JP3084569B2 - 新規な食酢 - Google Patents
新規な食酢Info
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- fermentation
- acetic acid
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Description
【産業上の利用分野】本発明は新規な食酢に関し、更に
詳しくは、家庭用、業務用、また、各種食品の加工用等
々として好適な食酢に関する。即ち、本発明は、まろや
かなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて
分岐オリゴ糖高含有により高保存性付与効果と体調調節
機能性を併せ持つ食酢であり、家庭用、業務用における
食酢としての利用を始め、ポン酢、すし酢、サラダ酢、
ラッキョウ酢及び他の野菜酢漬類、海産酢漬類等の加工
酢として利用でき、また、ソース、ケチャップ、マヨネ
ーズ、サラダドレッシング等の副原料として利用でき、
更に、味噌、醤油、つゆ、タレ、ダシの素、複合調味
料、発酵調味料などの調味料用としての利用、食酢飲
料、スポーツ飲料、健康飲料、炭酸飲料、乳性飲料、果
汁飲料、発酵飲料、酒類などの飲料用としての利用、米
飯、パン、米菓、和菓子、洋菓子、冷菓、氷菓、缶詰、
びん詰、チューブ詰、乳製品や畜肉加工品、魚肉加工
品、珍味類、各種ペースト類、ジャム、佃煮、惣菜、調
理済食品、即席飲食品等の各種食物用としての利用、餌
料、飼料、ペットフード等として家畜、家禽、その他蜜
蜂、蚕、魚等の飼育用としての利用、肥料、土壌改良剤
等用としての利用、果実、野菜、草花などの作物育成用
としての利用、化粧水、口紅、リップクリーム等の化粧
品用としての利用、健康食品、機能性食品用としての利
用、口中清涼剤、うがい薬、内服薬等の医薬用としての
利用、その他歯みがき、洗髪料、洗剤、入浴剤等の各種
日用品用としての利用、或いは、タバコ等々の各種の多
分野で利用できる新規な食酢に関する。
詳しくは、家庭用、業務用、また、各種食品の加工用等
々として好適な食酢に関する。即ち、本発明は、まろや
かなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効能に加えて
分岐オリゴ糖高含有により高保存性付与効果と体調調節
機能性を併せ持つ食酢であり、家庭用、業務用における
食酢としての利用を始め、ポン酢、すし酢、サラダ酢、
ラッキョウ酢及び他の野菜酢漬類、海産酢漬類等の加工
酢として利用でき、また、ソース、ケチャップ、マヨネ
ーズ、サラダドレッシング等の副原料として利用でき、
更に、味噌、醤油、つゆ、タレ、ダシの素、複合調味
料、発酵調味料などの調味料用としての利用、食酢飲
料、スポーツ飲料、健康飲料、炭酸飲料、乳性飲料、果
汁飲料、発酵飲料、酒類などの飲料用としての利用、米
飯、パン、米菓、和菓子、洋菓子、冷菓、氷菓、缶詰、
びん詰、チューブ詰、乳製品や畜肉加工品、魚肉加工
品、珍味類、各種ペースト類、ジャム、佃煮、惣菜、調
理済食品、即席飲食品等の各種食物用としての利用、餌
料、飼料、ペットフード等として家畜、家禽、その他蜜
蜂、蚕、魚等の飼育用としての利用、肥料、土壌改良剤
等用としての利用、果実、野菜、草花などの作物育成用
としての利用、化粧水、口紅、リップクリーム等の化粧
品用としての利用、健康食品、機能性食品用としての利
用、口中清涼剤、うがい薬、内服薬等の医薬用としての
利用、その他歯みがき、洗髪料、洗剤、入浴剤等の各種
日用品用としての利用、或いは、タバコ等々の各種の多
分野で利用できる新規な食酢に関する。
【従来の技術】伝統的な基礎調味料である食酢は、米
酢、粕酢のように、主食の米を利用して古くから製造さ
れてきた。また、明治以後、アルコールを原料としたア
ルコール酢や、近年では麦芽を主原料とした麦芽酢、果
物を原料としたリンゴ酢、ブドウ酢も生産されている。
この他、原料により食酢は多様化しているが、基本的に
はJASにより分類されている。即ち、食酢は醸造酢と
合成酢に大別され、醸造酢は[穀物酢(穀物酢、米
酢)]、[果実酢(果実酢、リンゴ酢、ブドウ酢)]及
び[穀物酢(果実酢以外の醸造酢)]に整理されてい
る。上述した醸造酢における食酢は、有用微生物の参加
様式から1〜3段型に分けて考えることができる。1段
型は、含有アルコールを酢酸菌が酸化して酢酸に変える
タイプで、例えばアルコール酢、粕酢などがある。上記
