JPH06251443A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH06251443A
JPH06251443A JP5036472A JP3647293A JPH06251443A JP H06251443 A JPH06251443 A JP H06251443A JP 5036472 A JP5036472 A JP 5036472A JP 3647293 A JP3647293 A JP 3647293A JP H06251443 A JPH06251443 A JP H06251443A
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JP
Japan
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magnetic layer
magnetic
room temperature
magneto
recording medium
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Application number
JP5036472A
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English (en)
Inventor
Junichiro Nakayama
純一郎 中山
Michinobu Saegusa
理伸 三枝
Hiroyuki Katayama
博之 片山
Akira Takahashi
明 高橋
Kenji Ota
賢司 太田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • G11B11/10Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
    • G11B11/105Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field using a beam of light or a magnetic field for recording by change of magnetisation and a beam of light for reproducing, i.e. magneto-optical, e.g. light-induced thermomagnetic recording, spin magnetisation recording, Kerr or Faraday effect reproducing
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    • Y10T428/264Up to 3 mils
    • Y10T428/2651 mil or less

Abstract

(57)【要約】 【構成】 希土類金属−遷移金属合金からなる磁性層
3、磁性層4、磁性層5が順次形成されており、上記の
磁性層3は、室温からキュリー点まで垂直磁気異方性を
示し、上記の磁性層4は、磁性層3よりも高いキュリー
点を有し、室温での保磁力がほぼゼロであり、室温で面
内磁気異方性を示し、所定温度以上で垂直磁気異方性を
示し、上記の磁性層5は、室温からキュリー点まで垂直
磁気異方性を示し、磁性層3よりも高いキュリー点を有
し、室温での保磁力が磁性層3よりも低い光磁気記録媒
体。 【効果】 室温では磁性層3と磁性層5の磁気的結合が
起こらず、記録時の高温では、磁性層3と磁性層5の磁
気的結合が起こるため、磁性層3に対し、光変調オーバ
ーライトが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録、
再生、消去の少なくとも一つを行う光ディスク、光カー
ド等に用いられる光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録方式とは、基板上に磁性体か
らなる垂直磁化膜を形成したものを記録媒体とし、以下
の方法で記録、再生するものである。
【0003】記録の際には、記録媒体をまず、強力な外
部磁場等によって初期化し、磁化の方向を一方向(上向
き、または下向き)に揃えておく。その後、記録したい
エリアにレーザービームを照射して、その部分の温度を
キュリー点近傍以上、もしくは補償点近傍以上に加熱
し、これにより、保磁力(Hc)をゼロ、または、ほと
んどゼロとした上で、初期化時の磁化の向きとは逆向き
の外部磁場(バイアス磁場)を印加して磁化を反転させ
る。レーザービームの照射を止めると、記録媒体は常温
に戻るので反転した磁化は固定される。つまり、情報が
熱磁気的に記録される。
【0004】再生の際には、直線偏光したレーザービー
ムを記録媒体に照射し、その反射光や透過光の偏光面が
磁化の向きに応じて回転する現象(磁気カー効果、磁気
ファデー効果)を利用して光学的に情報の読み出しを行
う。
【0005】光磁気記録方式は、書き換え可能な大容量
記憶素子として注目されているが、その記録媒体を再使
用(書き換え)をするためには、次のいずれかの方法を
採る必要がある。
【0006】(a)何らかの方法で初期化する。
【0007】(b)外部磁場発生装置を工夫してオーバ
ーライト(消去が不要な書き換え)を可能にする。
【0008】(c)記録媒体を工夫してオーバーライト
を可能にする。
【0009】しかし、(a)の方法では、初期化装置、
あるいは、ヘッドが2個必要になるので、コスト高を招
く。また、1個のヘッドで書き換えを行おうとすると、
消去してから記録するので、時間がかかる。(b)の方
法では、磁気記録の場合と同じようにヘッドクラッシュ
が問題となる。
【0010】このため、(c)の方法が最も有力であ
る。例えば、Jpn.J.Appl.Phys.,Vo
l.28(1989)Suppl.28−3,pp.3
67−370には、記録層を交換結合二層膜にすれば、
オーバーライト可能な記録媒体を実現できる、と記載さ
れている。
【0011】ここで、オーバーライトの手順について簡
単に説明する。初期化においては、図6に示すように、
初期化磁界(Hinit)を印加することにより、第2磁性
層10の磁化のみを一方向(図では、下向き)に揃え
る。なお、初期化は常時、あるいは、記録時のみ行われ
る。第1磁性層9の保磁力H1 は、図7の如く、Hinit
より大きいので、第1磁性層9の磁化の反転は生じな
い。
【0012】記録は、記録磁界(Hw )を印加しなが
ら、高レベルIと低レベルIIに強度変調されたレーザー
光を照射することにより行う。
【0013】高レベルIのレーザー光が照射されると、
第1磁性層9・第2磁性層10が共にキュリー点T1
2 付近またはそれ以上となる温度TH まで昇温し、低
レベルIIのレーザー光が照射されると、磁性層9だけが
キュリー点T1 付近またはそれ以上となる温度TL まで
昇温するように、高レベルIおよび低レベルIIは設定さ
れている。
【0014】したがって、高レベルIのレーザー光が照
射されると、第2磁性層10の磁化は、Hw により、図
6に示すように、上向きに反転し、第1磁性層9の磁化
は冷却の過程で界面に作用する交換力により第2磁性層
10の向きと一致する。したがって、第1磁性層9の向
きは上向きになる。
【0015】一方、低レベルIIのレーザー光が照射され
ると、第2磁性層10の磁化は、Hw により反転するこ
とはない。第1磁性層9の磁化は、上記と同様に、冷却
の過程で界面に作用する交換力により第2磁性層10の
向きと一致する。したがって、第1磁性層9の向きは、
