JPH0623237U - 高電圧コンデンサ及びマグネトロン - Google Patents

高電圧コンデンサ及びマグネトロン

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JPH0623237U
JPH0623237U JP8321191U JP8321191U JPH0623237U JP H0623237 U JPH0623237 U JP H0623237U JP 8321191 U JP8321191 U JP 8321191U JP 8321191 U JP8321191 U JP 8321191U JP H0623237 U JPH0623237 U JP H0623237U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的強度が大で、加湿耐電圧特性を含めて高
い耐電圧特性を有し、小型で安価な高電圧コンデンサ及
びマグネトロンを提供する。 【構成】接地金具1と、貫通コンデンサ2、3と、貫通
導体4、5と、絶縁樹脂充填部材7と、仕切り部材14
とを有する。貫通コンデンサ2、3は電極203、30
3が接地金具1の浮上り部101、102に固着されて
いる。貫通導体4、5は電極202、302に個別に導
通接続されている。絶縁樹脂充填部材7は、貫通コンデ
ンサ2、3の周りに連続するように充填されている。仕
切り部材14は貫通コンデンサ2ー3間の絶縁樹脂充填
部材7中に埋設され、絶縁樹脂充填部材7を貫通コンデ
ンサ2ー3間で仕切っている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、高電圧コンデンサ及びこの高電圧コンデンサでなるフィルタを有す るマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の高電圧コンデンサに係る先行技術文献例としては、例えば実公 昭1ー19388号公報、実公昭63ー48112号公報等を上げることができ る。図7は上記先行技術文献等で知られた高電圧コンデンサの分解斜視図、図8 は同じくその正面断面図である。図示の高電圧コンデンサは、1つの貫通コンデ ンサ2の誘電体磁器素体210に、2つの貫通孔211、212を間隔をおいて 形成し、貫通孔211、212を開口させた両面に、互いに分離した個別電極2 13、214に対して共通となる共通電極215を設け、共通電極215を、接 地金具1の浮上り部111上に半田付け等の手段によって固着すると共に、貫通 コンデンサ2の貫通孔211、212及び接地金具1の貫通孔112を通って絶 縁チューブ10、11を被せた貫通導体4、5を貫通させ、この貫通導体4、5 を、貫通コンデンサ2の個別電極213、214上に、電極接続体12、13等 を用いて半田付けした2連型となっている。接地金具1は、一面側の中央部また は中心部に浮上り部111を突出させ、浮上り部111の外周に、貫通コンデン サ2を包囲するように、絶縁ケース6を挿着すると共に、他面側に、貫通導体4 、5を包囲するように、絶縁カバー9を挿着させてある。そして、絶縁ケース6 及び絶縁カバー9で包囲された貫通コンデンサ2の内外に、エポキシ樹脂等でな る絶縁樹脂充填部材7、8を充填し、耐湿性及び絶縁性を確保してある。貫通導 体4、5の絶縁ケース6側の端部には、タブ接続子等の端子部41、51を形成 してある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高電圧コンデンサは、1個の貫通コンデンサ2を用い、 その内外に絶縁樹脂充填部材7、8を充填してあるため、貫通コンデンサ2と絶 縁樹脂充填部材7、8との接触界面が貫通コンデンサ2の内周及び外周に絶縁樹 脂を楕円形状に充填するため、界面剥離の発生確率が高くなり、耐電圧不良を惹 起し易い。また、2連型貫通コンデンサを用いた場合には、その周りに絶縁樹脂 充填部材7、8を充填するので、形状の小型化に限界がある。更に2連型貫通コ ンデンサを用いるため、コスト高になる。上述の高電圧コンデンサを用いたマグ ネトロンも、上記問題点がそのまま出てしまう。
