JPH09512705A - E−セレクチンに対する抗体 - Google Patents

E−セレクチンに対する抗体

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JPH09512705A JP7525047A JP52504795A JPH09512705A JP H09512705 A JPH09512705 A JP H09512705A JP 7525047 A JP7525047 A JP 7525047A JP 52504795 A JP52504795 A JP 52504795A JP H09512705 A JPH09512705 A JP H09512705A
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レイモンド ジョン オーウェンズ,
マーティン キム ロビンソン,
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Abstract

(57)【要約】 本発明はE-セレクチンに対して特異性を有する中性イソタイプの全抗体、それらの調製のためのプロセス(ベクターを用いる)、それらを含有する薬学的組成物、ならびに治療(例えば、炎症性障害に対して)および診断におけるそれらの使用に関する。上記抗体は、Fc領域、特にCH2ドメインにおいて改変された天然の抗体の変異体であり、その結果、抗体Fcレセプターとの相互作用が存在しないか、または極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】 E-セレクチンに対する抗体 発明の分野 本発明は、E-セレクチンに対して特異性を有する抗体であって、該抗体が中和 イソタイプの全抗体であることを特徴とする抗体、該抗体を調製するプロセス、 該抗体を含有する薬学的組成物、および該抗体の医学的使用に関する。発明の背景 セレクチンは、構造的に関連する膜貫通糖タンパク質のファミリーであり、血 管内皮細胞への白血球の接着に影響する。E-セレクチン、P-セレクチンおよびL- セレクチンと呼ばれる3つの公知のメンバーは、アミノ末端C型レクチンドメイ ン、1つのEGF様ドメインおよび2と9の間の相補的調節リピートの3つの型の ドメインからなる。例えばIl-1、またはTNFなどの炎症サイトカインによる内皮 の刺激により、細胞表面におけるE-セレクチン発現のアップレギュレーションを 生じる。 インビトロでの実験により、E-セレクチンは多形核細胞、単球およびT-リン パ球のサブ集団の接着を支持し得ることが示されている(例えば、Bevilacquaら( 1989)Science 243 1160-1165;Pickerら(1991)Nature 349 796-799およびLeeu wenbergら(1992)Scant.J.Immunol 35 335-341を参照のこと)。インビトロで PMN結合をブロックするE-セレクチンに対するマウス抗体は、動物モデルにおい てPMN(好中球)の溢出を減少させることが示されている(Mulligan,M.らJ.Clini cal Investigation 88,1396-1406 (1991)およびGundel,R.らJ.Clinical Inve stigation 88,1407-1411(1991))。 従って、E-セレクチンは損傷または感染による炎症部位への白血球の移動にお いて重要な役割を果たすと見られる。これから推論すると、E-セレクチンの発現 は特定の炎症疾患を増進する。それゆえ、E-セレクチンは、次に組織損傷を引き 起こす白血球の接着を支持することにより疾患プロセスに寄与する。このプロセ スをブロックするE-セレクチンに対する抗体は、炎症の程度または重篤度を減少 し、それゆえ治療に有益である。 利用可能なモノクローナル抗体のほとんどは齧歯類由来であるので、これらは 当然ヒトにおいて抗原性であり、従ってHAMA(ヒト抗マウス抗体)応答と呼ばれる 望ましくない免疫応答を生じ得る。それゆえ、ヒトにおける治療因子としての齧 歯類モノクローナル抗体の使用は、ヒト被験体がその抗体に対する免疫学的応答 を備えて、そしてその抗体を完全に取り除くかまたは少なくともその効果を減少 させるかのいずれかであるという事実により本質的に制限される。 遺伝子操作技術を用いてヒトにおける抗原性がより低い、非ヒトMAbを作製す るための提案がなされている。これらの技術は一般に、抗体分子のポリペプチド 鎖をコードするDNA配列を扱う組換えDNA技術の使用を包含する。遺伝子操作抗体 の単純な形態はマウス抗体の定常領域をヒト抗体由来の定常領域で置換すること を包含する(Morrisonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81 6851-55;Whit tleら(1987)Prot.Eng.1 499-505)。キメラ抗体に対するHAMA応答のレベルの 低下により、抗原結合部位の外側の可変領域のさらなる遺伝子操作が、これらの 領域に対する応答を阻止し得、そしてあらゆる有害な応答をさらに減少させ得る ことが予想される。 抗体の遺伝子操作のより複雑な形態は、マウス抗体結合部位を構築するアミノ 酸をヒト抗体の可変領域のフレームワークに組み込むような可変領域ドメインの 再設計を包含する。これは多くの場合において完全な抗原結合活性の再構築を導 く(Coら(1990)J.Immunol.148 1149-1154;Coら(1992)Proc.Natl.Acad. Sci.USA 88 2869-2873;Carterら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.89 4285-42 89;Routledgeら(1991)Eur.J.Immunol.21 2717-2725および国際特許出願第 WO 91/09967号;同第WO 91/09968号および同第WO 92/11383号)。 天然に存在するヒト抗体および遺伝子操作ヒト抗体は、抗原結合に寄与するN 末端可変領域および免疫応答に関係する種々の細胞型との相互作用の決定に寄与 するC末端部分内の配列を有する2機能性因子と考えられ得る。細胞障害性細胞 上の特異的な細胞表面レセプターによる、抗体におけるこれらのエフェクター部 位の認識は、抗体依存性細胞性細胞障害および補体仲介性細胞溶解を生じ得る。 これにより抗原が存在する細胞の死を生じ得る。 E-セレクチンは内皮細胞の表面に発現される。抗体が標的抗原に結合した結果 としての内皮細胞の涸渇は非常に望ましくない。内皮細胞は、身体組織と血管系 との間の防御壁を形成する内皮を形成する。内皮の構造完全性の涸渇または損傷 は極めて不利であり、そして浮腫および脈管炎を導き得る。それゆえ、標的抗原 をブロックしながら内皮細胞集団の涸渇を回避することは非常に有利である。Po dolskyら(J.Clin.Invest.92(1993)372-380)、Westphalら(Clin.Exp.Immu nol.96 444-449 (1994))、およびthe Editorial Lancet 337 (1991))による最 近の論文は、全抗体の使用は、抗体のFc領域により仲介される望ましくないエフ ェクター機能のために望ましくないことを確認している。別のグループは、抗体 依存性細胞性細胞障害を生じるエフェクターシグナルを欠損した抗体フラグメン トの使用により望ましくないエフェクター機能の問題を克服することを試みた(M ulliganらJ.Clinical Investigation 88,1396-1406 (1991))。しかし、抗体フ ラグメントは短い半減期を有することが公知であり(Pimmら Nuclear Medicine C ommunication 10,585-593(1989);Molthoffら Br.J.Cancer 65,677-683(1 992)およびBuistら Cancer Res.53 5413-5418 (1993))、多くの疾患の処置にお いてその治療有用性が極めて制限される。発明の局面の説明 本発明は、標的内皮細胞集団の涸渇を防止するこの問題に対する新規な解決を 提供する。本発明者らは、中和イソタイプの抗E-セレクチン全抗体を作製するこ とにより、内皮細胞涸渇を生じない治療に有効な抗体を産生することが可能であ ることを見出した。 