JPH06237772A - 免疫抑制剤 - Google Patents

免疫抑制剤

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JPH06237772A
JPH06237772A JP5028173A JP2817393A JPH06237772A JP H06237772 A JPH06237772 A JP H06237772A JP 5028173 A JP5028173 A JP 5028173A JP 2817393 A JP2817393 A JP 2817393A JP H06237772 A JPH06237772 A JP H06237772A
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俊朗 嶌村
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はるみ 中澤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒトIL−6のヒトIL−6受容体への結合
を阻害するペプチド、該ペプチドを含有するヒトIL−
6の作用抑制剤、抗炎症薬、免疫抑制剤または自己免疫
疾患治療薬、該ペプチドをコードする遺伝子、該遺伝子
を有するプラスミド、該プラスミドを有する形質転換
体、並びに該形質転換体を培養することによる該ペプチ
ドの製造方法。 【効果】 本発明のペプチドは、IL−6が発症あるい
は悪化の原因と考えられている疾病の治療薬として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトIL−6(インタ
ーロイキン−6)のヒトIL−6受容体への結合を阻害
するペプチド、該ペプチドを含有するヒトIL−6の作
用抑制剤、抗炎症薬、免疫抑制剤または自己免疫疾患治
療薬、該ペプチドをコードする遺伝子、該遺伝子を有す
るプラスミド、該プラスミドを有する形質転換体、並び
に該形質転換体を培養することによる該ペプチドの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトIL−6は、1986年にその遺伝
子が単離された物質であり(Nature、324巻、73
頁、1986年)、単球、T細胞、B細胞、血管内皮細
胞、繊維芽細胞などの種々の細胞から産生され、B細胞
の抗体産生細胞への分化誘導、肝細胞からの急性期蛋白
質合成誘導、脳神経系細胞の分化誘導、造血系細胞の増
殖分化誘導などの多様な生理作用を有する物質であるこ
とが知られている(実験医学、7巻、1号、1989
年)。
【0003】さて、本ヒトIL−6の各種疾患との関連
性が注目されており、多数報告されている。まず、自己
免疫疾患との関連については、慢性関節リウマチ患者の
関節液中のヒトIL−6濃度が、変形性関節症患者のそ
れに比較して著しく高値であるという報告をはじめ(Eu
ropean Journal of Immunology、18巻、1797
頁)、心房内粘液腫患者のIL−6を構成的に産生して
いる原発腫瘍を切除することにより自己免疫疾患症状が
改善すること(Proceedings of National Academy of S
cience U.S.A.、84巻、228頁、1987年)、高
γグロブリン血症を呈するキャッスルマン症候群におい
て、病巣リンパ節組織培養上清中に高濃度のヒトIL−
6が検出されたこと(実験医学、7巻、50頁、198
9年)などの報告があり、自己抗体の産生が疾患の原
因、あるいは増悪に関わっていると考えられているいわ
ゆる自己免疫疾患の中には、IL−6が強く関わってい
る疾患が数多くあるものと推定されている。
【0004】また、癌の領域においては、多発性骨髄腫
患者より採取した腫瘍細胞は構成的にIL−6を産生し
ており、IL−6を添加することにより更に増殖が生ず
ることから、IL−6が多発性骨髄腫のオートクライン
増殖因子であるとの報告を始めとして(Nature、332
巻、83頁、1988年)、他の血液癌であるリンネル
トTリンパ腫、B型慢性リンパ球性白血病等において
も、IL−6がその増殖因子として疑われている。ま
た、マウスモデルにおいて種々の癌細胞株の肝臓への転
移が癌細胞株のIL−6産生能と相関すること(Japane
se Journal of Cancer Research、82巻、1299
頁、1991年)、更に担癌マウスにおいて血中IL−
6が高値を示し(Journal of Immunology、143巻、
162頁、1989年)、マウスIL−6遺伝子を導入
したCHO細胞(Chinese hamster ovary cells)を接
種したヌードマウスにおいて体重減少が生ずることなど
より(Endocrinology、128巻、2657頁、199
1年)、IL−6と癌悪液質との関連も強く示唆されて
いる。
【0005】感染症の領域では、敗血症患者において血
中IL−6濃度が非常に高く、血中IL−6の高い患者
ほど生存率が悪くなること(Journal of Experimental
Medicine、169巻、333頁、1989年;Blood、
74巻、1704頁、1989年)や、羊水感染を起こ
した胎児の単核球がIL−6を高産生していること(Cl
inical Immunological Immunopathology、55巻、30
5頁、1990年)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
感染患者の髄液中にIL−6が高値であること(Journa
l of Neuroimmunology、23巻、109頁、1989
年)、AIDS患者によくみられるカポジ肉腫由来細胞
がIL−6を構成的に産生し、またIL−6依存的に増
殖すること(Proceedings of National Academy of Sci
ence U.S.A.、87巻、4068年、1990年)な
ど、IL−6と細菌感染やウイルス感染の関連も多数報
告されている。
【0006】更に炎症性疾患としては、メサンギウム増
殖性腎炎の患者由来のメサンギウム細胞がIL−6を産
生していること(Journal of Immunology、143巻、
3949頁、1989年)、B細胞特異的に恒常的にI
L−6を発現させるようなIL−6トランスジェニック
マウスにおいてメサンギウム細胞の増殖が見られること
より(Proceedings of National Academy of Science
U.S.A.、86巻、7547頁、1989年)、メサンギ
ウム増殖性腎炎において、IL−6がオートクラインに
働いている可能性が示唆されている。また、ケラチノサ
イトの増殖性疾患である尋常性乾癬患者においても血中
IL−6の高値、皮膚組織でのIL−6の産生が報告さ
れている(Proceedings of National Academy of Scien
ce U.S.A.、86巻、6367頁、1989年)。この
他にも、発熱、悪寒、倦怠感等の炎症諸症状への関与も
言われている。(American Journal of Physiology、2
58巻、798頁、1990年)
【0007】上記以外にも、アルツハイマー病、アミロ
イドーシス、I型糖尿病、高脂血症、骨粗髭症、真性多
血症、多血小板血症、心筋梗塞など種々の疾患において
もIL−6の関与が疑われている。
【0008】このようにヒトIL−6は種々の疾患、特
に炎症性、リンパ増殖性の疾患の原因、あるいは増悪に
関係している可能性が高く、ヒトIL−6の作用を抑制
する事ができれば、それらの疾患の治療が可能となるも
のと考えられる。実際、上記の疾患のうちいくつかにつ
いては、マウスモデル実験においてIL−6の作用を抑
制することにより疾患の改善をみている。例えば、多発
性骨髄腫を接種したマウスへ、マウスIL−6の作用を
抑制する活性を有する抗マウスIL−6抗体、あるいは
抗マウスIL−6受容体抗体を投与する事により、骨髄
腫細胞の増殖を抑制するとともに生存率を上昇させるこ
とができること(Journal of Experimental Medicine、
172巻、997頁、1990年)、癌細胞株の肝臓へ
の転移を抗マウスIL−6抗体の投与で抑制できること
(Japanese Journal of Cancer Research、82巻、1
299頁、1991年)、致死量の大腸菌を感染させた
マウスに、マウスIL−6の作用を抑制する活性を有す
る抗マウスIL−6抗体を事前投与しておくと生存する
こと(Journal of Immunology、145巻、4185
頁、1990年)、癌を接種すると悪液質を起こすマウ
スモデルにマウスIL−6の作用を抑制する活性を有す
