JPH0624461B2 - パイ・ペストリ−用折り込み油脂組成物 - Google Patents

パイ・ペストリ−用折り込み油脂組成物

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JPH0624461B2
JPH0624461B2 JP16530386A JP16530386A JPH0624461B2 JP H0624461 B2 JPH0624461 B2 JP H0624461B2 JP 16530386 A JP16530386 A JP 16530386A JP 16530386 A JP16530386 A JP 16530386A JP H0624461 B2 JPH0624461 B2 JP H0624461B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はパイ・ペストリー用折り込み油脂組成物に関す
る。
更に詳しくは、パイまたはペストリーを製造する際、作
業性が良好(作業温度領域が広い)で、伸展性が良好で
あるパイ・ペストリー用折り込み油脂組成物に関するも
のである。
「折り込み油脂」は、ロールイン(roll-in)用油脂とも
呼ばれるものである。
〔従来の技術〕
パイ・ペストリー用折り込み油脂は液状及び結晶状油脂
が均一に混ざりあった可塑性を有する固体脂であるのが
良いとされ、古くからバターが主に使用され、又最近で
はバターと同様な物性を有するマーガリン等の加工油脂
も使用されてきている。
パイ・ペストリー用折り込み油脂は、通常5〜15℃位迄
に冷却された生地で折り込まれる。次いで生地は適当な
形に整形された後、30〜35℃のホイロに入れられて数十
分保たれ、その後、200〜220℃で焼成される。従来のこ
のようなパイ・ペストリー用に用いられる加工油脂は、
(1)5〜15℃という低い温度において生地に十分均一に
折り込まれ、且つ生地の伸展性が良いこと、(2)30〜35
℃のホイロ時においても、生地に包み折り込まれた油脂
が溶けて流れ出さないこと、即ち、保型性があること等
の要件を十分に満たすものではなかった。
一般的には、油脂結晶を微細化すると、伸展性が良好と
なる。微細化油脂結晶を得る方法の1つには冷却表面積
を大とした急冷可塑化機(通称コンプレクター)を使用
する方法が知られており、通常の冷却可塑化機、例えば
コンビネーター、ボテーター、パーフェクター、オンレ
ーター等で作られたものよりは確かに良好な伸展性が得
られている。しかし、未だ不十分である。
また、折り込み油脂組成物としては、トリラウリン、ト
リミリスチン、又はラウリン酸やミリスチン酸が80重量
%以上のトリグリセリドに液体油または軽水添油を30〜
50重量%配合し10℃から30℃においてSFIが20〜40であ
る油脂組成物(特公昭48-32164号公報)、アセチル化モ
ノグリセリドを配合してなるロールインマーガリン(特
開昭59-11142号公報)に関する発明などが提案されてい
る。
しかしながらこれらの発明の油脂組成物の使用では、一
部物性は改良されるものの、良好なパイ・ペストリーを
得る為には未だ不十分であり、耐熱性(作業温度領域)
の範囲も広くはなく、満足なものとはいえない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述のように、パイ・ペストリー用折り込み油脂組成物
の改良が製造プロセスの面、特殊なトリグリセリド組み
合わせの面、添加剤の面からなされている。
しかし、これらの公知のものからは、総体的には良好な
パイ・ペストリー用折り込み油脂組成物が得られてはい
るが、パイ・ペストリー用折り込み油脂に要求される諸
性質を満足し、しかも作業を容易にするという観点から
は良好なものは未だ得られていないのが現状である。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者らは、前記問題点を解決する為に鋭意研究を重
ねた結果、構成脂肪酸として炭素数20〜24の飽和脂肪酸
を15〜70重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜60
重量%含有し、かつ1分子中に炭素数20〜24の飽和脂肪
酸残基及び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少なくと
も各1個以上有する混酸基トリグリセリドを折り込み油
脂組成物中に5〜45重量%含有するパイ・ペストリー用
折り込み油脂組成物は、伸展性がよく、作業温度領域が
広く、かつ連続作業(パイ・ペストリーの製造時におい
て休みを入れないで良い)に耐えるパイ・ペストリー用
油脂組成物であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は叙上の構成からなるパイ・ペストリー用
折り込み油脂組成物に関するものである。
構成脂肪酸として炭素数20〜24の飽和脂肪酸を15〜70重
量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜60重量%含有