それゆえ、第1の局面において、本発明はE-セレクチンに対する特異性を有す る抗体であって、該抗体が中和イソタイプの全抗体であることを特徴とする抗体 を提供する。 本発明の第1の局面の好適な実施態様において、抗体はヒトE-セレクチンに対 する特異性を有する。 本発明に記載の抗体は、好ましくはE-セレクチンのレクチンまたはEGFドメイ ンを認識する。 本明細書中で使用する用語「全」抗体は、実質的に完全長のH鎖およびL鎖を 含む抗体、ならびにアミノ酸が置換、改変、付加および/または欠失された抗体 を示すために使用される。 中和イソタイプの全抗体を使用するアプローチは、当該分野において以前には 試みられていない。用語「中和イソタイプ」は、抗体Fcのレセプター(すなわち 、FcRI、FcRIIおよびFcRIIIおよび補体)との相互作用が存在しないか、または抗 体依存性細胞性細胞障害(ADCC)および/または補体仲介性細胞溶解のような損傷 的な生理学的効果を最小限て引き起こす程度の弱さであり、そしてまた抗体が宿 主内で最小限の免疫応答を生じることを意味する。本明細書中で使用される用語 「最小限の免疫応答」は、ヒト抗体または遺伝子操作ヒト抗体の静脈内注入に対 する典型的な霊長類の免疫応答を示すために使用される。 抗E-セレクチン抗体はE-セレクチンを抗原として用いる周知の免疫学的技術を 使用して調製され得る。例えばKohlerら Eur.J.Immunol.6,511 (1976)の方 法を用いて、任意の適切な宿主が、例えばE-セレクチンまたは活性化HUVEC(ヒト 臍静脈内皮細胞)および回収して不死化した脾細胞またはリンパ球で免疫され得 る。従来の実施に従って、得られた細胞を希釈し、そしてクローン化して抗E-セ レクチン抗体を産生する単一の遺伝株を得る。組換え抗E-セレクチン抗体を産生 することが望ましい場合、これらは当該分野で周知の方法を用いて産生され得る 。 抗体のFc領域のいくつかの領域はエフェクター機能の調節に影響することが示 された(例えば、欧州特許第307434B号およびLundら(1991)J.Immunol.147 26 57-2662を参照のこと)。例えば、Lundら(1991)および他のグループは、ヒトIgG3 のH鎖のCH2ドメインの235位のLeuが、単核食細胞(FcRI)の高親和性レセプター に対する抗体の結合に影響することを示した。従って、この残基を改変すること により、FcRI結合活性が欠損した抗体を産生することが可能である。 さらなる局面において、本発明は該抗体がE-セレクチンに対して特異性を有す る中和イソタイプの全抗体であることを特徴とする抗体を提供する。ここで、該 抗体のFc領域の1以上のアミノ酸残基は天然に存在するアミノ酸残基から改変さ れている。 それゆえに、本局面の好適な実施態様において、本発明は該抗体がE-セレクチ ンに対して特異性を有する中和イソタイプの全抗体であることを特徴とする抗体 を提供する。ここで、CH2ドメインの235位の残基を含む該抗体のFc領域の1以上 のアミノ酸残基は、天然に存在する配列のアミノ酸残基から改変されている。 235位の残基はH鎖のCH2ドメインのN末端領域に存在する。天然に存在する残 基を改変すること(例えば、235位のLeuをアラニンに)は、特に有利であること を見出した。なぜなら、アミノ酸変化の保存的性質は、免疫原性である抗体が生 じ得る分子中に望ましくない構造変化をほとんど生じないようであるからである 。 好適な実施態様において、本発明の抗体はCH2ドメインの235位にアラニン残基 を有し、そして特に好適な実施態様において、抗体はヒトγ4イソタイプを有す る。 抗体側鎖とFcR1レセプターとの相互作用の改変は、ロイシンをイソロイシン、 バリン、トレオニンまたはグルタミン酸で置換することにより同様に達成され得 る。免疫原性を導き得る分子中の望ましくない構造変化を導入しないという全体 的な目的内で、多くの他の置換が可能であることは同業者に容易に理解される。 抗体がヒトγ1、γ2、またはγ3のようなイソタイプを有する場合、FcRI、FcR IIおよびFcRIII結合を適切に改変し、そしてまた補体固着を最小限にするために 、さらなるアミノ酸残基に対する改変が必要とされることが同業者に明らかであ る。例えば、γ1およびγ3抗体のH鎖の235位および234位の残基の改変は、FcRI 結合およびFCRII結合に影響することが公知であり(BurtonおよびWoof Adv.Immu nol (1992)1:Academic Press)、そして同様に、234位、235位、330位、331位 、318位、320位および322位のアミノ酸が補体の結合および活性化に関連するこ とが示されている(Xuら、(1994) J.Biol.Chem 269(5)3469-3474,公開欧州 特許第EP 307434Bおよび公開国際特許出願第WO 9429351号)。また、Woofら Mol .Immunol 23 319-330 (1986),Burtonら Nature 288 338-44(1980);Burton M ol.Immunol 22 161-206 (1988);Leatherbarrowら Mol.Immunol 22 407-415( 1985);およびDuncanら Nature 332 563-4 (1988)を参照のこと。本発明の抗体 は、好ましくはヒトイソタイプを有する。 本発明に記載の抗体をコードするDNA配列を調製するために、標準的な分子生 物学の技術が用いられ得る。オリゴヌクレオチド合成技術を用いて、所望のDNA 配列は完全にまたは部分的に合成され得る。部位特異的変異誘発およびポリメラ ーゼ連鎖反応(PCR)技術が適切に使用され得る。 235位の残基を改変するために使用され得る適切なプロセスは、例えば、Techn ology Principles and Applications for DNA Amplification (1989),H.A.Erl ich編、Stockton Press,N.Y.,Londonの教示において記載されるようなPCRの標 準的な重複手順によるPCR変異誘発およびオリゴヌクレオチド特異的変異誘発(Kr amerら Nucleic.Acid.Res.12.9441 (1984))を包含する。適切な方法はまた 、公開欧州特許第EP307434B号に記載される。 分子の235位または他の任意の位置での改変を、抗体産生プロセスの任意の都 合の良い段階で導入し得る。例えば、抗体がCDRグラフト抗体である場合、改変 はCDR移植が完了する前か、またはより都合良くはCDR移植が完了した後に作製し 得る。これは付随の実施例においてより詳細に記載される。 好適な実施態様において、本発明の抗体分子はIgGであり、最も好ましくはヒ トγ4イソタイプを有する。 γ4イソタイプの抗体のヒンジ領域の配列、すなわちCys-Pro-Ser-Cysは正確に 折り畳まれそしてアセンブリされた形態に関して抗体の代替形態を生じ得ること がさらに見出されている(Angalら(1993) Molecular Immunol 30 105-108)。これ は、例えば部位特異的変異誘発またはオリゴヌクレオチド特異的変異誘発を用い て228位のSer残基をPro残基に改変することにより克服できる。γ4イソタイプで ある本発明の抗E-セレクチン抗体は、好ましくはヒンジ領域にCys-Pro-Pro-Cys 配列を有し、そして最も好ましくはさらにCH2ドメインの235位にアラニン残基を 有する。 本明細書中で使用される残基の番号付けは、Kabatら[(1991):Sequences of P roteins of Immunological Interest,第5版、米国厚生省]に記載されるEUイン デックスに従う。 本発明の抗体は、好ましくは遺伝子操作ヒト抗体、最も好ましくはCDRグラフ ト抗体である。 それゆえ、好適な実施態様において、本発明はE-セレクチンに対して特異性を 有する遺伝子操作ヒト抗体であって、該抗体が中和イソタイプの全抗体であるこ とを特徴とする抗体を提供する。 用語、遺伝子操作ヒト抗体分子は、非ヒト種由来の免疫グロブリン由来の抗原 結合部位を有する分子であって、残りの免疫グロブリン由来部分がヒト免疫グロ ブリンに由来する分子を記載するために用いる。