JP3278140B2 - 熱電半導体材料およびその製造方法 - Google Patents
熱電半導体材料およびその製造方法Info
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱電半導体材料および
その製造方法に関する。 【0002】 【従来技術およびその問題点】ペルチェ効果、あるいは
エッチングスハウゼン効果を利用した電子冷却素子、あ
るいはゼーベック効果を利用した熱電発電素子は、構造
が簡単でかつ取扱いが容易で安定な特性を維持できるこ
とから、広範囲にわたる利用が注目されている。 【0003】ところで、従来、超電導素子の冷却には極
低温が必要であるため液体ヘリウムによる冷却しか方法
がなく、冷却コストおよび使用場所等の面で制限が多か
った。ところが最近、超電導材料の目ざましい発達によ
り臨界温度の高いものが得られるようになり、必要温度
が上昇し、電子冷却素子による冷却で、超電導素子を駆
動できるようになってきている。 【0004】この電子冷却に用いる熱電材料のうちn型
半導体として用いられる代表的なものに、テルル化ビス
マス(Bi2Te3)に5モル%のセレン化ビスマス(Bi2
Se3)を添加すると共に電子濃度の調整のための不純物
を添加した溶液に、温度勾配を与えながら溶液全体の温
度を除々に引き下げるいわゆるノーマルフリージング法
により形成される単結晶インゴットもしくは結晶粒径の
大きい多結晶インゴットがある。 【0005】ところで、熱電材料の良否は、物質固有の
定数である熱起電力αと電気伝導率σと熱伝導率Kによ
って表わされる性能指数Z(=α2σ/K)の大小で決
まる。 【0006】すなわち、Zが大きいほど性能が良いわけ
であるが、テルル化ビスマス(Bi2Te3),セレン化ビ
スマス(Bi2Se3)および両者の固溶体について多くの
研究報告例が発表されている。その一例を図3(a)お
よび(b)に示す。この図からも明らかなように、テル
ル化ビスマスとセレン化ビスマスのモル比が80:20
ないし75:25のとき熱伝導率Kが最小となりα2σ
および自由電子の質量に対する電子の有効質量の比m*
/mが大きくなる。これは、テルル化ビスマス、セレン
化ビスマス両者の結晶対称性が同じで格子定数がわずか
に異なることにより、固溶体にすると結晶にわずかな歪
が生じ、それによってフォノンの散乱、電子の有効質量
m*の変化が生じるためと考えられている。 【0007】しかしながら、図4に示す如く固溶体の状
態図から明らかなように、セレン化ビスマスの含有率を
高めると偏析が起り、一本の単結晶インゴットの中で目
的とする組成の部分はごくわずかしか得られないという
問題があった。現在の技術では、セレン化ビスマスの含
有率を5%以上にしたものを工業製品として得るのは不
可能な状態であった。 【0008】更に、テルル化ビスマス、セレン化ビスマ
スの結晶は著しい劈開性を有しており、インゴットから
熱電素子を得るためのスライシング、ダイシング工程等
を経ると、割れや欠けの為に歩留りが極めて低くなるこ
とが実用化をはばむ大きな問題となっていた。 【0009】一方、結晶としてではなく、粉末焼結体と
して用いると劈開性の問題はなくなるが、焼結密度が上
がらず、半田付けを行なうと内部に半田がしみ込み性能
低下を引き起こすという問題がある。 【0010】更に、粉末の場合、ドーピング制御が困難
であり一定量の不純物を添加してもキャリア濃度が一定
にならないという問題があった。 【0011】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、ドーピング制御が容易で製造歩留りの高い熱電半導
体材料を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】そこで本発明では、粒径
の均一なテルル化ビスマス−セレン化ビスマス固溶体粉
末からなる粉末焼結体によって熱電半導体材料を構成し
ている。 【0013】また、本発明の方法では、目的とする組成
となるようにビスマス、テルル、セレンを加熱溶融せし
めた後、急冷してインゴットを形成してこれを粉砕し、
粒径を揃えた後、加圧焼結するようにしている。 【0014】 【作用】本発明では、単結晶ではなく、粉末焼結体で構
成されているため、組成比を自由に選択でき、性能指数
Zの高いものを得ることができる。又粒径を揃えること
により、ドーピング制御が容易となる。これは、粒径が
揃うと粒界の分布も均一となり、粒界から発生すると考
えられる電子も一定となるため、電子濃度の再現性もよ
くなるものと考えられる。 【0015】また、粒径を揃えることにより、焼結密度
が上がり、半田付工程においても半田のしみ込みによる
性能低下もない。 【0016】加えて、単結晶あるいは多結晶のインゴッ
トをそのまま用いた場合らに比べ、割れ等による製造歩
留りの低下も大幅に低減される。 【0017】 【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ詳細に説明する。 【0018】まず、ビスマスBi 313.50g、テルルT