アルコール酢においては、酢酸菌の栄養源として、必要
により含窒素物、無機塩及び発酵性糖類(グルコース、
フラクトース等)を加えることもある。2段型は、発酵
性糖類(グルコース、フラクトース、マルトース、シュ
クロース等)を含む原料に酵母を加え、アルコールをつ
くらせてから酢酸菌を追加して酢酸に変えるタイプで、
例えば糖蜜酢、果実酢等がある。3段型は、澱粉或いは
穀類、イモ類を糊化して粉砕し、麦芽とまぜるか、麹カ
ビを接種させ澱粉を発酵性糖類であるグルコース、マル
トースまでに分解し、酵母を加えてアルコールとした濾
過液、或いは、蒸留液に酢酸菌をはたらかせたタイプ
で、例えば米酢、麦芽酢等がある。以上の説明のよう
に、食酢においては、糖類が重要な役割をしていて、こ
れが甘味と腰の強さを与えるものであるが、従来技術に
おける食酢はグルコース、フラクトース、マルトース、
シュクロース等の発酵性糖類を利用するものであること
から、食酢成分中の糖組成もグルコース、フラクトー
ス、マルトース、シュクロース等の発酵性糖類を主体に
するものであった。
酢、粕酢のように、主食の米を利用して古くから製造さ
れてきた。また、明治以後、アルコールを原料としたア
ルコール酢や、近年では麦芽を主原料とした麦芽酢、果
物を原料としたリンゴ酢、ブドウ酢も生産されている。
この他、原料により食酢は多様化しているが、基本的に
はJASにより分類されている。即ち、食酢は醸造酢と
合成酢に大別され、醸造酢は[穀物酢(穀物酢、米
酢)]、[果実酢(果実酢、リンゴ酢、ブドウ酢)]及
び[穀物酢(果実酢以外の醸造酢)]に整理されてい
る。上述した醸造酢における食酢は、有用微生物の参加
様式から1〜3段型に分けて考えることができる。1段
型は、含有アルコールを酢酸菌が酸化して酢酸に変える
タイプで、例えばアルコール酢、粕酢などがある。上記
アルコール酢においては、酢酸菌の栄養源として、必要
により含窒素物、無機塩及び発酵性糖類(グルコース、
フラクトース等)を加えることもある。2段型は、発酵
性糖類(グルコース、フラクトース、マルトース、シュ
クロース等)を含む原料に酵母を加え、アルコールをつ
くらせてから酢酸菌を追加して酢酸に変えるタイプで、
例えば糖蜜酢、果実酢等がある。3段型は、澱粉或いは
穀類、イモ類を糊化して粉砕し、麦芽とまぜるか、麹カ
ビを接種させ澱粉を発酵性糖類であるグルコース、マル
トースまでに分解し、酵母を加えてアルコールとした濾
過液、或いは、蒸留液に酢酸菌をはたらかせたタイプ
で、例えば米酢、麦芽酢等がある。以上の説明のよう
に、食酢においては、糖類が重要な役割をしていて、こ
れが甘味と腰の強さを与えるものであるが、従来技術に
おける食酢はグルコース、フラクトース、マルトース、
シュクロース等の発酵性糖類を利用するものであること
から、食酢成分中の糖組成もグルコース、フラクトー
ス、マルトース、シュクロース等の発酵性糖類を主体に
するものであった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非発酵性糖
類である分岐オリゴ糖含有糖類を用いて食酢を製造する
もので、従来の食酢の糖組成とは異なり、非発酵性糖類
であるイソマルトース、パノースやイソマルトトリオー
ス等の分岐オリゴ糖を主体とする新規な食酢を提供する
ものである。
類である分岐オリゴ糖含有糖類を用いて食酢を製造する
もので、従来の食酢の糖組成とは異なり、非発酵性糖類
であるイソマルトース、パノースやイソマルトトリオー
ス等の分岐オリゴ糖を主体とする新規な食酢を提供する
ものである。
【課題を解決するための手段】本発明に係る食酢は、分
岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵
とを行なうことにより得られるものである。以下に本発
明を更に詳しく説明する。分岐オリゴ糖は、非発酵性糖
類とも称せられ、特に日本古来の伝統的酒類である清酒
中に存在するオリゴ糖として詳細に研究されてきた。即
ち、イソマルトース(分子内にα−1,6グルコシド結
合を有する二糖類)、パノース(分子内にα−1,6と
α−1,4グルコシド結合を有する三糖類)、イソマル
トトリオース(分子内にα−1,6グルコシド結合を有
する三糖類)等である。これらの分岐オリゴ糖は、ビフ
ィズス菌因子であり、かつ、低う蝕性などの体調調節機
能性があることが知られている。分岐オリゴ糖の製造方
法に関しては特開昭56−51982号、特開昭61−