抗原結合部位はヒト定常領域上 に融合された完全な可変領域または可変領域中の適切なフレームワーク領域上に 移植された相補性決定領域(CDR)のみかのいずれかを含み得る。 本発明に記載の中和イソタイプ抗E-セレクチン全抗体は、好ましくは遺伝子操 作ヒト抗体であり、ここで抗体のFc領域中の1以上のアミノ酸は、天然に存在す る配列から改変されている。 本発明は、E-セレクチンに対する特異性を有する遺伝子操作ヒト抗体分子であ って、該ヒト抗体分子が中和イソタイプの全抗体であり、そして抗原結合部位を 有することを特徴とするヒト抗体分子を提供する。ここで、可変ドメインの少な くとも1つの相補性決定領域は非ヒトモノクローナル抗体に由来し、そして遺伝 子操作ヒト抗体分子の残りの免疫グロブリン由来部位はヒト免疫グロブリンに由 来する。 遺伝子操作ヒト抗体分子はキメラ抗体またはCDRグラフト抗体を含み得る。遺 伝子操作ヒト抗体分子がCDRグラフト抗体を含む場合、H鎖および/またはL鎖の 可変ドメインは1つのみまたは2つの非ヒト由来CDRを含み得る;もっとも、好 ましくはすべての3つのH鎖およびL鎖のCDRは非ヒト抗体由来である。 非ヒト抗体は好ましくはENA-2である。ENA-2は、ヒトE-セレクチンのレクチン /EGF領域に結合し、そして細胞結合をブロックするマウスIgG1/κ抗体である。( Leeuwenbergら(1990)Transplantation Proceedings 22(4)1991-1993)。 ヒト免疫グロブリンに由来する遺伝子操作ヒト抗体分子の部分は、任意の適切 なヒト免疫グロブリンに由来し得る。例えば、遺伝子操作ヒト抗体分子がCDRグ ラフト抗体分子である場合、適切な可変領域フレームワーク配列は、抗原結合領 域力油来するドナー抗体のクラス/タイプを考慮して使用され得る。好ましくは 使用されるヒトフレームワークのタイプは、ドナー抗体と同じ/同様のクラス/ タイプのものである。都合の良いことに、フレームワークはドナー抗体配列と、 好ましくはCDRに空間的に近いまたは隣接した位置で相同性を最大/最適にする ように選択される。CDRグラフト抗体を構築するために使用され得るヒトフレー ムワークの例は、LAY、POM、TUR、TEI、KOL、NEWM、REI、およびEUであり;例え ば、H鎖についてはKOLおよびNEWM、およびL鎖についてはREI、およびH鎖およ びL鎖の両方についてはEUである。 好ましい方法において、ヒトフレームワークは、ドナーおよびアクセプターの H鎖およびL鎖の配列を比較し、そしてドナー抗体に最も相同であるヒトフレー ムワーク配列を選択することにより選択される。 ENA-2 Vhドメインはグループ1ヒトH鎖に最も近い配列相同性を示し、従って グループ1ヒト抗体EuはH鎖およびL鎖可変ドメインの両方のフレームワークと して選択された。 遺伝子操作ヒト抗体分子のL鎖またはH鎖可変ドメインは、適切にヒトL鎖ま たはH鎖定常ドメイン(本明細書で使用される用語、Fc領域および「H鎖定常ド メイン」は、特に言及しない限りヒンジ領域を含むと理解される)に融合され得 る。遺伝子操作ヒト抗体分子のヒト定常ドメインは、存在する場合、抗体の提案 される機能、特に、必要とされるエフェクター機能を欠くことを考慮して選択さ れ得る。 例えば、H鎖可変領域に融合されたH鎖定常ドメインは、ヒトIgA、IgG、また はIgMドメインであり得る。好ましくはヒトIgGドメインが使用される。ヒト定常 ドメインの選択に応じて、中性のイソタイプの抗体を生成するために、例えば、 部位特異的またはオリゴヌクレオチド特異的変異誘発を使用して特定のアミノ酸 残基を変えて望ましくない任意のエフェクター機能を取り除くことが必要であり 得る。L鎖可変領域に融合され得るL鎖ヒト定常ドメインは、ヒトλ鎖またはヒ トκ鎖を包含する。 あるいは、ヒト定常ドメインのアナログは、有利に使用され得る。これらは、 対応するヒトドメインに1以上の別のアミノ酸を含む定常ドメイン、または対応 するヒトドメインに存在する1以上のアミノ酸が置換、付加、欠失、または改変 されている定常ドメインを包含し得る。このようなドメインは、例えばオリゴヌ クレオチド特異的変異誘発により得られ得る。 また、遺伝子操作ヒト抗体分子のヒト定常領域ドメインは、以前に定義された ように抗体に必要とされる中性のイソタイプを考慮して選択され得る。 免疫グロブリンイソタイプを適切に選択することにより、抗体を生成すること が可能である。ここで、抗体は補体の固定に依存し、そしてここでFcRI、FcRII 、およびFcRIIIとの相互作用が、例えば、ヒトγ4イソタイプを選択することに より最小にされる。 本発明はさらに、Eセレクチンに対して特異性を有する抗体の産生のためのプ ロセスであって、上記抗体が中性のイソタイプの抗体全体であることにより特徴 付けられるプロセスを提供し、このプロセスは以下の工程を包含する: a)発現ベクターにおいて、上記抗体H鎖またはL鎖をコードするDNA配列を有 するオペロンを生成する工程; b)発現ベクターにおいて、相補的な抗体H鎖またはL鎖をコードするDNA配列 を有するオペロンを生成する工程; c)宿主細胞を両方のオペロンでトランスフェクトする工程;および d)上記トランスフェクトした細胞株を培養して抗体を生成する工程。 本発明のこの局面の好ましい実施態様によれば、Eセレクチンに対して特異性 を有する遺伝子操作ヒト抗体の産生のためのプロセスであって、上記抗体が中性 のイソタイプの抗体全体であることにより特徴付けられるプロセスが提供され、 このプロセスは以下の工程を包含する: a)発現ベクターにおいて、可変ドメインを含む抗体H鎖またはL鎖をコードす るDNA配列を有するオペロンを生成する工程であり、ここで上記可変ドメインの 少なくとも1つのCDRが非ヒト免疫グロブリンに由来し、そして上記抗体鎖の免 疫グロブリンに由来する残りの部分がヒト免疫グロブリンに由来する工程; b)発現ベクターにおいて、可変ドメインを含む相補的な抗体H鎖またはL鎖を コードするDNA配列を有するオペロンを生成する工程であり、ここで上記可変ド メインの少なくとも1つのCDRが非ヒト免疫グロブリンに由来し、そして上記抗 体鎖の免疫グロブリンに由来する残りの部分がヒト免疫グロブリンに由来する工 程; c)宿主細胞を両方のオペロンでトランスフェクトする工程;および d)トランスフェクトした細胞株を培養して遺伝子操作ヒト抗体分子を生成する 工程。 可変ドメインのCDRは、好ましくは同一の非ヒト免疫グロブリン(これは最も 好ましくはENA-2である)に由来する。 本発明のこの局面の特に好ましい実施態様によれば、少なくとも1つの発現ベ クターは抗体H鎖をコードするDNA配列を含み、ここで、上記抗体のFc領域の1 以上のアミノ酸残基(最も好ましくはCH2ドメインの残基235位を含む)は、天然 に存在する配列のそれとは変化している。 アミノ酸残基235位または他の任意の位置での変化はまた、抗体全体が組み立 てられた後に部位特異的変異誘発のような技術を使用することによりつくられ得 る。 細胞株は2つのベクターでトランスフェクトされ得、第1のベクターはL鎖に 由来するポリペプチドをコードするオペロンを含み、第2のベクターはH鎖に由 来するポリペプチドをコードするオペロンを含む。好ましくは、ベクターは、そ れぞれのポリペプチド鎖が同等に発現されることを可能な限り確実にするように 、コード配列および選択マーカーに関する点を除いて同一である。 あるいは、単一のベクターが使用され得、このベクターは選択マーカーおよび L鎖およびH鎖のそれぞれに由来するポリペプチドをコードするオペロンを含む 。 さらなる局面では、本発明はまた、本発明の抗体のH鎖およびL鎖をコードす るDNA配列、これらのDNA配列を含むクローニングベクターおよび発現ベクター、 これらのDNA配列で形質転換した宿主細胞、およびこれらのDNA配列を形質転換宿 主細胞において発現させる工程を包含する、H鎖またはL鎖および抗体分子を生 成するためのプロセスを包含する。 ベクターが構築され得る一般的な方法、トランスフェクション法、および培養 方法は、それ自体は周知である(例えば、Maniatisら(1982)(Molecular Cloni ng,Cold Spring Harbor,New York)およびPrimroseおよびOld(1980)(Principle s of Gene Manipulation,Blackwell,Oxford)および本明細書の以下の実施例を 参照のこと)。 