JPH10209508A - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

熱電変換素子及びその製造方法

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JPH10209508A
JPH10209508A JP9009770A JP977097A JPH10209508A JP H10209508 A JPH10209508 A JP H10209508A JP 9009770 A JP9009770 A JP 9009770A JP 977097 A JP977097 A JP 977097A JP H10209508 A JPH10209508 A JP H10209508A
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semiconductor
thermoelectric conversion
conversion element
type semiconductor
particles
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JP9009770A
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Atsushi Kamata
敦之 鎌田
Hideyuki Funaki
英之 舟木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発電効率の高い熱電変換素子及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】本発明の熱電変換素子は、p型半導体部1
4と、このp型半導体部14と所定の間隔を隔てて配置
されたn型半導体部15と、前記p型半導体部14及び
n型半導体部15のそれぞれの一端を接続して設けられ
た第1の電極13と、前記p型半導体部14の他端に形
成された第2の電極11と、前記n型半導体部15の他
端に形成された第3の電極12とを具備し、前記p型及
びn型半導体部を構成する微結晶が、それらを構成する
半導体材料のキャリア拡散長以下の粒径を有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを電
気エネルギーに変換する熱電変換素子およびその製造方
法に係り、より詳細には、発電効率の高い熱電変換素子
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱エネルギーを電気エネルギーに変換す
る素子として、ゼーベック効果を利用した熱電変換素子
が知られている。このような熱電変換素子には、材質と
して、金属を用いたものと半導体を用いたものとがあ
り、発電の目的には、通常、半導体を用いたものが利用
されている。
【0003】図10に、通常の半導体を用いた熱電変換
素子を示す。図10(a)において、p型半導体部10
4及びn型半導体部105の一端には、それぞれ電極1
01及び電極102が設けられている。なお、p型半導
体部104は、p型半導体粉末を高圧焼結したものであ
り、n型半導体部105は、n型半導体粉末を高圧焼結
したものである。p型半導体部104とn型半導体部1
05は、所定の間隔を隔てて平行に配置されており、そ
れぞれの他端は、電極103を介して、相互に接続され
ている。
【0004】図10(b)に、図10(a)に示す熱電
変換素子のp型半導体部104を拡大して示す。この図
に示すように、p型半導体部104は、p型半導体粉末
を高圧焼結することにより結晶成長させた、それぞれの
サイズが大きな不定形の粒塊106で構成されている。
【0005】このような熱電変換素子の電極101、1
02と電極103との間に温度差を形成すると、電極1
01と電極102との間に起電力が生じ、熱エネルギー
を電気エネルギーに変換することができる。
【0006】このように、上述の熱電変換素子は、有害
物質を発生することなく熱により発電することができる
ため、ゴミ焼却時等に発生する熱を利用することが考え
られており、新たなエネルギー源の一つとして期待され
ている。しかし、この熱電変換素子の発電効率は、現在
のところ数%のオーダーにとどまっているため、実用性
に乏しい。したがって、発電効率を大幅に高めた熱電変
換素子の開発が望まれている。
【0007】熱電変換素子の発電効率を左右するパラメ
ータとしては、発電材料が本来有する発電に関わる物性
値であるゼーベック係数の他に、素子自体の持つ電気抵
抗率がある。また、熱起電力は、半導体部の両端での温
度差に比例するので、大きな熱起電力を得るためには半
導体部の両端の温度差が大きいこと、即ち、熱伝導率が
小さいことが必要である。発電材料の性能は、以上の3
つのパラメータを用いた以下の式で表される性能指数Z
により評価される。
【0008】Z=α2 /ρκ この式で、αはゼーベック係数、ρは電気抵抗率、κは
熱伝導率を示している。
