JP2553263Y2 - パチンコ玉貸機の硬貨払出・回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パチンコ台の側部また
パチンコ台間に設置される薄型のパチンコ玉貸機にかか
り、特に硬貨を釣銭として払出すとともに、業務終了時
には回収する機能を有するパチンコ玉貸機の硬貨払出・
回収装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ台間等に設置され得る薄型で外
部から投入または補給された硬貨を貯留し、その硬貨を
釣銭として払出すとともに業務終了時等にはその硬貨を
回収するようにしたパチンコ玉貸機として、従来例えば
特開昭６３−２９６８０号公報に記載のものがある。

【０００３】この公報に記載の装置は、顧客が投入した
硬貨、および外部から補給された硬貨を筒状の硬貨貯留
部内に重積して収納し、釣銭を要するとき、あるいは硬
貨を回収するときには、前記貯留部の下方に設けられた
硬貨投出手段により１枚ずつ突出すようにして投出さ
せ、またソレノイドの駆動によって切替えられる通路切
換手段により払出し通路側と回収通路側に切換えて釣銭
の払出しと硬貨の回収とを行なわせるようになされてい
る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかるに上記従来の技
術では、貯留硬貨を投出するための硬貨投出手段の他に
投出された硬貨を払出し通路側と回収通路側とに切換え
るための通路切換手段が必要であり、それぞれにソレノ
イドやモーター等の電動駆動機器が必要となってコスト
アップを招くという問題があるばかりでなく、それぞれ
の手段や機器を接するためのスペースも必要となり、玉
貸機自体が大型化するという問題があった。

【０００５】本考案はこれに鑑み、釣銭投出と通路の切
換えとを一つの機構により達成し、玉貸機を小型にしか
も低廉に得ることができるパチンコ玉貸機の硬貨投出・
回収装置を提供することを目的としてなされたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記従来の技術が有する
問題点を解決するため、本考案は、パチンコ台間等に設
置可能な薄箱状を有し、外部から投入または補給された
硬貨を内部で貯留し、その硬貨を釣銭として払い出すと
ともに業務終了時には回収するパチンコ玉貸機の硬貨払
出・回収装置において、前記の投入または補給された硬
貨を硬貨径方向に整列させて貯留する硬貨貯留通路部
と、この硬貨貯留通路部の末端から通路を払出し通路と
回収通路とに分岐する分岐部と、この分岐部に設けら
れ、硬貨の厚み方向の回転軸を中心として回転可能とさ
れかつ周面に硬貨の径方向の一部が没入し得る凹部を有
していて正転または逆転により前記凹部が前記硬貨貯留
通路部内の硬貨を１枚ずつ前記払出し通路または回収通
路へ振分けて投出する振分け回転体と、この振分け回転
体を正逆回転させる駆動手段とを具備することを特徴と
するものである。

【０００７】

【作用】パチンコ玉貸機に外部から投入または補給され
た硬貨は硬貨貯留通路部内に硬貨の径方向に整列して貯
留される。その貯留通路部の末端の分岐部に設けられた
振分け回転体が払出し通路側に１回転すると、硬貨貯留
部の最先端に位置する硬貨１枚が振分け回転体の凹部に
嵌入して該回転体と共に回転移動し、払出し通路へ投出
される。そのとき投出中の硬貨の次の硬貨は振分け回転
体の凹部以外の部分で支えられ、硬貨貯留通路部内に留
めおかれる。このように回転体が必要投出枚数分回転し
て釣銭の払出しが行なわれる。また硬貨の回収時には、
振分け回転体を前記とは逆方向に回転させると、払出し
時と同様に硬貨が回収通路側へ投出され、硬貨貯留通路
部内の硬貨がすべてなくなるまで振分け回転体の回転を
継続させることでパチンコ玉貸機内の硬貨を全量回収す
ることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案を図面に示す実施例を参照して
説明する。

