JPH0625246U - 板材の反転機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板材の反転機の小形化を図る。 【構成】 搬送方向に分割され間隔を隔てて配設され板
材Ｗを支持して搬送する複数の搬送ベルト１と、昇降可
能で下降したときに搬送ベルト１の間隔１ａ内に入り込
む反転支軸２と、反転支軸２に取り付けられ板材Ｗを吸
着又は吸着解除できる吸着具３ａ及びアーム３ｂとを備
えた吸着装置３と、反転支軸２を支持して昇降する昇降
フレーム４ａ及びこれを昇降させる昇降駆動装置４ｂと
を備えた昇降装置４と、反転支軸２が上昇したときにこ
れを１８０度回転させる歯車装置５ａ及び駆動モータ５
ｂを備えた回転駆動装置５と、を有する。 【効果】 板材の占有面積の範囲内で板材を反転できる
ので、反転装置を小形化することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、搬入された板材を表裏反転させる板材の反転機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

板材の加工工程等においては、その過程において板材を表裏反転させる必要が 生じる場合がある。例えば、パンチプレス機により板材に孔開け加工をすると、 板材の裏面側にバリが生じ、これを切除しないで折り曲げ加工により箱等を製造 すれば、折り曲げ機では通常板材を載置面の反対側（上方）に折り曲げるので、 箱の外側にバリが出ることになる。このため、板材にパンチ加工後曲げ加工する 場合には、その間で板材を反転機で表裏反転させている。

【０００３】 このような目的に用いる従来の反転機は、例えば図５に示す如く、ローラコン ベア等の１つの搬送路５０上に載置された板材Ｗを、これに隣接した反転機構６ ０により吸着し、吸着した板材を１８０度回転させて別の搬送路７０上に載置す るいわゆる振子式のものであった。しかしながら、このような反転機では、反転 機の占有する面積が大きく、反転装置が大形のものとなった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は従来技術に於ける上記問題を解決し、小形でコンパクトな板材の反転 機を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案の板材の反転機は、搬送方向に分割され間 隔を隔てて配設され板材を支持して搬送する搬送手段と、昇降可能で下降したと きに前記間隔内に入り込む支持軸と、該支持軸に取り付けられ板材を吸着又は吸 着解除できる吸着手段と、前記支持軸を昇降させる昇降手段と、前記支持軸が上 昇したときにこれを１８０度回転させる回転手段と、を有することを特徴とする 。

【０００６】

【作 用】

本考案によれば、搬送手段により搬送されてその上に支持された板材を、例え ばその支持面の反対面側から吸着手段により吸着することができる。そして昇降 手段により支持軸を上昇させ、板材と搬送手段とが干渉しない高さまで支持軸が 上昇すると、これを回転手段により１８０度回転させることができる。これによ り板材は表裏反転する。次に昇降手段により板材を下降させ、板材が搬送手段の 支持面上又はその近傍にまで下降したときに、吸着手段による板材の吸着を解除 させることができる。このとき、支持軸は、分割された搬送手段の間隔内に入り 込むので、平面的には搬送路の範囲内にあっても、搬送手段と干渉することがな い。そして、板材は搬送手段の平面的範囲内でその上方で表裏反転されるので、 反転装置の占有面積が小さくなり、装置が小形化される。

