JPH06237018A - 熱電変換材料の製造方法 - Google Patents

熱電変換材料の製造方法

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JPH06237018A
JPH06237018A JP5021453A JP2145393A JPH06237018A JP H06237018 A JPH06237018 A JP H06237018A JP 5021453 A JP5021453 A JP 5021453A JP 2145393 A JP2145393 A JP 2145393A JP H06237018 A JPH06237018 A JP H06237018A
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JP
Japan
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density
pressure
gpa
molded body
mechanical strength
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Pending
Application number
JP5021453A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Nakamura
和史 中村
Keiichi Miura
啓一 三浦
Kenji Morikawa
謙二 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Onoda Cement Co Ltd
Original Assignee
Onoda Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスマス、テルルの少なくとも一方を含む2
種以上の原料を溶融、攪拌した後冷却し、得られたイン
ゴットを粉砕し、粒度調整した粉末を、0.5GPa以
上の加圧と同時に加熱するか、又は0.5GPa以上に
加圧後加熱することを特徴とする熱電変換材料の製造方
法。 【効果】 焼結工程を行うことなく、高密度で機械的強
度が高く、熱電性能にも優れた熱電変換材料を製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結工程を行うことな
く高密度で機械的強度が高く、熱電性能にも優れた熱電
変換材料を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱電変
換材料は材料組成の違いにより最高特性を有する温度域
が異なるため、使用温度により最適な材料を選択する必
要がある。例えば、500℃以上の高温域ではシリコン
・ゲルマニウム系材料が、200〜500℃の中温域で
はテルル化鉛系材料が、そして200℃以下の低温域で
はビスマス・テルル系材料が、それぞれ最適であるとさ
れている。現在、シリコン・ゲルマニウム系材料やテル
ル化鉛系材料は主に宇宙発電用に、ビスマス・テルル系
材料は電子冷却及び精密温度制御に用いられている。特
に、ビスマス・テルル系材料は、最近、赤外線検出器、
半導体レーザーや光ファイバー分野での恒温制御などに
向けての応用研究が急速に進められている。
【0003】ビスマス・テルル化合物の結晶構造は、空
間群D5 3h−R3mに属する菱面体で、一般に六方晶系
として表わされる。これらの化合物はc軸に沿って、テ
ルル−テルル又はセレン−セレンのファン・ディア・ワ
ールス結合を有し、c面で劈開を生ずるため機械的強度
が低い。また一方、熱電特性においては、ゼーベック係
数(α)はa軸方向がc軸方向の1.1倍、比抵抗
(ρ)は0.3倍、熱伝導率(κ)は1.8倍であり性
能指数Z(=α2・ρ-1・κ-1)で比較するとa軸方向
(c面に沿った方向)がc軸方向(c面に垂直な方向)
の約2.24倍である。即ち、高い熱電性能を有する材
料を得るには、c面配向性を高くし、a軸方向に電流が
流れ易いようにしなければならない。このため、従来
は、均質な溶融状態のビスマス・テルル系化合物を冷却
する際に、c面配向するように結晶方位を揃えながら凝
固させる一方向凝固法が用いられている。この方法で得
られたインゴットは、溶製材と呼ばれ、c面配向により
高い熱電性能を有する反面、劈開も顕著となり機械的強
度が低いのでこのインゴットから熱電素子を得るための
スライシング、ダイシング工程等での歩留りが非常に低
かった。
【0004】そこで最近では、機械的強度を高めるため
に、インゴットを粉砕・粒度調整後、50〜400MP
aの圧力で加圧成形し焼結する粉末冶金法が用いられる
ようになった。この方法により得られた焼結体は、粒度
調整された微細粒子の緻密集合体であり機械的強度が高
いため、加工時の歩留りが大幅に向上し、加圧方向に対
して垂直方向にc面配向が生じ、さらに、粒界効果によ
り熱伝導度が低下したため熱電性能は溶製材に匹敵する
ものが得られている。
【0005】しかしながら、この粉末治金法では焼結
時、高温において成分の昇華が起こり易く、そのために
焼結体に空孔が生じ、機械的強度の低下及びキャリア濃
度変化に伴う熱電性能の低下が生じ易いという問題があ
った。また、焼結により生じた粒成長に起因する機械的
強度の低下及び不均一粒界によるキャリア濃度分布の不
均一が生じる場合もあった。これらは、熱電変換材料の
諸特性の制御、安定化及び信頼性において大きな問題と
なっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、加圧成形工程で0.
5GPa以上で高圧成形を行い、これと同時又はその後
加熱処理すれば、焼結工程を行うことなく高密度で機械
的強度が高く、熱電性能にも優れた熱電 変換材料が得
られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、ビスマス、テルルの少な
くとも一方を含む2種以上の原料を溶融、攪拌した後冷
却し、得られたインゴットを粉砕し、粒度調整した粉末
を、0.5GPa以上の加圧と同時に加熱するか、又は