【0009】性能指数Zを高める方法の一つとして、ゼ
ーベック係数を高める試みがなされている。このゼーベ
ック係数αは、用いる半導体と電極の種類及びその組み
合わせにより決定される値である。したがって、半導体
と電極の種類及びその組合せを変えることにより、熱起
電力を改善することがなされている。
【0010】また、電気抵抗率や熱伝導率の値を小さく
することにより、性能指数Zを高めることができるが、
これには以下に示す問題がある。熱起電力は、半導体部
の一端の電極との接合部と、他端の電極との接合部にお
ける温度差に比例する。したがって、半導体部の両端の
温度差が大きいほど大きな起電力を得ることができる。
このような大きな温度差を形成するには、半導体部の全
長を長くするか、半導体の熱伝導率を低くすればよい。
【0011】しかし、半導体部の全長を長くすると、電
気抵抗が増加してしまうこと、及び素子全体のサイズを
大きくしてしまうことから好ましくない。また、ゼーベ
ック係数と電気抵抗率はキャリア濃度に依存し、キャリ
ア濃度の増加とともにそれぞれ減少する。一方、熱伝導
にはキャリアによる伝導と格子伝導とによる寄与があ
り、キャリア濃度の増大は熱伝導率を増大させる。
【0012】このように、これらのパラメータはそれぞ
れが独立ではない。したがって、一般に、性能指数Zを
高めるために、キャリア濃度と熱伝導率とのトレードオ
フによる素子設計がなされている。
【0013】また、上述のように、キャリア伝導と格子
伝導とが熱伝導に寄与していることから、例えば、材料
の合金化、半導体への格子欠陥の導入、又は半導体への
フォノンの散乱中心としての不純物の導入等により、格
子伝導の寄与を抑制して熱伝導率を低減する試みもなさ
れている。
【0014】しかし、これらの方法は、熱伝導率を減少
させることはできるが、同時に、格子欠陥や不純物がキ
ャリアの補償中心あるいは深いトラップ準位を形成し、
キャリア濃度を低下させてしまうため、電気抵抗率が増
加してしまい、その結果、多くの場合で、性能指数はほ
とんど改善されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記背景の
もとになされたものであり、ゼーベック係数を高め、電
気抵抗率を増加させることなく熱伝導率を減少させるこ
とにより、発電効率の高い熱電変換素子及びその製造方
法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、p型半導体部
と、このp型半導体部と所定の間隔を隔てて配置された
n型半導体部と、前記p型半導体部及びn型半導体部の
それぞれの一端を接続して設けられた第1の電極と、前
記p型半導体部の他端に形成された第2の電極と、前記
n型半導体部の他端に形成された第3の電極とを具備
し、前記p型及びn型半導体部を構成する微結晶が、そ
れらを構成する半導体材料のキャリア拡散長以下の粒径
を有することを特徴とする熱電変換素子を提供する。
【0017】本発明は、上記熱電変換素子において、前
記p型及びn型半導体部を構成する微結晶が、それぞ
れ、ほぼ均一の粒径を有することを特徴とする。本発明
は、上記熱電変換素子において、前記p型及びn型半導
体部が、それぞれ複数の層からなり、半導体微結晶の平
均粒径が層ごとに異なることを特徴とする。
【0018】本発明は、上記熱電変換素子において、前
記半導体部と前記電極との間に、前記半導体部の熱膨張
率と前記電極の熱膨張率との間の熱膨張率を有する中間
層を具備することを特徴とする。
【0019】また、本発明は、粒状半導体材料をプラズ
マにより溶融し、溶融半導体粒子を形成する工程と、前
記溶融半導体粒子を冷却し、少なくとも表面を固化して
半導体粒子を形成する工程と、前記半導体粒子の所定量
を加熱圧縮して所望の形状に成形し、半導体微結晶を形
成する工程と、を具備することを特徴とする熱電変換素
子の製造方法を提供する。
【0020】さらに、本発明は、粒状半導体材料をプラ
ズマにより溶融し、溶融半導体粒子を形成する工程と、
前記溶融半導体粒子を冷却し、少なくとも表面を固化し
て半導体粒子を形成する工程と、前記溶融半導体粒子を
冷却・固化する工程の直後に、前記半導体粒子を加熱さ
れた基板上に堆積させて半導体微結晶を形成する工程
と、を具備することを特徴とする熱電変換素子の製造方
法を提供する。
【0021】本発明は、上記熱電変換素子の製造方法に
おいて、前記溶融半導体粒子を冷却・固化して半導体粒
子を形成する工程が、前記溶融半導体粒子が浮遊してい
る間に冷却することにより行われることを特徴とする。
【0022】本発明は、上記熱電変換素子の製造方法に
おいて、前記溶融半導体粒子を冷却・固化する工程が、
前記粒状半導体材料が完全に溶融された直後に実施され
ることを特徴とする。
【0023】本発明の熱電変換素子で用いられるp型及
びn型の半導体材料は、SiGe、PbTe、Bi2
3 、Mg2 Si、Mg2 Ge、Mg2 Sn、FeS
2 、Gd2 Se3 等の結晶やそれらの混晶、Bi、T
e、Se、Sb、Pb、Te、Se、Mn、Co等の原
