JP2003500082A - 蒸留−酵素的エステル交換の組合せによるポリ不飽和脂肪酸エステルの濃縮及び精製 - Google Patents

蒸留−酵素的エステル交換の組合せによるポリ不飽和脂肪酸エステルの濃縮及び精製

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Abstract

(57)【要約】 主にポリ不飽和脂肪酸のトリグリセリドエステルとして産する油、特に魚油由来のポリ不飽和脂肪酸及びそのエステルの高濃縮調製物を製造する方法。この方法では、トリグリセリドと低級アルキルアルコール又はベンジルアルコールとのエステル交換、分子蒸留、及び望ましくは固定化しうるリパーゼによって触媒されるアルコキシアルコールとの選択的酵素的エステル交換が組み合わせて使用される。この方法によれば、一般に油中に見いだされる酸混合物を分離して所望の酸を高収率で単離することができる。この方法で得られる典型的な酸は、エイコサペンタエン酸(EPA,C20:5)及びドコサヘキサエン酸(DHA,C22:6)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、種々の供給源に由来する油、特に、魚油、植物油、及び微細藻類油
から、ポリ不飽和脂肪酸及びそのエステルの高度に濃縮された調製物を製造する
プロセスに関する。このプロセスでは、分子蒸留と、望ましくは固定化しうるリ
パーゼによって触媒される選択的酵素的エステル交換とが組み合わせて使用され
る。
【0002】 限定されるものではないが魚油や植物油中に一般にトリグリセリドエステルと
して主に見いだされる脂肪酸は、オレイン酸(C18:1)、パルミトレイン酸
(C16:1)、パルミチン酸(C16:0)、及びガドレン酸(C20:1)
である。しかしながら、二重結合を含むかまた含まないものを含めて、構造中に
14〜24個の炭素原子を有する他の脂肪酸もまた、見いだすことができる。3
個以上の二重結合を有するポリ不飽和脂肪酸は経済的価値の高い成分であり、医
薬品、栄養剤、及び化粧品の分野で多く利用されている。二つのよく知られてい
る系は、いわゆるω3及びω6系であり、これらには末端メチル基からそれぞれ
3個及び6個の炭素原子の位置に1個の二重結合が含まれる。
【0003】 ω3系の二つの最も重要なメンバーは、ヒトの生理機能において重要な役割を
果たすエイコサペンタエン酸(EPA,C20:5)及びドコサヘキサエン酸(
DHA,C22:6)である。それらは細胞膜の構築に関与するとともに、血小
板の凝集を防止する上で非常に重要な要因であるPGI3及びTxA3の形成の
際にプロスタグランジンの前駆体として関与する。更に、DHAは脳脂質の最も
重要な成分であり、シナプス膜の機能を担っていると考えられる。
【0004】 ω6系の主要なメンバーは、γ−リノレン酸(GLA,C18:3)及びアラ
キドン酸(AA,C20:4)である。前者は必須脂肪酸であり、多発性硬化症
の治療のような特定の治療目的に使用される。後者はプロスタグランジンの代謝
に関与し、脳及び網膜において特定の機能を担っている。
【0005】 魚油は、EPA及びDHAの重要な供給源である。商用の主要な海産油におい
て、全脂肪酸に占めるEPA+DHAの重量パーセントは、7%(太平洋産ジン
ドウイカ油の場合)〜28%(太平洋産ニシン油の場合)の範囲にある。しかし
ながら、EPA及びDHAの最も一般的な供給源はイワシ油であり、これには1
8% EPA及び7% DHAが含まれ、合計の濃度は25%である。他の可能性
のある供給源は、サケ油(19 %EPA及びDHA)、メンヘーデン(menhade
n)油(24%)、タラ肝油(24%)、並びにサバ油(15%)である。魚油
中におけるEPA対DHAの比は一般的には約2:1であるが、マグロ油には約
5%EPA及び約18%DHAが含まれている。EPA及びDHAはまた、Mono
dus subterraneus UTEX 151(34.2%EPA)、Chlorella minutissima UTE
X 2341(31.3% EPA)、Crypthecodinium cohnii UTEX L1649(19.9
%DHA)、又はAmphidinium carterae UTEX LB 1002(17%DHA)のよう
な海洋微細藻類によって産生される脂質中にも見いだされる。
【0006】 植物油では、大豆油及びカノラ(canola)油が、全脂肪酸の8〜10%の量で