ENA-2 H鎖およびL鎖可変ドメインアミノ酸配列をコードするDNA配列(およ び対応する推定アミノ酸配列)を以下の図1に示す。 ヒト免疫グロブリン配列をコードするDNAは、任意の適切な方法により得られ 得る。例えば、好ましいヒトアクセプターフレームワーク(例えば、LAY、POM、 KOL、REI、EU、TUR、TEI、およびNEWM)のアミノ酸配列は当該分野の研究者には 広く利用可能である。 分子生物学の標準的な技術が、CDRグラフト産物をコードするDNA配列を調製す るために使用され得る。所望のDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成技術を使用 することにより完全にまたは部分的に合成され得る。部位特異的変異誘発および ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術が適切に使用され得る。例えば、オリゴヌクレ オチド特異的合成(Jonesら(1986)Nature 321 522-525)。また、予め存在する 可変ドメイン領域のオリゴヌクレオチド特異的変異誘発(Verhoeyenら(1988)Sc ience 239 1534-1536; Reichmannら(1988)Nature 332 323-327)。 T4 DNAポリメラーゼを使用するギャップオリゴヌクレオチドの酵素的充填(Qu eenら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86 10029-10033; 国際特許公開第WO 90/ 07861号)が使用され得る。 任意の適切な宿主細胞/ベクターシステムが、抗体H鎖およびL鎖(例えば、 キメラまたはCDRグラフトH鎖およびL鎖)をコードするDNA配列の発現に使用さ れ得る。細菌(例えば、E.coli)システムおよび他の微生物システムが使用され 得る。真核(例えば、哺乳動物)宿主細胞発現システムもまた、本発明に従って 抗体を得るために、特に、より大きなキメラまたはCDRグラフト抗体産物の生成 のために使用され得る。適切な哺乳動物宿主細胞は、CHO細胞およびミエローマ またはハイブリドーマ細胞株(例えば、NSO細胞)を包含する。NSO細胞が特に好 ましい。 本発明による遺伝子操作ヒト抗体において、H鎖およびL鎖可変ドメインは、 非ヒト抗体(例えば、マウス抗体ENA-2)の可変領域全体を含み得るか、または 非ヒト抗体(例えば、マウス抗体ENA-2)の1つ、いくつか、または全てのCDRが グラフトしているヒト可変ドメインのフレームワーク領域を含むかのいずれかで ある。従って、遺伝子操作ヒト抗体は、キメラ遺伝子操作ヒト抗体またはCDRグ ラフト遺伝子操作ヒト抗体を包含し得る。 遺伝子操作ヒト抗体がCDRグラフト抗体である場合、CDRに加えて、特定の可変 領域フレームワーク残基が非ヒト(例えば、ENA-2マウス)残基に対応するよう に変えられ得る。好ましくは、本発明のCDRグラフト抗体は、本発明者らの国際 特許明細書第WO-A-91/09967号において定義されたようなCDRグラフト抗体を包含 する。第WO-A-91/09967号の開示は、本明細書中に参考として援用されている。 好ましくは、H鎖のCDRは、CDR1(31位〜35位)、CDR2(50位〜65位)、およびCDR 3(95位〜102位)の全てでKabatが定義したMAb ENA-2 CDRに対応する。さらに、H 鎖は残基48、67、69、73、93、および94の1以上でマウスENA-2残基を有し得る 。同様に、L鎖は48位、60位、63位、70位、111位、および113位でマウスENA-2 残基を有し得る。 本発明はまた、本発明の抗体を含む治療的および診断的組成物、およびこれら の産物および組成物の治療および診断における使用を含む。このような組成物は 代表的に、薬学的に受容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアとともに本発明 による抗体を、例えばインビボでの使用のために含み得る。 従って、さらなる局面において、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤、希釈 剤、またはキャリアと組み合わせて本発明による抗体を含む治療的または診断的 組成物を提供する。 本発明はまた、薬学的に受容可能な賦形剤、希釈剤、またはキャリアとともに 本発明による抗体を混合する工程を含む、治療的または診断的組成物を調製する ためのプロセスを提供する。 抗体は、治療的または診断的組成物における唯一の活性成分であり得るか、ま たは1以上の他の活性成分を加えられ得る。治療的または診断的組成物は単位用 量形態であり得、この場合、各単位用量は有効量の本発明の抗体を含む。 さらに、本発明はまた、有効量の本発明による抗体をヒトまたは動物被験体に 投与する工程を含む治療および診断方法を提供する。 抗体および組成物は、それらが用いられる治療に従って適切な形態および量で 投与され得る。 治療的または診断的組成物は、投与のために適切な形態をとり得、そして好ま しくは非経口投与(例えば、注入物の注射、例えば、ボーラス注射または連続注 入)に適切な形態である。組成物は、例えば、静脈内に、筋肉内に、皮内に、ま たは腹腔内に投与され得る。産物が注射用または注入用である場合、産物は、油 性または水性のビヒクルにおいて懸濁液、溶液、または乳液の形態をとり得、そ して組成物は、処方剤(例えば、懸濁剤、保存剤、安定化剤、および/または分 散剤)を含み得る。 あるいは、抗体または組成物は、使用前に適切な滅菌液で再構成するための乾 燥形態であり得る。抗体はまた、局所投与のために処方され得る。 抗体または組成物が経口投与に適切である場合、処方物は、活性成分に加えて 以下のような添加剤を含み得る:例えば、デンプン−例えば、ジャガイモ、トウ モロコシ、または小麦のデンプンあるいはセルロース−または微小性セルロース のようなデンプン誘導体;シリカ;ラクトースのような種々の糖;炭酸マグネシ ウムおよび/またはリン酸カルシウム。処方物が経口投与用である場合、組成物 が患者の消化系に良好に耐性であることが望ましい。このために、処方物に粘液 形成物(mucus former)および樹脂を含むことが望ましい。胃液に不溶性であるカ プセル中に抗体または組成物を処方することにより耐性を改善することも望まし い。制御放出処方物中に抗体または組成物を含むこともまた好ましい。 本発明のさらに別の局面において、増加したEセレクチン発現に関連する障害 に罹っている、またはこの障害の危険にさらされているヒトまたは動物の被験体 の処置方法が提供され、この方法は被験体に有効量の本発明の抗体または組成物 を投与する工程を包含する。特に、ヒトまたは動物被験体は例えば、皮膚障害( 例えば、乾癬)のような炎症性障害に罹っていてもよい。 本発明の抗体は、一般に炎症性疾患の処置において特に有用である。これらは 炎症性皮膚障害(例えば、乾癬、接触性皮膚炎、および湿疹);炎症性腸疾患( 例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、肺の炎症性障害(例えば、ARDS): 関節炎(例えば、慢性関節リウマチ);脈管炎、肝疾患(例えば、アルコール性 肝炎および肝硬変)および熱性外傷の処置において特に有用である。 治療的および診断的使用は、代表的には有効量の本発明による抗体をヒト被験 体に投与する工程を包含する。投与される正確な用量は、抗体の使用、および患 者の年齢、性、および状態によって変化するが、しかし代表的には約0.1mg〜約1 000mg、例えば、約1mg〜約500mgに変化し得る。抗体は、単回用量としてまたは ある期間にわたる連続的な方法で投与され得る。用量の変化は適切に反復され得 る。抗体は、任意の適切な経路による投与のための従来の実施に従って処方され 得、そして一般に例えば、静脈内経路、腹腔内経路、または筋肉内経路による投 与のための液体形態(例えば、無菌の生理学的に受容可能な緩衝液中の抗体溶液 )であり得る。 抗体全体は中性のイソタイプであるために、Fcレセプターとの相互作用は最小 である。