子を含む化合物の結晶に、p型半導体となる不純物を、
又は、n型半導体となる不純物を含有するものである。
【0024】本発明者らは、半導体粒子から形成される
半導体微結晶の粒径を制御することにより、発電効率を
大幅に向上させることができることを見出し、さらに、
半導体微結晶の粒径の上限と、以下に示すキャリア拡散
長との間に密接な関係があることを経験的に見出した。
【0025】
【数1】
【0026】これらの式で、Lはキャリア拡散長、τは
キャリア寿命、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、q
は電荷素量、及びμはキャリア移動度を示す。半導体微
結晶の粒径が、熱電変換素子が実際に駆動される温度で
の半導体のキャリア拡散長L以下の場合、粒径がキャリ
ア拡散長を超える場合に比べて、電気抵抗率が増加する
ことなく熱伝導率が低減されて、特に高い熱起電力を得
ることができる。
【0027】この熱伝導率が低くなる理由は、必ずしも
明らかではないが、粒径を小さくすることにより多くの
界面が形成され、その結果、フォノンの界面での散乱が
増加することによると考えられる。
【0028】また、粒径をさらに小さくした場合、どの
ような半導体材料を用いても、粒径が50nmを下回る
と発電効率が低下することを経験的に見出した。すなわ
ち、本発明で用いられるp型及びn型半導体微結晶のそ
れぞれの粒径が50nm以上、それぞれのキャリア拡散
長L以下の範囲にある場合に、高い熱起電力を得ること
ができる。
【0029】例えば、半導体微結晶の母体として、Si
Geを用いた場合は、キャリア寿命が1μsecである
こと及びホール移動度の測定結果から、800℃でのキ
ャリアの拡散長は100μm程度であることが予想さ
れ、PbTeを用いた場合は、17μm程度であること
が予想される。したがって、SiGeを半導体微結晶の
母体として用いた場合は50nm〜100μmの範囲
に、PbTeを半導体微結晶の母体として用いた場合は
50nm〜17μmの範囲に、半導体微結晶の粒径を分
布させることが好ましい。
【0030】また、この範囲は、用いる材料により異な
るが、一般的には、0.3μm〜50μmであることが
好ましく、より好ましくは0.5μm〜30μmであ
る。以上、半導体微結晶の粒径の上限及び下限を制御す
ることにより熱電変換素子の熱起電力を高めることつい
て説明したが、以下に示すように、半導体微結晶の平均
粒度を制御することにより熱電変換素子の発電効率を高
めることもできる。
【0031】即ち、半導体微結晶の平均粒度を、半導体
微結晶に用いる材料に応じて決定された粒径の範囲内に
制御することにより、高い発電効率を得ることができ
る。この範囲は、半導体微結晶の平均粒度と、この半導
体微結晶を用いて作製された熱電変換素子の発電効率を
測定することにより得ることができ、例えば、半導体微
結晶の母体としてSiGeを用いた場合は、50nm〜
150μmである。
【0032】また、この範囲は、用いる材料により異な
るが、一般的には、0.3μm〜50μmであることが
好ましく、より好ましくは0.5μm〜30μmであ
る。上述のように、半導体微結晶の平均粒度が所定の範
囲内にある場合に、特に高い発電効率を得ることができ
るが、半導体微結晶の粒径の分布幅が広い場合は、例
え、平均粒度が所定の範囲内にあっても、この範囲外に
も半導体微結晶が存在することがある。このような微結
晶の混入を防ぐことにより、素子の発電効率をさらに向
上させることが可能となり、大量製造における素子特性
の再現性を改善させることができることが判明した。
【0033】本発明で用いられるp型半導体微結晶及び
n型半導体微結晶は、粒径がほぼ均等の大きさであるた
め、良好な発電効率、素子の信頼性及び再現性を実現す
ることができる。特に、p型半導体微結晶及びn型半導
体微結晶が、それぞれ、半導体微結晶の粒度分布の幾何
標準偏差σg が、σg ≦2.2で示される関係を満たし
て分布している場合、さらに良好な発電効率、素子の信
頼性及び再現性を得ることができる。この範囲は、より
好ましくはσg ≦2である。
【0034】なお、上記平均粒度及び粒度分布は、光散
乱回折法により、成型後は影像解析法によるものであ
り、平均粒度は平均表面積径である。また、微結晶に形
成される前の半導体粒子が球状であると、半導体部の充
填密度を高くすることができ、均一な界面が形成され、
フォノンの散乱場が一様に形成される。このため、熱伝
導率が効果的に低下するとともに、電気伝導率が高くな
る。したがって、発電効率をさらに高めることができ
る。
【0035】本発明の熱電変換素子の半導体部は、複数
の半導体層を積層し、それぞれの半導体層ごとにそこに
含まれる半導体微結晶の平均粒径を変えたものであって
もよい。半導体微結晶の平均粒径を変えることにより、
発電効率の最大値だけでなく、この最大値を示す温度も
変化するため、このように多層構造にすると、発電効率
が最大値近傍を示す温度領域を広くすることができ、様