る抗マウスIL−6抗体を投与すると、体重減少を始め
とする悪液質症状の改善がみられること(Journal od C
linical Investigation、89巻、1681頁、199
2年)などの報告がある。これらのことは、上述の疾患
においてIL−6が関与していることを直接示すととも
に、IL−6の作用を抑制できれば、治療が可能となる
ことを併せて示すものである。
【0009】ヒトIL−6作用を抑制する方法として
は、IL−6の産生細胞よりのIL−6産生阻害、産生
されたIL−6のIL−6応答細胞上の受容体への結合
阻害、IL−6応答細胞におけるIL−6シグナル阻害
など種々の方法が考えられるが、IL−6のIL−6応
答細胞上の受容体への結合を阻害する方法がIL−6作
用のみを選択的に抑制でき、臨床応用を念頭においた場
合最も副作用が少ない方法と考えられる。
【0010】しかしながら、現在までヒトIL−6のヒ
トIL−6受容体への結合を特異的に阻害する薬剤はマ
ウスモノクローナル抗IL−6抗体、マウス抗IL−6
受容体抗体以外には全く知られていない。しかし、唯一
知られているこれらの抗体はマウスのハイブリドーマよ
り調製した異種蛋白質であり、マウス蛋白をその構成成
分とする。従って、ヒトに投与した場合、マウス蛋白に
対する免疫反応が生じて、アナフィラキシーショックや
血清病などの重篤な副作用が起こったり、マウス蛋白に
対する中和抗体の生成により、効果が減弱してしまう。
このようにマウス由来抗体を患者への適用を目的として
臨床に応用することは困難である。従って、現在、臨床
に供することが可能なヒトIL−6のヒトIL−6受容
体への結合を特異的に阻害する物質は知られておらず、
上記の多くの疾患の治療薬として臨床応用可能なヒトI
L−6のヒトIL−6受容体への結合を阻害する薬剤の
開発が待たれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヒト
IL−6のヒトIL−6受容体への結合を阻害するペプ
チド、該ペプチドを含有するヒトIL−6の作用抑制
剤、抗炎症薬、免疫抑制剤または自己免疫疾患治療薬、
該ペプチドをコードする遺伝子、該遺伝子を有するプラ
スミド、該プラスミドを有する形質転換体、並びに該形
質転換体を培養することによる該ペプチドの製造方法を
提供することである。本ペプチドは、慢性関節リウマ
チ、全身性紅斑性狼瘡等の自己免疫疾患治療薬、細菌感
染治療薬、細菌感染に伴う敗血性ショック治療薬、ウイ
ルス感染治療薬、多発性骨髄腫等の癌の治療薬、癌の転
移抑制薬、癌悪液質改善薬、メサンギウム増殖性腎炎等
の炎症性疾患治療薬として使用され得る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の方法によ
り、ヒトIL−6のヒトIL−6受容体への結合を阻害
し、IL−6の作用を抑制するペプチドを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、ヒトIL−6のヒトI
L−6受容体への結合を阻害するペプチド、該ペプチド
を含有するヒトIL−6の作用抑制剤、抗炎症薬、免疫
抑制剤または自己免疫疾患治療薬、該ペプチドをコード
する遺伝子、該遺伝子を有するプラスミド、該プラスミ
ドを有する形質転換体、並びに該形質転換体を培養する
ことによる該ペプチドの製造方法を提供するものであ
る。
【0014】本発明のペプチドは、ヒトIL−6のヒト
IL−6受容体への結合を特異的に阻害し、ヒトIL−
6の作用を抑制するものであり、慢性関節リウマチ、全
身性紅斑性狼瘡等の自己免疫疾患治療薬、細菌感染治療
薬、細菌感染に伴う敗血性ショック治療薬、ウイルス感
染治療薬、多発性骨髄腫等の癌の治療薬、癌の転移抑制
薬、癌悪液質改善薬、メサンギウム増殖性腎炎等の炎症
性疾患治療薬として使用され得る。これらの用途範囲は
本発明でいうヒトIL−6の作用抑制剤、抗炎症薬、免
疫抑制剤または自己免疫疾患治療薬に含まれるものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】IL−6あるいはIL−6受容体に結合し
てIL−6のIL−6受容体への結合を阻害するモノク
ローナル抗体は、非常に特異性の高い結合阻害剤として
有用であるが、一般にヒトの分子に対するモノクローナ
ル抗体はマウス等の異種動物を免疫して得られる異種蛋
白である。従って、モノクローナル抗体をヒトの生体内
に投与した場合、投与した抗体分子に対する抗体が生じ
たり、食細胞、補体系等を介する免疫反応が惹起される
ためにアレルギー、血清病と総称されるショック症状が
派生する可能性が高い。
【0016】抗体分子は、抗原との結合に直接関与する
可変領域(以下V領域と略する)と、直接抗原との結合
には関与せず、食細胞へ結合して活性化を促したり、補
体系を活性化したり、種々の免疫反応を惹起する役割を
有する定常領域(以下C領域と略する)から構成される
ことが知られている。これらの領域のうち、C領域は抗
体分子のほぼ2/3を占めており、一般に異種の動物に
投与した場合、抗体が産生されやすいと言われている。
【0017】一方、抗IL−6抗体あるいは抗IL−6
受容体抗体によりIL−6のIL−6受容体への結合を
阻害する場合、抗体分子構造のうちで、抗原との結合に
関与するV領域は必要であるが、抗体のC領域は必ずし
も必要ではない。上述のように生体内投与した場合に抗
体に対する抗体が産生されたり、血中を流れる抗原と免
疫複合体を形成して、腎臓などにトラップされて炎症が
生じたり、マクロファージなどの食細胞に結合し取り込
まれて、炎症性のサイトカイン、ケミカルメディエータ
ーや酵素などを放出して炎症を増悪させたりする可能性
があり、むしろC領域はない方が好ましいのである。
【0018】さて、抗体分子は、H鎖(重鎖)及びL鎖
(軽鎖)がそれぞれC領域においてSSを介して結合し
たものが、更にH鎖同士がC領域においてSSを介して
結合しているヘテロダイマー構造をとっているため、抗
体のV領域のみからなる分子を製造するには、抗体分子
のH鎖、及びL鎖のV領域をそれぞれ蛋白分解酵素によ
り限定分解することにより得、さらに何らかの方法によ
りそれらを結合させて機能的な抗体のみからなるV領域
分子を作成する方法と、遺伝子組換え技術によりH鎖及
びL鎖のV領域遺伝子を同時に形質転換体に発現させて
調製する方法が考えられるが、現在の技術では両者とも
効率よくしかも簡便に機能的な抗体V領域のみからなる
分子を製造することは不可能である。
【0019】そこで本発明者らは、以下の方法に適合す
るモノクロ−ナル抗体を鋭意スクリ−ニングし、その幾
つかより遺伝子組換え法を用いて、モノクローナル抗ヒ
トIL−6抗体のH鎖とL鎖のV領域をペプチドリンカ
ーにより繋いだ一本鎖ペプチドを考案して、効率よく、
ヒトIL−6のヒトIL−6受容体への結合を特異的に
阻害し、IL−6の作用を抑制する活性を有し、明確な
薬効を示すペプチドを製造する方法を発明した。
【0020】すなわち、まずヒトIL−6に特異的に結
合し、かつヒトIL−6とヒトIL−6受容体との結合
を阻害してIL−6の作用を抑制する活性を有するマウ
スモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクロー
ンを各種作製した。以下にマウスモノクローナル抗ヒト
IL−6抗体を産生するハイブリドーマクローンの調製
法を記す。
【0021】ハイブリドーマは骨髄腫細胞と抗体産生細
胞を融合することにより製造される。抗体産生細胞とし
ては、精製した天然のヒトIL−6、あるいは大腸菌な
どの原核細胞や酵母、動物細胞などの真核細胞などを用
いて生産したリコンビナントヒトIL−6で免疫された
マウスやラットなどの動物からの脾臓またはリンパ節細
胞を用いればよい。抗体産生細胞と骨髄腫細胞の由来す
る動物の種は、両細胞が融合可能な限り異なってもよい
が、通常同一種の細胞を用いた方が良い結果が得られ
る。本発明実施のための一つの好ましいハイブリドーマ
は、大腸菌で生産したリコンビナントヒトIL−6で免
疫したマウスの脾臓細胞またはリンパ節細胞と、マウス
骨髄腫細胞との間のハイブリドーマである。例えば、リ
コンビナントヒトIL−6をフロインドの完全アジュバ
ントとともに免疫したBalb/cマウスの脾臓細胞とBalb/c
マウスの骨髄腫細胞X63-Ag8-6.5.3の間のハイブリドー
マで後記の実施例でも示す様に優れた結果が得られた。
骨髄腫細胞としては、X63-Ag8-6.5.3のほかに、SP2/0-A
g14、P3-X63-Ag8-U1、P3-X63-Ag8、P3-NSI/1-Ag4-1、MP
C11-4.5.6.TG.1.7(以上マウス細胞)、210.RCY.Ag1.2.
