JPH06169720A - 粉末発酵調味料 - Google Patents

粉末発酵調味料

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JPH06169720A
JPH06169720A JP4350454A JP35045492A JPH06169720A JP H06169720 A JPH06169720 A JP H06169720A JP 4350454 A JP4350454 A JP 4350454A JP 35045492 A JP35045492 A JP 35045492A JP H06169720 A JPH06169720 A JP H06169720A
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JP
Japan
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branched
powdered
fermented seasoning
alcohol
seasoning
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JP4350454A
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English (en)
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Shoichi Hirooka
正一 広岡
Yuji Miyashita
雄次 宮下
Takanao Kimura
高尚 木村
Sachiko Kurihara
幸子 栗原
Hiroshi Nukada
寛 額田
Shoji Tsugi
昭次 都木
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、まろやかでこくのある芳醇な風味を
持ちながら、分岐オリゴ糖高含有により体調調節機能性
を持つ粉末発酵調味料の提供を目的とする。 【構成】本発明の粉末発酵調味料は分岐オリゴ糖含有糖
類をアルコール発酵することにより発酵調味料となした
ものに、醸造用アルコール及び/又は粉末化基材として
分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴などを添加溶
解し、噴霧乾燥法にて粉末化し得られるものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は粉末発酵調味料に関し、
更に詳しくは、家庭用、業務用又は各種食品の加工用等
々として好適な粉末発酵調味料に関する。即ち、本発明
の粉末発酵調味料は、まろやかでこくのある芳醇な風味
をもちながら、分岐オリゴ糖高含有により体調調節機能
性を持つもので、家庭用における利用を始め、かまぼ
こ、竹輪、揚げかまなどの水産練製品、佃煮、味付の
り、みりん干、塩辛、珍味などの水産加工品、餃子、シ
ューマイなどの中華惣菜、煮物、和え物などの和風惣
菜、ハンバーグなどの洋風惣菜等の惣菜類、めんつゆ、
天つゆなどの粉末つゆ類、コーンスープ、ポタージュス
ープなどの粉末スープ類、焼肉のタレ、蒲焼きのタレな
どの粉末タレ類、ハンバーグソース、デミグラスソー
ス、パスタソースなどの粉末ソース類、ハム、ソーセー
ジ、ベーコンなどの畜肉加工品、醤油漬、酢漬、粕漬、
浅漬などの漬物、生中華麺、生うどん、餃子の皮などの
小麦粉加工品、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング
などの粉末洋風酸味調味品、ポン酢、すし酢、サラダ酢
などの粉末和風酸味調味品、飲料、酒類、米飯、パン、
米菓、和菓子、洋菓子、冷菓、缶詰、びん詰、チューブ
詰、乳製品、ペースト類、ジャム、カレー、ふりかけ、
天ぷら粉および調味済食品、即席飲食品、粉末タイプ食
品等の各種食物用としての利用、更には、餌料、飼料、
ペットフード等として家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚
等の飼育用としての利用、肥料、土壌改良剤等用として
の利用、果実、野菜、草花などの作物育成用としての利
用、化粧水、口紅、リップクリーム等の化粧品用として
の利用、健康食品、機能性食品用としての利用、口中清
