JP2517325B2 - 釣銭払出し装置 - Google Patents

釣銭払出し装置

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JP2517325B2 JP62285482A JP28548287A JP2517325B2 JP 2517325 B2 JP2517325 B2 JP 2517325B2 JP 62285482 A JP62285482 A JP 62285482A JP 28548287 A JP28548287 A JP 28548287A JP 2517325 B2 JP2517325 B2 JP 2517325B2
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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、自動販売機のコインメカニズムに用いられ
る釣銭払出し装置に関する。
(ロ)従来の技術 自動販売機に用いられるコインメカニズムには、釣銭
パイプ内に保留された硬貨を払い出し、釣銭返却口へ返
却するための釣銭払出し装置が設けられている。
従来よく知られている釣銭払出し装置は、実開昭55-1
03764号公報に開示されているように、第10図において
下端に開口部を有する釣銭パイプ21と、この釣銭パイプ
21内の硬貨Mを受ける釣銭受け台22との間に釣銭払出し
板24を設けて、この釣銭払出し板24をソレノイドプラン
ジャやモータの駆動力を利用して矢印A方向に往復運動
させることで、釣銭受け台22上の最下部に位置する硬貨
Mを釣銭パイプ21と釣銭受け台22との間隙23より釣銭シ
ュート27内へ押し出して自重により落下させ、釣銭返却
口へ排出させる構成となっている。
ここで釣銭受け台22より払い出される硬貨は、釣銭受
け台22を離れたあと、すべり台状に傾斜する釣銭シュー
ト27内の傾斜壁面26aをすべり落ちて(図示しない)釣
銭返却口へ導かれる。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 このような従来の釣銭払出し装置では、釣銭払出し板
24の運動速度と、釣銭シュート27内の上記傾斜壁面26a
を自重によりすべり落ちる硬貨の落下速度とによって釣
銭を払い出す速度が決められてしまい、単に釣銭払出し
板24の単位時間当たりの払出し回数を増しただけでは、
後続の硬貨が先に払い出された硬貨に追い付いて釣銭シ
ュート27内で硬貨詰りを生じてしまうようになることか
ら、従来は釣銭の払出し速度(単位時間当たりの払出し
回数)を充分に速めることができなかった。
また近年は、自動販売機で販売される商品が高額化す
る傾向にあり、紙幣識別装置付きの自動販売機も用いら
れるようになっており、このような自動販売機で高額紙
幣が使われた場合は、顧客への釣銭返却量が多くなるこ
とから、釣銭を高速で返却処理しなければ商品の販売効
率にも影響が出てくるようになる。
そこで本発明は、このような従来の問題点を解決する
ために提案されたものであり、釣銭の払出しを高速に行
なうことができる釣銭払出し装置を提供することを目的
とする。
(ニ)問題点を解決するための手段 この目的を達成するために本発明による釣銭払出し装
置は、釣銭パイプと釣銭受け台との間に、釣銭パイプの
内径と略同径に形成されていると共に、一端が釣銭払出
し板の通過できる間隔を開けて釣銭払出し方向とは反対
側に固着され、遊端の他端が最大径を越えた位置で釣銭
払出し方向に開口している弾性部材を設けたことを特徴
とする。
(ホ)作用 上述の本発明によれば、釣銭払出し板によって押し出
された硬貨によって上記弾性部材の先端部が押し広げら
れると、弾性部材は押し開かれた復元力により硬貨を勢
いよく払出し方向に弾き飛ばすように作用するので、後
続硬貨が先の払出し硬貨に追い着いて釣銭シュート内で
硬貨詰り引き起こすことがなく、単に釣銭払出し板によ
って硬貨の払出しを行なう場合よりも高速に硬貨の払出
しを行なうことができる。
