JP2942060B2 - 光磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2942060B2
JP2942060B2 JP12342692A JP12342692A JP2942060B2 JP 2942060 B2 JP2942060 B2 JP 2942060B2 JP 12342692 A JP12342692 A JP 12342692A JP 12342692 A JP12342692 A JP 12342692A JP 2942060 B2 JP2942060 B2 JP 2942060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magneto
optical recording
recording medium
magnetic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12342692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05314559A (ja
Inventor
純一郎 中山
博之 片山
直泰 池谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Original Assignee
Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC filed Critical Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Priority to JP12342692A priority Critical patent/JP2942060B2/ja
Publication of JPH05314559A publication Critical patent/JPH05314559A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2942060B2 publication Critical patent/JP2942060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録、
再生、消去の少なくとも一つを行う光ディスク、光カー
ド等の光磁気記録媒体および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録方式とは、基板上に磁性体か
らなる垂直磁化膜を形成した構成の光磁気記録媒体に対
して、以下の方法で記録、再生を行う方式である。
【0003】記録の際には、まず、光磁気記録媒体を強
力な外部磁場等によって初期化する。すなわち、垂直磁
化膜の磁化の方向を一方向(上向き、または下向き)に
揃える。その後、光磁気記録媒体上の記録を行う部分に
レーザービームを照射することにより、その部分の垂直
磁化膜の温度をキュリー点近傍以上、もしくは補償点近
傍以上に加熱する。これにより、加熱された部分の保磁
力(HC )をゼロ、またはほとんどゼロとなる。この状
態で、初期化された磁化の方向とは逆向きの外部磁場
(バイアス磁場)を印加し、磁化の向きを反転させる。
レーザービームの照射を止めると、垂直磁化膜の温度は
常温に戻るので反転した磁化は固定され、熱磁気的に情
報が記録される。
【0004】再生の際には、直線偏光したレーザービー
ムを垂直磁化膜に照射し、その反射光または透過光にお
ける偏光面の回転が磁化の向きによって異なる現象(磁
気カー効果、磁気ファラデー効果)を利用して光学的に
情報を読み出す。
【0005】以上のように、光磁気記録媒体は、情報の
記録・再生が可能であるため、書き換え可能な大容量記
憶素子として注目されている。
【0006】ところで、光磁気記録媒体を再使用をする
ためには、初期化装置あるいは、初期化用と記録用の二
個の磁気ヘッドを必要するが、前者では、コストが増大
し、後者では、初期化のために時間がかかる。
【0007】そこで、オーバーライト(消去動作をせず
に書き換える)ができるように、外部磁場(バイアス磁
場)発生装置あるいは、光磁気記録媒体を工夫する必要
がある。ところが、前者では、ハードディスク装置の場
合と同じように、ヘッド・クラッシュの問題があるた
め、従来より光磁気記録媒体に工夫が施されている。
【0008】例えば、赤坂らは、Jap.Jour.A
ppl.Phys.,Vol.28(1989)Sup
pl.28−3,pp.367−370において、垂直
磁化膜を交換結合二層膜で構成すれば、オーバーライト
が可能になることを報告している。
【0009】交換結合二層膜は、図6に示すように、第
1の磁性層21と第2の磁性層22を積層した構成にな
っている。室温において、磁性層21の保磁力H1 は、
に示すように、初期化磁場Hini より大きくなるよ
うに設定されており、磁性層22の保磁力H2 は初期化
磁場Hini より小さくなるように設定されている。この