【０００９】図示の実施例は、図６に示すようなパチン
コ島１においてパチンコ台２，２…間に挟在されるパチ
ンコ玉貸機３に本考案を適用した場合を示しており、こ
のパチンコ島１は複数のパチンコ台２，２…が背面が向
き合う状態で列設され、２台置きのパチンコ台間にパチ
ンコ玉貸機３，３…が配設されたもので、パチンコ島１
の島端には硬貨処理装置４および両替機５が取付けられ
ている。これとは反対側の島端には、図示しないがパチ
ンコ玉貸機３に投入された紙幣を回収する島端ボックス
が設けられている。

【００１０】上記パチンコ玉貸機３は、図１に正面を、
図２に縦断側面を示すように、縦長薄箱状のケース６を
有し、その前面の上部から紙幣を横位置で立てて挿入す
る紙幣投入口７、その下位に硬貨投入口８、ついで選択
ボタン（千円用）９、選択ボタン（５００円用）１０、
パチンコ玉投出口１１、釣銭投出口１２がそれぞれ配設
されている。そしてパチンコ台２，２…の背面間には、
パチンコ玉貸機３に投入された紙幣を島端ボックスへ搬
送して回収するための紙幣搬送コンベア１３と、硬貨処
理装置４から投入硬貨または外部からの補給硬貨をパチ
ンコ玉貸機３，３…へ釣銭硬貨として補給するための硬
貨補給コンベア１４と、パチンコ玉貸機３，３…から硬
貨を硬貨処理装置４へ回収するための硬貨回収コンベア
１５がそれぞれ配設されている。これらコンベアは角樋
状のケース１３ａ，１４ａ，１５ａ内に納められてい
る。

【００１１】パチンコ玉貸機３の内部構造は、図２に示
すようになっている。すなわち前記紙幣投入口７の内方
には紙幣識別部１６があり、この識別部１６をパスした
紙幣は前記紙幣回収コンベア１３に通路１７を通じて受
渡されるように形成されている。また硬貨投入口８の内
方には硬貨識別部１８があって硬貨投入口８と硬貨通路
１９で接続され、この識別部１８には前記硬貨回収コン
ベア１５に連なる回収通路２０と異金種等を釣銭投出口
１２へ返却する返却通路２１がそれぞれ接続されてい
る。

【００１２】前記硬貨補給コンベア１４からは蛇腹管か
らなる硬貨通路２２が分岐され、補給必要時に硬貨補給
コンベア１４で運ばれる硬貨を図示しない取出し手段に
より取込むようになっており、この硬貨通路２２はケー
ス６内の硬貨貯留通路部２３に接続されている。

【００１３】この硬貨貯留通路部２３は、図３、図４の
ように硬貨Ｃが径方向に一列並びで通ることができる幅
および厚さを有し、その下流部分は垂直に形成されてい
て下端に分岐部２４が連設されている。この分岐部２４
は前記釣銭投出口１２へ連なる払出し通路２５と前記硬
貨回収コンベア１５ヘ連なる回収通路２６とに分岐する
岐路であり、この分岐部２４内には振分け回転体２７が
正逆回転駆動自在に設けられている。

【００１４】この振分け回転体２７は、図５に取出して
示すように円板状部材の周面に硬貨Ｃの外周部の一部が
嵌入する円弧状の凹部２８が形成されており、この凹部
２８に硬貨Ｃの外周部の一部が嵌入したのち回転すると
き分岐部２４の案内壁部２９，２９にそって硬貨Ｃの外
端が通過することができるようになっている。また振分
け回転体２７の凹部２８以外の外周面は硬貨貯留通路部
２３の下端に臨み、当該通路部２３内の硬貨Ｃ，Ｃ…を
支持する機能を有している。

【００１５】前記振分け回転体２７の軸３０の分岐部２
４外突出部分にはギヤ３１が固着されており、このギヤ
３１には正逆駆動モータ３２により回動するギヤ３３が
噛合され、振分け回転体２７に正転または逆転が与えら
れる。

