JPH0751075A - ドコサヘキサエン酸含有物質の製造方法 - Google Patents

ドコサヘキサエン酸含有物質の製造方法

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JPH0751075A
JPH0751075A JP5204324A JP20432493A JPH0751075A JP H0751075 A JPH0751075 A JP H0751075A JP 5204324 A JP5204324 A JP 5204324A JP 20432493 A JP20432493 A JP 20432493A JP H0751075 A JPH0751075 A JP H0751075A
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triglyceride
docosahexaenoic acid
acid
hydrolysis
fatty acids
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JP5204324A
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Yukihisa Tanaka
幸久 田中
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成脂肪酸としてドコサヘキサエン酸(DH
A)を高濃度に含有するトリグリセリド(TG)または
遊離脂肪酸を、簡単に効率よく製造する。 【構成】 構成脂肪酸中に占めるDHAの割合が20重
量%以上であるTGに、Candida属由来のDHAのエス
テル結合は加水分解しないリパーゼを作用させて、構成
脂肪酸中に占めるDHAの割合が50重量%以上になる
まで第1の加水分解を行った後、得られたグリセリド混
合物にPenicillium属由来のモノまたはジグリセリドは
加水分解するがTGは加水分解しないリパーゼを作用さ
せて第2の加水分解を行い、反応液から高濃度にDHA
を含有するTGと遊離脂肪酸を分取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構成脂肪酸としてドコサ
ヘキサエン酸(以下、DHAと略記する場合がある)を
高濃度に含有するトリグリセリドまたは脂肪酸などのド
コサヘキサエン酸含有物質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長鎖高度不飽和脂肪酸(以下、PUFA
と略記する場合がある)は近年その生理活性などが注目
されている。特にα−リノレン酸(C18:3)、エイコサ
ペンタエン酸(C20:5)、ドコサヘキサエン酸
(C22:6)などのω−3系列のPUFA(メチル末端よ
り数えて3つ目のC−C結合が二重結合の脂肪酸)が注
目を浴びている。ドコサヘキサエン酸には脳や視神経の
細胞活性化、抗癌、抗アレルギー作用があることが知ら
れており、またヒトの体内では脳や視神経などに存在
し、これらの器管で重要な働きを担っていると考えられ
ている。
【0003】現代の日本人を含め欧米型の肉を中心とし
た食生活ではω−6系列のPUFA(メチル末端より数
えて6つ目のC−C結合が二重結合の脂肪酸、例えばア
ラキドン酸、C20:4;γ−リノレン酸,C18:3など)が
完全に過多状態であり、ω−6脂肪酸とω−3脂肪酸の
摂取バランスがくずれ、さまざまな成人病(ガン,高血
圧,心臓病など)の原因になっていると報告されてい
る。このバランスを回復するためには、ドコサヘキサエ
ン酸のようなω−3系列のPUFAを摂取する必要があ
る。
【0004】ドコサヘキサエン酸を摂取する場合、ヒト
の小腸ではグリセリド型の油脂が、エチルエステルやメ
チルエステルに比べると、吸収において圧倒的に有利で
あると報告されている。従って、ドコサヘキサエン酸を
構成脂肪酸とするトリグリセリドを摂取することによ
り、ドコサヘキサエン酸を効果的に摂取することが可能
になる。このため構成脂肪酸としてドコサヘキサエン酸
を高濃度に含有するトリグリセリドは、重要な食品素材
または医薬品の原料になり得る。
【0005】またドコサヘキサエン酸の機能に着目し医
薬品等の開発がなされている現在、ドコサヘキサエン酸
を高濃度に含有する脂肪酸を供給することは、これらの
開発をより一層進めるものである。
【0006】天然ではドコサヘキサエン酸はトリグリセ
リドとして存在している。このようなトリグリセリドを
リパーゼによって加水分解すると、一般のリパーゼはP
UFAとグリセリンとのエステル結合に作用しにくく、
他のエステル結合が切断されるため、ドコサヘキサエン
酸は未反応のトリグリセリドのほか、加水分解反応によ
