JPH06217783A - 長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度に含むトリグリセリドの製造方法 - Google Patents

長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度に含むトリグリセリドの製造方法

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JPH06217783A
JPH06217783A JP50A JP1220693A JPH06217783A JP H06217783 A JPH06217783 A JP H06217783A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1220693 A JP1220693 A JP 1220693A JP H06217783 A JPH06217783 A JP H06217783A
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JP
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fatty acid
long
highly unsaturated
unsaturated fatty
chain highly
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JP50A
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Takashi Baba
貴司 馬場
Kazuteru Maruyama
一輝 丸山
Hide Okazaki
秀 岡崎
Tsuneo Yamane
恒夫 山根
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Maruha Corp
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Maruha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定化リパーゼを用いた長鎖高度不飽和脂肪
酸含有トリグリセリドの製造において、効率良く高純度
の長鎖高度不飽和脂肪酸含有トリグリセリドが得られる
製造方法を提供すること。 【構成】 本発明の長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度に含
むトリグリセリドの製造方法は、長鎖高度不飽和脂肪酸
を含有する油脂と、長鎖高度不飽和脂肪酸を含有する油
脂を加水分解することにより得られる脂肪酸との混合物
を、固定化リパーゼと反応させる反応器と、該反応器か
ら帰ってくる混合液を貯蔵する槽の温度を10〜−50
℃に温度制御することにより、リパーゼのエステル交換
により生成する脂肪酸のうち融点の高い飽和の脂肪酸を
この貯蔵槽中で沈殿させて混合液のみを反応器と貯蔵槽
との間で循環させて、上記混合物から長鎖高度不飽和脂
肪酸のエステルの合成及び/又はその高純度化を行うこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂の製造方法に関
し、詳しくは食品を対象とした長鎖高度不飽和脂肪酸を
高純度に含有するトリグリセリドの製造方法に関するも
のである。尚、本発明において長鎖高度不飽和脂肪酸と
は1分子あたり20個以上の炭素分子を有し、3個以上
の二重結合を有する脂肪酸を意味する。
【0002】
【従来の技術】一般に、日本人の食生活も肉中心の欧米
型へと推移し、それに伴い、ドコサヘキサエン酸(DH
A)、エイコサペンタエン酸(EPA)に代表されるn
−3系脂肪酸とリノール酸に代表されるn−6系脂肪酸
の摂取バランスが崩れ、さまざまな成人病の原因となっ
ている。このため長鎖高度不飽和脂肪酸であるDHA、
EPA等を健康食品あるいは栄養強化食品として利用す
る開発、研究が勧められている。
【0003】一方、長鎖高度不飽和脂肪酸は、分子中に
多くの2重結合を有するため酸化安定性が悪く、精製工
程に脱臭操作を行っても完全には臭いを取り除けなかっ
たり、また保存中に戻り臭を生じたりする。それゆえに
長鎖高度不飽和脂肪酸を食品に利用するには必要量を出
来るだけ少ない量で賄うことが望まれる。すなわち長鎖
高度不飽和脂肪酸の高純度化が望まれている。一般的に
長鎖高度不飽和脂肪酸を食品用として製造あるいは濃縮
する方法としては、ウインタリング法、酵素法(リパー
ゼ)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法のうち、ウインタリング法は類似の性質を有する多
数の脂肪酸とグリセリンが結合した油脂のような系で
は、期待するほど長鎖高度不飽和脂肪酸の濃縮は出来
ず、また同様の理由で明確に分離することは出来ず、そ
れゆえに歩留りも悪い。また酵素(リパーゼ)による方
法は、一般に多くの反応時間を要する。特に油脂を送液
ポンプにより固定化酵素(リパーゼ)を詰めたカラムに