ため、初期化磁場Hini を印加すると、第2の磁性層2
2だけが初期化され、磁化が初期化磁場Hini の方向
(下向き)に揃う。なお、初期化は常時行ってもよい
し、記録時にのみ行ってもよい。
【0010】記録時、記録磁場HW を印加しながら、レ
ーザー光を照射する。レーザー光の強度は記録情報に応
じて高低二レベル(図のレベルI・IIに対応)に変調
されている。高レベルのレーザー光を照射すると、両方
の磁性層21・22がキュリー点T1 、T2 付近または
それ以上の温度TH まで昇温するように設定されてお
り、低レベルのレーザー光を照射すると、磁性層21の
キュリー点T1 付近またはそれ以上の温度TL まで昇温
するように設定されている。
【0011】したがって、高レベルのレーザー光が照射
されると、磁性層22の磁化は記録磁場HW により上向
きに反転する。磁性層21の磁化の向きは、冷却の過程
で磁性層21と22の界面に作用する交換力により第2
の磁性層4の磁化の向きと一致する。したがって、磁性
層21の向きは上向きとなる。
【0012】一方、低レベルのレーザー光が照射される
と、磁性層22の磁化は記録磁場HW により反転されな
い。しかし、この場合も、磁性層21の磁化の向きは、
やはり冷却の過程で磁性層22の磁化の向きと一致する
ことになる。したがって、磁性層21の磁化の向きは、
下向きとなる。
【0013】なお、記録磁場HW は、図7に示すよう
に、初期化磁場Hini よりかなり小さくなるように設定
されている。また、再生時のレーザー光の強度は、図8
に示すように、記録時のレベルI・IIよりもかなり低い
レベルIII になるように設定されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、非常に大きな初期化磁場Hini を必要と
し、これを小さくするように磁性層21・22に使用さ
れる磁性材料を選ぶと、オーバーライトが不可能になる
という問題点を有している。
【0015】そこで、初期化磁場Hini を小さくするた
めに、磁性層21と22の間にさらに中間の磁性層を設
けた光磁気記録媒体が、Jap.Jour.Appl.
Phys.,Vol.28(1989)Suppl.2
8−3,pp.27−31に記載されている。
【0016】ところが、磁性層21・22および中間の
磁性層を形成するためには、三つのターゲットを必要と
なるので、光磁気記録媒体の製造コストが高くなり、生
産効率も低下するという新たな問題を招来する。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
磁気記録媒体は、上記の課題を解決するために、透光性
を有する基板上に少なくとも第1、第2、第3の磁性層
を順次積層した、オーバーライト可能な光磁気記録媒体
であって、第2の磁性層の垂直磁気異方性は第1および
第3の磁性層の垂直磁気異方性よりも小さく、第2の磁
性層単層では垂直磁気記録ができないように設定されて
おり、かつ、第2の磁性層は、第1または第3の磁性層
の少なくとも一方と同一の元素からなり異なる組成比を
有する磁性材料で形成されているとともに、上記第2の
磁性層の組成比が積層方向に沿って連続的に変化してい
ことを特徴としている。
【0018】請求項の発明に係る光磁気記録媒体の製
造方法は、上記の課題を解決するために、透光性を有す
る基板上に少なくとも第1、第2、第3の磁性層が順次
積層されており、かつ、第2の磁性層は、第1または第
3の磁性層の少なくとも一方と同一の元素からなり異な
る組成比を有する磁性材料で形成されている光磁気記録
媒体をスパッタリングにより製造する方法であって、第
2の磁性層と、第1または第3の磁性層の少なくとも一
方とを、同一のターゲットを用い、スパッタリング条件
として、不活性ガスの圧力を変えることにより順次形成
するとともに、上記第2の磁性層の成膜時、スパッタリ
ング条件を連続的に変えることを特徴としている。
【0019】
【作用】請求項1の発明に係る光磁気記録媒体によれ
ば、透光性を有する基板上に少なくとも第1、第2、第
3の磁性層を順次積層した、オーバーライト可能な光磁
気記録媒体であって、第2の磁性層の垂直磁気異方性は
第1および第3の磁性層の垂直磁気異方性よりも小さ
く、第2の磁性層単層では垂直磁気記録ができないよう
に設定されており、かつ、第2の磁性層は、第1または
第3の磁性層の少なくとも一方と同一の元素からなり異
なる組成比を有する磁性材料で形成されているので、比
較的弱い初期化磁場で初期化でき、しかも、オーバーラ
イトが可能な光磁気記録媒体のコストを下げることがで
きる。
【0020】また、上記第2の磁性層の組成比が積層方
向に沿って連続的に変化しているので、生産効率の高い
光磁気記録媒体が得られる。
【0021】請求項の発明に係る光磁気記録媒体の製
造方法によれば、透光性を有する基板上に少なくとも第
1、第2、第3の磁性層が順次積層されており、かつ、
第2の磁性層は、第1または第3の磁性層の少なくとも
一方と同一の元素からなり異なる組成比を有する磁性材