γ−リノレン酸(EPA及びDHAの前駆体)を提供する。γ−リノレン酸の主
要な供給源は、ボラージ(borage)油、オオマツヨイグサ油、及びクロスグリ油
である。第一の油は重要性が高く、γ−リノレン酸を20%〜23%含有してい
るのに対して、第二の油はγ−リノレン酸をわずか10%、最後の油は14%〜
20%含有している。
【0007】 種々の技術を用いてポリ不飽和脂肪酸に富んだ生成物を得るための多くの方法
が提案された。ほとんどの場合、直鎖飽和脂肪酸及び大部分のモノエチレン性脂
肪酸が除去される尿素の複合体形成が利用された(US 4,792,418)。このプロセ
スでは、高濃度でEPAを得るために、引き続いて分別蒸留を行うことが可能で
ある(US 4,377,526)。尿素の複合体形成を利用する上での問題は、精製を行う
ために大量の尿素が必要となるため、大規模に所望の化合物を製造することが困
難であるという点である。そうした問題はあるが、この手法を用いた場合種々の
不飽和脂肪酸の濃縮を同時に行うことが可能である。反応媒体の組成を綿密に制
御して、尿素付加物形成方法によって選択的にポリ不飽和脂肪酸を精製すること
が可能である(Han, Daeseok; Shin, Hyun-Kyung; Yoon, Suk Hoo, ACS Symp.
Ser. 1997, 674 (Flavor and Lipid Chemistry of Seafoods))。
【0008】 EPA及びDHAはまた、銀塩錯体形成による精製 (EP 454 430及びEP 303
668)、クロマトグラフィーによる精製(Robles Medina, A.; Gimenez Gimenez
, A.; Garcia Camacho, F.; Sanchez Perez, J.A.; Molina Grima, E.; Co
ntreras Gomez, A.; J.Am.Qil Chem. Soc. 1995 72(5) 575-83)も行わ
れた。これらのプロセスでは、非常に小さい量ではあるが、高度に精製されたポ
リ不飽和脂肪酸が調製される。銀イオンAg+は、粘土鉱物上に固定化すること
ができるので(Yamaguchi, Michihiro; Tanaka, Isao; Ohtsu, Yutaka; Yukagak
u 1991 40(10), 959-64)、それによってこの方法はより実用性が高くなる。
【0009】 超臨界抽出及び液液抽出もまた、精製の代替手段である(JP 09157684及びJP
09263787)。
【0010】 ポリ不飽和脂肪酸の濃縮物を得るために現在使用されている非常に有望な方法
は、分子蒸留である。この方法では、熱不安定性ポリ不飽和脂肪酸を蒸留するた
めに高減圧条件が利用される。このプロセスを用いると、いくつかの場合におい
て、ポリ不飽和脂肪酸の非常に高度な濃縮物が得られる。英国特許(GB 2 218 9
84)には、このプロセスがEPA及びDHAの工業生産に適したものであるとし
て特許請求がなされている。しかしながら、高濃度のポリ不飽和脂肪酸を得るた
めに多数回の蒸留が必要であり、また使用する蒸留温度が非常に低い(50〜8
5℃)。低い温度を使用することには、酸化されやすいポリ不飽和脂肪酸の性質
を変化させないという利点があるが、工業生産を行う上では大きな問題を生じる
。なぜなら、スループットは、蒸留される生成物の蒸気圧と運転圧力との差に比
例しており、しかも前者は温度の関数になっているからである。
【0011】 分子蒸留は非常に強力ではあるが、その考え方はバッチ蒸留の考え方に近く、
したがって限界がある。特に、原料の組成が複雑である場合、分子蒸留を行って
も効果的な精製ができない。例えば、EPAの含まれていないDHAを製造する
のに適しておらず、その逆の場合にも適さない。リノール酸やオレイン酸の含ま
れていなγ−リノレン酸を製造する場合にも、同じ問題に突き当たる。
【0012】 高濃度でポリ不飽和脂肪酸を得るもう一つの方法は、特異的酵素を用いる選択
的加水分解又は選択的合成である。ポリ不飽和脂肪酸に対するよりも飽和脂肪酸
に対して選択性を有することが知られている様々なリパーゼが使用される。最も
一般的な方法は、ポリ不飽和脂肪酸トリグリセリドを含有している油を加水分解
し、続いて洗浄又は抽出を行う方法である(JP 05095792、JP 03108489、及びJP
07203979)。
