JPH06240078A - 高分子組成物 - Google Patents

高分子組成物

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JPH06240078A
JPH06240078A JP2557593A JP2557593A JPH06240078A JP H06240078 A JPH06240078 A JP H06240078A JP 2557593 A JP2557593 A JP 2557593A JP 2557593 A JP2557593 A JP 2557593A JP H06240078 A JPH06240078 A JP H06240078A
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JP
Japan
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copolymer
polyamide
polymer composition
resin
styrene
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JP2557593A
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English (en)
Inventor
Takafumi Uemiya
崇文 上宮
Mitsuharu Miyajima
光治 宮島
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温で優れた制振性能を示し、低騒音化等の
要求度が高い各種機器、装置類の部品材料としての適性
に富む高分子組成物を提供する。 【構成】 スチレン、ブタジエン及びカルボシキル基を
有する不飽和化合物を必須の成分としてこれ等を共重合
させた共重合体Aとポリアミドを混合する。この高分子
組成物は、図3に示すように、室温での力学的損失正接
tanδがポリアミド(図の比較例1)と共重合体A
(図の比較例2)の相加平均値に比べて非常に大きく
(実施例1〜4)、優れた制振性能を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械、電子機器、
家電製品、自動車などの振動発生部や振動伝達経路に採
用する制振用の高分子組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】制振材料は、機械的加振力を受けて振動
しようとする物体、例えば板の振動エネルギーを熱エネ
ルギー等の他のエネルギー形態に変換して物体の振動を
減衰する作用をするものであって、振動を嫌う精密機器
等の機器、装置類を床振動から保護し、振動部位からの
騒音の発生を抑制し、振動部分の機械的疲労破壊を防ぐ
等の目的で使用されている。
【0003】この制振材料の制振性能は、力学的損失正
接tanδで表され、図1に示すように、ヤング率が低
下する温度領域、即ち、ガラス転移点Tg付近で最大と
なる。
【0004】ポリアミド樹脂は、優れた制振性を持ち、
また、金属に比較して軽量である上に剛性、耐熱性、耐
油性等に関する性能も優れるため、例えば、シリンダヘ
ッドカバー、ギヤケース等の自動車部品、耐摩耗性ギヤ
等のOA部品材料としてよく用いられている。
【0005】なお、このような用途に用いるポリアミド
系制振部材としては、例えば、特開昭61−36357
号公報や特開平2−113064号公報に示されるもの
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前掲の公開公報に示さ
れている従来のポリアミド系制振材は、いずれもポリア
ミドのガラス転移点Tgが60〜80℃付近にあること
を利用して80℃近辺でのtanδを高めたものであっ
て、一般に使用される室温でのtanδが低いままであ
ると言う問題があった。
【0007】また、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニ
トリル−スチレン共重合体)に代表されるアクリロニト
リルとスチレンを必須の成分とする共重合体組成物(以
下ではこれを樹脂Bと言う)は、優れた機械的性質を持
つ。このため、ポリアミド樹脂と並んで多くの分野で利
用されているが、この樹脂Bにポリアミド樹脂を混合し
て耐衝撃性を改善する試みは数多くなされているもの
の、制振性を良くしようとする試みは全くなされていな
い。このような事情により従来の制振性樹脂では高まる
低騒音化の要求に応えられないでいる。
【0008】そこで、本発明は、室温でも優れた制振性
能を示すポリアミド系の高分子組成物と、制振性能だけ
でなく機械的物性にも優れている高分子組成物を提供す
ることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子組成物
