JPH06213900A - 磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置 - Google Patents

磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置

Info

Publication number
JPH06213900A
JPH06213900A JP808493A JP808493A JPH06213900A JP H06213900 A JPH06213900 A JP H06213900A JP 808493 A JP808493 A JP 808493A JP 808493 A JP808493 A JP 808493A JP H06213900 A JPH06213900 A JP H06213900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
precipitation
reagent
magnetic particles
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP808493A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Iida
眞司 飯田
Hiroshi Mimaki
弘 三巻
Yoshiteru Furuta
芳輝 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP808493A priority Critical patent/JPH06213900A/ja
Publication of JPH06213900A publication Critical patent/JPH06213900A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、磁性粒子を用いた沈殿分画測定に関
し、臨床検査に適用し得る簡便な沈殿分離操作の測定法
を提供するものである。さらに自動分析装置に組み込む
のに適した測定法を提供する。 【構成】沈殿分画測定は、次の如き工程により実行され
る。(1)試料(A),沈殿試薬(B),磁性体粒子
(C)の混合工程、(2)混合液の静置工程、(3)磁
石52による不溶性物質の捕捉,除去工程、(4)上清
を用いた分析工程。このような測定方法により臨床検査
の効率化が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定物質を選択的に
測定するために沈殿分画操作を必要とする測定方法およ
び測定装置に関するものであり、特に体液中の高比重リ
ポ蛋白(以下HDLと略称する)を選択的に分画測定す
るのに適した測定方法および測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、臨床検査の対象がより細分化され
てきており、従来総量としてのみ捉えていた測定対象を
構成要素に分離する(分画と呼ぶ)ことにより、より的
確な診断を行うことが可能となった。その例としては、
蛋白分析におけるアルブミンやグロブリンの比を求める
蛋白分画や、酵素活性測定におけるアイソザイム分画な
どが挙げられる。
【0003】その内、分画を沈殿処理で行う測定には、
リポ蛋白コレステロール分画やアルカリフォスファター
ゼアイソザイム分画がある。血清中の高比重リポ蛋白(H
DL)中に含有されるコレステロールは、冠動脈性心疾患
の危険因子として診断に重要な役割を果たすことが認め
られ、血清リポ蛋白中からHDLを分画し、これに含有
されるコレステロールの測定が重要な脂質検査の一つに
なっている。
【0004】血清中には大別して4種のリポ蛋白が存在
しており、最も直径が大きくかつ比重が低いのはカイロ
ミクロンであり、ついで超低比重リポ蛋白(以下VLD
Lと略称する)、低比重リポ蛋白(以下LDLと略称す
る),HDLの順に直径は小さく、比重は重くなってい
く。
【0005】HDLコレステロール測定法の研究の総論
は、ワーニックらによる、クリニカルケミストリー(Wa
rnick,G.R.,et al,Clin.Chem.)、第25巻、596ペー
ジ、1979年に詳しい。HDLコレステロール測定の
為に各種リポ蛋白中よりHDLを分離する手段としては、
超遠心法,電気泳動法,イオン交換やゲル浸透クロマト
グラフィーおよび沈殿法が提唱されている。沈殿試薬を
用いたHDLコレステロールの測定は、試料(血清)に
沈殿試薬を加え混合静置後、遠心分離によりリポ蛋白中
のカイロミクロン,VLDL,LDLを沈殿させ、上清
中に残存するHDLを分画し、その中のコレステロール
を公知のコレステロール測定法にて測定することによ
り、HDLコレステロールの濃度を求めている。沈殿試
薬としては、硫酸多糖類(ヘパリンなど),ポリアニオ
ン(リンタングステン酸など),界面活性剤(コール酸
