JPH06238193A

JPH06238193A - 空気清浄装置

Info

Publication number: JPH06238193A
Application number: JP5305693A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Hara; 慎一原; Senichi Masuda; 閃一増田
Original assignee: Zexel Corp
Current assignee: Bosch Corp
Priority date: 1993-02-18
Filing date: 1993-02-18
Publication date: 1994-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】集塵能力を長期にわたって確保できる空気清
浄装置を提供する。【構成】集塵部を構成する第１の電極と第２の電極と
の極性を切り換える切換手段を備えている。荷電部で帯
電された粉塵は、切換手段で選択された集塵部の一方の
電極によって補集される。集塵部の電極に粉塵が付着し
てくると集塵能力の低下を招くが、両電極が補集用とし
て使用できるので、一方の電極のみが補集用として用い
られていた従来の空気清浄装置に比べ、集塵寿命を延ば
すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用空調装置等
の空調ダクト内に組み込まれる空気清浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の空気清浄装置としては、
たとえば特開平３─２７０７４４号公報に示されるよう
に、放電電極と放電対極とを対向させてこれらの間に高
電圧を印加してなる荷電部（アイオナイザ）と、接地側
の電極とこれに対向する反接地側の電極とからなる集塵
部（コレクタ）とを備え、これら荷電部と集塵部との間
に電極および大地から浮遊するフロート電極を設け、こ
のフロート電極を集塵部の反接地側電極に接続し、放電
電極から供給されるイオン電流によって反接地側電極に
自動的にバイアス電圧を発生させ、荷電部で帯電された
粉塵粒子を集塵部で補集するようにした、所謂オートバ
イアス方式のものが公知となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、荷電部
を通過する塵埃は、放電電極と同じ極性に帯電されて集
塵部の一方の電極に付着するので、その電極に付着した
塵埃が徐々に増えてくると、塵埃の抵抗により集塵性能
が低下してくる欠点があった。実際、図２の実線でみら
れるように、集塵率が時間の経過に伴って指数関数的に
低下する。

【０００４】そこで、この発明においては、集塵能力が
長期的に得られる空気清浄装置を提供することを課題と
している。

【０００５】

【課題を達成するための手段】しかして、この発明の要
旨とするところは、直流電源を介して接続された放電電
極とこれに対向する放電対極とを有して粉塵粒子を帯電
させる荷電部と、この荷電部よりも後流側に位置し、第
１の電極とこれに対向する第２の電極とを有して帯電さ
れた前記粉塵粒子をこれら第１及び第２の電極間に電位
差を形成して捕集する集塵部とを備え、さらに前記集塵
部の前記第１の電極と第２の電極との極性を切り換える
切換手段を設けたことにある。

【０００６】

【作用】したがって、この発明によれば、荷電部を通過
した粉塵粒子はこの荷電部で帯電され、後流側に配置さ
れた集塵部の一方の電極（粉塵と反対の極性をもつ電
極）に付着して補集される。この粉塵は、時間の経過に
伴って電極の表面に徐々に蓄積され、集塵能力の低下を
招くが、切換手段によって第１の電極と第２の電極との
極性が切り換えられるので、第１または第２の電極の両
方を粉塵補集用の電極として用いることができ、そのた
め、集塵能力の寿命を延ばすことができ、上記課題を達
成することができるものである。

【０００７】

【実施例】以下、この発明を図面により説明する。

【０００８】図１において、空気清浄装置を例えば自動
車用空調装置に施設した場合が示され、自動車用空調装
置１は、空調ダクト２の最上流側にインテークドア切換
装置３が設けられ、このインテークドア切換装置３は内
気入口４と外気入口５とが分かれた部分にインテークド
ア６が配置され、このインテークドア６をアクチュエー
タにより操作して空調ダクト２内に導入する空気を内気
と外気とに選択できるようになっている。

【０００９】送風機７は、空調ダクト２内に空気を吸い
込んで下流側に送風するもので、この送風機７の後流側
には冷却用熱交換器８と加熱用熱交換器９とが設けられ
ている。

