に係る食酢の
酸度、無塩可溶性固形分及び糖組成を示す。なお、酸度
及び無塩可溶性固形分の分析法は、食酢の日本農林規
格、昭和54年6月8日、農林水産省告示第801号、
第5条(測定方法)で行った。また、糖組成分の分析装
置としてはHPLC(高速液体クロマトグラフィー):
ウォーターズ90型、カラムSCR101N(島津)
(触媒は水)と島津LC4A型、カラムzorbax
NH2(デユポン)(触媒はアセトニトリル:水=7
0:30)を使用した。表1中のNo.1−1から明か
なように、本例の食酢は、後記表2に示した従来の食酢
とは異なり、高糖分であって、その糖組成が機能性糖類
であるイソマルトースやパノース、イソマルトトリオー
ス等の分岐オリゴ糖を主体とする新規な食酢である。 [試験例2]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵して得た分岐オリゴ糖高含有
の食酢(表1中のNo.1−2)の調製 高純度の分岐オリゴ糖含有糖類(後記表3中のNo.3
−5)は、特開平1−98601号(高純度イソマルト
オリゴ糖の製造方法)の実施例に準じて調製したもので
ある。この高純度の分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用
アルコール(純度95%)との混合物を純水にてアルコ
ール濃度5.5%v/v、糖濃度20%w/wに調整し
て、1000mlを原料とした。そして、以下試験例1
と同じ条件で食酢をつくった。この食酢は、まろやかな
あっさりした酸味と風味が特徴であった。上記表1中の
No.1−2にこの試験例に係る食酢の酸度、無塩可溶
性固形分、及び糖組成を示す。なお、酸度、無塩可溶性
固形分、糖組成の分析法は試験例1と同じである。表1
中のNo.1−2から明らかなように、本試験例の食酢
は、後記表2に示した従来の食酢とは異なり、高糖分で
あって、その糖組成が機能性糖類であるイソマルトース
やパノース、イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を
主体とする新規な食酢である。 [試験例3]分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール
発酵と酢酸発酵とを行うことにより得た分岐オリゴ糖高
含有の食酢(表1中のNo.1−3)の調製 市販の分岐オリゴ糖含有糖類(後記表3中のNo.1−
3)を純水にて30%w/wに調整して1000mlを
原料とした。これに酒母(Saccharomyces
cerevisiae Var.ellipoide
usの保存菌から殺菌培地で拡大培養のもの)10ml
と酵母エキス1g、リン酸一カリウム0.5g、リン酸
二アンモニウム0.5gを加え、温度25〜30℃、1
0日間アルコール発酵を行った。発酵後のアルコール濃
度は6.5%v/vであった。これを温度65℃、10
分間加熱して酵母を殺菌した後、アルコール濃度5.5
%v/vに調整した。次に、種酢(Acetobact
er acetiの酢酸発酵液)30mlを加えて、酸
度1.5%に調整した後、温度35〜40℃、10日間
酢酸発酵を行った。発酵後の酢酸濃度5.0%v/w、
アルコール濃度0.3%v/vであった。これを濾過し
て菌体を除き、70℃で10分間加熱処理(殺菌)した
後、非発酵性糖類を主成分とする食酢とした。この食酢
はまろやかなあっさりした酸味と風味とが特徴であっ
た。上記した表1中のNo.1−3に本試験例に係る食
酢の酸度、無塩可溶性固形分、及び糖組成を示す。な
お、酸度、無塩可溶性固形分、糖組成の分析法は試験例
1と同じである。表1中のNo.1−3から明らかなよ
うに、本試験例の食酢は、表2に示した従来の食酢とは
異なり、高糖分であって、その糖組成が機能性糖類であ
るイソマルトースやパノース、イソマルトトリオース糖
の分岐オリゴ糖を主体とする新規な食酢である。下記表
2には、従来の食酢の糖組成(文献)を示した。
【表2】従来の食酢の糖組成(文献:海老根英雄「酢と
ビネガーの品質」食の科学、Vol.63、p54(1
981年)による)(単位:g/100ml) 上記文献における引用は、伊藤寛「食酢」日本醸造協会
誌、vol.73のp203(1978年)に基づく
が、食酢の糖類の解説としては、「グルコースが主要な
糖で、これに次ぎフラクトースが多い。その他、シュク
ロース、マルトース、リボース、マンノース、アラビノ
ース、キシロース、ガラクトース、ラフィノース、セロ
ビオースなどがある。糖アルコールとしてグリセロール
とソルビトールが含まれる。」としている。表2と既述
した表1との対比から明らかなように、本試験例の特徴
であるイソマルトース、パノース、イソマルトトリオー
ス等の分岐オリゴ糖を糖成分として含有する食酢は、従
来の技術にはなかったものである。
ビネガーの品質」食の科学、Vol.63、p54(1
981年)による)(単位:g/100ml) 上記文献における引用は、伊藤寛「食酢」日本醸造協会
誌、vol.73のp203(1978年)に基づく
が、食酢の糖類の解説としては、「グルコースが主要な
糖で、これに次ぎフラクトースが多い。その他、シュク
ロース、マルトース、リボース、マンノース、アラビノ