し、かつ炭素数20〜24の飽和脂肪酸残基及び炭素数16〜
22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各1個以上有する混
酸基トリグリセリドを折り込み油脂組成物中に5重量%
未満の含有量では、伸展性及び作業温度領域において不
十分になる。逆に、上記混酸基トリグリセリドの含有量
が45重量%を越えると油脂組成物が硬くなり過ぎて、伸
展性において劣り、望ましくない。
構成脂肪酸として炭素数20〜24の飽和脂肪酸を15〜70重
量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜60重量%含有
し、かつ1分子中に炭素数20〜24の飽和脂肪酸残基及び
炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各1個以
上有する混酸基トリグリセリドは特に限定された方法で
得られるものではないが、次のような製造方法により得
るのが好適である。
例えば、炭素数20〜24の飽和脂肪酸を30重量%以上含有
する脂肪酸やそのメチル又はエチルエステル及びトリグ
リセリドと、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を40重量%以
上含有する脂肪酸やそのメチル又はエチルエステル及び
トリグリセリドを組合わせ、脂肪酸やそのメチル又は
エチルエステル同志とグリセリンより直接エステル化す
る方法、脂肪酸やそのメチル又はエチルエステルとト
リグリセリドをエステル交換する方法、トリグリセリ
ド同志をエステル交換する方法などで製造することが出
来る。又、必要によっては、エステル化品もしくはエス
テル交換品を分別処理し、本発明のパイ・ペストリー用
折り込み油脂組成物の成分である混酸基トイグリセリド
を濃縮すれば、その性能は一段と向上する。
これらの方法において、例えば直接エステル化反応は、
120〜250℃で行うが、その際、触媒としてアルカリ金属
やアルカリ土類金属及びそれらの水酸化物、塩類を用い
ても良く、また無触媒でも良い。脂肪酸とトリグリセリ
ドのエステル交換反応は、リパーゼ等を用いて行う事も
出来る。反応後に残る脂肪酸の除去には、減圧スチーミ
ングや分子蒸留器を用いる事が出来る。又、トリグリセ
リド同志のエステル交換反応は60〜150℃好ましくは90
〜120℃で行い、触媒としてはアルカリ金属、アルカリ
金属アルコラート(例えばナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラートなど)、アルカリ金属水酸化物(例え
ば苛性ソーダ、苛性カリなど)、又、水素化アルカリ金
属(例えば水素化ナトリウムなど)を用いる事が出来
る。
構成脂肪酸として炭素数20〜24の飽和脂肪酸を15〜70重
量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜60重量%含有
し、かつ1分子中に炭素数20〜24の飽和脂肪酸残基及び
炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各1個以
上有する混酸基トリグリセリド以外の油脂としては、食
用油脂として使用される動植物油脂類の1種若しくは2
種以上の混合物が使用される。
植物油脂類としては大豆油、ナタネ油、パーム油、コー
ン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油等々が例示され、一
方、動物油脂類としては牛脂、ラード、魚類、鯨油等々
が例示される。
本発明に使用する前記特定の混酸基トリグリセリド以外
の油脂は、これら食用油脂(動植物油脂類)を直接使用
しても良いが水素添加処理及び/又はエステル交換処理
をした加工油脂であっても良い。
本発明の折り込み油脂組成物中に、必要に応じ、乳化剤
を少量(0.1〜2重量%)配合してもよい。
乳化剤としてはショ糖高級脂肪酸エステル、グリセリン
高級脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール高級脂
肪酸モノエステル、ソルビタン高級脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸部分エス
テル、レシチン等の群から選ばれた1種若しくは2種以
上の混合物を使用することができる。
また、必要があれば本発明の折り込み油脂組成物中に、
嗜好、栄養などを高めるために調味料、甘味料、香料、
乳製品、食塩などを少量(0.01〜1重量%)添加しても
良い。
〔実施例〕
以下に合成例、比較例及び実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明する。
なお、合成例、比較例及び実施例中の%は、すべて重量
%を意味する。
合成例1〜4は、本発明で使用する特定の混酸基トリグ
リセリドの製造例である。
合成例−1 ベヘン酸トリグリセリド(脂肪酸組成;ステアリン酸2.