図6に示すように、下向きになる。
【0016】なお、上記Hw はHinitよりかなり小さく
設定されている。また、再生時のレーザー光の強度は、
記録時の低レベルIIよりもかなり小さいレベルに設定さ
れている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成では、第1・第2磁性層9・10間の界面結合力が
大きいので、非常に大きなHinitが必要となるという問
題点を有している。これは、Hinitを小さくするような
第1磁性層9と第2磁性層10の組み合わせでは、オー
バーライトが不可能になるためである。
【0018】そこで、Hinitを小さくするために、第1
磁性層9と第2磁性層10との間に中間層を設けて、三
層構造とする改良がなされている。
【0019】特開昭63−239637号公報の場合、
中間層に室温で面内磁気異方性を示す材料を用いている
が、中間層のキュリー点が第1磁性層9のキュリー点よ
りも高いため、特に高温での第2磁性層10から第1磁
性層9への情報の磁気転写がうまく行われないという問
題点を有している。
【0020】特開平2−24801号公報の場合も、中
間層に室温で面内磁気異方性を示す材料を設けている
が、第1磁性層9が室温で希土類金属リッチであるた
め、Hin itとHw の方向が異なるという問題点および、
初期化がうまく行われないという問題点を有している。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
磁気記録媒体は、上記の課題を解決するために、希土類
金属−遷移金属合金からなる第1磁性層、第2磁性層、
第3磁性層が順次形成されており、上記の第1磁性層
は、室温からキュリー点まで垂直磁気異方性を示し、上
記の第2磁性層は、第1磁性層よりも高いキュリー点を
有し、室温での保磁力がほぼゼロであり、室温で面内磁
気異方性を示し、所定温度以上で垂直磁気異方性を示
し、上記の第3磁性層は、室温からキュリー点まで垂直
磁気異方性を示し、第1磁性層よりも高いキュリー点を
有し、室温での保磁力が第1磁性層よりも低いことを特
徴としている。
【0022】請求項2の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項1の光磁気記録媒
体であって、第1磁性層は、キュリー点が100〜25
0℃、室温での保磁力が5kOe以上であり、第2磁性
層は、垂直磁気異方性を示す温度が80℃以上であり、
第3磁性層は、キュリー点が150〜400℃であり、
室温での保磁力が3kOe以下であることを特徴として
いる。
【0023】請求項3の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項2の光磁気記録媒
体であって、第2磁性層のキュリー点は、第3磁性層の
キュリー点とほぼ等しいことを特徴としている。
【0024】請求項4の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項3の光磁気記録媒
体であって、第1磁性層の組成は、室温で遷移金属リッ
チもしくは補償組成となるように設定されており、第2
磁性層の組成は、室温で希土類金属リッチとなるように
設定されており、第3磁性層の組成は、室温で希土類金
属リッチであり、補償点が100〜300℃になるよう
に設定されていることを特徴としている。
【0025】請求項5の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項1〜4の光磁気記
録媒体であって、第1磁性層はDyFeCoからなり、
第2磁性層はGdFeCoからなり、第3磁性層はGd
DyFeCoもしくはDyFeCoからなることを特徴
としている。
【0026】請求項6の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項1〜4の光磁気記
録媒体であって、第1磁性層はDya (Feb
1-b 1- a からなり、第2磁性層はGdc (Fed
1-d 1-c からなり、第3磁性層は(Gde
1-e g (Fef Co1-f 1-g 、もしくは、Dyh
(Fei Co1-i 1-h からなり、a、b、c、d、
e、f、g、h、iは、それぞれ、0.18≦a≦0.25、
0.70≦b≦0.90、 0.20≦c≦0.35、 0.50≦d≦0.9
0、0.10≦e≦0.80、 0.30≦f≦0.80、 0.23≦g≦
0.30、 0.28≦h≦0.33、0.50≦i≦0.75を満足するよ
うに設定されていることを特徴としている。
【0027】請求項7の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項1〜6の光磁気記
録媒体であって、第1磁性層の膜厚が20〜100n
m、第2磁性層の膜厚が5〜50nm、第3磁性層の膜
厚が20〜200nmに設定されていることを特徴とし
ている。
【0028】請求項8の発明に係る光磁気記録媒体は、
上記の課題を解決するために、請求項1〜7の光磁気記
録媒体であって、第1磁性層の、第2磁性層が形成され
ている面とは反対側の面に第0磁性層が形成されてお
り、上記の第0磁性層は、第1磁性層よりも高いキュリ
ー点を有し、室温での保磁力がほぼゼロであり、室温で
面内磁気異方性を示し、所定温度以上で垂直磁気異方性
を示すことを特徴としている。
【0029】
【作用】請求項1の構成によれば、第2磁性層が第1磁
性層よりも高いキュリー点をもち、室温で面内磁気異方
性を示し、保磁力がほぼゼロであり、かつ、ある温度以
上で垂直磁気異方性を示すので、室温では第1磁性層と
第3磁性層の磁気的結合が起こらず、記録時の高温で
は、第1磁性層と第3磁性層の磁気的結合が起こるた
め、第1磁性層に対し、光変調オーバーライトが可能と
なる。
【0030】請求項2の構成によれば、第2磁性層の垂
直磁気異方性を示す温度が80℃以上であるので、記録
時の温度が80℃以上であれば第1磁性層と第3磁性層
の磁気的結合が起こる。第2磁性層のキュリー点が第1
磁性層のキュリー点以上であるので、第3磁性層に記録
された情報は必ず第1磁性層に転写される。さらに、第
3磁性層のキュリー点が150〜400℃であり、室温
での保磁力が3kOe以下であるので、初期化磁場は3
kOe以下になる。
【0031】請求項3の構成によれば、第2磁性層と第
3磁性層のキュリー点がほぼ等しいので、第3磁性層へ
の記録がスムーズに行われる。
【0032】請求項4の構成によれば、第3磁性層は補
償点をもつので、室温から補償点までは希土類金属支配
の磁化の向きを示し、補償点からキュリー点までは遷移
金属支配の磁化の向きを示す。すなわち、記録時の高温
で記録された磁化の向きは室温で反転するので、初期化
磁場の向きと記録磁場の向きを同じにすることが可能と
なる。
【0033】請求項5の構成によれば、希土類金属の組
成比で室温の保磁力、磁化の向きを決定することが可能
となり、Fe/Coの比でキュリー点、補償点を決定す
ることが可能となる。
【0034】請求項6の構成によれば、組成を限定する
ことにより、適度なレーザーパワー、初期化磁場、記録
磁場により記録することが可能となる上に、ディジタル
記録に必要とされる再生信号品質を確保することが可能
となる。
【0035】請求項7の構成によれば、膜厚を限定する
ことにより、適度なレーザーパワー、初期化磁場、記録
磁場により記録することが可能となる上に、ディジタル
記録に必要とされる再生信号品質を確保することが可能
となる。
【0036】請求項8の構成によれば、上記の光変調オ
ーバーライト記録が可能となる上に、再生動作時に、第