って生じたモノグリセリド、ジグリセリドにも含有され
ることになり、ドコサヘキサエン酸を高濃度に含有する
画分はモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド
の混合物となる。食品の見地からすれば、トリグリセリ
ドの含有率がなるべく高い油脂ほど、吸収、代謝の面に
おいて、生体にとってより自然な油脂として受入れられ
るため、上記の混合物の利用価値は小さい。またトリグ
リセリド中にモノまたはジグリセリドが混在している
と、トリグリセリドの結晶核の生成が妨げられるなどの
悪影響がある。
【0007】ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸とするト
リグリセリドを高濃度に含有する油脂の製造法として
は、キャンディダ(Candida)属由来のリパーゼを用い
て油脂を加水分解する長鎖高度不飽和脂肪酸の製造方法
(特開昭58−165796号)が知られている。この
方法ではキャンディダ属由来のリパーゼがPUFAとグ
リセリンとのエステル結合にはほとんどまたはわずかに
しか作用しない点を利用して、一般のトリグリセリドを
加水分解し、ドコサヘキサエン酸を濃縮する方法であ
る。しかしながら、この製造方法によって得られる油脂
は、キャンディダ属由来のリパーゼによって、飽和脂肪
酸とグリセリンとのエステル結合が切断されたPUFA
を構成脂肪酸とするジエステルが多量に含まれていて、
トリグリセリドの含有率は70重量%程度であり、食品
素材としてはさらにトリグリセリド含有率の高い油脂が
望まれている。
【0008】一方、ペニシリウム(Penicillium)属由
来のリパーゼは、一般の油脂について部分グリセリドで
あるモノグリセリド、ジグリセリドのみを加水分解し、
トリグリセリドはその基質とならないことが知られてお
り(特開昭62−287号)、油脂製品中に微量に混在
するこれらのモノまたはジグリセリドを加水分解して油
脂を精製する方法が開示されている。
【0009】しかしながら、前述のように、通常のリパ
ーゼはPUFAとグリセリンとのエステル結合には作用
しにくいというのが当技術分野の常識とされており、上
記特開昭62−287号においてもPUFA、特にドコ
サヘキサエン酸を構成脂肪酸とする部分グリセリドの加
水分解に適用できるかどうかは明らかにされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、構成脂肪酸としてドコサヘキサ
エン酸を高濃度に含有するトリグリセリドまたは脂肪酸
などのドコサヘキサエン酸含有物質を簡単に効率よく製
造する方法を提案することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は次のドコサヘキ
サエン酸含有物質の製造方法である。 (1)構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン酸の割合
が20重量%以上であるトリグリセリドにCandida属由
来のリパーゼを作用させて、構成脂肪酸中に占めるドコ
サヘキサエン酸の割合が50重量%以上になるまで第1
の加水分解を行った後、Penicillium属由来のモノグリ
セリドまたはジグリセリドを加水分解するリパーゼを作
用させて第2の加水分解を行い、構成脂肪酸としてドコ
サヘキサエン酸を高濃度に含有するトリグリセリドを分
取することを特徴とするドコサヘキサエン酸含有物質の
製造方法。 (2)構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン酸の割合
が20重量%以上であるトリグリセリドにCandida属由
来のリパーゼを作用させて、構成脂肪酸中に占めるドコ
サヘキサエン酸の割合が50重量%以上になるまで第1
の加水分解を行った後、遊離脂肪酸を分離し、次にPeni
cillium属由来のモノグリセリドまたはグリセリドを加
水分解するリパーゼを作用させて第2の加水分解を行
い、ドコサヘキサエン酸を高濃度に含有する脂肪酸を分
取することを特徴とするドコサヘキサエン酸含有物質の
製造方法。 (3)構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン酸の割合
が20重量%以上であるトリグリセリドにCandida属由
来のリパーゼを作用させて、構成脂肪酸中に占めるドコ
サヘキサエン酸の割合が50重量%以上になるまで加水
分解を行った後、遊離脂肪酸を分離除去し、得られたグ
リセリド混合物とドコサヘキサエン酸とを、遊離脂肪酸
と部分グリセリドとからトリグリセリドを合成するリパ
ーゼの存在下に反応させて、トリグリセリドを合成する
ことを特徴とするドコサヘキサエン酸含有物質の製造方
法。
