JPH06271764A - 制振部材 - Google Patents
制振部材Info
- Publication number
- JPH06271764A JPH06271764A JP5890393A JP5890393A JPH06271764A JP H06271764 A JPH06271764 A JP H06271764A JP 5890393 A JP5890393 A JP 5890393A JP 5890393 A JP5890393 A JP 5890393A JP H06271764 A JPH06271764 A JP H06271764A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polynorbornene
- resin
- vibration
- weight
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 家電製品、OA機器などのハウジング、ギヤ
等の摺動部材、自動車のエンジンカバーなどとして利用
でき、しかも室温での制振性能に優れる制振部材を提供
する。 【構成】 ポリアミド樹脂とポリノルボーネンの混合
物、又はスチレンとアクリロニトリル成分を含有する樹
脂とポリノルボーネンと可塑剤の混合物を溶融、成形、
固化して制振部材となす。この部材は、室温での力学的
損失正接tanδが大きいポリノボーネンを含むため、
常温で使用される部材に高い制振性能をもたせることが
できる。
等の摺動部材、自動車のエンジンカバーなどとして利用
でき、しかも室温での制振性能に優れる制振部材を提供
する。 【構成】 ポリアミド樹脂とポリノルボーネンの混合
物、又はスチレンとアクリロニトリル成分を含有する樹
脂とポリノルボーネンと可塑剤の混合物を溶融、成形、
固化して制振部材となす。この部材は、室温での力学的
損失正接tanδが大きいポリノボーネンを含むため、
常温で使用される部材に高い制振性能をもたせることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械、電子機器、
家電製品、自動車などにおいて振動が避けられない部位
や振動伝達部位に利用する制振部材に関する。
家電製品、自動車などにおいて振動が避けられない部位
や振動伝達部位に利用する制振部材に関する。
【0002】制振材料は、機械的加振力を受けて振動し
ようとする物体、例えば板の振動エネルギーを熱エネル
ギーに変換して消費し、振動を止める作用をするもので
ある。この制振材料の制振性能は、力学的損正接tan
δで表され、図1に示すように、ヤング率が低下する温
度領域、即ち、ガラス転移点Tg付近で最大となる。制
振材料は、このような特性から、振動すること、或いは
振動伝達経路となることが避けられない部材、例えば、
モータなどの支持部材、ギヤ、ハウジング、エンジンカ
バー等に用いると振動、騒音の低減に効果を奏する。
ようとする物体、例えば板の振動エネルギーを熱エネル
ギーに変換して消費し、振動を止める作用をするもので
ある。この制振材料の制振性能は、力学的損正接tan
δで表され、図1に示すように、ヤング率が低下する温
度領域、即ち、ガラス転移点Tg付近で最大となる。制
振材料は、このような特性から、振動すること、或いは
振動伝達経路となることが避けられない部材、例えば、
モータなどの支持部材、ギヤ、ハウジング、エンジンカ
バー等に用いると振動、騒音の低減に効果を奏する。
【0003】樹脂は成形し易く、軽量でもあることから
上述したような部材の材料として良く利用される。特
に、ポリアミド樹脂は耐摩耗性、耐油性に優れるため、
ギヤ等の摺動部材や自動車のエンジンカバー等に、ま
た、ABS樹脂に代表される必須の含有成分がスチレ
ン、アクリロニトリルの共重合体(以下ではこれを樹脂
Aと云う)はその弾性率の大きさから複写機、プリンタ
と云ったOA機器類のハウジングに多用されている。従
って、このポリアミド樹脂やスチレン、アクリロニトリ
ル成分含有の樹脂Aのtanδを高めれば、振動騒音低
減の観点から非常に価値のある材料となる。
上述したような部材の材料として良く利用される。特
に、ポリアミド樹脂は耐摩耗性、耐油性に優れるため、
ギヤ等の摺動部材や自動車のエンジンカバー等に、ま
た、ABS樹脂に代表される必須の含有成分がスチレ
ン、アクリロニトリルの共重合体(以下ではこれを樹脂