124389号、特開昭63−291588号など多く
の方法が示されているが、特に本発明に用いる分岐オリ
ゴ糖としての制限はない。これらの製法上の基本は、マ
ルトースを生成するアミラ−ゼを主体とし、これに糖の
転移作用を有する酵素を作用させるものである。即ち、
この反応は転移酵素がマルトースに作用分解して生じた
グルコースが受容体としてのグルコースやマルトースに
転移してイソマルトースやパノース等を生成するもので
あるが、分岐オリゴ糖の生成が進行するにつれてグルコ
ースが副生し又未反応のマルトースもあるために、反応
液は非発酵性糖類の分岐オリゴ糖を主体とするが、発酵
性糖類であるグルコース、マルトースも副生糖分として
含有するものである。本発明において、分岐オリゴ糖含
有糖類を用いる原理は、副生糖分である発酵性糖類のグ
ルコース或いはマルトースをアルコール発酵させて最終
的に酢酸成分となし、この特性を積極的に利用して非発
酵性糖類のイソマルトース、パノースやイソマルトトリ
オースなどの分岐オリゴ糖を残糖させて食酢糖組成分の
主体とするものである。この原理を実施して得た食酢
は、まろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効
能、例えば、疲労回復に役立つ、動脈硬化などの予
防効果、栄養素の体内での燃焼を促進してエネルギー
の利用効率を高める、食欲を増進して消化吸収を助け
る、防腐殺菌作用がある等の食酢固有の効果に加えて
分岐オリゴ糖高含有により一層の高保存性付与効果が得
られる。更に、分岐オリゴ糖は、腸内の有用菌の代表
とされているビフィズス菌に選択的に利用されて顕著な
腸内菌叢改善効果があり、非発酵性に示される如く消
化酵素の作用を受け難いたために低カロリー性で、虫
歯の原因菌であるミュータンス菌の生育に利用されず低
う蝕性で、コレステロールの低下などの血清脂質改善
作用があり、便秘改善効果などの整腸作用がある等の
体調調節機能性を併せもつもので、食酢としての価値を
著しく高めるものである。このような非発酵性糖類の特
性を利用する技術的思考に基づく食酢は、本発明が最初
の提示である。一方、酢酸発酵が終了した従来の食酢に
後から分岐オリゴ糖含有糖類を加える事は容易である
が、この方法では、糖組成上の発酵性糖類と非発酵性糖
類のバランスにおいても、発酵によって得られる香気成
分及び呈味成分においても、本発明の食酢とは明白に差
があり、本発明の原理とは全く別個のものである。食酢
の原理は、含アルコールもろみが酢酸菌の酸化発酵によ
り食酢となるものであり、該酢酸発酵を大別すると、静
置発酵法(表面発酵法)と深部発酵法(全面発酵法)の
2つの方法がある。静置発酵法は、種酢(前回の発酵終
了液)にアルコールを含有する原料液を加え充分に混合
して、温度25〜35℃で1〜3ヶ月間静置して酢酸発
酵を行うものである。深部発酵法は、原料液と酢酸菌の
混合物に空気を送り込み激しく攪拌して、液内全体で急
速に酢酸発酵を行うものである。本発明における酢酸発
酵の方法には特に限定はない。また、本発明におけるア
ルコール発酵のための酵母としては、Saccharo
myces cerevisiae種が主に用いられ、
また、酢酸発酵のための酢酸菌としては、Acetob
acter aceti、Acetobacter p
asteurianus、Gluconobacter
oxydans等が用いられるが、その菌株の種類は
問わない。本発明による食酢は、主に2段型に適用され
るが、アルコール発酵前であれば分岐オリゴ糖を加える
か或いは澱粉より分岐オリゴ糖を生成せしめることによ
り3段型にも適用できるものである。
岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵
とを行なうことにより得られるものである。以下に本発
明を更に詳しく説明する。分岐オリゴ糖は、非発酵性糖
類とも称せられ、特に日本古来の伝統的酒類である清酒
中に存在するオリゴ糖として詳細に研究されてきた。即
ち、イソマルトース(分子内にα−1,6グルコシド結
合を有する二糖類)、パノース(分子内にα−1,6と
α−1,4グルコシド結合を有する三糖類)、イソマル
トトリオース(分子内にα−1,6グルコシド結合を有
する三糖類)等である。これらの分岐オリゴ糖は、ビフ
ィズス菌因子であり、かつ、低う蝕性などの体調調節機
能性があることが知られている。分岐オリゴ糖の製造方
法に関しては特開昭56−51982号、特開昭61−
124389号、特開昭63−291588号など多く
