JPH0528021U - 高電圧コンデンサ及びマグネトロン - Google Patents

高電圧コンデンサ及びマグネトロン

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JPH0528021U
JPH0528021U JP083212U JP8321291U JPH0528021U JP H0528021 U JPH0528021 U JP H0528021U JP 083212 U JP083212 U JP 083212U JP 8321291 U JP8321291 U JP 8321291U JP H0528021 U JPH0528021 U JP H0528021U
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JP
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feedthrough
capacitor
floating
electrodes
portions
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JP083212U
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勲 藤原
仁 工藤
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的強度が大で、加湿耐電圧特性を含めて高
い耐電圧特性を有し、小型で安価な高電圧コンデンサ及
びマグネトロンを提供する。 【構成】貫通コンデンサ2、3は両面に電極(202、
203)、(302、303)を有し、電極203、3
03が接地金具1の浮上り部101、102に固着され
ている。貫通導体4、5は電極202、302に個別に
導通接続されている。絶縁ケース6は2つの筒部61、
62の上部開口側が互いに連結され、内径部611、6
21に連なる凹部63を有し、浮上り部101、102
の外周に挿着され、内径部611、621内に貫通コン
デンサ2、3を収納している。絶縁樹脂充填部材7は、
内径部611、621内の貫通コンデンサ2、3の周り
及び凹部63内に充填され、凹部63内で連続してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、高電圧コンデンサ及びこの高電圧コンデンサでなるフィルタを有す るマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の高電圧コンデンサに係る先行技術文献例としては、例えば実公 平1ー19388号公報、実公昭63ー48112号公報等を上げることができ る。図8は上記先行技術文献等で知られた高電圧コンデンサの分解斜視図、図9 は同じくその正面断面図である。図示の高電圧コンデンサは、1つの貫通コンデ ンサ2の誘電体磁器素体210に、2つの貫通孔211、212を間隔をおいて 形成し、貫通孔211、212を開口させた両面に、互いに分離した個別電極2 13、214に対して共通となる共通電極215を設け、共通電極215を、接 地金具1の浮上り部111上に半田付け等の手段によって固着すると共に、貫通 コンデンサ2の貫通孔211、212及び接地金具1の貫通孔112を通って絶 縁チューブ10、11を被せた貫通導体4、5を貫通させ、この貫通導体4、5 を、貫通コンデンサ2の個別電極213、214上に、電極接続体12、13等 を用いて半田付けした2連型となっている。接地金具1は、一面側の中央部また は中心部に浮上り部111を突出させ、浮上り部111の外周に、貫通コンデン サ2を包囲するように、絶縁ケース6を挿着すると共に、他面側に、貫通導体4 、5を包囲するように、絶縁カバ9ーを挿着させてある。そして、絶縁ケース6 及び絶縁カバー9で包囲された貫通コンデンサ2の内外に、エポキシ樹脂等でな る絶縁樹脂充填部材7、8を充填し、耐湿性及び絶縁性を確保してある。貫通導 体4、5の絶縁ケース6側の端部には、タブ接続子等の端子部41、51を形成 してある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高電圧コンデンサは、1個の貫通コンデンサ2を用い、 その内外に絶縁樹脂充填部材7、8を充填してあるため、貫通コンデンサ2と絶 縁樹脂充填部材7、8との接触界面が貫通コンデンサ2の内周及び外周に絶縁樹 脂を楕円形状に充填するため界面剥離の発生確率が高くなり、耐電圧不良を惹起 し易い。また、2連型貫通コンデンサを用いた場合には、その周りに絶縁樹脂充 填部材7、8を充填するので、形状の小型化に限界がある。更に2連型貫通コン デンサを用いるため、コスト高になる。上述の高電圧コンデンサを用いたマグネ トロンも、上記問題点がそのまま出てしまう。