0磁性層に光ビームが照射されると、照射された部位の
温度分布は、ほぼガウス分布になるので、光ビームの径
よりも小さい中心近傍領域のみの温度が上昇する。
【0037】この温度上昇に伴って、温度上昇部位の磁
化は、面内磁化から垂直磁化に移行する。このとき、第
0磁性層および第1磁性層の2層間の交換結合力によ
り、第1磁性層の磁化の向きに第0磁性層の磁化の向き
が従う。温度上昇部位が面内磁化から垂直磁化に移行す
ると、温度上昇部位のみが極カー効果を示すようにな
り、該部位からの反射光に基づいて情報が再生される。
【0038】そして、光ビームが移動して次の記録ビッ
トを再生するときは、先の再生部位の温度は低下し、垂
直磁化から面内磁化に移行するため、極カー効果を示さ
なくなる。このことは、第1磁性層に記録された磁化が
第0磁性層の面内磁化によりマスクされて読み出されな
いということを意味している。これにより、雑音の原因
となり、再生の分解能を低下させる隣接ビットからの信
号混入がなくなる。以上の通り、所定温度以上の温度を
有する領域のみを再生に関与させるので、従来より小さ
な記録ビットの再生が行え、記録密度は著しく向上する
ことになる。
【0039】
【実施例】本発明の第1実施例について図1ないし図4
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0040】本実施例の光磁気記録媒体は、図1に示す
ように、透光性基板1上に、透光性を有する誘電体層2
と、磁性層3(第1磁性層)と、磁性層4(第2磁性
層)と、磁性層5(第3磁性層)と、保護層6と、オー
バーコート層7とを順次形成した構成になっている。
【0041】磁性層3〜5は、希土類金属−遷移金属合
金からなっている。
【0042】磁性層3は、図2に示すように、磁性層4
・5と比較して、低いキュリー点(TC1)と、室温で高
い保磁力(HC1)を有しており、室温からTC1まで垂直
磁気異方性を示す。
【0043】磁性層4は、磁性層3のTC1よりも高いキ
ュリー点(TC2)と、室温でほぼゼロの保磁力(HC2
を有しており、所定温度以上で垂直磁気異方性を示す。
【0044】磁性層5は、磁性層3のTC1よりも高いキ
ュリー点(TC3)と、室温で磁性層3のHC1よりも低い
保磁力(HC3)を有しており、室温からTC3まで垂直磁
気異方性を示す。
【0045】上記の構成において、記録を行う場合、ま
ず、初期化が行われる。すなわち、図3に示すように、
下向きの初期化磁界(Hinit)を印加することにより、
磁性層5の磁化だけを一方向に揃える。なお、図3で
は、希土類金属の副格子磁化が遷移金属の副格子磁化よ
りも大きい、いわゆる希土類金属リッチの磁性層5にお
ける、遷移金属の副格子磁化が矢印で示されている。
【0046】上記初期化は常時、あるいは、記録時にの
み行われる。磁性層3のHC1はHin itより大きく、磁性
層4は面内磁気異方性を示すため、磁性層5の磁化の向
きが磁性層4を通して磁性層3に転写されることはな
く、磁性層3の磁化の反転は生じない。
【0047】記録は、Hinitよりかなり小さくHinit
同一方向の記録磁界(Hw )を印加しながら、図4に示
すように、高レベルIと低レベルIIに強度変調されたレ
ーザー光を照射することにより行う。
【0048】高レベルIのレーザー光が照射されると、
磁性層3・5が共にTC1、TC3付近またはそれ以上とな
る温度(TH )まで昇温し、低レベルIIのレーザー光が
照射されると、磁性層3だけがTC1付近またはそれ以上
となる温度(TL )まで昇温するように、高レベルIと
低レベルIIとが設定されている。
【0049】したがって、高レベルIのレーザー光が照
射されると、磁性層5の磁化は、Hw により上向きに反
転し、冷却の過程では、磁性層4も垂直磁気異方性を示
すので、界面に作用する交換力により磁性層5の向きが
磁性層4に転写され、さらに磁性層4の磁化の向きが磁
性層3に転写されることにより、磁性層3の向きと磁性
層5の向きが一致する。したがって、磁性層3の向きは
上向きになる。
【0050】一方、低レベルIIのレーザー光が照射され
ると、磁性層4の磁化は、Hw により反転することはな
い。冷却の過程では、磁性層4は垂直磁気異方性を示す
ので、上記と同様に、界面に作用する交換力により磁性
層5の向きが磁性層4に転写され、さらに磁性層4の磁
化の向きが磁性層3に転写されることにより、磁性層3
の向きと磁性層5の向きが一致する。したがって、磁性
層3の向きは下向きになる。
【0051】つまり、高レベルIと低レベルIIのレーザ
ー光でオーバーライトが可能になる。
【0052】情報を再生する場合、記録時よりもかなり
低いレベルIII のレーザー光を照射し、その反射光にお
ける偏光面の回転を検出している。
【0053】以下、光磁気記録媒体の一例として、光磁
気ディスクのサンプルを示す。
【0054】サンプル#1では、透光性の基板1は、直
径86mm、内径15mm、厚さ1.2mmの円盤状のガラス
からなっている。基板1の片側の表面には、光ビーム案
内用の凹凸状のガイドトラックが反応性イオンエッチン
グ法により直接形成されている。トラックピッチは1.
6μm、グルーブ(凹部)の幅は0.8μm、ランド
(凸部)の幅は0.8μmであり、反応性イオンエッチ
ング法により、ガラスに直接形成された。
【0055】基板1のガイドトラック側の面上に、反応
性スパッタリングにより、膜厚80nmのAlNからな
る誘電体層2と、Dy、Fe、Coターゲットの同時ス
パッタリングにより膜厚50nmのDyFeCoからな
る磁性層3と、Gd、Fe、Coターゲットの同時スパ
ッタリングにより膜厚50nmのGdFeCoからなる
磁性層4と、Gd、Dy、Fe、Coターゲットの同時
スパッタリングにより膜厚50nmのGdDyFeCo
からなる磁性層5と、膜厚80nmのAlNからなる保
護層6とを積層した。
【0056】磁性層3〜5の成膜時のスパッタリング条
件は、到達真空度2.0×10-4Pa以下、Arガス圧
6.5×10-1Pa、放電電力300Wであり、誘電体
層2および保護層6の成膜時のスパッタリング条件は、
到達真空度2.0×10-4Pa以下、N2 ガス圧3.0
×10-1Pa、放電電力800Wである。
【0057】さらに、保護層6の上にアクリレート系紫
外線硬化樹脂をコーティングし、紫外線照射により硬化
させてオーバーコート層7を形成した。
【0058】磁性層3は、Dy0.21(Fe0.81
0.190.79、遷移金属リッチ、TC1=180℃、室温
でのHC1=15kOeであり、磁性層4は、Gd
0.27(Fe0.87Co0.130.73、希土類金属リッチ、T
C2=250℃、補償点なし、室温でのHC2〜0kOe、
約150℃で垂直磁気異方性を示し、磁性層5は、(G
0.40Dy0.600.27(Fe0.70Co0.300.73、希土
類金属リッチ、TC3=250℃、TCOMP3 =200℃、
室温でのHC3〜0.8kOeである。
【0059】サンプル#1の光磁気ディスクに対して、
表1に示すように、Hinit=1.0kOe、Hw =20
0Oe、高レベルIのレーザーパワー(PH )=10m
W、低レベルIIのレーザーパワー(PL )=4mW、レ
ベルIII の再生レーザーパワー(PR )=1mW、記録
ビット長=1.0μmにて記録・再生を行ったところ、
消し残りのない光変調オーバーライトができた。
【0060】これに対し、従来の二層の磁性層を有する
光磁気ディスクでは、Hinitを3.0kOeにする必要
があった。
【0061】次の光磁気ディスクのサンプル#2〜#8
は、磁性層4を除いて、サンプル#1と同一である。