ナトリウムなど)、および二価のカチオン(マグネシウ
ム,カルシウムなど)と共存させたものが用いられてい
る。HDLの分離を遠心操作を介さずに行う方法は、特
開昭63−18269 号に示されている。この方法は、高比重
リポ蛋白分画用沈殿試薬及びそれを用いた高比重リポ蛋
白コレステロールの測定方法に関し、上述の沈殿試薬の
うち、硫酸多糖類に高比重の不溶性担体を結合し、自然
落下により沈殿を除去する方法である。
【0006】一方、アルカリフォスファターゼアイソザ
イム分画は、特に骨性ALPが骨疾患に有用であり、電
気泳動法の他に近年沈殿法が提唱されている。ロザルキ
らは、クリニカルケミストリー(Rosalki,S.B.,et al,C
lin.Chem.)、第30巻、1182ページ、1984年の中
で、血清中のアルカリフォスファターゼ(ALP)を、
小麦由来レクチンによって主に骨性ALPを沈降させ、
分離する。上清中の残存ALPを全ALPより引くこと
により骨性ALPを求める。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】HDLにおいては、長
年超遠心法が唯一の手段であったが、高価な装置を必要
とし、かつ長時間を要するなどの欠点を有していた。電
気泳動法は、臨床的に最も重要である濃度20−40mg
/dl付近での再現性に欠ける欠点があった。イオン交換
やゲル浸透クロマトグラフィーは、複雑な実験装置を要
し、かつ長時間を要する欠点があった。HDLの分画に
リポ蛋白を選択的に沈殿させる方法は、日常の臨床検査
では最も広く用いられている。しかしながら、沈殿試薬
を用いた方法によるHDL以外のリポ蛋白の沈殿は、比
重が水の値に近いためHDLが残存する上清との分離
は、短時間の静置では不可能であり、遠心分離を必要と
するため、実験操作の工程が他の臨床検査の測定項目よ
り複雑となり、かつコレステロール測定としてこれを捉
えると試料が元の血清ではなく上清液となるため多項目
自動分析装置による一括測定ができない点が効率の上で
大きな欠点となっていた。特開昭63−18269 号による方
法は、上清液中にカイロミクロン,VLDL,LDLが
浮遊沈殿物として残存しやすく、HDLの正確性を欠く
欠点があった。ALPアイソザイムの測定法である電気
泳動法と沈殿法についても、欠点はHDLと同様であっ
た。
【0008】本発明は、上述したような従来の問題点に
着目してなされたもので、その目的は、HDL沈殿コレ
ステロール分画測定方法において、遠心分離操作をする
ことなく、短時間にかつ簡便に分離が達成できる測定方
法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、新規な測定方法を自
動分析装置内に組み込むことによりHDLコレステロー
ルを他の臨床検査項目と同様に一つの試料(血清)から
分析できる多項目自動分析装置を提供することにある。
【0010】上記において、測定対象をHDL(コレス
テロール)とすることは、本発明を特徴づける一つの特
徴に過ぎず、ALPアイソザイムについても本発明の課
題は同様である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による解決手段の
概念は、試料と沈殿試薬と磁性体粒子の混合液中で試料
中の成分の一部と沈殿試薬に選択的な沈殿反応をなさし
め、該混合液中に拡散した磁性体粒子と該沈殿物(混合
不溶物)を磁力を用いて収斂させることにより捕捉また
は除去し、上清中の残存被測定物を分析することによ
り、分画することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明による測定方法は、以下の工程を具備す
る。
【0013】(1)反応容器に試料を注入し、それに沈
殿試薬と磁性体粒子を添加する工程。 (2)上記(1)の磁性体粒子を含む混合液を一定時間
沈殿生成のため静置する工程。
【0014】(3)沈殿生成後、沈殿物と磁性体粒子の
混合不溶物を磁力を用いて捕捉または除去する工程。
【0015】(4)上記(3)の捕捉された沈殿物と磁
性体粒子の混合不溶物を除く上清の一部または全てを測
定対象を測定する分析の試料に供する工程。
【0016】上記(1)の工程は、試料の注入と、沈殿
試薬および磁性体粒子の添加する順序はどちらが先でも
構わない。沈殿試薬としては、HDLについては沈殿剤
としてデキストラン硫酸,マグネシウムイオン,リンタ
ングステン酸を含有する市販の『HDL−C・2第一』
(第一化学薬品社製の商品名)や『イアトロリポハイコ
レスト』(ヤトロン社製の商品名)が使用可能である。
また、ALPアイソザイムの沈殿試薬としては、沈殿剤
としてレクチンを含有する『アイソALP測定用試薬』
(ベーリンガーマンハイム山之内社製の商品名)が使え
る。磁性体粒子としては、市販の『DYNABEADS M−2
80』(DYNAL社製の商品名)や『FERRI SPHERE