【0004】 上述の問題点を回避するために、2連型が提案される以前に主流となっていた 2個の貫通コンデンサを用いたコンデンサ分離型高電圧コンデンサが再検討され た。しかし、コンデンサ分離型高電圧コンデンサには、次のような問題点があっ た。 (A)各貫通コンデンサ毎に絶縁ケースを配置し、各絶縁ケース内の貫通コンデ ンサの周りに絶縁樹脂充填部材を充填する構造をとった場合、貫通コンデンサが 互いに分離するため、機械的強度が不充分になる。貫通コンデンサには貫通導体 が装着されており、この貫通導体のタブ端子に外部コネクタが抜き差しされるた め、機械的強度が不充分であると、貫通導体にグラツキを生じ、貫通導体、誘電 体及び接地金具と、絶縁樹脂充填部材との間に界面剥離を生じ、耐電圧特性が劣 化する。また、絶縁ケース毎に個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならな いため、絶縁樹脂充填部材注型工程数が増え、コストアップを招く。 (B)各貫通コンデンサ毎に絶縁ケースを配置した場合、絶縁ケース間に結露が 発生する。このため、高電圧が印加された場合に、貫通導体と接地金具との間で 、結露を通してリークが発生し、加湿耐圧特性が悪くなるということが分かった 。この種の高電圧コンデンサは、電子レンジのマグネトロンのフィルタとしての 重要な用途があり、湿気や塵埃の多い環境で使用されることが多いため、高度の 加湿耐電圧レベルを有することが必須である。 (C)上記問題点を解決する手段として、例えば実公平1ー19388号公報、 実公昭63ー48112号公報等に記載された2連型高電圧コンデンサに見られ るように、2つの貫通コンデンサを1つの絶縁ケースで覆い、その内部に絶縁樹 脂充填部材を充填する構造も検討されたが、ヒートサイクル試験、ヒートショッ ク試験等において加わる熱ストレスが大きくなり、耐電圧不良等を発生する危険 性が高くなることが判明した。
【0005】 そこで、本考案の課題は、上述する従来の問題点を解決し、機械的強度が大で 、加湿耐電圧特性を含めて高い耐電圧特性を有し、小型で安価な高電圧コンデン サ及びマグネトロンを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題解決のため、本考案に係る高電圧コンデンサは、接地金具と、貫 通コンデンサと、貫通導体と、絶縁ケースと、絶縁樹脂充填部材とを有する高電 圧コンデンサであって、 前記接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有し、前記浮上り部のそれぞれ が中央部に穴を有し互いに間隔を隔てて配置されており、 前記貫通コンデンサは2個であって、それぞれが貫通孔を有すると共に、前記 貫通孔の開口する両面に電極を有し、前記浮上り部上に配置されて前記電極の一 方が前記浮上り部に固着されており、 前記貫通導体は、前記貫通コンデンサ毎に前記貫通孔内を貫通して備えられ、 それぞれが前記電極の他方に個別に導通接続されており、 前記絶縁ケースは、2つの筒部を有し、前記筒部が互いに間隔を隔てて併設さ れ、前記筒部の上部開口側が互いに連結され内径部に連なる凹部を有し、下部開 口側が前記浮上り部の外周に挿着され、前記内径部内に前記貫通コンデンサを収 納しており、 前記絶縁樹脂充填部材は、前記内径部内の前記貫通コンデンサの周り及び前記 凹部内に充填され、前記凹部内で連続していること を特徴とする。
【0007】
【作用】
接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有しており、貫通コンデンサは2個 であって、それぞれが貫通孔を有すると共に、貫通孔の開口する両面に電極を有 し、浮上り部上に配置されて電極の一方が浮上り部に固着されており、貫通導体 は、貫通コンデンサ毎に貫通孔内を貫通して備えられ、それぞれが電極の他方に 個別に導通接続されているから、コンデンサ独立型の高電圧コンデンサとなり、 2連型高電圧コンデンサと比較して、界面剥離の発生確率が低くなると共に、耐 電圧不良が生じにくくなり、小型でコストも安価になる。
【0008】 絶縁ケースは2つの筒部を有し、筒部の内径部内に貫通コンデンサを収納して おり、絶縁樹脂充填部材は内径部内の貫通コンデンサの周りに充填されているの で、絶縁樹脂充填部材を筒部で互いに仕切った構造となり、絶縁樹脂充填部材が 実質的に分離された状態で収縮動作を行う。このため、電子レンジ実装時及びヒ ートサイクル試験等において、貫通コンデンサ相互間に発生する熱ストレスの相 互作用が小さくなり、貫通コンデンサと絶縁樹脂充填部材との間の剥離、隙間ま たは亀裂等の発生が抑制され、耐電圧不良等を発生しにくくなる。
