JPH06251224A - 自動販売機に投入された物体の適合を確かめ、一定順路で送るための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】不適合物を確実に検知・排出することができる
コインインプット装置を提供し、不適合物が投入された
とき、及び／或いは不当な手段による場合に、コイン通
路へのアクセスを防止するために、検知及び排出をコイ
ン通路の充分前で行ない、信頼できる検知を可能にす
る。 【構成】コイン受け部４０，４１を持つ位置決め部材の
ディスク２９により、開口２８と連通しているが処理装
置のコインセレクタ１４へのアクセスはブロックしてい
る第１位置と、コイン受け部４０，４１が処理装置のコ
インセレクタ１４と連通し開口２８はブロックする第２
位置との間でコインの移動が可能な装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、製品或いはサービスの
自動販売機に代金として投入された（コインの性質を帯
びた）物体の適合を確かめて、そして、前記物体を処理
手段に差し向けるための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明は、例として、食料品或いはその
他のものような消費製品用の自動販売機、又は、旅行券
或いは駐車券のようなサービスの自動販売機に適用する
ことができる。コインでの支払いと引替えに製品或いは
サービスを分配するための装置（以下、「自動販売機」
という。）は、一般に、コインが投入されるスロット形
態の開口と、釣銭を出し、コインを返却し、そして／又
は、取引の対価に相当する製品或いはチケットを引き渡
すための一又は二以上の開口とを備えたフロントパネル
を有する。これらの装置は、普通は、自動販売機の運転
に必要な種々の装置、例えば、「コインインプット」と
呼ばれる装置、コインセレクタ、キャッシュボックス、
不適合物排出装置及び返却トレイが入った矩形ブロック
形態の包囲容器を備える。「コインインプット」と呼ば
れ、そして、より詳細には本発明の対象を形成する装置
は、いくつかの機能、特に、自動販売機が使用されてい
ない時に投入スロットをブロックし、コインのそれぞれ
の価値を明らかにするためにコインをセレクタに一定順
路で送り、そして、自動販売機に投入されたけれど適合
しない物体を排出する機能を有する。

【０００３】従って、コインインプット装置は種々の部
品、特に、不適合物が入れられるのを防ぐか、或いは、
それにもかかわらずもしこれらのものが入れられたとし
てもそれらを排出できるように投入された物体の予備認
識を行うセンサを有する。上述した自動販売機は、当
然、公共の場所に設置され、かくして、野蛮行為及び／
又は詐欺行為にさらされる。蛮行に耐えるために、自動
販売機は、特に、その開口部領域、更に詳しくは、その
コインインプトに高い機械的強度を必要とする。同様
に、詐欺的行為もこの種の自動販売機に関する大きな問
題を構成する。例えば、装置の運転を解除し、そして、
投入されたコインを取り戻すために、ワイヤ等を取付け
たコインを差し込む試みがなされたり、又、形状或いは
組成のいずれかがコインに似ている物体を投入する試み
がなされたり、他の消費者がそのあとに投入したが支払
いの対価を得ることなく放棄したコインを回収するため
に、れたコインを回収するためにコイン投入口をブロッ
クし、次いで、詐欺者がシステムのブロックを解除し、
投入されたコインを回収し、及び／又は製品及び／或い
はサービスを得ることある。自動販売機を制御する電子
装置を妨げ、或いは、作動しなくするために、液体のよ
うな異物、例えば酸を入れ、これにより、永久に小出し
するか或いは釣り銭を出す状態にする試みもなされるこ
とがある。

【０００４】上記の例は、このような自動販売機を保護
することの難しさを示す。かくして、コインが投入され
る開口とコインの認識を行うコインセレクタとの間でコ
インを搬送する装置へのアクセスを、正当な権限を有す
る人によるアクセスを除いて阻止するのが望ましい。試
みが、上記問題を解決するための周知の方法で行われて
きた。最も簡単な形式の周知の自動販売機は探知手段を
備えず、コイン投入用開口をブロックする第１の位置
と、該開口を開きコインの投入を可能にする第２の、引
っ込み位置との間で回転するように取付けられたフラッ
プを有する。このフラップの開閉は、例えば、支払いの
条件及び製品及びサービスの選択がユーザによって正確
に入れられた時に、開口を自由にするようになっている
中央ユニットによって行われる。この比較的基本的な周
知の装置は、問題を有する。第一に、一度、フラップが
開いてしまうと、装置の内部へのアクセス、特に、コイ
ン通路へのアクセスが大変容易に行え、かくして、通路
をブロックでき、或いは、上記のように、結び付けられ
たコインを通路を通して投入できる。又、この装置は、
投入された物体の如何なる認識も行わない。

【０００５】上述した装置を改良するために試みがなさ
れ、スロット近傍に設置され、中央ユニットを介してコ
イン投入開口を開くための命令を出すようになってい
る、例えば誘導式のセンサを備えたコインインプット装
置が知られている。これによって、ボール紙の円盤のよ
うな明らかに適合しないいくつかの物体を排除できるけ
れど、それにもかかわらず、この装置は投入された物体
の一つの特徴のみに限られる。更に、一度センサの命令
によってフラップが引っ込むと、これによってスロット
が開き、かくして、自動販売機内部へアクセスでき、上
述した損害を与える結果が起こる。更に、センサがコイ
ン投入スロットのセンサの近傍にあることにより、セン
サが攻撃されやすくなり、且つ、スロットを通してのド
ライバのようなものの挿入によっておこなわれ、かくし
て、センサを作動不能にすることになる損害に対し無防
備になる。上述した公知の２つのタイプのコインインプ
ット装置は、しばしば、投入されたコインをコイン入口
からコインセレクタに供給するための重力式供給装置と
関連する。重力式供給装置は、一般に、シュート形態の
傾斜路によって形成される。このシュートは、コインを
転がすことにより供給する簡単なタイプのもの、或い
は、「力学式(dynamic) 」と呼ばれるタイプのものでも
よく、力学式は投入された物体をその力学的特性に応じ
てテストできるテスト手段を備えており、コインはセレ
クタに達する所定の通路を通り、一方、不適合物は、検
知されてセレクタに達する前に排出される。この排出は
それ自体で有利であるが、この排出が、インプット装置
の下流側、従って、機械内部で行われ、この部分で投入
された不適合物、特に腐食性液体による損傷が起こるか
もしれないので、この装置は、いつも満足できるわけで
はない。更に、重力によって供給を行う傾斜路即ちシュ
ートは、無視できない高さを占める。しかしながら、自
動販売機の使用に伴う、特に身体障害者による制約は、
スロットの高さを地面から最大１．３メートルに制限す
る。健常者が使用しやすいように、自動販売機は、返
金、釣銭或いはチケット用の排出装置を少なくとも地上
０．６５メートルの高さに配置しなければならない。か
くして、これにより自動販売装置及びシステムの全高及
び寸法が、最大高さ寸法０．６５メートルに制限され
る。しかしながら、重力式装置は、この高さの大部分
を、コインを単にコイン入口からセレクタに供給するた
めだけに使う。

【０００６】第３のタイプのコインインプット装置が、
特にパーキングメータタイプの装置用に提案され、この
装置は２枚のフラップを備え、このフラップは、フラッ
プがコインインプット装置へのアクセスをブロックする
縁と縁の合った第１位置と、フラップが互いに離れ、か
くして、投入された物がコインインプット装置に通す第
２の位置との間で移動するようになっている。２つのフ
ラップ用の開コマンドは、物体それ自身により、カムを
用いて出され、カムの一端はコイン或いは投入物の縁に
当接し、他端は２枚のフラップの分離を行うようになっ
た機構と関連して、かくして、もし投入された物体が、
カムの移動によって検知されたとき、寸法形状において
適合しているなら、コインインプット装置へのアクセス
が行われる。この装置によりコイン通路へのアクセス条
件が改良されたが、しかし、この装置は投入物の形状以
外で、投入物を検知し、確認する手段を備えていない。
機械的手段或いは接着剤によって開位置に維持すること
ができるフラップが比較的攻撃されやすいことにも留意
されたい。フラップが回動自在に取付けられている、上
述した最初の２つの公知の装置にも、この欠点が当ては
まることに留意されたい。フラップを不当な方法で開位
置にブロックすることは、機械内部へのアクセスが可能
にし、かくして、これによってすでに上述した詐欺的な
操作を行うことができる。

【０００７】第４タイプのコインインプット装置が知ら
れており、この装置は、装置の外側に回動可能に取付け
られたディスクを有し、投入されたコインが、一度ディ
スクに設けられた受け部に入ると、ユーザ自身が回転さ
せ、コインをディスクの平面に設置する。コイン或いは
投入物は、ディスクの回転によりセンサの正面に動かさ
れ、この回転により該コインをセレクタ及び／或いはキ
ャッシュボックスに向かって供給する。このタイプの装
置の変形例はスライダを備え、このスライダはスライダ
が第１位置にあるときにスロットに面し、スライダが第
２位置にあるときにセレクタに面する受け部を有する。
この形式の装置によれば、コインインプットとセレクタ
との間のコインの搬送中、コイン通路へのアクセスを防
止できる。しかしながら、先ず第一に、投入された異物
を排出できないという短所を有し、その結果、自動販売
機の作動に対し障害及び損害を与えるかもしれない結果
が起こる。加えて、この形式の装置は、氷及び塵のよう
な外部条件に対し弱く且つ敏感である。更に、この装置
は屋外に設置されるので、破壊行為によって攻撃されや
すい。最後に、投入物がセレクタ或いはキャッシュボッ
クスに向かう途中にあるときだけ、センサによる認識が
おこなわれるこれに関連して、本発明は不適合物を確実
に検知及び排出することを可能にするコインインプット
装置を提供し、この装置は、不適合物が投入されたと
き、及び／或いは、不当なやり方による場合に、コイン
通路へのアクセスを防止するために、検知及び排出をコ
イン通路の充分前で行い、それにもかかわらず、少なく
とも２つの特徴に基づいた信頼できる検知を可能にす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このため、本発明は、製
品或いはサービスの自動販売機に支払いとして開口を通
して投入されたコインの性質を帯びた物体の適合を確か
め、この物体を処理する装置に差し向けるための装置に
関し、該装置は前記物体を受け入れるようになった受け
部を備えた位置決め部材を有するタイプのものであり、
前記位置決め部材は、前記受け部が前記開口と連通して
前記処理装置へのアクセスをブロックする第１位置と、
前記受け部が前記処理装置と連通して前記開口をブロッ
クする第２位置との間を移動可能である。かくして、前
記物体を受け入れるようになった受け部はロックチャン
バを形成する。前記位置決め部材は、前記物体の平面に
対して横の軸線を中心に回転するように取付けられてい
るのが好ましく、より詳しくは、位置決め部材がディス
クによって構成され、このディスクが、開口に対応する
角度の扇形部分にわたるディスク周縁部に凹部開口を備
え、この凹部がスロットに面していないときには、ディ
スクの周縁部の残部が開口をブロックするようになって
おり、該ディスクは上述の第１位置と第２位置との間で
円弧を通って回転するのが好ましい。

【０００９】このディスクは、２つの実質的に正反対に
対向した凹部を有するのが有利である。このディスク
は、可能な２つの回転方向に動くようにされているのが
良い。又、この装置は、好ましくは、受け部が開口と連
通したときに受け部に面する誘導式センサ及び光学式セ
ンサのような、物体を確かめる手段を有する。この装置
は、物体を受け入れる受け部と不適合物を排出するため
の装置との間を連通する手段を有するのが有利であり、
この連通手段は、一端が物体を受け入れるようになった
受け部に、他端がディスクの周縁部に通じるダクトを備
えているのが好ましい。本発明は、本発明を制限するこ
とのない例として挙げられ、添付図面に関連した実施例
の以下の説明に照らしてより良く理解されるであろう。

【００１０】

【実施例】図１は、全体的に参照番号１０で示し、上記
において「コインインプット」と称した本発明の装置の
位置を概略的且つ概観的に示し、この装置は、フロント
パネル１１の一部分を示す、自動販売機、例えば自動券
売機械の内部に配置されている。コインインプット１０
は、フロントパネル１１に設けられた、スロット形態の
開口に面している。図１の例においては、自動販売機装
置の内部はフロントパネル１１の右側であり、一方、フ
ロントパネル１１の左側は自動販売機装置の外側に対応
する部分であることが理解できよう。コイン１３は、ス
ロット１２から投入される（矢印Ｆ）。コインインプッ
ト１０の役割は、投入された物体の適合を、予備認識に
よって確かめること、即ち、投入された物体がコインで
あることか、或いは、コインの主な特徴の少なくとも幾
つか、例えば材料面での特徴、を有していることを確か
めることである。又、コインインプット１０は、一度コ
インの適合が確かめられると、コインを、「セレクタ」
と呼ばれ、そして、コイン１３’をテストする装置１４
に、矢印ｇで概略的に示すように供給する役割を有す
る。このセレクタ１４は、一般的に、キャッシュボック
ス１５及び参照番号１６で示す釣り銭を出すトレイの両
方に連結しており、このトレイは自動販売機のフロント
パネル１１に設けられた開口１７に通じている。この自
動販売機は、図示はしないがそれ自体公知である、自動
販売機の操作に必要な他のシステム及び装置、例えば、
ユーザが欲する旅行券を選択する装置、支払いが行われ
且つ確められると旅行券を出すようになっている中央ユ
ニット、チケットを印刷しこれを自動販売機のフロント
パネルに設けられた開口を通して送り出す装置を有する
ことに留意されたい。セレクタ１４、キャッシュボック
ス１５、釣り銭トレイ１６は、それ自身知られており、
詳細には示さない。

【００１１】先ず第一に、コインインプット装置の長手
方向断面を示す図２を参照して、本発明の主題を形成す
るコインインプットをより詳細に説明する。図２を参照
すると、コインインプット１０は、全体的に細長い形状
であり、その軸線が自動販売機のフロントパネル１１に
対して実質的に垂直なボックス２０を有する。ボックス
２０は両端が開いており、即ち、第１の端２１がフロン
トパネル１１に設けられ、コイン投入スロットに対応す
る補完し合う開口２２に固定されるようになっており、
第２の端２３が、後述する部分２４によってブロックさ
れている。ボックス２０は、トップパネル２５と、２つ
のサイドパネルとからなり、図２には、そのうちの１
つ、即ちパネル２６が示される。かくして、３枚の、ト
ップパネル及びサイドパネルは、垂直断面に示すような
略Ｕ字形状のボックスを境界付ける。フロントパネル１
１に隣接する第１の端２１は、矩形の基部の上で略円筒
形状を有し、フロントパネル１１の開口２２に対応して
おり、このため、フロントパネル１１から装置の内部に
向かって僅かに延びる底壁２７を有する。かくして、ボ
ックスの下側部分は、ボックス２０の大部分に亘って下
方に開いており、ボックス２０の下側部分の一部は、そ
れ自身知られ、詳細には示さないコインセレクタ１４の
近傍且つ上に配置されており、このコインセレクタは、
ボックス２０の第２の端２３に並んだボックス２０の下
側の開口部分に面する頂部開口２８を備えている。

【００１２】ボックス２０の内側にはディスク２９が配
置され、該ディスクはボックス２０の長手方向に対して
横で、且つ、コイン投入開口１２の平面に、かくして、
フロントパネル１１の平面に実質的に平行な回転軸線３
０でボックス２０の側壁に回転自在に取付けられてい
る。ディスク２９は、好ましくは円弧に沿って、ボック
ス２０の頂壁２５の内面にぴったりと合うように、且
つ、フロントパネル１１のそばで、ボックス２０の端２
１の底部分２７の遠位端にぴったりと合うようにボック
ス２０の内側に、配置されている。プレート３１が、デ
ィスク２９の実質的な直径の領域と、セレクタ１４の開
口２８の縁との間に配置されている。プレート３１は、
実質的にボックス２０の長手方向、好ましくは、直線３
２で示すボックス２０の長手方向軸線に対して僅かに下
方に傾けられた方向に配置されている。かくして、ボッ
クス２０及びその中に配置された部品は、フロントパネ
ル１１から次々に、スロット１２を通して投入されたコ
インを受け入れるための投入シュート３３、ディスク２
９、最後にボックス２０内の矩形基部上で円筒形状を有
する解放スペース３４からなる。この内部空間３４は、
頂壁２５と、ディスク２９と、プレート３１と、セレク
タ１４の開口２８と、部分２４とによって構成されてい
る。部分２４は、ボックス２０のトップパネル２５に対
し実質的に横で、（フロントパネル１１の反対側で）ボ
ックス２０の第２の端２３をブロックするパネル３５か
らなる。例えば、パネル３５は、直角の、リベット３７
でサイドパネルの一方に固定されたフランジ３６に続
く。ブロックパネル３５は、その下側の端面がセレクタ
１４の開口２８の遠方端に面し且つその近くにあるよう
に位置決めされていることに留意すべきである。加え
て、ブロックパネル３５は、フロントパネル１１に対し
実質的に垂直な開口２８の平面に対し、実質的に垂直な
平面に配置されている。

【００１３】ディスク２９は、凹部４０、好ましくは２
つの凹部４０、４１を有し、これらはディスクの平面の
垂直断面図に示すようにほぼＪ字形状である。各凹部の
縁は、ディスク２９の周縁部に通じている。各凹部の下
側部分は、自動販売機が受け入れることができる最大の
コインの直径と実質的に等しい直径を備えた略半円であ
る。凹部４０、４１は、コイン投入シュート３３をブロ
ックするようになった中実部分２９Ａ、２９Ｂによって
分けられている。図３は、ディスクの斜視図である。デ
ィスク２９は、各凹部に底（即ち、Ｊ字形状の基部）
を、各凹部の湾曲部の凸側が面しているディスクの周縁
部に連結する２つのダクト４６、４７を有する。図２に
戻ると、コイン投入シュート３３には静電防止部材４３
が設けられている。２つのセンサ、即ち、誘導式センサ
４４と光学式センサ４５とが凹部４０、４１の部位に面
し、且つ、これに近い側壁２６に設けられている。これ
らの２つのセンサの配置及び役割については後述する。
図４を参照すると、ディスク２９を回転させる装置が示
されている。図４は、図２に示すディスクの平面とは反
対側のディスク２９の平面を示すこと以外は、図２と同
じである。このディスク２９の反対側面は、参照番号５
０で示す、マルタ十字を形成する浮き出しパターンを有
する。ディスク２９の回転装置は、第１に、軸５２を中
心に回転するように取付けられた歯車５１を備え、第２
に、周縁部に歯５５を有する歯車５１を、小歯車５４を
介して駆動するモータ５３を備える。歯車５１は、ディ
スク２９のマルタ十字を備えた側に面する側に、全体と
して参照番号５６で示す浮き出しパターンを有する。こ
の浮き出しパターン５６は、ディスク２９のマルタ十字
のパターン５０に設けられた凸状円弧に対応する直径を
有する。駆動歯車とも呼ばれる歯車５１は、歯車５１の
浮き出しパターン５６の湾曲した扇状切欠き部５８（こ
の切欠き部の陥没部は歯車５１の周縁部に面している）
に設けられた円筒形状の輪止めを有する。この輪止め５
７は、これがディスク２９に配置されたマルタ十字のチ
ャネル部５９、６０、６１、６２と協働できるような半
径の距離にある。

【００１４】モータが作動するとき、モータは歯車５１
を回転させ、歯車５１の浮き出しの部分５６は、対応す
る凹部の一つと僅かに接する方法で、即ち、縁と縁が接
して回転し、そして、輪止め５７が、これがマルタ十字
のチャネルの一つ、例えば、歯車５１が時計周りに回転
すると仮定すれば、チャネル５９に係合するような角度
位置に来る。歯車５１は回転し続け、チャネル５９に係
合した輪止めによりマルタ十字を歯車５１と反対方向
（反時計周り方向）に回転させ、マルタ十字の原理によ
り、輪止め５７は、それが係合していたチャネル５９か
ら外れ、次いで、このチャネルは、円弧、移動した位
置、即ち、図示の例では、４分の１回転させられた位置
にくる。この第２の位置で、駆動輪止め５７が最初に係
合したチャネルは、図４のチャネル６２の位置に対応す
る位置にある。かくして、ディスク２９を、与えられた
円弧を通って、好ましくは４分の１回転させることがで
きる。位置決めセンサ６５が、歯車５１の浮き出し部分
に設けられ、中央ユニットに接続されている。図５は、
図２及び図４の装置を示し、ディスクの一方の面に設け
られたマルタ十字５０と、ディスクの他方の面に設けら
れた凹部４０、４１（図２、図３）の両方を、特にディ
スク２９に示す。凹部４０がコイン投入シュート３３と
向かい合った図２に示す位置から始まり、歯車５１の４
分の１回転によってディスク２９を逆方向に４分の１だ
け回転させ、かくして、ディスク２９の中実部分２９Ａ
をシュート３３に対向して配置し、シュートをブロック
し、かくしてコインの投入を阻止する。４分の１回転の
後、かくして、凹部４０は、この第２の位置で、下方に
回転させられ、これにより凹部が収容した物体を落下さ
せる。逆に、歯車５１の反時計周り方向の回転により、
ディスク２９は、時計周り方向に４分の１回転する。図
２に示す位置から始まって、ディスク２９の中実部分２
９Ｂは、コイン投入シュート３３に対向し、自動販売機
の窓を通してのコインの投入を阻止し、次いで、凹部４
０がボックス２０の後部に設けられた解放空間３４と連
通し、凹部４０を、開口２８を通してコインセレクタ１
４に連結する。図８乃至図１４を参照して、ディスクの
動きを説明し、装置の運転をより詳細に明確にする。

【００１５】図６及び図７を参照しながら、自動販売機
に投入された物体の予備認識を行う検知手段を説明す
る。図６には、水平面で一部分を断面にした図面で、ボ
ックス２０とディスク２９と関連した検知手段とを示
し、ボックス２０の端部分と、ディスク２９とは、自動
販売機のフロントパネル１１のそばに設けられている。
ボックス２０の側壁２６は、貫通口６４、６５を備え、
この中で発光ダイオード（以下、「ＬＥＤ」とい
う。）、即ち、エミッタＬＥＤ６６とレシーバＬＥＤ６
７の両者が電源及び中央ユニットに公知の方法で接続さ
れた電子回路基板６８に接続され、この中央ユニット
は、ダイオード６６、６７によって受けられた情報を処
理するようになっている。ディスク２９の凹部４０は、
ディスクの面の参照番号６９で示される凹部分に続く。
プリズムを形成し、参照番号７０で示す透明材料のブロ
ックが、この凹部分６９にセットされ、略Ｌ字形状の垂
直断面を有する。逆Ｌ字形状のプリズム７０がレシーバ
ダイオード６７に面し、（ディスクの面内で）凹部４０
の縁と同一平面の比較的短いリブとを有し、一方、プリ
ズム７０のＬ字形状の長い他方のアームは、凹部分６９
に、即ち、実質的にディスク面内の配置されている。図
７に示すように、ディスクの面に見られるような略矩形
形状の、プリズム７０を受け入れる凹部分６９は、凹部
分６９の一部分が凹部４０の正面で終わるように凹部４
０に対して配置され、凹部分６９の残部は、レシーバダ
イオード６７が凹部４０に面することがないようにする
ために、凹部４０に通じていない。

【００１６】ボックス２０の側壁に設けられた座部に嵌
められた誘導式のセンサ７１が、設けられている。誘導
式センサ７１も電子回路基板６８に接続され、ＬＥＤ６
６、６７に対して、コイン投入スロット１２の方向に半
径方向にずれている。かくして、図２の位置、即ち、凹
部４０が物体を受入れるようになってシュート３３に面
する位置から始まって、スロット１２を通して投入され
たコイン７３はボックス２０の内部を通り、より詳しく
は、凹部４０に入る。ユーザからの所望の旅行券の選択
に関する情報を受けて、中央ユニットによって予め作動
させられていた誘導センサ７１は、投入物体の材料を確
認できるような性質の、即ち、それが金属材料であるか
否かの情報を、電子回路基板６８を介して、中央ユニッ
トに送る。コイン７３が凹部４０に配置されると、エミ
ッタダイオード６７がコインに面することに留意された
い。このエミッタダイオードは、コインによりブロック
され、かくしてレシーバダイオード６７に受けられず、
不透明な物体の存在を確認する光を発するような仕方で
作動する。不透明であると判定された物体と、金属材料
の情報の組合せが、投入物体が、少なくともこれら２つ
の特徴に関しては、コインであることに適合する結論を
もたらす。投入物が金属材料のものでなかった場合に
は、誘導式センサ７１はこれに対応した信号を出す。紙
用クリップのような金属物体が投入された場合には、こ
の物体は本当に金属材料のものであるので、誘導センサ
は適合信号を出すが、（エミッタダイオード及びレシバ
ダイオードの２つから構成される）光学センサは、不適
合の信号を出す。というのは、レシーバダイオードが、
エミッタダイオードが発した光をプリズム７０を介して
受けるからである。同様に、スロット１２に投入された
円形形状のボール紙により、光学センサは適合（不透
明）信号を出すけれど、誘導式センサが不適合信号を出
す。

【００１７】本発明が提供するセンサ装置は、投入物の
信頼性の高い予備認識が出来る一方、充分簡単なので安
くできる。このセンサは比較的保護され、かくして、セ
ンサを作動させないようにするためにセンサを損傷させ
る試みを行いにくい仕方で、スロットに対し、装置の内
側に配置されていることに留意されたい。いずれにして
も、センサを損傷させる試みにより、システム全体が損
傷され、且つ、この点で、蛮行を無駄になる。本発明の
コインインプット装置に投入されたコインを供給する異
なった段階に対応したディスクの状態を示す図８乃至図
１１を参照して、この装置の作動を、該装置を側面図に
概略的に示しながら示す。図８に示す位置では、装置
は、「準備ができた」状態にあり、、即ち、ディスク
は、中実部分２９Ａ（或いは２９Ｂ）がコイン投入シュ
ート３３に面するように位置決めされ、かくして、自動
販売機への物体の投入が阻止される。この準備ができた
即ちスタンバイ位置は、２回の連続した取引の間の装置
の使用期間、或いは、装置が作動状態にない時に対応す
る。ユーザが、例えば旅行券のような、取引形態を選択
し、特定の券を特定するのに必要な情報を、装置、例え
ば中央ユニットに入れたとすると、中央ユニットは対応
する量を決定し、凹部の一つ、例えば凹部４０が取付け
シュート３３に、かくしてスロット１２に面するよう
に、ディスク２９の回転を命ずる。コイン投入装置が、
ユーザによって投入された物体を受け入れることができ
る図９に示す位置になる。

【００１８】図１０を参照すると、物体即ちコイン７５
はスロット１２に投入され、投入シュート３３を通った
後、ディスク２９の凹部４０に入ることになり、ここ
で、コインは、参照番号７６を付した破線で示す。単一
の参照番号７７で表わされた１セットのセンサ６６、６
７、７１が、中央ユニットに適合信号を送り、中央ユニ
ットは、（図４及び図５を参照して示し且つ説明したよ
うな）ディスク２９の時計周り方向の４分の１回転を命
じる。ディスク２９の回転により、凹部４０が図１０に
実線で示す位置から、参照番号４０’が付され図１０に
破線で示す４分の１回転だけ移動した位置まで移る。
（破線の）凹部４０’の中に参照番号７８を付した破線
で示すコインは、この移動にさらされて、一度ディスク
２９が破線で示す位置に停止すると、受け部４０’を出
て、加速され、かくして、ボックス２０の頂壁２５か
ら、次いで、ボックス２０の端２３のブロック壁３５に
向かって跳ね返り、次いで、ボックスを出て、コインセ
レクタ１４に設けられた開口２８を通過する（コインは
参照番号７９を付した破線で示される。）。図１１は、
コインが凹部４０’を出てしまった時の、ディスク２９
の位置を示す。中実部分２９Ｂがスロット１２に面し、
かくして、これをブロックする。図１１に示す位置は、
図８に示す位置に対して半回転だけ移動しており、図８
及び図１１に示す位置は、一方の場合には中実部分２９
Ａがスロット１２をブロックする一方、他方の場合には
中実部分２９Ｂが同じ役割を果たしているので、機械的
な観点及び作動上の観点からは同じであることに留意さ
れたい。これらの２つの位置で、この装置は、「準備が
できた」即ちスタンバイであり、中央ユニットからの命
令によってだけディスクを回転させることができ、これ
によって凹部４０及び４１の一方を、スロット１２及び
コイン投入シュート３３に面して位置決めする。

【００１９】凹部によって構成される内部空間が、投入
シュート３３或いはセレクタ１４に通じる解放空間３４
の両方と連通するので、ディスク及びこれに設けられた
凹部は、ロックチャンバのようにふるまうことに留意す
ることが重要である。互いに直径方向に対向する２つの
凹部の配置により、ディスク２９の回転運動を制限する
のを可能にし、かくして、連続する４分の１回転によ
り、中実部分或いは凹部の何れかをスロット１２に対向
させる。図８乃至図１１を参照した上記説明は、投入物
がコインに適合すると判定されたときの、装置の運転に
対応する。図１２乃至図１４は、後述するように、投入
物が適合しない、即ち、適合すると判定されなかったと
きの装置の作動を示す。図８乃至図１１の部品と同じ、
図１２乃至図１４の部品は、同じ参照番号を付す。図８
乃至図１１と図１２乃至図１４は、図２、図４、図５に
示す実施例に比して、ボックス２０の後方部分が僅かに
変更された実施例を示しており、これは、変形例を構成
するにすぎない点に留意すべきである。図１２は、中実
部分２９Ａがスロット１２をブロックするような位置に
ディスクがあり、この装置が待ち即ちスタンバイ位置に
ある点で、図８と同じである。

【００２０】図１３では、凹部４０が投入シュート３３
に、かくして、スロット１２に面するようにディスク
が、中央ユニットによって回転させられ、図９に示す位
置になっている。適合しない物体８０、即ちコインでは
ない物体がスロット１２を通して投入され、ディスク２
９の凹部４０に入ったとする。検知作業の後、１セット
のセンサ７７が、投入物が適合しないという情報を伝え
る信号を出し、次いで、中央ユニットが図８乃至図１１
に示す方向と反対方向、即ち反時計周り方向のディスク
の回転を命じ、かくして、これにより、凹部４０が（破
線で示す）位置４０から（実線で示す）位置４０”に移
り、ここで、凹部４０”は、その開口及びその凹所を底
に向かって向け、これにより、参照番号８０’を付した
物体が、全体的な参照番号８３が付されそれ自身公知の
排出或いは保管装置に向かって落下する。加えて、図１
３に示すように、凹部の底は、一方のダクト４６だけを
示すダクトに連結され、このダクトは凹部４０の底をデ
ィスク２９の周縁部に連結する。明確にするために、図
１３には、一方のダクトのみを示すが、ディスク２９に
は、図２、図４及び図５に示すようなダクト４６及び４
７が設けられていることが理解されよう。

【００２１】より詳細には、ダクト４６は、図１３に示
し、凹部４０が物体を受け入れるようになっている位置
で、底に向かって、かくして、不適合物の排除或いは保
管用手段８３に向かって開いている。更に詳しくは、ダ
クト４６は、スロット１２を通して入れられるかもしれ
ない液体、及び、装置の運転を阻止したり、或いは、例
えば自動販売機をコイン返却状態にするために装置の故
障させようとして詐欺師によって入れられる、特に酸の
ような腐食性液体を排出するためのものである。図１２
乃至図１４を参照して、不適合物がコイン通路の内部
に、いずれにせよ、ボックス２０の内部にあり且つセン
サ１４に通じる解放空間３４の内部に入ることが出来な
いので、不適合物の排出が、コイン通路の充分前で行わ
れることに留意されたい。又、本発明のコインインプッ
ト装置は、コイン投入通路３３が、ボックス２０の出口
でのコインの（高さの点での）排出レベルより（垂直面
において）低いレベルに配置されているという有利な特
徴を有する。図２、図４、図５及び図８乃至図１１及び
図１２乃至図１４はこの特徴を示し、これにより装置の
全高が減少する。

【００２２】このことは、従来の技術の項で述べた基準
によって課せられた制約、即ち、コイン投入スロット
は、最高で、地面から１．３ｍの高さに配置されるべき
である一方、戻しトレイは少なくとも０．６５ｍに位置
すべきであるという制約を考慮すると特に重要である。
かくして、特に図８乃至図１１及び図１２乃至図１４で
確かめられるように、本発明によって、コイン投入スロ
ット３３がセレクタ１４の開口２８と実質的に同じ高さ
に配置されており、換言すれば、本発明のコインインプ
ットにより、コインの予備認識、不適合物の排除を行
い、高さのロス無く、且つ、僅かな高さの増加さえ伴っ
てコインをセレクタ１４に供給することができる。これ
は、先行技術、特に、コインを重力によって確実にセレ
クタに向けて下ろす装置に比して有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動販売機のコインインプット装置の役割を概
略な仕方で示す図面である。

【図２】本発明のコインインプットの、コイン入口と通
過する平面での、長手方向の断面図である。

【図３】ディスクの斜視図である。

【図４】本発明のコインインプットの、供給装置を通過
する平面における長手方向断面図である。

【図５】図２及び図４と同じ物の断面図である。

【図６】センサ及びその配置を詳細に示す図面である。

【図７】ロータリディスクに対するセンサの位置を示
す、ロータリディスクの側面図である。

【図８】セレクタに向かってのコイン供給中の、コイン
を運ぶディスクの連続位置を示す図面である。

【図９】セレクタに向かってのコイン供給中の、コイン
を運ぶディスクの連続位置を示す図面である。

【図１０】セレクタに向かってのコイン供給中の、コイ
ンを運ぶディスクの連続位置を示す図面である。

【図１１】セレクタに向かってのコイン供給中の、コイ
ンを運ぶディスクの連続位置を示す図面である。

【図１２】不適合物を排出する時のディスクの連続位置
を示す本発明の装置の側面図である。

【図１３】不適合物を排出する時のディスクの連続位置
を示す本発明の装置の側面図である。

【図１４】不適合物を排出する時のディスクの連続位置
を示す本発明の装置の側面図である。

【符号の説明】

10 コインインプット 11 フロントパネル 12 スロット 13 コイン 14 コインセレクタ 15 キャッシュボックス 20 ボックス 28 開口 29 ディスク 29A 中実部分 29B 中実部分 33 コイン投入シュート 35 ブロックパネル 40 凹部 41 凹部 44 光学式センサ 45 誘導式センサ 46 ダクト 47 ダクト 51 歯車

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 製品或いはサービスの自動販売機に支払
   いとして開口を通して投入されたコインの性質を帯びた
   物体の適合を確かめ、該物体をこれを処理する装置に差
   し向けるための装置であり、該装置は前記物体を受け入
   れるようになった受け部を備えた位置決め部材を有する
   タイプのものであり、 前記位置決め部材は、前記受け部が前記開口と連通して
   前記処理装置へのアクセスをブロックする第１位置と、
   前記受け部が前記処理装置と連通して前記開口をブロッ
   クする第２位置との間を移動可能である、装置。
2. 【請求項２】 前記位置決め部材が、前記物体の平面に
   対し横の軸線を中心に回転するように取付けられてい
   る、請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 前記位置決め部材がディスクにより構成
   され、該ディスクが、前記開口に対応する角度の扇形部
   分にわたるディスクの周縁部に通じる凹部を備え、 ディスクの周縁部の残部が、前記開口をブロックするよ
   うになっており、 前記ディスクは円弧を通って回転するようになってい
   る、 請求項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 前記ディスクが、２つの直径方向に対向
   する凹部を有する、 請求項３に記載の装置。
5. 【請求項５】 前記ディスクが２つの反対方向に回転す
   るようになっている、 請求項２に記載の装置。
6. 【請求項６】 物体の適合を確める手段を備えた、 請求項１に記載の装置。
7. 【請求項７】 前記確め手段が、前記受け部が前記開口
   と連通したとき、物体用の前記凹部に面する、に請求項
   ６に記載の装置。
8. 【請求項８】 物体の適合を確めるための手段が、光学
   式及び／又は誘導式センサからなる、 請求項６に記載の装置。
9. 【請求項９】 前記受け部が、物体テスト手段を備えた
   物体処理装置と、不適合物の排出手段との何れかと連通
   するようになっている、 請求項１に記載の装置。
10. 【請求項10】 供給された液体を排出するようになって
    おり、前記受け部を前記排出手段に連結するダクトを備
    えた、 請求項９に記載の装置。
11. 【請求項11】 処理装置の入口が、物体の変位の平面
    で、前記開口の基部と同じ、或いは、その上の高さに配
    置されている、 請求項１乃至請求項10の何れか１項に記載の装置。