100』(日本ペイント社製の商品名)を表面を化学的
に修飾することなく使える。
【0017】上記(2)の工程では、磁性体粒子を混在
させた状態で沈殿形成が進む。磁性体粒子と沈殿物との
関係は、磁性体粒子を一切化学修飾せず、かつ表面に磁
性体であるフェライトを露出させた状態でも、フェライ
トをラテックスによりコーティングした状態でも同じ結
果が得られることから、化学的結合が存在すると結論づ
けることはできない。
【0018】上記(3)の工程は、沈殿物と磁性体粒子
の混合不溶物の分離工程である。混合不溶物の磁力によ
る分離は、沈殿物の間に拡散された磁性体粒子に磁石を
近づけ、磁性体粒子間に沈殿物を物理的に捕捉した状態
で収斂させることによりなされる。磁石を反応容器の外
側より近づけて反応容器内の底面あるいは側面に混合不
溶物を捕捉することができる。あるいは、磁石を反応容
器内に挿入し混合不溶物を磁石表面に捕捉することも可
能である。磁石は、原則的には永久磁石でも電磁石でも
使用できる。永久磁石は反応容器外側からの接近に適
し、電磁石は反応容器内への挿入に適する。
【0019】上記(4)の工程は、捕捉された沈殿物と
磁性体粒子の混合不溶物と上清との分離工程である。上
記(3)の工程で混合不溶物を反応容器底面または側面
に捕捉した場合には、上清の一部をピペットで吸引しこ
れを被測定物質分析の試料とすることができる。磁石を
反応容器内に挿入し磁石表面に混合不溶物を捕捉する場
合は、磁石を外に出した後の液(上清と同組成)を被測
定物質分析の試料とすることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0021】実施例1(図1)磁性粒子を用いた沈殿分画法によるHDLコレステロー
ルの検出の原法 (1)3ml容量の試験管を用意しこれを反応容器51
とした。これに血清(A)50μl、沈殿試薬(B)(HD
L−C・2第一)50μlおよび磁性体粒子(C)(DYNA
BEADS M−280、20mg又はFERRI SPHERE 10
0,100μl)を加え、混合した。
【0022】(2)上記の試験管を室温(25℃)の条
件で5分間静置した。
【0023】(3)上記の試験管の下に永久磁石52
(500ガウス)を1分間密着させ、混合不溶物を試験
管底部に捕捉した。
【0024】(4)上記の試験管の上清の50μlを別
の試験管53にHDLコレステロール測定の試料として
分注し、これにコレステロール測定検査薬(D)(オート
セラCHO・2第一)を加えた。コレステロール測定検
査薬は、コレステロールエステラーゼ,コレステロール
オキシダーゼ,パーオキシダーゼをカップリングさせ、
遊離型コレステロールの酸化反応の過程で生ずる過酸化
水素をパーオキシダーゼの存在下で4−アミノアンチピ
リンとフェノールと反応させて赤色色素を生じさせる。
試料と試薬を混和後、37℃で10分間反応させた後、
単色光波長545nmで吸光度を測定し濃度に換算し
た。この実施例1による測定結果と従来の沈殿試薬およ
び遠心分離工程を用いた測定結果の患者検体を対象とし
たHDLコレステロール相関分析図を図3に示す。
【0025】実施例2(図2)磁性粒子捕捉用磁石を反応容器内に挿入する実施例 (1)3ml容量の試験管を用意しこれを反応容器51
とした。これに血清(A)50μl、沈殿試薬(B)(H
DL−C・2第一)50μlおよび磁性体粒子(C)
(実施例1と同じ)を加え、混合した。
【0026】(2)上記の試験管51を室温(25℃)
の条件で5分間静置した。
【0027】(3)上記の試験管51に電磁石54(通
電時400ガウス)を試験管上部から挿入し、15秒間
通電することにより、混合不溶物を電磁石表面に捕捉し
た。
【0028】(4)上記の試験管の上清の50μlを別
の試験管53にHDLコレステロール測定の試料として
分注し、これにコレステロール測定検査薬(D)(実施
例1と同じ)を加えた。混和後、37℃で10分間反応
させた後、波長545nmでの吸光度を測定し濃度に換
算した。実施例1と同様の結果が得られた。
【0029】実施例3(図4)自動分析装置による完全自動化の実施例−1 本発明を適用した自動分析装置の概略構成図を図4に示
す。図4において、反応ディスク1は、図示していない
駆動機構によって回転と停止を行う。反応ディスク1の
円周に沿って120個の反応容器2が配列されており、
サークル状の反応ラインを形成している。反応容器2の
列は、保温槽3によって一定温度に保たれる。保温槽3
へは恒温流体供給装置4からの恒温流体が供給される。
反応ライン上には、サンプルが添加される分注位置3
1,2個所の試薬分注位置,2個所の撹拌位置,測光位
置33,洗浄位置などがあり、これらは一定の場所に配
置されている。
【0030】サンプルディスク5は、駆動機構によって
回転され、円周上に多数配置されたサンプルカップ35
を順次サンプル吸入位置に停止させることができる。サ
ンプルディスク5上には、多数の分析すべき血清サンプ