4%、アラキン酸9.9%、ベヘン酸84.9%)50重量%、オ
リーブ油(脂肪酸組成;パルミチン酸10.9%、ステアリ
ン酸3.7%、オレイン酸80.5%、リノール酸5.0%)50重
量%の混合油を、油脂に対して0.1重量%のナトリウム
メチラートを触媒とし、80℃で30分間反応を行いエステ
ル交換油を得た。
このエステル交換油を1g当たり4mのn−ヘキサン
に溶解し攪拌下40℃から28℃まで冷却して析出した三飽
和トリグリセリドを主体とした高融点部(収率;エステ
ル交換油に対して14%)を濾別した。濾液を常法により
溶剤留去した後残留部を1g当たり5mのアセトンに
溶解し、攪拌下30℃から10℃まで冷却して析出した目的
とする区分を採取した。
この区分は溶剤を留去した後、常法により脱臭して本発
明用の混酸基トリグリセリド(A)を得た。
合成例−2 ベヘン酸トリグリセリド(脂肪酸組成;ステアリン酸2.
4%、アラキン酸9.9%、ベヘン酸84.9%)50重量%、サ
フラワー油(脂肪酸組成;パルミチン酸6.9%、ステア
リン酸2.7%、オレイン酸13.0%、リノール酸76.0%)5
0重量%の混合油を合成例−1と同様にエステル交換後
溶剤分別することによって本発明用の混酸基トリグリセ
リド(B)を得た。
混合例−3 極度硬化したハイエルシンナタネ油(脂肪酸組成;パル
ミチン酸3.9%、ステアリン酸41.3%、アラキン酸5.5
%、ベヘン酸46.9%)50重量%とサフラワー油(脂肪酸
組成;パルミチン酸6.9%、ステアリン酸2.7%、オレイ
ン酸13.0%、リノール酸76.0%)50重量%の混合油を合
成例−1と同様にエステル交換を行った後、エステル交
換油を1g当たり5mのアセトンに溶解し、攪拌下35
℃まで冷却して析出した三飽和トリグリセリドを主体と
した高融点部(収率;エステル交換油に対して26%)を
濾別した。この濾液を10℃まで攪拌下冷却して、析出し
た結晶を採取しさらに溶剤を留去した後常法により脱臭
して本発明用の混酸基トリグリセリド(C)を得た。
合成例−4 オリーブ油(脂肪酸組成;パルミチン酸10.9%、ステア
リン酸3.7%、オレイン酸80.5%、リノール酸5.0%)50
重量%とベヘン酸(組成;ステアリン酸2.7%、アラキ
ン酸9.8%、ベヘン酸85.8%)50重量%を脂肪酸の5倍
容(対重量)のヘキサンに溶解した後、仕込み油脂に対
して10重量%のセライトに吸着せしめたα−位選択的エ
ステル交換能を有するリパーゼ(田辺製薬(株)製シゾ
プスデレマー属のリパーゼ)を仕込み油脂1gに対して
520リパーゼ単位添加し45℃で72時間α−位選択的エス
テル交換反応を行った。反応の後、反応液を濾過し、次
に濾液からヘキサンを留去した。次に残留部から分子蒸
留(210〜230℃/0.05〜0.07mmHg)により脂肪酸を除去し
た。この脂肪酸を除去したα−位選択的エステル交換油
を1g当たり5mのアセトンに溶解し、攪拌下30℃か
ら10℃まで冷却して析出した結晶を採取し、さらに溶剤
を留去した後常法により脱臭して本発明用の混酸基トリ
グリセリド(D)を得た。
合成例1〜4で得た本発明用の混酸基トリグリセリド
(A)、(B)、(C)、(D)夫々の分析値を第1表に、ガスクロマ
トグラフィーによるトリグリセリド組成を第2表に示
す。
実施例1 合成例−1で得た本発明用の混酸基トリグリセリド(A)4
0重量%、ナタネ白絞油59.7重量%、大豆レシチン0.1重
量%、及びグリセリン高級脂肪酸モノエステル(HLB3.5)
0.2重量%からなる油脂組成物を加熱溶解、攪拌混合
後、急冷可塑化して、パイ・ペストリー用折り込み油脂
組成物(本発明品1)を製造した。