の方法が示されているが、特に本発明に用いる分岐オリ
ゴ糖としての制限はない。これらの製法上の基本は、マ
ルトースを生成するアミラ−ゼを主体とし、これに糖の
転移作用を有する酵素を作用させるものである。即ち、
この反応は転移酵素がマルトースに作用分解して生じた
グルコースが受容体としてのグルコースやマルトースに
転移してイソマルトースやパノース等を生成するもので
あるが、分岐オリゴ糖の生成が進行するにつれてグルコ
ースが副生し又未反応のマルトースもあるために、反応
液は非発酵性糖類の分岐オリゴ糖を主体とするが、発酵
性糖類であるグルコース、マルトースも副生糖分として
含有するものである。本発明において、分岐オリゴ糖含
有糖類を用いる原理は、副生糖分である発酵性糖類のグ
ルコース或いはマルトースをアルコール発酵させて最終
的に酢酸成分となし、この特性を積極的に利用して非発
酵性糖類のイソマルトース、パノースやイソマルトトリ
オースなどの分岐オリゴ糖を残糖させて食酢糖組成分の
主体とするものである。この原理を実施して得た食酢
は、まろやかなあっさりした酸味と風味をもち、酢の効
能、例えば、疲労回復に役立つ、動脈硬化などの予
防効果、栄養素の体内での燃焼を促進してエネルギー
の利用効率を高める、食欲を増進して消化吸収を助け
る、防腐殺菌作用がある等の食酢固有の効果に加えて
分岐オリゴ糖高含有により一層の高保存性付与効果が得
られる。更に、分岐オリゴ糖は、腸内の有用菌の代表
とされているビフィズス菌に選択的に利用されて顕著な
腸内菌叢改善効果があり、非発酵性に示される如く消
化酵素の作用を受け難いたために低カロリー性で、虫
歯の原因菌であるミュータンス菌の生育に利用されず低
う蝕性で、コレステロールの低下などの血清脂質改善
作用があり、便秘改善効果などの整腸作用がある等の
体調調節機能性を併せもつもので、食酢としての価値を
著しく高めるものである。このような非発酵性糖類の特
性を利用する技術的思考に基づく食酢は、本発明が最初
の提示である。一方、酢酸発酵が終了した従来の食酢に
後から分岐オリゴ糖含有糖類を加える事は容易である
が、この方法では、糖組成上の発酵性糖類と非発酵性糖
類のバランスにおいても、発酵によって得られる香気成
分及び呈味成分においても、本発明の食酢とは明白に差
があり、本発明の原理とは全く別個のものである。食酢
の原理は、含アルコールもろみが酢酸菌の酸化発酵によ
り食酢となるものであり、該酢酸発酵を大別すると、静
置発酵法(表面発酵法)と深部発酵法(全面発酵法)の
2つの方法がある。静置発酵法は、種酢(前回の発酵終
了液)にアルコールを含有する原料液を加え充分に混合
して、温度25〜35℃で1〜3ヶ月間静置して酢酸発
酵を行うものである。深部発酵法は、原料液と酢酸菌の
混合物に空気を送り込み激しく攪拌して、液内全体で急
速に酢酸発酵を行うものである。本発明における酢酸発
酵の方法には特に限定はない。また、本発明におけるア
ルコール発酵のための酵母としては、Saccharo
myces cerevisiae種が主に用いられ、
また、酢酸発酵のための酢酸菌としては、Acetob
acter aceti、Acetobacter p
asteurianus、Gluconobacter
oxydans等が用いられるが、その菌株の種類は
問わない。本発明による食酢は、主に2段型に適用され
るが、アルコール発酵前であれば分岐オリゴ糖を加える
か或いは澱粉より分岐オリゴ糖を生成せしめることによ
り3段型にも適用できるものである。
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものでない。 [実施例1]濃度75%W/Wである市販の分岐オリゴ
糖含有糖類(群栄化学工業株式会社製:グンエイオリゴ
S)を純水にて30%W/Wに調整して1000mlを
原料とした。これに酒母(Saccharomyces
cerevisiae var.ellipoide
usの保存菌から殺菌培地で拡大培養のもの)10ml
と酵母エキス1g、リン酸一カリウム0.5g、リン酸
二アンモニウム0.5gを加え、温度25〜30℃、1
0日間アルコール発酵を行った。発酵後のアルコール濃
度は6.5%V/Vであった。これを温度65℃、10
分間過熱して酵母を殺菌した後、アルコール濃度5.5
%V/Vに調整した。次に、種酢(Acetobact
er acetiの酢酸発酵液)30mlを加えて、酸
度1.5%に調整した後、温度35〜40℃、10日間