(ヘ)実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例による釣銭払出し装置の
要部を示す。この第1図において、上端に図示しない釣
銭補充用の開口部が形成され下端に釣銭払出し用の開口
部を形成した釣銭保留用の釣銭パイプ1は、釣銭受け台
2上に釣銭払出し用の所定の間隙を設けて配設されてい
る。
この釣銭パイプ1と釣銭受け台2との間には、ソレノ
イドプランジャやモータの駆動力を利用して矢印Aで示
す図中左右方向に釣銭受け台2上を往復運動し、釣銭パ
イプ1内に保留されている硬貨Mを突出部4aによって押
し出して払い出す釣銭払出し板4が設けられている。
また払い出される硬貨が落し込まれる釣銭シュート7
は、硬貨払出し方向と対向する一方の壁部5がシュート
の底部より垂直に立ち上がると共に、他方シュートの底
部より垂直に立ち上がったあと傾斜するすべり台状の傾
斜壁面6が釣銭受け台2の先端開口部2aまで延びてい
る。
また、この釣銭シュート7の上記壁部5には、釣銭払
出し板4による硬貨払出し方向の略延長線上位置に、斜
め下方を向くテーパー面8aを有する方向転換部材8が設
けられており、後述するように釣銭受け台2より払い出
される硬貨は、この方向転換部材8によって釣銭シュー
ト7の底部方向へ先端部が方向転換されて、硬貨詰りが
防止される。
また、釣銭パイプ1と釣銭受け台2との間には、払い
出された硬貨を復元力を利用して払出し方向へ弾き飛ば
す弾性部材9が設けられている。この弾性部材9はたと
えばプラスチック等により形成されており、第2図に示
すように釣銭パイプ1の内径と略同径に形成され、釣銭
払出し板4をまたぐ一端が図中右方の釣銭受け台2側に
固着されていると共に、他端は最大径よりもやや狭まっ
た位置で硬貨払出し方向に開口している。
このような弾性部材9を釣銭パイプ1と釣銭払出し板
4との間に設けたことで、第3図に示す釣銭払出しの待
機状態では、釣銭パイプ1内の最下部に位置し釣銭受け
台4上に乗っている硬貨Mは、この弾性部材9によって
該硬貨Mの外周壁部の一部が硬貨払出し方向に対して両
側より挾み込まれるようになる。
この待機状態から硬貨の払出し動作が開始されると、
釣銭払出し板4によって硬貨Mが釣銭シュート7方向へ
押し出され、第4図に示すように押し出された硬貨Mの
外周壁部に当接する弾性部材9の先端部9aが硬貨Mの最
大直径まで押し広げられる。そして第4図に示す状態か
ら、第5図に示すように更に釣銭払出し板4によって硬
貨Mが前方に押しだされると、今度は弾性部材9自身の
復元力により硬貨Mは第6図のように前方に勢いよく弾
き飛ばされる。釣銭払出し板4と弾性部材9によって飛
ばされた硬貨は、方向転換部材8のテーパー面8aに当た
って水平方向から垂直方向に向きを変え釣銭シュート7
内に勢いよく落下し、釣銭返却口へ導かれる。
このように上記釣銭払出し装置では、払い出される硬
貨を復元力を利用して勢いよく弾きだす弾性部材9を設
けたので、後続硬貨が先に払い出された硬貨に追い付く
ようなことがなく、従来発生していた釣銭シュート7内
での硬貨詰りが解消され、釣銭を高速で払い出せるよう
になる。
ところで上記釣銭パイプ1は、第7図にコインチュー
ブカセットを取外した状態のコインメカニズム全体図を
示すように、コインチューブカセットの裏側に配設され
ており、この釣銭パイプ1の下方には釣銭払出し板4等
からなる釣銭払出し機構部10が設けられている。コイン
チューブカセットの裏側に釣銭パイプ1を配し、周辺の
構造物に制限されて硬貨の払出し距離Lが短くなってい
る場合でも、方向転換部材8を設けてあるので、硬貨詰
りは発生しない。
第8図には、コインチューブカセット11を取り付けた
状態が示されており、このカセット11の下方にはコイン
チューブカセット11用の釣銭払出し機構部12が設けられ
ている。
また、コインメカニズムの上部には、硬貨受入口13が
設けられており、その下方には硬貨選別装置14、金種振
分け装置15、制御部16が設けられている。
第9図に示すコインメカニズムの左右両側面板に形成