e 272.77g、セレンSe 8.883gを秤量し、更にキャ
リア濃度を調整するためにヨウ化アンチモン0.0837g
(0.02モルパーセント)を添加し、この混合物を石英管
内に投入した後、真空ポンプによって管内の空気を排
気,封入する。 【0019】この管を650℃に加熱し3時間にわたり
石英管内を撹拌しつつ化合させた後、凝固点直下である
560℃の領域に石英管を移動し急冷する。 【0020】次に、この急冷インゴットをスタンプミ
ル、ボールミル等で粉砕した後、200メッシュおよび
400メッシュの篩にかけ400メッシュの篩上に残っ
たものを選び、粒径37〜74μm程度の粉末に揃え
る。 【0021】このようにして粒径の揃えられた粉末を真
空中または不活性ガス中でホットプレス法によりカーボ
ンダイスを用いてホットプレスし、粉末焼結体を形成す
る。 【0022】この後、この粉末焼結体を3ミリ角6ミリ
長のチップに分断し、n型のBiTeSeを形成する。 【0023】このようにして形成されたn型のBiTe
Se1を、性能テストのために同寸法の単結晶p型Bi
TeSe2と接続してp−n素子対3を形成し、これを
図2に示す如く真空容器4内に設置する。ここで5は電
極としての銅板、6は水冷銅ブロック、7は絶縁部材、
8は電子循環恒温槽、9は定電流電源である。そして、
このp−n素子対の発熱側の温度TH を23℃に保ちつ
つp−n素子対に電流を流し、冷却側の温度Tcを測定
する。この冷却特性は図1の曲線a1に示す通りであ
り、最大温度差△Tmax=TH−TC=70.4℃を記録し
た。また、曲線a2には、このp−n素子対の発熱側の
温度TH を3℃に保持したときの、冷却側の温度TC を
示す。 【0024】比較のために、n型素子の方も単結晶Bi
TeSeで形成したp−n素子対についての同様の冷却
特性を測定した結果を曲線b1に示す。この曲線b1か
らも明らかなように最大温度差は△Tmax=56.05℃とな
っている。又b2は同様に発熱側の温度TH を3℃にし
たときの冷却側の温度TC を示す。これら曲線a1,a
2,b1,b2の比較からも本発明実施例のn型BiT
eSe(焼結体)によれば冷却性能の優れた熱電素子を
形成することが可能となることがわかる。 【0025】また、このn型焼結体は機械的強度も大き
く、半田付特性も良好であった。 【0026】また、Bi2Te3 : Bi2Se3= 9:1の
組成比で同様の実験を行なった場合、本発明の焼結体か
らなるn型BiTeSeと、単結晶p型BiTeSeと
で構成したp−n素子対の発熱側温度を23℃にしたと
き最大温度差△Tmaxは65℃であった。これによって
も冷却性能が優れていることがわかる。ここで、前述し
た組成のものよりも△Tmax が小さいのは、Bi2Te3と
Bi2Se3の組成比を変えたのにハロゲンの添加量を変え
なかったため、電子濃度の最適値からずれたためと考え
られる。(ここでセレン化ビスマスはn型、テルル化ビ
スマスはp型の材料であるため、セレン化ビスマスの比
率を増大せしめるにつれて、添加するドナー不純物を減
少させなければならない。)なお、本発明実施例の方法
においては、材料を石英管内で加熱溶融し化合せしめた
後、凝固点よりもわずかに低い温度まで急冷するという
方法をとっている。 【0027】従来は偏析を逸れるため、常温程度まで急
冷するという方法がとられている。この場合、微結晶と
なるために粒界が増大し過ぎ、ドーピング制御が困難に
なることがあったが、本発明実施の方法によれば、適切
な粒度を得ることが可能となる。 【0028】また、この粉末焼結体の組成比は、Bi2
(Te1-X SeX )3 としたとき、0.05<X<0.3 とす
るのが望ましい。X>0.3 であると偏析が起り、目的構
成のものは、わずかしかできず、0.05>Xであると、熱
伝導率Kが大きくなり十分大きい性能指数Zを得ること
ができない。 【0029】更に、キャリア濃度を調整するために添加
するハロゲンの量は1020cm-3以下であるのが望まし
い。 【0030】更にまた、粉末焼結体中の粉末粒径を37
〜74μm程度に揃えたが、10〜200μmの範囲内
で適宜領域を選択すればよい。10μm以下であると、
粒界が非常に多くなるためにドーピング制御が困難とな
る上、粒界でのキャリアの散乱により移動度が低下する
ことにより、特性が低下する。また、粉末の凝集が起り
易くなり扱いが困難である。 【0031】また、200μm以上であると、十分な機
械的強度および十分な焼結密度を得ることができない。 【0032】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば粒径の均一なテルル化ビスマス−セレン化ビスマス固
溶体の粉末焼結体から構成しているため、ドーピング制
御が容易で、性能指数が高く、製造歩留りの高い熱電半
導体を得ることが可能となる。
その製造方法に関する。 【0002】 【従来技術およびその問題点】ペルチェ効果、あるいは
エッチングスハウゼン効果を利用した電子冷却素子、あ