酢酸発酵を行った。発酵後の酢酸濃度5.0%V/W、
アルコール濃度0.3%V/Vであった。これを濾過し
て菌体を除き、70℃で10分間加熱処理(殺菌)した
後、非発酵性糖類を主成分とする食酢とした。この食酢
はまろやかなあっさりした酸味と風味とが特徴である。
表1に酸度、無塩可溶性固形分及び糖組成を示す。
本発明はかかる実施例に限定されるものでない。 [実施例1]濃度75%W/Wである市販の分岐オリゴ
糖含有糖類(群栄化学工業株式会社製:グンエイオリゴ
S)を純水にて30%W/Wに調整して1000mlを
原料とした。これに酒母(Saccharomyces
cerevisiae var.ellipoide
usの保存菌から殺菌培地で拡大培養のもの)10ml
と酵母エキス1g、リン酸一カリウム0.5g、リン酸
二アンモニウム0.5gを加え、温度25〜30℃、1
0日間アルコール発酵を行った。発酵後のアルコール濃
度は6.5%V/Vであった。これを温度65℃、10
分間過熱して酵母を殺菌した後、アルコール濃度5.5
%V/Vに調整した。次に、種酢(Acetobact
er acetiの酢酸発酵液)30mlを加えて、酸
度1.5%に調整した後、温度35〜40℃、10日間
酢酸発酵を行った。発酵後の酢酸濃度5.0%V/W、
アルコール濃度0.3%V/Vであった。これを濾過し
て菌体を除き、70℃で10分間加熱処理(殺菌)した
後、非発酵性糖類を主成分とする食酢とした。この食酢
はまろやかなあっさりした酸味と風味とが特徴である。
表1に酸度、無塩可溶性固形分及び糖組成を示す。
【表1】食酢の酸度、無塩可溶性固形分及び糖組成 表1において、酸度及び無塩可溶性固形分の分析法は、
食酢の日本農林規格、昭和54年6月8日、農林水産省
告示第801号、第5条(測定方法)で行なった。ま
た、糖組成分の分析装置としては、HPLC(高速液体
クロマトグラフィー):ウォーターズ590型、カラム
SCR101N(島津)と島津LC4A型、カラムZo
rbax NH2 (デュポン)を使用し、溶媒はアセ
トニトリル:水=70:30の比率のものを使用した。
下記表2には、原料の分岐オリゴ糖含有糖類の糖組成と
食酢の糖組成の固形分あたりの比較を示した。
食酢の日本農林規格、昭和54年6月8日、農林水産省
告示第801号、第5条(測定方法)で行なった。ま
た、糖組成分の分析装置としては、HPLC(高速液体
クロマトグラフィー):ウォーターズ590型、カラム
SCR101N(島津)と島津LC4A型、カラムZo
rbax NH2 (デュポン)を使用し、溶媒はアセ
トニトリル:水=70:30の比率のものを使用した。
下記表2には、原料の分岐オリゴ糖含有糖類の糖組成と
食酢の糖組成の固形分あたりの比較を示した。
【表2】原料の分岐オリゴ糖の糖組成と食酢の糖組成の
比較:固形分あたり 更に、下記表3には、従来の食酢の糖組成(文献)を示
した。
比較:固形分あたり 更に、下記表3には、従来の食酢の糖組成(文献)を示
した。
【表3】従来の食酢の糖組成(文献:海老根英雄「酢と
ビネガーの品質」食の科学、Vol63、p54(19
81年)による) (単位:g/100ml) 上記文献における引用は、伊藤寛「食酢」日本醸造協会
誌、vol.73、p203(1978年)に基づく
が、食酢の糖類の解説としては、「グルコースが主要な
糖で、これに次ぎフラクトースが多い。その他、シュク
ロース、マルトース、リボース、マンノース、アラビノ
ース、キシロース、ガラクトース、ラフィノース、セロ
ビオースなどがある。糖アルコールとしてグリセロール
とソルビドールが含まれる。」としている。本実施例の
特徴であるイソマルトース、パノース、イソマルトトリ
オース等の分岐オリゴ糖を糖成分として含有する食酢
は、従来の技術にはなかったものである。 [実施例2] (すし飯)精白米320g(400ml)に対して水4
00mlの割合で1時間浸漬した後、普通の飯のように
炊いた。飯をむらした後、すし桶に飯を取り、中高に盛
った。炊き上がりは720gであった。これをA、Bの
2区に分けて試験した。A区には、Aの合わせ酢を一度
に上からかけて1〜2分むらし飯をほぐすようにしゃく
しをたてて使いながら混ぜた。B区には、Bの合わせ酢
を一度に上からかけてA区と同様に混ぜた。Aの合わせ
酢とBの合わせ酢の酸分、糖分は、比較のため同一とし
た。A、Bの合わせ酢の夫々の配合を下記表4に示す。
ビネガーの品質」食の科学、Vol63、p54(19
81年)による) (単位:g/100ml) 上記文献における引用は、伊藤寛「食酢」日本醸造協会
