JPH06226493A - 板状材の切断処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断処理の作業効率を高く維持できると共に
作業床の大きさも適性に抑えることができる板状材の切
断処理装置を提供すること。 【構成】 搬入される板状材を搭載する第１の切断テー
ブルをクランプ装置によって待機位置に保持し、第１の
切断テーブルの下方にセットした第２の切断テーブルで
は搭載した板状材の切断処理を行い、切断処理の終了後
にはクランプ装置を解離してシフト装置によって第１の
切断テーブルを切断加工側に移送すると同時に、リフタ
によって第２の切断テーブルを上段側に設定するサイク
ルを実行させ、第１及び第２の切断装置の相互の上下組
み換えによって板状材の搬入・保持及び切断加工を併行
処理可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば鋼板，積層合
板及び板ガラス等の板状材の切断装置に係り、特に上下
２段の切断テーブルの上下組み換え操作によって処理を
効率的に行えるようにした切断処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば鋼板の製造においては、製造し
た定尺の鋼板を所定の形状に切断するための設備とし
て、鋼板を水平姿勢に載せて保持する切断テーブル及び
鋼板をガス切断又はレーザー切断するトーチを備えたも
のが利用されている。

【０００３】切断装置による鋼板の切断処理の自動化は
既に促進され、切断テーブルに搬入した鋼板を所定のパ
ターンに従って切断していくことが可能である。そし
て、このような自動化のみでなく、保管された鋼板を切
断テーブルに搬入から切断後のピースの回収まで総合的
に自動化した設備を、本出願人は特願平４−２２０７９
４号によって既に提案した。

【０００４】この設備では、鋼板をその保管場所から１
枚ずつ抜き取って切断テーブルにセットし、切断処理の
後に切断テーブル毎にピースの回収ステーションに搬送
し、この回収の間に別の切断テーブルを鋼板の搬入位置
に送り込んで後続の鋼板の切断を行うことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように、２台の切
断テーブルを用いて鋼板の切断とピースの回収に合わせ
るサイクルで作動させることによって、１回の切断から
次の切断工程までの待機時間を短縮させることが可能と
なる。

【０００６】ところが、２台の台車はいずれも同じ作業
床上を移動し、切断テーブルとピースの回収位置との間
でシフトされるので、切断テーブルの移動領域に応じた
作業面積が必要となる。そして、処理する鋼板が大きい
ものであればある程、切断テーブルも大型化することか
ら、作業床面積の増大は避けられない。

【０００７】このように、少なくとも２台の切断テーブ
ルを利用することは、鋼板の切断処理の効率向上を図る
ことができるものの、切断テーブルの移動範囲による占
有面積が大きくなるという障害が残ることになる。

【０００８】本発明において解決すべき課題は、切断処
理の作業効率を高く維持できると共に作業床の大きさも
適正に抑えることができる板状材の切断処理装置を提供
することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、ほぼ水平姿勢
として搬入される板状材を搭載可能な第１の切断テーブ
ルと、該第１の切断テーブルの下方に位置し搭載した板
状材を切断機のカット面に臨ませる第２の切断テーブル
とを門型のフレーム内に備え、前記第１のテーブルを前
記板状材の搬入位置に待機させるクランプ装置を前記フ
レームに備え、前記第１のテーブルを着脱自在に保持し
前記第２の切断テーブルの位置へ搬送可能なシフト装置
を前記フレームに昇降可能に備え、前記第２のテーブル
を前記第１のテーブルの位置へ上昇させるリフタを備
え、更に前記シフト装置は、前記リフタの昇降時に該リ
フタと干渉しない退避姿勢に設定可能な機構を備えてな
ることを特徴とする。

【００１０】

【作用】門型のフレーム内で最初に上段に位置する第１
の切断テーブルは、下段の第２の切断テーブルでの板状
材の切断工程が終了するまでクランプ装置によって保持
される。第２の切断テーブルでの切断過程が終了する
と、クランプ装置から第１の切断テーブルが解離され、
シフト装置によって下段側へ移送される。この移送のと
き、シフト装置は第２の切断テーブルを上段の位置まで
上昇させるリフタと干渉しない退避位置に設定されるの
で、第２の切断テーブルを上段に戻して再びリフタを下
降させた後に第１の切断テーブルをシフト装置によって
下段側に移送設定することができる。

【００１１】このように、上下に２段の切断テーブルを
設け、上段側では板状材の搬入と待機及び下段側では切
断の過程を併行して行うことができ、これらの２段の切
断テーブルを上下組み換えることによって、作業床面積
を抑えた設備とすることが可能となる。

【００１２】

【実施例】図１は本発明の切断処理設備の概要を示す平
面図、図２及び図３はそれぞれ図１のＡ−Ａ線及びＢ−
Ｂ線矢視図である。

【００１３】図において、縦向きの姿勢で保管されてい
た鋼板Ｓをほぼ水平の姿勢に転板装置（図示せず）によ
って設定し、この鋼板Ｓの搬入方向に見て門型のフレー
ム１によって設備の全体が構築されている。