【0009】 絶縁ケースは、2つの筒部の上部開口側が互いに連結され下部開口側が接地金 具上の浮上り部の外周に挿着されているから、絶縁ケースを上下で一体的に結合 した組立構造が得られる。しかも、絶縁樹脂充填部材は絶縁ケースの凹部内に充 填され、凹部内で連続している。このため、貫通コンデンサ及び貫通導体に対す る機械的補強が増大し、貫通導体にグラツキを生じにくくなる。この結果、貫通 導体、誘電体及び接地金具と、絶縁樹脂充填部材との間の界面剥離が生じにくく なり、耐電圧特性が大幅に向上する。
【0010】 絶縁ケースは、2つの筒部の上部開口側が内径部に連なる凹部を有しているの で、凹部を通して、2つの筒部に同時に絶縁樹脂充填部材を注型できる。このた め、絶縁ケース毎に個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならなかったコン デンサ独立型高電圧コンデンサに比べて、絶縁樹脂充填部材の注型工程数が半減 し、コストダウンが達成される。
【0011】 絶縁ケースは、2つの筒部を有し、筒部が互いに間隔を隔てて併設されている から、筒部間に発生する空間が放熱領域となり、電子レンジ実装時及びヒートサ イクル試験等において加わる熱ストレスが小さくなり、耐電圧不良等を発生しに くくなる。
【0012】
【実施例】
図1は本考案に係る高電圧コンデンサの分解斜視図、図2は同じくその正面断 面図である。図3は絶縁ケースの平面図、図4は同じくその底面図である。1は 接地金具、2、3は貫通コンデンサ、4、5は貫通導体、6は絶縁ケース、7、 8は絶縁樹脂充填部材、9は絶縁カバー、10、11は絶縁チューブである。
【0013】 接地金具1は、同一面側に2つの浮上り部101、102を有し、浮上り部1 01、102のそれぞれが中央部に穴103、104を有し互いに間隔を隔てて 配置されている。
【0014】 貫通コンデンサ2、3は2個であって、それぞれが誘電体磁器素体200、3 00に貫通孔201、301を有すると共に、貫通孔201、301の開口する 両面に電極(202、203)、(302、303)を有し、浮上り部101、 102上に配置されて電極203、303が浮上り部101、102に半田付け 等の手段によって固着されている。
【0015】 貫通導体4、5は、貫通コンデンサ2、3毎に貫通孔201、301内を貫通 して備えられ、それぞれが電極202、302に個別に導通接続されている。貫 通導体4、5は接地金具1の浮上り部101、102に設けられた穴103、1 04を非接触状態で貫通して両端が外部に導出されている。12、13は貫通導 体4、5と電極202、302とを接続する電極接続金具である。貫通導体4、 5の上端側(図において)にはタブ端子部41、51が設けられている。
【0016】 絶縁ケース6は、図3及び図4にも示すように、2つの筒部61、62を有し 、筒部61、62が互いに間隔Dを隔てて併設されている。絶縁ケース6は、筒 部61、62の上部開口側が連結部64によって互いに連結され、内径部611 、621に連なる凹部63を有し、下部開口側が浮上り部101、102の外周 に挿着され、内径部611、621内に貫通コンデンサ2、3を収納している。
【0017】 絶縁樹脂充填部材7は内径部611、621内の貫通コンデンサ2、3の周り 、及び、凹部63内に充填され、凹部63内で連続している。絶縁樹脂充填部材 8は接地金具1を間に挟んで反対側の領域に充填されている。絶縁樹脂充填部材 7、8は高分子樹脂である熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂またはこれらの樹 脂に無機質充填剤を混合した複合樹脂によって構成できる。
【0018】 上述のように、接地金具1は同一面側に2つの浮上り部101、102を有し ており、貫通コンデンサ2、3は2個であってそれぞれが貫通孔201、301 を有すると共に、貫通孔201、301の開口する両面に電極(202、203 )、(302、303)を有し浮上り部101、102上に配置されて電極20 2、302が浮上り部101、102に固着されており、貫通導体4、5は貫通 コンデンサ2、3毎に貫通孔201、301内を貫通して備えられ、それぞれが 電極202、302に個別に導通接続されているから、コンデンサ独立型の高電 圧コンデンサとなり、2連型高電圧コンデンサと比較して、界面剥離の発生確率 が低くなると共に、耐電圧不良が生じにくくなり、小型でコストも安価になる。
【0019】 絶縁ケース6は、2つの筒部61、62の上部開口側が互いに連結され下部開 口側が接地金具上1の浮上り部101、102の外周に挿着されているから、絶 縁ケース6を上下で一体的に結合した組立構造が得られる。しかも、絶縁樹脂充 填部材7は絶縁ケース6の凹部63内に充填され、凹部63内で連続している。 このため、貫通コンデンサ2、3及び貫通導体4、5に対する機械的補強が増大 し、貫通導体4、5にグラツキを生じにくくなる。この結果、貫通導体4、5、 誘電体磁器素体200、300及び接地金具1と、絶縁樹脂充填部材7との間の 界面剥離が生じにくくなり、耐電圧特性が向上する。