これは、このような抗体が、インビトロアッセイにおいてヒト好中球の Eセレクチンへの結合を80%より大きくブロックする効果を有し、そしてさらに この効果はドナーのFcR状態に関係なく観察され得る。本発明者らは、このこと は抗体が全ての患者への投与に適切であり、従って、抗体の投与前に患者のFcR 状態を決定する必要を欠いているという重大な利点であり得ると考える。 本発明による抗体は、インビトロアッセイにおいて、Eセレクチンを発現しな いFcR1を有する細胞に対して最小の結合を示し、従って、ADCCの可能性を最小に する。 本発明による抗体はまた、薬物、核酸およびタンパク質ならびにそれらのフラ グメント、放射性核種またはキレートされた金属、ならびに他の治療剤の炎症部 位特異的送達に使用され得る。治療剤は、抗体に直接またはキャリア(例えば、 リポソーム、ウイルス、またはウイルス粒子、ここで、送達される治療剤はキャ リアの一部として取り込まれている)を介して結合され得る。この技術は当該分 野で周知である。同様に、本発明の抗体はまた、炎症領域の同定に診断的に使用 され得る。抗体は、未標識であり得るか、または例えば、放射性標識(例えば、 放射性核種);キレートされた金属;光化学試薬(例えば、蛍光化合物);色素 、または酵素、基質またはコファクターとの反応により検出され得る標識、また はNMRまたはESR分光学で検出される化合物により標識され得る。図面の簡単な説明 本発明をここに、添付の図面を参照して例示のためにのみ記載する。ここで: 図1aは、ENA-2 VlのDNA配列およびアミノ酸配列を示す。 図1bは、ENA-2 VhのDNA配列およびアミノ酸配列を示す。 図2aは、CDRグラフトENA-2 VhのDNA配列およびアミノ酸配列を示す。 図2bは、CDRグラフトENA-2 VlのDNA配列およびアミノ酸配列を示す。 図3aは、キメラENA-2の競合結合活性のグラフを示す。 図3bは、CDRグラフトENA-2抗体の競合結合活性のグラフを示す。 図4aは、キメラENA-2抗体およびマウスENA-2抗体の細胞ブロック活性のグラフ を示す。 図4bは、CDRグラフトENA-2抗体およびマウスENA-2抗体の細胞ブロック活性の グラフを示す。 図5は、変異誘発オリゴヌクレオチドの配列を示す。 図6は、CDRグラフトhENA-2(wt)およびhENA-2(L235A)の細胞結合活性を示す ヒストグラム分析である。 図7は、発現ベクターpENA215の模式図である。 図8は、発現ベクターpR0102の模式図である。 図9は、ベクターpMRR015およびpMRR011の模式図である。 図10は、ヒヒの皮膚におけるIL-1誘導PMN湿潤に対するhENA-2(L235A)の効果の グラフを示す。 図11は、ピヒの皮膚におけるTNF誘導PMN湿潤に対するhENA-2(L235A)の効果の グラフを示す。 図12は、IL-1誘導後のヒヒの皮膚におけるPMNに対するENA-2(Fab)'2およびコ ントロールの効果のグラフを示す。 図13は、TNF誘導後のヒヒの皮膚におけるPMNに対するENA-2(Fab)'2およびコン トロールの効果のグラフを示す。 図14は、細胞に基づくアッセイシステムで測定した、図12および13に使用され た動物における循環hENA-2(L235A)レベルのグラフを示す。 図15は、BSAまたはTNFの皮内抗原投与およびhENA-2(L235A、S228P)の静脈内処 置後のSCIDマウス上のヒト皮膚異種移植片に侵入した白血球のグラフを示す: 図16は、EセレクチンでトランスフェクトしたCHO細胞へのヒトPMNの結合に対 する以下の処置の効果を示す: 図17は、補体依存性溶解を測定するための実験の結果を示す。 1A−10%SDSを使用する全溶解。 1B−培地単独。 1C−培地+補体。 1D−W6/32+補体。 1E−hENA-2(L235A、S228P)+補体。 1F−hENA(L235A)+補体。 2A−W6/32+熱で不活化した補体。 2B−hENA-2(L235A、S228P)+熱で不活化した補体。 2C−hENA-2(L235A)+熱で不活化した補体。 2D−hENA-2(L235A)+培地単独。 全てのエラーバーは±1標準偏差である。 図18は、サイトカインで誘導された炎症を有するヒヒの皮膚の生検由来のヘマ トキシリンおよびエオシン染色切片の顕微鏡写真を示す A)生理食塩水処置動物 B)hENA-2(L235A)処置動物。 図19は、ヒトEセレクチンでトランスフェクトしたCHO細胞へのヒト好中球の 結合の阻害を示す。 本発明の特定の実施態様の説明 実施例1 マウスENA-2およびENA-2F(ab')2の作製 ハイブリドーマ産生マウスENA-2を、10%ウシ胎児血清を含有するDMEM培地中 で成育させた。抗体を、Protein A-セファロースでのアフィニティークロマトグ ラフィーにより細胞上清から精製した。この物質を用いて、ブロメラインで消化 し、続いてProtein A-クロマトグラフィーによりFc部分および非消化抗体を除去 し、続いてDEAEイオン交換クロマトグラフィーにより、プロテアーゼを除去する ことにより、F(ab')2フラグメントを調製した。 ENA-2L鎖の最初の19アミノ酸残基を、N-末端タンパク質配列決定法により決 定した。mENA-2可変ドメイン遺伝子のクローニングおよびキメラ抗体の構築 ENA-2のH鎖およびL鎖可変ドメインを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用い て、クローン化した。H鎖に用いたプライマーは、フラグメントをCelltech発現 ベクターに直接クローン化し得るような小さな改変を有する、JonesおよびBendi g(1991)(BioTechnology 9 88-89)により記載されるプライマーと同一であった。 PCR反応を、逆転写酵素により全RNAから生成された第1鎖cDNA(PCR条件、94℃ 1分;55℃1分;72℃1分、30サイクル)を用いて行った。リーダー配列からプ ライムされた産物を、pMR014に挿入し、キメラのγ4H鎖ベクターpENA202を作製 した。4つの独立したH鎖クローンを配列決定し、そして図1aに示すようにリー ダー配列以外は、同一であることを示した。ENA-2L鎖可変ドメイン(Vl)を、 マウスのL鎖のN-末端配列(図1b)に基づく5'オリゴヌクレオチドプライマー、 およびフレームワーク43'コンセンサスプライマーを用いてPCRにより単離した 。PCR産物を、L鎖リーダー配列を含有するベクターpR0102に挿入し、このよう に してVl遺伝子の5'末端を再構築した。4つの独立したVlクローンを配列決定した だけで、DNA配列中の2つの保存的な変化が示された(図1b)。再構築されたVl 遺伝子をベクターpMR15.1に挿入し、キメラκL鎖ベクターであるpEN201を作製 した。CDR-グラフトENA-2の設計およびアセンブリ ENA-2 Vhドメインは、グループ1ヒトH鎖に相同な最密配列(closest sequen ce)を示した。結果的に、ENA-2のCDRグラフト版は、グループ1ヒト抗体Euに基 づく。CDRグラフトENA-2の設計は、PCT/GB90/02017において同定された基準に従 った。VhおよびVlの両方のCDRを、Kabatら、(1987)(Sequences of proteins of immunological interest 第4版、Washington DC: United States,米国厚生省 )に従って定義した。EuにおけるCDR配列を、mENA-2の相当するCDR領域に改変し た。CDRグラフトVhについて、6のフレームワーク残基を、Met 48 Ile、Val67 A la(CDR2パッキング残基接触残基63)Ile 69 Leu、Glu 73 Lys(潜在的なCDR2接 触残基)、Ala93 Thr(Vh/Vl中間面残基)およびGly 94 Val(CDR3パッキング残 基)でmENA-2由来の相当する残基に改変した。さらに、Euにおける以下のフレー ムワーク残基を、ヒトのコンセンサス配列の残基に改変した(Glu 103Trp、Tyr1 04Gly、Asn105Gln、およびGly107Thr)。CDRグラフトVh遺伝子のDNA配列を図2a に示す。CDRグラフトL鎖の設計において、6つの改変をEuフレームワークに対 して行った(Met48Ile、Ser60Asp、Ile63Thr、Glu70Asp、Va111Ile Gly113 Arg )。