【0012】本発明において出発原料として使用するト
リグリセリドは、構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエ
ン酸が20重量%以上、好ましくは25重量%以上のト
リグリセリドである。このようなトリグリセリドとして
は、カツオの頭部由来の魚油およびマグロの眼窩油脂等
の魚から得られるトリグリセリド;ドコサヘキサエン酸
を産生するIsochrtsis属等の微生物由来のトリグリセリ
ドなどがあげられる。またこれらの魚油または油脂をそ
のまま用いることもできる。
【0013】第1の加水分解に使用するCandida属由来
のリパーゼは、ドコサヘキサエン酸とグリセリンとのエ
ステル結合を全く加水分解しないか、またはほとんど加
水分解せず、かつドコサヘキサエン酸以外の脂肪酸とグ
リセリンとのエステル結合を加水分解する酵素である。
このようなリパーゼとしては、Candida cylinrdaceaC
andida rugosa菌株由来のリパーゼなどがあげられる。
このようなリパーゼは市販されており、容易に入手可能
である。
【0014】第2の加水分解に使用するPenicillium
由来のリパーゼは、トリグリセリドを全く加水分解しな
いか、またはほとんど加水分解せず、かつモノグリセリ
ド、ジグリセリドまたはこれらの両者(これらを総称し
て部分グリセリドという)を加水分解する酵素である。
このようなリパーゼとしては、Penicillium cyclopium
由来のリパーゼなどがあげられる。このようなリパーゼ
は市販されており、容易に入手可能である。
【0015】従来この種のリパーゼは、PUFAとグリ
セリンとのエステル結合を加水分解しないと考えられて
いたが、本発明のように予めPUFA以外の脂肪酸とグ
リセリンとのエステル結合を加水分解して、PUFAと
グリセリンとのエステル結合の割合を高めておくと、Pe
nicillium属由来のリパーゼによってもドコサヘキサエ
ン酸とグリセリンとのエステル結合が加水分解できるこ
とがわかった。
【0016】脂肪酸とモノグリセリドまたはジグリセリ
ドとからトリグリセリドを合成する反応に使用するリパ
ーゼ(以下、トリグリセリド合成リパーゼと呼ぶ場合が
ある)は、脂肪酸と、モノグリセリド、ジグリセリドま
たはこれらの両者とからトリグリセリドを合成する酵素
である。このようにリパーゼとしては、Chromobacteriu
m属由来のリパーゼ、例えばChromobacterium viscosum
由来のリパーゼ、Pseudomonas属由来のリパーゼ、例え
Pseudomonas fluorescence由来のリパーゼ(World Co
nference on Biotechnology for Fats and Oils Indust
ry(1988)p138-141)などがあげられる。このようなリパ
ーゼは市販されており、容易に入手可能である。
【0017】本発明において、第1の加水分解は、出発
原料のトリグリセドにCandida属由来のリパーゼを作用
させて、PUFA以外の脂肪酸とグリセリンとのエステ
ル結合を加水分解し、これによりドコサヘキサエン酸を
含有するトリグリセリドの大部分をそのまま残留させ、
このほかにドコサヘキサエン酸を含有するジグリセリド
やモノグリセリドの部分グリセリド、ならびにグリセリ
ンおよびドコサヘキサエン酸以外の遊離脂肪酸を生成さ
せる。
【0018】Candida属由来のリパーゼの使用量は、通
常トリグリセリド1gに対して10〜2000ユニッ
ト、好ましくは200〜500ユニットとするのが望ま
しい。なお1ユニットは1分間に1マイクロモルの脂肪
酸を遊離する酵素量である。第1の加水分解反応は、リ
パーゼの加水分解活性が発現するのに十分な量の水の存
在下に行う必要がある。水の存在量としては、トリグリ
セリド1重量部に対して10〜200重量部、好ましく
は30〜60重量部とするのが望ましい。
【0019】また第1の加水分解は、脂肪酸の劣化、酵
素の失活などを抑制するため、乾燥窒素等の不活性ガス
雰囲気下で行うことが好ましい。またトコフェロール、
アスコルビン酸、t−ブチルハイドロキノンなどの抗酸
化剤を併用しても良い。加水分解反応は通常20〜70
℃で行うが、反応中のドコサヘキサエン酸の熱安定性や
リパーゼの活性発現の面から考え併せると30〜60℃
で行うのが好ましい。加水分解反応は攪拌や不活性ガス
等の吹込による流動などによって反応速度をさらに促進
できる。
【0020】第1の加水分解は、構成脂肪酸中に占める
ドコサヘキサエン酸の割合が50重量%以上になるまで
反応を行う。この値が50重量%以上でないと構成脂肪
酸としてドコサヘキサエン酸を高濃度に含有するトリグ
リセリドは得られない。通常10〜24時間加水分解す