【0013】 本発明は、低級アルコールのモノエステルとしてポリ不飽和脂肪酸の濃縮及び
精製を行うための効率的かつ経済的なプロセスを提供しようとするものである。
このプロセスに用いられる原料は、様々な濃度のエイコサペンタエン酸(EPA
C20:5)及びドコサヘキサエン酸(DHA C22:6)を含有している
魚油、あるいは様々な濃度のγ−リノレン酸(GLA C18:3)を含有して
いるボラージ油、オオマツヨイグサ油、又はクロスグリ油のような植物油、ある
いはDHA又はアラキドン酸(AA C20:4)のような脂肪酸を含有している
微細藻類又は他の微生物から単離される油である。一般的には、これらの所望の
酸は、通常、トリグリセリドエステルとして天然油中に存在する。
【0014】 本発明では、最初に、脂肪酸トリグリセリドエステルを化学的にエステル交換
する。エステルは、分別濃縮(EPA−DHA)に供された後、適切な酵素によ
って触媒される酵素的エステル交換に付されるか、あるいは直接、酵素的にエス
テル交換される。反応の経過はガスクロマトグラフィーによって追跡される。濾
過又は遠心分離により酵素を除去することによって反応を停止させる。エステル
交換された油生成物は、一般的には、2回の分子蒸留又はいわゆるショートパス
蒸留に供される。
【0015】 1回目の蒸留では、エステル交換アルコールの過剰分が留出物として除去され
るとともに、油の脱臭が行われる。1回目の蒸留の残分に対して行われる2回目
の蒸留では、一般的には清澄で無臭の化合物として目的の不飽和脂肪酸エステル
を含む留出物が生成される。また、この蒸留の残分は、ワックス基剤として使用
できる可能性があるか、あるいはその成分である脂肪酸又は低級アルコールの脂
肪酸エステルに分割することができ、これらは更にショートパス蒸留によって精
製することも可能である。
【0016】 より詳細には、本発明は、その好ましい実施形態において、次のようにまとめ
られる多段階プロセスを含む。
【0017】 ステップ1: まず、上述のようなイワシ油、ボラージ油などのポリ不飽和脂
肪酸トリグリセリドを含有する油と、第一級低級アルキルアルコールとのエステ
ル交換反応を、同じ低級アルキルアルコールのアルカリ金属アルコラートを触媒
として室温で3時間行う。得られたエステルを、反応時に形成されたグリセロー
ルからデカンテーションによって分離する。過剰のアルコールを減圧下(15m
bar)で除去する。混合物を、その組成及び精製されるポリ不飽和酸に応じて
次の手順により処理する。
【0018】 ステップ2: 蒸留残分を構成する不純物を除去するために、エチルエステル
の混合物を、160〜190℃及び圧力10- 3 mbarにおいて事前に任意の
ショートパス蒸留に付す。留出物には、所望の脂肪酸エチルエステルが含まれる
【0019】 ステップ3: ステップ2より得られた留出物を、又はステップ2を省略する
場合にはステップ1より得られたエステル混合物を、130〜160℃及び圧力
l0- 3 mbarにおいてショートパス蒸留に付し、混合物を二つのエステル画分
に分離する。留出物は、炭素数18以下の脂肪酸のエステルに富んでおり、残留
物は、炭素数20以上の脂肪酸のエステルに富んでいる。
【0020】 ステップ4: ステップ3より得られた精製済みエチルエステルを、リパーゼ
酵素がエステル交換反応を触媒するのに充分な水の存在下で反応特異的リパーゼ
を用いてモノ−又はポリ−アルコキシアルコールとエステル交換し、ポリ不飽和
脂肪酸に富んだ脂肪酸エチルエステルと飽和及びモノ不飽和脂肪酸に富んだ脂肪
酸アルコキシアルキルエステルとの混合物を提供する。
【0021】 ステップ5: ステップ4におけるエステル交換反応の後で残留している未反
応のアルコールを、60〜90℃かつ10- 3mbarの圧力下でのショートパス
蒸留によって又は水による洗浄及びそれに続く好適な乾燥処理によって除去する
【0022】 ステップ6: ステップ5より得られたエステル混合物を100〜180℃で
最後のショートパス蒸留に付し、脂肪酸アルコキシアルキルエステル(残留物)
から脂肪酸低級アルキルエステルを分離する。
【0023】 精製処理において、必要ない場合には、一つ以上のステップを省略することが
できる。例えば、ボラージ油に由来するγ−リノレン酸を精製する場合、ステッ
プ1及び2を使用しない。なぜなら、この油の主成分は、蒸留によって効率的に