料で形成されている光磁気記録媒体をスパッタリングに
より製造する方法であって、第2の磁性層と、第1また
は第3の磁性層の少なくとも一方とを、同一のターゲッ
トを用い、スパッタリング条件として、不活性ガスの圧
力を変えることにより順次形成するので、比較的弱い初
期化磁場で初期化でき、しかも、オーバーライトが可能
な光磁気記録媒体を効率よく製造できる。
【0022】また、上記第2の磁性層の成膜時、スパッ
タリング条件を連続的に変えるので、さらに効率よく光
磁気記録媒体を製造できる。
【0023】
【実施例】本発明の第1の実施例について図1ないし図
3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0024】本実施例の光磁気記録媒体は、図1に示す
ように、透光性の基板1に、透光性を有する誘電体層2
と、第1の磁性層3と、第2の磁性層4と、第3の磁性
層5と、保護膜としての誘電体層6と、保護層7とを順
次積層した構成になっている。
【0025】基板1の材料には、ガラスまたは、ポリカ
ーボネート等のプラスチックが使用される。
【0026】磁性層3と5は、垂直磁気記録が可能な垂
直磁気異方性が高い磁性体からなっており、磁性層4
は、垂直磁気記録が不可能な垂直磁気異方性が小さい磁
性体からなっている。これらの磁性層3〜5の材料に
は、例えば、希土類−遷移金属アモルファス合金が使用
される。
【0027】誘電体層2・6の材料には、例えば、Al
Nが使用され、保護層7の材料には、例えば、紫外線硬
化樹脂が使用される。
【0028】上記の光磁気記録媒体は、具体的には例え
ば、ガラスの基板1上に、誘電体層2としての膜厚80
nmのAlNと、磁性層3としての膜厚50nmのTb
20Fe75Co5 と、磁性層4としての膜厚5nmのTb
15Fe78Co7 と、磁性層5としての膜厚50nmのT
26Fe54Co20と、誘電体層6としての膜厚80nm
のAlNとを順次、スパッタリングで成膜した後、保護
層7としてのアクリレート系の紫外線硬化樹脂を誘電体
層6上に塗布し、紫外線照射により硬化させた構成にな
っている。
【0029】上記の磁性層3と4は、同一のTbFeC
oターゲットを使用し、スパッタリング条件を変えるこ
とにより成膜される。すなわち、磁性層3はArガスの
圧力を9mTorr、放電電力500Wの条件で成膜さ
れ、磁性層4はArガスの圧力を50mTorr、放電
電力500Wの条件で成膜される。
【0030】磁性層5は、磁性層3・4のためのターゲ
ットとは別の組成のTbFeCoターゲットを使用して
成膜される。ただし、スパッタリング条件は、磁性層3
のスパッタリング条件と同一である。
【0031】以上のように、磁性層3と4の成膜のため
に同一のターゲットを使用し、スパッタリング条件だけ
を変えているので、光磁気記録媒体を二種類のターゲッ
トで製造できる。これにより、スパッタリング装置を簡
素化できると共に、オーバーライト可能な実用的な光磁
気記録媒体を効率よく製造できる。
【0032】上記の光磁気記録媒体を用いて測定された
ファラデー・ループを図2に示す。図中、横軸は印加磁
界、縦軸はファラデー回転角である。矢印はループの描
く方向を示している。また、比較のために、中間の磁性
層4を省略した光磁気記録媒体を上記と同一の条件で試
作し、これについて測定されたファラデー・ループを図
3に示す。
【0033】磁性層4を省略した光磁気記録媒体では、
印加磁界がマイナス方向からゼロに近づくと、ファラデ
ー回転角が大きく変化しているが、本実施例の光磁気記
録媒体では、印加磁界がゼロを通過してプラスになって
からファラデー回転角が大きく変化している。つまり、
前者では、磁界を印加して記録した情報が磁界をゼロに
すると消去されてしまうが、後者(本実施例の光磁気記
録媒体)では、磁界を印加して記録した情報が磁界をゼ
ロにしても消去されないことを示している。
【0034】また、本実施例の光磁気記録媒体は中間の
磁性層4を有しているので、初期化磁場は小さく、約2
kOeであった。
【0035】本発明の第2の実施例について図4に基づ
いて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便
宜上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の機能を
有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略
する。
【0036】光磁気記録媒体は、図4に示すように、透
光性の基板1と、透光性を有する誘電体層2と、磁性層
8と、第3の磁性層5と、保護膜としての誘電体層6
と、保護層7とを順次積層した構成になっている。
【0037】磁性層8は、前記実施例の第1の磁性層3
と第2の磁性層4の機能を備えている。すなわち、磁性
層8の大部分は垂直磁気記録が可能な垂直磁気異方性が
高い磁性体からなっているが、磁性層5との界面に近づ
くにしたがって垂直磁気異方性が低下し、界面付近で