るいはゼーベック効果を利用した熱電発電素子は、構造
が簡単でかつ取扱いが容易で安定な特性を維持できるこ
とから、広範囲にわたる利用が注目されている。 【0003】ところで、従来、超電導素子の冷却には極
低温が必要であるため液体ヘリウムによる冷却しか方法
がなく、冷却コストおよび使用場所等の面で制限が多か
った。ところが最近、超電導材料の目ざましい発達によ
り臨界温度の高いものが得られるようになり、必要温度
が上昇し、電子冷却素子による冷却で、超電導素子を駆
動できるようになってきている。 【0004】この電子冷却に用いる熱電材料のうちn型
半導体として用いられる代表的なものに、テルル化ビス
マス(Bi2Te3)に5モル%のセレン化ビスマス(Bi2
Se3)を添加すると共に電子濃度の調整のための不純物
を添加した溶液に、温度勾配を与えながら溶液全体の温
度を除々に引き下げるいわゆるノーマルフリージング法
により形成される単結晶インゴットもしくは結晶粒径の
大きい多結晶インゴットがある。 【0005】ところで、熱電材料の良否は、物質固有の
定数である熱起電力αと電気伝導率σと熱伝導率Kによ
って表わされる性能指数Z(=α2σ/K)の大小で決
まる。 【0006】すなわち、Zが大きいほど性能が良いわけ
であるが、テルル化ビスマス(Bi2Te3),セレン化ビ
スマス(Bi2Se3)および両者の固溶体について多くの
研究報告例が発表されている。その一例を図3(a)お
よび(b)に示す。この図からも明らかなように、テル
ル化ビスマスとセレン化ビスマスのモル比が80:20
ないし75:25のとき熱伝導率Kが最小となりα2σ
および自由電子の質量に対する電子の有効質量の比m*
/mが大きくなる。これは、テルル化ビスマス、セレン
化ビスマス両者の結晶対称性が同じで格子定数がわずか
に異なることにより、固溶体にすると結晶にわずかな歪
が生じ、それによってフォノンの散乱、電子の有効質量
m*の変化が生じるためと考えられている。 【0007】しかしながら、図4に示す如く固溶体の状
態図から明らかなように、セレン化ビスマスの含有率を
高めると偏析が起り、一本の単結晶インゴットの中で目
的とする組成の部分はごくわずかしか得られないという
問題があった。現在の技術では、セレン化ビスマスの含
有率を5%以上にしたものを工業製品として得るのは不
可能な状態であった。 【0008】更に、テルル化ビスマス、セレン化ビスマ
スの結晶は著しい劈開性を有しており、インゴットから
熱電素子を得るためのスライシング、ダイシング工程等
を経ると、割れや欠けの為に歩留りが極めて低くなるこ
とが実用化をはばむ大きな問題となっていた。 【0009】一方、結晶としてではなく、粉末焼結体と
して用いると劈開性の問題はなくなるが、焼結密度が上
がらず、半田付けを行なうと内部に半田がしみ込み性能
低下を引き起こすという問題がある。 【0010】更に、粉末の場合、ドーピング制御が困難
であり一定量の不純物を添加してもキャリア濃度が一定
にならないという問題があった。 【0011】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、ドーピング制御が容易で製造歩留りの高い熱電半導
体材料を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】そこで本発明では、粒径
の均一なテルル化ビスマス−セレン化ビスマス固溶体粉
末からなる粉末焼結体によって熱電半導体材料を構成し
ている。 【0013】また、本発明の方法では、目的とする組成
となるようにビスマス、テルル、セレンを加熱溶融せし
めた後、急冷してインゴットを形成してこれを粉砕し、
粒径を揃えた後、加圧焼結するようにしている。 【0014】 【作用】本発明では、単結晶ではなく、粉末焼結体で構
成されているため、組成比を自由に選択でき、性能指数
Zの高いものを得ることができる。又粒径を揃えること
により、ドーピング制御が容易となる。これは、粒径が
揃うと粒界の分布も均一となり、粒界から発生すると考
えられる電子も一定となるため、電子濃度の再現性もよ
くなるものと考えられる。 【0015】また、粒径を揃えることにより、焼結密度
が上がり、半田付工程においても半田のしみ込みによる
性能低下もない。 【0016】加えて、単結晶あるいは多結晶のインゴッ
トをそのまま用いた場合らに比べ、割れ等による製造歩
留りの低下も大幅に低減される。 【0017】 【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ詳細に説明する。 【0018】まず、ビスマスBi 313.50g、テルルT
e 272.77g、セレンSe 8.883gを秤量し、更にキャ
リア濃度を調整するためにヨウ化アンチモン0.0837g
(0.02モルパーセント)を添加し、この混合物を石英管
内に投入した後、真空ポンプによって管内の空気を排
気,封入する。 【0019】この管を650℃に加熱し3時間にわたり
石英管内を撹拌しつつ化合させた後、凝固点直下である