【００１６】前記硬貨貯留通路部２３には、この通路部
２３に貯留しておくべき硬貨枚数（例えば５枚）分に相
当する位置にニアエンプテイセンサ（Ｓ₁ ）が設けら
れ、分岐部２４には振分け回転体検知センサ（Ｓ₂ ）、
硬貨の通過を検知して硬貨が投出されたことを確認する
ための硬貨投出検知センサ（Ｓ₃ ）が設けられている。

【００１７】パチンコ玉通路３４は、ケース６の上端か
らジグザグ状に屈曲してその下端がパチンコ玉投出口１
１へ導かれ、その下端開口部３４ａは投出筒３５の周面
により常時は塞がれており、この投出筒３５を押上げる
ことにより開口して計数機３６で計数された所定個数の
パチンコ玉３７が投出筒３５の下端から放出されるよう
になっている。

【００１８】図示の実施例では、投入された１００円硬
貨は硬貨回収コンベア１５を通じて硬貨処理装置４へ送
られ、両替機５へ両替用として補給される。５００円硬
貨は硬貨処理装置４から硬貨補給コンベア１４を通じパ
チンコ玉貸機３へ千円紙幣で５００円購入の場合の釣銭
用として補給されるようにしている。

【００１９】つぎに上記実施例の作用を説明する。

【００２０】パチンコ玉貸機３の硬貨投入口８から１０
０円硬貨あるいは５００円硬貨が投入されると、その投
入硬貨は硬貨識別部１８で識別され、正常硬貨と判断さ
れた場合は投入金額に対応する個数のパチンコ玉３７が
投出され、異常と判断された場合は返却通路２１を通じ
て釣銭投出口１２へ返却される。また紙幣投入口７から
千円紙幣が挿入された場合は、紙幣識別部１６で識別さ
れ、正常紙幣であればこれを取込み、紙幣搬送コンベア
１３を通じて島端ボックス（図示せず）へ回収される。

【００２１】正常硬貨と判断されて受入れられた投入硬
貨は、回収通路２０を通って硬貨回収コンベア１５上へ
載せられ、他のパチンコ玉貸機３，３…から同様にして
送られてくる投入硬貨と一緒に島端の硬貨処理装置４へ
送られ、ここで分類された１００円硬貨は両替機５へ両
替用として送られ、５００円硬貨は釣銭用として硬貨補
給コンベア１４へ供給され、各パチンコ玉貸機３，３…
の硬貨貯留通路部２３へ補給される。この５００円硬貨
は、千円紙幣により５００円分のパチンコ玉３７を購入
した場合の釣銭として使用される。

【００２２】前記硬貨補給コンベア１４から硬貨通路２
２を通じて硬貨貯留通路部２３へ入った５００円硬貨
Ｃ，Ｃ…は、硬貨の径方向に整列して貯留され、その列
の後端がニアエンプテイセンサ（Ｓ₁ ）が検知すると硬
貨補給コンベア１４からの取込みが停止され、この硬貨
列の前端は振分け回転体２７の周面に当って留められて
いる（図３の状態）。

【００２３】千円紙幣が挿入され、５００円の選択ボタ
ン１０が押されると、５００円分のパチンコ玉３７が投
出されるとともに５００円硬貨１枚が釣銭投出口１２へ
投出される。この投出動作は、釣銭投出指令に基づいて
振分け回転体２７が払出し通路２５側（図２において時
計方向）に１回転する。この１回転中に振分け回転体２
７の凹部２８が５００円硬貨Ｃの直下に位置するときそ
の外周の一部が凹部２８内に嵌入し（図４）、分岐部２
４の案内壁部２９の内面にそって分岐部２４内を通り、
払出し通路２５部分にさしかかると硬貨は自重により払
出し通路２５内に転入してその下端の釣銭投出口１２へ
投出される。硬貨転入後振分け回転体２７の凹部２８を
回転体検知センサ（Ｓ₂ ）が検知してその回転を停止さ
せる（図２の状態）。この間、硬貨貯留通路部２３内に
整列している硬貨の下端は、振分け回転体２７の外周面
に当って留められている。また硬貨の投出によって硬貨
貯留通路部２３内の硬貨列が硬貨１枚分前進するのでニ
アエンプテイセンサ（Ｓ₁）が硬貨なしを検知し、硬貨
補給コンベア１４から１枚の硬貨の補給を受ける。また
硬貨投出検知センサ（Ｓ₃ ）が硬貨の通過を検知し、硬
貨が投出されたことを確認する。