ることにより、ドコサヘキサエン酸の割合は50重量%
以上になる。また酸価を加水分解の程度を示す指標とす
ることもでき、通常酸価が140以上になればドコサヘ
キサエン酸の割合は50重量%以上になる。
【0021】このようにして第1の加水分解を行うこと
により、未反応のトリグリセリドおよび加水分解物の混
合物が反応液として得られる。Candida属由来のリパー
ゼはグリセリンとドコサヘキサエン酸とのエステル結合
は全く加水分解しないか、またはほとんど加水分解しな
いので、加水分解が進行するに従って、反応液中の未反
応のトリグリセリドおよび部分グリセリドにおける構成
脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン酸の割合は高くな
り、加水分解終了時にはこの値が50重量%以上になる
まで濃縮される。一方、遊離脂肪酸は大部分がドコサヘ
キサエン酸以外の脂肪酸で占められる。
【0022】第1の加水分終了後は、リパーゼおよびグ
リセリンなどを含む水層を除去して油層の反応液を得た
後、ドコサヘキサエン酸をほとんど含んでいない遊離脂
肪酸を分離して除去する。遊離脂肪酸の分離除去方法と
しては、1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリを有機
溶媒とともに反応液に添加し、脂肪酸をアルカリ塩とし
て除去する方法、2)アルカリ水溶液、水溶性有機溶媒
および非水溶性有機溶媒を反応液に添加し、アルカリ塩
として除去する方法(特開平1−207258号)、
3)遠心液液分配クロマトグラフィー装置を用いて、水
溶性の有機溶媒にアルカリを溶解したアルカリ溶液と、
反応液に非水溶性有機溶媒を加えた溶液とを接触させ
て、アルカリ石けんを生成させながら液液抽出法により
分別除去する方法(特開平2−308896号)、4)
ゼニス法、5)液体クロマトグラフィー装置を用いる方
法、6)分別留分法、7)結晶分別法など、公知の方法
が採用できる。
【0023】このようにして遊離脂肪酸を除去すること
により、高濃度でドコサヘキサエン酸を含有するトリグ
リセリドおよび部分グリセリドのグリセリド混合物が得
られる。
【0024】第2の加水分解は、こうして得られるグリ
セリド混合物に前記Penicillium属由来のリパーゼを作
用させ、部分グリセリドだけをグリセリンと遊離脂肪酸
とに加水分解する。
【0025】Penicillium属由来のリパーゼの使用量
は、通常トリグリセリド1gに対して10〜2000ユ
ニット、好ましくは200〜1000ユニットとするの
が望ましい。第2の加水分解反応も、リパーゼの加水分
解活性が発現するのに十分な量の水の存在下に行う必要
がある。水の存在量としては、出発原料のトリグリセリ
ド1重量部に対して10〜200重量部、好ましくは3
0〜100重量部とするのが望ましい。
【0026】第2の加水分解は部分グリセリドが完全に
グリセリンと遊離脂肪酸とに分解するまで行うのが好ま
しい。通常10〜24時間で部分グリセリドは完全に分
解される。他の反応条件および操作は第1の加水分解と
同様にして行うことができる。
【0027】第2の加水分解終了後は、リパーゼおよび
グリセリンなどを含む水層を除去して、トリグリセリド
および遊離脂肪酸を含む混合物を得る。ここで得られる
遊離脂肪酸中のドコサヘキサエン酸含有量は、第1の加
水分解をドコサヘキサエン酸の割合が50重量%以上に
なるまで行っているので、通常50重量%以上である。
なおトリグリセリドは第1の加水分解でドコサヘキサエ
ン酸の割合が高められているトリグリセリドである。
【0028】こうして得られるトリグリセリドおよび遊
離脂肪酸の混合物は、クロマトグラフィー、分離蒸留、
液液分配、結晶分別、脱酸法などの公知の分別手段によ
り、トリグリセリド画分と遊離脂肪酸画分を分取するこ
とにより、ドコサヘキサエン酸濃度50重量%以上のト
リグリセリドおよびドコサヘキサエン酸50重量%以上
の遊離脂肪酸として、ドコサヘキサエン酸含有物質を製
造することができる。
【0029】本発明の前記(3)の製造方法では、第1
の加水分解を行った反応液から遊離脂肪酸を除去するこ
とにより得られたグリセリド混合物、またはこれから分
離した部分グリセリドと、ドコサヘキサエン酸またはド
コサヘキサエン酸を高濃度に含有するドコサヘキサエン
酸含有物質とを混合し、前記トリグリセリド合成リパー
ゼの存在下にトリグリセリドの合成を行う。
【0030】ドコサヘキサエン酸を高濃度に含有するド
コサヘキサエン酸含有物質の中のドコサヘキサエン酸の
濃度が高い方が、得られるトリグリセリド中のドコサヘ
キサエン酸の割合が高くなる。従って、ドコサヘキサエ
ン酸含有物質中のドコサヘキサエン酸濃度は60〜10
0重量%、好ましくは70〜100重量%のものを使用