【００１４】フレーム１の上端に位置し鋼板Ｓの搬入方
向に走る一対のビーム１ａにはレール１ｂを設け、この
レール１ｂ上を走行可能な走行台車２を備える。走行台
車２には鋼板Ｓの搬入方向と直交する向きに移動可能な
トロリ３を設け、このトロリ３には鋼板Ｓを吸着可能な
マグネット３ａを下端に取り付けた伸縮ロッド３ｂを備
える。そして、これらの走行台車２，トロリ３及びマグ
ネット３ａによって、鋼板Ｓを切断処理した後のピース
を回収する。なお、マグネット３ａに変えてバキューム
パットを用いることもできる。

【００１５】フレーム１の内部には、搬入した鋼板Ｓを
搭載するための２台の切断テーブル４，５を組み込む。
これらの切断テーブル４，５は共通の構造を持ち、図４
の概略斜視図に示すように、長方形の枠状のベース４ａ
（５ａ）の上面に多数のステー４ｂ（５ｂ）を一定ピッ
チで立ち上げたものである。なお、これらのステー４ｂ
（５ｂ）の一端には、切断テーブル４，５を斜めの姿勢
としたときに鋼板Ｓが滑り落ちることを防ぐ突起４ｂ−
１（５ｂ−１）設けておく。

【００１６】ベース４ａ（５ａ）の長辺側の両方には、
２個ずつの待機用クランプ孔４ｃ（５ｃ）を設け、短辺
側の両方には同様に２個ずつのシフト用クランプ孔４ｄ
（５ｄ）を備える。

【００１７】図１及び図２に戻って、フレーム１の内部
には、図において上側に位置している切断テーブル４を
固定保持するクランプ装置を設ける。このクランプ装置
は、切断テーブル４を挟むようにフレーム１内の合計４
個のブラケット１ｃのそれぞれに備えた待機用クランプ
シリンダ６によって構成されたものである。これらの待
機用クランプシリンダ６のロッド６ａは、その進出によ
って切断テーブル４の待機用クランプ孔４ｃに入り込
み、図２のように切断テーブル４を水平姿勢に保持して
拘束する。

【００１８】図１においてフレーム１の左端及びこの左
端部から切断テーブル４，５の長さより少し離れた位置
には、ブラケット１ｃ側に保持されている切断テーブル
４を下方に降ろすためのシフト装置を設ける。

【００１９】このシフト装置は、図２に示すように、縦
姿勢のフレーム１をガイドとして上下動作する昇降ベー
ス７とこれに鉛直面内で揺動可能としたアーム８とを備
えたものである。

【００２０】昇降ベース７はフレーム１に倣って転動す
るホイール７ａを備える共に、フレーム１の外部に備え
た昇降用電動機７ｂにスプロケット７ｃを介してチェイ
ン７ｄによって連接したものである。

【００２１】アーム８はその基端をピン８ａによって昇
降ベース７に連接し、同様にフレーム１の外部に備えた
傾倒用電動機８ｂにスプロケット８ｃを介してチェイン
８ｄによって連接したものである。そして、アーム８に
は、切断テーブル４，５のシフト用クランプ孔４ｄ，５
ｄにそれぞれ係合可能なシフト用クランプシリンダ９を
２本ずつ設ける。

【００２２】これらの４本のシフト用クランプシリンダ
９は全て連動して動作し、そのロッド９ａをシフト用ク
ランプ孔４ｄ，５ｄに対して着脱することによって拘束
及び解離を可能とする。

【００２３】更に、フレーム１の基端よりも低いレベル
に設けたブース１０の内部には、図２において下に位置
している切断テーブル５を上方の切断テーブル４のレベ
ルまで上昇させるストロークを持つリフタ１１を備え
る。このリフタ１１は、油圧駆動によって昇降動作する
昇降ヘッド１１ａを備え、その上面に切断テーブル５を
搭載して上昇動作可能としたものである。

【００２４】フレーム１内に含まれた作業床には、切断
テーブル４，５を位置決めして受載する２条のガイド１
２ａ，１２ｂを配置する。そして、これらのガイド１２
ａ，１２ｂによって保持拘束された切断テーブル４，５
上の鋼板Ｓを所定の形状に切断する切断機１３を組み込
む。この切断機１３は、ガス又はレーザートーチを内蔵
し、作業床に配置したレール１３ａ上を走行して鋼板Ｓ
を連続的に切断処理可能としたものである。

【００２５】以上の構成において、鋼板Ｓはその保管場
所から移載装置（図示せず）により、上方に待機してい
る切断テーブル４に合わせて位置決めして搭載される。

【００２６】一方、下側の切断テーブル５ではこれに載
せた鋼板Ｓが切断機１３によって切断処理される。この
処理の後には、切断テーブル５上のピースをトロリ３の
マグネット３ａによって吸着し、走行台車２による移送
によって回収する。

【００２７】下段側の切断テーブル５の切断処理の間
に、上段の切断テーブル４には先に述べたように新たな
鋼板Ｓが搬入されている。そして、この切断処理及び搬
入の後には、上下の切断プレート４，５を昇降ベース
７，アーム８及びリフタ１１の作動によって次の要領で
入れ換える。