【0004】 上述の問題点を回避するために、2連型が提案される以前に主流となっていた 2個の貫通コンデンサを用いたコンデンサ分離型高電圧コンデンサが再検討され た。しかし、コンデンサ分離型高電圧コンデンサには、次のような問題点があっ た。 (A)各貫通コンデンサ毎に絶縁ケースを配置し、各絶縁ケース内の貫通コンデ ンサの周りに絶縁樹脂充填部材を充填する構造をとった場合、貫通コンデンサが 互いに分離するため、機械的強度が不充分になる。貫通コンデンサには貫通導体 が挿着されており、この貫通導体のタブ端子に外部コネクタが抜き差しされるた め、機械的強度が不充分であると、貫通導体にグラツキを生じ、貫通導体、誘電 体及び接地金具と、絶縁樹脂充填部材との間に界面剥離を生じ、耐電圧特性が劣 化する。また、絶縁ケース毎に個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならな いため、絶縁樹脂充填部材注型工程数が増え、コストアップを招く。 (B)各貫通コンデンサ毎に絶縁ケースを配置した場合、絶縁ケース間に結露が 発生する。このため、高電圧が印加された場合に、貫通導体と接地金具との間で 、結露を通してリークが発生し、加湿耐圧特性が悪くなるということが分った。 この種の高電圧コンデンサは、電子レンジのマグネトロンのフィルタとしての重 要な用途があり、湿気や塵埃の多い環境で使用されることが多いため、高度の加 湿耐電圧レベルを有することが必須である。 (C)上記問題点を解決する手段として、例えば実公昭1ー19388号公報、 実公昭63ー48112号公報等に記載された2連型高電圧コンデンサに見られ るように、2つの貫通コンデンサを1つの絶縁ケースで覆い、その内部に絶縁樹 脂充填部材を充填する構造も検討されたが、ヒートサイクル試験、ヒートショッ ク試験等において加わる熱ストレスが大きくなり、耐電圧不良等を発生する危険 性が高くなることが判明した。
【0005】 そこで、本考案の課題は、上述する従来の問題点を解決し、機械的強度が大で 、加湿耐電圧特性を含めて高い耐電圧特性を有し、小型で安価な高電圧コンデン サ及びマグネトロンを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題解決のため、本考案に係る高電圧コンデンサは、接地金具と、貫 通コンデンサと、貫通導体と、絶縁樹脂充填部材と、仕切り部材とを有する高電 圧コンデンサであって、 前記接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有し、前記浮上り部のそれぞれ が中央部に穴を有し互いに間隔を隔てて配置されており、 前記貫通コンデンサは2個であって、それぞれが貫通孔を有すると共に、前記 貫通孔の開口する両面に電極を有し、前記浮上り部上に配置されて前記電極の一 方が前記浮上り部に固着されており、 前記貫通導体は、前記貫通コンデンサ毎に前記貫通孔内を貫通して備えられ、 それぞれが前記電極の他方に個別に導通接続されており、 前記絶縁樹脂充填部材は、前記貫通コンデンサの周りに連続するように充填さ れており、 前記仕切り部材は、前記貫通コンデンサの間の前記絶縁樹脂充填部材中に埋設 され、前記絶縁樹脂充填部材を前記貫通コンデンサ間で仕切っていること を特徴とする。
【0007】 本考案に係るマグネトロンは、上述した高電圧コンデンサをフィルタとして備 えることが特徴である。
【0008】
【作用】 接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有しており、貫通コンデンサは2個 であって、それぞれが貫通孔を有すると共に、貫通孔の開口する両面に電極を有 し、浮上り部上に配置されて電極の一方が浮上り部に固着されており、貫通導体 は、貫通コンデンサ毎に貫通孔内を貫通して備えられ、それぞれが電極の他方に 個別に導通接続されているから、コンデンサ分離型の高電圧コンデンサとなり、 2連型高電圧コンデンサと比較して、界面剥離の発生確率が低くなると共に、耐 電圧不良が生じにくくなり、小型でコストも安価になる。
【0009】 絶縁樹脂充填部材は、貫通コンデンサの周りに連続するように充填されている から、貫通コンデンサ及び貫通導体に対する機械的補強が増大し、貫通導体にグ ラツキを生じにくくなる。この結果、貫通導体、誘電体及び接地金具と、絶縁樹 脂充填部材との間の界面剥離が生じにくくなり、耐電圧特性が大幅に向上する。 また、2つの貫通コンデンサの絶縁樹脂充填部材を同時に注型できるため、絶縁 ケース毎に個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならなかったコンデンサ分 離型高電圧コンデンサに比べて、絶縁樹脂充填部材注型工程数が半減し、コスト ダウンが達成される。
【0010】 絶縁樹脂充填部材は、貫通コンデンサの周りに連続するように充填されている から、貫通コンデンサ間に結露が発生することがない。このため、電子レンジの マグネトロンのフィルタ等のように、湿気や塵埃の多い環境で使用された場合で も、高度の加湿耐電圧レベルを確保できる。