【００２４】一方、業務終了時等においてパチンコ玉貸
機３，３…内の貯留硬貨をすべて回収するときは、振分
け回転体２７を前記とは逆方向に回転させると、払出し
時と同様に振分け回転体２７の１回転で１枚ずつの硬貨
が回収通路２６へ投出され、硬貨貯留通路部２３内の硬
貨がすべてなくなるまで振分け回転体２７の回転を継続
させることでパチンコ玉貸機３，３…内の硬貨を全量回
収することができる。

【００２５】なお、本実施例では５００円硬貨の釣銭投
出の場合について説明したが金種にかかわらず適用し得
ることはもちろんであり、またパチンコ玉貸機自体の構
造は図示の例に限られることはない。

【００２６】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、硬
貨貯留通路部の末端に払出し通路と回収通路との分岐部
を設け、この分岐部に周面に硬貨の外周の一部が没入し
得る凹部を有する振分け回転体を正逆回転駆動自在に内
装し、この振分け回転体の一方向への回転により払出し
通路側へ、同他方向への回転により回収通路側へ硬貨を
投出するようにしたので、硬貨貯留通路部内での硬貨の
整列貯留、硬貨の払出し、硬貨の回収のすべてを単一の
振分け回転体のみにより行なわせることができ、したが
ってその駆動機構が振分け回転体の駆動のみでよく、そ
の設置スペースも最少ですみ、これらによりコンパクト
でローコストのパチンコ玉貸機とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用するパチンコ玉貸機の一例を示す
正面図。

【図２】本考案を適用したパチンコ玉貸機の一実施例を
示す縦断面図。

【図３】硬貨貯留通路部内の硬貨の貯留状態を示す説明
図。

【図４】同硬貨が振分け回転体の凹部に落込んだ状態を
示す説明図。

【図５】振分け回転体の斜視図。

【図６】本考案によるパチンコ玉貸機が設けられるパチ
ンコ島の一部の斜視図。

【符号の説明】

１ パチンコ島 ２ パチンコ台 ３ パチンコ玉貸機 ４ 硬貨処理装置 ５ 両替機 ６ ケース ７ 紙幣投入口 ８ 硬貨投入口 ９ 選択ボタン １０ 選択ボタン １１ パチンコ玉投出口 １２ 釣銭投出口 １３ 紙幣搬送コンベア １４ 硬貨補給コンベア １５ 硬貨回収コンベア ２３ 硬貨貯留通路部 ２４ 分岐部 ２５ 払出し通路 ２６ 回収通路 ２７ 振分け回転体 ２８ 凹部 ３２ 駆動手段としての正逆駆動モータ ３４ パチンコ玉通路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パチンコ台間等に設置可能な薄箱状を有
   し、外部から投入または補給された硬貨を内部で貯留
   し、その硬貨を釣銭として払い出すとともに業務終了時
   には回収するパチンコ玉貸機の硬貨払出・回収装置にお
   いて、前記の投入または補給された硬貨を硬貨径方向に
   整列させて貯留する硬貨貯留通路部と、この硬貨貯留通
   路部の末端から通路を払出し通路と回収通路とに分岐す
   る分岐部と、この分岐部に設けられ、硬貨の厚み方向の
   回転軸を中心として回転可能とされかつ周面に硬貨の径
   方向の一部が没入し得る凹部を有していて正転または逆
   転により前記凹部が前記硬貨貯留通路部内の硬貨を１枚
   ずつ前記払出し通路または回収通路へ振分けて投出する
   振分け回転体と、この振分け回転体を正逆回転させる駆
   動手段とを具備することを特徴とするパチンコ玉貸機の
   硬貨払出・回収装置。