これらの位置の全てにおいて、ENA-2フレームワーク残基は、Eu残基よりも ヒトVl抗体配列の典型である。 CDRグラフトENA-2 Vl遺伝子の配列を図2bに示す。CDRグラフト可変領域遺伝子 を、1pmolの各アセンブリオリゴヌクレオチドを用いるPCR(Daughertyら、(199 1)Nucl.Acids Res.19 2471-2476)により構築した(PCR条件;94℃1分、55 ℃1分、72℃1分、30サイクル)。CDRグラフトVhおよびVl遺伝子を、ベクターp MR011、pMR014、およびpMR10.1に挿入し、ヒトγ1H鎖ベクター、pENA212、γ4 H鎖ベクターpENA206、およびヒトκ鎖ベクターpENA204を作製した。pMR10.1は 、pMR15.1中のIg/ターミネーター配列を欠失したκL鎖ベクターである(図9) 。キメラENA-2抗体およびCDRグラフトENA-2抗体の一過性発現 H鎖およびL鎖遺伝子を、CHO-L761細胞(Cockettら、1991,Nucl.Acids Res. 19,319-325)において一過的に共発現させ、そして細胞上清をELISAにより、 アセンブリされた抗体についてアッセイした。 抗体収量を定量するためのアセンブリELISAには、ヤギF(ab')2抗ヒトIgGFcで コートしたマイクロウェルプレートを用いた。トランスフェクトされた培養上清 とのインキュベーション後、結合したキメラ抗体またはCDRグラフト抗体を、基 質としてテトラメチルベンジジン(TMB)を用いて、西洋ワサビペルオキシダー ゼ(HRP)結合マウス抗ヒトκ鎖抗体で可視化した。サンプル中のキメラ全抗体 またはCDRグラフト全抗体の濃度を、精製ヒトIgG4またはIgG1抗体標準の系列希 釈から生成した検量線から補間した。キメラENA-2抗体およびCDRグラフトENA-2抗体の精製および結合活性 組換え抗体を、Protein Aセファロースでアフィニティークロマトグラフィー により、細胞上清から精製した。抗原結合活性を、細胞ブロッキングおよび競合 アッセイの両方においてENA-2と比較した。細胞ブロッキングアッセイを以下の ように行った: 精製ヒト多形を、抗CD18抗体でプレインキュベートし、そして最小のインテグ リン結合に対して4℃まで冷却した。 細胞(4×105細胞/ウェル)を、ヒトE-セレクチの遺伝子でトランスフェクト したCHO細胞株に添加し、そして抗E-セレクチン抗体の存在下または非存在下で 4℃にて60分間インキュベートした。 細胞を洗浄し、非結合細胞を除去した。 接着した細胞を溶解し、そして多形中の内因性ミエロペルオキシダーゼ活性を 、TMBアッセイにおいて測定した。 競合結合アッセイを以下のように行った。 非ブロッキング抗E-セレクチン34.27を、0.1M NHCO3中でImmunosorp 96ウェル プレートにコートした(5μg/mlで、4℃にて一晩)。プレートを、1%BSAで ブロックし(1時間、室温)、次いでE-セレクチン由来のレクチン/EGFフラグメ ントを50ng/mlで添加した(PBS中100μl/ウェル、室温にて1時間)。次いで50 μlの試験サンプルを添加し、続いて50μlのビオチン化マウスENA-2全抗体を添 加した。アッセイを1時間室温で静置し、ストレプトアビジンペルオキシダーゼ を添加し、そしてさらに30分間、室温でインキュベートした。最後に、プレート を洗浄し、そして標準TMB試薬で発色させた。 両方のアッセイにおいて、キメラENA-2およびCDRグラフトENA-2は、マウス抗 体に対して同様の効力を示した。代表的なデータを図3および図4に示す。 マウスENA-2およびCDRグラフトENA-2の両方のE-セレクチンに対する親和性を 、BIAcore THバイオセンサ(Pharmacia)を用いて測定した。この機器は、小型 化液体送達と表面プラスモン(plasmon)応答に基づく光学検出系とを組み合わ せており、実時間のタンパク質相互作用をモニターする(Chaikenら、(1991)A nal.Biochem 201 197-210)。抗体を、センサー表面に同様の密度で固定化し、E -セレクチンのレクチン/EGFフラグメントを液相中の抗原として用いた。 両方の抗体のアッセイを、同一の希釈度の抗原を用いて、同時に行った。KD測 定を以下に示す。 この結果は、CDRグラフトENA-2は、マウス抗体の親和性の約70%を有すること を示す。ヒトγ4H鎖Fc変異体の構築および評価 Lundら、1991は、ヒトIgG3H鎖のCγ2ドメイン中のLeu235を、単核食細胞(Fc RI)における高親和性レセプターに対する抗体の結合に関係づけた。したがって 、Leu235をAlaまたはGluに改変することは、FcRI結合活性を劇的に減少する(そ れぞれ、約90%および100%まで)。FcRI結合活性を欠失したヒトIgG4の改変体 を作製するために、γ4H鎖中のLeu235を、PCR鎖重複手順(Ho,S.N.ら、1989) に よりAlaに改変した。変異原性オリゴヌクレオチドの配列を図5に示す。Alaは、 FcRIに結合しないヒトγ2中の235位に存在する。この比較的保存的な置換を、Ig G4抗体の免疫原性における変異の衝撃を最小化するために選択した。 L235A変異を含むCDRグラフトH鎖ベクター(pENA211)を構築し、そしてCHO L 761細胞中のCDRグラフトL鎖遺伝子と共に一過的に共発現させた。細胞上清から 精製した抗体を、FcRIを介する抗原結合および細胞結合の両方について評価した 。競合アッセイは、Fcの変化が、CDRグラフトENA-2の抗原結合活性に影響しない ことを示した。FcRIを発現するTHP1細胞およびFcRIを発現しないJY細胞(両方と もE-セレクチンを発現しない)に対するhENA-2の結合を、以下のようにhENA-2 I gG4 L235Aと比較した。細胞(5×106個/ml)を、10%ウシ胎児血清を含有する培 養培地中で、系列希釈したhENA-2 wtまたはhENA-2 L235A抗体のいずれかととも に室温で1時間インキュベートした。細胞を、リン酸緩衝化生理食塩水/1%ウ シ血清アルブミンで洗浄し、次いでさらに1時間室温で、蛍光標識したヤギ抗( ヒトIgG Fc)抗体とともにインキュベートした。細胞を洗浄して非結合抗体を除 去した後、細胞に対するFITC標識した抗体の結合を、FACScanアナライザー(Bec ton Dickinson)で検出した。図6に示した結果は、L235A変異が、hENA-2抗体由 来のFcRIにより仲介される細胞結合活性を除去したことを確認する。NSO細胞中のCDRグラフトENA-2抗体の発現 hENA-2(L235A)を、NSO細胞中で発現して、動物モデルにおける機能的な特徴 付けのための十分な量の抗体を産生した。細胞株を、グルタミンシンセターゼ選 択マーカーを用いて確立した(公開された国際特許第WO87/04462号を参照のこと )。2重遺伝子発現ベクターを、Not-Bam制限フラグメント上のCDRグラフトH鎖 遺伝子をCDRグラフトL鎖ベクターpENA204に挿入することにより構築し、プラス ミドpENA215を作製した(図7)。NSO細胞を、エレクトロポレーションによりト ランスフェクトし、組換え抗体を産生する細胞株を、グルタミン非含有培地を用 いて選択した。ヒトγ4ヒンジ変異体(S228P)の構築および発現 Angalら(1993)Molecular Immunol.30,105-108は、ヒトγ4キメラ抗体のヒ ンジにおけるSer 228を改変することが、天然のIgG4抗体の特性である半抗体分 子(half antibody molecule)の形成を妨害することを示した。それ故、hENA-2 L235A抗体の抗体異性度を減少するために、S228P改変を、分子に導入した。変 異誘発を、以下のプライマーを用いて、PCR鎖重複手順(HO SNら、1989)により 行った:− 得られたCDRグラフトH鎖を、NSO細胞にトランスフェクションするための2重 遺伝子ベクター中のCDRグラフトL鎖と結合した。細胞株が、懸濁培養物中に約4 00mg/Lの収量でhENA-2 L235A、S228P抗体を産生することを確立した。この抗体 の抗原結合特性は、hENA-2-wt抗体およびhENA-2 L235A抗体と区別がつかなかっ た。