ルカップの他に、標準液やコントロール血清用のサンプ
ルカップが保持されている。吸排ポンプを備えたサンプ
ル分注機構21は、上下動および旋回動作可能なサンプ
ルピペティング機構7に保持されているサンプル分注用
ノズル8に接続されている。ノズル8は、サンプルディ
スク5上のサンプル吸引位置にあるサンプルカップ35
から所定量のサンプルを吸引保持し、反応ディスク1上
へ旋回してサンプル分注位置31に停止している反応容
器2内へ、その被検項目に応じた量のサンプルを吐出す
る。
【0031】試薬供給装置は、各被検項目に特有の反応
を生じさせるための試薬を収容した多数の試薬液槽40
A,40Bを保持している試薬はディスク9A,9B
と、試薬ピペッティングノズル41A,41Bを上下動
および旋回動させる機構10A,10Bと、ノズル41
A,41Bに吸排動作をさせるためのポンプを備えた試
薬分注機構19とを含む。
【0032】この試薬供給装置は、被検項目に応じて4
種類の試薬まで反応容器に加えることができる。第1試
薬と第4試薬は試薬ディスク9A上から選択され、第2
試薬と第3試薬は試薬ディスク9B上から選択される。
選択された試薬液槽は、試薬ディスク9A,9Bの回転
によって所定の吸入位置に位置付けられ、ノズル41A,
Bによって必要な試薬が反応容器に分注される。試薬添
加の後、反応容器内の液は撹拌機構11A,11Bによ
り撹拌される。
【0033】反応ラインを光束が横切るように多波長光
度計12が配置されている。光源13からの白色光が測
光位置33を通り多波長光度計12の分光部に導かれ、
分光された多数の波長の光が同時にフォトダイオードア
レイからなる光検出器によって受光される。受光信号の
内の必要なものだけが対数変換器17で変換され、アナ
ロデジタル変換器18によってデジタル信号に変換さ
れ、被検項目の濃度演算や活性値演算に用いられる。マ
イクロコンピュータ15は、測光データを演算してその
結果をプリンタ22およびCRT23に出力することが
できる。また、マイクロコンピュータ15は、インター
フェース16を介して分析装置内の各機構部を所望のプ
ログラムに従って動作させることができ、操作パネル2
5から入力される分析条件および各種の情報を処理し、
および自身の持っている記憶部やフロッピーディスク2
4のようなメモリにそれらの情報,データを記憶させる
ことができる。
【0034】反応ディスク1上の分注位置31に停止し
ている反応容器2に、サンプル分注ノズル8によってサ
ンプルカップ35からサンプルが添加される際には、所
定の試薬添加位置に停止している反応容器に各被検項目
に応じた試薬液が分注される。その後、反応ディスク1
は、1回転プラス1容器分の距離を回動され、先の反応
容器の隣の反応容器が分注位置31に停止される。この
回動動作の間に、光度計12は測光位置33を通過する
反応容器をすべて測光する。このような回動動作は、新
しい反応容器にサンプルが分注される都度行われる。す
なわち、反応ライン上の1つの反応容器に着目すれば、
その反応容器から分注位置31を出発して次々と回動と
停止を繰り返して反応ライン上を進行し、測光位置33
を過ぎた位置に停止されるようになるまでの間は、回動
ごとに光度計による測光が行われることになる。
【0035】停止位置が測光位置33を過ぎた反応容器
にたいしては、洗浄液による洗浄動作がなされる。洗浄
機構14は、複数の吸引排出用ノズルと、複数の洗浄液
吐出用ノズルを備えており、反応容器内の使用済み反応
液の排出と反応容器の洗浄を行う。洗浄ポンプ20は、
洗浄機構14への洗浄液の供給および洗浄機構14から
の液の廃棄を受け持つ。洗浄操作の間も反応ディスク1
の回動と停止は、20秒間隔で継続される。この自動分
析装置では、洗浄工程において反応容器に最後に添加さ
れたイオン交換水を反応容器に留めたまま測光し、次回
の分析のセルブランク値として演算に使用する。
【0036】上述した自動分析装置において実施例1に
基づく特徴は、以下の如く実現される。サンプル(血
清)40μlが分注された後20秒後に第1試薬として
実施例1で述べた磁性体粒子20μlを分注し、更に
1.5 分後に第2試薬として沈殿試薬40μlを分注す
る。自動分析装置のマイクロコンピュータは、当該サン
プルが分注された反応容器を記憶しており、HDLの沈
殿に供された反応容器は最終測光位置33を過ぎても洗
浄工程が行われない。当該反応容器は、混合不溶物が入
ったまま次の周回のサンプル分注位置31に到達する。
サンプル分注位置31の下面には永久磁石42(800
ガウス)を埋設し、混合不用物を反応容器内の底面に捕
捉する。捕捉後、上清はHDLコレステロール測定用の
試料としてノズル8によって吸引され、当該反応容器の
隣の反応容器に吐出される。隣の反応容器には、20秒
後にコレステロール測定試薬が添加され10分後に吸光
度が測光され、濃度に換算されたのちプリンターまたは
CRT上に出力される。
