JPH0624543Y2 - キヤビネツトにおける回転扉の収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキャビネットにおける回転扉の収納装置に関す
るもので、比較的簡単な構造で、上方に回動した扉を円
滑にキャビネット本体内の上部に収納し得るようにし、
かつ扉蝶番の取付けが極めて簡便に行い得るようにした
ものである。

次にその詳細を図示の実施例について説明すると、第１
図において（１）はキャビネット本体、（２）は抽斗、
（３）は回転扉、また第２図以下において（４）は合成
樹脂製ブロック状の蝶番軸受、（５）は鋼板の三方を折
曲して構成した蝶番本体、（６）は滑性の良好な合成樹
脂製のスライダーで、蝶番本体（５）の前縁を巻回して
形成した軸受部（７）が軸受（４）の切欠溝（８）に嵌
合し、支軸（９）をもって回動自在に軸受（４）に取付
けられている。また蝶番本体（５）の外側折曲縁(10)の
前後には角形の取付孔(11),(11)が穿設され、これにス
ライダー（６）の内側面に突設された係止突起(12),(1
2)が弾発的に嵌合係止されて左右一対の扉蝶番（Ａ）が
形成されている。(13)はスライダー（６）に設けた位置
定め用ピンで、スライダー（６）を蝶番本体（５）に取
付ける際、蝶番本体（５）の係合孔(14)に嵌合する。(1
5)は蝶番本体（５）の外側下縁に設けたストッパー、(6
a)はスライダー（６）に設けた滑動凸面である。

而してこの扉蝶番（Ａ）の軸受（４）を、側縁と上縁に
断面コ字状の折曲板部（３ａ），（３ｂ）を形成した扉
（３）の相対応する側の上隅の折曲部に嵌合して同軸受
のやや肉厚に形成した外側軸受部(16)を扉（３）の側縁
および上縁の折曲板部(3a),(3b)を切欠き形成した隅部
の切欠部(17)に嵌合係止すると共に扉（３）の上部折曲
板部(3b)を貫通して軸受（４）に蝶着せしめた止めねじ
(18)（第３図）をもって締着して扉（３）の隅部に固定
されている。尚軸受け(4)嵌合後、側部折曲板部(3a)に
切起し設けた係合片(19)を軸受（４）の下面に係止して
保持を強固にしている。

第２図において(20)はキャビネット本体(1)の内側上部
に設けた断面内向きコ字状のレールで、背面に切起し設
けた後向きの爪片(21)をキャビネット本体（１）前後部
の縦補強板(22)に穿設した係合孔に係止し、レール(20)
の背面に穿設した戻り防止用の係合孔(23)を縦補強板(2
2)に切起し設けた係止突起(24)に係止して取付けられ、
レール下部の下向き補強縁(20a)には断面Ｌ字状のスト
ッパー係止片(25)がその折曲片に切起し設けた係合突片
（25′）をレール補強縁(20a)に穿設した係合孔(26)に
係止し、止めねじ(27)で締着して取付けられている。
（20″）は溝（20′）前端の上縁に設けた傾斜案内面で
ある。またレール(20)前方の縦補強板(22)には合成樹脂
製の滑子(28)が止めねじ(29)により取付けられ、上記ス
ライダー（６）がレール(20)の溝（20′）に摺動自在に
嵌合し、扉（３）は支軸（９）を介し蝶番本体（５）に
支持されてキャビネット本体（１）の前部開口を閉じて
いる。

この状態から扉（３）を支軸（９）を支点として上方に
開きキャビネット本体（１）内に押込めば、スライダー
（６）がレール(20)の溝（20′）内を後方に摺動するの
で扉（３）とキャビネット本体（１）内に収納され、抽
斗（２）を引出すことができる。この場合、扉（３）の
側部折曲縁はスライダー（６）とほぼ同一直線上にある
のでレール溝（20′）に嵌合するが、主としてスライダ
ー（６）とキャビネット本体（１）戸口の滑子(28)の滑
り面（28′）に支持されて移動するので扉の側縁とレー
ル(20)が摺合う等のことなく円滑に移動することができ
る。また扉（３）を上記蝶番本体（５）のストッパー(1
5)が係止片(25)に係止されるので引出し、下方に回動す
れば扉を閉じることができる。このストッパー係止片(2
5)はスライダー（６）をレール溝（20′）内に嵌合後取
付ける。