【０００７】

【実 施 例】

図１は実施例の板材の反転機の概略構造を示す。 本反転機は、搬送方向に分割され間隔を隔てて配設され板材Ｗを支持して搬送 する搬送手段の一例である複数の搬送ベルト１と、昇降可能で下降したときに搬 送ベルト１の間隔１ａ内に入り込む支持軸としての反転支軸２と、反転支軸２に 取り付けられ板材Ｗを吸着又は吸着解除できる吸着手段として吸着具３ａ及びア ーム３ｂを備えた吸着装置３と、反転支軸２を昇降させる昇降手段の一例として 反転支軸２を支持して昇降する昇降フレーム４ａ及びこれを昇降させる昇降駆動 装置４ｂを備えた昇降装置４と、反転支軸２が上昇したときにこれを１８０度回 転させる回転手段として歯車装置５ａ及び駆動モータ５ｂを備えた回転駆動装置 ５と、を有する。そして本実施例では、これらの諸装置を操作する操作装置とし て、自動制御盤６が設けられている。なお上記では、昇降手段として反転支軸２ を支持する昇降フレーム４ａを昇降させるようにしているが、反転支軸２のみを 昇降させるような機構にすることも可能である。そしてこのような昇降駆動装置 としては、油圧シリンダ式やラック／ピニオン式等、公知の適当な昇降機構を用 いることができる。又、吸着装置３としては、例えば真空式のものや電磁石式の もの等を用いることができる。

【０００８】 以上のような構成の反転機は、例えば次の如く作動する。 反転支軸２及び吸着装置３は、板材Ｗが搬送ベルト１上に搬入される前には、 図において実線で示す上方の位置に設定されている。板材Ｗが搬送ベルト１上に 搬入されると、自動制御盤６により搬送ベルト１が回転制御され、板材Ｗは搬送 ベルト１上を搬送され所定位置に載置される。次に昇降装置４が駆動制御され、 図において一点鎖線で示す下方の位置、即ち吸着装置３の吸着具３ｂが板材Ｗに 接触するまで下降する。そして例えば真空装置を駆動制御することにより、吸着 具３ｂが板材Ｗを吸着すると、反転支軸２及び吸着装置３が上昇し、実線で示す 最高位置に到達して停止する。続いてモータ５ｂが回転制御され、歯車装置５ａ を介して反転支軸２及び吸着装置３を１８０度回転させる。図の２点鎖線の位置 は、これらの回転中の状態を示す。なお、前記の最高位置は、反転支軸２及び吸 着装置３が１８０度回転するときに搬送ベルト１と干渉しない位置である。この 回転により、板材Ｗは表裏反転される。次に再び昇降装置４が駆動制御され、反 転した板材Ｗが搬送ベルト１上に到達するまで反転支軸２及び吸着装置３が下降 する。そしてその位置で、吸着具３ｂによる板材Ｗの吸着が解除される。このと きには、反転支軸２は搬送ベルト１の間隔１ａの間に入り込むので、反転支軸２ が搬送ベルト１と干渉することはない。なお本実施例では、搬送ベルト１が複数 列設けられているので、これらも間隔を隔てて配設し、吸着装置３がその間隔内 に入り込み、吸着装置３と搬送ベルト１とが干渉しないようにしている。板材Ｗ の吸着が解除されると、再び搬送ベルト１が駆動され、板材Ｗが搬出される。そ の後反転支軸２及び吸着装置３は再び上昇して反転され、初期位置に復帰する。

【０００９】 このような制御操作は一例であり、例えば、板材Ｗの吸着を解除してこれを搬 出後、直ちに反転支軸２及び吸着装置３を上昇させさせて上方の初期位置に復帰 させることなく、反転して下方に位置するときに次に反転させるべき板材Ｗを搬 入し、これを吸着した後上昇させるような工程にすることもできる。このように すれば、制御は多少複雑になるが、作業能率を向上させることができる。なお以 上では、このような動作を自動制御盤６により自動的に行う場合について説明し たが、手動又は部分的自動により操作するような装置にしてもよいことは勿論で ある。

【００１０】 このような板材の反転機によれば、板材Ｗが占有する面積の範囲内でこれを反 転させることができるので、装置全体の占有面積が小さくなり、装置が小形化さ れる。又、反転支軸２を中心として左右対称のものを反転させるので、従来の如 く片持で吊り上げてその自重モーメントに抗して回転させる方法に較べて、回転 に必要となるトルクが極めて小さくなり、回転駆動装置を小形化することができ る。又、吸着アーム３ａもその長さが従来の半分以下になるので、吸着アーム及 び反転支軸２の断面寸法が小さくなり、構造物の小形軽量化が図られる。更に、 吸着具３ｂは昇降時に常に水平状態に維持されるので、吸着具間で高さ方向の差 が発生せず、吸着が迅速確実に行われる。