0.5GPa以上に加圧後加熱することを特徴とする熱
電変換材料の製造方法を提供するものである。
【0008】本発明で用いられる原料は、ビスマス、テ
ルルの少なくとも一方を含むものであり、これら以外に
セレン、アンチモン等を含んでいてもよい。特に好まし
い組み合せとしてはテルル−ビスマス、セレン−ビスマ
ス、テルル−アンチモン等が挙げられる。また、ドーパ
ントとして、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、スズ、鉛
等のIV属原子等を極微量添加するのが好ましい。これら
の原料は、通常の方法に従って溶融、攪拌し、その後凝
固点以下に急冷して凝固させ、インゴットを得る。得ら
れたインゴットは、ローラミル、スタンプミル、ボール
ミル等で粉砕し、篩などを用いて粒度を調整する。
【0009】粒度調整した粉末は、0.5GPa以上、
好ましくは0.5〜3GPaで加圧して成形する。加圧
方式としては、一軸加圧が好ましい。また高圧発生装置
としては、ダイス鋼又は超硬合金製ピストン・シリンダ
ー型、ガードル型、ベルト型、ブリッジマン型等が用い
られる。特に配向性向上を意識した場合、加圧時に試料
に流れが生じ易いガードル型、ベルト型、ブリッジマン
型を用いるのが好ましい。従来の焼結工程を含む粉末冶
金法の成形圧力は50〜400MPaであるのに対し、
本発明においては0.5GPa以上の高圧で成形するこ
とにより、成形体密度が理論密度の95%以上となり、
高密度の成形体を得ることができる。0.5GPa未満
では高密度の成形体が得られず、3GPaを超えると、
高圧発生装置のランニングコスト等の問題や、加圧方向
に対して垂直にラミネーションが生じ、剥離しやすくな
るので好ましくない。
【0010】本発明においては、0.5GPa以上の高
圧で加圧成形することにより発生した粒子内部及び粒界
の歪みを除去するため、加熱処理を行うことが必要であ
る。加熱は成形体が焼結しない温度で行われる。また、
加熱は加圧と同時か、又は加圧後のいずれに行ってもよ
く、加圧と同時に加熱する場合には100〜300℃、
加圧後に加熱する場合には100〜350℃で行うのが
好ましい。また、加熱処理は、加熱による材料の酸化等
の組成変化を避けるために、真空、不活性ガスもしくは
還元ガス雰囲気で行うのが好ましい。
【0011】本発明においては、このように0.5GP
a以上での加圧を行うことにより、従来行っていた焼結
工程が不要である。例えばビスマス−テルル系材料の場
合、最低でも380℃以上の高温で焼結せしめることが
必要とされていたが、本発明は、焼結しない温度、好ま
しくは100〜350℃での加熱で足りるので、工業的
にも有利である。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、焼結工程を行うことな
く、高密度で機械的強度が高く、熱電性能にも優れた熱
電変換材料を製造することができる。
【0013】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0014】実施例1 純度99.99%のビスマス、テルル及びセレンを、B
2Te2.85Se0.15になるように秤量し、さらにキャ
リア濃度が1×1024/m3になるように極微量の二臭
化水銀をドーパントとして添加、混合した後、260mm
Hgのアルゴン雰囲気の石英管に封入し、これを、650
℃で加熱、溶融し、6時間攪拌する。その後、凝固点以
下の500℃まで急冷し、凝固させた。このようにして
得られたインゴットを、ボールミルで粉砕し、篩で74
〜297μmの粒度に調製した。この粉末を、水素中、
300℃で約6時間の熱処理を行った。得られた粉末
を、ベルト型高圧装置を用いて、1GPaの加圧と同時
に300℃に加熱し、保持時間30分で一軸加圧・加熱
処理を行い、高密度成形体を得た。得られた高密度成形
体の密度は、理論密度の98%であり、また、比抵抗、
ゼーベック係数、熱伝導率、パワーファクタ、性能指数
等も優れたものであった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス、テルルの少なくとも一方を含
    む2種以上の原料を溶融、攪拌した後冷却し、得られた
    インゴットを粉砕し、粒度調整した粉末を、0.5GP
    a以上の加圧と同時に加熱するか、又は0.5GPa以
    上に加圧後加熱することを特徴とする熱電変換材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 0.5GPa以上の加圧と同時に100
    〜300℃に加熱するか、0.5GPa以上に加圧後1
    00〜350℃に加熱することを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
JP5021453A 1993-02-09 1993-02-09 熱電変換材料の製造方法 Pending JPH06237018A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004049464A1 (ja) * 2002-11-28 2004-06-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 熱電材料及びその製造方法

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004049464A1 (ja) * 2002-11-28 2004-06-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 熱電材料及びその製造方法
JPWO2004049464A1 (ja) * 2002-11-28 2006-03-30 住友電気工業株式会社 熱電材料及びその製造方法
JP4569298B2 (ja) * 2002-11-28 2010-10-27 住友電気工業株式会社 熱電材料

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