【0062】サンプル#2の磁性層4は、Gd0.30(F
0.89Co0.110.70、希土類金属リッチ、TC2=24
0℃、補償点なし、室温でのHC2〜0kOe、約150
℃で垂直磁気異方性を示す。
【0063】サンプル#3の磁性層4は、Gd0.27(F
0.85Co0.150.73、希土類金属リッチ、TC2=27
5℃、補償点なし、室温でのHC2〜0kOe、約150
℃で垂直磁気異方性を示す。
【0064】サンプル#4の磁性層4は、Gd0.25(F
0.78Co0.220.75、希土類金属リッチ、TC2=30
0℃、補償点なし、室温でのHC2〜0kOe、約100
℃で垂直磁気異方性を示す。
【0065】サンプル#5の磁性層4は、Gd0.25(F
0.82Co0.180.75、希土類金属リッチ、TC2=29
0℃、補償点なし、室温でのHC2〜0kOe、約125
℃で垂直磁気異方性を示す。
【0066】サンプル#6の磁性層4は、Gd0.25(F
0.84Co0.160.75、希土類金属リッチ、TC2=28
0℃、補償点(TCOMP2 )=220℃、室温でのHC2
0kOe、約140℃で垂直磁気異方性を示す。
【0067】サンプル#7の磁性層4は、Gd0.25(F
0.60Co0.400.75、希土類金属リッチ、TC2≧30
0℃、TCOMP2 =260℃、室温でのHC2〜0kOe、
約175℃で垂直磁気異方性を示す。
【0068】サンプル#8の磁性層4は、Gd0.23(F
0.60Co0.400.77、希土類金属リッチ、TC2≧30
0℃、TCOMP2 =240℃、室温でのHC2〜0kOe、
約125℃で垂直磁気異方性を示す。
【0069】上記サンプル#2〜#8のいずれに対して
も、表1に示す記録条件の下で、消し残りのない光変調
オーバーライトができた。
【0070】
【表1】
【0071】次の光磁気ディスクのサンプル#9〜#1
2は、磁性層3を除いて、サンプル#1と同一である。
【0072】サンプル#9の磁性層3は、Dy0.21(F
0.84Co0.160.79、遷移金属リッチ、TC1=170
℃、室温でのHC1=15kOeである。
【0073】サンプル#10の磁性層3は、Dy
0.23(Fe0.84Co0.160.77、補償組成、TC1=15
0℃、室温でのHC1≧20kOeである。
【0074】サンプル#11の磁性層3は、Dy
0.23(Fe0.80Co0.200.77、補償組成、TC1=16
5℃、室温でのHC1≧20kOeである。
【0075】サンプル#12の磁性層3は、Dy
0.19(Fe0.84Co0.160.81、遷移金属リッチ、TC1
=200℃、室温でのHC1=8kOeである。
【0076】上記サンプル#9〜#12のいずれに対し
ても、表1に示す記録条件の下で、消し残りのない光変
調オーバーライトができた。
【0077】次の光磁気ディスクのサンプル#13〜#
26は、磁性層5を除いて、サンプル#1と同一であ
る。
【0078】サンプル#13の磁性層5は、(Gd0.40
Dy0.600.25(Fe0.70Co0.300.75、希土類金属
リッチ、TC3=250℃、TCOMP3 =200℃、室温で
のHC3=0.8kOeである。
【0079】サンプル#14の磁性層5は、(Gd0.42
Dy0.580.26(Fe0.50Co0.500.74、希土類金属
リッチ、TC3=330℃、TCOMP3 =210℃、室温で
のHC3=0.9kOeである。
【0080】サンプル#15の磁性層5は、(Gd0.42
Dy0.580.24(Fe0.50Co0.500.76、希土類金属
リッチ、TC3=370℃、TCOMP3 =170℃、室温で
のHC3=0.7kOeである。
【0081】サンプル#16の磁性層5は、(Gd0.42
Dy0.580.25(Fe0.78Co0.220.75、希土類金属
リッチ、TC3=210℃、TCOMP3 =200℃、室温で
のHC3=0.95kOeである。
【0082】サンプル#17の磁性層5は、(Gd0.42
Dy0.580.27(Fe0.43Co0.570.73、希土類金属
リッチ、TC3=290℃、TCOMP3 =270℃、室温で
のHC3=0.2kOeである。
【0083】サンプル#18の磁性層5は、(Gd0.14
Dy0.860.25(Fe0.46Co0.540.75、希土類金属
リッチ、TC3=330℃、TCOMP3 =120℃、室温で
のHC3=1.9kOeである。
【0084】サンプル#19の磁性層5は、(Gd0.33
Dy0.670.27(Fe0.47Co0.530.73、希土類金属
リッチ、TC3=350℃、TCOMP3 =190℃、室温で
のHC3=0.5kOeである。
【0085】サンプル#20の磁性層5は、(Gd0.75
Dy0.250.24(Fe0.49Co0.510.76、希土類金属
リッチ、TC3=370℃、TCOMP3 =210℃、室温で
のHC3=0.20kOeである。
【0086】サンプル#21の磁性層5は、(Gd0.42
Dy0.580.27(Fe0.40Co0.600.73、希土類金属
リッチ、TC3=330℃、TCOMP3 =220℃、室温で
のHC3=0.30kOeである。
【0087】サンプル#22の磁性層5は、(Gd0.52
Dy0.480.25(Fe0.48Co0.520.75、希土類金属
リッチ、TC3=370℃、TCOMP3 =190℃、室温で
のHC3=0.50kOeである。
【0088】サンプル#23の磁性層5は、Dy
0.29(Fe0.70Co0.300.71、希土類金属リッチ、T
C3=200℃、TCOMP3 =160℃、室温でのHC3
2.20kOeである。
【0089】サンプル#24の磁性層5は、Dy
0.29(Fe0.60Co0.400.71、希土類金属リッチ、T
C3=370℃、TCOMP3 =190℃、室温でのHC3
2.30kOeである。
【0090】サンプル#25の磁性層5は、Dy
0.30(Fe0.50Co0.500.70、希土類金属リッチ、T
C3=250℃、TCOMP3 =160℃、室温でのHC3
2.0kOeである。
【0091】サンプル#26の磁性層5は、Dy
0.31(Fe0.50Co0.500.69、希土類金属リッチ、T
C3=250℃、TCOMP3 =150℃、室温でのHC3
1.8kOeである。
【0092】上記サンプル#13〜#26のいずれに対
しても、表1に示す記録条件の下で、消し残りのない光
変調オーバーライトができた。
【0093】次の光磁気ディスクのサンプル#27は、
磁性層4の膜厚が30nmである点を除いて、サンプル
#1と同一である。
【0094】上記サンプル#27に対しても、表2に示
す記録条件の下で、消し残りのない光変調オーバーライ
トができた。また、磁性層4の膜厚をサンプル#1の磁
性層4の膜厚50nmより薄くしたので、記録パルスの
デューティーを40%にしても充分記録できた。サンプ
ル#1の記録パルスのデューティーが60%であったこ
とを考慮すると、サンプル#1よりも記録感度が向上し
た。
【0095】
【表2】
【0096】本発明の第2実施例について図5に基づい
て説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜
上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の機能を有
する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0097】本実施例の光磁気記録媒体は、図5に示す
ように、誘電体層2と磁性層3との間に磁性層8(第0
磁性層)を設けた点で前記実施例と異なっている。
【0098】上記の磁性層8は、磁性層3よりも高いキ