送液するような反応系では油脂とリパーゼが反応する場
所、時間が限られ、それゆえ反応には多くの時間を要し
てしまう。従って、本発明は、固定化リパーゼを用いた
長鎖高度不飽和脂肪酸含有トリグリセリドの製造におい
て、効率良く高純度の長鎖高度不飽和脂肪酸含有トリグ
リセリドが得られる製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】リパーゼには、トリグリ
セリドをグリセリンと脂肪酸に分解する加水分解反応と
脂肪酸とグリセリンあるいは脂肪酸とトリグリセリドを
合成するエステル合成反応の2種類の反応がある。本発
明は、このリパーゼの作用を好適に利用し、高純度の長
鎖高度不飽和脂肪酸含有トリグリセリドを得るものであ
る。即ち、本発明は、長鎖高度不飽和脂肪酸を含有する
油脂と、長鎖高度不飽和脂肪酸を含有する油脂を加水分
解することにより得られる脂肪酸との混合物を、固定化
リパーゼと反応させる反応器と、該反応器から帰ってく
る混合液を貯蔵する槽の温度を10〜−50℃に温度制
御することにより、リパーゼのエステル交換により生成
する脂肪酸のうち融点の高い飽和の脂肪酸をこの貯蔵槽
中で沈殿させて混合液のみを反応器と貯蔵槽との間で循
環させて、上記混合物から長鎖高度不飽和脂肪酸のエス
テルの合成及び/又はその高純度化を行うことを特徴と
する長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度に含むトリグリセリ
ドの製造方法を提供することにより上記目的を達成した
ものである。
【0006】以下、本発明に係る長鎖高度不飽和脂肪酸
含有トリグリセリドの製造方法を詳細に説明する。本発
明による方法では、先ず、使用する長鎖高度不飽和脂肪
酸含有油脂原料として、長鎖高度不飽和脂肪酸を比較的
多量に含有する海産油脂、特にカツオ、マグロ、イワ
シ、サバ、タラ等から得られる油脂が好ましい。また、
使用するリパーゼは特に制限はなく、キャンディダ(Can
dida) 属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、ムコール
(Mucor) 属等由来のリパーゼが使用出来る。リパーゼを
固定化する担体としては特に制約はなく、イオン交換樹
脂、多孔性シリカゲル等を用いることが出来る。
【0007】準備する混合用の長鎖高度不飽和脂肪酸
は、リパーゼによる方法、ケン化後中和して得る方法等
食品に適用できるそれ自体公知の方法にて準備したもの
でも差し支えない。このようにして準備した油脂原料と
長鎖高度不飽和脂肪酸を油脂原料1重量部に対して長鎖
高度不飽和脂肪酸0.1重量部以上、好ましくは1重量
部以上の割合で混合し、さらに混合油脂100重量部に
対し水0.01〜0.1重量部添加し、固定化酵素充填
カラムへと送液する。
【0008】リパーゼの反応温度は20〜60℃、好ま
しくは35〜45℃が良い。また、固定化酵素の使用量
は混合油脂1gに対し、100〜5000ユニットが好
ましい。リパーゼの反応時間は反応させる油脂の種類、
重量、リパーゼの活性等によって異なるが、20時間〜
100時間で行う。混合油脂の温度制御は、使用する原
料油脂の種類、油脂原料と長鎖高度不飽和脂肪酸の配合
割合により異なるが、10〜−50℃が好ましい。この
ような条件にて反応させ、反応後公知の技術を用いて混
合油脂中の残余のトリグリセリドと脂肪酸等を分離する
ことにより、より効率良く、かつ高純度な長鎖高度不飽
和脂肪酸含有トリグリセリドを得ることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
尚、本発明は以下の実施例に限られるものではない。 (実施例1)図1は、反応器と貯蔵槽とを循環ラインで
接続した本実施例の製造方法が用いられた装置の説明図
である。図1に示す如く、装置1の反応器2は恒温カラ
ム3からなり、恒温カラム3は、その内部にイオン交換
樹脂4が充填され、イオン交換樹脂4にはリパーゼが固
定化してある。また、恒温カラム3の外側には内部温度
を一定にするための恒温ジャケット5が設けられ、ジャ
ケット5は一定の温度に保たれた液体が循環されてい
る。恒温カラム3内は上部に接続される連結ライン6を
介して混合油脂貯蔵槽7に連通しており、混合油脂貯蔵
槽7は、冷却制御槽8内に収容されている。冷却制御槽
8には冷却溶媒9が満たされ、混合油脂貯蔵槽7内の温
度を一定の冷却温度に維持している。また、混合油脂貯
蔵槽7内は、送液パイプ10、連結ライン11、及び循
環ポンプ12を介して、恒温カラム3の下部に連通して
いる。従って、混合油脂は、反応器2と混合油脂貯蔵槽
7を連結ライン6及び11を介して循環処理される。
【0010】このような構成の装置にて、上記混合油脂
としてタラ肝油100g及びタラ肝油より得られた脂肪
酸100gを用いて長鎖高度不飽和脂肪酸含有トリグリ
セリド(以下、TGと略記する)の製造を行った。使用
する固定化リパーゼはムコール(Mucor) 属由来のリパー
ゼを多孔性陰イオン交換樹脂4を担体として固定化した
もの(リポザイムIM−60:ノボ社製)を用いた。固
定化リパーゼの使用量は、油脂1gに対し1000ユニ