誌、vol.73、p203(1978年)に基づく
が、食酢の糖類の解説としては、「グルコースが主要な
糖で、これに次ぎフラクトースが多い。その他、シュク
ロース、マルトース、リボース、マンノース、アラビノ
ース、キシロース、ガラクトース、ラフィノース、セロ
ビオースなどがある。糖アルコールとしてグリセロール
とソルビドールが含まれる。」としている。本実施例の
特徴であるイソマルトース、パノース、イソマルトトリ
オース等の分岐オリゴ糖を糖成分として含有する食酢
は、従来の技術にはなかったものである。 [実施例2] (すし飯)精白米320g(400ml)に対して水4
00mlの割合で1時間浸漬した後、普通の飯のように
炊いた。飯をむらした後、すし桶に飯を取り、中高に盛
った。炊き上がりは720gであった。これをA、Bの
2区に分けて試験した。A区には、Aの合わせ酢を一度
に上からかけて1〜2分むらし飯をほぐすようにしゃく
しをたてて使いながら混ぜた。B区には、Bの合わせ酢
を一度に上からかけてA区と同様に混ぜた。Aの合わせ
酢とBの合わせ酢の酸分、糖分は、比較のため同一とし
た。A、Bの合わせ酢の夫々の配合を下記表4に示す。
【表4】合わせ酢の配合 Aの合わせ酢 Bの合わせ酢 なお、表4において、Bの合わせ酢の市販のアルコ−ル
は、酸度5.3%、無塩可溶性固形分0.04%のもの
を使用した。 (保存試験)A区、B区のすし飯を、温度15℃、湿度
75%に保存した場合の食感(食べた時の硬さ)及びα
化度を測定した。A区、B区のすし飯の食感、α化度の
変化を下記表5に示す。
は、酸度5.3%、無塩可溶性固形分0.04%のもの
を使用した。 (保存試験)A区、B区のすし飯を、温度15℃、湿度
75%に保存した場合の食感(食べた時の硬さ)及びα
化度を測定した。A区、B区のすし飯の食感、α化度の
変化を下記表5に示す。
【表5】すし飯の食感・α化度の変化 (α化度の測定は最新調理学実験、学建書院1989年
によった) ◎開始時の食感良好 ○開始時の食感よりもやや硬いが、良好 △開始時の食感よりも硬く、不良 ×開始時の食感よりもかなり硬く、不良 以上の結果から、従来から存在する市販の食酢を使用し
たB区のすし飯に比較して、本発明による分岐オリゴ糖
高含有の食酢を使用したA区のすし飯は、α化度の変化
が低く飯が老化しにくいことを示しており、食感もB区
のすし飯に比較して良好であり、高保存付与効果がある
ことが分かる。
によった) ◎開始時の食感良好 ○開始時の食感よりもやや硬いが、良好 △開始時の食感よりも硬く、不良 ×開始時の食感よりもかなり硬く、不良 以上の結果から、従来から存在する市販の食酢を使用し
たB区のすし飯に比較して、本発明による分岐オリゴ糖
高含有の食酢を使用したA区のすし飯は、α化度の変化
が低く飯が老化しにくいことを示しており、食感もB区
のすし飯に比較して良好であり、高保存付与効果がある
ことが分かる。
【発明の効果】本発明は、非発酵性糖類である分岐オリ
ゴ糖含有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵を行い
食酢とするもので、本発明により得られる食酢は従来か
らある食酢の糖組成とは異なり、非発酵性糖類であるイ
ソマルトース、パノース、イソマルトトリオース等の分
岐オリゴ糖を主体とするものである。本発明による食酢
は、まろやかなあっさりとした酸味と風味をもち、酢の
効能に加えて、更に、分岐オリゴ糖高含有により高保存
性付与効果と体調調節機能性とを併せもつものであり、
家庭用、業務用、加工副原料、調味料、飲料、各種食物
用、飼料、健康食品、機能性食品、医薬、化粧品、洗
剤、タバコ等々の多分野に利用される新規な食酢であ
る。
ゴ糖含有糖類を用いてアルコール発酵と酢酸発酵を行い
食酢とするもので、本発明により得られる食酢は従来か
らある食酢の糖組成とは異なり、非発酵性糖類であるイ
ソマルトース、パノース、イソマルトトリオース等の分
岐オリゴ糖を主体とするものである。本発明による食酢
は、まろやかなあっさりとした酸味と風味をもち、酢の
効能に加えて、更に、分岐オリゴ糖高含有により高保存
性付与効果と体調調節機能性とを併せもつものであり、
家庭用、業務用、加工副原料、調味料、飲料、各種食物
用、飼料、健康食品、機能性食品、医薬、化粧品、洗