【0020】 絶縁ケース6は、2つの筒部61、62の上部開口側が内径部611、621 に連なる凹部63を有しているので、凹部63を通して、2つの筒部61、62 に同時に絶縁樹脂充填部材7を注型できる。このため、絶縁ケース毎に個別に絶 縁樹脂充填部材を充填しなければならなかったコンデンサ独立型高電圧コンデン サに比べて、絶縁樹脂充填部材の注型工程数が半減し、コストダウンが達成され る。
【0021】 絶縁ケース6は、2つの筒部61、62を有し、筒部61、62が互いに間隔 Dを隔てて併設されているから、筒部61ー62間に発生する空間14が放熱領 域となり、電子レンジ実装時及びヒートサイクル試験等において加わる熱ストレ スが小さくなり、耐電圧不良等を発生しにくくなる。
【0022】 図5は本考案に係る高電圧コンデンサをフィルタとして組込んだマグネトロン の部分破断面図で、15は陰極ステム、16はフィルタボックス、17、18は インダクタ、19はインダクタ17、18と共にフィルタとして使用された本考 案に係る高電圧コンデンサである。フィルタボックス16は陰極ステム15を覆 うように配置してあり、また高電圧コンデンサ19は、フィルタボックス16の 側面板161に設けた貫通孔を通して、絶縁ケース6が外部に出るように貫通し て設けられ、接地金具1の部分で、フィルタボックス16の側面板161に取付 け固定されている。インダクタ17、18はフィルタボックス16の内部におい て、陰極ステム15の陰極端子と、高電圧コンデンサ19の貫通導体4、5との 間に直列に接続されている。20は磁石、21は冷却フィン、22はガスケット 、23はRF出力端である。
【0023】 図6は交流破壊電圧測定データを示す図である。図に記入された従来品は、2 連型貫通コンデンサのデータである。この測定データから明らかなように、従来 品で20kVr.m.s前後であった交流破壊電圧が、本考案品では25kVr .m.s前後まで改善されている。
【0024】 図7は加湿耐圧試験データを示すグラフである。従来品である分離型とは、各 貫通コンデンサ毎に絶縁ケースを配置し、各絶縁ケース内のコンデンサの周りに 絶縁樹脂充填部材を充填したコンデンサ分離型高電圧コンデンサである。試験に 当たっては、試料を加湿器で加湿しながら、10秒オンー5秒オフを1サイクル として、電子レンジの電圧を印加した。この試験データが示すように、従来品の 分離型は、80サイクルで約7%の累積故障率となり、300サイクル未満で9 0%を越える累積故障率となる。これに対して、本考案品は、300サイクルで は約25%の累積故障率であり、加湿耐圧特性が著しく改善されている。
【0025】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案によれば、次のような効果が得られる。 (a)接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有しており、貫通コンデンサは 2個であって、それぞれが貫通孔を有すると共に、貫通孔の開口する両面に電極 を有し、浮上り部上に配置されて電極の一方が浮上り部に固着されており、貫通 導体は、貫通コンデンサ毎に貫通孔内を貫通して備えられ、それぞれが電極の他 方に個別に導通接続されているから、コンデンサ独立型の高電圧コンデンサとな り、2連型高電圧コンデンサと比較して、界面剥離の発生確率が低くなると共に 、耐電圧不良が生じにくくなり、小型でコストの安価な高電圧コンデンサ及びマ グネトロンを提供できる。 (b)絶縁ケースは2つの筒部を有し、筒部の内径部内に貫通コンデンサを収納 しており、絶縁樹脂充填部材は内径部内の貫通コンデンサの周りに充填されてい るので、電子レンジ実装時及びヒートサイクル試験等において、貫通コンデンサ 相互間に発生する熱ストレスの相互作用を著しく緩和し、貫通コンデンサと絶縁 樹脂充填部材との間の剥離、隙間または亀裂等の発生を抑制し、耐電圧特性を向 上させた高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供できる。 (c)絶縁ケースは2つの筒部の上部開口側が互いに連結され下部開口側が接地 金具上の浮上り部の外周に挿着され、絶縁樹脂充填部材は絶縁ケースの凹部内に 充填され、凹部内で連続しているから、貫通コンデンサ及び貫通導体に対する機 械的補強が増大し、貫通導体、誘電体磁器素体及び接地金具と、絶縁樹脂充填部 材との間の界面剥離が生じにくく、耐電圧特性に優れた高電圧コンデンサ及びマ グネトロンを提供できる。 (d)絶縁ケースは2つの筒部の上部開口側が内径部に連なる凹部を有している ので、凹部を通して、2つの筒部に同時に絶縁樹脂充填部材を注型でき、絶縁ケ ース毎に個別に絶縁樹脂充填部材を充填しなければならなかったコンデンサ独立 型高電圧コンデンサに比べて、絶縁樹脂充填部材の注型工程数を半減させ、コス トダウンを図った高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供できる。 (e)絶縁ケースは2つの筒部を有し、筒部が互いに間隔を隔てて併設されてい るから、筒部間に発生する空間が放熱領域となり、電子レンジ実装時及びヒート サイクル試験等において加わる熱ストレスが小さくなり、耐電圧不良等を発生し にくい高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る高電圧コンデンサの分解斜視図で
ある。
【図2】本考案に係る高電圧コンデンサの断面図であ
る。
【図3】本考案に係る高電圧コンデンサを構成する絶縁
ケースの平面図である。
【図4】本考案に係る高電圧コンデンサを構成する絶縁
ケースの底面図である。
【図5】本考案に係る高電圧コンデンサを組込んだマグ
ネトロンの部分破断面図である。
【図6】交流破壊電圧測定データを示す図である。
【図7】加湿耐圧試験データを示すグラフである。
【図8】従来の高電圧コンデンサの分解斜視図である。
【図9】従来の高電圧コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1 接地金具 101、102 浮上り部 103、104 穴 2、3 貫通コンデンサ 201、301 貫通孔 202、203 電極 302、303 電極 4、5 貫通導体 6 絶縁ケース 61、62 筒部 63 凹部 64 連結部 7、8 絶縁樹脂充填部材 9 絶縁カバー 10、11 絶縁チューブ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地金具と、貫通コンデンサと、貫通導
    体と、絶縁ケースと、絶縁樹脂充填部材とを有する高電
    圧コンデンサであって、 前記接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有し、前
    記浮上り部のそれぞれが中央部に穴を有し互いに間隔を
    隔てて配置されており、 前記貫通コンデンサは2個であって、それぞれが貫通孔
    を有すると共に、前記貫通孔の開口する両面に電極を有
    し、前記浮上り部上に配置されて前記電極の一方が前記
    浮上り部に固着されており、 前記貫通導体は、前記貫通コンデンサ毎に前記貫通孔内
    を貫通して備えられ、それぞれが前記電極の他方に個別
    に導通接続されており、 前記絶縁ケースは、2つの筒部を有し、前記筒部が互い
    に間隔を隔てて併設され、前記筒部の上部開口側が互い
    に連結され内径部に連なる凹部を有し、下部開口側が前
    記浮上り部の外周に挿着され、前記内径部内に前記貫通
    コンデンサを収納しており、 前記絶縁樹脂充填部材は、前記内径部内の前記貫通コン
    デンサの周り及び前記凹部内に充填され、前記凹部内で
    連続していることを特徴とする高電圧コンデンサ。
  2. 【請求項2】 高電圧コンデンサでなるフィルタを有す
    るマグネトロンであって、 前記高電圧コンデンサは、接地金具と、貫通コンデンサ
    と、貫通導体と、絶縁ケースと、絶縁樹脂充填部材とを
    有しており、 前記接地金具は、同一面側に2つの浮上り部を有し、前
    記浮上り部のそれぞれが中央部に穴を有し互いに間隔を
    隔てて配置されており、 前記貫通コンデンサは2個であって、それぞれが貫通孔
    を有すると共に、前記貫通孔の開口する両面に電極を有
    し、前記浮上り部上に配置されて前記電極の一方が前記
    浮上り部に固着されており、 前記貫通導体は、前記貫通コンデンサ毎に前記貫通孔内
    を貫通して備えられ、それぞれが前記電極の他方に個別
    に導通接続されており、 前記絶縁ケースは、2つの筒部を有し、前記筒部が互い
    に間隔を隔てて併設され、前記筒部の上部開口側が互い
    に連結され内径部に連なる凹部を有し、下部開口側が前
    記浮上り部の外周に挿着され、前記内径部内に前記貫通
    コンデンサを収納しており、 前記絶縁樹脂充填部材は、前記内径部内の前記貫通コン
    デンサの周り及び前記凹部内に充填され、前記凹部内で
    連続していることを特徴とするマグネトロン。
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