【0011】 仕切り部材は、貫通コンデンサ間の絶縁樹脂充填部材中に埋設され、絶縁樹脂 充填部材を貫通コンデンサ間で仕切っているから、絶縁樹脂充填部材が貫通コン デンサの相互間で実質的に分離された状態で収縮動作を行う。このため、電子レ ンジ実装時及びヒートサイクル試験等において、貫通コンデンサ相互間に発生す る熱ストレスの相互作用が小さくなり、貫通コンデンサと絶縁樹脂充填部材との 間の剥離、隙間または亀裂等の発生が抑制され、耐電圧不良等を発生しにくくな る。仕切り部材は、絶縁樹脂充填部材に対して非接着性を示す絶縁樹脂が適して いる。絶縁樹脂充填部材に対して非接着性を示す仕切り部材を用いると、絶縁樹 脂充填部材の硬化収縮時の応力を、貫通コンデンサ相互間で分断し、絶縁樹脂充 填部材と誘電体磁器素体との間の剥離、隙間または亀裂の発生を防止できる。例 として、充填される絶縁樹脂充填部材がエポキシ樹脂である場合、仕切り部材は ポリプロピレン(以下PPと称する)で構成する。
【0012】
【実施例】
図1は本考案に係る高電圧コンデンサの分解斜視図、図2は同じくその断面図 である。1は接地金具、2、3は貫通コンデンサ、4、5は貫通導体、6は絶縁 ケース、7、8は絶縁樹脂充填部材、9は絶縁カバー、10、11は絶縁チュー ブ、14は仕切り部材である。
【0013】 接地金具1は、同一面側に2つの浮上り部101、102を有し、浮上り部1 01、102のそれぞれが中央部に穴103、104を有し互いに間隔を隔てて 配置されている。
【0014】 貫通コンデンサ2、3は2個であって、それぞれが誘電体磁器素体200、3 00に、貫通孔201、301を有すると共に、貫通孔201、301の開口す る両面に電極(202、203)、(302、303)を有し、浮上り部101 、102上に配置されて電極203、303が浮上り部101、102に半田付 け等の手段によって固着されている。
【0015】 貫通導体4、5は、貫通コンデンサ2、3毎に貫通孔201、301内を貫通 して備えられ、それぞれが電極202、302に個別に導通接続されている。貫 通導体4、5は接地金具1の浮上り部101、102に設けられた穴103、1 04を非接触状態で貫通して両端が外部に導出されている。12、13は貫通導 体4、5と電極202、302とを接続する電極接続金具である。貫通導体4、 5の上端側(図において)にはタブ端子部41、51が設けられている。
【0016】 絶縁ケース6は、下部開口側が浮上り部101、102の外周に挿着され、内 径部611、621内に貫通コンデンサ2、3を収納している。
【0017】 絶縁樹脂充填部材7は貫通コンデンサ2、3の周りに連続して充填されている 。絶縁樹脂充填部材7の外側には絶縁ケース6が密着して配置されている。絶縁 樹脂充填部材8は接地金具1を間に挟んで反対側の領域に充填されている。絶縁 樹脂充填部材層7、8は高分子樹脂である熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂ま たはこれらの樹脂に無機質充填剤を混合した複合樹脂によって構成できる。
【0018】 上述のように、接地金具1は同一面側に2つの浮上り部101、102を有し ており、貫通コンデンサ2、3は2個であってそれぞれが貫通孔201、301 を有すると共に、貫通孔201、301の開口する両面に電極(202、203 )、(302、303)を有し、浮上り部101、102上に配置されて電極2 02、302が浮上り部101、102に固着されており、貫通導体4、5は貫 通コンデンサ2、3毎に貫通孔201、301内を貫通して備えられ、それぞれ が電極202、302に個別に導通接続されているから、コンデンサ分離型の高 電圧コンデンサとなり、2連型高電圧コンデンサと比較して、界面剥離の発生確 率が低くなると共に、耐電圧不良が生じにくくなり、小型でコストも安価になる 。
【0019】 絶縁樹脂充填部材7は、貫通コンデンサ2、3の周りに連続するように充填さ れているから、貫通コンデンサ2、3及び貫通導体4、5に対する機械的補強が 増大し、貫通導体4、5にグラツキを生じにくくなる。この結果、貫通導体4、 5、誘電体磁器素体200、300及び接地金具1と、絶縁樹脂充填部材7との 間の界面剥離が生じにくくなり、耐電圧特性が大幅に向上する。また、絶縁樹脂 充填部材7を貫通コンデンサ2、3間で同時に注型できるため、絶縁ケース毎に 個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならなかったコンデンサ分離型高電圧 コンデンサに比べて、絶縁樹脂充填部材注型工程数が半減し、コストダウンが達 成される。
【0020】 また、絶縁樹脂充填部材7は、貫通コンデンサ2、3の周りに連続するように 充填されているから、貫通コンデンサ2ー3間に結露が発生することがない。こ のため、電子レンジのマグネトロンのフィルタ等のように、湿気や塵埃の多い環 境で使用された場合でも、高度の加湿耐電圧レベルを確保できる。