3(ラット細胞)、SK0-007、GH15006TG-A12(以上ヒト
細胞)等の8アザグアニン耐性の細胞株を用いてもよ
い。
【0022】ハイブリドーマの作成と、更にその中から
IL−6に結合し、IL−6のIL−6受容体への結合
を阻害することによりIL−6の作用を抑制できるモノ
クローナル抗体を産生しているクローンの選択は、例え
ば次の様にして行える。ポリエチレングリコール、ある
いはセンダイウイルスなどを用いて抗体産生細胞と骨髄
腫細胞とを融合させる。融合したハイブリドーマのみ
が、ヒポキサンチン、チミジン、アミノプテリンを含む
培地(HAT培地)中で生育することができる。得られ
たハイブリドーマがすべて抗体を産生しているわけでは
ないし、抗体を産生しているハイブリドーマがすべて目
的とする抗体を産生しているわけではないので、それら
のハイブリドーマクローンの中からIL−6に結合し、
IL−6のIL−6受容体への結合を阻害することによ
りIL−6の作用を抑制できるモノクローナル抗体を産
生しているハイブリドーマクローンを選択しなければな
らない。その選択は例えば以下の様な方法を用いて行う
ことができる。すなわち、一次スクリーニングとしてヒ
トIL−6をコートしたプレートを作成し、ハイブリド
ーマ培養上清を反応させ、125I標識抗マウスIgGの
結合量の高いものを選択する。二次スクリーニングとし
て、ハイブリドーマ培養上清による125I標識IL−6
のIL−6受容体発現細胞への結合阻害活性、及びIL
−6依存性に増殖する細胞株の増殖阻害活性を測定し、
阻害活性の高いものを選択すれば良い。
【0023】こうして得られたハイブリドーマクローン
よりtotalRNAを抽出し、モノクローナル抗体のV領
域をコードする遺伝子(cDNA)を取得する。本発明
者らはより迅速に目的とするcDNAを取得する方法を
鋭意工夫し、以下の様な方法により抗体のV領域をコー
ドするcDNAを取得した。すなわち、まず既に遺伝子
の塩基配列が報告されているマウスIgGのH鎖及びL
鎖の塩基配列を基に、それぞれのV領域の遺伝子の5’
端、及び3’端に共通性の高い20〜30個の塩基配列
(プライマーDNA)を考案する。その際、5’側プラ
イマーは5’側から3’側の方向にデザインし、L鎖V
領域プライマーに、翻訳開始コドンであるATG配列を
その5’側に付加する。3’側プライマーはATG配列
を付加しなかった鎖、即ちH鎖のプライマーに翻訳終止
コドンをその3’側に付加する。3’側プライマーの場
合には、その相補的配列を3’側から5’側へ向かって
デザインし直せばよい。もちろん、H鎖V領域プライマ
ーの5’側にATG配列を付加し、L鎖V領域にプライ
マーに3’側に終止コドンを付加しても良い。終止コド
ンとしてはTAA、TAG、TGAのいずれを用いても良い。
尚、本発明の実施例に於いては、終止コドンとしてTGA
を用いた。
【0024】次にH鎖及びL鎖のそれぞれのプライマー
DNAの5’側(3’側プライマーはデザインし直した
ものの5’側)に、発現ベクターに挿入するための適当
な制限酵素サイトを導入しておく。デザインしたプライ
マーDNAはDNA合成機などを用いて化学合成する。
【0025】更に、得られたハイブリドーマより公知の
方法に従ってtotalRNAを抽出し、逆転写酵素と3’
側プライマーDNAを用いて一本鎖cDNAを作製し、
5’側プライマーDNA及び3’側プライマーDNAを
用い、Taqポリメラーゼによる Polymerase Chain React
ion法(PCR法、Science、230巻、1350頁、1
985年)にて抗体のH鎖及びL鎖のV領域をコードす
るDNA断片のみをそれぞれ選択的に増幅し取得する。
【0026】さて、取得したこれらのV領域をコードす
る遺伝子を大腸菌等で発現させ、機能的な抗体V領域分
子を調製する場合、既に述べたようにそれぞれの遺伝子
を単独、あるいは1つのベクターに同時に組み込んで発
現させ、その後それらをアッセンブリさせてもよいが、
その効率は極めて悪いことが知られている(Science、
240巻、1038頁、1988年)。最近になって、
それぞれのV領域をリンカーを用いて連結させ、一本鎖
の分子として大腸菌で発現させる技術が開発された(Sc
ience、242巻、423頁、1988年)。そこで、
本発明者らはその技術を応用、更に工夫、改良を加える
ことにより抗ヒトIL−6抗体のV領域のみからなる一
本鎖ペプチドを発現させ、かつ、ヒトIL−6のヒトI
L−6受容体への結合を阻害する機能を損なわずに、維
持向上させることに成功した。
【0027】すなわち、まず、上流からプロモーター領
域、リボゾーム結合領域、ATG配列を付加した5’側
プライマーに導入した制限酵素サイト、同鎖3’側プラ
イマーに導入した制限酵素サイト、抗体L鎖V領域と抗
体H鎖V領域とを繋ぐための適当な長さのリンカーペプ
チドをコードするDNA配列、ATG配列を付加してい
ない5’側プライマーに導入した制限酵素サイト、同鎖
3’側プライマーに導入した制限酵素サイト、最後にタ
ーミネーター領域の順に含有する発現ベクターを構築す
る。この際、PCRにより増幅したそれぞれのV領域D
NAを挿入する場合、リンカーペプチド、及びその後の
V領域DNAの翻訳がずれないように注意する。
【0028】さて、本発明においてプロモーターの由来
は問うところではなく、例えば大腸菌のtrpプロモータ
ー、tacプロモーター、trcプロモーター、lacプロモー
ターや、さらにはλファージのλPLプロモーター、λ
Rプロモーターなどを用いることができる。リボゾー
ム結合領域は、例えば大腸菌のtrpLやtrpE、lacZの
リボゾーム結合領域や、λファージのCII蛋白のリボゾ
ーム結合領域を用いることができる。あるいは化学合成
したDNA配列を用いることができる。また、目的とす
るペプチドを大腸菌体内に顆粒状として大量に蓄積させ
るために、リボゾーム結合領域を2つ以上としてもよ
い。
【0029】それぞれの抗体V領域を繋ぐためのリンカ
ーペプチドの配列は、調製した抗体V領域分子が機能的
である限りいかなる配列でもよいが、生体内投与時の副
作用を最小限とするためになるべく短く、独自の構造を
有しないような配列とした方が望ましい。また、ペプチ