涼剤、うがい薬、内服薬等の医薬用としての利用、その
他歯みがき、洗髪料、洗剤、入浴剤等の各種日用品とし
ての利用、あるいは、タバコ等々の各種の多分野に利用
できる粉末発酵調味料に関する。
【従来の技術】古来より、みりん、清酒などの酒類は料
理や食品の味をよくする為、飲料としてばかりでなく幅
広く使用されてきた。日本においては特にみりんが使わ
れてきたが、これはみりんの有する芳醇な香りと呈味成
分が料理や加工食品の風味を向上、調整する効果がある
ことによる。例えば、テリ、ツヤの付与、嫌な臭い
のマスキング効果、上品な甘味の付与、上品なうま
味の付与、塩味、酸味の緩和作用、油劣化防止など
である。みりんはわが国独特の高糖分のアルコール調味
料である。みりんは酒税法における酒類に分類され、そ
の本みりんに該当するものは次のように定義されてい
る。米及び米麹に焼酎またはアルコールを加えて濾し
たもの、米、米麹及び焼酎またはアルコールにみりん
その他政令で定める物品を加えて濾したもの、である。
即ち、みりんは主原料として米(もち米、うるち米)、
焼酎またはアルコールを用いるが、その他酒税法で許可
されているとうもろこし、ぶどう糖、水飴、たんぱく質
分解物、有機酸類、アミノ酸塩などを用いてアルコール
存在下での熟成工程により作られているアルコール調味
料である。一方、みりんの代替品として酒税法の酒類に
は含まれない「みりん類似調味料」が相当量利用されて
いる。これには食塩を含んでいる塩みりん系の「発酵調
味料」と甘味系の「みりん風調味料」とがある。前記発
酵調味料は酒類の醸造形式を基本とするもので、一般に
は、米、米麹を主原料として、食塩の存在下でのアルコ
ール発酵工程と発酵液に種々の糖質などの原料を加えて
消化熟成させる熟成工程によりつくられているアルコー
ル系調味料である。前記みりん風調味料は発酵形式を伴
わず、アルコール存在下での熟成工程もなく、主原料の
水飴、ぶどう糖に有機酸類、アミノ酸類、香料、香味な
どを混合してつくられるアルコール分1%未満の甘味調
味料である。これら調味料等を分類すると、酒類の「み
りん」と、非酒類の「発酵調味料」と、「みりん風調味
料」とに大別されるが、一般的にはその主成分は次の通
りである。即ち、みりんはアルコール分13.5〜1
4.4%、糖分43〜48%である。発酵調味料はアル
コール分7〜13%、糖分10〜30%、食塩2%程度
である。みりん風調味料はアルコール分0.5〜0.9
%、糖分40〜60%である。以上に説明した如く、従
来における発酵調味料、みりん、みりん風調味料等は原
料、製法、品質は異なるものであるが、基本的には澱粉
質原料からの糖化物を最大限利用する原理に基づくた
め、糖分としてはいずれも澱粉の構成単位であるグルコ
ースを高濃度に含有するものであった。これらの調味料
等は製造原理上からも液状品が主体であるが、食生活の
多様化、高級化、簡便化が進むなかで、粉末タイプの要
求も高まっている。即ち粉末化することにより、醸造物
としての効果に加えて、好ましいテクスチャーが得ら
れ、フレーバーが安定に保持される。好ましい形態性
状として新しい用途が得られる。重量あるいは容量を
減らし、軽減化による包装、輸送、貯蔵のコストが下げ
られる。水分活性が低下して保存安定性が増す。安
定で良質の食品を必要な時、即座に消費者に提供するこ
とができる等である。このため酒類及びアルコール含有
食品等の粉末技術に関する研究が鋭意行われ、例えば特
公昭59−37074号、特公昭62−6780号な
ど、粉末化基材として澱粉加水分解物等を高度に利用し
て粉末化する方法が提示されている。これら従来の粉末
タイプについては、例えば栗栖敏郎[調味料香気成分の
粉末化と保持技術]フードケミカル、1987年、11
月号(100〜105頁)に詳細に説明されているが、
これに対して本発明である分岐オリゴ糖高含有の粉末発
酵調味料については従来の技術には見出すことは出来な
いものである。
【発明が解決しようとする課題】近年、我が国では食生
活が多様化し、加工食品、調理済食品、ファーストフー
ド等の利用が急激に増加する一方で、消費者の健康指向
が極めて高まっていることから、健康に対して付加価値
をもった食品素材や加工食品の開発が大いに期待されて
いる。本発明は、このような状況に鑑みて開発、完成さ
れたものであり、機能性オリゴ糖高含有により体調調節
機能性をもつ粉末発酵調味料を提供することにある。即