Aと云う)はその弾性率の大きさから複写機、プリンタ
と云ったOA機器類のハウジングに多用されている。従
って、このポリアミド樹脂やスチレン、アクリロニトリ
ル成分含有の樹脂Aのtanδを高めれば、振動騒音低
減の観点から非常に価値のある材料となる。
【0004】そこで、ポリアミド系制振材として、例え
ば、特開昭61−36357号公報や特開平2−113
064号公報に示されるものが提案されている。
ば、特開昭61−36357号公報や特開平2−113
064号公報に示されるものが提案されている。
【0005】また、スチレン、アクリロニトリル成分含
有の樹脂Aについては、これにポリアミド樹脂を混合し
て耐衝撃性を改善する試みが数多くなされている。
有の樹脂Aについては、これにポリアミド樹脂を混合し
て耐衝撃性を改善する試みが数多くなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前掲の公開公報に示さ
れている従来のポリアミド系制振材は、いずれもポリア
ミドのガラス転移点Tgが60〜80℃付近にあること
を利用して80℃近辺でのtanδを高めたものであっ
て、一般に使用される室温ではtanδが低く、騒音低
減の効果がさほど引き出されない。
れている従来のポリアミド系制振材は、いずれもポリア
ミドのガラス転移点Tgが60〜80℃付近にあること
を利用して80℃近辺でのtanδを高めたものであっ
て、一般に使用される室温ではtanδが低く、騒音低
減の効果がさほど引き出されない。
【0007】前述の樹脂Aにポリアミド樹脂を混合した
材料も制振性能を良くしようとするものではなく、ta
nδが低いため、振動、騒音の低減効果は期待できな
い。
材料も制振性能を良くしようとするものではなく、ta
nδが低いため、振動、騒音の低減効果は期待できな
い。
【0008】そこで、本発明は、ギヤ等の摺動部材、エ
ンジンカバー、各種機器のハウジングなどとして使用可
能な機械的物性を持ち、なおかつ室温での制振性能にも
優れている制振部材を実現して提供することを課題とし
ている。
ンジンカバー、各種機器のハウジングなどとして使用可
能な機械的物性を持ち、なおかつ室温での制振性能にも
優れている制振部材を実現して提供することを課題とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の制振部材は、下記の2つである。
発明の制振部材は、下記の2つである。
【0010】(1)少なくともポリアミド樹脂とポリノ
ルボーネンを混合し、この混合物を溶融、成形、固化し
て作られたもの。
ルボーネンを混合し、この混合物を溶融、成形、固化し
て作られたもの。
【0011】(2)スチレンとアクリロニトリル成分を
含有した樹脂A100重量部に対し、ポリノルボーネン
10〜100重量部、可塑剤0〜100重量部を混合
し、この混合物を溶融、成形、固化して作られたもの。
含有した樹脂A100重量部に対し、ポリノルボーネン
10〜100重量部、可塑剤0〜100重量部を混合
し、この混合物を溶融、成形、固化して作られたもの。
【0012】なお、本発明で用いるポリアミド樹脂は、
俗にナイロンと呼ばれるものであり、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン11、ナイロン12等が代表例とし
て挙げられる。
俗にナイロンと呼ばれるものであり、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン11、ナイロン12等が代表例とし
て挙げられる。
【0013】このポリアミド樹脂に混合するポリノルボ
ーネンの量は、特に制限はないが、弾性率が高い状態で
部材のtanδを大きくするためには、ポリアミド樹脂
100重量部に対し、ポリノルボーネンは10〜100
重量部であることが好ましい。
ーネンの量は、特に制限はないが、弾性率が高い状態で
部材のtanδを大きくするためには、ポリアミド樹脂
100重量部に対し、ポリノルボーネンは10〜100
重量部であることが好ましい。
【0014】また、このポリノルボーネンに可塑剤を吸
収させるとtanδのピーク温度を制御することができ
る。ここで用いる可塑剤は、ポリノルボーネンと相溶性
のあるナフテン油、パラフィン油、芳香族油等であっ
て、その量はポリノルボーネン100重量部に対し、1