【0037】本実施例によれば、患者から採血した血清
を自動分析装置に置くだけでHDLコレステロールの測
定を完全自動的に行うことができ、かつ他の臨床検査項
目と同時に処理することができるので、作業の効率化に
寄与することができる。なお本実施例でも実施例1と同
様の結果が得られた。
【0038】実施例4(図4,図5)自動分析装置による完全自動化の実施例−2 実施例3と同様の処理原理を持つ自動分析装置による更
なる実施例を説明する。
【0039】上述した自動分析装置において、反応容器
2にサンプル(血清)40μlが分注された後20秒後
に第1試薬として実施例1で述べた磁性体粒子20μl
を分注し、更に1.5分後に第2試薬として沈殿試薬4
0μlを分注する。3.5分後、第3試薬の吐出タイミ
ングで試薬は吐出せず、撹拌タイミングで実施例3で述
べたのと同様の電磁石を撹拌子の代わりに取付け、分注
位置31にて上記の反応容器2に電磁石43(通電時4
00ガウス)を反応容器上部から挿入し、5秒間通電す
ることにより、混合不溶物を電磁石表面に捕捉した(図
5−A)。短時間で捕捉が終了したのは、自動分析装置
の反応容器が試験管に比べ小さく、磁性粒子と磁石表面
の平均距離が短いためである。捕捉した混合不溶物60
は、反応容器外に取り出し(図5−B)、電磁石への通
電を切って混合不溶物60を磁石43から離脱させ磁石
43を洗浄する(図5−C)。その5分後に、反応容器
2にコレステロール測定試薬が添加され、さらに5分後
に光度計12により吸光度が測光され、濃度に換算され
たデータがプリンタ22またはCRT23上に出力され
る。
【0040】本実施例によれば、患者から採血した血清
を自動分析装置に置くだけでHDLコレステロールの測
定を完全自動的に行うことができる。さらにHDLコレ
ステロール1テストを1本の反応容器中でシーケンシャ
ルに処理できるため、実施例3に比べて自動分析装置の
処理能力を低下させない利点がある。なお本実施例でも
実施例1と同様の結果が得られた。
【0041】実施例5磁性粒子を用いた沈殿分画法による骨性アルカリフォス
ファターゼの検出法 (1)3ml容量の試験管を用意しこれを反応容器とし
た。これに血清50μl,レクチンを含む分離液(アイ
ソALP測定用試薬、BMY)50μlおよび磁性体粒
子(DYNABEADS M−280、20mg又はFERR I SPH
ERE100、100μl)を加え、混合した。
【0042】(2)上記の試験管を室温(25℃)の条
件で30分間静置した。
【0043】(3)上記の試験管の下に永久磁石(50
0ガウス)を1分間密着させ、混合不溶物を試験管底部
に捕捉した。
【0044】(4)上記の試験管の上清の50μlを別
の試験管にアルカリフォスファターゼの試料として分注
し、これにアルカリフォスファターゼ測定検査薬(モノ
テストALPopt,BMY)を加えた。アルカリフォスファ
ターゼ測定検査薬は、緩衝液によりpH9.5 に調整さ
れた中にパラニトロフェニルリン酸が溶解しており、試
料中のアルカリフォスファターゼによりパラニトロフェ
ニルリン酸が分解され、パラニトロフェノールが生成す
るのを原理としている。混和後、37℃で5分間インキ
ュベートした後、405nmでの吸光度変化率を測定し
酵素活性値に換算した。レクチンは、骨性アルカリフォ
スファターゼと選択的に結合し沈殿するため、上清中に
は骨性アルカリフォスファターゼ以外の残存アルカリフ
ォスファターゼが存在する。そのため原血清のトータル
アルカリフォスファターゼ活性を別途測定しておき、ト
ータル活性値から残存活性値を引いたのが骨性活性値と
なる。本実施例による測定結果と遠心分離法による測定
結果の患者検体を対象とした骨性アイソザイム相関分析
図を図6に示す。
【0045】本実施例に示す通り、本発明はHDLコレ
ステロールに限定されるものではなく、沈殿形成を伴う
測定法に広く適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
沈殿形成による分離分画を含む測定法を遠心分離操作な
しに実行することができ、遠心分離器などの設備を準備
する必要がなく簡便な定量法を提供できる。また、自動
分析装置への応用も可能であるため、検査の効率化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施例1の工程を示す図。
【図2】実施例2の工程を示す図。
【図3】実施例1によるHDLコレステロールの相関
図。
【図4】実施例3および実施例4を実行するための自動
分析装置の概略構成を示す図。
【図5】実施例4による自動分析装置の要部の動作概略
を示す図。
【図6】実施例5による骨性アルカリフォスファターゼ
の相関図。
【符号の説明】
1…反応ディスク、2…反応容器、5…サンプルディス
ク、7…サンプルピペッティング機構、8…サンプル分
注ノズル、9A,9B…試薬ディスク、10A,10B
…試薬ピペッティング機構、12…多波長光度計、15