【００１０】冷却用熱交換器８は、コンプレッサ、コン
デンサ、リキッドタンク及びエクスパンションバルブと
共に配管結合されて冷房サイクルを構成しており、送風
機７から送られた空気を冷却する。また、加熱用熱交換
器９は、エンジンの冷却水が循環してここを通過する空
気を加熱するようになっている。この加熱用熱交換器９
の手前にはエアミックスドア１０が設けられており、こ
のエアミックスドア１０の開度をアクチュエータで調節
することで、加熱用熱交換器９を通過する空気と加熱用
熱交換器９をバイパスする空気との量が変えられ、その
結果、吹出空気の温度が制御されるようになっている。

【００１１】そして、前記空調ダクト２の下流側は、デ
フロスト吹出口１１、ベント吹出口１２及びヒート吹出
口１３に分かれて車室に開口し、その分かれた部分にモ
ードドア１４ａ，１４ｂ，１４ｃが設けられ、このモー
ドドア１４ａ，１４ｂ，１４ｃをアクチュエータで操作
することにより所望の吹出モードが得られるようになっ
ている。

【００１２】前記送風機７の下流側には、空気の中に混
入する粗いゴミ、塵埃を除去するプレフィルタ１５が設
けられ、さらに、このプレフィルタ１５と冷却用熱交換
器８との間に、以下述べる空気清浄装置の荷電部（アイ
オナイザー）１６と集塵部１７（コレクタ）とが配置さ
れている。

【００１３】荷電部１６は、高圧直流電源（例えば６Ｋ
Ｖの電源）の正極側に接続された放電電極１８と、この
放電電極１８に対向するよう交互に配置され、電源の負
極側に接続されると共に接地されている放電対極１９と
を備えているもので、これら放電電極１８と放電対極１
９との間を通過する粉塵粒子を帯電するようになってい
る。

【００１４】集塵部１７は、荷電部１６の下流側で冷却
用熱交換器８の上流側に配され、第１の電極２０と第２
の電極２１とを交互に配置して構成されており、これら
第１の電極２０と第２の電極２１は、切換装置２２に接
続されている。この切換装置２２は、フリップフロップ
回路やリレー等によって構成されており、第１の電極２
０を下記するフロート電極２３に接続すると共に第２の
電極２１を大地に接続する第１接続状態と、第１の電極
２０を大地に接続すると共に第２の電極２１をフロート
電極２３に接続する第２接続状態とを切り換えることが
できるようになっている。

【００１５】フロート電極２３は、荷電部１６と集塵部
１７との間に電源および大地から浮遊した状態で配置さ
れ、前記荷電部１６の放電電極１８と所定の距離を隔て
て固定されており、切換装置２２で選択された第１また
は第２の電極２０，２１との接続が許されている。

【００１６】そして、前述した切換装置２２は、Ａ／Ｄ
変換器やマルチプレクサ等を含む入力回路、タイマー、
ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＣＰＵ等を含む演算処理回路を有する
公知のコントロールユニット２５からの制御信号によっ
て作動するようになっており、所定のプログラムに沿っ
て前記切換装置２２を制御するようになっている。

【００１７】上述の構成において、荷電部１６に印加さ
れる電圧によって、放電電極１８から放電対極１９に放
電される一方、放電電極１８からフロート電極２３には
イオン電流が供給され、このフロート電極２３と接続さ
れている集塵部１７の一方の電極に自動的にバイアス電
圧が発生し、第１の電極２０と第２の電極２１との間に
電圧差が生じる。このため、送風機７の回転によって導
入された空気中の塵埃は、荷電部１６を通過する際に正
に帯電され、第１の電極２０と第２の電極２１との間を
通過しようとする際に、集塵部１７の大地側に接続され
た電極表面に吸着される。