しかし、精製タンパク質のSDS PAGE分析により判断されるように、半抗体分 子の形成は、約10%〜1%未満に減少された。 CDRグラフトhENA-2H鎖ベクターはpENA216であり、そして2重遺伝子発現ベク ターはpENA217である(図7を参照のこと)。 図16は、E-セレクチンでトランスフェクトされたCHO細胞に対するヒトPMNの結 合における、hENA-2(L235A)およびhENA-2(L235A、S228P)の上記の誘導体の 影響を示す。方法は、ページ19〜20に上に記載されたようであった。MOPC-21を 、ネガティブコントロール抗体として用いる。実施例2 本発明者らは、ヒヒのサイトカインで誘導される炎症における、ENA-2 F(ab)'2 および十分に遺伝子操作したヒトhENA-2(L235A)変異体の影響を調査した。 組換えヒトIL-1α (rhIL-1)(0.1および1.0μg/部位)、および組換えヒトTNFα (rhTNF)(5μg/部位) の皮内の注射を、成体ヒヒに行った。注射を、予め決 定したランダムグリッドパターンに、直径8mmの皮膚バイオプシーパンチ(biop sy punch)で十分な厚さの皮膚バイオプシーを採取する2、4、または8時間前 に行った。各メディエータ(mediator)を、2回の時点で3つ組の部位に、0.1m lの注射として与えた。軽度の全身麻酔を、バイオプシーのために用いた。組織 を、ヘマトキシリンを有するフォルマリン固定パラフィンワックス組織学および エオシン染色のために処理するか、またはクリオスタット切片化(cryostat sec tioning)および免疫組織学的分析のために-70℃まで冷却した。処置が、循環血 液細胞に何らかの影響を有したかを決定するため、および抗体薬力学的分析のた めに、血液サンプルを採取した。コントロール動物に、等容量の静脈内生理食塩 水を与えた。 rhIL-1およびrhTNFの注射は、免疫組織化学的に検出されたようなE-セレクチ ンのアップレギュレーションおよび深皮への優性な好中球細胞性浸潤を引き起こ した。サイトカイン注射の前のENA-2 F(ab)'2(5mg/kg静脈内)での処置は、4時 間および8時間の両方で細胞応答を減弱した。この減少は、TNF注射部位におい て4時間の時点で有意であった(57% p<0.05)。遺伝子操作したヒト抗体hENA -2(L235A)(3.0mg/kg静脈内)を用いる第2の実験において、TNF注射部位について 2および4時間で有意であった細胞炎症における良好な減少がさらに存在した( それぞれ54%および45%、p<0.05)。IL-1注射部位における炎症の程度は、ENA -2およびhENA-2(L235A)の両方で処置した動物において減少したが、統計学的な 有意性には至らなかった。循環細胞において、いずれの抗体についても影響は見 られなかった。 結果を、図10〜13に示す。 これは、中和イソタイプの全抗体が、炎症部位で白血球溢出を阻害するために 用いられ得ることを示す。この抗体は、長期の循環半減期を有し、そして以下に 記載されるように測定した処置後56日目の循環系においてもなお検出され得た( 図14)。hENA2(L235A)細胞に基づくアッセイ 目的 Abの薬物動態学を研究するために、ヒヒ血漿サンプルにおけるhENA2(L235A)の レベルを測定すること 原理 E-セレクチン-トランスフェクトCHO細胞を96ウェル組織培養プレートにおいて成 育させる。ヒヒ血漿中のhENA2(L235A)は、細胞表面で発現されたE-セレクチン に結合し、そしてマウス抗ヒトIgG4-HRPおよびTMBとともに可視化される。 試薬 Falcon Microtest III 組織培養プレート、E-セレクチン-トランスフェクトCHO 、CB2 DMEM Base+10%透析FCS(組織培養培地)、マウス抗ヒトIgG4-HRP、Sero tec MCA517P、DulbeccoのPBS、PBS/1%BSA、NMS、Serotec C11SB、TMB基質。 スタンダードおよびIAC調製、標準曲線 hENA2を希釈して、250ng/mlのトップ標準を与えた。1%BSA/PBS中に2倍に希釈 して125、62.5、31.25、15.6、7.8、および3.9ng/ml(+0)を与えた。-70℃に て0.5mlのアリコート中に保存した。 IAC's コントロールを、1%BSA/PBS中、60、25、および7.5ng/ml hENA2(L235A)で作 製した。-70℃にて0.5mlのアリコート中に保存した。 サンプル調製: サンプルを、ELISAのために、下位1:10,000〜1:10までの範囲の希釈度で1%BSA /PBS中に希釈した。 プロトコル: 1.CHOを、組織培養培地(100μl/ウェル)中、105個/mlでの組織培養プレート に播種した。各々のプレートの中央の60ウェルのみを用いた。 2.単層が得られるまで、細胞を、アッセイ前の48時間、集密するように増殖さ せた。 3.培地を、多チャンネルピペットで除去し、そして細胞を100μl/ウェルPBS( 再び多チャンネルを用いる)で1回洗浄した。 4.細胞を、30分間、室温で、撹拌しながら、1%BSA/PBSでブロックした。 5.プレートを、100μl/ウェルPBSで(多チャンネルを用いて)2回洗浄した。 6.50μl/ウェル1%BSA/2%NMS/PBSを添加した。 7.50μl/ウェル標準/IAC/サンプルを、適切に添加した。 8.プレートを、1時間、室温で、穏やかに撹拌しながらインキュベートした。 PBSで2回洗浄した。 9.MαHulgG4-HRPを1:2000に希釈し、100μl/ウェルを添加した。 10.30分間、室温で、穏やかに振盪しながら、インキュベートした。その後、PB Sで2回洗浄した。 11.100μlのTMB基質/ウェルを添加し、そして吸光度を630nmで読みとった。 注意 多チャンネルピペットを用いて、細胞を洗浄し、そして各試薬に添加し て、プレートを穏やかに振盪した、これらは、タップ乾燥しておらず、そして各 段階でPBSで2回の洗浄のみを行った。これらの予防処置を用いて、細胞がプレ ートから除去されることを回避した。実施例3 遺伝子操作したヒト抗E-セレクチン抗体(すなわち、hENA-2、L235A、S228Pγ4 イソタイプ)(この生産は、実施例1に記載されている)は、ヒトE-セレクチ ンを認識し、そして適切な条件下では、活性化された内皮細胞に対するPMN接着 を防止する。抗体が、インビボ設定でヒト皮膚への白血球の移動を阻害し得るか を確認するために、SCIDマウスに移植したヒト皮膚を用いるモデルが利用されて きた。このモデルは、Yanら(J.Clin Invest.91 986-996 (1993))により最初 に報告され、その後マウスの抗ヒトE-セレクチン抗体が、白血球の通行を阻害し 得ることを示すために用いられている(Yanら(J.Immunol 152 3053 (1994))。 このモデルにおいて、マウス白血球(主としてPMN)は、注射されたサイトカイ ンに応じて、ヒト内皮細胞を経由して、ヒト皮膚中に移動する。方法 麻酔の後、6〜8週齢SCIDマウス(Wistar Instituteより購入)を、外側の腹 部の領域の両側面の5cm2範囲から剪毛することにより、移植のために調製した 。直径約1.5cmの2つの円形移植片ベッドを、筋膜の下方の全層皮膚を除去する ことにより剪毛した領域に作製した。全層ヒト皮膚移植片を、創傷ベッドに配置 し、そして6-0の非吸収性単繊維縫合物質で配置を保持した。ヒト皮膚は、選 択的な環状切除に由来する新生児の包皮、または形成外科術の間に取り出された 正常な成人の皮膚からなった。各実験マウスに、生理食塩水中の50μgの抗E-セ レクチンAb静脈内注射を与えた。コントロール動物には、静脈内注射を与えなか った。次いで各動物の左側における移植片に、少量のBSAおよび注射部位を同定 するためのコロイド状の炭素を含有する50μlの通常の生理食塩水を注射した。 右の移植片に、少量のコロイド状の炭素を含有する通常の生理食塩水50μl中の6 000単位のヒト組換えTNFαを注射した。4時間後、動物を屠殺し、そして皮膚切 片を取り出し、そして液体窒素中に保存した。免疫組織学を、標準的な技術、な らびに抗マウスMac-1で染色した切片、抗ヒトPECAM-1、および抗ヒトICAM-1を用 いて実施した。