ち、本発明は、まろやかでこくのある芳醇な風味を持ち
ながら、機能性糖類であるイソマルトースやパノース、
イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖高含有により体
調調節機能性を併せもつ粉末発酵調味料を提供するもの
である。
【発明の構成】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粉末発酵調
味料は、分岐オリゴ糖高含有であることを特徴とするも
のである。即ち、本発明は、分岐オリゴ糖含有糖類をア
ルコール発酵することにより発酵調味料となしたもの
に、醸造用アルコール及び/又は粉末化基材として分岐
オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴などを添加溶解
し、噴霧乾燥を実施することにより得られる粉末発酵調
味料に関するものである。以下に本発明を詳しく説明す
る。分岐オリゴ糖は、非発酵性糖類とも称せられ、特に
日本古来の伝統的酒類である清酒中に存在するオリゴ糖
として詳細に研究されてきた。即ち、イソマルトース
(分子内にα−1,6グルコシド結合を有する二糖
類)、パノース(分子内にα−1,6とα−1,4グル
コシド結合を有する三糖類)、イソマルトトリオース
(分子内にα−1,6グルコシド結合を有する三糖類)
等である。これらの分岐オリゴ糖は、みりん、清酒のう
ま味、こく味に関与する成分であり、分岐オリゴ糖含有
糖類製品で、その糖成分が酒税法に適合するものは、醸
造用糖類としても利用されている。また、分岐オリゴ糖
はビフィズス菌因子であり、かつ、低う蝕性などの体調
調節機能性があることが知られている。分岐オリゴ糖の
製造方法に関しては特開昭56−51982号、特開昭
61−124389号、特開昭63−291588号、
更に高純度製品に関する特開平1−98601号など多
くの方法が示されている。特に本発明に用いる分岐オリ
ゴ糖含有糖類の製造方法の制限はないが、その品質にお
いては醸造用糖類のうち、醸造用水飴規格に適合する分
岐オリゴ糖含有糖類を用いることが望ましい。これらの
製法上の基本は、マルトースを生成するアミラーゼを主
体とし、これに糖の転移作用を有する酵素を作用させる
ものである。即ち、この反応は転移酵素がマルトースに
作用分解して生じたグルコースが受容体としてのグルコ
ースやマルトースに転移してイソマルトースやパノース
等を生成するものであるが、分岐オリゴ糖の生成が進行
するにつれてグルコースが副生し、また未反応のマルト
ースもあるために、反応液は非発酵性糖類の分岐オリゴ
糖を主体とするが、発酵性糖類であるグルコース、マル
トースも副生糖分として含有するものである。またクロ
マト分離法により、分岐オリゴ糖含有糖類中の発酵性糖
類のグルコースをほとんど除去して、非発酵性糖類を高
純度とした分岐オリゴ糖含有糖類も出来る。本発明にお
いて、分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵させる原
理的な理由は、分岐オリゴ糖がみりん、清酒のうま味、
こく味の成分である如く、アルコール発酵によりつくら
れる発酵調味料の糖成分としてなじみ易いことと、分岐
オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵することにより香味
の優れた発酵調味料が得られることにある。即ち、アル
コール発酵液に後から分岐オリゴ糖含有糖類を加えるこ
とは容易であるが、この方法では、アルコール発酵によ
って得られる呈味成分及び香気成分において、本発明の
発酵調味料とは明白な差がある。アルコール発酵の原理
は酵母を糖液中で嫌気的に培養することにより行われる
が、酵母としては一般に糖からのアルコール生成率の高
いサッカロミセス(Saccharomyces)属が
利用される。例えばサッカロミセス・セレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae)、サ
ッカロミセス・フォルモセンティス(Saccharo
myces formosensis)、サッカロミセ
ス・エリプソイデス(Saccharomyces e
llipsoideus)、サッカロミセス・フラギル
ス(Saccharomycesfragilis)等
が用いられるが、本発明におけるアルコール発酵のため