ット、反応温度は40℃とした。油脂の送液量は5ml/
min 、混合油脂タンク8の温度は室温20℃(比較対
照)及び−20℃とし、48時間反応させた。反応槽の
冷却溶媒はメタノールと水の混合液を用いた。反応後、
混合油脂より得られたトリグリセリドの脂肪酸組成を測
定した(表1)。
【0011】
【表1】
【0012】その結果、混合油脂タンク8温度を−20
℃に冷却することにより、室温20℃(比較対照)にて
反応させた時と比較してEPAを3.4%、DHAを6
%高純度に濃縮することができた。また反応が平衡に達
するまでの時間は20℃では60時間、−20℃では4
2時間であり、反応時間を約1/3短縮(18時間)す
ることができた。
【0013】(実施例2)原料油脂をマグロ油及びマグ
ロ油より得られた脂肪酸に変え、混合油脂タンク温度を
室温20℃(比較対照)及び10℃とし、その他の条件
は実施例1に準じて同様の操作を行った。反応後、混合
油脂より得られたトリグリセリドの脂肪酸組成を測定し
た(表2)。
【0014】
【表2】
【0015】その結果、混合油脂タンク温度を10℃に
冷却することにより、室温20℃(比較対照)にて行っ
た時と比較してEPAを1.5%、DHAを2.3%高
純度に濃縮することができた。また同様に反応が平衡に
達するまでの時間は20℃では63時間、10℃では4
4時間であり、反応時間を約1/3短縮(19時間)す
ることができた。 (実施例3)原料油脂をイワシ油及びイワシ油より得ら
れた脂肪酸に変え、混合油脂タンク温度を室温20℃
(比較対照)及び−50℃とし、その他の条件は実施例
1に準じて同様の操作を行った。反応後、混合油脂より
得られたトリグリセリドの脂肪酸組成を測定した(表
3)。
【0016】
【表3】
【0017】その結果、混合油脂タンク温度を−50℃
に冷却することにより、室温20℃(比較対照)にて行
った時と比較してEPAを5.9%、DHAを4.9%
高純度に濃縮することができた。また同様に反応が平衡
に達するまでの時間は20℃では56時間、−50℃で
は35時間であり、反応時間を約1/3短縮(21時
間)することができた。
【0018】
【発明の効果】本発明の長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度
に含むトリグリセリドの製造方法では、効率良く、且つ
高純度な長鎖高度不飽和脂肪酸含有トリグリセリドを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例が用いられた装置の説明図である。
【符号の説明】
2 反応器 6、11 連結ライン 7 油脂貯蔵槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 恒夫 愛知県名古屋市千種区若水3−22−1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長鎖高度不飽和脂肪酸を含有する油脂
    と、長鎖高度不飽和脂肪酸を含有する油脂を加水分解す
    ることにより得られる脂肪酸との混合物を、固定化リパ
    ーゼと反応させる反応器と、該反応器から帰ってくる混
    合液を貯蔵する槽の温度を10〜−50℃に温度制御す
    ることにより、リパーゼのエステル交換により生成する
    脂肪酸のうち融点の高い飽和の脂肪酸をこの貯蔵槽中で
    沈殿させて混合液のみを反応器と貯蔵槽との間で循環さ
    せて、上記混合物から長鎖高度不飽和脂肪酸のエステル
    の合成及び/又はその高純度化を行うことを特徴とする
    長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度に含むトリグリセリドの
    製造方法。
JP50A 1993-01-28 1993-01-28 長鎖高度不飽和脂肪酸を高純度に含むトリグリセリドの製造方法 Pending JPH06217783A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996026287A1 (fr) * 1995-02-24 1996-08-29 Goemar S.A. Procedes enzymatiques d'enrichissement en acides gras polyinsatures
JP2010503748A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 イルシン ウェルズ カンパニー リミテッド 魚油由来のグリセリド油脂組成物及びその製造方法

Cited By (3)

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JP2010503748A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 イルシン ウェルズ カンパニー リミテッド 魚油由来のグリセリド油脂組成物及びその製造方法

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