ドが発現しても、V領域の機能が消失したり、減弱しな
いための工夫が必要である。ターミネーターとしては、
例えば大腸菌のtrpAターミネーター、rrnBターミネー
ター、recAターミネーターなどを用いることができ
る。また、発現プラスミドのコピー数は一般的に多い方
が好ましく、複製起点としてpBR系の複製起点よりpUC系
の方が望ましい。
【0030】構築した発現プラスミドDNAにPCRに
て増幅したH鎖及びL鎖V領域DNAをそれぞれ挿入す
る。挿入後、この発現プラスミドを通常の方法で宿主に
形質転換させ、そして発現させれば良い。宿主として
は、原核生物及び真核生物の何れであってもよい。原核
生物の例としては、大腸菌、枯草菌などを挙げることが
できる。真核細胞は例えば酵母、CHO細胞などを用い
れば良い。好ましくは原核細胞、更に好ましくは大腸菌
を宿主として用いるのが良い。
【0031】発現ベクターをこれらの宿主に組み込む方
法も公知の方法を利用すればよく、例えば大腸菌では、
対数増殖期の細胞を50mMの塩化カルシウムで氷中約3
0分処理することにより、大腸菌の細胞壁の構造が変化
し、続いてプラスミドDNAを注入し約10分後30℃
〜42℃で2分間の熱処理を施した後、培地を加え30
℃〜37℃で約60分培養することにより、発現プラス
ミドDNAを生物に組み込むことができる。
【0032】目的とするヒトIL−6のヒトIL−6受
容体への結合を阻害するペプチドは、このような生物細
胞を培養することによって当該細胞の内部あるいは培地
中に蓄積させることができる。培地は各細胞を培養しう
るそれぞれの公知の培地を利用すればよく、培養条件も
公知の条件でよい。培養後は、公知の方法により目的と
するペプチドを採取すればよい。
【0033】さて、本発明のペプチドは、ヒトIL−6
のヒトIL−6受容体への結合を阻害し、ヒトIL−6
の作用を抑制する活性を有しており、IL−6が発症、
あるいは悪化の原因と考えられている慢性関節リウマ
チ、全身性紅斑性狼瘡等の自己免疫疾患治療薬、細菌感
染治療薬、細菌感染に伴う敗血性ショック治療薬、ウイ
ルス感染治療薬、多発性骨髄腫等の癌の治療薬、癌の転
移抑制薬、癌悪液質改善薬、メサンギウム増殖性腎炎等
の炎症性疾患治療薬として利用し得る有用な物質であ
る。
【0034】また、本発明のペプチドの構造は配列表の
配列番号1記載の配列に限定されるものではなく、IL
−6のIL−6受容体への結合を阻害し、IL−6の作
用を抑制する活性を有する限り本発明のペプチドに含ま
れる。例えば、(1)配列番号1記載のペプチド構造中
のN末端及び/またはC末端より1もしくは複数個のア
ミノ酸が欠損し、かつ連続しているアミノ酸配列を有す
る直鎖状あるいは環状ペプチド、(2)配列番号1記載
のペプチド構造中の1もしくは複数個のアミノ酸を他の
アミノ酸に置換した構造を有するペプチド、(3)配列
番号1記載のペプチドのN末端及び/またはC末端に1
もしくは複数個のアミノ酸が付加された構造を有するペ
プチド、(4)配列番号1記載のペプチドのうち1もし
くは複数個のアミノ酸がアセチル化、アミド化もしくは
ポリエチレングリコール付加された構造を有するペプチ
ド等もヒトIL−6のヒトIL−6受容体への結合を阻
害し、ヒトIL−6の作用を抑制する活性を有する限り
本発明のペプチドに含まれる。特に、配列表の配列番号
1記載のペプチドのN末端のMetは微生物を用いて発現
する過程又は精製過程において切断され、その結果N末
端がAspとなる場合がある。このペプチドも上記活性を
有している限り本発明のペプチドに含まれる。また、Me
tが結合した形で生産させた後、アミノペプチダーゼ等
の酵素でN末端Metをはずしたものも上記活性を有する
限り本発明のペプチドに含まれる。また、必要により本
発明のペプチドのうち、いわゆるフレームワークと呼ば
れる領域をヒト由来のフレームワークに変換したペプチ
ドも、抗体の構造上、変換前のペプチドと同様の活性を
有することが当然であり、上記活性を有する限り本発明
のペプチドに含まれる。更に、必要により本発明のペプ
チドに毒素を付加したものを用いても良い。
【0035】本発明に係る免疫抑制剤は上記ペプチドを
0.1重量%〜100重量%、好ましくは0.5重量%〜70重量
%の割合で含有すればよい。したがって、本発明のペプ
チドをそのまま投与してもよいし、また通常製剤用担体
と混合して調製した製剤の形で投与される。製剤用担体
としては、製剤分野において常用され、かつ本発明のペ
プチドと反応しない物質が用いられる。注射剤の場合に
は、本発明のペプチドを水に溶解させて調製されるが、
必要に応じて生理食塩水、ぶどう糖溶液に溶解させても
よく、また緩衝剤、保存剤、安定化剤あるいは賦形剤を
含有させてもよい。また、これらの製剤は治療上価値の
ある他の成分を含有していてもよい。
【0036】本発明に係る免疫抑制剤の投与方法として
は、経口、注射、直腸内などいずれの方法を用いてもか
まわないが、注射による投与が好ましい。投与量は、投
与方法、患者の症状、年齢などにより異なるが、通常1
回0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜10mgを1日当
り1〜3回投与すればよい。
【0037】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に詳細に説
明する。尚、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0038】実施例1(ハイブリドーマの調製) 6〜8週令の雌のBALB/cマウスに、リコンビナントヒト
IL−6をフロインドの完全アジュバントとともに1匹
あたり100μg皮下投与することにより免疫した。そ
の3週間後、同様の操作により追加免疫し、更にその5
日後、マウスの眼窩静脈より採血して、後に述べる参考
例に示す方法に従って、IL−6への結合活性を調べる
ことにより抗体価を測定した。抗体価の高かったマウス
を更に同様の操作にて最終免疫し、その3日後、脾臓を
摘出して脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞(X63-Ag8-6.5.