分離することのできないリノレン酸、リノール酸、及びオレイン酸であるからで
ある。ポリエチレングリコールメチルエーテル350のような分子量の高過ぎる
アルコールを使用する場合、常に、ステップ4は省略される。
【0024】 ステップ1において、第一級低級アルキルアルコールは、好ましくは、炭素数
7以下であるか、又はベンジルアルコールとすることができる。より好ましくは
、低級アルキルアルコールはエチルアルコールである。
【0025】 ステップ4において、酵素の使用量は、好ましくは、油中に存在する脂肪酸エ
ステルの約0.5重量%〜約5.0重量%であり、水の存在量は、酵素の1重量
%〜10重量%である。
【0026】 好ましくは、ステップ3において、リパーゼ酵素は、Mucor miehei株に由来す
るリポザイムIM、Rhizopus delemar株に由来するリパーゼD、及び、Mucor mi
ehei株に由来するエステラーゼ30000のうちから選ばれる。
【0027】 ステップ4におけるエステル交換は、50〜70℃の温度及び約0.1〜20
mbarの圧力で行うことが好ましく、60〜70℃の温度及び約15mbar
の圧力で行うことがより好ましい。
【0028】 本発明は、大規模にポリ不飽和脂肪酸を得るためのプロセスを提供する。ショ
ートパス蒸留と選択的酵素的エステル交換とを組み合わせることによって、様々
な種類の油に適用することができる。望ましい組成を有する生成物を得るために
、これらの二つの技法をモジュール方式で使用することができる。この組合せに
より、次のことが実現可能になる。 (a) たとえ複雑な出発原料を用いたとしても、生成物には、多くの場合、
90%以上に達する可能性のある非常に高い濃度で所望の脂肪酸が含まれている
。 (b) 生成物は、個々の条件に合った組成を有している。 (c) 一連の精製ステップで、非常に高い収率及び非常に高いスループット
が得られる。 (d) 精製プロセスで、溶剤を使用する必要がない。 (e) DHAからEPAを分離することが可能である。
【0029】 いずれの精製ステップにおいても、蒸留ステップ又は酵素的反応で生成物が加
熱される場合には常に減圧下にある。このため、熱不安定性ポリ不飽和脂肪酸エ
ステルのいかなる酸化及び劣化も最小限に抑えられる。
【0030】 ポリ不飽和脂肪酸は、対応する遊離酸の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有するエチ
ルエステルとして精製される。これにより、130〜180℃でのショートパス
蒸留ステップにおいて150kg/m2・h以下の高いスループットを得ること
が可能になる。
【0031】 ステップ1及び2は、主にEPA及びDHAの精製のために使用される。これ
らの脂肪酸のエチルエステルは、低級脂肪酸(C18、C16、及びより低級な
もの)のエチルエステルよりもかなり低い蒸留速度を有する。この場合、予備的
な蒸留を行うことによって、最大で33%EPA及び22%DHAを含有する生
成物を得ることが可能であり、また一緒に存在する低級脂肪酸は高い比率で除去
される。したがって、酵素的に処理される生成物の量は、もとの物質よりもかな
り少なく、その組成にもよるが、通常、約10%〜20%である。
【0032】 手順全体の中心的なステップは、10〜20mbarの減圧下及び適切な温度
において、例えば、リポザイムの場合には60〜70℃において、リポザイムI
N(Novo)などの反応特異的リパーゼを用いて行われる2−(2−ブトキシエト
キシ)エタノールやポリエチレングリコールメチルエーテル350のようなモノ
−又はポリアルコキシアルコールとの脂肪酸エチルエステルのエステル交換であ
る。反応中に生成したエタノールを減圧下で除去することによって、反応の平衡
を移動させる。酵素がエステル交換反応を触媒する速度は、エチルエステル中の
脂肪酸の不飽和度に依存し、不飽和度が増加するにつれて、反応は一般に遅くな
る。したがって、飽和及びモノ不飽和脂肪酸エチルエステルが最初にエステル交
換され、ポリ不飽和脂肪酸エチルエステルのエステル交換は一般にそれよりもか
なり遅い速度で行われることが分かる。しかしながら、リパーゼによって認識さ
れないEPAとDHAとの挙動の差異は残されたままであり、EPAは比較的ゆ
っくりと反応する。エステル交換プロセスの後、ポリ不飽和脂肪酸に富んだ脂肪
酸エチルエステルと飽和とモノ不飽和脂肪酸に富んだ脂肪酸アルコキシアルキル