は、垂直磁気記録が不可能な垂直磁気異方性が小さい磁
性体が配されている。磁性層8の材料には、例えば、希
土類−遷移金属アモルファス合金が使用される。
【0038】上記の光磁気記録媒体は、具体的には例え
ば、ガラスの基板1上に、誘電体層2としての膜厚80
nmのAlNと、磁性層8としての膜厚55nmのTb
FeCo(誘電体層2側の膜厚約50nmの部分はTb
20Fe75Co5 であり、磁性層5との界面に近づくと組
成が徐々にTb15Fe78Co7 に変化している)と、磁
性層5としての膜厚50nmのTb26Fe54Co20と、
誘電体層6としての膜厚80nmのAlNとを順次、ス
パッタリングで成膜した後、保護層7としてのアクリレ
ート系の紫外線硬化樹脂を誘電体層6上に塗布し、紫外
線照射により硬化させた構成になっている。
【0039】以上のように構成された光磁気記録媒体は
前記実施例の光磁気記録媒体とほぼ同様の性能を示し
た。
【0040】上記の磁性層8は、TbFeCoターゲッ
トを使用し、スパッタリング条件を連続的に変えること
により成膜される。すなわち、Arガスの圧力を9mT
orr、放電電力500Wの条件で約50nm成膜した
後、Arガスの圧力を徐々に50mTorrまで上昇さ
せながら、約5nm成膜することにより得られる。
【0041】磁性層5は、磁性層8のためのターゲット
とは別の組成のTbFeCoターゲットを使用して成膜
される。ただし、スパッタリング条件は、磁性層8の最
初のスパッタリング条件(9mTorr、放電電力50
0W)と同一である。
【0042】以上のように、スパッタリング条件を連続
的に変えることにより、磁性層8の厚さ方向の組成を変
化させ、前記磁性層3と4の機能を持たせているので、
ターゲットを二種類にすることができる。これにより、
スパッタリング装置を簡素化できると共に、オーバーラ
イト可能な実用的な光磁気記録媒体を効率よく製造でき
る。
【0043】本発明の第3の実施例について図5に基づ
いて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便
宜上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の機能を
有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略
する。
【0044】光磁気記録媒体は、図5に示すように、透
光性の基板1と、透光性を有する誘電体層2と、第1の
磁性層3と、磁性層9と、保護膜としての誘電体層6
と、保護層7とを順次積層した構成になっている。
【0045】磁性層9は、前記第1の実施例の第2の磁
性層4と第3の磁性層5の機能を備えている。すなわ
ち、磁性層9の大部分は垂直磁気記録が可能な垂直磁気
異方性が高い磁性体からなっているが、磁性層3との界
面に近づくにしたがって垂直磁気異方性が低下し、界面
付近では、垂直磁気記録が不可能な垂直磁気異方性が小
さい磁性体が配されている。磁性層9の材料には、例え
ば、希土類−遷移金属アモルファス合金が使用される。
【0046】上記の光磁気記録媒体は、具体的には例え
ば、ガラスの基板1上に、誘電体層2としての膜厚80
nmのAlNと、磁性層3としての膜厚50nmのTb
20Fe75Co5 と、磁性層9としての膜厚55nmのT
bFeCo(磁性層3側の膜厚約5nmの部分はTb30
Fe51Co19であり、誘電体層6側の膜厚約50nmの
部分はTb26Fe54Co20である)と、誘電体層6とし
ての膜厚80nmのAlNとを順次、スパッタリングで
成膜した後、保護層7としてのアクリレート系の紫外線
硬化樹脂を誘電体層6上に塗布し、紫外線照射により硬
化させた構成になっている。
【0047】以上のように構成された光磁気記録媒体は
前記実施例の光磁気記録媒体とほぼ同様の性能を示し
た。
【0048】上記の磁性層3は、TbFeCoターゲッ
トを使用して、Arガスの圧力を9mTorr、放電電
力500Wの条件で約50nm成膜される。
【0049】磁性層9は、磁性層3のためのターゲット
とは別の組成のTbFeCoターゲットを使用し、スパ
ッタリング条件を連続的に変えて成膜される。すなわ
ち、Arガスの圧力を2mTorr、放電電力500W
の条件で約5nm成膜した後、Arガスの圧力を徐々に
9mTorrまで上昇させながら、約50nm成膜する
ことにより得られる。
【0050】以上のように、スパッタリング条件を連続
的に変えることにより、磁性層9の厚さ方向の組成を変
化させ、第1の実施例の磁性層4と5の機能を持たせて
いるので、ターゲットを二種類にすることができる。こ
れにより、スパッタリング装置を簡素化できると共に、
オーバーライト可能な実用的な光磁気記録媒体を効率よ
く製造できる。
【0051】以上の実施例で示した光磁気記録媒体の具
体例は一例であって、磁性体材料、膜厚等を、これに限
定する必要はない。また、これらの光磁気記録媒体の製
造方法で示したArガスの圧力、放電電力等のスパッタ
リング条件についても、これに限定する必要はない。