実施例2 合成例−1で得た本発明用の混酸基トリグリセリド(A)1
5重量%、魚油の硬化油(融点30℃)25重量%、魚油の
硬化油(融点35℃)10重量%、ナタネ白絞油31.6重量
%、大豆レシチン0.1重量%、グリセリン高級脂肪酸モ
ノエステル(HLB3.5)0.2重量%、及びショ糖高級脂肪酸
エステル(HLB3)0.1重量%を加えた油相を加熱溶解後、
これに水16.5重量%、脱脂粉乳1.0重量%、及び食塩0.5
重量%からなる加熱溶解された水相を加え、攪拌混合
後、急冷可塑化して、パイ・ペストリー用折り込み油脂
組成物(本発明品2)を製造した。
実施例3 合成例−2で得た本発明用の混酸基トリグリセリド(B)3
0重量%、ナタネ白絞油59.7重量%、魚油の硬化油(融
点30℃)10重量%、大豆レシチン0.1重量%、及びグリ
セリン高級脂肪酸モノエステル(HLB3.5)0.2重量%から
なる油脂組成物を加熱溶解、攪拌混合後、急冷可塑化し
て、パイ・ペストリー用折り込み油脂組成物(本発明品
3)を製造した。
実施例4 合成例−3で得た本発明用の混酸基トリグリセリド(C)2
0重量%、ナタネ白絞油60重量%、魚油の硬化油(融点3
0℃)19.7重量%、大豆レシチン0.1重量%、及びグリセ
リン高級脂肪酸モノエステル(HLB3.5)0.2重量%からな
る油脂組成物を加熱溶解、攪拌混合後、急冷可塑化して
パイ・ペストリー用折り込み油脂組成物(本発明品4)
を製造した。
実施例5 合成例−4で得た本発明用の混酸基トリグリセリド(D)1
0重量%、魚油の硬化油(融点30℃)25重量%、魚油の
硬化油(融点35℃)15重量%、ナタネ白絞油31.6重量
%、大豆レシチン0.1重量%、グリセリン高級脂肪酸モ
ノエステル(HLB3.5)0.2重量%、及びショ糖高級脂肪酸
エステル(HLB3.0)0.1重量%からなる油相を加熱溶解
後、これに水16.5重量%、脱脂粉乳1.0重量%、食塩0.5
重量%からなる加熱溶解された水相を加え、攪拌混合
後、急冷可塑化して、パイ・ペストリー用折り込み油脂
組成物(本発明品5)を製造した。
比較例1 合成例−1で得た本発明用の混酸基トリグリセリド(A)5
5重量%、魚油の硬化油(融点30℃)20重量%、ナタネ
白絞油24.7重量%、大豆レシチン0.1重量%、及びグリ
セリン高級脂肪酸モノエステル(HLB3.5)0.2重量%から
なる油脂組成物を加熱溶解、攪拌混合後、急冷可塑化し
てパイ・ペストリー用折り込み油脂組成物(比較品1)
を製造した。
比較例2 魚油の硬化油(融点30℃)10重量%、魚油の硬化油(融
点35℃)40重量%、魚油の硬化油(融点45℃)20重量
%、ラード29.7重量%、大豆レシチン0.1重量%、及び
グリセリン高級脂肪酸エステル(HLB3.5)0.2重量%から
なる油脂組成物を加熱溶解、攪拌混合後、急冷可塑化し
てパイ・ペストリー用折り込み油脂組成物(比較品2)
を製造した。
試験例1 デニッシュペストリー製造におけるパイ・ペストリー用
折り込み油脂組成物の評価 上記の実施例1〜5及び比較例1〜2において製造した
7種のパイ・ペストリー用折り込み油脂組成物を用い、
「実践デニッシュペストリー」(越後和義著、ベーカー
ズカンパニー、昭和51年2月20日発行)18〜19頁に記載
されている「日本風にアレンジしたペストリー」の製造
方法に準じてペストリーを次法により製造した。
(i)ペストリーの配合(%は重量基準) 砂 糖 17% 塩 1.6% 全卵(からなし重量) 18% 脱脂粉乳 3% 練り込み油脂 10% 生イースト 5% 水 42〜43% 折り込み油脂組成物 100% 注) *:練り込み油脂としては各種ショートニング、マーガ