エステルとの混合物が得られる。
【0033】 エステル交換ステップの後、残留している過剰のアルコールは、ショートパス
蒸留によって適切に除去することができる。これらのアルコールは一般に脂肪酸
エステルよりも高い蒸気圧を有しているので、60〜90℃において10- 3mb
arの圧力でショートパス蒸留により後者から分離することは容易である。これ
らの条件下では、脂肪酸エステルの蒸留速度はごくわずかである。したがって、
アルコールは、留出物として回収し、再生使用することができる。
【0034】 次に、ポリ不飽和脂肪酸に富んだ脂肪酸エチルエステルは、100〜180℃
における10- 3mbarの圧力下での2回目のショートパス蒸留によって、飽和
及びモノ不飽和脂肪酸に富んだ脂肪酸アルコキシアルキルエステルを含む酵素的
反応の生成物から分離される。ポリ不飽和脂肪酸に富んだ脂肪酸エチルエステル
は留出物中に回収され、一方、蒸気圧がほとんどゼロである飽和及びモノ不飽和
脂肪酸に富んだ脂肪酸アルコキシアルキルエステルは残留物として回収される。
このショートパス蒸留ステップは、ポリエチレングリコールの場合と同じように
ゼロの蒸気圧を有するアルコールの場合にはそのアルコールの過剰分を除去する
ためにも使用される。
【0035】 得られた留出生成物には、ポリ不飽和脂肪酸エチルエステルがかなり豊富に含
まれており、ほとんどの場合、80%を超える量で含まれている可能性があり、
更には、90%以上に達する可能性もある。
【0036】 アルコキシアルコールの選択は精製を行う上で極めて重要である。酵素的反応
によって形成されたアルコキシアルコールエステルは、脂肪酸エチルエステルの
蒸留に使用される温度の範囲で蒸留することができない。したがって、ショート
パス蒸留によって二つのエステルタイプを非常に効率的に分離することができる
。酵素の選択性は、脂肪族アルコールを用いた場合よりもアルコキシアルコール
を用いた場合に方がかなり高い。例えば、オレイルアルコールを用いた場合、リ
ポザイムIMによる酵素的エステル交換は、すべての脂肪酸に対してほとんど同
じであるが、ポリエチレングリコールメチルエーテル350を用いた場合、飽和
及びモノ不飽和脂肪酸エステルに対する反応速度は、EPA(C20:5)エス
テル及びDHAエステルに対する反応速度の少なくとも12倍の速さである。こ
の特性のおかげで、ポリ不飽和脂肪酸の濃縮が可能になるだけでなく、EPAか
らのDHAの分離も可能になる。EPA及びDHAに富んだ脂肪酸エチルエステ
ルの混合物をリポザイムIMによるポリエチレングリコールメチルエーテルとの
エステル交換に付すと、EPAは、ポリエチレングリコールメチルエーテルのエ
ステルに変換され、次に、ショートパス蒸留によってDHAエチルエステルから
分離される。EPAは、けん化又は加水分解の後、その遊離形態で回収されるか
、あるいは好適なエステル交換反応によって低級アルコールのエステルとして回
収される。ボラージ油及びオオマツヨイグサ油中のポリ不飽和脂肪酸の一つであ
るγ−リノレン酸もまた、上記の手順によって単離することができる。2−(2
−ブトキシエトキシ)エタノールは、γ−リノレン酸エステルの精製を行うため
の最良のアルコールであると思われる。なぜなら、90%までの濃度を有するγ
−リノレネートエチルエステルを約96%までの収率で得ることができるからで
ある。
【0037】 次に、以下の実施例によって本発明について具体的に説明する。これらの実施
例では、好適なクロマトグラフィー手順によってすべての分析データを得た。
【0038】 実施例1 3リットルの無水エタノールにナトリウム23gを添加する。すべてのナトリ
ウムが溶解した時点で、18%EPA及び7%DHAをトリグリセリドとして含
有するイワシ油10kgを添加する。周囲温度及び窒素雰囲気において攪拌しなが
ら3時間反応させた後、混合物をデンカトし、混合物の底部に分離されたグリセ
ロールを除去する。次に、エチルエステル溶液を乾燥させ、減圧下(10mba
r)で脱ガスする。約10kgの生成物を回収する。
【0039】 次に、160℃において10- 3mbarの圧力で生成物をショートパス蒸留に
供し、18%EPA及び7%DHAをそれらのエチルエステルとして含有する清
澄透明なエチルエステル約9.5kgを留出物として得る。
【0040】 次に、150℃において10- 3mbarの圧力下でエチルエステル混合物をシ