の酵母の種類は問わない。分岐オリゴ糖含有糖類をアル
コール発酵するための条件としては、糖濃度5%以上、
発酵温度5〜35℃、発酵期間5〜20日が望ましい
が、固定化増殖菌体等による連続発酵方式も可能であ
る。このようにして得られた発酵調味料に対して、醸造
用アルコール及び/又は粉末化基材として分岐オリゴ糖
含有糖類、水飴、低DE水飴などを添加溶解し、噴霧乾
燥を実施することにより分岐オリゴ糖を含有する粉末発
酵調味料を得るものである。本発明において、粉末化基
材として分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴など
の澱粉糖化物を用いる原理は、これらが噴霧乾燥法にお
ける粉末化基材としての噴霧性、香気成分保持性等が優
れていることによる。分岐オリゴ糖含有糖類は、イソマ
ルトース、パノース、イソマルトトリオースなどの分岐
オリゴ糖を主体に含有するものであるが、本発明におけ
る分岐オリゴ糖含有糖類とは、日本健康・栄養食品協会
の「オリゴ糖類食品」または「オリゴ糖類含有食品」の
規格基準に適合できる資質を有するものである。即ち、
オリゴ糖類食品」とは、オリゴ糖類を製品固形物中50
%以上含有しているものをいう。また、「オリゴ糖含有
食品」とは、オリゴ糖類を製品固形物中10%以上50
%未満含有しているものをいう。従って、本発明におけ
る分岐オリゴ糖含有糖類は、少なくとも分岐オリゴ糖を
製品固形物中10%以上含有しているものである。な
お、分岐オリゴ糖含有糖類の粉末化に関しては、特開平
1−91800号が公知となっている。水飴は澱粉加水
分解工業における主要製品である。澱粉を酸または酵素
で加水分解すると、その分解条件により異なる組成の、
各種の中間生成物の混合物が得られるが、甘味度、溶解
性、粘性、結晶性、吸湿性、その他の性状が連続的に変
化する。この澱粉の加水分解の程度は、世界共通の指標
としてDE(dextrose equivalen
t)で表示されている。水飴は食品国際規格ではDE2
0以上と決められているが、一般にその上限はDE50
程度であり、また、DE20以下は低DE水飴と呼ばれ
ている。粉末化基材としての水飴は、DEが高くなると
保水性が低下し、従って水分を少なくしなければ粉末状
を保持できず、また、吸湿性もDEに比例して大となる
ので、高DEの水飴は粉末化基材には適さない。一方、
DE10以下で一般に「デキストリン」と呼ばれる製品
では、比較的高分子のデキストリンを主体とし、その含
有割合も高いため溶解性が劣り、かつ粘性が大となるた
め噴霧乾燥用の粉末化基材としては好ましくないもので
ある。本発明における粉末化基材としての水飴は、DE
30以下かあるいは低DE水飴の範囲のものが必要であ
る。即ち、DE10〜20の低DE水飴あるいはDE2
0〜30の水飴は、比較的低分子のデキストリンを主体
とし、その含有割合も低いので、溶解性、粘性に優れ、
かつ保水性、吸湿性も実用上適切な範囲であり、これら
は容易に白色粉末に噴霧乾燥可能で、製菓関係、アイス
クリーム、酒造用糖類、調味料、健康食品等に広く利用
されている。これらについては、例えば[澱粉科学ハン
ドブック]朝倉書店、1977(430〜441頁)に
詳細な説明がある。本発明に用いる粉末化基材としての
分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴の形状は、液
状のものであるか、あるいはこれら粉末化基材自身を噴
霧乾燥して粉末状としたものを、使用時溶解して利用す
るものでもよい。発酵調味料の粉末化に関しては、その
製品を均質かつ瞬時に粉末状に乾燥できる方法が望まし
く、種々ある乾燥方法の中で液体原料を熱風中に噴霧し
て数秒以内で連続的に粉末製品にすることのできる噴霧
乾燥方式が最適である。本発明における発酵調味料と粉
末化基材の混合物の噴霧乾燥条件を示すと、以下の如く
である。 (1)混合物は、ポンプで液送しあるいは噴霧するに十
分な液状態で流動性をもつものである。この流動性は糖
固形分等と品温によるが、水分20〜50%、糖固形分
30〜80%、アルコール分5〜35%、品温20〜6
0℃で粘度を10〜500cPに保つことが望ましい。 (2)混合物を瞬時に微粒化する噴霧方式は、加圧ノズ
ルや二流体ノズルのようなノズル式よりも高速回転円板
を使用するディスク式が望ましく、その回転数を100