ース、キシロース、ガラクトース、ラフィノース、セロ
ビオースなどがある。糖アルコールとしてグリセロール
とソルビトールが含まれる。」としている。表2と既述
した表1との対比から明らかなように、本試験例の特徴
であるイソマルトース、パノース、イソマルトトリオー
ス等の分岐オリゴ糖を糖成分として含有する食酢は、従
来の技術にはなかったものである。
【表3】本実施例に係る分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、
低DE水飴の性状 [*分岐オリゴ糖]表3中、糖化製品No.3−1は市
販の分岐オリゴ糖含有糖類である。No.3−3は分岐
オリゴ糖含有糖類(No.3−1)と低DE水飴(No.
3−9)を固形比60:40に混合した分岐オリゴ糖含
有糖類である。No.3−5は特開平1−98601号
(高純度イソマルトオリゴ糖の製造方法)の実施例に準
じて調製した高純度の分岐オリゴ糖含有糖類である。N
o.3−7は酵素糖化法による市販の水飴であり、DE
はレーン・エイノン法で25.2である。No.3−9
は低DE水飴であるが、酵素糖化法による澱粉液化液を
精製、濃縮したものである。即ち、澱粉乳液にα−アミ
ラーゼの適量を加えて、ジェットクッカーを用いて蒸気
と混合し、瞬時に105〜107℃に加熱し、パイプ内
で約5〜10分間滞留させて大気に解放し、所定のDE
まで反応を進めた後、加熱してα−アミラーゼ失活させ
た澱粉液化液をイオン交換精製、活性炭精製、濃縮して
調整した低DE水飴であり、DEはレーン・エイノン法
で15.1である。糖化製品No.3−2、No.3−
4、No.3−6、No.3−8、No.3−10は分岐
オリゴ糖含有糖類であるNo.3−1、No.3−3、N
o.3−5を、水飴であるNo.3−7を、低DE水飴で
あるNo.3−9を所定の濃度に希釈し、乾燥室径2,
000mm、乾燥室の高さ4,900mmの噴霧乾燥装
置を使用し、以下の条件で噴霧乾燥したものである。 (糖液条件)水分32%、固形分58%、品温30℃ (乾燥条件) 噴霧方式:高速回転ディスク方式 回転数:24,000r.p.m. 熱風温度:入口100℃、出口70℃ 処理量:20kg/h (噴霧乾燥により出来た粉末糖) 平均粒子径:30〜60ミクロン 粒子の形状:球形(多孔質) 粉末糖水分:2〜5% 当該液状の分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴を
噴霧乾燥することにより、球形で多孔質の粉末分岐オリ
ゴ糖含有糖類、粉末水飴、粉末低DE水飴を調製した。 [実施例1]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵することにより得た分岐オリ
ゴ糖高含有の食酢(表1中のNo.1−1)10kgに
市販のアルコール酢(表1中のNo.1−4)4kgを
混合した。これに粉末化基材として低DE水飴(表3中
のNo.3−10)8kgを添加溶解した混合物を品温
30℃とし、乾燥室径2,000mm、乾燥室の高さ
4,900mmの噴霧乾燥装置を使用し、高速回転ディ
スク方式の回転数30,000r.p.m、熱風入口温
度100℃、出口温度70℃、処理量20kg/hの条
件での噴霧乾燥したところ分岐オリゴ糖を含有する粉末
食酢約10.8kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有す
る粉末食酢について試験例1に示した方法で酸度と糖組
成を求めたところ試料重量に対する百分比は酸度8.9
%、分岐オリゴ糖含有量12.0%であった。上記のよ
うにして得られた分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢は、
まろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に
加えて機能性糖類であるイソマルトースやパノース、イ
ソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を含有することに
より体調調節機能性を併せもつものであり、また、微生
物汚染及び団結性の問題もなく取り扱いも簡便であるこ
と、溶解性および溶解時の粘性等の品質も優れているこ
とから、調味料素材をはじめとする多分野において新規
な機能性粉末食酢として極めて有効なものである。 [実施例2]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵することにより得た分岐オリ
ゴ糖高含有の食酢(表1中のNo.1−2)10kgに
市販のアルコール酢(表1中のNo.1−4)6kgを
混合した。これに粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖
類(表3中のNo.3−4)11kgを添加溶解した混
合物を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オ
リゴ糖を含有する粉末食酢約14kgを得た。この分岐
オリゴ糖を含有する粉末食酢は、実施例1にしたがって
分析したところ酸度8.8%、分岐オリゴ糖含有量4
2.4%であった。上記のようにして得られた分岐オリ