するのが好ましい。このようなドコサヘキサエン酸含有
物質としては、高純度のドコサヘキサエン酸のほか、第
2の加水分解で得られるトリグリセリドと遊離脂肪酸と
の混合物、この混合物から遊離脂肪酸を分取することに
より得られる脂肪酸、その他の脂肪酸などがあげられ
る。トリグリセリドの合成は、トリグリセリド合成リパ
ーゼのトリグリセリド合成活性が高く維持される条件で
行うのが好ましい。
【0031】このような方法により、トリグリセリドを
合成した反応液から前記と同様にリパーゼを除去するこ
とにより、構成脂肪酸としてドコサヘキサエン酸を高濃
度に含有するトリグリセリドが得られる。こうして得ら
れるトリグリセリドは、未反応の部分グリセリドを含む
が、そのままドコサヘキサエン酸含有物質として利用で
きるが、必要によりクロマトグラフィ等の分別手段によ
り、遊離脂肪酸および部分グリセリドを分離して精製す
ることもできる。
【0032】このようにして得られたドコサヘキサエン
酸含有物質としてのトリグリセリドおよび遊離脂肪酸
は、食品素材や医薬品の原料などとして利用できる。
【0033】
【発明の効果】本発明の前記(1)、(2)の製造方法
によれば、ドコサヘキサエン酸を含有するトリグリセリ
ドをCandida属由来のリパーゼで加水分解するため、ド
コサヘキサエン酸濃度を高めることができるとともに、
これにより通常はPUFAのエステル結合に作用しない
リパーゼにより、ドコサヘキサエン酸を含む部分グリセ
リドを加水分解することができる。このためドコサヘキ
サエン酸含有物質として、高濃度にドコサヘキサエン酸
を含有するトリグリセリドまたは遊離脂肪酸を、簡単な
操作で効率よく製造することができる。
【0034】また本発明の前記(3)の製造方法では、
トリグリセリドをドコサヘキサエン酸のエステル結合は
加水分解しないリパーゼで加水分解し、遊離脂肪酸を除
去して得られたグリセリド混合物と、ドコサヘキサエン
酸とからトリグリセリドを合成するようにしたので、構
成脂肪酸としてドコサヘキサエン酸を高濃度で含有する
トリグリセリドを簡単に効率よく、しかも高収率で製造
できる。
【0035】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。各例
中%は重量%である。 実施例1 構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合が25.1%
であるトリグリセリド(カツオの頭部由来の魚油)50
gに、Candida cylindracea由来のリパーゼ(リパーゼ
OF、名糖産業(株)製、商品名)25,000ユニッ
トを蒸留水50gに添加した液を加え、37℃で攪拌し
ながら15時間第1の加水分解反応を行った。反応終了
後リパーゼを含む水層を除去し、トリグリセリドが加水
分解された反応液(油層)を得た。この油層の反応液の
酸価は142であった。この油層に含まれる遊離脂肪酸
を、10%の水酸化ナトリウムエタノール溶液75gを
加えて、脂肪酸ナトリウム塩として除去し、グリセリド
混合物を得た。このグリセリド混合物のトリグリセリ
ド、ジグリセリド、モノグリセリドの構成比率をクロマ
トスキャナーで分析したところ、トリグリセリドが77
%、ジグリセリドが22%であり、モノグリセリドはほ
とんど見られなかった。またこれらのグリセリドの構成
脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合はトリグリセリド
では52.4%、ジグリセリドでは55.3%であっ
た。
【0036】上記グリセリド混合物10gに、Penicill
ium cyclopium由来のリパーゼ(リパーゼG、天野製薬
(株)製、商品名)10,000ユニットを精製水10
mlに添加した液を加え、30℃で18時間第2の加水
分解反応を行った。第2の加水分解終了後、油層の反応
液をクロマトスキャナーで分析したところ、モノグリセ
リド、ジグリセリドは見られず、トリグリセリドと遊離
脂肪酸のみであった。
【0037】このトリグリセリドと遊離脂肪酸を高速液
体クロマトグラフで分離した。高速液体クロマトグラフ
はシリカカラム(wakopak,和光純薬(株))を
用い、n−ヘキサン:イソプロパノール(99.9:
0.1 v/v)をA溶液とし、n−ヘキサン:テトラ
ヒドロフラン:アセトニトリル(9:8:1 v/v/
v)をB溶液として、A:B=98:2ないしA:B=
22:78(v/v)までグラジエントして用いた。サ
ンプル5mgをカラムに充填し、1.1mgのトリグリ
セリドと3.6mgの遊離脂肪酸を得た。トリグリセリ
ドの構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は51.