ュリー点(TC0)を有し、室温での保磁力(HC0)がほ
ぼゼロであり、室温で面内磁気異方性を示し、所定温度
以上で垂直磁気異方性を示す。
【0099】以下、光磁気記録媒体の一例として、光磁
気ディスクのサンプルを示す。
【0100】光磁気ディスクのサンプル#28は、前記
サンプル#1の誘電体層2と磁性層3との間に磁性層8
として、30nmのGd0.25(Fe0.80Co0.200.75
を有しており、前記実施例のサンプル#1の製法と同じ
製法で作製された。
【0101】この磁性層8は、希土類金属リッチ、TC0
=300℃、補償点なし、室温でのHC0〜0kOe、約
100℃で垂直磁気異方性を示す。
【0102】上記サンプル#28に対しても、表2に示
す記録条件の下で、消し残りのない光変調オーバーライ
トができた。C/N(信号対雑音比)は49dBであっ
た。サンプル#1のC/Nが47dBであることを考慮
すると、サンプル#1よりも信号品質が向上した。これ
は、TC0>TC1に設定したので、カー回転角が大きくな
ったためと考えられる。
【0103】また、記録ビット長が短くなると、サンプ
ル#1ではC/Nが急激に低下したが、サンプル#28
ではC/Nがあまり低下しなかった。これは、磁性層8
が室温で面内磁気異方性を示し、レベルIII の再生レー
ザーパワーのレーザー光を照射すると垂直磁気異方性を
示すようになるので、短い記録ビットであっても、隣接
記録ビットからの影響を受けずに再生できるためと考え
られる。
【0104】以上の第1および第2実施例において、サ
ンプル#1〜#28の基板1として、ガラスを用いた
が、これ以外にも、化学強化されたガラス、これらのガ
ラス基板上に紫外線硬化型樹脂層を形成した、いわゆる
2P層付きガラス基板、ポリカーボネート(PC)、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、アモルファスポ
リオレフィン(APO)、ポリスチレン(PS)、ポリ
塩化ビフェニール(PVC)、エポキシ等の基板1を使
用することが可能である。
【0105】上記透明誘電体層2のAlNの膜厚は、80
nmに限定されるものではない。
【0106】透明誘電体層2の膜厚は、光磁気ディスク
を再生する際、磁性層3あるいは磁性層8からの極カー
回転角を光の干渉効果を利用して増大させる、いわゆる
カー効果エンハンスメントを考慮して決定される。再生
時のC/Nをできるだけ大きくさせるには、極カー回転
角を大きくさせることが必要であり、このため、透明誘
電体層2の膜厚は、極カー回転角が最も大きくなるよう
に設定される。
【0107】この膜厚は、再生光の波長、透明誘電体層
2の屈折率により変化する。本実施例の場合は、AlN
の屈折率 2.0であるので、再生光の波長が 780nmの場
合、透明誘電体層2のAlNの膜厚を30〜 120nm程度に
すると、カー効果エンハンスメントの効果が大きくな
る。尚、好ましくは、透明誘電体層2のAlNの膜厚
は、70〜 100nmであり、この範囲であれば極カー回転角
がほぼ最大になる。
【0108】また、再生光の波長が 400nmの場合、上記
透明誘電体層2の膜厚を半分(=400/780) にすればよ
い。さらに、材料の違い、あるいは、製法により透明誘
電体層2の屈折率が上記とは異なる場合、屈折率と膜厚
を乗じた値(光路長)が同じになるように、透明誘電体
層2の膜厚を設定すればよい。
【0109】上記の説明からわかるように、透明誘電体
層2の屈折率は大きいほど、その膜厚は少なくて済む。
また、屈折率が大きいほど、極カー回転角のエンハンス
効果も大きくなる。
【0110】AlNは、スパッター時のスパッターガス
であるArとN2の比率、ガス圧力等を変えることにより、
その屈折率が変わるが、おおむね 1.8〜 2.1程度と屈折
率が比較的大きな材料であり、透明誘電体層2の材料と
して好適である。
【0111】また、透明誘電体層2は、上記のカー効果
エンハンスメントだけでなく、保護層6と共に、磁性層
3〜5、あるいは、磁性層8、3〜5の希土類遷移金属
合金磁性層の酸化を防止する役割がある。
【0112】希土類遷移金属からなる磁性膜は、非常に
酸化されやすく、特に希土類が酸化されやすい。このた
め外部からの酸素、水分侵入を極力防止しなければ、酸
化によりその特性が著しく劣化してしまう。
【0113】そのため、サンプル#1〜#28において
は、磁性層3〜5、あるいは、磁性層8、3〜5の両側
をAlNで挟み込む形の構成を取っている。AlNは、
その成分に酸素を含まない窒化膜であり、非常に耐湿性
に優れた材料である。
【0114】更に、AlNは、Alターゲットを用い
て、N2ガスもしくはArとN2の混合ガスを導入して反応性
DC(直流電流)スパッタリングを行うことが可能であ
り、RF(高周波)スパッターに比べて成膜速度が大き
いこと点でも有利である。
【0115】AlN以外の透明誘電体層2の材料として
は、SiN、AlSiN、AlTaN、SiAlON、
TiN、TiON、BN、ZnS、TiO2 、BaTi
3、SrTiO3 等が好適である。
【0116】この内、特に、SiN、AlSiN、Al
TaN、TiN、BN、ZnSは、その成分に酸素を含
まず、耐湿性に優れた光磁気ディスクを提供することが
できる。
【0117】磁性層3のDyFeCoの組成、磁性層4
のGdFeCoの組成、磁性層5のGdDyFeCoの
組成、は、上記の組成に限定されるものではない。磁性
層3〜5の材料として、Gd、Tb、Dy、Ho、Nd
から選ばれた少なくとも1種の希土類金属と、Fe、C
oから選ばれた少なくとも1種の遷移金属からなる合金
を使用しても、同様の効果が得られる。
【0118】上記材料に、Cr, V, Nb, Mn, Be, Ni, Ti,
Pt, Rh, Cu のうち少なくとも1種類の元素を添加する
と、磁性層3〜5自体の耐環境性が向上する。すなわ
ち、酸素侵入による磁性層3・5の酸化による特性の劣
化を少なくし、長期信頼性に優れた光磁気ディスクを提
供することができる。
【0119】磁性層3〜5の膜厚は、磁性層3〜5の材
料、組成、膜厚との兼ね合いで決まるものである。磁性
層3の膜厚は、20nm以上、より好ましくは30nm以上であ
り、あまり厚すぎると磁性層5の情報が転写されなくな
るので、 100nm以下が好適である。磁性層4の膜厚は、
5nm 以上、より好ましくは10〜50nmであり、あまり厚す
ぎると磁性層5の情報が転写されなくなるので、 100nm
以下が好適である。磁性層5の膜厚は、20nm以上、より
好ましくは10〜50nmであり、あまり厚すぎると記録感度
が低下するので、 200nm以下が好適である。
【0120】なお、磁性層3のTC1が100℃未満の場
合、C/Nがディジタル記録再生で最低限必要とされて
いる45dBを下まわる。また、TC1が250℃を越え
る場合、記録感度が悪くなる。このため、磁性層3のT
C1は100〜250℃が適当である。さらに、磁性層3
の室温でのHC1が5kOe未満の場合、Hinitにより一
部が初期化される恐れがある。このため、磁性層3の室
温でのHC1は5kOe以上が適当である。
【0121】磁性層4の垂直磁気異方性を示す温度が8
0℃未満の場合、室温と、PR のレーザー光が照射され
たときの温度との間の温度で、磁性層5から磁性層4へ
の磁化の転写、磁性層4から磁性層3への磁化の転写が
起こる。したがって、Hinitにより磁性層5だけでなく
磁性層3も初期化され、記録を行うことができない。こ
のため、磁性層4の垂直磁気異方性を示す温度は80℃
以上が適当である。
【0122】さらに、磁性層4のTC2が磁性層3のTC1
未満の場合、光変調オーバーライト時に磁化の転写がう