ゴ糖を含有する粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸
味と風味をもち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖に
よる体調調節機能性があること、また、微生物汚染およ
び固結性の問題もなく取扱いも簡便であること、溶解性
および溶解時の粘性等の品質も優れていることなど、新
規な機能性粉末食酢として極めて有効なものである。 [実施例3]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
−ルとの混合物を酢酸発酵することにより得た分岐オリ
ゴ糖高含有の食酢(表1中のNo.1−2)25Kgを
実施例1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オリゴ糖
を含有する粉末食酢約5Kgを得た。この分岐オリゴ糖
を含有する粉末食酢は、実施例1にしたがって分析した
ところ酸度6.1%、分岐オリゴ糖含有量80.2%で
あった。上記のようにして得られた分岐オリゴ糖を含有
する粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味を
持ち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖による体調調
節機能性があること、また、微生物汚染及び固結性の問
題もなく取扱いも簡便であること、溶解性および溶解時
の粘性等の品質も優れていることなど、新規な機能性粉
末食酢として極めて有効なものである。 [実施例4]分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール
発酵と酢酸発酵とを行なうことにより得た分岐オリゴ糖
高含有の食酢(表1中のNo.1−3)10kgに、粉
末化基材として市販の水飴(表3中のNo.3−7)1
0kgを添加溶解した混合物を実施例1と同じ条件で噴
霧乾燥したところ分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢約9
kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢は、
実施例1にしたがって分析したところ酸度4.3%、分
岐オリゴ糖含有量14.5%であった。上記のようにし
て得られた分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢は、まろや
かなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能があるこ
と、分岐オリゴ糖による体調調節機能性があること、ま
た、微生物汚染および固結性の問題もなく取扱いも簡便
であること、溶解性および溶解時の粘性等の品質も優れ
ていることなど、新規な機能性粉末食酢として極めて有
効なものである。 [実施例5]分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコ−ル
発酵と酢酸発酵とを行うことにより得た分岐オリゴ糖高
含有の食酢(表1中のNo.1−3)25Kgを実施例
1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オリゴ糖を含有
する粉末食酢約4Kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有
する粉末食酢は、実施例1にしたがって分析したとこ
ろ、酸度5.5%、分岐オリゴ糖含有量87.6%であ
った。上記のようにして得られた分岐オリゴ糖を含有す
る粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味をも
ち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖による体調調節
機能性があること、また、微生物汚染および固結性の問
題もなく取扱いも簡便であること、溶解性および溶解時
の粘性等の品質も優れていることなど、新規な機能性粉
末食酢として極めて有効なものである。 [実施例6]市販のアルコール酢(表1中のNo.1−
4)10kgに、粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖
類(表3中のNo.3−1)15kgを添加溶解した混
合物を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オ
リゴ糖を含有する粉末食酢約13kgを得た。この分岐
オリゴ糖を含有する粉末食酢は、実施例1にしたがって
分析したところ酸度10.5%、分岐オリゴ糖含有量5
9.0%であった。上記のようにして得られた分岐オリ
ゴ糖を含有する粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸
味と風味をもち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖に
よる体調調節機能性があること、また、微生物汚染およ
び固結性の問題もなく取扱いも簡便であること、溶解性