々な駆動条件下で高い発電効率を得ることができる。
【0036】本発明の熱電変換素子で用いられる電極
は、電気伝導性のものであれば特に制限はない。また、
第1の電極、第2の電極及び第3の電極は、同一の材料
で構成されても良く、それぞれが異なる材料で構成され
ても良い。
【0037】電極と半導体部との間に中間層を設けても
よい。中間層の熱膨張率が、電極の熱膨張率と半導体部
の熱膨張率との間にある場合、熱歪みが緩和され、接合
界面での破壊を防ぐことができる。
【0038】また、この中間層の組成を、連続的に変化
させてもよい。すなわち、中間層の組成を、半導体部に
近付くにしたがって、中間層材料100%から、半導体
の組成を連続的又は段階的に増加させ、最終的に半導体
が100%となるように変化させてもよい。このように
組成を変化させると、電極と半導体部との接合部分の、
熱歪みがさらに緩和され、接合界面の破壊を防ぐことが
でき、また、電極と半導体部との間の接触抵抗を少なく
することができる。
【0039】以下、本発明の熱電変換素子の製造方法に
ついて説明する。本発明の熱電変換素子の製造方法は、
上記熱電変換素子を製造するために、半導体材料をプラ
ズマを用いて溶融し、この溶融物を浮遊中に固化させる
ことにより得られる半導体粒子を用いることを特徴とす
る。ここで、半導体材料の溶融から固化までの過程を全
て浮遊状態で行うことにより、溶融された半導体材料は
表面張力により球状になり、溶融物はその形状のまま固
化され、得られる半導体粒子の形状はほぼ球形になる。
【0040】また、溶融物のサイズが最終的に得られる
半導体微結晶の平均粒度及び分布幅を決定する。したが
って、用いる半導体材料の粒径及び粒度分布、反応温
度、キャリアガスの流速等の条件を変更することによ
り、容易に溶融物の粒度分布を制御することができ、そ
れによって、半導体粒子の所望の平均粒度及び分布幅を
容易に得ることができる。
【0041】本発明の熱電変換素子の製造方法で用いら
れるキャリアガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム
等の不活性ガスを用いることができる。また、本発明の
方法で、プラズマによる半導体材料の溶融は、用いる材
料により異なり、溶融条件に応じ、材料が気化せずに液
状となる範囲に設定する必要がある。
【0042】このような半導体材料の蒸発が生じると、
得られる半導体粒子の組成を均一にすることができな
い。したがって、半導体材料の全てが溶融した直後に、
半導体粒子を析出させ、溶融した半導体材料の過剰な加
熱を防ぐことが好ましい。
【0043】溶融物の固化は、溶融物の少なくとも表面
を、浮遊中に固化するように行う必要がある。通常は、
溶融物がプラズマ発生部通過後に反応容器内を落下する
過程で冷却されて固化される。その冷却能力は、反応容
器外壁を水冷することによる冷却部の形成、冷却ガスの
導入、反応容器の形状、およびこれらの組み合わせ等に
より制御することができる。
【0044】本発明の方法における半導体粒子への圧力
印加下の熱処理は、用いる材料によって異なるが、1〜
500MPaの圧力、400〜1200℃の温度で実施
されることが好ましい。圧力が1MPa未満又は温度が
400℃未満の場合、十分な充填密度及び強度を得るこ
とができず、500MPa又は1200℃を超えると、
半導体粒子の変形及び粒子同士の過剰な凝集が生じるた
め、得られる熱電変換素子の発電効率が低下してしま
う。
【0045】本発明の方法において、固化された半導体
粒子を加熱された基板上に直接堆積して半導体微結晶を
形成しても良い。このように半導体粒子を基板上に直接
堆積すると、半導体部を形成するために半導体粒子を圧
力印加下で熱処理する必要がないので、熱電変換素子の
製造工程を簡略化することができる。さらに、搬送機構
により連続的に基板上への堆積を行えば、大面積基板を
使用することも可能となるので、大面積の熱電変換素子
を製造することができ、大量に製造する場合に効果的で
ある。この場合、基板の加熱温度を低く保てば、半導体
粒子がそのまま堆積されて微結晶となり、充填密度を低
くすることができる。また、基板の加熱温度を高くすれ
ば、半導体粒子同士が相互に十分に接触して微結晶とな
るため、充填密度を高くすることができる。
【0046】この基板としては、電極、集熱板/電極の
複合体等を用いることができる。基板として電極を用い
ると、直接電極上に半導体部が形成されるため、電極と
半導体部とを接合する工程を簡略化することができる。
【0047】この基板の加熱は、材料により異なるもの
の、概ね300〜1000℃の温度範囲で実施するのが
好ましい。このようにして電極上に直接堆積された半導
体微結晶を、さらに圧力印加下で加熱してもよい。この
圧力や温度は、用いる材料により異なるが、半導体微結
晶の形状と粒度分布を維持することができる程度である
ことが必要である。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。 (実施例1)平均粒度が25μmで幾何標準偏差が1.