…マイクロコンピュータ、23…CRT、25…操作パ
ネル、31…サンプル分注位置、33…最終測光位置、
42,52…永久磁石、43…電磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 芳輝 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所計測器事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応容器に試料を注入し試料成分の一部を
    選択的に沈殿せしむる沈殿試薬と該沈殿成分と選択的な
    化学結合を生じぬ表面構造を有する磁性体粒子を添加す
    る工程と、該磁性体粒子を含む混合液を一定時間沈殿生
    成させる工程と、沈殿生成後沈殿物と磁性体粒子の混合
    不溶物を磁力を用いて容器内に捕捉するか容器外に除去
    する工程と、捕捉または除去された沈殿物と磁性体粒子
    の該混合不溶物を除く上清を分析する工程とを含む沈殿
    分画測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1の沈殿分画測定方法において、磁
    力による沈殿分離を反応容器外に置いた磁石によって行
    うことを特徴とする沈殿分画測定方法。
  3. 【請求項3】請求項1の沈殿分画測定方法において、磁
    力による沈殿分離を反応容器内の混合液に挿入した磁石
    によって行うことを特徴とする沈殿分画測定方法。
  4. 【請求項4】試料と沈殿試薬と磁性体粒子を混合するこ
    とにより混合不溶物を形成し、磁力により該混合不溶物
    を収斂せしめることにより上清を得る沈殿分画測定方
    法。
  5. 【請求項5】容器内に試料と沈殿試薬と磁性粒子を加
    え、上記容器を搬送し、磁石を沈殿生成の最終工程位置
    に置いたことを特徴とする測定装置。
JP808493A 1993-01-21 1993-01-21 磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置 Pending JPH06213900A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP808493A JPH06213900A (ja) 1993-01-21 1993-01-21 磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP808493A JPH06213900A (ja) 1993-01-21 1993-01-21 磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06213900A true JPH06213900A (ja) 1994-08-05

Family

ID=11683470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP808493A Pending JPH06213900A (ja) 1993-01-21 1993-01-21 磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06213900A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5776784A (en) * 1996-01-11 1998-07-07 Dade International Inc. Apparatus and method for reagent separation in a chemical analyzer
JP2003164279A (ja) * 2001-09-21 2003-06-10 Juki Corp 核酸ハイブリダイゼーションにおけるb/f分離方法
WO2007004687A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Fuji Film Corporation A method for separating target component using magnetic nanoparticles
JP2007517225A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 音響機械的検出装置および使用法
US8084275B2 (en) 2005-02-08 2011-12-27 Fujifilm Corporation Magnetic composite body, production method thereof, method for removing substance with mannose on its surface, and method for concentrating substance with mannose on its surface