および溶解時の粘性等の品質も優れていることなど、新
規な機能性粉末食酢として極めて有効なものである。 [実施例7]実施例4と同様に、市販のアルコール酢
(表1中のNo.1−4)10kgに、粉末化基材とし
て分岐オリゴ糖含有糖類(表3中のNo.3−3)20
kgを添加溶解した混合物を噴霧乾燥して、分岐オリゴ
糖を含有する粉末食酢約15.6kgを得た。上記のよ
うにして得られた粉末食酢は、実施例1と同様な特性を
有していたが酸度8.7%、分岐オリゴ糖含有量36.
2%であった。 [実施例8]実施例4と同様に、市販のアルコール酢
(表1中のNo.1−4)10kgに、粉末化基材とし
て分岐オリゴ糖含有糖類(表3中のNo.3−5)16
kgを添加溶解した混合物を噴霧乾燥して、分岐オリゴ
糖を含有する粉末食酢約13.7kgを得た。上記のよ
うにして得られた粉末食酢は、実施例1と同様な特性を
有していたが酸度9.9%、分岐オリゴ糖含有量75.
6%であった。 [比較例1〜3]市販の粉末食酢を分析し、本実施例の
分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢と酸度、糖組成を比較
した。酸度、糖組成の分析法は実施例1と同じであり、
試料重量に対する百分比で示した。この分析結果を表4
に示す。
低DE水飴の性状 [*分岐オリゴ糖]表3中、糖化製品No.3−1は市
販の分岐オリゴ糖含有糖類である。No.3−3は分岐
オリゴ糖含有糖類(No.3−1)と低DE水飴(No.
3−9)を固形比60:40に混合した分岐オリゴ糖含
有糖類である。No.3−5は特開平1−98601号
(高純度イソマルトオリゴ糖の製造方法)の実施例に準
じて調製した高純度の分岐オリゴ糖含有糖類である。N
o.3−7は酵素糖化法による市販の水飴であり、DE
はレーン・エイノン法で25.2である。No.3−9
は低DE水飴であるが、酵素糖化法による澱粉液化液を
精製、濃縮したものである。即ち、澱粉乳液にα−アミ
ラーゼの適量を加えて、ジェットクッカーを用いて蒸気
と混合し、瞬時に105〜107℃に加熱し、パイプ内
で約5〜10分間滞留させて大気に解放し、所定のDE
まで反応を進めた後、加熱してα−アミラーゼ失活させ
た澱粉液化液をイオン交換精製、活性炭精製、濃縮して
調整した低DE水飴であり、DEはレーン・エイノン法
で15.1である。糖化製品No.3−2、No.3−
4、No.3−6、No.3−8、No.3−10は分岐
オリゴ糖含有糖類であるNo.3−1、No.3−3、N
o.3−5を、水飴であるNo.3−7を、低DE水飴で
あるNo.3−9を所定の濃度に希釈し、乾燥室径2,
000mm、乾燥室の高さ4,900mmの噴霧乾燥装
置を使用し、以下の条件で噴霧乾燥したものである。 (糖液条件)水分32%、固形分58%、品温30℃ (乾燥条件) 噴霧方式:高速回転ディスク方式 回転数:24,000r.p.m. 熱風温度:入口100℃、出口70℃ 処理量:20kg/h (噴霧乾燥により出来た粉末糖) 平均粒子径:30〜60ミクロン 粒子の形状:球形(多孔質) 粉末糖水分:2〜5% 当該液状の分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴を
噴霧乾燥することにより、球形で多孔質の粉末分岐オリ
ゴ糖含有糖類、粉末水飴、粉末低DE水飴を調製した。 [実施例1]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵することにより得た分岐オリ
ゴ糖高含有の食酢(表1中のNo.1−1)10kgに
市販のアルコール酢(表1中のNo.1−4)4kgを
混合した。これに粉末化基材として低DE水飴(表3中
のNo.3−10)8kgを添加溶解した混合物を品温
30℃とし、乾燥室径2,000mm、乾燥室の高さ
4,900mmの噴霧乾燥装置を使用し、高速回転ディ
スク方式の回転数30,000r.p.m、熱風入口温
度100℃、出口温度70℃、処理量20kg/hの条
件での噴霧乾燥したところ分岐オリゴ糖を含有する粉末
食酢約10.8kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有す
る粉末食酢について試験例1に示した方法で酸度と糖組
成を求めたところ試料重量に対する百分比は酸度8.9
%、分岐オリゴ糖含有量12.0%であった。上記のよ
うにして得られた分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢は、
まろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に
加えて機能性糖類であるイソマルトースやパノース、イ
ソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を含有することに
より体調調節機能性を併せもつものであり、また、微生
物汚染及び団結性の問題もなく取り扱いも簡便であるこ
と、溶解性および溶解時の粘性等の品質も優れているこ
とから、調味料素材をはじめとする多分野において新規
な機能性粉末食酢として極めて有効なものである。 [実施例2]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵することにより得た分岐オリ