2の、80原子%のSiと20原子%Geとからなる混
晶に、不純物としてBを混合してp型半導体粒子材料を
作製した。このp型半導体粒子材料を原料として用い
て、図2に示す粒子製造装置によりp型半導体粒子を形
成した。
【0049】すなわち、このp型半導体粒子材料を、ア
ルゴンをキャリアガスとして用いて原料供給部21から
プラズマ発生部22に供給した。このプラズマ発生部2
2で溶融された半導体粒子材料は、続いて、ガス供給部
24から導入される冷却ガスとともに、外壁が冷却媒に
より冷却された冷却部23へと移送され、ここで固化さ
れて得られた半導体粒子を捕集器25でカーボン坩堝内
に捕集して平均粒度が25μmのp型半導体粒子を得
た。
【0050】次に、不純物としてPを用いたこと以外は
p型半導体粒子と同様にして平均粒度が25μmのn型
半導体粒子を得た。これらp型及びn型半導体粒子を用
いて、以下の手順により、図1(a)に示す熱電変換素
子を作製した。
【0051】すなわち、p型及びn型半導体粒子をそれ
ぞれ20MPaの圧力で加圧成形した後、アルゴン雰囲
気のもと30MPa、800℃で1分間アニールを行
い、インゴット状に凝集させた。これらを、長手方向が
15mm、長手方向に垂直な断面が5×5mmの棒状体
に成形してp型半導体部14及びn型半導体部15を形
成した。次に、それぞれの一端に、MoSi2 からなる
電極13を接合してp型半導体部14とn型半導体部1
5とを接続し、それぞれの他端にMoSi2 からなる電
極11、12を設けて熱電変換素子を作製した。
【0052】図1(b)に、上記熱電変換素子のp型半
導体部14及び電極11、13を拡大して示す。この図
に示すように、p型半導体部14を構成するp型半導体
微結晶16は、粒径が均一で球状の半導体粒子を反映し
て、均一な粒径を有している。
【0053】このようにして得られた熱電変換素子の半
導体部を構成する微結晶は、p型及びn型半導体微結晶
とも、5×1019cm-3のキャリア濃度で、平均粒度が
27μm、粒度分布の幾何標準偏差が1.5であり、2
0〜40の範囲に分布していた。
【0054】(比較例1)実施例1と同様の半導体粒子
材料を、アルゴン雰囲気のもとホットプレス法により、
30MPaの圧力及び1200℃で1分間の焼結を行
い、インゴット状のp型及びn型半導体部を得た。な
お、キャリア濃度は実施例1と同様とした。
【0055】これらを、実施例1と同様にして成形し電
極を設けることにより、熱電変換素子を得た。以上のよ
うにして得られた熱電変換素子のp型及びn型半導体部
は、半導体粒子材料が結晶成長したため、実施例1の半
導体微結晶よりも遥かに大きな100μmを超える粒塊
も存在しており、不均一な粒度分布を有する結晶で構成
されていた。
【0056】これらの熱電変換素子について、実際に、
高温側を700℃に加熱し、低温側を95℃の水で冷却
して、それぞれの素子の両端の温度差及び発電効率を測
定したところ、実施例1の熱電変換素子では温度差が5
00℃で発電効率が4%であったのに対し、比較例1の
熱電変換素子では温度差が300℃で発電効率が2.8
%であり、実施例1の熱電変換素子は、従来の熱電変換
素子に比べて発電効率が大きく改善されている。
【0057】これは、半導体粒子の粒径がキャリアの拡
散長以内に分布しているため、熱伝導率が小さくなり、
素子の両端により大きな温度差が形成されたため、発電
効率が高くなったものと考えられる。
【0058】(実施例2)実施例1に示したのと同様の
熱電変換素子を、半導体粒子の粒径を様々な大きさに変
えて作製し、それぞれについて、実施例1の測定と同様
に発電効率を測定した図3に、その結果をグラフにして
示す。
【0059】この図で、横軸は半導体微結晶の平均粒
度、縦軸は発電効率を示している。実施例1と比較例1
との比較により、半導体部を100μm以下の粒径の粒
子で構成することにより発電効率が向上することが確証
されているが、図3に示すグラフからは、半導体粒子の
平均粒度が50nm以上で30μm以下の場合に、特に
高い発電効率が得られている。これは、平均粒度が10
0μm以下であっても、100μmを超える粒子がある
程度混入しているために、発電効率が大幅には改善され
ないが、平均粒度が30μm以下になると、粒径が10
0μmを超える粒子の混入がほとんどなくなるために発
電効率が大幅に改善されるためである。
【0060】(実施例3)半導体粒子材料としてSiG
eのかわりに、平均粒度が10μmで幾何標準偏差が
1.2のPbTeを用いたこと以外は実施例1と同様に
して、熱電変換素子を作製した。
【0061】その結果、半導体微結晶の平均粒度は10
μmで、幾何標準偏差は1.5で、粒子は3〜15μm
の範囲に分布していた。 (比較例2)実施例3と同様の半導体粒子材料を用いた
こと以外は比較例1と同様にして、熱電変換素子を作製
した。
【0062】その結果、半導体部は、比較例1の半導体
部と同様に、実施例3の半導体微結晶に比べて遥かに大