00重量部以下であることが望ましい。
収させるとtanδのピーク温度を制御することができ
る。ここで用いる可塑剤は、ポリノルボーネンと相溶性
のあるナフテン油、パラフィン油、芳香族油等であっ
て、その量はポリノルボーネン100重量部に対し、1
00重量部以下であることが望ましい。
【0015】本発明の2つ目の制振部材に用いる樹脂A
は、スチレンとアクリロニトリルを必須の成分としてこ
れ等を共重合させて得られる各種の樹脂、例えば、AB
S樹脂(アクリロニトリルーブタジェンースチレン共重
合体)、AS樹脂(アクリロニトリルースチレン共重合
体)、AES樹脂(アクリロニトリルーエチレンースチ
レン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチ
レン−アクリル酸エステル)や、それ等の変成物、或い
はこれ等の樹脂とポリカーボネート、ポリエステルとの
混合物を指す。
は、スチレンとアクリロニトリルを必須の成分としてこ
れ等を共重合させて得られる各種の樹脂、例えば、AB
S樹脂(アクリロニトリルーブタジェンースチレン共重
合体)、AS樹脂(アクリロニトリルースチレン共重合
体)、AES樹脂(アクリロニトリルーエチレンースチ
レン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチ
レン−アクリル酸エステル)や、それ等の変成物、或い
はこれ等の樹脂とポリカーボネート、ポリエステルとの
混合物を指す。
【0016】この樹脂A100重量部に対し、ポリノル
ボーネンを10〜100重量部、可塑剤(これは上で挙
げたものと同じ)を0〜100重量部加えるが、可塑剤
の量は、ポリノルボーネン100重量部に対し、100
重量部以下であることが望ましい。
ボーネンを10〜100重量部、可塑剤(これは上で挙
げたものと同じ)を0〜100重量部加えるが、可塑剤
の量は、ポリノルボーネン100重量部に対し、100
重量部以下であることが望ましい。
【0017】
【作用】本発明では、ポリアミド樹脂、或いは、スチレ
ン、アクリロニトリル成分含有の樹脂Aとポリノルボー
ネンの混合物を用いたので、ポリアミド樹脂又は樹脂A
の機械的特性を生かしながら室温での力学的損失正接t
anδを高めることができる。
ン、アクリロニトリル成分含有の樹脂Aとポリノルボー
ネンの混合物を用いたので、ポリアミド樹脂又は樹脂A
の機械的特性を生かしながら室温での力学的損失正接t
anδを高めることができる。
【0018】即ち、ポリノルボーネンは、tanδが大
きいポリマーである。このポリノルボーネンはガラス転
移点Tgが35℃と比較的低く、またオイル等の相溶性
可塑剤の添加によってそのTgは更に下がることからt
anδのピーク温度も比較的自由に制御できる。可塑剤
の添加量がポリノルボーネンの量よりも少なければta
nδのピーク温度は室温付近となり、従って、このポリ
ノルボーネンを含む本発明の制振部材は、ポリノルボー
ネンの特性が生かされて室温付近でのtanδが大きく
なる。
きいポリマーである。このポリノルボーネンはガラス転
移点Tgが35℃と比較的低く、またオイル等の相溶性
可塑剤の添加によってそのTgは更に下がることからt
anδのピーク温度も比較的自由に制御できる。可塑剤
の添加量がポリノルボーネンの量よりも少なければta
nδのピーク温度は室温付近となり、従って、このポリ
ノルボーネンを含む本発明の制振部材は、ポリノルボー
ネンの特性が生かされて室温付近でのtanδが大きく
なる。
【0019】なお、ポリノルボーネンと他の材料を組合
わせることは既に行われている。例えば、特開昭60−
133043号や特開平2−180953号には、ポリ
ノルボーネンに熱可塑性樹脂を加えてゴム状体を得る技
術が示されているが、このゴム状体は、機械的強度が低
いため、本発明が目的とするような部材には利用できな
い。
わせることは既に行われている。例えば、特開昭60−
133043号や特開平2−180953号には、ポリ
ノルボーネンに熱可塑性樹脂を加えてゴム状体を得る技
術が示されているが、このゴム状体は、機械的強度が低
いため、本発明が目的とするような部材には利用できな
い。
【0020】また、特公昭60−19796号、特開昭
59−159853号にはオイル含浸のポリノルボーネ
ンを合成樹脂に混合した軸受が示されているが、この場
合のポリノルボーネンはオイル担持体として働かせてお
