JPH06237703A - 鶏用飼料 - Google Patents

鶏用飼料

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JPH06237703A
JPH06237703A JP5029270A JP2927093A JPH06237703A JP H06237703 A JPH06237703 A JP H06237703A JP 5029270 A JP5029270 A JP 5029270A JP 2927093 A JP2927093 A JP 2927093A JP H06237703 A JPH06237703 A JP H06237703A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 産卵率を低下させることなく、エイコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸を通常より多く含む鶏卵
を生産でき、もって、エイコサペンタエン酸、ドコサヘ
キサエン酸を通常より多く含む鶏卵を安価に提供できる
鶏用飼料を提供する。 【構成】 エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸
を含有する粉末を1.5%鶏用飼料に混ぜ、鶏に給餌す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鶏用飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪酸の一種である、エイコサペンタエ
ン酸(以下、単に「EPA」という。)、ドコサヘキサ
エン酸(以下、単に「DHA」という。)は人体内で悪
玉コレステロールを減少させる等の効能があることは知
られている。このEPAやDHAは青魚の皮と肉との間
や内臓などに多く含まれ、これらから抽出したEPA、
DHAを液体脂肪中に添加した液状EPA、DHAが製
造されている。この液状のEPA、DHAを鶏用飼料を
撹拌しながら噴霧することで該飼料に混合して鶏に与
え、もって、EPA、DHAを通常より多く含有する鶏
卵を生産することができる。このようにして、人体のコ
レステロール減少効果等の高い鶏卵を提供することがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液状のEP
A、DHAを鶏用飼料に混合して鶏に与え続けると、鶏
の産卵率が低下してしまう。従って、EPA、DHAを
通常より多く含有する鶏卵の生産を高価なものとしてし
まう。かかる産卵率の低下は、液状EPA、DHAの組
成が大部分脂肪であることから、液状EPA、DHAを
混ぜた飼料を鶏体に摂取させることは大量の脂肪を不必
要に摂取させることとなって、飼料の栄養バランスが崩
れ、鶏体に負担をかけることにより起こるのではないか
とも考えられる。
【0004】また、液状EPA、DHAは酸化が非常に
はやく、その養鶏所内での管理は厳重でなければならな
いから多くの手間暇を要する。同様に酸化のしやすさか
ら液状EPA、DHAを混ぜた飼料を一度に大量に作っ
て養鶏所内に保存しておくこともできない。このよう
に、液状EPA、DHAを混合した飼料では、空気に触
れぬよう厳重に管理した液状EPA、DHAから必要分
を取り出し、すぐに給飼する予定分のわずかな飼料に混
ぜて鶏に与え、残りの液状EPA、DHAはまた厳重に
保管するという作業を繰り返さなければならず、効率
的、経済的な養鶏所の運営には大きな支障となる。この
点でも鶏卵を大変高価なものとしてしまう。
【0005】本発明は、かかる課題を解決せんとするも
ので、EPA、DHAを通常より多く含有する鶏卵を安
価に生産できる鶏用飼料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めの本発明の要旨は、EPA、DHAのうち少なくとも
一方を含有する粉末を混入してなる鶏用飼料にある。
【0007】
【作用】すなわち、従来の液状EPA、DHAではな
く、EPA、DHAを含有する粉末を飼料に混ぜて鶏に
与えた場合には、産卵率が低下しないことを本発明者は
比較実験により確かめた。
【0008】
【実施例】以下、本発明の効果を検証するため行った実
験を中心に、本発明に関する一実施例について説明す
る。本発明者の行った実験は、EPA、DHAを含有す
る粉末を混ぜた鶏用飼料(以下、飼料Aという。)を与
えた鶏のグループ(以下、Aグループという。)と従来
の液状EPA、DHAを混ぜた鶏用飼料(以下、飼料B
という。)を与えた鶏のグループ(以下、Bグループと
いう。)との間で産卵率などを比較対象実験したもので
ある。
【0009】まず、使用する飼料A、飼料Bの組成につ
いてであるが、これについては、以下の表に示した。飼
料A、Bとも、同一の従来の一般的な鶏用飼料に、EP