3)とを、50%ポリエチレングリコール#4000
(ナカライテスク社製)存在下にて細胞数で10:1の
割合で混合し、細胞融合させた。融合細胞を、10%牛
胎児血清(ギブコ社製)を含むRPMI1640培地(ギブコ社
製)にて5X106個/mlとなるように懸濁し、1穴
あたり5X105個のマウス胸腺細胞を含有する96穴
平底プレート(コーニング社製)に100μlずつ分注
した。1日、2日、3日、6日後に培地の半量をヒポキ
サンチン、アミノプテリン、チミジンを含む培地(HA
T培地)と交換し、以後3日ごとに同様の操作を繰り返
した。融合より約2週間後、融合した細胞(ハイブリド
ーマ)の増殖してきた各穴の培養上清について、IL−
6への結合活性を有していた穴に含まれるハイブリドー
マを、限界希釈法にてクローン化した。更にそれぞれの
ハイブリドーマクローンの培養上清中のIL−6への結
合活性を測定して、抗IL−6抗体産生ハイブリドーマ
を得た。更に、得られた抗IL−6抗体産生ハイブリド
ーマの培養上清について、以下の方法にてIL−6の作
用の抑制能を調べた。10%牛胎児血清を含むRPMI1640
培地にて200pg/mlに調製したヒトリコンビナン
トIL−6溶液を1穴あたり50μlずつ96穴平底マ
イクロプレートに分注して、サンプルの培養上清を50
μl加え、37℃、30分間インキュベートした。更
に、10%牛胎児血清を含むRPMI1640培地にて1X10
5個/mlの濃度となるように懸濁したMH60細胞液
を1穴あたり100μlずつ加えて、5%CO2存在下
37℃にて3日間培養した。最後の6時間は1μCiの
3H−チミジン(デュポン社製)を加えて培養し、細胞
内に取り込まれた放射活性量をシンチレーシンカウンタ
ー(パッカード社製)にて測定することにより、培養上
清によるIL−6の作用を抑制する活性を調べた。この
ような方法にてIL−6に対する抗体を産生するハイブ
リドーマを調製した。こうして得られたハイブリドーマ
としてHH61−10がある(特開平3-61496号公報参
照)。
【0039】実施例2(ハイブリドーマより抗体のV領
域cDNAの調製) 5X106個のハイブリドーマHH61−10をPBSにて
洗浄後、guanidine thiocyanate、N-lauryl sarcosin
e、EDTAを含むRNA抽出用緩衝液(ファルマシア社
製)を加えて懸濁した後、あらかじめ等容量のCesium C
loride溶液(ρ=1.51g/ml、ファルマシア社製)を入れ
たチューブに重層し、125,000xgにて16時間
遠心した。上清を吸い取ったのち、1mMEDTAを含む1
0mMトリス塩酸塩緩衝液(pH7.5)を加えて懸濁
し、新しいチューブに入れ、65℃で5分間インキュベ
ートした。更に、2M Potassium Acetate(pH5.
0)(ファルマシア社製)を1/10容量とエタノール
(ナカライテスク社製)を3倍容量加えて、−20℃に
一晩放置した。5,000xgにて20分間遠心して、
上清を捨てた後、80%エタノールにて遠心洗浄し、沈
澱を乾燥させた。沈澱を1mMEDTAを含む10mMトリ
ス塩酸塩緩衝液(pH7.5)にて溶解してtotalRN
A画分とした。次に、totalRNA画分溶液に、あらか
じめデザインした抗体のH鎖、L鎖のV領域の3’側に
相補的なプライマー溶液(最終濃度で1μM)、deoxyN
TP混合液、cDNA合成用緩衝液(アマシャム社製)、
RNAase Inhibitor(宝酒造社製)、及びReverse Transc
riptase(宝酒造社製)を加えて42℃にて1時間反応
させcDNAを合成した。更に、PCR用緩衝液(シー
タス社製)、deoxyNTP混合液、抗体H鎖、及び抗体L鎖
V領域cDNA増幅用5’側プライマー、及び3’側プ
ライマー(それぞれ最終濃度1μM)、及びTaq Polyme
rase(宝酒造社製)を加えPCR(シータス社、サーマ
ルサイクラー)を行った。反応は変性30秒(94
℃)、アニール30秒(55℃)、プライマーイクステ
ンション1分(72℃)にて30サイクル行い、各サイ
クル毎にプライマーイクステンションの時間を15秒ず
つ延長させた。反応後、1mMEDTAを含む40mMトリ
ス酢酸緩衝液(pH8.0)にてアガロースゲル電気泳
動を行い、該当するcDNAフラグメントを切り出し、
ジーンクリーンキット(バイオ101社製)を用いて抽
出・精製した。なお、cDNAの合成、及びPCRに用
いたプライマーの配列を図1に示した。
【0040】実施例3(発現ベクターの構築) 図3に示すように、まずpT13SNco(本プラスミドを含有
する E. coli AJ-12447は、FERM P-10757 として寄託さ
れている。)[J. Biochem.、104巻、30頁、19
88年に記載]を制限酵素ClaI、BamHI(いずれも宝酒
造社製)にて切断して得られる大きいDNA断片と、通
常の方法で作成した図2に示された配列を有する合成D
NA断片(リンカー)とをT4DNAリガーゼ(宝酒造
社製)を用いて連結した。次に、同じく図3に示す通
り、合成DNA断片とプラスミドpT13SNcoを制限酵素Cl
aIとBamHIで切断して得られる大きい断片を連結する。
この連結したプラスミドを制限酵素EcoRI、PvuII(いず
れも宝酒造社製)にて切断して得られる小さいDNA断
片と、pUC18(Methods in Enzymology、101巻、20
頁、1983年)のHindIIIサイトとNdeIサイトを、制
限酵素で切断後T4DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)
で平滑化し、更にT4リガーゼを用いて連結することに
より消失させたものを、EcoRI、HincII(宝酒造社製)
にて切断して得られる大きいDNA断片とをT4リガー
ゼにて連結することにより、複製起点をpUC系とするpFv
-DEを得た。
【0041】実施例4(pFv-DEへの抗体V領域cDNA
の組み込み、及びV領域のみからなる抗体生産菌の調
製) 図4に示すように、まずpFv-DEを制限酵素NdeI、SalI
(宝酒造社製)で切断して得られる大きいDNA断片
と、PCRを行った後回収したHH61−10のL鎖V
領域cDNAを同じくNdeI、SalIで切断した断片をT4
リガーゼにて連結した。HH61−10のL鎖V領域は
配列表の配列番号1に示される塩基配列中の4−324
番目に当たる。尚、両配列に於いて塩基配列中の1−3
番目は翻訳開始コドンATGである。次に、その連結し
たプラスミドを更に制限酵素XhoI、HindIII(宝酒造社
製)で切断して得られる大きいDNA断片と、PCR後
回収したHH61−10のH鎖V領域cDNAを同様に
XhoI、HindIIIで切断した断片をT4リガーゼにて連結
することにより、V領域のみからなる抗体を発現するpF
v(HH61-10)-DEを構築、取得した。続いてそれぞれのプ
ラスミドを大腸菌HB101株に形質転換し、V領域のみか
らなる抗体を生産する菌(E. Coli pFv(HH61-10)-DE/HB
101 AJ-12789、FERM P- 13366)を得た。尚、HH61
−10のH鎖V領域は配列表の配列番号1に示される塩
基配列中の367−738番目にあたる。
【0042】実施例5(V領域のみからなる抗体生産菌
より、生産物の取得) 得られた形質転換株 E. Coli pFv(HH61-10)-DE/HB101
(FERM P-13366)を50μg/mlのアンピシリンを含
む2xTY[1.6%トリプトン、1%酵母エキス、
(以上バクト社製)、0.5%NaOH、pH7.0]5m
l中で37℃一晩生育させた。ついで、その培養懸濁液
5mlを100mlのM9−カザミノ酸培地(0.6%
Na2HPO4・12H2O、0.3%KH2PO4、0.05%NaCl、
0.1%NH4Cl、0.05%MgSO4・7H20、0.0014
7%CaCl2、0.2%グルコース、0.2%カザミノ
酸、0.02%L-ロイシン、0.02%L-プロリン、