9%、遊離脂肪酸中のドコサヘキサンの割合は55.1
%であった。
【0038】実施例2 実施例1の第1の加水分解で得られたトリグリセリドお
よびジグリセリドのグリセリド混合物と、第2の加水分
解で得られたトリグリセリドおよび遊離脂肪酸の混合物
とをそれぞれ2:1(重量比)で混合した。この混合液
に、Chromobacterium viscosum由来のリパーゼの固定化
酵素を全混合液1gあたり100ユニット加え、50℃
で20時間、窒素ガスで置換しながら500rpmで攪
拌してトリグリセリドの合成反応を行ったところ、48
時間後には遊離脂肪酸とジグリセライドが互いに反応し
てトリグリセリドが得られた。このときの遊離脂肪酸は
痕跡程度であった。遊離脂肪酸はゼニス法(Hoffman,J.
Am.Oil Chem.Soc.p260A 50(1973))の方法によって容
易に除去できた。このときのトリグリセリドの構成脂肪
酸中のドコサヘキサエン酸の割合は53.9%であっ
た。
【0039】実施例3 実施例1と同様にして第1の加水分解を行った。得られ
た油層の反応液をa,bに二等分した。反応液aを、n
−ヘキサン:クロロホルム:アセトン:メタノール=1
00:90:9:1(v/v/v/v)を分離液として
シリカゲルカラムによって処理し、ジグリセリド1.5
gを分取した。このジグリセリドの構成脂肪酸中のドコ
サヘキサエン酸の割合は58.4%であった。反応液b
には10%の水酸化ナトリウムエタノール溶液37gを
添加して、脂肪酸ナトリウム塩として実施例1と同様に
遊離脂肪酸を除去した後、第2の加水分解に供した。反
応終了後、シリカゲルカラムによってトリグリセリド4
gと遊離脂肪酸1.5gを分取した。トリグリセリドの
構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は52.6
%、遊離脂肪酸中のドコサヘキサンの割合は56.1%
であった。
【0040】第2の加水分解で得られた遊離脂肪酸1g
と、第1の加水分解で得られたジグリセリド2gとを混
合して、実施例2と同様にしてトリグリセリドの合成を
行った。その結果、遊離脂肪酸とジグリセリドとが互い
に反応してトリグリセリドが得られた。このときの遊離
脂肪酸は痕跡程度であった。この遊離脂肪酸を実施例2
と同様にして除去した。これにより2.6gのトリグリ
セリドが得られ、その構成脂肪酸中のドコサヘキサエン
酸の割合は57.0%であった。
【0041】実施例4 構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合が33.1%
であるトリグリセリド(マグロの眼窩油脂)50gを実
施例1と同様の条件でCandida cylindracea由来のリパ
ーゼで第1の加水分解を行った。得られた油層の酸価は
155であった。この油層の反応液を115mlのn−
ヘキサンに加え、遠心液液クロマトグラフィに充填し、
固定相をn−ヘキサン、移動相を50mM水酸化ナトリ
ウムの47.6%エタノール溶液として、20℃で回転
数500rpm、送液量20ml/分として遊離脂肪酸
を除去した。これにより9gのトリグリセリド、ジグリ
セリド、モノグリセリドの混合液を得た。この混合液の
トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリドの構成
比率をクロマトスキャナーで分析したところ、トリグリ
セリド70%、ジグリセリド30%で、モノグリセリド
はほとんど見られなかった。またこれらの構成脂肪酸中
のドコサヘキサエン酸の割合はトリグリセリドでは5
8.1%、ジグリセリドでは60.0%であった。
【0042】このようにして得られたトリグリセリド混
合物10gを、Penicillium cyclopium由来のリパーゼ
を用いて第2の加水分解を行った。得られた油層の反応
液のジグリセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸の構成
比率をクロマトスキャナーで分析したところ、モノグリ
セリド、ジグリセリドは見られず、トリグリセリドと遊
離脂肪酸のみであった。このトリグリセリドと遊離脂肪
酸を高速液体クロマトグラフで分取し、トリグリセリド
1.2g、遊離脂肪酸0.6gを得た。トリグリセリド
の構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は57.7
%、遊離脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は59.