A、DHAを含有する粉末、液状EPA、DHA(魚油
エステル)をそれぞれ1.5wt%づつ混ぜたものである。
飼料Aに混入したEPA、DHAを含有する粉末として
は、日清製粉(株)の製品(「オメガ3」の商標で販
売。)を使用した。なお、表2に示したEPA量、DH
A量は、同表に示す粗脂肪量に対するパーセンテージで
示している。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】実験は、本出願人所有の鶏舎において、平
成3年10月1日から同29日までの29日間にわたっ
て行った。実験に用いた鶏の鶏種はイサブラウン(赤玉
とよばれる褐色の卵を産卵する。)で、平成3年10月
1日において250日令(孵化してから250日目であ
ることを意味する。)の鶏をAグループ、Bグループそ
れぞれ600羽用意し、Aグループ、Bグループとも同
一鶏舎内の同種ケージ(間口45cm×奥行き30cm×高さ45
cm)内に3羽づつ収容して飼育した。給餌は、Aグルー
プには飼料Aを、Bグループには飼料Bを、それぞれ毎
日1回午後2時に手撒きによって行った。また、給水は
水トイ方式で常時新鮮な水が飲める状態とした。
【0015】このような条件下でAグループ、Bグルー
プそれぞれの羽数、産卵数(通常、鶏は午前中に産卵を
終了するので、毎日午後4時に集卵し、各グループそれ
ぞれの集卵数を産卵数とする。)、卵重(各グループご
との産卵の卵一個あたりにおける平均重量。)、産卵率
(各グループごとの産卵数を羽数で割った数値。)を毎
日記録し、また、一週間ごとに食下量(毎日の給餌量
と、その残量から計算した、各グループごとの、鶏一羽
が一日に摂取した飼料の平均重量を各週ごとに算出した
量。)を記録した。
【0016】かかる実験の結果は図2のとおりであり、
該結果から、各グループごとの日令と産卵率との関係を
グラフにしたのが、図1である。同図に明らかなよう
に、飼料Aを与えて飼育したグループAの鶏の方は産卵
率がほぼ一定であるのに対し、飼料Bを与えて飼育した
グループBの鶏は、産卵率が顕著に低下しているのがわ
かる。このような、産卵率の低下は、前述のとおり、液
状EPA、DHAの組成が大部分脂肪であることから、
液状EPA、DHAを混ぜた飼料を鶏体に摂取させるこ
とは大量の脂肪を不必要に摂取させることとなって、飼
料の栄養バランスが崩れ、鶏体に負担を書ける結果、起
こるのではないかと考えられる。
【0017】また、イサブラウンで得られる鶏卵の卵殻
は褐色であるが、Bグループの鶏卵は、実験がすすむに
つれて、一見して卵殻色の薄い色のものが多くなり、実
験期間終了まぎわにおいては、ほぼ8割程度の鶏卵の卵
殻色にこのような異常がみられた。これに対し、Aグル
ープの鶏卵においては、かかる卵殻色の変化はみられな
かった。このような卵殻色の変化はBグループの鶏の鶏
体に負担がかかっていることの証左と考えられる。しか
し、卵殻色の変化は視覚で確認したものであって、計量
化はできない。
【0018】
【発明の効果】以上説明した本実施例の鶏用飼料によれ
ば、上述の通り、産卵率を低下させることなく、EP
A、DHAが通常の飼料より多く含まれる飼料を鶏に摂
取させて、もって、EPA、DHAが通常の鶏卵より多
く含まれる鶏卵を生産することができ、これにより、E
PA、DHAが通常の鶏卵より多く含まれる鶏卵を安価
に生産することができる。
【0019】また、粉末の方が液状のものよりはるかに
酸化しにくいため、EPA、DHAを含んだ鶏用飼料を
大量に養鶏所内に作りだめしておくことができ、効率
的、経済的な養鶏所運営ができる。よって、この点で
も、液状EPA、DHAを用いた場合よりEPA、DH
Aを通常より多く含んだ鶏卵を安価に生産することに寄
与する。
【0020】さらに、液状のEPA、DHAでは、均等
に飼料に混ぜることが困難なため、鶏に与えられること
になるEPA、DHAの分量も大きなバラツキが生じ
る。よって、生産される鶏卵に含まれるEPA、DHA
の濃度も大きなバラツキを生じてしまう。これに対し、
粉末のEPA、DHAなら、均一に飼料に混合すること
ができるので、液状EPA、DHAを用いる場合より均
一な量のEPA、DHAが鶏体に摂取され鶏卵中のEP
A、DHA濃度をより均一化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である比較対象実験の日令と
産卵率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例である比較対象実験の結果を
示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエ
    ン酸のうち少なくとも一方を含有する粉末を混入してな
    る鶏用飼料。
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