0.0002%チアミン塩酸塩、100μg/mlアン
ピシリン、pH6.9)へ接種し、37℃にて3時間培
養した。その後、25μg/mlとなるように3-インド
ールアクリル酸(IAA)を添加し、更に37℃にて20
時間誘導培養した。この一部の菌体懸濁液を位相差顕微
鏡により約1500倍にて観察すると、大腸菌体内の顆
粒形成が認められた。続いて上記の如く培養した菌体懸
濁液を遠心分離機にかけ菌体を集め、2倍濃縮となるよ
うに、30mMNaClを含む20mMトリス塩酸塩緩衝液
(pH7.5)を添加し、懸濁後、0.5MEDTA(pH
8.0)で1mg/mlになるように溶かしたリゾチー
ム溶液37.5mlを添加し、攪はんした後、氷中にて
1時間放置した。ついで超音波破砕で菌体を破壊し、6
000rpm、5分間の遠心分離で顆粒を回収した。こ
の顆粒を6M塩酸グアニジンで可溶化し、目的ペプチド
濃度が100μg/ml、及び3.5M塩酸グアニジン
溶液となるように調製した後、これに酸化型グルタチオ
ン3μMと還元型グルタチオン30μMとなるように添
加し、pH8.0で室温で10〜16時間放置した。次
に、10mM酢酸緩衝液(pH5.0)に対して透析を
行い粗精製ペプチドを得た。次に、粗精製ペプチドを、
あらかじめ10mM酢酸緩衝液(pH5.0)にて平衡
化したS−セファロースカラム(ファルマシア社製)に
かけ結合させ、50mMNaClを含む10mM酢酸緩衝液
(pH5.0)にて溶出後、PBSに対して透析する事
により目的とするペプチドを得た。本物質はSDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により、その分子量は実施
例6に従って推定されたアミノ酸配列から計算された値
とそれぞれほぼ一致し、また、プロテインシークエンサ
ーにてN末端側のアミノ酸配列を検定した結果、予想さ
れたアミノ酸配列のN末端にメチオニンが付加した配列
を有することが確認された。
【0043】 実施例6(塩基配列の決定、及びアミノ酸配列の推定) 構築したV領域のみからなるペプチドを発現するプラス
ミドpFv(HH61-10)-DEをアルカリSDS法にて精製し、
市販されているシークエンス用プライマーM4、あるい
はRV(宝酒造社製)を用い、7-DEAZAシークエンスキ
ット(宝酒造社製)にて塩基配列を決定した。得られた
塩基配列よりアミノ酸配列配列を推定した。なお、配列
表の配列番号1にペプチドFv(HH61-10)をコードする塩
基配列とそれに対応するアミノ酸配列を示した。即ち、
配列表の配列番号1に示されるように、ペプチドFv(HH6
1-10)はN末端にMet、C末端にSerを有する246個の
アミノ酸からなるペプチドである。
【0044】 実施例7(ペプチドFv(HH61-10)の活性の検定) (1)IL−6のIL−6受容体への結合阻害活性 0.5%BSA、0.02%NaN3を含むRPMI1
640培地にて適当な濃度に希釈したペプチドFv(HH61-
10)とボルトンハンター法により125I標識したヒトリコ
ンビナントIL−6とを混合し、室温にて1時間反応さ
せた。反応後、同培地にて懸濁した5X105個のU2
66細胞を添加して4℃にて1時間反応させ、細胞に結
合した放射活性を測定した。図5に示すように、ペプチ
ドFv(HH61-10)は、ヒトIL−6のヒトIL−6受容体
への結合を阻害する活性を有していることが明らかとな
った。
【0045】 (2)IL−6依存性細胞株の増殖阻害活性 10%FCSを含むRPMI1640培地にて適当な濃
度に希釈したペプチドFv(HH61-10)と、0.4ng/m
lのヒトリコンビナントIL−6とを混合し、37℃に
て30分間反応させた。反応後、同培地にて懸濁した5
X103個のKT−3細胞を添加して37℃にて2日間
培養した。培養後、5mg/mlの濃度に同培地にて調
製したMTT試薬(シグマ社製)を添加し、37℃にて
4時間培養後、0.04NHClを含むイソプロパノー
ルにより細胞を溶解して、570nmの吸光度を測定す
ることにより生細胞数を測定した。その結果、図6に示
すように、ペプチドFv(HH61-10)は、KT−3細胞のI
L−6依存性増殖を阻害する活性を有していることが明
らかとなった。すなわち、本ペプチドFv(HH61-10)は、
多発性骨髄腫、慢性関節リウマチ、メサンギウム増殖性
腎炎など、IL−6が細胞を異常増殖させることが発症
原因となる疾患の治療に有用な物質であることが示され
た。
【0046】(3)IL−6による急性期蛋白質の産生
誘導の阻害活性 10%FCSを含むダルベッコ変法イーグル培地(ギブ
コ社製)にて適当な濃度に希釈したペプチドFv(HH61-1
0)と、100ng/mlのヒトリコンビナントIL−6
とを混合し、37℃にて30分間反応させた。反応後、
あらかじめ同培地にて1ウェル当たり1X104ずつ入
れ37℃、16時間培養したHep3B細胞にかけ、3
7℃にて2日間培養した。次に、それぞれのウェルより
培養上清を抜き取り、ELISA法により上清中のハプ
トグロビン量を定量した。ELISA法は、まず96穴
プレート(フロー社製)にPBSにて1μg/mlの濃
度に溶解したヒツジ抗ヒトハプトグロビン抗体(バイン
ディングサイト社製)を入れ、4℃にて一晩反応させ
た。反応後、0.5%BSAを含むPBS溶液を加え、
室温にて1時間放置した。0.5%BSAを含むPBS
溶液を捨て、同溶液にて4倍に希釈した培養上清を添加
し、室温で2時間反応させた。反応後、0.05%Tw
een20を含むPBS溶液にて3回洗浄し、0.5%
BSAを含むPBS溶液にて1000倍希釈したアルカ
リフォスファターゼ標識ヒツジ抗ヒトハプトグロビン抗
体(バインディングサイト社製)を添加し、室温にて2
時間反応させた。反応後、0.05%Tween20を
含むPBS溶液にて3回洗浄し、1mg/mlの濃度に
0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)にて調製したp−ニ
トロフェノールフォスフェート(シグマ社製)を加えて
15分間放置して405nmの吸光度を測定した。その
結果、図7に示すように、ペプチドFv(HH61-10)は、I
L−6によるHep3B細胞からの急性期蛋白質の一種
のハプトグロブリンの産生を阻害する活性を有している
ことが明らかとなった。すなわち、本ペプチドFv(HH61-
10)は、炎症性疾患の治療に有用な物質であることが示
された。
【0047】
【発明の効果】本発明のペプチドは、ヒトIL−6のヒ
トIL−6受容体への結合を阻害する活性を有してお
り、IL−6が発症あるいは悪化の原因と考えられてい
る慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡等の自己免疫疾
患治療薬、細菌感染治療薬、細菌感染に伴う敗血性ショ
ック治療薬、ウイルス感染治療薬、多発性骨髄腫等の癌
の治療薬、癌の転移抑制薬、癌悪液質改善薬、メサンギ
ウム増殖性腎炎等の炎症性疾患治療薬として利用し得る
有用な物質である。