560℃の領域に石英管を移動し急冷する。 【0020】次に、この急冷インゴットをスタンプミ
ル、ボールミル等で粉砕した後、200メッシュおよび
400メッシュの篩にかけ400メッシュの篩上に残っ
たものを選び、粒径37〜74μm程度の粉末に揃え
る。 【0021】このようにして粒径の揃えられた粉末を真
空中または不活性ガス中でホットプレス法によりカーボ
ンダイスを用いてホットプレスし、粉末焼結体を形成す
る。 【0022】この後、この粉末焼結体を3ミリ角6ミリ
長のチップに分断し、n型のBiTeSeを形成する。 【0023】このようにして形成されたn型のBiTe
Se1を、性能テストのために同寸法の単結晶p型Bi
TeSe2と接続してp−n素子対3を形成し、これを
図2に示す如く真空容器4内に設置する。ここで5は電
極としての銅板、6は水冷銅ブロック、7は絶縁部材、
8は電子循環恒温槽、9は定電流電源である。そして、
このp−n素子対の発熱側の温度TH を23℃に保ちつ
つp−n素子対に電流を流し、冷却側の温度Tcを測定
する。この冷却特性は図1の曲線a1に示す通りであ
り、最大温度差△Tmax=TH−TC=70.4℃を記録し
た。また、曲線a2には、このp−n素子対の発熱側の
温度TH を3℃に保持したときの、冷却側の温度TC を
示す。 【0024】比較のために、n型素子の方も単結晶Bi
TeSeで形成したp−n素子対についての同様の冷却
特性を測定した結果を曲線b1に示す。この曲線b1か
らも明らかなように最大温度差は△Tmax=56.05℃とな
っている。又b2は同様に発熱側の温度TH を3℃にし
たときの冷却側の温度TC を示す。これら曲線a1,a
2,b1,b2の比較からも本発明実施例のn型BiT
eSe(焼結体)によれば冷却性能の優れた熱電素子を
形成することが可能となることがわかる。 【0025】また、このn型焼結体は機械的強度も大き
く、半田付特性も良好であった。 【0026】また、Bi2Te3 : Bi2Se3= 9:1の
組成比で同様の実験を行なった場合、本発明の焼結体か
らなるn型BiTeSeと、単結晶p型BiTeSeと
で構成したp−n素子対の発熱側温度を23℃にしたと
き最大温度差△Tmaxは65℃であった。これによって
も冷却性能が優れていることがわかる。ここで、前述し
た組成のものよりも△Tmax が小さいのは、Bi2Te3と
Bi2Se3の組成比を変えたのにハロゲンの添加量を変え
なかったため、電子濃度の最適値からずれたためと考え
られる。(ここでセレン化ビスマスはn型、テルル化ビ
スマスはp型の材料であるため、セレン化ビスマスの比
率を増大せしめるにつれて、添加するドナー不純物を減
少させなければならない。)なお、本発明実施例の方法
においては、材料を石英管内で加熱溶融し化合せしめた
後、凝固点よりもわずかに低い温度まで急冷するという
方法をとっている。 【0027】従来は偏析を逸れるため、常温程度まで急
冷するという方法がとられている。この場合、微結晶と
なるために粒界が増大し過ぎ、ドーピング制御が困難に
なることがあったが、本発明実施の方法によれば、適切
な粒度を得ることが可能となる。 【0028】また、この粉末焼結体の組成比は、Bi2
(Te1-X SeX )3 としたとき、0.05<X<0.3 とす
るのが望ましい。X>0.3 であると偏析が起り、目的構
成のものは、わずかしかできず、0.05>Xであると、熱
伝導率Kが大きくなり十分大きい性能指数Zを得ること
ができない。 【0029】更に、キャリア濃度を調整するために添加
するハロゲンの量は1020cm-3以下であるのが望まし
い。 【0030】更にまた、粉末焼結体中の粉末粒径を37
〜74μm程度に揃えたが、10〜200μmの範囲内
で適宜領域を選択すればよい。10μm以下であると、
粒界が非常に多くなるためにドーピング制御が困難とな
る上、粒界でのキャリアの散乱により移動度が低下する
ことにより、特性が低下する。また、粉末の凝集が起り
易くなり扱いが困難である。 【0031】また、200μm以上であると、十分な機
械的強度および十分な焼結密度を得ることができない。 【0032】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば粒径の均一なテルル化ビスマス−セレン化ビスマス固
溶体の粉末焼結体から構成しているため、ドーピング制
御が容易で、性能指数が高く、製造歩留りの高い熱電半
導体を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のn型BiTeSeを用いて形成
した熱電素子と単結晶のn型BiTeSeを用いて形成
した熱電素子の冷却特性を示す比較図 【図2】同冷却特性の測定装置を示す図 【図3】図3(a)はBi2Te3とBi2Se3の組成比と性
能指数との関係を示す図で図3(b)はBi2Te3とBi2
Se3の組成比と性能指数との関係を示す図 【図4】固溶体の状態図 【符号の説明】 1…n型BiTeSe 2…単結晶p型BiTeSe 3…熱電素子 4…真空容器
した熱電素子と単結晶のn型BiTeSeを用いて形成