された切欠き17、18には、コインチューブカセット11の
両側面部に設けられたボス19、20が係合されるようにな
っており、コインチューブカセット11がコインメカニズ
ムに対して着脱自在となっている。
なお、複数の釣銭パイプを並設して一体に形成したコ
インチューブカセット11には、低額の金種の硬貨が保留
され、上記釣銭パイプ1には例えば500円硬貨のような
高額の金種の硬貨が保留される。上記弾性部材9は釣銭
パイプ1側に設けるだけでなく、コインチューブカセッ
ト11の釣銭払出し機構部12にも設けるようにしてもよ
い。
このような本発明による釣銭払出し装置は、弾性部材
9を設けたことで従来に比べ釣銭の払出し速度を2倍以
上速めることができるので、多品種で高額商品を販売す
る自動販売機や高速に釣銭を返却する必要のある紙幣識
別装置付きの自動販売機等に好適である。
また、硬貨払出しの待機時に外部より振動や衝撃が与
えられた場合でも、釣銭受け台2上の硬貨の周囲が上記
弾性部材9によってガードされているので、待機状態に
ある最下部の硬貨が釣銭シュート7内へずれ落ちること
もない。
また従来は特に釣銭パイプ1内に硬貨が1枚しか残さ
れていない場合に振動等によって硬貨が釣銭シュート7
内にずれ落ち易かったが、弾性部材9を設けたことでこ
の不具合が解消される。
また粘着性の付着物が硬貨に付いているような場合で
は、硬貨が釣銭シュート7内に落ちる途中ではり付き、
払出し不良を招くことがあったが、弾性部材9によって
払出し硬貨を勢いよく弾き飛ばせるので、このような不
具合を防止できる。
また弾性部材9を設けたことで、硬貨を押し出す勢い
を増すことができることから、従来に比べて釣銭払出し
板4の運動ストロークを短くすることができ、装置の小
型化や払出し効率の向上が図れる。
(ト)発明の効果 以上説明したように本発明によれば、釣銭パイプと釣
銭受け台との間に、払出し硬貨を釣銭シュートへ向けて
弾き飛ばす弾性部材を設けたので、釣銭払出し板によっ
て押し出された硬貨はこの弾性部材によって強制的に勢
いよく釣銭シュートに飛ばされ払い出されるようにな
る。従って、釣銭払出し板による払出し動作を高速化し
たとしても、後続硬貨が先の払出し硬貨に追いついて生
じる硬貨詰りを防止することができ、単位時間当たりの
釣銭の払出回数を増すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による釣銭払出し装置の要部を示す縦断
面図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は上記
釣銭払出し装置の動作を説明するための概略図、第4図
は上記釣銭払出し装置の動作を説明するための概略図、
第5図は上記釣銭払出し装置の動作を説明するための概
略図、第6図は上記釣銭払出し装置の動作を説明するた
めの概略図、第7図は上記釣銭払出し装置が配設される
コインメカニズムの全体を示す正面図、第8図は上記コ
インメカニズムにコインチューブカセットを装着した状
態の正面図、第9図はコインメカニズムの側面図、第10
図は従来の釣銭払出し装置の縦断面図である。 1……釣銭パイプ、2……釣銭受け台、4……釣銭払出
し板、7……釣銭シュート、9……弾性部材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下端に開口部を有する釣銭パイプをこの釣
    銭パイプ内の硬貨を受ける釣銭受け台の上方に間隙を隔
    てて設け、上記釣銭受け台上の硬貨を釣銭払出し板によ
    り押し出して払い出すようにした釣銭払出し装置におい
    て、釣銭パイプの内径と略同径に形成されていると共
    に、一端が釣銭払出し板の通過できる間隔を開けて釣銭
    払出し方向とは反対側に固着され、遊端の他端が最大径
    を超えた位置で釣銭払出し方向に開口している弾性部材
    を上記釣銭パイプと上記釣銭受け台との間に設けたこと
    を特徴とする釣銭払出し装置。
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