まく行われない。このため、磁性層4のTC2はTC1以上
が適当である。
【0123】磁性層5のTC3が150℃未満の場合、P
L とPR との差が小さくなるので、うまく光変調オーバ
ーライトが行われない。また、TC3が400℃を越える
場合、記録感度が悪くなる。このため、磁性層5のTC3
は150〜400℃が適当である。さらに、磁性層5の
室温でのHC3が3kOeを越える場合、Hinitの発生装
置が大型になり、好ましくない。このため、磁性層5の
室温でのHC3は3kOe以下が適当である。
【0124】さらに、磁性層4のTC2と、磁性層5のT
C3がほぼ等しい場合、高レベルIのレーザー光の強度の
マージン、低レベルIIのレーザー光の強度のマージンが
大きくなるので好ましい。
【0125】保護層6のAlNの膜厚は、本実施例では
80nmとしたが、これに限定するものではない。保護層6
の膜厚の範囲としては、1 〜200nm が好適である。
【0126】本実施例においては、磁性層3〜5あるい
は、磁性層3〜5・8を合わせた膜厚は100nm以上
であり、この膜厚になると光ピックアップから入射した
光はほとんど磁性層を透過しない。したがって、保護層
6の膜厚に特に制限はなく、磁性層の酸化を長期に渡っ
て防止するに必要な膜厚であれば良い。酸化防止能力が
低い材料であれば膜厚を厚く、高ければ薄くすれば良
い。
【0127】保護層6は、透明誘導体層2と共にその熱
伝導率が、光磁気ディスクの記録感度特性に影響を及ぼ
す。記録感度特性とは、記録、あるいは消去に必要なレ
ーザーパワーがどの程度必要かを意味する。光磁気ディ
スクに入射された光はそのほとんどが、透明誘導体層2
を通過し、吸収膜である磁性層3〜5あるいは、磁性層
3〜5・8に吸収されて、熱に変わる。このとき、磁性
層3〜5あるいは、磁性層3〜5・8の熱が透明誘導体
層2、保護層6に熱伝導により移動する。したがって、
透明誘導体層2、保護層6の熱伝導率および熱容量(比
熱) が記録感度に影響を及ぼす。
【0128】このことは、光磁気ディスクの記録感度を
保護層6の膜厚である程度制御できるということを意味
し、例えば、記録感度を上げる( 低いレーザーパワーで
記録消去を行える) 目的であれば保護層6の膜厚を薄く
すれば良い。通常は、レーザー寿命を延ばすため、記録
感度はある程度高い方が有利であり、保護層6の膜厚は
薄い方が良い。
【0129】AlNはこの意味でも好適で、耐湿性に優
れるので、保護層6として用いた場合、膜厚を薄くする
ことができ、記録感度の高い光磁気ディスクを提供する
ことができる。
【0130】本実施例では、保護層6を透明誘導体層2
と同じAlNとすることで、耐湿性に優れた光磁気ディ
スクを提供でき、かつ保護層6と透明誘導体層2を同じ
材料で形成することで、生産性も向上させることができ
る。
【0131】また、保護層6の材料としては、AlN以
外に、前述の目的、効果を考慮すれば、上述の透明誘導
体層2の材料として用いられる、SiN、AlSiN、
AlTaN、SiAlON、TiN、TiON、BN、
ZnS、TiO2 、BaTiO3 、SrTiO3 が好適
である。このうち特に、SiN、AlSiN、AlTa
N、TiN、BN、ZnSは、その成分に酸素を含ま
ず、耐湿性に優れた光磁気ディスクを提供することがで
きる。
【0132】サンプル#1〜#28の光磁気ディスク
は、一般には片面タイプと呼ばれる。透明誘電体層2、
磁性層3〜5(あるいは、磁性層3〜5・8)、保護層
5の薄膜部分を総じて記録媒体層と称することにする
と、片面タイプの光磁気ディスクは、基板1、記録媒体
層、オーバーコート層7の構造となる。
【0133】これに対して、基板1の上に記録媒体層を
形成したものを2枚、記録媒体層が対向するように接着
層で接着した光磁気ディスクは、両面タイプと呼ばれて
いる。
【0134】接着層の材料はポリウレタンアクリレート
系接着剤が特に良い。この接着剤は紫外線、熱及び嫌気
性の3タイプの硬化機能が組み合わされたものであり、
紫外線が透過しない記録媒体層の影になる部分の硬化が
熱及び嫌気性硬化機能により硬化されるという利点を持
っており、極めて高い耐湿性を有し、長期安定性に極め
て優れた両面タイプの光磁気ディスクを提供することが
できる。
【0135】片面タイプは、両面タイプと比べて光磁気
ディスクの厚みが半分で済むため、例えば小型化が要求
される記録再生装置に有利である。
【0136】両面タイプは、両面再生が可能なため、例
えば大容量を要求される記録再生装置に有利である。
【0137】以上の実施例では、光磁気記録媒体として
光磁気ディスクを例に説明したが、光磁気テープ、光磁
気カードにも本発明を応用できる。
【0138】請求項1の発明に対応する光磁気記録媒体
は、希土類金属−遷移金属合金からなる磁性層3、磁性
層4、磁性層5が順次形成されており、上記の磁性層3
は、室温からキュリー点まで垂直磁気異方性を示し、上
記の磁性層4は、磁性層3よりも高いキュリー点を有
し、室温での保磁力がほぼゼロであり、室温で面内磁気
異方性を示し、所定温度以上で垂直磁気異方性を示し、
上記の磁性層5は、室温からキュリー点まで垂直磁気異
方性を示し、磁性層3よりも高いキュリー点を有し、室
温での保磁力が磁性層3よりも低い構成である。
【0139】したがって、室温では磁性層3と磁性層5
の磁気的結合が起こらず、記録時の高温では、磁性層3
と磁性層5の磁気的結合が起こるため、磁性層3に対
し、光変調オーバーライトが可能となる。
【0140】請求項2の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項1の光磁気記録媒体であって、磁性層3は、
キュリー点が100〜250℃、室温での保磁力が5k
Oe以上であり、磁性層4は、垂直磁気異方性を示す温
度が80℃以上であり、磁性層5は、キュリー点が15
0〜400℃であり、室温での保磁力が3kOe以下で
ある構成である。
【0141】したがって、記録時の温度が80℃以上で
あれば磁性層3と磁性層5の磁気的結合が起こる。ま
た、磁性層5に記録された情報は必ず磁性層3に転写さ
れる。さらに、初期化磁場は3kOe以下になる。
【0142】請求項3の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項2の光磁気記録媒体であって、磁性層4のキ
ュリー点は、磁性層5のキュリー点とほぼ等しい構成で
ある。
【0143】したがって、磁性層5への記録がスムーズ
に行われる。
【0144】請求項4の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項3の光磁気記録媒体であって、磁性層3の組
成は、室温で遷移金属リッチもしくは補償組成となるよ
うに設定されており、磁性層4の組成は、室温で希土類
金属リッチとなるように設定されており、磁性層5の組
成は、室温で希土類金属リッチであり、補償点が100
〜300℃になるように設定されている構成である。
【0145】したがって、磁性層5は、室温から補償点
までは希土類金属支配の磁化の向きを示し、補償点から
キュリー点までは遷移金属支配の磁化の向きを示す。す
なわち、記録時の高温で記録された磁化の向きは室温で
反転するので、初期化磁場の向きと記録磁場の向きを同
じにすることが可能となる。
【0146】請求項5の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項1〜4の光磁気記録媒体であって、磁性層3
はDyFeCoからなり、磁性層4はGdFeCoから
なり、磁性層5はGdDyFeCoもしくはDyFeC