した熱電素子の冷却特性を示す比較図 【図2】同冷却特性の測定装置を示す図 【図3】図3(a)はBi2Te3とBi2Se3の組成比と性
能指数との関係を示す図で図3(b)はBi2Te3とBi2
Se3の組成比と性能指数との関係を示す図 【図4】固溶体の状態図 【符号の説明】 1…n型BiTeSe 2…単結晶p型BiTeSe 3…熱電素子 4…真空容器
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
H01L 35/18 H01L 35/18
(72)発明者 山梨 正孝
神奈川県平塚市大神2369−6
(56)参考文献 「古河電工時報No.35」古河電気工
業株式会社 第53〜57頁(昭39年9月20
日)「Pbysica Status
Solidi(a)」Vol.27
(1975)p27−34,p329〜331
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一導電型の不純物を含むテルル化ビスマス(Bi2
Te3)−セレン化ビスマス(Bi2Se3)固溶体粉末
の粒径を37〜74ミクロンの範囲に均一化する粒径調
整工程と、 粒径の均一となった固溶体粉末をホットプレスにより焼
結せしめる焼結工程とを含むことを特徴とする熱電半導
体材料の製造方法。 2.粒径が均一で、一導電型の不純物を含むテルル化ビ
スマス(Bi2Te3)−セレン化ビスマス(Bi2S
e3)固溶体粉末を、ホットプレスにより焼結させた粉
末焼結体からなり、 前記固溶体の粒径が37〜74ミクロンの範囲にあるこ
とを特徴とする熱電半導体材料。 3.前記固溶体粉末は、次式 Bi2(Te1−XSeX)3(0.05<X<0.3)に示す組成
を有するものであることを特徴とする特許請求の範囲第
2項記載の熱電半導体材料。 4.前記不純物は1020cm−3以下で添加されるハロ
ゲン原子であることを特徴とする特許請求の範囲第2項
記載の熱電半導体材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34759398A JP3278140B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 熱電半導体材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP34759398A JP3278140B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 熱電半導体材料およびその製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62192238A Division JPH0832588B2 (ja) | 1987-07-31 | 1987-07-31 | 熱電半導体材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11279605A JPH11279605A (ja) | 1999-10-12 |
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ID=18391275
Family Applications (1)
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JP34759398A Expired - Fee Related JP3278140B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 熱電半導体材料およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3278140B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110002412B (zh) * | 2019-04-22 | 2022-08-02 | 湖北赛格瑞新能源科技有限公司 | 一种择优取向n型碲化铋基多晶块体热电材料的制备方法 |
CN114551706B (zh) * | 2022-02-21 | 2022-10-21 | 北京航空航天大学 | 一种p型硒化铋锑热电材料及其制备方法 |
-
1998
- 1998-12-07 JP JP34759398A patent/JP3278140B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「古河電工時報No.35」古河電気工業株式会社 第53〜57頁(昭39年9月20日)「Pbysica Status Solidi(a)」Vol.27(1975)p27−34,p329〜331 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11279605A (ja) | 1999-10-12 |
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