【００２８】まず、上側の切断テーブル４をブラケット
１ｃ側に拘束している待機用クランプシリンダ６のロッ
ド６ａを後退させ、切断テーブル４をフレーム１側と無
縁にする。このとき、切断テーブル４はシフト用クラン
プシリンダ９によって長手方向の両端側のみを拘束され
ている。この後、昇降用電動機７ｂによって昇降ベース
７を下降させると同時に、傾倒用電動機８ｂによってチ
ェイン８ｄを巻き上げる。これにより、アーム８はその
レベルを次第に下げながら図２の一点鎖線で示すように
左側に斜めに起立する姿勢を取るようになり、アーム８
に保持されている切断テーブル４は下段の切断プレート
５の上昇に干渉しない位置に退避させることができる。

【００２９】なお、切断テーブル４が傾斜しても、ステ
ー４ｂの一端に設けた突起４ｂ−１が鋼板Ｓの縁部を拘
束するので、鋼板Ｓが滑り落ちることはない。

【００３０】次いで、リフタ１１を作動させて切断テー
ブル５を上昇させ、その待機用クランプ孔５ｃのレベル
を待機用クランプシリンダ６に合わせて保持する。そし
て、待機用クランプシリンダ６の作動によってそのロッ
ド６ａを待機用クランプ孔５ｃに挿入して拘束した後、
リフタ１１を元のブース１０の中まで下降させる。以上
により、下段の空きの状態の切断テーブル５は、上段側
に移し変えられ、その期間に新たな鋼板Ｓがステー５ｂ
上に搭載される。

【００３１】一方、退避位置にある切断テーブル４は、
リフタ１１の下降に合わせて傾倒用電動機８ｂを作動
し、チェイン８ｄを緩める向きに解いてアーム８を水平
姿勢に戻す。これにより、長手方向の両端部のみをシフ
ト用クランプシリンダ９によって保持されている切断テ
ーブル４は、作業床のガイド１２ａ，１２ｂの上に搭載
される。

【００３２】以上により、切断テーブル４の上の鋼板Ｓ
に対する切断機１３を用いた切断が可能となり、この切
断の前又は開始後にシフト用クランプシリンダ９のロッ
ド９ａをシフト用クランプ孔４ｄから抜き、昇降ベース
７を上昇させて上段の切断テーブル５側に移動させる。
そして、シフト用クランプシリンダ９によってシフト用
クランプ孔５ｄをロッド９ａによってクランプし、上段
の切断用テーブル５の下側へのシフトに備える。

【００３３】以降は、上下２段の切断用テーブル４，５
を交互に待機側及び切断処理側に組み換えることによっ
て、鋼板Ｓの切断処理を連続して行う。

【００３４】このように、切断テーブル４，５を上下に
配置してこれらを交互に入れ換えて鋼板Ｓの搬入待機と
切断処理とを同時進行で操作できる。このため、２台の
切断テーブルを平面的にレイアウトしそれぞれの位置関
係を変えることで搬入待機と切断とを行う従来の設備に
比べると、平面占有面積を縮小することができる。

【００３５】

【発明の効果】本発明では、切断テーブルを上下２段配
置としてこれらを相互に入れ換えできるようにし、板状
材の搬入待機と切断処理とを併行して行うことができ
る。このため、２台の切断テーブルを平面配置するのに
比べると、必要な作業床面積を小さくできるほか、板状
材及び切断後のピースの搬送距離も抑えることができ、
生産性の向上が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の板状材の切断処理設備の概要を示す平
面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線矢視図である。

【図４】切断テーブルの概要を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ フレーム ６ 待機用
クランプシリンダ ２ 走行台車 ７ 昇降ベ
ース ３ トロリ ７ｂ 昇降用
電動機 ４ 切断テーブル ８ アーム ４ａ ベース ８ｂ 傾倒用
電動機 ４ｃ 待機用クランプ孔 ９ シフト
用クランプシリンダ ４ｄ シフト用クランプ孔 １０ ブース ５ 切断テーブル １１ リフタ ５ａ ベース １３ 切断機 ５ｃ 待機用クランプ孔 Ｓ 鋼板
（板状材） ５ｄ シフト用クランプ孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ水平姿勢として搬入される板状材を
   搭載可能な第１の切断テーブルと、該第１の切断テーブ
   ルの下方に位置し搭載した板状材を切断機のカット面に
   臨ませる第２の切断テーブルとを門型のフレーム内に備
   え、前記第１のテーブルを前記板状材の搬入位置に待機
   させるクランプ装置を前記フレームに備え、前記第１の
   テーブルを着脱自在に保持し前記第２の切断テーブルの
   位置へ搬送可能なシフト装置を前記フレームに昇降可能
   に備え、前記第２のテーブルを前記第１のテーブルの位
   置へ上昇させるリフタを備え、更に前記シフト装置は、
   前記リフタの昇降時に該リフタと干渉しない退避姿勢に
   設定可能な機構を備えてなる板状材の切断処理装置。