ョートパス蒸留に供する。スループットの15〜30%に相当する残留物を回収
する。この生成物には、少なくとも28%〜40%EPA及び20%〜35%D
HAがエチルエステルとして含まれている。より注意深い制御を行えば、このプ
ロセスを用いて、33%EPA及び22%DHAをエチルエステルとして生成す
ることができる。
【0041】 実施例2 実施例1のプロセスにより得られた、33%EPA及び22%DHAを含有す
る脂肪酸エチルエステル1000重量部を、酵素的反応を進行させるのに十分な
水の存在下で550〜900重量部のポリエチレングリコールメチルエーテル(
分子量350)及び10〜20重量部のリポザイムIMを用いてエステル交換す
る。減圧下、10mbarの圧力で24時間より長い時間にわたって60℃の温
度で反応を行う。反応終了後、酵素を濾過によって分離し、所望によりリサイク
ルさせることができる。反応生成物を180℃において10- 3mbarの圧力下
でショートパス蒸留に供する。未反応の脂肪酸エチルエステルを含有している留
出物を回収する。この留出物中のEPA及びDHAエチルエステルの合計濃度は
、75〜82%(EPA35〜38%、DHA40〜44%)である。
【0042】 実施例3 実施例2のプロセスにより得られた、35%EPA及び40%DHAを含有す
る脂肪酸エチルエステル1000重量部を、酵素的反応を進行させるのに十分な
水の存在下、10mbarの減圧下、48時間、60℃の温度の条件で700〜
850重量部のポリエチレングリコールメチルエーテル(分子量350)及び2
0〜50重量部のリポザイムIMを用いてエステル交換する。エステル交換の後
、酵素を分離し、180℃において10- 3mbarの圧力下でショートパス蒸留
によって生成物を蒸留し、90%より多いDHAと5%未満のEPAとを含有す
る留出物、及び、50%より多いEPAを含有する残留物を得る。残留物100
重量部を、窒素下において3時間にわたりナトリウムエタノラート0.68重量
部を含有する無水エタノール30重量部で処理する。次に、生成物を水で洗浄し
てから乾燥させ、50%より多いEPAと2%未満のDHAとを含有する脂肪酸
エチルエステルの混合物を得る。
【0043】 実施例4 20% DHA(Crypthecodinium cohnii由来)を含有する脂肪酸エチルエス
テル1000重量部、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール600〜800部
、及びリポザイムIM4〜10部を、50〜60℃において9〜15 mbar
の減圧下で数時間にわたり攪拌及び加熱する。濾過により酵素を除去することに
よって反応を停止させ、次に、油を2回のショートパス蒸留に供する。1回目の
蒸留は50℃〜60℃で行って、過剰のアルコール及び臭気を除去し、2回目の
蒸留は100〜120℃である。両方とも10- 3mbarにおいて行われる。留
出物を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析する。得られるドコサヘキ
サエン酸エチルエステル濃縮物は、95%に達することがある。
【0044】 実施例5 40%AA(アラキドン酸;C20:5)を含有している脂肪酸エチルエステ
ル100重量部、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール600〜800部、
及びリポザイムIM4〜10部を、酵素的反応を進行させるのに十分な水の存在
下、50℃〜60℃、9〜15mbarの減圧下、2〜8時間の条件で、攪拌及
び加熱する。濾過により酵素を除去することによって反応を停止させる。生成し
た油を2回のショートパス蒸留に供する。50℃〜60℃で行われる1回目の蒸
留において、過剰の2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールを留出物として除
去する。この1回目の蒸留で得られた残留物を100〜120℃で再び蒸留し、
無臭の留出物を生成させる。蒸留はいずれも10- 3mbarの圧力で行う。ガス
クロマトグラフィーによる分析から、95%より高いAAエチルエステル濃度が
達成可能であることは明らかである。
【0045】 実施例6 23%γ−リノレン酸(ボラージ油に由来する)を含有している脂肪酸エチル
エステル100重量部を、600〜800重量部の2−(2−ブトキシエトキシ