剤、タバコ等々の多分野に利用される新規な食酢であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 額田 寛 群馬県高崎市大八木町622番地 群栄化 学工業株式会社内 (72)発明者 山崎 清 千葉県鎌ケ谷市東道野辺6−7−45番地 私市醸造株式会社内 (72)発明者 私市 冨士彌 千葉県鎌ケ谷市東道野辺6−7−45番地 私市醸造株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−58488(JP,A) 特開 昭56−148284(JP,A) 特開 平4−218362(JP,A) 特開 平4−222586(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12J 1/00 - 1/10 C12G 1/00 - 3/14 JICSTファイル(JOIS)
Claims (1)
- 【請求項1】分岐オリゴ糖含有糖類を用いてアルコール
発酵と酢酸発酵とを行なうことにより得られることを特
徴とする新規な食酢。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02413992A JP3084569B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 新規な食酢 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02413992A JP3084569B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 新規な食酢 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH078259A JPH078259A (ja) | 1995-01-13 |
JP3084569B2 true JP3084569B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=18522535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02413992A Expired - Lifetime JP3084569B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 新規な食酢 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3084569B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9038697B2 (en) | 2010-08-26 | 2015-05-26 | Shigeo Ikeda | Electric curtain opening and closing device and curtain opening and closing method using the same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2003220858A1 (en) * | 2002-03-15 | 2003-09-29 | Mitsukan Group Corporation | Gene participating in acetic acid tolerance, acetic acid bacterium bred using the gene, and process for producing vinegar with the use of the acetic acid bacterium |
-
1990
- 1990-12-26 JP JP02413992A patent/JP3084569B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9038697B2 (en) | 2010-08-26 | 2015-05-26 | Shigeo Ikeda | Electric curtain opening and closing device and curtain opening and closing method using the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH078259A (ja) | 1995-01-13 |
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