り、制振性改善の効果は薄い。また、特開昭58−71
795号、特開昭58−21996号にはオイル含浸の
ポリノルボーネンとポリ塩化ビニルと鱗片状黒鉛から成
るスピーカ用振動板が、更に、特開昭56−59857
にはポリ塩化ビニルとポリノルボーネンと無機粉末から
成る遮音用組成物が開示されているが、前者はヤング率
向上のために大量の黒鉛を、一方、後者は吸音性向上の
ために大量の金属粉をそれぞれ含有するため共に比重が
大きく、また、アイゾット衝撃強度も低く、軽量で強靱
なことが要求される家電製品、OA機器、電子機器、自
動車などのハウジング、カバーと云ったものには利用で
きない。
59−159853号にはオイル含浸のポリノルボーネ
ンを合成樹脂に混合した軸受が示されているが、この場
合のポリノルボーネンはオイル担持体として働かせてお
り、制振性改善の効果は薄い。また、特開昭58−71
795号、特開昭58−21996号にはオイル含浸の
ポリノルボーネンとポリ塩化ビニルと鱗片状黒鉛から成
るスピーカ用振動板が、更に、特開昭56−59857
にはポリ塩化ビニルとポリノルボーネンと無機粉末から
成る遮音用組成物が開示されているが、前者はヤング率
向上のために大量の黒鉛を、一方、後者は吸音性向上の
ために大量の金属粉をそれぞれ含有するため共に比重が
大きく、また、アイゾット衝撃強度も低く、軽量で強靱
なことが要求される家電製品、OA機器、電子機器、自
動車などのハウジング、カバーと云ったものには利用で
きない。
【0021】
〔実験例1〕表1に示す各種熱可塑性樹脂100重量部
に対し、ポリノルボーネン50重量部を加え、2軸押出
機で溶融混練した。この後、この混練物を成形、固化し
て巾20mm×長さ120mm×厚さ5mmの試験片を作成
し、その試験片を図2に示すように試験機にセットし
た。そして、恒温槽内で試験片下部を電磁加振し、試験
片上部で伝達関数を測定して2次共振点から半値巾法に
て損失係数tanδを求めた。
に対し、ポリノルボーネン50重量部を加え、2軸押出
機で溶融混練した。この後、この混練物を成形、固化し
て巾20mm×長さ120mm×厚さ5mmの試験片を作成
し、その試験片を図2に示すように試験機にセットし
た。そして、恒温槽内で試験片下部を電磁加振し、試験
片上部で伝達関数を測定して2次共振点から半値巾法に
て損失係数tanδを求めた。
【0022】表1に各試験片の50℃でのtanδと、
20℃及び50℃での曲げ弾性率Eを併せて示す。これ
から判るように、ポリノルボーネンを加えることによ
り、元のポリアミド樹脂又はスチレン、アクリロニトリ
ル成分含有の樹脂Aに比べてtanδが大きくなってい
る。
20℃及び50℃での曲げ弾性率Eを併せて示す。これ
から判るように、ポリノルボーネンを加えることによ
り、元のポリアミド樹脂又はスチレン、アクリロニトリ
ル成分含有の樹脂Aに比べてtanδが大きくなってい
る。
【0023】図3は、ポリノルボーネンと組み合わせる
樹脂の種類の相違によるtanδの向上度合の違いを示
している。このように、他の熱可塑性樹脂を用いた比較
例3、4はtanδのピーク値が実施例1、2ほど高ま
っていないことから、ポリノルボーネンを加える相手樹
脂がポリアミド樹脂、スチレン、アクリロニトリル成分
含有の樹脂Aである場合に限って高いtanδが得られ
ることが判る。
樹脂の種類の相違によるtanδの向上度合の違いを示
している。このように、他の熱可塑性樹脂を用いた比較
例3、4はtanδのピーク値が実施例1、2ほど高ま
っていないことから、ポリノルボーネンを加える相手樹
脂がポリアミド樹脂、スチレン、アクリロニトリル成分
含有の樹脂Aである場合に限って高いtanδが得られ
ることが判る。
【0024】この相手樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を
用いた場合に特に高いtanδが得られた原因を調べる
ため、樹脂の混合状態を透過電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、溶解度パラメータ(J.Brandrup and
H.Immergut eds.,Polmer H
andbook,Wiley−Interscienc
e,NY(1966),SectionIV,P34
1)からは非相溶と考えられるにも拘らず、黒いポリノ