は、スチレン、ブタジエン及びカルボシキル基を有する
不飽和化合物を必須の成分としてこれ等を共重合した共
重合体Aをポリアミドに混合したものであって、特に室
温付近で高い制振性能を発現するものである。
【0010】この高分子組成物Iを、アクリロニトリル
とスチレンを必須の成分とする共重合体、即ち、前述の
樹脂Bに混合して得られるもう1つの高分子組成物II
は、制振性能が高く、機械的物性にも優れる。なお、
A、B及びI、IIの符号は便宜上用いたもので、以下で
も区別のためにこの符号を使用する。
【0011】本発明で用いるポリアミドは、通常ナイロ
ンと呼ばれているものであり、具体的には、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン610やこれ等のナイロンにゴム成分をグラフト或
いはブロック共重合したナイロン共重体などを挙げるこ
とができる。
【0012】また、ここで用いる共重合体Aは、カルボ
シキル基を有する繰返し単位をもった例えばアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、N−メチルマレイミド等と、スチレン、ブ
タジエンを共重合したものであり、その他の成分とし
て、アクリロニトリルやエチレン、メタクリル酸メチル
等のラジカル重合もしくはアニオン、カチオン重合が可
能なモノマーと共重合していてもよい。この場合、共重
合体A中に占めるカルボシキル基を有する繰返し単位部
分の割合は、0.1〜20重量%が好ましい。
【0013】この共重合体Aのガラス転移点Tgは、ブ
タジエンの含有量が増えると低下するので、ブタジエン
含有量の調節によって任意の値に設定することができる
が、本発明の高分子組成物の室温での力学的損失正接t
anδを大きくするためには、この共重合体AのTgが
−20℃〜40℃間にあることが好ましい。
【0014】ポリアミドと上記の共重合体Aは本来非相
溶であるが、共重合体A中に含まれるカルボシキル基が
材料の溶融混練時にポリアミド末端のアミノ基と反応す
るため、両者を任意の割合で均一に混合することができ
る。これにより、目的とする高分子組成物のtanδが
ポリアミドと共重合体Aの相加平均より大きくなり、t
anδ≧0.1の優れた特性が望めるようになる。ポリ
アミドに混合する共重合体Aの量には特に制限はない
が、ポリアミド100重量部に対し、共重合体Aは10
0重量部以下であることが好ましい。
【0015】このポリアミドと共重合体Aの混合物に
は、リン酸エステル、水酸化マグネシュウム、二酸化ア
ンチモン、デカブロモジフェニルオキシド等の各種難燃
剤やカーボンブラック、シリカ、マイカ、ガラスファイ
バ等の各種補強材を添加することができる。
【0016】また、このようにして得られる高分子組成
物Iを他の樹脂に混合することにより、室温でのtan
δが大きい異物性の樹脂が容易に得られる。特に、共重
合体Aと相溶性のよい樹脂Bに混合すると、均一で加工
性が良く、機械的物性にも優れた樹脂(高分子組成物I
I)が得られる。
【0017】なお、ここで言う樹脂Bは、アクリロニト
リルとスチレンの共重合体であるAS樹脂(SAN樹脂
とも呼ばれる)だけでなく、ブタジエンを共重合したA
BS樹脂、エチレンを共重合したAES樹脂、アクリル
ゴムを共重合したASA樹脂、並びにイミド変成等の各
種変成を行ったこれ等の樹脂、或いはこれ等の樹脂とポ
リカーボネート、ポリエステルとの混合物を指す。
【0018】この樹脂Bに混合する高分子組成物Iの量
は、樹脂Bの本来の性質を損なわないために、樹脂B1
00重量部に対して100重量部以下にするのが好まし
い。さらに、高分子組成物Iに含ませるポリアミドとし
て室温でのtanδが0.1以上のものを選択すると、
高分子組成物Iのtanδがより大きくなって樹脂B中
に混合する高分子組成物Iの量が少なくて済み、樹脂B
の優れた機械的性質を高分子組成物II中により生かし易
くなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】−実験例1− ポリアミドであるナイロン11(東レ:リルサンBES
N OF15TL)に共重合体Aとして懸濁重合によっ
て調整したTg=25℃のスチレン−ブタジエン−アク
リロニトリル−メタクリル酸メチル−イタコン酸の共重
合体(重量成分比30:30:15:22:3)の乾燥
固形物を加え、両者を2軸押出し機で溶融混練した。こ
の後、この混練物を成形、固化して巾20mm×長さ12
0mm×厚さ3mmの試験片を作成し、その試験片を図2に
示すように試験機にセットした。そして、20℃の恒温
槽内で図のように試験片の下部を電磁加振し、試験片上
部で伝達関数を測定して2次共振点から半値巾法にて損
失係数tanδを求めた。表1に、本実験に用いた高分