これは、マウスのPMDの浸潤の同定を可能にし、およびヒト組織 内の血管が並ぶヒト内皮細胞の存在を確認した。ICAM染色を、TNFの注射により 炎症応答が刺激されたことを決定するためのコントロールとして用いた。TNF注 射後の基底ケラチノサイトにおいてアップレギュレートされたICAM-1発現を示さ ない動物を、研究から排除した。さらなるコントロールとして生理食塩水を注射 した移植片を、浸潤白血球について試験した。動物のパーセンテージは、サイト カイン注射の非存在下でさえ、高レベルの浸潤白血球を示す。これは、移植片の 進行中の拒絶反応を示し得る。生理食塩水注射した移植片において100白血球/mm2 よりも多い動物を、研究から排除した。 複数の切片(4〜6つ)を、各々の皮膚バイオプシーの中央から切り取り、そ して無作為に選択した3〜6つの100倍顕微鏡範囲を調査し、浸潤白血球の数を カウントした。 総数14の動物が研究に含まれたが、4匹を排除した。なぜなら、これらの動物 のTNF注射部位は、TNF注射部位の基底ケラチノサイトにおいてICAM-1アップレギ ュレーションを示さなかったからである。さらに1匹の動物を研究から排除した 。なぜなら、生理食塩水注射移植片において浸潤白血球が高レベルであったため で 処置を与えなかった。実施例4 hENA-2(L235A、S228P)−補体依存性溶解 方法 ヒト経皮微小血管内皮細胞 (HMVECS)(Clonetics) を、ウェル当たり5×103細 胞で、96ウェルマイクロタイタープレートに播種し、そしてEndothelial Growth 培地 (EGM)(Clonetics) 中で培養した。播種の5日後、細胞を37℃にて1晩、ウ ェル当たり50Kbqの51Chromiumで標識した。次いで、細胞をEGM中で洗浄し、そし て6時間37℃にてEGM中で20ng/mlのヒトTNFα(R&D Systems)で処置し、E-セレ クチンをアップレギュレートした。プレートを、1%FCSを含有するDulbeccoの 改変eagle培地(DMEM)中で5回洗浄した。次いで試験サンプルを、適切なウェ ルに添加した。モノクローナル抗体(W6/32、マウス抗ヒトClassI;hENA-2(L235 A)およびhENA-2(L235A、S228P)抗ヒトE-セレクチン)を添加し、DMEM+1%FC S中に10μg/mlの最終濃度にした。ウサギ補体(製造業者の推奨に従って、再構 築された)を添加し、DMEM+1%FCS中に12.5%の最終濃度にした。適切な場合 、補体を56℃にて35分間熱失活させた。最大溶解を、10%ドデシル硫酸ナトリウ ム(SDS)を添加することにより測定した。1時間後、100μlの上清を、各ウェ ルから収集し、そしてのCPMにおける51Chromiumの遊離をγカウンターで測定し た。結果は、6つ組の平均であった。結果を図17に示す。結果 hENA-2(L235A S228P)およびhENA-2(L235A)のいずれも、マウスモノクロー ナル抗体W6/32が溶解を引き起こす条件下で、ヒト微小血管内皮細胞の補体依存 性溶解を仲介しない。実施例5 実験を実施し、内皮細胞完全性におけるhENA-2(L235A)の影響を決定した。 結果を図18に示す。これは、サイトカイン(TNF-α、5.0μg;2時間)誘導性炎 症を有するヒヒ皮膚のバイオプシーをヘモトキシリン(haemotoxylin)染色およ びエオシン染色した切片の顕微鏡写真(×1890)を示す。上部の顕微鏡写真は、 会合したPMN浸潤を有する生理食塩水処理した動物に由来する内皮を示し、一方 、下部の顕微鏡写真は、1つのみのまたは2つの会合したPMNを有するhENA-2 (L 235A)(3mg/kg) で処置した動物由来の内皮を示す。内皮完全性における識別可 能な差異が、2つの処置間で見られ得る。実施例6 図19は、ヒトE-セレクチンでトランスフェクトされたCHO細胞に対するヒト好 中球の結合の阻害を示す。実験は、実施例1に記載のように実施した。図は、多 くのイソタイプと相互作用するFcレセプターを有するドナー由来の好中球結合に 対する異なる型のENA-2の影響を示す。結合は、マウスのγ1抗体である全ての マウスの親(ENA-2 IG)により部分的にのみ阻害される。結合は、結合のほとん どが、Fc相互作用により引き起こされる同一抗体のF(ab')2により阻害され得る 。キメラENA-2抗体は、hENA-2に見出されるFc領域を有する完全長の抗体である 。この抗体は、明らかにこのドナーのFcレセプターと相互作用せす、そしてF(ab ')2フラグメントとほぼ同じようにブロックする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ロビンソン, マーティン キム イギリス国 エスエル1 4イーエヌ バ ークシャー, スロー,バス ロード 216

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.E-セレクチンに対して特異性を有する抗体であって、該抗体は中和イソタイ プの全抗体であることを特徴とする、抗体。 2.前記抗体のFc領域中の1以上のアミノ酸残基が、天然に存在する配列中のア ミノ酸残基から改変されている、請求項1に記載の抗体。 3.CH2ドメイン中の235位の残基を含む前記抗体のFc領域中の1以上のアミノ酸 残基が、天然に存在する配列中のアミノ酸残基から改変されている、請求項2に 記載の抗体。 4.H鎖のCH2ドメイン中の235位のロイシン残基がアラニン残基に改変されてい る、請求項3に記載の抗体。 5.ヒトγ4イソタイプを有する、前記請求項のいずれかに記載の抗体。 6.ヒンジ領域の228位のセリン残基がプロリン残基に改変されている、請求項 5に記載の抗体。 7.前記抗体が遺伝子操作ヒト抗体である、請求項1〜6のいずれかに記載の抗 体。 8.前記抗体が抗原結合部位を有し、少なくとも1つの可変領域の相補性決定領 域が非ヒトモノクローナル抗体に由来し、そして遺伝子操作ヒト抗体分子の残り の免疫グロブリン由来部分がヒト免疫グロブリン由来である、請求項7に記載の 抗体。 9.前記非ヒト抗体がENA-2である、請求項8に記載の抗体。 10.E-セレクチンに対して特異性を有する抗体の産生のためのプロセスであっ て、該抗体は中和イソタイプの全抗体であることを特徴とし、該プロセスは: a) 抗体のH鎖またはL鎖をコードするDNA配列を有するオペロンを発現ベク ター中で産生する工程; b) 相補的な抗体のH鎖またはL鎖をコードするDNA配列を有するオペロンを 発現ベクター中で産生する工程; c) 宿主細胞を両方のオペロンでトランスフェクトする工程;および d) トランスフェクトした細胞株を培養して抗体を産生する工程 を包含する、プロセス。 11.前記オペロンの一方が可変ドメインを含む抗体のH鎖またはL鎖をコード するDNA配列を有し、ここで少なくとも1つの該可変ドメインのCDRは非ヒト免疫 グロブリンに由来し、および該抗体鎖の残りの免疫グロブリン由来部分はヒト免 疫グロブリンに由来し、ならびに前記他方のオペロンは可変ドメインを含む相補 的な抗体のL鎖またはH鎖をコードするDNA配列を有し、ここで少なくとも1つ の該可変ドメインのCDRは非ヒト免疫グロブリンに由来し、および該抗体鎖の残 りの免疫グロブリン由来部分はヒト免疫グロブリンに由来する、請求項10に記 載のプロセス。 12.少なくとも1つの前記オペロンが抗体のH鎖をコードするDNA配列を有し 、ここで該抗体のFc領域中の1つ以上のアミノ酸残基が天然に存在する配列中の アミノ酸残基から改変されている、請求項10または11に記載のプロセス。 13.少なくとも1つの前記オペロンが抗体のH鎖をコードするDNA配列を有し 、ここでCH2ドメイン中の235位の残基を含む該抗体のFc領域中の1つ以上のアミ ノ酸配列が天然に存在する配列中のアミノ酸残基から改変されている、請求項1 2に記載のプロセス。 14.E-セレクチンのレクチンまたはEGFドメインを認識する、請求項1に記載 の抗体。 15.インビトロアッセイにおいて、E-セレクチンに対するヒト好中球の結合を 80%よりも多くブロックする、請求項14に記載の抗体。 16.hENA-2(L235A,S228P)である、請求項14または15に記載の抗体。
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