1%であった。
【0043】実施例5 実施例4の第1の加水分解で得られたモノグリセリド、
ジグリセリド、トリグリセリドの混成物5gに、ドコサ
ヘキサエン酸を90%含有する脂肪酸1gを添加した。
この混合液にChromobacterium viscosum由来のリパーゼ
の固定化酵素を全混合液1gあたり100ユニット加
え、50℃で20時間、窒素ガスで置換しながら500
rpmで攪拌してトリグリセリドの合成反応を行ったと
ころ、50時間後には遊離脂肪酸とジグリセリドが互い
に反応してトリグリセリドが得られた。このときの遊離
脂肪酸は痕跡程度が残存し、この遊離脂肪酸はゼニス法
によって容易に除去できた。このときのトリグリセリド
の構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は68.3
%であった。
【0044】比較例1 構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合が9%である
トリグリセリド(イワシ由来の魚油)を実施例1と同条
件で第1の加水分解を行った。得られた油層の酸価は1
59.3であった。この油層に80mlの10%の水酸
化ナトリウムエタノール溶液を添加して遊離脂肪酸を脂
肪酸ナトリウム塩として除去し、グリセリド混合物を得
た。このグリセリド混合物のトリグリセリド、ジグリセ
リドの構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合はおの
おの30.5%、32.0%であった。
【0045】次に第2の加水分解を実施例1と同様にし
て行った。得られた油層の反応液を高速液体クロマトグ
ラフで分取した結果、トリグリセリド5.7g、遊離脂
肪酸2.2gを得た。このトリグリセリドの構成脂肪酸
中のドコサヘキサエン酸の割合は31.3%、遊離脂肪
酸中のドコサヘキサエン酸の割合は33.5%であっ
た。このように出発原料中のドコサヘキサンの割合が低
い場合には、ドコサヘキサエン酸の割合が大きいトリグ
リセリドまたは脂肪酸は得られないことがわかる。
【0046】比較例2 実施例1のトリグリセリドと同様のカツオの頭部由来の
魚油を、反応時間を10時間に短縮した以外は実施例1
と同様の条件で第1の加水分解を行った。得られた油層
の酸価は130.2であった。この油層に、実施例1と
同様に10%の水酸化ナトリウムエタノール溶液65m
lを添加して、遊離脂肪酸を脂肪酸ナトリウム塩として
除去し、グリセリド混合物を得た。このグリセリド混合
物のトリグリセリド、ジグリセリドの構成脂肪酸中のド
コサヘキサエン酸の割合はおのおの44.0%、43.
2%であった。
【0047】次に第2の加水分解を実施例1と同様にし
て行った。その結果、得られたトリグリセリドの構成脂
肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は44.9%、遊離
脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は44.1%であ
った。このように、第1の加水分解の程度が小さい場合
には、ドコサヘキサエン酸の割合が大きいトリグリセリ
ドまたは脂肪酸は得られないことがわかる。なお参考例
1と同様にしてエステル合成反応を行ったところ、ほぼ
トリグリセリドが100%となったが、このときのトリ
グリセリドの構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合
は43.3%であった。
【0048】比較例3 実施例1で用いたカツオの頭部由来の魚油50gに、Ch
romobacterium viscosum由来のリパーゼ25,000ユ
ニットを蒸留水50gに添加した液を加え、45℃で攪
拌しながら20時間第1の加水分解反応を行った。反応
終了後、リパーゼを含む水層を除去し、トリグリセリド
が加水分解された反応液(油層)を得た。この油層の反
応液の酸価は155であった。この油層に含まれる遊離
脂肪酸を、10%の水酸化ナトリウムエタノール溶液8
0mlを加えて除去し、トリグリセリド混合物を得た。
このトリグリセド混合物のトリグリセリド、ジグリセリ
ド、モノグリセリドの構成比率をクロマトスキャナーで
分析したところ、トリグリセリドが13%、ジグリセリ
ドが39%、モノグリセリドが44%であった。またこ
れらのグリセリドの構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸
の含量はトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリ
ドにおいてそれぞれ20.1%、30.1%、26.7
%であった。
【0049】上記グリセリド混合物10gに、実施例1
で用いたPenicillium cyclopium由来のリパーゼ10,
000ユニットを精製水10mlに添加した液を加え、
30℃で18時間第2の加水分解反応を行った。第2の
加水分解終了後、油層の反応液のトリグリセリド、ジグ
リセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸の構成比率をク
ロマトスキャナーで分析したところ、モノグリセリド、
ジグリセリドは見られず、トリグリセリド1.2gと遊
離脂肪酸8.6g得た。このトリグリセリドの構成脂肪
酸中のドコサヘキサエン酸の割合は21.7%、遊離脂
肪酸のドコサヘキサエン酸の割合は29.9%であっ