ルボーネンとポリアミド樹脂の境界がぼやけており、一
部相溶している。この部分相溶が起こったことがtan
δの極端な向上に寄与したと考えられる。
用いた場合に特に高いtanδが得られた原因を調べる
ため、樹脂の混合状態を透過電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、溶解度パラメータ(J.Brandrup and
H.Immergut eds.,Polmer H
andbook,Wiley−Interscienc
e,NY(1966),SectionIV,P34
1)からは非相溶と考えられるにも拘らず、黒いポリノ
ルボーネンとポリアミド樹脂の境界がぼやけており、一
部相溶している。この部分相溶が起こったことがtan
δの極端な向上に寄与したと考えられる。
【0025】
【表1】
【0026】〔実験例2〕ポリアミド樹脂としてナイロ
ン12(東レ、リルサンAESN OP40TL)を用
い、これにポリノルボーネンを表2の配分量(重量部)
で混合し、この混合物を実験例1と同様の方法で溶融、
混練、成形、固化して試験片を作り、図2の方法で性能
評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
ン12(東レ、リルサンAESN OP40TL)を用
い、これにポリノルボーネンを表2の配分量(重量部)
で混合し、この混合物を実験例1と同様の方法で溶融、
混練、成形、固化して試験片を作り、図2の方法で性能
評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
【0027】
【表2】
【0028】これから判るように、ポリノルボーネンの
配分量が増えるに従い、制振性能が向上する。
配分量が増えるに従い、制振性能が向上する。
【0029】〔実験例3〕ポリノルボーネンに可塑剤で
あるナフテン油(共石、プロセスオイルR−50)を含
浸し、室温下で24時間放置した。その後、この含油ポ
リノルボーネンをポリアミド樹脂(ナイロン12)に2
軸押出機で溶融混練した。そしてこの混練物で試験片を
作り、上と同様の試験により性能を評価した。表3に配
合成分の重量比及び評価結果を示す。また、図4に実施
例7、8、9のtanδの温度依存性を示す。
あるナフテン油(共石、プロセスオイルR−50)を含
浸し、室温下で24時間放置した。その後、この含油ポ
リノルボーネンをポリアミド樹脂(ナイロン12)に2
軸押出機で溶融混練した。そしてこの混練物で試験片を
作り、上と同様の試験により性能を評価した。表3に配
合成分の重量比及び評価結果を示す。また、図4に実施
例7、8、9のtanδの温度依存性を示す。
【0030】
【表3】
【0031】この実験から、可塑剤の重量比によってta
n δのピーク温度とtan δが高まる温度領域の巾を制御
できることが判る。
n δのピーク温度とtan δが高まる温度領域の巾を制御
できることが判る。
【0032】〔実験例4〕ポリノルボーネン100重量
部に対し、可塑剤であるナフテン油(共石、プロセスオ
イルR−50)20重量部を含浸し、室温にて24時間
放置した。そして、この含油ポリノルボーネンをスチレ
ン、アクリロニトリル成分含有の樹脂Aに2軸押出機で
溶融混練し、上の各実施例と同様の試験片を作って性能
評価を行った。各成分の混合割合と評価結果を表4に示
す。
部に対し、可塑剤であるナフテン油(共石、プロセスオ
イルR−50)20重量部を含浸し、室温にて24時間
放置した。そして、この含油ポリノルボーネンをスチレ
ン、アクリロニトリル成分含有の樹脂Aに2軸押出機で
溶融混練し、上の各実施例と同様の試験片を作って性能
評価を行った。各成分の混合割合と評価結果を表4に示
す。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の制振部材は、機
械的性質と室温での制振性能の双方に優れているので、
家電製品、OA機器などのハウジング、自動車のエンジ
ンカバーなどに利用してそれ等の部材に制振性能を持た
せることでき、振動、騒音の低減、精密機器の振動から
の保護等に貢献できる。
械的性質と室温での制振性能の双方に優れているので、
家電製品、OA機器などのハウジング、自動車のエンジ
ンカバーなどに利用してそれ等の部材に制振性能を持た
せることでき、振動、騒音の低減、精密機器の振動から
の保護等に貢献できる。