本考案の回転扉の収納装置は、上記の如き構造であるか
ら扉（３）はスライダー（６）により滑にレール（２
０）の溝（２０′）内を移動することができ、また蝶番
本体（５）に固設したストッパー（１５）を係止すべき
ストッパー係止片（２５）を止めねじ（２７）により取
付けるようにしたから、スライダー（６）をレール（２
０）の溝（２０′）に嵌合した後、ストッパー係止片
（２５）を取付けることにより装置の取付けも容易であ
り、かつ上述の如く左右の扉蝶番（Ａ）をそれぞれ扉
（３）の相対応する側の上隅部に固定するようにしたの
で横幅寸法の異なるキャビネットにも簡単に取付けるこ
とができ、極めて便利であるし、ブロック状の蝶番軸受
（４）、蝶番本体（５）及びスライダー（６）により構
成される扉蝶番（Ａ）を予め組立てておき、回転扉を製
作する際には、扉（３）の側縁と上縁に形成した断面コ
字状の折曲板部（３ａ），（３ｂ）の上隅部内に上記ブ
ロック状の蝶番軸受（４）を嵌合する共に該上隅部を切
欠いて形成した切欠部（１７）内に上記外側軸受部（１
６）を嵌合係止することにより、極めて簡単に扉に取付
でき、従来の鋼板製の蝶番を扉体に溶接やねじ止めによ
り取付けるもの等に比べて作業工程が著しく簡素化さ
れ、また開閉の際に応力が集中する扉の上隅部が上記ブ
ロック状の蝶番軸受（４）により補強され、変形等を生
じないようにできると共に扉の表面にも従来の装置のよ
うにスポット溶接等の跡が残らないので外観を損ずるお
それもない等の実用的な効果を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はキャビネット
本体の外観斜視図、以下拡大して示し、第２図は要部の
縦断側面図、第３図は扉蝶番の分解斜視図である。 （１）…キャビネット本体、（２）…抽斗、 （３）…扉、（Ａ）…扉蝶番、 （４）…軸受、（５）…蝶番本体、 （６）…スライダー、（９）…支軸、 (18),(27)(29)…止めねじ、(19)…係合片、 (29)…レール、(22)…縦補強板、 (25)…ストッパー係止片、(28)…滑子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部に切欠溝（８）を有し外側にやや肉厚
   の外側軸受部（１６）を有するブロック状の蝶番軸受
   （４）と、前縁に軸受部（７）を有する蝶番本体（５）
   および合成樹脂製のスライダー（６）を備え、上記軸受
   部（７）を蝶番軸受（４）の切欠溝（８）に嵌合して支
   軸（９）をもって回動自在に該蝶番軸受（４）に取付け
   るとともに上記スライダー（６）を蝶番本体（５）の外
   側面に固定して左右１対の扉蝶番（Ａ）を構成し、上記
   蝶番軸受（４）をそれぞれ扉（３）の側縁と上縁に形成
   した断面コ字状の折曲板部（３ａ），（３ｂ）の上隅部
   内に嵌合すると共に該上隅部を切欠いて形成した切欠部
   （１７）内に上記外側軸受部（１６）を嵌合係止し、上
   記スライダー（６）をキャビネット本体（１）の内側に
   設けたレール（２０）の溝（２０′）内に摺動自在に嵌
   合し、キャビネット本体（１）の前部内側には上記蝶番
   本体（５）に固設したストッパー（１５）を係止すべき
   ストッパー係止片（２５）を取付けてなるキャビネット
   における回転扉の収納装置。