た。このように、第1の加水分解ではCandida属由来の
リパーゼのように、ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸と
するトリグリセリドは分解しないか、またはほとんど分
解しないリパーゼを用いることが必要であることがわか
る。
【0050】比較例4 実施例1と同様にして第1の加水分解を行って得られた
トリグリセリドとジグリセリドとのグリセリド混合物1
0gに、比較例3で用いたChromobacterium viscosum
来のリパーゼ5,000ユニットを蒸留水10gに添加
した液を加え、45℃で攪拌しながら20時間第2の加
水分解反応を行った。油層の反応液のトリグリセリド、
ジグリセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸の構成比率
はトリグリセリド23%、ジグリセリド22%、モノグ
リセリド27%、遊離脂肪酸28%であった。またこれ
らのグリセリドの構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の
割合はトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド
においてそれぞれ50.3%、51.1%、56.47
%であり、遊離脂肪酸中のドコサヘキサエン酸の割合は
55.8%であった。
【0051】さらに20時間第2の加水分解反応を行っ
てもトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、
遊離脂肪酸の構成比率は殆ど変化しなかった。また新た
Chromobacterium viscosum由来のリパーゼ5,000
ユニットを蒸留水10gに添加した液を加えても、ジグ
リセリド、モノグリセリドは完全に分解することはな
く、またトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリ
ド、遊離脂肪酸の構成比率はそれぞれ17%、20%、
23%、40%となり、トリグリセリドの量は第1加水
分解後のものよりも減少した。このように第2の加水分
解にはPenicillium属由来のリパーゼのように、トリグ
リセリドを分解しないか、またはほとんど分解しないリ
パーゼを用いる必要があることがわかる。
【0052】比較例5 実施例1で用いたカツオの頭部由来の魚油50gに、実
施例1で用いたCandida cylindracea由来のリパーゼとP
enicillium cyclopium由来のリパーゼとをそれぞれ2
5,000ユニットになるように同時に蒸留水50gに
添加した液を加え、35℃で攪拌しながら20時間加水
分解反応を行った。得られた油層の酸価は167であ
り、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、
遊離脂肪酸の構成比率はトリグリセリド10%、遊離脂
肪酸90%で、ジグリセリド、モノグリセリドはほとん
ど見られなかった。またトリグリセリドの構成脂肪酸中
のドコサヘキサエン酸の割合は51.6%、遊離脂肪酸
中のドコサヘキサエン酸の割合は21.0%であった。
このように加水分解は第1の加水分解と第2の加水分解
とに分けて行う必要があることがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン
    酸の割合が20重量%以上であるトリグリセリドにCand
    ida属由来のリパーゼを作用させて、構成脂肪酸中に占
    めるドコサヘキサエン酸の割合が50重量%以上になる
    まで第1の加水分解を行った後、Penicillium 属由来のモノグリセリドまたはジグリセリ
    ドを加水分解するリパーゼを作用させて第2の加水分解
    を行い、 構成脂肪酸としてドコサヘキサエン酸を高濃度に含有す
    るトリグリセリドを分取することを特徴とするドコサヘ
    キサエン酸含有物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン
    酸の割合が20重量%以上であるトリグリセリドにCand
    ida属由来のリパーゼを作用させて、構成脂肪酸中に占
    めるドコサヘキサエン酸の割合が50重量%以上になる
    まで第1の加水分解を行った後、 遊離脂肪酸を分離し、 次にPenicillium属由来のモノグリセリドまたはジグリ
    セリドを加水分解するリパーゼを作用させて第2の加水
    分解を行い、 ドコサヘキサエン酸を高濃度に含有する脂肪酸を分取す
    ることを特徴とするドコサヘキサエン酸含有物質の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 構成脂肪酸中に占めるドコサヘキサエン
    酸の割合が20重量%以上であるトリグリセリドにCand
    ida属由来のリパーゼを作用させて、構成脂肪酸中に占
    めるドコサヘキサエン酸の割合が50重量%以上になる
    まで加水分解を行った後、 遊離脂肪酸を分離除去し、 得られたグリセリド混合物とドコサヘキサエン酸とを、
    遊離脂肪酸と部分グリセリドとからトリグリセリドを合
    成するリパーゼの存在下に反応させて、トリグリセリド
    を合成することを特徴とするドコサヘキサエン酸含有物
    質の製造方法。
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