)エタノール、及び6〜10部のリポザイムIM、又はRhizopus delemarに由来
するリパーゼD、又はMucor mihei株に由来するエステラーゼ30000を用い
て、酵素的反応を進行させるのに十分な水の存在下、9〜15mbarの減圧下
、及び50〜60℃の温度でエステル交換する。濾過により酵素を除去すること
によって反応を停止させる。生成した油を2回のショートパス蒸留に供する。5
0℃〜60℃で行われる1回目の蒸留において、過剰のアルコールを留出物とし
て除去する。こうして得られた蒸留残分を100〜120℃において2回目の蒸
留に付す。蒸留はいずれも10- 3mbarの圧力で行う。留出物を回収してガス
クロマトグラフィーにより分析する。50%以上のγ−リノレン酸エチルエステ
ルを含有する清澄で無臭の油が得られる。この濃度は90%に達する可能性があ
る。
【0046】 実施例7 オオマツヨイグサ油に由来する脂肪酸エチルエステルの混合物を実施例4の場
合と同じ条件下で処理する。数時間後(2〜4時間後)、反応を停止させ、実施
例4の場合と同じように油を処理する。生成物には、25%〜40%含有したγ
−リノレン酸エチルエステル濃縮物が含まれる。反応時間を長くした場合、この
濃度を劇的に増大させることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 カヤット−フリドマン、シラズ フランス国、レイ−レ−ローズ エフ− 94240、テール リュ デ トゥルネール 15 Fターム(参考) 4B064 AD88 AD89 AD90 CA21 CB30 CD01 CD05 CD06 CE16 DA01 DA10 4H006 AA02 AC48 AD11 BA02 BA32 BA69 BC51 BC52 KA03 4H039 CA66 CD90 CE10 4H059 BA12 BA30 BA33 BB03 BB05 BB06 BC48 CA18 CA35 CA36 EA17

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノ−及びポリ不飽和脂肪酸を含めて長鎖脂肪酸のトリグリセリドエステルと
    して産する少なくとも1種の天然油に由来する該長鎖脂肪酸を分離及び回収する
    方法であって、少なくとも、 (i) 室温、不活性雰囲気下で、上記油と低級アルキルアルコールとを、同
    じ低級アルキルアルコールのアルカリ金属アルコラートを触媒として存在させて
    エステル交換反応させ、生成したエチルエステルを回収するステップ、 (ii) ステップ(i)より得られたエチルエステルを130〜160℃及び
    圧力10- 3mbarでショートパス蒸留に付し、この混合物を炭素数18以下の
    脂肪酸の低級アルキルエステルに富んだ留出物と炭素数20以上の脂肪酸のエス
    テルに富んだ残留物とを含む二つの画分に分離するステップ、 (iii) 所望の精製された脂肪酸低級アルキルエステルを含有しているステ
    ップ(ii)より得られた画分を、反応特異的リパーゼによって触媒されるモノ−
    又はポリ−アルコキシ第一級アルコールとのエステル交換反応に付し、ポリ不飽
    和脂肪酸に富んだ脂肪酸エチルエステルと飽和及びモノ不飽和脂肪酸に富んだ脂
    肪酸アルコキシアルキルエステルとの混合物を提供するステップ、 (iv) ステップ(iii)におけるエステル交換反応の後で残留している未反
    応のモノ−又はポリ−アルコキシアルコールを、60〜90℃かつ10- 3mba
    rの圧力下でのショートパス蒸留によって、又は、水による洗浄及びそれに続く
    乾燥によって、除去するステップ、 (v) ステップ(iv)より得られたエステル混合物を100〜180℃でシ
    ョートパス蒸留に付し、留出物として脂肪酸低級アルキルエステルを含み、残留
    物として脂肪酸アルコキシアルキルエステルを含む、二つの画分を提供するステ
    ップ、及び、 (vi) ステップ(v)より得られた適合する画分から所望の脂肪酸を回収す
    るステップを含む方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(i)と(ii)との間で、低級アルキルエステルの混合物を160〜
    190℃及び圧力10- 3mbarでのショートパス蒸留に付し、所望の脂肪酸エ