JP2015180891A (ja) * 2007-06-08 2015-10-15 クエスト ダイアグノスティックス インヴェストメンツ インコーポレイテッド 差異荷電粒子移動度によるリポ蛋白質の分析
US9470700B2 (en) 2012-08-31 2016-10-18 Toshiba Medical Systems Corporation Automatic analyzer
JP2016539339A (ja) * 2013-12-03 2016-12-15 イミュノディアグノスティック・システムズ・リミテッド 検体の定量化方法および当該方法を実行するための自動分析装置
US9791464B2 (en) 2007-06-08 2017-10-17 Quest Diagnostics Investments Incorporated Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US10119971B2 (en) 2008-08-07 2018-11-06 Quest Diagnostics Investments Incorporated Detection apparatus for differential-charged particle mobility analyzer
US10308680B2 (en) 2010-12-30 2019-06-04 Quest Diagnostics Investments Incorporated Magnetic separation of lipoproteins using dextran sulfate
CN114136927A (zh) * 2021-10-15 2022-03-04 国科温州研究院(温州生物材料与工程研究所) 一种溶液磁性的检测装置及其检测方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5776784A (en) * 1996-01-11 1998-07-07 Dade International Inc. Apparatus and method for reagent separation in a chemical analyzer
JP2003164279A (ja) * 2001-09-21 2003-06-10 Juki Corp 核酸ハイブリダイゼーションにおけるb/f分離方法
JP2007517225A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 音響機械的検出装置および使用法
JP4861191B2 (ja) * 2003-12-30 2012-01-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 音響機械的検出装置
US8084275B2 (en) 2005-02-08 2011-12-27 Fujifilm Corporation Magnetic composite body, production method thereof, method for removing substance with mannose on its surface, and method for concentrating substance with mannose on its surface
WO2007004687A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Fuji Film Corporation A method for separating target component using magnetic nanoparticles
JP2015180891A (ja) * 2007-06-08 2015-10-15 クエスト ダイアグノスティックス インヴェストメンツ インコーポレイテッド 差異荷電粒子移動度によるリポ蛋白質の分析
US12055554B2 (en) 2007-06-08 2024-08-06 Quest Diagnostics Investments Incorporated Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US11680949B2 (en) 2007-06-08 2023-06-20 Quest Diagnostics Investments Incorporated Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US9791464B2 (en) 2007-06-08 2017-10-17 Quest Diagnostics Investments Incorporated Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US10948503B2 (en) 2007-06-08 2021-03-16 Quest Diagnostics Investments Incorporated Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US10488419B2 (en) 2008-08-07 2019-11-26 Quest Diagnostics Investments Incorporated Detection apparatus for differential-charged particle mobility analyzer