きな100μmを超える粒塊が含まれていた。 (参考例)実施例3と同様の半導体粒子材料を、特開平
1−248678号公報に記載されているプラズマ気化
急冷法により微結晶化して、平均粒度が300nm、幾
何標準偏差が2.5で、5〜500nmの範囲に分布す
る半導体粒子を得た。
【0063】この半導体粒子を用いたこと以外は実施例
1と同様にして熱電変換素子を作製した。上記実施例
3、比較例2及び参考例の熱電変換素子についてゼーベ
ック係数の測定を行った。その結果を図4に示す。
【0064】このグラフで、横軸は加熱温度、縦軸はゼ
ーベック係数を示している。また、実施例3の熱電変換
素子についてのデータを実線41で示し、比較例2及び
参考例のデータは、それぞれ点線42及び破線43で示
す。
【0065】このグラフに示されるように、実施例3の
熱電変換素子は、比較例2の熱電変換素子に比べて約3
倍、参考例の熱電変換素子に比べて約1.5倍のゼーベ
ック係数を有しており、非常に高い発電効率を得ること
ができる。
【0066】これは、実施例3の熱電変換素子の半導体
部が、PbTeのキャリア拡散長から決定される50n
m〜17μmの範囲内の粒子で構成されているのに対し
て、比較例2の熱電変換素子では、半導体部が粒径が1
7μmを超える過大な粒塊で構成されており、参考例の
熱電変換素子では、粒径が50nm未満の小さな粒子が
大量に含まれているためである。
【0067】また、実施例2と同様に、PbTeについ
ても、半導体粒子の粒径を様々な大きさに変えて熱電変
換素子を作製し、それぞれについて発電効率を測定し
た。その結果、半導体粒子の平均粒度が0.3μm〜1
5μmの範囲にある場合に、特異的に高い発電効率を得
ることができた。
【0068】(比較例3)半導体粒子材料として、平均
粒度が10μmで幾何標準偏差が3のPbTeからなる
粒子を用いたこと以外は実施例3と同様にして、熱電変
換素子を作製した。
【0069】その結果、得られた熱電変換素子のp型及
びn型半導体部は、実施例3の半導体粒子よりも不均一
な粒径の半導体粒子で構成された。これら半導体粒子の
平均粒度dは10μmで、粒度分布の幾何標準偏差σは
3で、粒径は1〜30μmの範囲に分布していた。
【0070】(実施例4)半導体粒子材料として、平均
粒度が10μmで幾何標準偏差が1.15のPbTeか
らなる粒子を用いたこと以外は実施例3と同様にして、
熱電変換素子を作製した。
【0071】その結果、得られた熱電変換素子のp型及
びn型半導体部は、実施例1の半導体粒子よりも均一な
粒径の半導体微結晶で構成された。これら半導体粒子の
粒度分布は、ともに平均粒度dが10μm、幾何標準偏
差σが1.2で、粒子の粒径は、ほぼ3μmに揃えられ
ていた。
【0072】上記比較例3と実施例4のそれぞれの熱電
変換素子について、温度に対する熱起電力の変化を測定
を行った。その結果を図5に示す。このグラフで、横軸
は加熱温度、縦軸はゼーベック係数を示している。ま
た、実施例4の熱電変換素子についてのデータを実線5
1で示し、比較例3のデータを破線52で示す。
【0073】このグラフに示されるように、実施例4の
熱電変換素子は、比較例3の熱電変換素子に対して、約
1.4倍のゼーベック係数を得ることができた。これ
は、半導体微結晶の粒度分布の幾何標準偏差σg が小さ
い場合は、粗大な粒子や過剰に小さな粒子をほとんど含
まないので、より高い発電効率を得ることができること
を示している。
【0074】(実施例5)Si0.8 Ge0.2 を材料とし
て用い、実施例1と同様に半導体粒子の平均粒度を25
μmとし、その幾何標準偏差を様々に変えて、熱電変換
素子を作製した。これら熱電変換素子について、それぞ
れ発電効率を測定した。
【0075】その結果、幾何標準偏差が1.1〜2.0
の範囲で高い発電効率が得られた。これは、粒径が均一
な方が高い発電効率を得ることができることを示してい
る。また、平均粒度を50nm〜100nmの範囲内に
制御しても、粒径が不均一である場合は、発電効率を大
幅に向上させることができないことを示している。
【0076】(実施例6)図6に、本実施例で用いられ
る粒子製造装置を示す。まず、実施例1と同様にして、
半導体粒子材料をプラズマ発生部62で溶融して、ガス
供給部64から導入される冷却ガスとともに、外壁が冷
却媒により冷却された冷却部63へと侵入させた。
【0077】ここで固化されて得られた半導体粒子を、
基板加熱部65に設置され900℃に加熱されたMo基
板上に直接堆積させて半導体微結晶層を形成した。この
ようにしてMo基板上に半導体粒子を堆積させて、p型
及びn型半導体部を電極上にそれぞれ形成した後、それ
ぞれの半導体部の電極が設けられていない面を、MoS
2 からなる電極板に接合して熱電変換素子を作製し
た。
【0078】以上のようにして得られた熱電変換素子の
半導体部を構成する微結晶は、原料粒子径を選択するこ
とにより、平均粒度および幾何標準偏差が制御されてお
り、平均粒度は10μm、幾何標準偏差は1.5であっ
た。
【0079】(実施例7)図7に示す半導体部を以下に