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:738 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源 細胞の種類:ハイブリドーマ クローン名:HH61-10 配列 ATG GAC ATC CTG CTG ACA CAG TCT CCA AAA TTC CTG CTT GTA TCA GCA 48 Met Asp Ile Leu Leu Thr Gln Ser Pro Lys Phe Leu Leu Val Ser Ala 1 5 10 15 GGA GAC AGG GTT ACC ATA ACC TGC AAG GCC AGT CAG AGT GTG AGT ACT 96 Gly Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Ser Thr 20 25 30 GAT GTA AGT TGG TAC CAA CAG AAG CCA GGG CAG TCT CCT AAA CTA CTG 144 Asp Val Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Lys Leu Leu 35 40 45 ATA TAC TAT GCA TCC AAT CGC TAC ACT GGA GTC CCT GAT CGC TTC ACT 192 Ile Tyr Tyr Ala Ser Asn Arg Tyr Thr Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr 50 55 60 GGC AGT GGA TAT GGG ACG GAT TTC ACT TTC ACC ATC AGC ACT GTG CAG 240 Gly Ser Gly Tyr Gly Thr Asp Phe Thr Phe Thr Ile Ser Thr Val Gln 65 70 75 80 GCT GAA GAC CTG GCA GTT TAT TTC TGT CAG CAG GAT TAT AGG TCT CCA 288 Ala Glu Asp Leu Ala Val Tyr Phe Cys Gln Gln Asp Tyr Arg Ser Pro 85 90 95 TTC ACG TTC GGC TCG GGG ACA AAG TTG GAA ATA AAA GTC GAC AAA TCC 336 Phe Thr Phe Gly Ser Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Val Asp Lys Ser 100 105 110 TCA GGA TCT GGC TCC GAA TCC AAA AGC ACG CAG GTC AAA CTC GAG GAG 384 Ser Gly Ser Gly Ser Glu Ser Lys Ser Thr Gln Val Lys Leu Glu Glu 115 120 125 TCT GGC CCT GGG ATA TTG CAG CCC TCC CAG ACC CTC AGT CTG ACT TGT 432 Ser Gly Pro Gly Ile Leu Gln Pro Ser Gln Thr Leu Ser Leu Thr Cys 130 135 140 TCT TTC TCT GGG TTT TCA CTG AGC ACT TCT GGT ATG GGT GTG AGC TGG 480 Ser Phe Ser Gly Phe Ser Leu Ser Thr Ser Gly Met Gly Val Ser Trp 145 150 155 160 ATT CGT CAG CCT TCA GGG AAG GGT CTG GAG TGG CTG GCA CAC ATT TAT 528 Ile Arg Gln Pro Ser Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu Ala His Ile Tyr 165 170 175 TGG GAT GAT GAC AAA CAC TAT AAC CCA TCC CTG AAG AGC CGG CTC ACA 576 Trp Asp Asp Asp Lys His Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser Arg Leu Thr 180 185 190 ATC TCC AAG GAT ACC TCC ACC AAC CAG GTA TTC CTC AAG ATC ACC AGT 624 Ile Ser Lys Asp Thr Ser Thr Asn Gln Val Phe Leu Lys Ile Thr Ser 195 200 205 GTG GAC ACT GCA GAT ACT GCC ACA TAC TTC TGT GCT CGA AGA AGT CTC 672 Val Asp Thr Ala Asp Thr Ala Thr Tyr Phe Cys Ala Arg Arg Ser Leu 210 215 220 TAT GGT AAT TGG GGG GAC TAT GCT ATG GAC TAC TGG GGT CAA GGA ACC 720 Tyr Gly Asn Trp Gly Asp Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr 225 230 235 240 TCA GTC ACC GTC TCC TCA 738 Ser Val Thr Val Ser Ser 245
【図面の簡単な説明】
【図1】 プライマーの配列を示す。
【図2】 L鎖V領域とH鎖V領域をつなぐ為のリンカ
ーのDNA配列を示す。
【図3】 プラスミドpFv-DEの構築工程を示す図面であ
る。
【図4】 プラスミドpFv(HH61-10)-DEの構築工程を示
す図面である。
【図5】 ペプチドFv(HH61-10)が、125I標識IL−6
のU266細胞への結合を阻害する活性を有することを
示す図面である。
【図6】 ペプチドFv(HH61-10)が、KT−3細胞のI
L−6依存性増殖を阻害する活性を有することを示す図
面である。
【図7】 ペプチドFv(HH61-10)が、Hep3B細胞の
IL−6によるハプトグロビン産生を阻害する活性を有
することを示す図面である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】さて、本ヒトIL−6の各種疾患との関連
性が注目されており、多数報告されている。まず、自己
免疫疾患との関連については、慢性関節リウマチ患者の
関節液中のヒトIL−6濃度が、変形性関節症患者のそ
れに比較して著しく高値であるという報告をはじめ(Eu
ropean Journal of Immunology、18巻、1797頁
1988年)、心房内粘液腫患者のIL−6を構成的に
産生している原発腫瘍を切除することにより自己免疫疾
患症状が改善すること(Proceedings of National Acad
emy of Science U.S.A.、84巻、228頁、1987
年)、高γグロブリン血症を呈するキャッスルマン症候
群において、病巣リンパ節組織培養上清中に高濃度のヒ
トIL−6が検出されたこと(実験医学、7巻、50
頁、1989年)などの報告があり、自己抗体の産生が
疾患の原因、あるいは増悪に関わっていると考えられて
いるいわゆる自己免疫疾患の中には、IL−6が強く関
わっている疾患が数多くあるものと推定されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】実施例1(ハイブリドーマの調製) 6〜8週令の雌のBALB/cマウスに、リコンビナントヒト
IL−6をフロインドの完全アジュバントとともに1匹
あたり100μg皮下投与することにより免疫した。そ
の3週間後、同様の操作により追加免疫し、更にその5
日後、マウスの眼窩静脈より採血して、以下に述べる方
に従って、IL−6への結合活性を調べることにより
抗体価を測定した。すなわち、PBSにて溶解したリコン
ビナントヒトIL−6(2μg/ml)を96穴プレー
ト(フロー社製)に入れ、4℃にて一晩放置した。次に
0.5%BSAを含むPBS溶液(BSA-PBS)を入れ室温にて
1時間放置した。更に、BSA-PBSにて適当な濃度に希
したサンプル血清を加え 、室温にて2時間反応させた。
0.05%Tween 20( ナカライテスク社製)を含 むPBS
溶液(PBS-Tween)に て洗浄後、抗マウスIg抗体(ダコ
社製)を加えた。2時間反応させた後、PBS-Tweenにて
洗浄し、2,2′− アジノ−ビス(3−エチル ベンゾチ
アゾリン−6−スルフリック酸)(ABTS、シグマ社 製)
と過酸化水素を加えて 吸光度(A405)を測定した
体価の高かったマウスを更に同様の操作にて最終免疫
し、その3日後、脾臓を摘出して脾臓細胞とマウス骨髄
腫細胞(X63-Ag8-6.5.3)とを、50%ポリエチレング