US10119971B2 (en) 2008-08-07 2018-11-06 Quest Diagnostics Investments Incorporated Detection apparatus for differential-charged particle mobility analyzer
US10308680B2 (en) 2010-12-30 2019-06-04 Quest Diagnostics Investments Incorporated Magnetic separation of lipoproteins using dextran sulfate
US9470700B2 (en) 2012-08-31 2016-10-18 Toshiba Medical Systems Corporation Automatic analyzer
JP2016539339A (ja) * 2013-12-03 2016-12-15 イミュノディアグノスティック・システムズ・リミテッド 検体の定量化方法および当該方法を実行するための自動分析装置
CN114136927A (zh) * 2021-10-15 2022-03-04 国科温州研究院(温州生物材料与工程研究所) 一种溶液磁性的检测装置及其检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5104808A (en) Method and apparatus for effecting a plurality of assays on a plurality of samples in an automatic analytical device
JP3381934B2 (ja) 複数の反応容器に配分した水性粒子混合物から粒子を分離するための自動装置
JPH06213900A (ja) 磁性粒子を用いた沈殿分画測定方法および測定装置
US20060133954A1 (en) Resuspension of magnetizable particles
JPH07506184A (ja) 自動連続ランダム・アクセス分析システム
JPH06207944A (ja) 洗浄機能付き自動分析装置
JP2001524681A (ja) アッセイを案内するための設備および装置
US11747244B2 (en) Laboratory system and method for separating interfering substances contained in test samples
JPH09299A (ja) 高比重リポ蛋白分画中のコレステロールの定量方法及び定量用試薬キット
JPH08114600A (ja) 生体試料分析システム
EP3149475B1 (en) Method and apparatus for reducing carryover of reagents and samples in analytical testing
JP3661605B2 (ja) 免疫分析装置及び免疫分析方法
RU2200945C2 (ru) Устройство, способ и прибор для количественного анализа по меньшей мере одного конкретного компонента в пробе продукта
JPH11326334A (ja) 自動分析装置
JPH06265554A (ja) 血液生化学成分の分析方法およびその装置
JPH08178931A (ja) 自動分析装置
JPS60209177A (ja) 自動分析装置
JPH07318559A (ja) 免疫化学的測定装置
JP2023516808A (ja) 液体サンプルの干渉成分を化学試薬検査スライドへの適用前に除去するための方法
JPH0684973B2 (ja) 自動分析装置
JPH07159416A (ja) 自動化学分析装置
JPH0720128A (ja) 生体試料中微量成分の測定方法
JPH09266798A (ja) トロンビン活性の測定法および凝集試薬
JPH05346428A (ja) 顆粒球の迅速なカウントのためのキット及び前記キットを使用する方法
JP3162172B2 (ja) 自動血液分析装置