示すようにして形成し、これを用いて熱電変換素子を作
製した。
【0080】まず、実施例6と同様にして、電極71上
に第1のp型半導体部73を形成した。次に、平均粒度
の異なる第2のp型半導体部74を形成した。
【0081】n型半導体部についても同様に形成した
後、p型及びn型半導体部のそれぞれに、MoSi2
らなる電極72に接合して熱電変換素子を作製した。以
上のようにして得られた熱電変換素子の半導体部を構成
する微結晶は、第1の半導体部では、平均粒度が10μ
mで幾何標準偏差が1.5であり、第2の半導体部で
は、平均粒度が3μmで幾何標準偏差が1.5であっ
た。
【0082】上記実施例6と実施例7のそれぞれの熱電
変換素子について、温度に対する熱起電力の変化の測定
を行った。図8にその結果をグラフにして示す。
【0083】このグラフで、横軸は加熱温度、縦軸はゼ
ーベック係数を示している。また、実施例7の熱電変換
素子についてのデータを実線81で示し、実施例6のデ
ータを破線82で示す。
【0084】この図に示されるように、高温でのゼーベ
ック係数は同程度であるが、700K以下の領域では、
実施例7の熱電変換素子の方が、実施例6の熱電変換素
子に比べて、ゼーベック係数が高くなっている。すなわ
ち、実施例6に比べて、実施例7の熱電変換素子の方
が、ゼーベック係数が最大値を示す温度差領域が広くな
っている。
【0085】(実施例8)半導体粒子材料として、平均
粒度が3μm、幾何標準偏差が1.5で、70原子%の
Siと30原子%のGeとからなる混晶を用いたこと以
外は、実施例6と同様にして半導体部を作製した。これ
を冷却した後、ローラを用いて加圧することにより、半
導体微結晶の充填密度を高め、さらに電極を設けること
により熱電変換素子を作製した。
【0086】以上のように、本実施例の方法によると、
電極となる基板上に連続的に発電部の堆積が可能となる
ので、素子の大面積化が可能で量産に適しているだけで
なく、得られた熱電変換素子は、半導体微結晶に半導体
粒子の形状が保たれており、かつ充填密度が高められて
いるので、高い発電効率を示すことが確認された。
【0087】(実施例9)図9に示す半導体部を以下に
示すようにして形成し、これを用いて熱電変換素子を作
製した。
【0088】まず、実施例6と同様にして、平均粒度が
3μmのMoSi2 粒子を、700℃に加熱されたMo
電極91上に直接堆積させた。次に、上記MoSi2
子と同様の平均粒度のMg2 Siに、不純物としてBを
混合して作製したp型半導体粒子材料を、MoSi2
子に微量混合して、同様にしてMo電極上に堆積させ、
徐々にMoSi2 粒子含量を少なくして、最終的にはM
2 Siのみにして中間層95を形成した。
【0089】次に、平均粒度を10μmに大きくしたp
型半導体粒子を堆積させて、第1のp型半導体部93を
形成した。続いて、p型半導体粒子材料の平均粒度を5
μmと、やや小さくして、同様に堆積させて、第2のp
型半導体部94を形成し、その次に、平均粒度を3μm
にさらに小さくしたp型半導体粒子材料を堆積させ、こ
れに上記MoSi2 粒子を微量混合し、徐々にMoSi
2 粒子含量を多くして、最終的にはMoSi2 のみを堆
積することにより、中間層96を形成した。
【0090】また、BのかわりにAsを不純物として用
いたこと以外は、同様にして中間層が設けられたn型半
導体部を形成したのち、これらp型及びn型半導体部に
電極を設けて、熱電変換素子を作製した。なお、p型お
よびn型半導体に用いられる不純物はB、Asに限定さ
れるものではなく、それぞれについて適切な元素を選択
することができる。
【0091】このようにして得られた熱電変換素子は、
電極と半導体部との間の接触抵抗が低く、大きな熱履歴
に対しても接合界面が破壊されず、安定して動作するこ
とが確認された。
【0092】以上の実施例は、Si−Ge、PbTe、
Mg2 Siを例に説明したが、先にも述べたように、上
記実施例に限らず、一般的な熱電材料全般、例えば、M
n−Si系、Fe−Si系、スクッテルダイト型材料、
Bi−Te系、Zn−Sb系および各元素を同族元素に
より少なくとも一部を置換した結晶、それらの混晶につ
いても同様の結果が得られる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
熱電変換素子の半導体部を構成する微結晶の粒径を、キ
ャリア拡散長以下に制御することにより、ゼーベック係
数を高め、電気抵抗率を増加させることなく熱伝導率を
低下させて、発電効率を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る熱電変換素子を示す
図。
【図2】本発明の一実施例に係る熱電変換素子の半導体
粒子を作製するのに用いられる粒子製造装置を示す図。
【図3】本発明の一実施例に係る熱電変換素子の半導体
粒子の平均粒度と発電効率との関係を示すグラフ。
【図4】本発明の一実施例に係る熱電変換素子、従来の