oからなる構成である。
【0147】したがって、希土類金属の組成比で室温の
保磁力、磁化の向きを決定することが可能となり、Fe
/Coの比でキュリー点、補償点を決定することが可能
となる。
【0148】請求項6の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項1〜4の光磁気記録媒体であって、磁性層3
はDya (Feb Co1-b 1-a からなり、磁性層4は
Gdc (Fed Co1-d 1-c からなり、磁性層5は
(Gde Dy1-e g (FefCo1-f 1-g 、もしく
は、Dyh (Fei Co1-i 1-h からなり、a、b、
c、d、e、f、g、h、iは、それぞれ、0.18≦a≦
0.25、 0.70≦b≦0.90、 0.20≦c≦0.35、 0.50≦
d≦0.90、0.10≦e≦0.80、 0.30≦f≦0.80、 0.23
≦g≦0.30、 0.28≦h≦0.33、0.50≦i≦0.75を満足
するように設定されている構成である。
【0149】したがって、適度なレーザーパワー、初期
化磁場、記録磁場により記録することが可能となる上
に、ディジタル記録に必要とされる再生信号品質を確保
することが可能となる。
【0150】請求項7の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項1〜6の光磁気記録媒体であって、磁性層3
の膜厚が20〜100nm、磁性層4の膜厚が5〜50
nm、磁性層5の膜厚が20〜200nmに設定されて
いる構成である。
【0151】したがって、適度なレーザーパワー、初期
化磁場、記録磁場により記録することが可能となる上
に、ディジタル記録に必要とされる再生信号品質を確保
することが可能となる。
【0152】請求項8の発明に対応する光磁気記録媒体
は、請求項1〜7の光磁気記録媒体であって、磁性層3
の、磁性層4が形成されている面とは反対側の面に磁性
層8が形成されており、上記の磁性層8は、磁性層3よ
りも高いキュリー点を有し、室温での保磁力がほぼゼロ
であり、室温で面内磁気異方性を示し、所定温度以上で
垂直磁気異方性を示す構成である。
【0153】したがって、上記の光変調オーバーライト
記録が可能となる上に、再生動作時に、磁性層8に光ビ
ームが照射されると、照射された部位の温度分布は、ほ
ぼガウス分布になるので、光ビームの径よりも小さい中
心近傍領域のみの温度が上昇する。
【0154】この温度上昇に伴って、温度上昇部位の磁
化は、面内磁化から垂直磁化に移行する。このとき、磁
性層8および磁性層3の2層間の交換結合力により、磁
性層3の磁化の向きに磁性層8の磁化の向きが従う。温
度上昇部位が面内磁化から垂直磁化に移行すると、温度
上昇部位のみが極カー効果を示すようになり、該部位か
らの反射光に基づいて情報が再生される。
【0155】そして、光ビームが移動して次の記録ビッ
トを再生するときは、先の再生部位の温度は低下し、垂
直磁化から面内磁化に移行するため、極カー効果を示さ
なくなる。このことは、磁性層3に記録された磁化が磁
性層8の面内磁化によりマスクされて読み出されないと
いうことを意味している。これにより、雑音の原因とな
り、再生の分解能を低下させる隣接ビットからの信号混
入がなくなる。以上の通り、所定温度以上の温度を有す
る領域のみを再生に関与させるので、従来より小さな記
録ビットの再生が行え、記録密度は著しく向上すること
になる。
【0156】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光磁気記録媒体
は、以上のように、希土類金属−遷移金属合金からなる
第1磁性層、第2磁性層、第3磁性層が順次形成されて
おり、上記の第1磁性層は、室温からキュリー点まで垂
直磁気異方性を示し、上記の第2磁性層は、第1磁性層
よりも高いキュリー点を有し、室温での保磁力がほぼゼ
ロであり、室温で面内磁気異方性を示し所定温度以上で
垂直磁気異方性を示し、上記の第3磁性層は、室温から
キュリー点まで垂直磁気異方性を示し、第1磁性層より
も高いキュリー点を有し、室温での保磁力が第1磁性層
よりも低い構成である。
【0157】それゆえ、室温では第1磁性層と第3磁性
層の磁気的結合が起こらず、記録時の高温では、第1磁
性層と第3磁性層の磁気的結合が起こるため、第1磁性
層に対し、光変調オーバーライトが可能となるという効
果を奏する。
【0158】請求項2の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項1の光磁気記録媒体であって、第
1磁性層は、キュリー点が100〜250℃、室温での
保磁力が5kOe以上であり、第2磁性層は、垂直磁気
異方性を示す温度が80℃以上であり、第3磁性層3
は、キュリー点が150〜400℃であり、室温での保
磁力が3kOe以下である構成である。
【0159】それゆえ、記録時の温度が80℃以上であ
れば第1磁性層と第3磁性層の磁気的結合が起こる。ま
た、第3磁性層に記録された情報は必ず第1磁性層に転
写される。さらに、初期化磁場は3kOe以下になると
いう効果を奏する。
【0160】請求項3の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項2の光磁気記録媒体であって、第
2磁性層のキュリー点は、第3磁性層のキュリー点とほ
ぼ等しい構成である。
【0161】それゆえ、第3磁性層への記録がスムーズ
に行われるという効果を奏する。
【0162】請求項4の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項3の光磁気記録媒体であって、第
1磁性層の組成は、室温で遷移金属リッチもしくは補償
組成となるように設定されており、第2磁性層の組成
は、室温で希土類金属リッチとなるように設定されてお
り、第3磁性層の組成は、室温で希土類金属リッチであ
り、補償点が100〜300℃になるように設定されて
いる構成である。
【0163】それゆえ、第3磁性層は、室温から補償点
までは希土類金属支配の磁化の向きを示し、補償点から
キュリー点までは遷移金属支配の磁化の向きを示す。す
なわち、記録時の高温で記録された磁化の向きは室温で
反転するので、初期化磁場の向きと記録磁場の向きを同
じにすることが可能となるという効果を奏する。
【0164】請求項5の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項1〜4の光磁気記録媒体であっ
て、第1磁性層はDyFeCoからなり、第2磁性層は
GdFeCoからなり、第3磁性層はGdDyFeCo
もしくはDyFeCoからなる構成である。
【0165】それゆえ、希土類金属の組成比で室温の保
磁力、磁化の向きを決定することが可能となり、Fe/
Coの比でキュリー点、補償点を決定することが可能と
なるという効果を奏する。
【0166】請求項6の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項1〜4の光磁気記録媒体であっ
て、第1磁性層はDya (Feb Co1-b 1-a からな
り、第2磁性層はGdc (Fed Co1-d 1-c からな
り、第3磁性層は(Gde Dy1-e g (Fef Co
1-f 1-g 、もしくは、Dyh (Fei Co1-i 1-h
からなり、a、b、c、d、e、f、g、h、iは、そ
れぞれ、0.18≦a≦0.25、 0.70≦b≦0.90、 0.20≦
c≦0.35、 0.50≦d≦0.90、0.10≦e≦0.80、 0.30
≦f≦0.80、 0.23≦g≦0.30、 0.28≦h≦0.33、0.