子組成物の成分の配合割合(重量部)と測定結果を示
す。比較例1、2の単独樹脂に比べて、両者を混合した
本発明品(実施例1〜4)、中でもポリアミド100重
量部に対して共重合体Aを10重量部以上の割合で混ぜ
たものはtanδが飛躍的に大きくなっている。図3は
このtanδと曲げ弾性率Eの関係をプロットしたもの
であり、この図から本発明品は比較例1、2の相加平均
から大きくずれた物性値を示すことがよく判る。
【0021】
【表1】
【0022】−実験例2− 樹脂Bとして難燃性ポリカーボネートとABS樹脂の混
合物(日本GEプラスチック:サイコロイMC500
1)を用い、この樹脂B100重量部に前述の実施例1
〜4の高分子組成物Iを50重量部加えて2軸押出機で
溶融混練し、これを成形固化して表2の高分子組成物II
(実施例5〜8)と樹脂Bのみから成る比較例3の試験
片を得た。そしてこれ等の試験片のtanδを実験例1
と同じ方法で調べた。表2はその結果も併せて示したも
ので、共重合体Aの混合割合が多いものほどtanδが
顕著に大きくなっている。
【0023】
【表2】
【0024】−実験例3− 実験例1で用いたポリアミド(ナイロン11)及び共重
合体Aを、アクリロニトリル−スチレン共重合体である
AS樹脂(ダイセル化学工業:セビアンNo10)に加
えて2軸押出機で溶融混練し、表3の実施例9〜12の
高分子組成物IIの試験片と、AS樹脂のみから成る比較
例4の試験片を作って実験例1と同じ方法でそれ等のt
anδを調べた。その結果を表3に示す。この場合も実
験例2と同様の結果になっている。
【0025】
【表3】
【0026】−実験例4− 実験例1で用いたポリアミド(ナイロン11)100重
量部に共重合体Aとして懸濁重合によって調整したTg
=0℃のスチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル−
イタコン酸の共重合体(重量成分比39:42:16:
3)50重量部を加え、2軸押出機で溶融混練し、試験
片(実施例13)を作成し、tanδを調べた。
【0027】その結果、20℃でtanδ=0.266
という非常に高い値が得られた。
【0028】−実験例5− ポリアミドであるナイロン12(リルサンAESN O
P40TL)に実験例1と同じ共重合体Aを配合した。
この材料から成る試験片(実施例14)と比較試験片
(比較例5)のtanδと曲げ弾性率の測定結果を表4
に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の高分子組成
物Iは室温で優れた制振性能を示すので、常温で使用さ
れることが多く、しかも振動を嫌う各種機器、装置類の
部品材料として用いると、低騒音化、他部品の振動から
の保護等に関して多大の効果を期待できる。
【0031】また、本発明の高分子組成物IIは、加工性
がよく、機械的性質にも優れているため、機械的特性の
面からAS樹脂やABS樹脂などを使用せざるを得なか
った部品に利用すると、機械的性質を満足させながら制
振性能を併せ持たせることが可能になり、低騒音化等が
更に図り易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制振材料の損失係数と温度との関係を示すグラ
【図2】実施例と比較例の高分子組成物の損失係数の測
定に用いた試験機の模式図
【図3】曲げ弾性率と損失係数(力学的損失正接tan
δ)の関係を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/02 LMF 7308−4J 67/00 LNZ 8933−4J 69/00 LPP 9363−4J LPQ 9363−4J 77/00 LQS 9286−4J LQT 9286−4J F16F 15/02 Q 9138−3J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン、ブタジエン及びカルボシキル
    基を有する不飽和化合物を必須の成分としてこれ等を共
    重合させた共重合体Aとポリアミドを混合して成る高分
    子組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高分子組成物と下記の樹
    脂Bを混合して成る高分子組成物。 樹脂B:アクリロニトリルとスチレンを必須の成分とす
    る共重合体又はその変成物もしくはこれ等とポリカーボ
    ネート、ポリエステルとの混合物。
JP2557593A 1993-02-15 1993-02-15 高分子組成物 Pending JPH06240078A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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