00〜40000r.p.m.に保つことが望ましい。 (3)微粒化された混合物の液滴は、熱風との瞬間的接
触、蒸発により粉末化するが、この熱風温度を入口60
〜120℃、出口30〜90℃に保つことが望ましい。 (4)粉末化した噴霧粒子は、球形で多孔質であり、流
動性、溶解性、分散性が良好である。 このようにして得られる分岐オリゴ糖高含有の粉末発酵
調味料は、分岐オリゴ糖の有するうま味、こく味とアル
コール発酵により生成する呈味、香気成分が融合一体化
して、まろやかでこくのある芳醇な風味を持っている。
加えて、分岐オリゴ糖は、腸内の有用菌の代表とされ
ているビフィズス菌に選択的に利用されて顕著な腸内菌
叢改善効果があり、非発酵性に示される如く消化酵素
の作用を受け難いため低カロリー性で、虫歯の原因菌
であるミュータンス菌の生育に利用されず低う蝕性で、
コレステロールの低下などの血清脂質改善作用があ
り、便秘改善効果などの整腸作用がある等の体調調節
機能性を併せもつもので、アルコールの防腐性、殺菌性
等の効用と共に、粉末発酵調味料としての価値を著しく
高めるものである。このような非発酵性糖類の特性を利
用してほとんどグルコースを含まないことを特徴とする
粉末発酵調味料は、本発明が最初の提示である。
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 [試験例1]市販の分岐オリゴ糖含有糖類 [群栄化学
工業株式会社製:商品名グンエイオリゴS(商標登
録)、糖濃度75%w/w]1000mlおよび純水2
000ml、酵母エキス9g、リン酸一カリウム2g、
リン酸二アンモニウム2gを混合して発酵原液とした。
上記発酵原液に酵母サッカロミセス・エリプソイデス
(Saccharomyces ellipsoide
us)の保存菌から殺菌培地で拡大培養のもの30ml
を加え、温度15〜25℃、7日間アルコール発酵を行
った。発酵後のアルコール濃度は5.0%v/vであっ
た。次に、珪藻土を濾過助剤として濾過を行ったアルコ
ール発酵液に、醸造用アルコール(95%)250m
l、食塩60g、クエン酸1.6g、コハク酸1.6
g、グリシン16gを加えて調合を行った。これを60
℃で10分間加熱処理(殺菌)し、濾過して発酵調味料
とした。この発酵調味料はグルコースをほとんど含ま
ず、分岐オリゴ糖を主成分としたまろやかでこくのある
芳醇な風味が特徴である。下記表1に、原料の分岐オリ
ゴ糖含有糖類の糖組成と発酵調味料の糖組成の固形分あ
たりの比較を示した。
【表1】原料の分岐オリゴ糖含有糖類の糖組成と発酵調
味料の糖組成の比較(固形分あたり) 表1中の分岐二糖類はイソマルトース等であり、分岐三
糖類以上はパノース、イソマルトトリオース、イソマル
トテトラオース、イソマルトペンタオース等である。そ
の他の糖はマルトテトラオース、マルトペンタオース等
である。糖組成成分の分析装置としてはHPLC(高速
液体クロマトグラフィー):ウォーターズ590型、カ
ラムSCR101N(島津)と島津LC4A型、カラム
Zorbax NH2(デュポン)を使用し、溶媒は水
及びアセトニトリル:水=70:30の比率のものを使
用した。下記表2に、試験例1の発酵調味料及び市販品
のみりん、みりん風調味料、発酵調味料等の成分の比較
を示す。
【表2】みりん、みりん風調味料、発酵調味料等の成分
の比較 アルコール分の試験方法は「第三回改正国税庁所定分析
法注解(1987)」に準じた。但し、エキス分は無塩
可溶性固形分とした。pHはガラス電極pHメーターに
よる。また、糖組成成分の分析は実施例1の条件によ
る。表2に示したごとく、本発明の発酵調味料(試験例
1)は従来からある市販のみりん(No.2−1、N
o.2−2)、みりん風調味料(No.2−3、No.
2−4)、発酵調味料(No.2−5、No.2−6)
と比較すると、その糖組成分はグルコースを含まず分岐
オリゴ糖高含有であることが明らかである。 [試験例2]下記表3に本実施例に係る分岐オリオ糖含
有糖類、水飴、低DE水飴の性状を示す。
【表3】本実施例に係る分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、
低DE水飴の性状 表3中、糖化製品No.3−1は粉末化基材として使用
した市販の分岐オリゴ糖含有糖類[群栄化学工業株式会
社製:グンエイオリゴS(登録商標)]である。No.