【図1】制振材料の損失係数と温度との関係を示すグラ
フ
フ
【図2】損失係数の測定に用いた試験機の模式図
【図3】混合樹脂の種類の違いによるtanδの向上度
合の差を比較したグラフ
合の差を比較したグラフ
【図4】tanδの温度依存性を表わすグラフ
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPQ 9363−4J F16F 15/02 Q 9138−3J F16M 1/02 A 7049−3G
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくともポリアミド樹脂とポリノルボ
ーネンを混合し、この混合物を溶融、成形、固化して作
られた制振部材。 - 【請求項2】 ポリノルボーネンに可塑剤を吸収させて
ある請求項1記載の制振部材。 - 【請求項3】 下記の樹脂A100重量部に対し、ポリ
ノルボーネン10〜100重量部、可塑剤0〜100重
量部を混合し、この混合物を溶融、成形、固化して作ら
れた制振部材。 樹脂A:スチレンとアクリロニトリルを必須の成分とす
る共重合体又はその変成物もしくはこれ等とポリカーボ
ネート、ポリエステルとの混合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5890393A JPH06271764A (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 制振部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5890393A JPH06271764A (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 制振部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271764A true JPH06271764A (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=13097769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5890393A Pending JPH06271764A (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 制振部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06271764A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998027156A1 (en) * | 1996-12-17 | 1998-06-25 | The Dow Chemical Company | Plasticized alpha-olefin/vinylidene aromatic monomer or hindered aliphatic or cycloaliphatic vinylidene monomer interpolymers |
JP2006342215A (ja) * | 2005-06-07 | 2006-12-21 | Cci Corp | 減衰性付与剤及び減衰性材料 |
JP2011057864A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Polyplastics Co | 環状オレフィン系樹脂組成物 |
CN104610734A (zh) * | 2015-01-05 | 2015-05-13 | 中广核三角洲(苏州)高聚物有限公司 | 耐高低温尼龙复合材料及其制备方法 |
CN104610733A (zh) * | 2015-01-05 | 2015-05-13 | 中广核三角洲(苏州)高聚物有限公司 | 尼龙光纤紧套料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-03-18 JP JP5890393A patent/JPH06271764A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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