リコール#4000(ナカライテスク社製)存在下にて
細胞数で10:1の割合で混合し、細胞融合させた。融
合細胞を、10%牛胎児血清(ギブコ社製)を含むRPMI
1640培地(ギブコ社製)にて5X106個/mlとなる
ように懸濁し、1穴あたり5X105個のマウス胸腺細
胞を含有する96穴平底プレート(コーニング社製)に
100μlずつ分注した。1日、2日、3日、6日後に
培地の半量をヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジ
ンを含む培地(HAT培地)と交換し、以後3日ごとに
同様の操作を繰り返した。融合より約2週間後、融合し
た細胞(ハイブリドーマ)の増殖してきた各穴の培養上
清について、IL−6への結合活性を有していた穴に含
まれるハイブリドーマを、限界希釈法にてクローン化し
た。更にそれぞれのハイブリドーマクローンの培養上清
中のIL−6への結合活性を測定して、抗IL−6抗体
産生ハイブリドーマを得た。更に、得られた抗IL−6
抗体産生ハイブリドーマの培養上清について、以下の方
法にてIL−6の作用の抑制能を調べた。10%牛胎児
血清を含むRPMI1640培地にて200pg/mlに調製し
たヒトリコンビナントIL−6溶液を1穴あたり50μ
lずつ96穴平底マイクロプレートに分注して、サンプ
ルの培養上清を50μl加え、37℃、30分間インキ
ュベートした。更に、10%牛胎児血清を含むRPMI1640
培地にて1X105個/mlの濃度となるように懸濁し
たMH60細胞液を1穴あたり100μlずつ加えて、
5%CO2存在下37℃にて3日間培養した。最後の6
時間は1μCiの3H−チミジン(デュポン社製)を加
えて培養し、細胞内に取り込まれた放射活性量をシンチ
レーシンカウンター(パッカード社製)にて測定するこ
とにより、培養上清によるIL−6の作用を抑制する活
性を調べた。このような方法にてIL−6に対する抗体
を産生するハイブリドーマを調製した。こうして得られ
たハイブリドーマとしてHH61−10がある(特開平
3-61496号公報参照)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】実施例5(V領域のみからなる抗体生産菌
より、生産物の取得) 得られた形質転換株 E. Coli pFv(HH61-10)-DE/HB101
(FERM P-13366)を50μg/mlのアンピシリンを含
む2xYT[1.6%トリプトン、1%酵母エキス、
(以上バクト社製)、0.5%NaOH、pH7.0]5m
l中で37℃一晩生育させた。ついで、その培養懸濁液
5mlを100mlのM9−カザミノ酸培地(0.6%
Na2HPO4・12H2O、0.3%KH2PO4、0.05%NaCl、
0.1%NH4Cl、0.05%MgSO4・7H20、0.0014
7%CaCl2、0.2%グルコース、0.2%カザミノ
酸、0.02%L-ロイシン、0.02%L-プロリン、
0.0002%チアミン塩酸塩、100μg/mlアン
ピシリン、pH6.9)へ接種し、37℃にて3時間培
養した。その後、25μg/mlとなるように3-インド
ールアクリル酸(IAA)を添加し、更に37℃にて20
時間誘導培養した。この一部の菌体懸濁液を位相差顕微
鏡により約1500倍にて観察すると、大腸菌体内の顆
粒形成が認められた。続いて上記の如く培養した菌体懸
濁液を遠心分離機にかけ菌体を集め、50mlの30m
MNaClを含む20mMトリス塩酸塩緩衝液(pH7.
5)を添加し、懸濁後、0.5MEDTA(pH8.0)で
1mg/mlになるように溶かしたリゾチーム溶液
2.5mlを添加し、攪はんした後、氷中にて1時間放
置した。ついで超音波破砕で菌体を破壊し、6000r
pm、5分間の遠心分離で顆粒を回収した。この顆粒を
6M塩酸グアニジンで可溶化し、目的ペプチド濃度が1
00μg/ml、及び3.5M塩酸グアニジン溶液とな
るように調製した後、これに酸化型グルタチオン3μM
と還元型グルタチオン30μMとなるように添加し、p
H8.0で室温で10〜16時間放置した。次に、10
mM酢酸緩衝液(pH5.0)に対して透析を行い粗精
製ペプチドを得た。次に、粗精製ペプチドを、あらかじ
め10mM酢酸緩衝液(pH5.0)にて平衡化したS
−セファロースカラム(ファルマシア社製)にかけ結合
させ、50mMNaClを含む10mM酢酸緩衝液(pH
5.0)にて溶出後、PBSに対して透析する事により
目的とするペプチドを得た。本物質はSDSポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動により、その分子量は実施例6に
従って推定されたアミノ酸配列から計算された値とそれ
ぞれほぼ一致し、また、プロテインシークエンサーにて
N末端側のアミノ酸配列を検定した結果、予想されたア
ミノ酸配列のN末端にメチオニンが付加した配列を有す
ることが確認された。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 ZNA C 8214−4B

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトIL−6のヒトIL−6受容体への
    結合を阻害する活性を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 ペプチドが抗ヒトIL−6抗体のH鎖可
    変領域及びL鎖可変領域をペプチドリンカーにより結合
    してなる請求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 ペプチドが配列番号1記載のアミノ酸配
    列を有する請求項2記載のペプチド。
  4. 【請求項4】 ペプチドが配列番号1記載のアミノ酸配
    列のN末端Metが除かれたペプチドである請求項2記
    載のペプチド。
  5. 【請求項5】 ペプチドが(1)配列番号1記載のアミ
    ノ酸配列の一部を削除、(2)配列番号1記載のアミノ
    酸配列の一部を他のアミノ酸に置換、(3)配列番号1
    記載のアミノ酸配列にアミノ酸もしくはペプチドを付
    加、または(4)配列番号1記載のアミノ酸配列の一部
    をアセチル化、アミド化もしくはポリエチレングリコー
    ル付加したものである請求項2記載のペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載のペプチドを含有
    するIL−6作用抑制剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5記載のペプチドを含有
    する抗炎症薬。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5記載のペプチドを含有
    する免疫抑制剤または自己免疫疾患治療薬。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5記載のペプチドをコー
    ドする遺伝子。
  10. 【請求項10】 遺伝子が配列表の配列番号1記載のD
    NA配列を有する請求項9記載の遺伝子。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の遺伝子を有
    するプラスミド。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のプラスミドを有する
    形質転換体。
  13. 【請求項13】 形質転換体が大腸菌である請求項12
    記載の形質転換体。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載の形質転換
    体を培養することにより、請求項1ないし5記載のペプ
    チドを生産させ、該ペプチドを取得することを特徴とす
    る該ペプチドの製造方法。
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