3−3は酵素糖化法による市販の水飴[群栄化学工業株
式会社製:GLD(商標)]であり、DEはレーン・エ
イノン法で25.2である。No.3−5は低DE水飴
であるが、酵素糖化法による澱粉液化液を精製、濃縮し
たものである。即ち、澱粉乳液にα−アミラーゼの適量
を加えて、ジェットクッカーを用いて蒸気と混合し、瞬
時に105〜107℃に加熱し、パイプ内で約5〜10
分間滞留させて大気に解放し、所定のDEまで反応を進
めた後、加熱してα−アミラーゼ失活させた澱粉液化液
をイオン交換精製、活性炭精製、濃縮して調製した低D
E水飴であり、DEはレーン・エイノン法で15.1で
ある。糖化製品No.3−2、No.3−4、No.3
−6は分岐オリゴ糖含有糖類であるNo.3−1を、水
飴であるNo.3−3を、低DE水飴であるNo.3−
5を所定の濃度に希釈し、乾燥室径2,000mm、乾
燥室の高さ4,900mmの噴霧乾燥装置を使用し、以
下の条件で噴霧乾燥したものである。 (糖液条件) 水分32%、固形分58%、品温30℃ (乾燥条件) 噴霧方式:高速回転ディスク方式 回転数:24,000r.p.m. 熱風温度:入口100℃、出口70℃ 処理量:20kg/h (噴霧乾燥によりできた粉末糖) 平均粒子径:30〜60ミクロン 粒子の形状:球形(多孔質) 粉末糖水分;2〜5% 当該液状の分岐オリゴ糖含有糖類、水飴、低DE水飴を
噴霧乾燥することにより、球形で多孔質の粉末分岐オリ
ゴ糖含有糖類、粉末水飴、粉末低DE水飴を調製した。 [実施例1]分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵す
ることにより得た分岐オリゴ糖高含有の発酵調味料(表
2中の試験例1)10kgに醸造用アルコール(95
%)2.5kgと食塩0.4kgを混合した。これに粉
末化基材として粉末低DE水飴(表3中のNo.3−
6)5kgを添加溶解した混合物を品温30℃とし、乾
燥室径2,000mm、乾燥室の高さ4,900mmの
噴霧乾燥装置を使用し、高速回転ディスク方式の回転数
30,000r.p.m、熱風入口温度85℃、出口温
度55℃、処理量20kg/hの条件での噴霧乾燥した
ところ、食塩約5%で分岐オリゴ糖を含有する粉末発酵
調味料約11.5kgを得た。この分岐オリゴ糖を含有
する粉末発酵調味料について試験例1に示した方法でア
ルコール分と糖組成を求めたところ試料重量に対する百
分比はアルコール分27.9%、分岐オリゴ糖含有量2
1.4%であった。上記のようにして得られた分岐オリ
ゴ糖を含有する粉末発酵調味料は、まろやかでこくのあ
る芳醇な風味を持ちながら、機能性糖類であるイソマル
トースやパノース、イソマルトトリオース等の分岐オリ
ゴ糖を含有することにより体調調機能性を併せもつもの
であり、また、微生物汚染及び固結性の問題もなく取り
扱いも簡便であること、溶解性及び溶解時の粘性等の品
質も優れていることから、調味料素材をはじめとする多
分野において新規な機能性粉末発酵調味料として極めて
有効なものである。 [実施例2]分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵す
ることにより得た分岐オリゴ糖高含有の発酵調味料(表
2中の試験例1)10kgに醸造用アルコール(95
%)3kgと食塩0.43kgを混合した。これに粉末
化基材として粉末水飴(表3中のNo.3−4)5kg
を添加溶解した混合物を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥
したところ、食塩約5%で分岐オリゴ糖を含有する粉末
発酵調味料11.8kgを得た。この分岐オリゴ糖を含
有する粉末発酵調味料は実施例1に従って分析したとこ
ろ、アルコール分29.6%、分岐オリゴ糖含有量約2
0.8%であった。上記のようにして得られた分岐オリ
ゴ糖を含有する粉末発酵調味料は、まろやかでこくのあ
る芳醇な風味を持ちながら、分岐オリゴ糖による体調調
節機能性があること、また、微生物汚染及び固結性の問
題もなく取り扱いも簡便であること、溶解性及び溶解時
の粘性等の品質も優れていることなど、新規な機能性粉
末発酵調味料として極めて有効なものである。 [実施例3]分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵す
ることにより得た分岐オリゴ糖高含有の発酵調味料(表
2中の試験例1)10kgに粉末化基材として低DE水
飴(No.3−5)3.3kgと分岐オリゴ糖含有糖類
(No.3−1)4kgを添加溶解した混合物を実施例
1と同じ条件で噴霧乾燥したところ、食塩約2%で分岐
オリゴ糖を含有する粉末発酵調味料約8.9kgを得
た。この分岐オリゴ糖を含有する粉末発酵調味料は、実
施例1にしたがって分析したところ、アルコール分1
1.3%、分岐オリゴ糖含有量48.9%であった。上
記のようにして得られた分岐オリゴ糖を含有する粉末発
酵調味料は、まろやかでこくのある芳醇な風味を持ちな
がら、分岐オリゴ糖による体調調節機能性があること、
また微生物汚染及び固結性の問題もなく取り扱いも簡便
であること、溶解性及び溶解時の粘性等の品質も優れて
いることなど、新規な機能性粉末発酵調味料として極め
て有効なものである。 [比較例1]実施例1と同様に、市販の発酵調味料(表
2中のNo.2−5)10kgに、醸造用アルコール
2.5kgと食塩0.4kgを混合した。これに粉末化
基材として粉末低DE水飴(表3中のNo.3−6)5
kgを添加溶解した混合物を噴霧乾燥して、食塩約5%
の発酵調味料約9.7kgを得た。上記のようにして得
られた粉末発酵調味料のアルコール分、糖組成を比較し
たが、アルコール分29.5%、分岐オリゴ糖含有量
0.4%であった。 [比較例2]実施例1と同様に、市販の発酵調味料(表
2中のNo.2−6)10kgに醸造用アルコール2.