リンを使用することができる。本実施例では、魚油系の
ショートニングを使用した。
(ii)ペストリーの製造法 ミキシング(ケーキミキサーを使用); 低速3分、中低速4分、 オールインミックス 捏上げ温度;12〜15℃ 冷却; 生地を平延し、−10℃のフリーザーで約30分冷却する。
表面の乾燥を防ぐためビニールをかぶせる。
折りたたみ;3折り3回 焼成;210℃、10分 また、7種の折り込み用油脂組成物はあらかじめ恒温室
下に1日間おき、夫々5℃、15℃、20℃に調温しておい
た。
(iii)評価結果 実施例1〜5及び比較例1〜2で得られたパイ・ペスト
リー用折り込み油脂組成物(即ち、本発明品1〜5及び
比較品1〜2)を用いて製造したペストリー生地の伸展
性及び焼成後のペストリーの層形成状態の評価結果は、
第3表に示した。
第3表に示される比較品1の評価結果から明らかなよう
に、構成脂肪酸として炭素数20〜24の飽和脂肪酸を15〜
70重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜60重量%
含有し、かつ1分子中に炭素数20〜24の飽和脂肪酸残基
及び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各1
個以上有する混酸基トリグリセリドを含有していても、
その含有量が折り込み油脂組成物中45重量%を越える
と、ペストリー生地の伸展性が悪くなる。それに伴い、
焼成後のペストリー製品の層形成状態も悪くなる。
また、比較品2の評価結果から明らかなように、該混酸
基トリグリセリドを含有しない折り込み油脂組成物を使
用した場合は、生地の伸展性はごく狭い温度領域(比較
品2では、15℃のみ)でしか良好でなく、これに伴って
層形成状態もその温度領域でしか良好ではない。
一方、本発明品1〜5を使用した場合には、広い温度領
域で生地の伸展性が良好であり、かつ層形成状態も良好
であることが認められた。
〔発明の効果〕
叙上の如く、本発明のパイ・ペストリー用折り込み油脂
組成物を用いることにより、生地の伸展性が低温から高
温に到るまで良好となり、作業する温度領域も広くな
り、パイ・ペストリーを作る際に特別に涼しい作業条件
を準備する必要がなくなる。また、あまり温度に依存せ
ずに、容易に、層形成状態が良好なパイ・ペストリーを
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 章 茨城県鹿島郡波崎町矢田部9809−6 花王 社宅3−204

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構成脂肪酸として、炭素数20〜24の飽和脂
    肪酸を15〜70重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20
    〜60重量%含有し、かつ1分子中に炭素数20〜24の飽和
    脂肪酸残基及び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少な
    くとも各1個以上有する混酸基トリグリセリドを折り込
    み油脂組成物中に5〜45重量%含有することを特徴とす
    るパイ・ペストリー用折り込み油脂組成物。
JP16530386A 1986-07-14 1986-07-14 パイ・ペストリ−用折り込み油脂組成物 Expired - Lifetime JPH0624461B2 (ja)

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