【0052】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光磁気記録媒体
は、以上のように、第2の磁性層の垂直磁気異方性は第
1および第3の磁性層の垂直磁気異方性よりも小さく、
第2の磁性層単層では垂直磁気記録ができないように設
定されており、かつ、第2の磁性層は、第1または第3
の磁性層の少なくとも一方と同一の元素からなり異なる
組成比を有する磁性材料で形成されているので、比較的
弱い初期化磁場で初期化でき、しかも、オーバーライト
が可能な光磁気記録媒体のコストを下げることができる
という効果を奏する。
【0053】また、上記第2の磁性層の組成比が積層方
向に沿って連続的に変化しているので、生産効率の高い
光磁気記録媒体が得られるという効果を奏する。
【0054】請求項3の発明に係る光磁気記録媒体の製
造方法は、以上のように、第2の磁性層と、第1または
第3の磁性層の少なくとも一方とを、同一のターゲット
を用い、スパッタリング条件として、不活性ガスの圧力
を変えることにより順次形成するので、比較的弱い初期
化磁場で初期化でき、しかも、オーバーライトが可能な
光磁気記録媒体を効率よく製造できるという効果を奏す
る。
【0055】また、上記第2の磁性層の成膜時、スパッ
タリング条件を連続的に変えるので、さらに効率よく光
磁気記録媒体を製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すものであり、光磁気
記録媒体の概略の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の光磁気記録媒体を用いて測定されたファ
ラデー・ループを示すグラフである。
【図3】比較例を示すものであり、交換結合二層膜を有
する光磁気記録媒体を用いて測定されたファラデー・ル
ープを示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施例を示すものであり、光磁気
記録媒体の概略の構成を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示すものであり、光磁気
記録媒体の概略の構成を示す縦断面図である。
【図6】従来例を示すものであり、交換結合二層膜を有
する光磁気記録媒体を用いたときの光磁気記録方法を示
す説明図である。
【図7】交換結合二層膜を有する光磁気記録媒体におけ
る各磁性層の保磁力の温度依存性を示すグラフである。
【図8】交換結合二層膜を有する光磁気記録媒体を用い
て記録再生を行うときのレーザー光の強度を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 誘電体層 3 磁性層(第1の磁性層) 4 磁性層(第2の磁性層) 5 磁性層(第3の磁性層) 6 誘電体層 7 保護層 8 磁性層(第1および第2の磁性層) 9 磁性層(第2および第3の磁性層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−117645(JP,A) 特開 平3−84754(JP,A) 特開 平5−217232(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性を有する基板上に少なくとも第1、
    第2、第3の磁性層を順次積層した、オーバーライト可
    能な光磁気記録媒体であって、 第2の磁性層の垂直磁気異方性は第1および第3の磁性
    層の垂直磁気異方性よりも小さく、第2の磁性層単層で
    は垂直磁気記録ができないように設定されており、か
    つ、第2の磁性層は、第1または第3の磁性層の少なく
    とも一方と同一の元素からなり異なる組成比を有する磁
    性材料で形成されているとともに、上記第2の磁性層の
    組成比が積層方向に沿って連続的に変化していることを
    特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】透光性を有する基板上に少なくとも第1、
    第2、第3の磁性層が順次積層されており、かつ、第2
    の磁性層は、第1または第3の磁性層の少なくとも一方
    と同一の元素からなり異なる組成比を有する磁性材料で
    形成されている光磁気記録媒体をスパッタリングにより
    製造する方法であって、 第2の磁性層と、第1または第3の磁性層の少なくとも
    一方とを、同一のターゲットを用い、スパッタリング条
    件として、不活性ガスの圧力を変えることにより順次形
    成するとともに、上記第2の磁性層の成膜時、スパッタ
    リング条件を連続的に変えることを特徴とする光磁気記
    録媒体の製造方法。