5kgと食塩0.4kgを混合した。これに粉末化基材
として、粉末低DE水飴(表3中のNo.3−6)5k
gを添加溶解した混合物を噴霧乾燥して、食塩約5%の
粉末発酵調味料約9.8kgを得た。上記のようにして
得られた粉末発酵調味料のアルコール分、糖組成を比較
したが、アルコール分30.9%、分岐オリゴ糖含有量
2.0%であった。実施例1〜3、比較例1〜2の粉末
発酵調味料の分析結果を表4に示す。
【表4】粉末発酵調味料のアルコール分及び含有糖成分
分析結果 表4に示す如く、本実施例に係る粉末発酵調味料は、そ
の糖組成が異なり、イソマルトース、パノース、イソマ
ルトトリオースなどの分岐オリゴ糖を、粉末発酵調味料
100gあたり10g以上含有することが特徴であるこ
とが分かる。
【発明の効果】本発明は、分岐オリゴ糖高含有の粉末発
酵調味料に関するもので、更に詳しくは分岐オリゴ糖含
有糖類をアルコール発酵することにより発酵調味料とな
したものに、醸造用アルコール及び/又は粉末化基材と
して分岐オリゴ糖含有糖類、水飴あるいは低DE水飴な
どを添加溶解し、噴霧乾燥法にて粉末化するもので、本
発明により得られる粉末発酵調味料は、従来からある粉
末発酵調味料とは糖組成が異なって、機能性糖類である
イソマルトース、パノース、イソマルトトリオース等の
分岐オリゴ糖高含有のものである。本発明による粉末発
酵調味料は、まろやかでこくのある芳醇な風味を持ちな
がら、分岐オリゴ糖高含有により体調調節機能性とを併
せもつものであり、家庭用、業務用、加工副原料、調味
料、飲料、各種食物用、飼料、健康食品、機能性食品、
医薬、化粧品、洗剤、タバコ等々の多くの分野に利用さ
れる新規な粉末食酢である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/00 M 7252−4C 7/025 7252−4C 7/027 7252−4C 7/075 8615−4C 7/16 7252−4C 7/50 9283−4C C05F 15/00 7188−4H (72)発明者 栗原 幸子 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内 (72)発明者 額田 寛 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内 (72)発明者 都木 昭次 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分岐オリゴ糖をアルコール発酵することに
    より発酵調味料となしたものに、醸造用アルコール及び
    /又は粉末化基材を添加溶解し、噴霧乾燥法にて粉末化
    することにより、得られることを特徴とする粉末発酵調
    味料。
  2. 【請求項2】粉末化基材は、分岐オリゴ糖含有糖類、水
    飴あるいは、低DE水飴の中から選ばれるものである請
    求項1記載の粉末発酵調味料。
JP4350454A 1992-12-03 1992-12-03 粉末発酵調味料 Pending JPH06169720A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017143825A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 三重化糧株式会社 液体状調味液、低糖化水飴、飲食物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017143825A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 三重化糧株式会社 液体状調味液、低糖化水飴、飲食物

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