50≦i≦0.75を満足するように設定されている構成であ
る。
【0167】それゆえ、適度なレーザーパワー、初期化
磁場、記録磁場により記録することが可能となる上に、
ディジタル記録に必要とされる再生信号品質を確保する
ことが可能となるという効果を奏する。
【0168】請求項7の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項1〜6の光磁気記録媒体であっ
て、第1磁性層の膜厚が20〜100nm、第2磁性層
の膜厚が5〜50nm、第3磁性層の膜厚が20〜20
0nmに設定されている構成である。
【0169】それゆえ、適度なレーザーパワー、初期化
磁場、記録磁場により記録することが可能となる上に、
ディジタル記録に必要とされる再生信号品質を確保する
ことが可能となるという効果を奏する。
【0170】請求項8の発明に係る光磁気記録媒体は、
以上のように、請求項1〜7の光磁気記録媒体であっ
て、第1磁性層の、第2磁性層が形成されている面とは
反対側の面に第0磁性層が形成されており、上記の第0
磁性層は、第1磁性層よりも高いキュリー点を有し、室
温での保磁力がほぼゼロであり、室温で面内磁気異方性
を示し、所定温度以上で垂直磁気異方性を示す構成であ
る。
【0171】それゆえ、上記の光変調オーバーライト記
録が可能となる上に、再生動作時に、雑音の原因とな
り、再生の分解能を低下させる隣接ビットからの信号混
入がなくなる。したがって、従来より小さな記録ビット
の再生が行え、記録密度は著しく向上するという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の光磁気ディスクの概略の
構成を示す断面図である。
【図2】図1の光磁気ディスクにおける各磁性層の保磁
力の温度依存性を示す説明図である。
【図3】図1の光磁気ディスクにおける記録プロセスを
示す説明図である。
【図4】図1の光磁気ディスクに照射されるレーザー光
の強度を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施例の光磁気ディスクの他の概
略の構成を示す断面図である。
【図6】従来の光磁気ディスクにおける記録プロセスを
示す説明図である。
【図7】図6の光磁気ディスクにおける各磁性層の保磁
力の温度依存性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 誘電体層 3 磁性層(第1磁性層) 4 磁性層(第2磁性層) 5 磁性層(第3磁性層) 6 保護層 7 オーバーコート層 8 磁性層(第0磁性層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類金属−遷移金属合金からなる第1磁
    性層、第2磁性層、第3磁性層が順次形成されており、 上記の第1磁性層は、室温からキュリー点まで垂直磁気
    異方性を示し、上記の第2磁性層は、第1磁性層よりも
    高いキュリー点を有し、室温での保磁力がほぼゼロであ
    り、室温で面内磁気異方性を示し、所定温度以上で垂直
    磁気異方性を示し、上記の第3磁性層は、室温からキュ
    リー点まで垂直磁気異方性を示し、第1磁性層よりも高
    いキュリー点を有し、室温での保磁力が第1磁性層より
    も低いことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】第1磁性層は、キュリー点が100〜25
    0℃、室温での保磁力が5kOe以上であり、第2磁性
    層は、垂直磁気異方性を示す温度が80℃以上であり、
    第3磁性層は、キュリー点が150〜400℃であり、
    室温での保磁力が3kOe以下であることを特徴とする
    請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】第2磁性層のキュリー点は、第3磁性層の
    キュリー点とほぼ等しいことを特徴とする請求項2記載
    の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】第1磁性層の組成は、室温で遷移金属リッ
    チもしくは補償組成となるように設定されており、第2
    磁性層の組成は、室温で希土類金属リッチとなるように
    設定されており、第3磁性層の組成は、室温で希土類金
    属リッチであり、補償点が100〜300℃になるよう
    に設定されていることを特徴とする請求項3記載の光磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】第1磁性層はDyFeCoからなり、第2
    磁性層はGdFeCoからなり、第3磁性層はGdDy
    FeCoもしくはDyFeCoからなることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4のいずれかに記載の光磁気記録
    媒体。
  6. 【請求項6】第1磁性層はDya (Feb Co1-b
    1-a からなり、第2磁性層はGdc (Fed Co1-d
    1-c からなり、第3磁性層は(Gde Dy1-e g (F
    f Co1-f 1-g 、もしくは、Dyh (Fei Co
    1-i 1-h からなり、a、b、c、d、e、f、g、
    h、iは、それぞれ、 0.18≦a≦0.25、 0.70≦b≦0.90、 0.20≦c≦0.3
    5、 0.50≦d≦0.90、 0.10≦e≦0.80、 0.30≦f≦0.80、 0.23≦g≦0.3
    0、 0.28≦h≦0.33、 0.50≦i≦0.75を満足するように設定されていることを
    特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の光
    磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】第1磁性層の膜厚が20〜100nm、第
    2磁性層の膜厚が5〜50nm、第3磁性層の膜厚が2
    0〜200nmに設定されていることを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6のいずれかに記載の光磁気記
    録媒体。
  8. 【請求項8】第1磁性層の、第2磁性層が形成されてい
    る面とは反対側の面に第0磁性層が形成されており、 上記の第0磁性層は、第1磁性層よりも高いキュリー点
    を有し、室温での保磁力がほぼゼロであり、室温で面内
    磁気異方性を示し、所定温度以上で垂直磁気異方性を示
    すことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7
    のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
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