【0021】 仕切り部材14は、貫通コンデンサ2ー3間の絶縁樹脂充填部材7中に埋設さ れ、絶縁樹脂充填部材7を貫通コンデンサ2ー3間で仕切っている。このような 構造であると、絶縁樹脂充填部材7が貫通コンデンサ2ー3の相互間で実質的に 分離された状態で収縮動作を行う。このため、電子レンジ実装時及びヒートサイ クル試験等において、熱ストレスの相互作用が小さくなり、貫通コンデンサ2、 3と絶縁樹脂充填部材7との間の剥離、隙間または亀裂等の発生が抑制され、耐 電圧不良等を発生しにくくなる。仕切り部材14を、絶縁樹脂充填部材7に対し て非接着性を示す材料で構成した場合には、貫通コンデンサ2、3の相互間の熱 ストレス作用が一層小さくなり、耐電圧不良等が一層発生しにくくなる。図示の 仕切り部材14はPP樹脂等で構成された平板状であって、絶縁ケース6に設け られたガイド61によって両端が支持され、絶縁ケース6の内部に充填される絶 縁樹脂充填部材7を、貫通コンデンサ2、3の間で実質的に2分するように配置 されている。
【0022】 図3は本考案に係る高電圧コンデンサの別の実施例を示す分解斜視図である。 図において、図1及び図2と同一の参照符号は同一の構成部分を示している。こ の実施例では、仕切り部材14は貫通コンデンサ2、3と対面する両側面141 、142が円弧状面となっていて、絶縁ケース6と対面する両側面143、14 4が平面状となっている。組み立て状態では、両側面143、144が絶縁ケー ス6の側面に密着し、絶縁ケース6の内部に充填される絶縁樹脂充填部材7を、 貫通コンデンサ2、3の間で実質的に2分する。145、146は絶縁ケース6 に設けられたガイド61に嵌合する溝である。
【0023】 図4は本考案に係る高電圧コンデンサをフィルタとして組込んだマグネトロン の部分破断面図で、15は陰極ステム、16はフィルタボックス、17、18は インダクタ、19はインダクタ17、18と共にフィルタとして使用された本考 案に係る高電圧コンデンサである。フィルタボックス16は陰極ステム15を覆 うように配置してあり、また高電圧コンデンサ19は、フィルタボックス16の 側面板161に設けた貫通孔を通して、絶縁ケース6が外部に出るように貫通し て設けられ、接地金具1の部分で、フィルタボックス16の側面板161に取付 け固定されている。インダクタ17、18はフィルタボックス16の内部におい て、陰極ステム15の陰極端子と、高電圧コンデンサ19の貫通導体4、5との 間に直列に接続されている。20は磁石、21は冷却フィン、22はガスケット 、23はRF出力端である。
【0024】 図5は交流破壊電圧測定データを示す図である。図に記入された従来品は、2 連型貫通コンデンサのデータである。この測定データから明らかなように、従来 品で20kVr.m.s前後であった交流破壊電圧が、本考案品では25kVr .m.s前後まで改善されている。
【0025】 図6は加湿耐圧試験データを示すグラブである。分離型とは、各貫通コンデン サ毎に絶縁ケースを配置し、各絶縁ケース内のコンデンサの周りに絶縁樹脂充填 部材を充填したコンデンサ分離型高電圧コンデンサである。試験に当たっては、 試料を加湿器で加湿しながら、10秒オンー5秒オフを1サイクルとして、電子 レンジの電圧を印加した。この試験データが示すように、分離型は、80サイク ルで約7%の累積故障率となり、300サイクル未満で90%を越える累積故障 率となる。これに対して、本考案品は、300サイクルでは約25%の累積故障 率であり、加湿耐圧特性が著しく改善されている。
【0026】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案によれば、次のような効果が得られる。 (a)接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有しており、貫通コンデンサは 2個であって、それぞれが貫通孔を有すると共に、貫通孔の開口する両面に電極 を有し、浮上り部上に配置されて電極の一方が浮上り部に固着されており、貫通 導体は、貫通コンデンサ毎に貫通孔内を貫通して備えられ、それぞれが電極の他 方に個別に導通接続されているから、コンデンサ分離型の高電圧コンデンサとな り、2連型高電圧コンデンサと比較して、界面剥離の発生確率が低く、耐電圧特 性に優れた小型でコストの安価な高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供でき る。 (b)絶縁樹脂充填部材は、貫通コンデンサの周りに連続するように充填されて いるから、貫通コンデンサ及び貫通導体に対する機械的補強が増大し、貫通導体 、誘電体及び接地金具と、絶縁樹脂充填部材との間の界面剥離が生じにくく、耐 電圧特性に優れた高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供できる。 (c)2つの貫通コンデンサの絶縁樹脂充填部材を同時に注型できるため、絶縁 ケース毎に個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならなかったコンデンサ分 離型高電圧コンデンサに比べて、絶縁樹脂充填部材注型工程数が半減し、コスト の安価な高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供できる。 (d)絶縁樹脂充填部材は、貫通コンデンサの周りに連続するように充填されて いるから、貫通コンデンサ間に結露が発生することがなく、電子レンジのマグネ トロンのフィルタ等のように、湿気や塵埃の多い環境で使用された場合でも、高 度の加湿耐電圧レベルを確保し得る高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供で きる。 (e)仕切り部材は、貫通コンデンサの間の絶縁樹脂充填部材中に埋設され、絶 縁樹脂充填部材を貫通コンデンサ間で仕切っているから、電子レンジ実装時、ヒ ートサイクル試験またはヒートショック試験等における貫通コンデンサ相互間の 熱ストレス作用が小さくなり、耐電圧特性に優れた高電圧コンデンサ及びマグネ トロンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る高電圧コンデンサの分解斜視図で
ある。
【図2】本考案に係る高電圧コンデンサの断面図であ
る。
【図3】本考案に係る高電圧コンデンサの分解斜視図で
ある。
【図4】本考案に係る高電圧コンデンサを組込んだマグ
ネトロンの部分破断面図である。
【図5】交流破壊電圧測定データを示す図である。
【図6】加湿耐圧試験データを示すグラフである。
【図7】従来の高電圧コンデンサの分解斜視図である。
【図8】従来の高電圧コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1 接地金具 101、102 浮上り部 103、104 穴 2、3 貫通コンデンサ 201、301 貫通孔 202、203 電極 302、303 電極 4、5 貫通導体 6 絶縁ケース 7、8 絶縁樹脂充填部材 9 絶縁カバー 10、11 絶縁チューブ 14 仕切り部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地金具と、貫通コンデンサと、貫通導
    体と、絶縁樹脂充填部材と、仕切り部材とを有する高電
    圧コンデンサであって、 前記接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有し、前
    記浮上り部のそれぞれが中央部に穴を有し互いに間隔を
    隔てて配置されており、 前記貫通コンデンサは2個であって、それぞれが貫通孔
    を有すると共に、前記貫通孔の開口する両面に電極を有
    し、前記浮上り部上に配置されて前記電極の一方が前記
    浮上り部に固着されており、 前記貫通導体は、前記貫通コンデンサ毎に前記貫通孔内
    を貫通して備えられ、それぞれが前記電極の他方に個別
    に導通接続されており、 前記絶縁樹脂充填部材は、前記貫通コンデンサの周りに
    連続するように充填されており、 前記仕切り部材は、前記貫通コンデンサの間の前記絶縁
    樹脂充填部材中に埋設され、前記絶縁樹脂充填部材を前
    記貫通コンデンサ間で仕切っていることを特徴とする高
    電圧コンデンサ。
  2. 【請求項2】 絶縁ケースを有し、前記絶縁ケースが前
    記絶縁樹脂充填部材を密着して包囲するように配置さ
    れ、内部に前記仕切り部材を支持するガイドを有するこ
    とを特徴とする高電圧コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記仕切り部材は、前記絶縁樹脂充填部
    材に対して、非接着性を示す材料で構成されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の高電圧コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 高電圧コンデンサでなるフィルタを有す
    るマグネトロンであって、 前記高電圧コンデンサは、請求項1、2または3に記載
    のものでなることを特徴とするマグネトロン。
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