【００１８】ここで、空気清浄装置が第１接続状態で始
動し、便宜上、コントロールユニット２５によって所定
期間ｔ₁毎に切換装置２２が切り換えられる場合を考え
ると、図２に示すように、始動してからｔ₁までの間
は、荷電部１６で帯電された粉塵が第２の電極２１に吸
着される。この区間中、集塵率は、粉塵の蓄積に伴って
従来の特性曲線（実線）と同様に指数関数的に低下する
（区間ａ−ｂ）。尚、空気清浄装置の始動時での集塵率
を１００％とする。

【００１９】この状態でｔ₁になると、切換装置２２に
より第２接続状態が選択される。この時点では第１の電
極２０に粉塵が付着していないので、集塵率は空気清浄
装置の始動初期と同様１００％まで立ち上がり（区間ｂ
−ｆ）、その後、区間ａ−ｂと同様の低下を示すように
集塵率が変化する（区間ｆ−ｇ）。

【００２０】そして、２ｔ₁になると、切換装置２２に
より第１接続状態が再び選択される。この時点では、既
に前回の粉塵が付着しているので、第２の電極２１によ
る集塵率は、前回の切り換え時期（ｔ₁）直前の値β₁
から徐々に低下する（区間ｇ−ｈ）。

【００２１】その後、切換装置２２により第２接続状態
が選択されると、前回において第２接続状態から第１接
続状態に切り換わった時点（２ｔ₁）の集塵率（β₁）
まで立ち上がり（区間ｈ−ｉ）、その後、区間ｇ−ｈと
同様の低下を示すように集塵率が変化する（区間ｉ−
ｊ）。

【００２２】その後、集塵率は、切換装置２２によって
接続状態が切り換わる毎に前回の切換時期直前の集塵率
から徐々に低下するので、破線で示すｊ−ｋ−ｌ−ｍ−
ｎ─ｏ−ｐのような特性線となる。

【００２３】したがって、図２にの一点破線で示す集塵
率（α）を集塵可能な下限値をすれば、集塵部１７の一
方の電極のみを粉塵の補集用電極として用いる従来の場
合（実線で示す特性線）に比し、本発明によれば、集塵
寿命がおよそ倍に延長される。

【００２４】尚、集塵部の極性を逆転した場合には、い
ままで付着していた粉塵が再び飛散することが心配され
るが、本発明者は、この点に関し実験を行い、粉塵の再
飛散がないことを確認している。また、上述の実施例に
おいては、切換装置により接続状態を定期的に切り換え
るようにしたが、切換時間は必要に応じて不規則に変更
しても、一方の電極による集塵能力が所定能力より低下
した場合に切り換えるようにしてもよい。さらに、この
実施例においては、所謂オートバイアス方式の空気清浄
装置を用いたが、従来のように、集塵部にも直流電源を
持つタイプの空気清浄装置を用いても、本発明は適用で
きるものである。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
荷電部で帯電された粉塵を集塵部で補集する場合に、集
塵部の第１および第２の電極の極性を切換手段によって
切り換え、第１または第２の電極の両方を粉塵補集用の
電極として選択的に用いるようにしたので、集塵能力の
寿命を延ばすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の発明に係る空気清浄装置を自動車用空調
装置に利用した場合の実施例を示す構成図である。

【図２】集塵率と時間との関係を示す特性線図である。

【符号の説明】

１６荷電部１７集塵部１８放電電極１９放電対極２０第１の電極２１第２の電極２２切換装置

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【手続補正書】

【提出日】平成６年１月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】直流電源を介して接続された放電電極と
これに対向する放電対極とを有して粉塵粒子を帯電させ
る荷電部と、この荷電部よりも後流側に位置し、第１の
電極とこれに対向する第２の電極とを有して帯電された
前記粉塵粒子をこれら第１及び第２の電極間に電位差を
形成して捕集する集塵部とを備え、さらに前記集塵部の
前記第１の電極と第２の電極との極性を切り換える切換
手段を設けたことを特徴とする空気清浄装置。