JP12342692A 1992-05-15 1992-05-15 光磁気記録媒体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2942060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12342692A JP2942060B2 (ja) 1992-05-15 1992-05-15 光磁気記録媒体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12342692A JP2942060B2 (ja) 1992-05-15 1992-05-15 光磁気記録媒体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05314559A JPH05314559A (ja) 1993-11-26
JP2942060B2 true JP2942060B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=14860273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12342692A Expired - Fee Related JP2942060B2 (ja) 1992-05-15 1992-05-15 光磁気記録媒体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2942060B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003272264A (ja) 2002-03-14 2003-09-26 Sony Corp 光磁気記録媒体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05314559A (ja) 1993-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2938284B2 (ja) 光磁気記録媒体及びこれを用いた記録再生方法
JPH06203417A (ja) 光磁気記録媒体およびその記録方法と記録再生方法
US5265073A (en) Overwritable magneto-optical recording medium having two-layer magnetic films wherein one of the films contains one or more of Cu, Ag, Ti, Mn, B, Pt, Si, Ge, Cr and Al, and a method of recording on the same
US5498485A (en) Magneto-optical recording medium and manufacturing method thereof
JP3215311B2 (ja) 光磁気記録媒体および光磁気記録方法
JP2942060B2 (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法
JP3192281B2 (ja) 光磁気記録媒体の記録方法
JPH07130027A (ja) 光磁気記録装置
JPH06251443A (ja) 光磁気記録媒体
US5962126A (en) Method and apparatus for reproducing data from a magneto-optical recording medium having a readout layer, transfer layer and recording layer
JP3359804B2 (ja) 光磁気記録媒体及びそれを用いた光磁気記録方法
JP3192302B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその記録方法
JPH10134437A (ja) 光磁気記録媒体の製造方法
JPH09231630A (ja) 光磁気記録媒体
JP2955174B2 (ja) 光磁気記録媒体用カートリッジ
JP3074104B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2948420B2 (ja) 光磁気記録媒体
EP0552957B1 (en) Magneto-optical recording medium and manufacturing method thereof
JP2959646B2 (ja) 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法
JP3000385B2 (ja) 光磁気記録方法
JP3316287B2 (ja) 光磁気記録方法及び光磁気記録装置
JP3071246B2 (ja) 光磁気記録方法
JP2505602B2 (ja) 光磁気記録担体及び光磁気記録担体の製造方法
JP2586553B2 (ja) 光磁気記録両面媒体の初期化方法
JP2857008B2 (ja) 光磁気記録媒体の再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees