JPS6129038B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はたとえば自動販売機においてつり銭
硬貨を放出するような硬貨送出装置に関してい
る。

上述の硬貨送出装置において回転円板体の周辺
部に硬貨が一枚入る嵌入部を複数個形成し、この
回転円板体を上述の嵌入部が上向きになるように
斜設し、そしてこの回転円板体の下部に硬貨を収
納するホツパ壁を設けて、回転円板体を回転させ
れば、硬貨は前述の嵌入部に入り込んですくい上
げられ上部へ一枚ずつ持ち上げられ、上部で送出
すようにすれば硬貨の一枚出しができ、しかもこ
の硬貨の送出し連続回転は円滑となる。

しかし硬貨に油垢などが付着してたり、また傷
が付いたり変形した場合、これらが原因して硬貨
同士が接着して回転円板体の嵌入部に重さなつて
入り込み二枚出しされることがしばしば生じ、ま
た正常な硬貨であつても重さなつて持上げられる
こともある。

そこでこの発明は上述のように硬貨が重さなつ
て持上げられた場合、これを確実に取除き、硬貨
の一枚出しが確実にできる硬貨送出装置の提供を
目的とする。

そしてこの発明では、硬貨送出し通路の前段で
かつ回転円板体の上部位置に遊端部を回転円板体
の回転方向に向けて弾性を有するバネ体の一端を
個定し、前記バネ体の遊端部側には回転円板体の
硬貨嵌入部に嵌入された硬貨の上部に接当してバ
ネ体を上動させる接当部を設け、この接当部に連
設して遊端部側に重なり硬貨の上部にのみ接当す
る重なり硬貨の払い落し部を形成したことを特徴
とする。

このため、重なつた硬貨はバネ体の遊端部に形
成した重なり硬貨の払い落し部が下方へ復元する
振動で積極的に払い落されることになり、二枚出
しが確実に防止され、しかもバネ体の振動は回転
円板体の硬貨嵌入部に入り込んだ硬貨にバネ体が
接当して上動し、この硬貨の通過によるバネ体の
復元によつて生じるので、特別な駆動機構が不要
であつて構成が簡単である。

このような特徴を有するこの発明の一実施例を
以下図面に基づいて詳述する。

第１図は自動販売機における硬貨処理機構を示
し、この機構は投入された硬貨の真偽および金種
を判定して振分け、各金種ごとに計数して一旦プ
ールし、一旦プールされた各金種の硬貨は客が返
却を希望したとき返却され、販売物品が放出され
たときは次の客が硬貨を投入するまでプールし、
その客の硬貨投入によつてプールしていた硬貨を
精算する。

この精算時につり銭として使用される金種の硬
貨はそれぞれのつり銭硬貨送出し装置に収納さ
れ、他の硬貨は回収される。

そしてつり銭が要するときは上述のつり銭硬貨
送出し装置より放出するなどの機能を備えてい
る。

図において、硬貨処理機構は検銭部１、ガイド
部２、計数部３、一旦プール部４、つり銭硬貨送
出し装置５、回収シユート６、放出ベルト７を備
えている。

前述の検銭部１は投入される硬貨８の大きさに
基づいて真偽および金種を判定して選別し、選別
された硬貨８は対応する通路９より下部に落下さ
れる。

ガイド部２は選別された硬貨８をそれぞれの通
路１０を介して計数部３に案内する。

上述の計数部３には各通路１１内にマイクロス
イツチ１２を設け、このマイクロスイツチ１２が
落下する硬貨８を検出し、この検出信号が適宜の
カウンタ（図外）によつて計数されることによつ
て、硬貨８の枚数または金額が計数される。

前述の一旦プール部４はプールブロツク１３
と、規制板１４とを備え、プールブロツク１３に
は各金種の硬貨８をそれぞれプールするための貫
通したプール孔１５………を有し、このプールブ
ロツク１３はモータ１６および連動機構１７を介
して中立のプール位置から前方の精算位置、およ
び後方の返却位置に可動されるように設けられて
いる。

前述の規制板１４は上述のプールブロツク１３
が中立のプール位置にあるとき、各プール孔１５
の下面を閉鎖し、プールブロツク１３が前方の精
算位置に移動したとき各プール孔１５の下面を開
放する開放孔１８………を備え、またプールブロ
ツク１３の後方の返却位置には規制板１４はなく
全面開放され適宜のガイド板（図外）でプール硬
貨を放出ベルト７に案内するように設けられてい
る。

前述の規制板１４の各開放孔１８………の下面
にはそのプール孔１５のプール硬貨の金種に対応
させて回収硬貨には回収シユート６がまたつり銭
硬貨にはつり銭硬貨送出し装置５がそれぞれ連接
されている。

上述のつり銭硬貨送出し装置５はつり銭を放出
するとき収納された硬貨を一枚ずつ計数しながら
放出ベルト７上に送出し、そしてこの放出ベルト
７は硬貨を接客側の受皿（図外）に搬送する。

また前述の回収シユート６は回収される硬貨を
適宜の回収用搬送装置に供給する。

このように構成された硬貨処理機構は硬貨８が
投入されることにより、検銭部１で検銭し、計数
部３で金額または枚数を計数して一旦プール部４
で一旦プールする。

そしてブール硬貨が精算されるときは、回収硬
貨は回収シユート６に供給されて回収され、また
つり銭硬貨はつり銭硬貨送出し装置５に供給され
る。

またプール硬貨を返却するときは放出ベルト７
に供給し、またつり銭があるときは前述のつり銭
硬貨送出し装置５によつて硬貨を放出ベルト７に
供給し、この放出ベルト７によつて硬貨は接客部
の受皿に搬送される。

第２図〜第３図は前述のつり銭硬貨送出し装置
５を示し、１９は固定壁、２０はケーシング、２
１は回転円板、２２はホツパ壁であり、これらは
回転円板２１が上向きになるよう一定の角度で斜
設されている。

上述のケーシング２０はボルトなどの適宜な固
定具によつて固定壁１９に固定され、このケーシ
ング２０の中央部には前記回転円板２１が入る孔
２３が貫通されていて、この孔２３内に回転円板
２１が位置されている。

上述の回転円板２１の内側中心部分にはボス部
２４が形成されていて、このボス部２４は固定壁
１９の貫通孔２５を介して背部に突出している。

また上述の回転円板２１のボス部２４には軸２
６がキー２７によつて回り止めされていて、この
軸２６の外端には座板２８がナツト２９により固
定されて、前述の回転円板２１の抜け出しを防止
している。

さらに前述の軸２６の内側は図示はないが適宜
の軸受部材に軸受され、また前述の回転円板２１
のボス部２４に近接してギヤー３０が軸２６に嵌
着され、このギヤー３０はノツクピン３１によつ
て回転円板２１と連動されている。

また上述のギヤー３０は図示はないが適宜のモ
ータによつて回転制御されるモータ軸３２に固定
されたギヤー３３と噛合し、モータからの動力が
回転円板２１に伝達される。

前述の座板２８の外側面は球状面を形成し、ま
た外周部には硬貨８の厚みより若干厚い状態で軸
２６の軸芯と平行な平行円周面３４を形成してい
る。

また上述の座板２８の平行円周面３４とケーシ
ング２０の孔２３の内壁面３５との間隔は硬貨８
の直径よりやや大きく設けられ、上述の平行円周
面３４と内壁面３５との中間位置に相当する回転
円板２１の外側面の円周位置には等間隔にピン３
６………が植設され、このピン３６の高さは硬貨
８の厚みとほとんど同じであり、またピン３６の
間隔は硬貨８の直径よりやや大きくして嵌入部３
７を形成している。

そのために取扱われる硬貨８は上述の隣接ピン
３６，３６間と前記座板２８の平行円周面３４と
ケーシング２０の内壁面３５とによる嵌入部３７
に１枚が嵌入されてすくいあげられ、回転円板２
１が回転すると嵌入された硬貨８は回転後方側の
ピン３６によつて上方に持上げられる。

さらに前述のケーシング２０の外側面には半円
形状で外方に膨出したホツパ壁２２がボルトなど
の固定具によつて固定されており、硬貨８は上記
ホツパ壁２２の上部より適宜投入される。

さらに前記ケーシング２０の上部一側には硬貨
送出通路３８が設けられ、この通路３８の下辺に
はガイド板３９が固定されていて、このガイド板
３９の先端部は回転円板２１のピン３６………近
傍まで伸びている。

前述の硬貨送出通路３８の前段であつてかつ回
転円板２１の上部のケーシング２０の内壁面３５
には弾性を有するバネ体４０の一端が固定され、
その遊端部は回転円板２１の回転方向に向うと共
に、嵌入部３７で持上げられる硬貨８の移動軌跡
内に入り込んで設けられている。

上述のバネ体４０は第４図、第５図にも示すよ
うに、前述の回転円板２１の嵌入部３７に嵌入さ
れた硬貨８の上部に接当する接当部４１と、さら
に重さなり硬貨を払い落す払い落し部４２とを備
え、上述の接当部４１はバネ体４０を折曲して形
成し、さらに払い落し部４２は上述の接当部４１
よりその遊端部が硬貨８の移動軌跡内側に入り込
むように形成され、しかも上述の払落し部４２の
回転円板２１側には硬貨８が一枚通過することの
できるように切欠き部４３が形成されている。

なお第３図において、４４は送り出される硬貨
８を計数するために硬貨を検出する光電検出器４
５は通路３８を形成するためのシユートである。

このように構成されたつり銭硬貨送出し装置５
はホツパ壁２２内に硬貨８を収納する。回転円板
２が硬貨８を送出すべく回転されると、ピン３６
は収納硬貨８を撹拌し、そして一枚の硬貨８が嵌
入部３７に嵌入し、順次すくい上げられて上方に
持上げられる。

上方ではバネ体４０の接当部４１が嵌入部３７
内の硬貨８の上部に接当して上動し、この接当部
４１を硬貨８が通過するとバネ体４０は下動し振
動する。

なお嵌入部３７内の硬貨８は払い落し部４２の
切欠き部４３を通つて硬貨送出通路３８に送出さ
れ、シユート４５を介して放出される。

前述のバネ体４０の上下動において、嵌入部３
７によつて持上げられた硬貨８の外側面に他の硬
貨が接着状態となつて重さなつて持上げられたと
きは、この重なり硬貨は前述のバネ体４０の上下
動による払い落し部４２の振動によつて払い落さ
れる。

そのために嵌入部３７に嵌入した硬貨８のみ確
実に一枚出しされる。

なお前述のバネ体４０はケーシング２０の内壁
面３５と平行に設けるも、または若干内側に傾斜
して設けるもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は硬
貨処理機構の断面図、第２図はつり銭硬貨送出装
置の断面図、第３図はその正面図、第４図はバネ
体部分の上面図、第５図はその正面図である。 ８……硬貨、２１……回転円板、２２……ホツ
パ壁、３６……ピン、３７……嵌入部、３８……
硬貨送出通路、４０……バネ体、４１……接当
部、４２……払い落し部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周辺部に硬貨が一枚入る硬貨搬入部を所定間
   隔おきに形成して、この硬貨嵌入部が斜め上向き
   になるように所定の角度で斜設した回転円板体
   と、この回転円板体の下部を覆い前記硬貨嵌入部
   に硬貨を任意に供給するために硬貨を収納するホ
   ツパ壁と、前記回転円板体の上部にあつて硬貨嵌
   入部によつてすくい上げられた硬貨を送り出す送
   出し通路とを備え、前記硬貨送出し通路の前段で
   かつ回転円板体の上部位置に遊端部を回転円板体
   の回転方向に向けて弾性を有するバネ体の一端を
   固定し、前記バネ体の遊端部側には回転円板体の
   硬貨嵌入部に嵌入された硬貨の上部に接当してバ
   ネ体を上動させる接当部を設け、この接当部に連
   設して遊端部側に重なり硬貨の上部にのみ接当す
   る重なり硬貨の払い落し部を形成したことを特徴
   とする 硬貨送出装置。