【００１１】 図２は板材にパンチ加工及び曲げ加工をする場合の加工ラインの一例を示す。 板材Ｗは、パンチプレス機１０で孔明け加工され、回転テーブル２０に搬入され てそこで９０度回転され、横長の方向から実施例の反転機３０に搬入されて表裏 反転され、その状態で折曲機４０に搬入されて曲げ加工され、例えば箱状の製品 として搬出される。なお、図１に示す本実施例の反転機は、板材Ｗを横長の状態 で搬入して反転させる場合を示したが、縦長で搬入させるような装置にすること も可能であり、このような装置では、回転テーブル２０を設けないラインにする ことができる。

【００１２】 図３は、折曲機４０の概略構造を示す。折曲機４０は、本体部４１と、ベッド ４２と、キャリッジ４３とにより構成されている。キャッリッジ４３はコの字形 になっていて、板材Ｗはその中に横長の方向から搬入され、位置決めされた後上 下パッド４４で挟持され、送りねじ４５でキャリッジ４３が送られることにより 上下型４６、４７の間に端部が突出するように挿入されてその間で挟持され、曲 型４８が上昇することにより突出した端部が折り曲げられる。この場合、上型４ ６は板材Ｗの長辺に合わせてその寸法が設定されているので、曲げ加工した部分 を上型６で押しつぶすことがないように、板材Ｗはその短辺側から先に曲げられ る。一方の短辺が曲げられると、板材Ｗは１８０度回転され、その反対側の短辺 が曲げられ、次に９０度及び１８０度回転されて順次両長辺が曲げられる。この ような曲げ工程において、図２のラインによれば、板材Ｗは折曲機４０に横長に 搬入されてくるので、最初に回転させることなく１短辺を曲げることができる。

【００１３】 図４は、孔明け加工後曲げ加工により板材Ｗを箱状に形成する場合の曲げの手 順を示す。板材Ｗは、パンチ加工後表裏反転されてパンチ加工によるバリが上に 出た状態で同図（ａ）に示す如く折曲機４０に搬入され、折り曲げ及び回転を繰 り返され、図示の如く順次その短辺ａ₁ 、ａ₂ 、長辺ｂ₁ 、ｂ₂ が曲げられ、箱 状に形成される。このとき、板材Ｗが反転されているので、バリが箱の外面にで ることがない。

【００１４】

【考案の効果】

以上の如く本考案によれば、板材の反転機の小形コンパクト化を図ることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の板材の反転機の構成を示し、（ａ）は
正面図で、（ｂ）は平面図である。

【図２】上記反転機を含む孔明け及び曲げ加工ラインを
示す説明図である。

【図３】上記ライン中の折曲機の側面図である。

【図４】（ａ）〜（ｅ）は、板材を箱状に折り曲げると
きの手順を示す説明図である。

【図５】従来の板材反転装置の一例を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 搬送ベルト（搬送手段） ２ 反転支軸（支持軸） ３ 吸着装置（吸着手段） ３ａ アーム（吸着手段） ３ｂ 吸着具（吸着手段） ４ 昇降装置（昇降手段） ４ａ 昇降フレーム（昇降手段） ４ｂ 昇降駆動装置（昇降手段） ５ 回転駆動装置（回転手段） ５ａ 歯車装置（回転手段） ５ｂ モータ（回転手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送方向に分割され間隔を隔てて配設さ
   れ板材を支持して搬送する搬送手段と、昇降可能で下降
   したときに前記間隔内に入り込む支持軸と、該支持軸に
   取り付けられ板材を吸着又は吸着解除できる吸着手段
   と、前記支持軸を昇降させる昇降手段と、前記支持軸が
   上昇したときにこれを１８０度回転させる回転手段と、
   を有することを特徴とする板材の反転機。