ゴ糖高含有の食酢(表1中のNo.1−2)10kgに
市販のアルコール酢(表1中のNo.1−4)6kgを
混合した。これに粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖
類(表3中のNo.3−4)11kgを添加溶解した混
合物を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オ
リゴ糖を含有する粉末食酢約14kgを得た。この分岐
オリゴ糖を含有する粉末食酢は、実施例1にしたがって
分析したところ酸度8.8%、分岐オリゴ糖含有量4
2.4%であった。上記のようにして得られた分岐オリ
ゴ糖を含有する粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸
味と風味をもち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖に
よる体調調節機能性があること、また、微生物汚染およ
び固結性の問題もなく取扱いも簡便であること、溶解性
および溶解時の粘性等の品質も優れていることなど、新
規な機能性粉末食酢として極めて有効なものである。 [実施例3]分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
−ルとの混合物を酢酸発酵することにより得た分岐オリ
ゴ糖高含有の食酢(表1中のNo.1−2)25Kgを
実施例1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オリゴ糖
を含有する粉末食酢約5Kgを得た。この分岐オリゴ糖
を含有する粉末食酢は、実施例1にしたがって分析した
ところ酸度6.1%、分岐オリゴ糖含有量80.2%で
あった。上記のようにして得られた分岐オリゴ糖を含有
する粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味を
持ち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖による体調調
節機能性があること、また、微生物汚染及び固結性の問
題もなく取扱いも簡便であること、溶解性および溶解時
の粘性等の品質も優れていることなど、新規な機能性粉
末食酢として極めて有効なものである。 [実施例4]分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール
発酵と酢酸発酵とを行なうことにより得た分岐オリゴ糖
高含有の食酢(表1中のNo.1−3)10kgに、粉
末化基材として市販の水飴(表3中のNo.3−7)1
0kgを添加溶解した混合物を実施例1と同じ条件で噴
霧乾燥したところ分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢約9
kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢は、
実施例1にしたがって分析したところ酸度4.3%、分
岐オリゴ糖含有量14.5%であった。上記のようにし
て得られた分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢は、まろや
かなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能があるこ
と、分岐オリゴ糖による体調調節機能性があること、ま
た、微生物汚染および固結性の問題もなく取扱いも簡便
であること、溶解性および溶解時の粘性等の品質も優れ
ていることなど、新規な機能性粉末食酢として極めて有
効なものである。 [実施例5]分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコ−ル
発酵と酢酸発酵とを行うことにより得た分岐オリゴ糖高
含有の食酢(表1中のNo.1−3)25Kgを実施例
1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オリゴ糖を含有
する粉末食酢約4Kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有
する粉末食酢は、実施例1にしたがって分析したとこ
ろ、酸度5.5%、分岐オリゴ糖含有量87.6%であ
った。上記のようにして得られた分岐オリゴ糖を含有す
る粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸味と風味をも
ち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖による体調調節
機能性があること、また、微生物汚染および固結性の問
題もなく取扱いも簡便であること、溶解性および溶解時
の粘性等の品質も優れていることなど、新規な機能性粉
末食酢として極めて有効なものである。 [実施例6]市販のアルコール酢(表1中のNo.1−
4)10kgに、粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖
類(表3中のNo.3−1)15kgを添加溶解した混
合物を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥したところ分岐オ
リゴ糖を含有する粉末食酢約13kgを得た。この分岐
オリゴ糖を含有する粉末食酢は、実施例1にしたがって
分析したところ酸度10.5%、分岐オリゴ糖含有量5
9.0%であった。上記のようにして得られた分岐オリ
ゴ糖を含有する粉末食酢は、まろやかなあっさりした酸
味と風味をもち、酢の効能があること、分岐オリゴ糖に
よる体調調節機能性があること、また、微生物汚染およ
び固結性の問題もなく取扱いも簡便であること、溶解性
および溶解時の粘性等の品質も優れていることなど、新
規な機能性粉末食酢として極めて有効なものである。 [実施例7]実施例4と同様に、市販のアルコール酢
(表1中のNo.1−4)10kgに、粉末化基材とし
て分岐オリゴ糖含有糖類(表3中のNo.3−3)20
kgを添加溶解した混合物を噴霧乾燥して、分岐オリゴ
糖を含有する粉末食酢約15.6kgを得た。上記のよ
うにして得られた粉末食酢は、実施例1と同様な特性を
有していたが酸度8.7%、分岐オリゴ糖含有量36.
2%であった。 [実施例8]実施例4と同様に、市販のアルコール酢
(表1中のNo.1−4)10kgに、粉末化基材とし
て分岐オリゴ糖含有糖類(表3中のNo.3−5)16
kgを添加溶解した混合物を噴霧乾燥して、分岐オリゴ
糖を含有する粉末食酢約13.7kgを得た。上記のよ
うにして得られた粉末食酢は、実施例1と同様な特性を
有していたが酸度9.9%、分岐オリゴ糖含有量75.
6%であった。 [比較例1〜3]市販の粉末食酢を分析し、本実施例の
分岐オリゴ糖を含有する粉末食酢と酸度、糖組成を比較
した。酸度、糖組成の分析法は実施例1と同じであり、
試料重量に対する百分比で示した。この分析結果を表4
に示す。
【表4】市販の粉末食酢と本実施例の分岐オリゴ糖を含
有する粉末食酢の酸度及び糖組成分析結果 [*分岐オリゴ糖]表4に示す如く、従来の粉末食酢で
ある市販の粉末食酢と比較して、本実施例に係る分岐オ
リゴ糖を含有する粉末食酢は、その糖組成が異なり、イ
ソマルトース、パノース、イソマルトトリオースなどの
分岐オリゴ糖を含有することと、その含有量が粉末食酢
100gあたり分岐オリゴ糖を10g以上含有すること
が特徴であることが分かる。
有する粉末食酢の酸度及び糖組成分析結果 [*分岐オリゴ糖]表4に示す如く、従来の粉末食酢で
ある市販の粉末食酢と比較して、本実施例に係る分岐オ
リゴ糖を含有する粉末食酢は、その糖組成が異なり、イ
ソマルトース、パノース、イソマルトトリオースなどの
分岐オリゴ糖を含有することと、その含有量が粉末食酢
100gあたり分岐オリゴ糖を10g以上含有すること
が特徴であることが分かる。
【発明の効果】本発明は、分岐オリゴ糖を含有せしめた
粉末食酢に関するもので、更に詳しくは分岐オリゴ糖含
有糖類と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵す
ることにより食酢となしたもの、或いは分岐オリゴ糖含
有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵とを行なうこ
とにより食酢となしたものに、必要によってアルコール
酢及び/又は粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖類、
水飴或いは低DE水飴などを添加溶解し、噴霧乾燥法に
て粉末化するか、又はアルコール酢に対して粉末化基材
として特に分岐オリゴ糖含有糖類を選んで添加溶解し、
噴霧乾燥法にて粉末化するもので、本発明により得られ
る粉末食酢は従来からある粉末食酢とは基材の糖組成が
異なって、機能性糖類であるイソマルトース、パノー
ス、イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を含有する
ものである。本発明による粉末食酢は、まろやかなあっ
さりとした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて、分岐
オリゴ糖高含有により体調調節機能性とを併せもつもの
であり、家庭用、業務用、加工副原料、調味料、飲料、
各種食物用、飼料、健康食品、機能性食品、医薬、化粧
品、洗剤、タバコ等々の多くの分野に利用される新規な
粉末食酢である。
粉末食酢に関するもので、更に詳しくは分岐オリゴ糖含
有糖類と食酢製造用アルコールとの混合物を酢酸発酵す
ることにより食酢となしたもの、或いは分岐オリゴ糖含
有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵とを行なうこ
とにより食酢となしたものに、必要によってアルコール
酢及び/又は粉末化基材として分岐オリゴ糖含有糖類、
水飴或いは低DE水飴などを添加溶解し、噴霧乾燥法に
て粉末化するか、又はアルコール酢に対して粉末化基材
として特に分岐オリゴ糖含有糖類を選んで添加溶解し、
噴霧乾燥法にて粉末化するもので、本発明により得られ
る粉末食酢は従来からある粉末食酢とは基材の糖組成が
異なって、機能性糖類であるイソマルトース、パノー