    チルエステルを含有する留出物と排除される残留物とを含む二つの画分を提供す
    ることを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記所望の脂肪酸がボラージ油に由来するγ−リノレン酸であり、かつステッ
    プ(ii)が省略される、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記低級アルキルアルコールがエタノールである、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ金属低級アルキルアルコラート中のアルカリ金属がナトリウムで
    ある、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ステップ(i)において前記不活性雰囲気が窒素を含む、請求項1記載の方法
  7. 【請求項7】 ステップ(iii)においてモノアルコキシアルコールが使用される、請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記モノアルコキシ第一級アルコールが、一般式R−O−(CH2n−CH2
    OH〔式中、nは1、2又は3であり、Rは炭素数1〜18であってアルキル基
    及び1又は2個の芳香環を含むアルキル基から選ばれる〕を有する、請求項7記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 ステップ(iii)においてポリアルコキシアルコールが使用される、請求項1
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリアルコキシ第一級アルコールが、一般式R−O(CH2−CH2O)n
    −CH2CH2OH〔式中、nは0〜10であり、Rは炭素数1〜18であってア
    ルキル基及び1又は2個の芳香環を含むアルキル基から選ばれる〕を有する、請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 飽和又はモノ不飽和脂肪酸のエステルのエステル交換を優先的に触媒するよう
    にリパーゼ酵素が選択される、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記リパーゼ酵素が、Mucor miehei株に由来するリポザイムIM、Rhizopus d
    elemar株に由来するリパーゼD及びMucor miehei株に由来するエステラーゼ30
    000のうちから選ばれる、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記酵素が、粗調製物として使用されるか、又は好適な支持体上に固定化して
    使用される、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 ステップ(iii)が、0.1mbar〜20mbarの減圧下及び50℃〜7
    0℃の温度において前記アルキルエステル調製物、前記アルコール、及び前記酵
    素を撹拌することによって行われる、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記第一級低級アルキルアルコールが、炭素数7以下であるか、又はベンジル
    アルコールである、請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 水の量が1重量%〜10重量%である、請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 ステップ(iii)において、エステル交換されるアルキルエステルとアルコキ
    シアルコールとの重量比が4:1〜1:1である、請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 ステップ(iii)において、酵素の使用量が、エステル交
    換されるエステルの0.5重量%〜5重量%である、請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記第一級低級アルコールがエタノールである、請求項1
    5記載の方法。
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