熱電変換素子および参考例に係る熱電変換素子の、加熱
温度とゼーベック係数との関係を示すグラフ。
【図5】本発明の一実施例に係る熱電変換素子および比
較例に係る熱電変換素子の、加熱温度とゼーベック係数
との関係を示すグラフ。
【図6】本発明の一実施例に係る熱電変換素子の半導体
粒子を作製するのに用いられる粒子製造装置を示す図。
【図7】本発明の一実施例に係る熱電変換素子の半導体
部を示す図。
【図8】本発明の一実施例に係る熱電変換素子の、加熱
温度とゼーベック係数との関係を示すグラフ。
【図9】本発明の一実施例に係る熱電変換素子の半導体
部を示す図。
【図10】従来の熱電変換素子を示す図。
【符号の説明】
11…電極 12…電極 13…電極 14…p型半導体部 15…n型半導体部 16…p型半導体微結晶 21…原料供給部 22…プラズマ発生部 23…冷却部 24…ガス供給部 25…捕集器 41…本発明の一実施例に係る熱電変換素子のデータを
示す曲線 42…参考例に係る熱電変換素子のデータを示す曲線 43…比較例に係る熱電変換素子のデータを示す曲線 51…本発明の一実施例に係る熱電変換素子のデータを
示す曲線 52…比較例に係る熱電変換素子のデータを示す曲線 61…原料供給部 62…プラズマ発生部 63…冷却部 64…ガス供給部 65…電極加熱部 71…電極 72…電極 73…半導体部 74…半導体部 81…本発明の一実施例に係る熱電変換素子のデータを
示す曲線 82…本発明の一実施例に係る熱電変換素子のデータを
示す曲線 91…電極 92…電極 93…半導体部 94…半導体部 95…中間層 96…中間層 101…電極 102…電極 103…電極 104…p型半導体部 105…n型半導体部 106…粒塊

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体部と、 このp型半導体部と所定の間隔を隔てて配置されたn型
    半導体部と、 前記p型半導体部及びn型半導体部のそれぞれの一端を
    接続して設けられた第1の電極と、 前記p型半導体部の他端に形成された第2の電極と、 前記n型半導体部の他端に形成された第3の電極とを具
    備し、 前記p型及びn型半導体部を構成する微結晶が、それら
    を構成する半導体材料のキャリア拡散長以下の粒径を有
    することを特徴とする熱電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記p型及びn型半導体部を構成する微
    結晶が、それぞれ、ほぼ均一の粒径を有することを特徴
    とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記p型及びn型半導体部が、それぞれ
    複数の層からなり、半導体微結晶の平均粒径が層ごとに
    異なることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素
    子。
  4. 【請求項4】 前記半導体部と前記電極との間に、前記
    半導体部の熱膨張率と前記電極の熱膨張率との間の熱膨
    張率を有する中間層を具備することを特徴とする請求項
    1に記載の熱電変換素子。
  5. 【請求項5】 粒状半導体材料をプラズマにより溶融
    し、溶融半導体粒子を形成する工程と、 前記溶融半導体粒子を冷却し、少なくとも表面を固化し
    て半導体粒子を形成する工程と、 前記半導体粒子の所定量を加熱圧縮して所望の形状に成
    形し、半導体微結晶を形成する工程と、を具備すること
    を特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 粒状半導体材料をプラズマにより溶融
    し、溶融半導体粒子を形成する工程と、 前記溶融半導体粒子を冷却し、少なくとも表面を固化し
    て半導体粒子を形成する工程と、 前記溶融半導体粒子を冷却・固化する工程の直後に、前
    記半導体粒子を加熱された基板上に堆積させて半導体微
    結晶を形成する工程と、を具備することを特徴とする熱
    電変換素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶融半導体粒子を冷却・固化して半
    導体粒子を形成する工程が、前記溶融半導体粒子が浮遊
    している間に冷却することにより行われることを特徴と
    する請求項5又は6のいずれか1項に記載の熱電変換素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶融半導体粒子を冷却・固化する工
    程が、前記粒状半導体材料が完全に溶融された直後に実
    施されることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1
    項に記載の熱電変換素子の製造方法。
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