ス、イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を含有する
ものである。本発明による粉末食酢は、まろやかなあっ
さりとした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて、分岐
オリゴ糖高含有により体調調節機能性とを併せもつもの
であり、家庭用、業務用、加工副原料、調味料、飲料、
各種食物用、飼料、健康食品、機能性食品、医薬、化粧
品、洗剤、タバコ等々の多くの分野に利用される新規な
粉末食酢である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 額田 寛 群馬県高崎市大八木町622番地 群栄化 学工業株式会社内 (72)発明者 都木 昭次 群馬県高崎市大八木町622番地 群栄化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−227777(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12J 1/00 1/10 JICST/JAFIC(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】分岐オリゴ糖含有糖類と食酢製造用アルコ
ールとの混合物を酢酸発酵することにより食酢となした
ものに、必要によってアルコール酢及び/又は粉末化基
材を添加溶解し、噴霧乾燥法にて粉末化することにより
得られることを特徴とする新規な粉末食酢。 - 【請求項2】分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール
発酵と酢酸発酵とを行うことにより食酢となしたもの
に、必要によってアルコール酢及び/又は粉末化基材を
添加溶解し、噴霧乾燥法にて粉末化することにより得ら
れることを特徴とする新規な粉末食酢。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30519591A JP3148935B2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 新規な粉末食酢 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30519591A JP3148935B2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 新規な粉末食酢 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05111375A JPH05111375A (ja) | 1993-05-07 |
JP3148935B2 true JP3148935B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=17942198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30519591A Expired - Fee Related JP3148935B2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 新規な粉末食酢 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3148935B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014181973A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Tanita Corp | 湿球黒球温度測定装置 |
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---|---|---|---|---|
JP5937884B2 (ja) * | 2012-05-09 | 2016-06-22 | ライオン株式会社 | 飲食品 |
CN105733918B (zh) * | 2016-02-29 | 2018-10-19 | 南京益生健生物技术有限公司 | 一种制备降血脂醋粉的方法 |
KR101876883B1 (ko) * | 2016-11-15 | 2018-08-07 | 최성조 | 파인애플 분말 식초의 제조방법 |
-
1991
- 1991-10-23 JP JP30519591A patent/JP3148935B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014181973A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Tanita Corp | 湿球黒球温度測定装置 |
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---|---|
JPH05111375A (ja) | 1993-05-07 |
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