JPH0620318U - 物品収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の出し入れを簡単な作業で行える立体
駐車装置を提案する。 【構成】 フレーム１に支持した移動テーブル２を、実
線の収納位置から一点鎖線の最前方位置へ水平に移動さ
せ、次いでこの移動テーブル２を二点鎖線の最下方位置
へ移動させてその上に自動車を載せ、再び移動テーブル
２を一点鎖線の位置を経て実線の収納位置に上昇させ、
自動車を格納する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、立体駐車装置、或いは立体倉庫などに利用可能な物品収納装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

狭い場所に多数の物品を収納できる立体倉庫や立体駐車装置などの物品収納装 置は従来より周知である。

【０００３】 図８及び図９はこのような物品収納装置の一例である立体駐車装置５ａの従来 例を示す。この駐車装置５ａは地面Ｇに対して不動なフレーム１ａと、該フレー ム１ａに対して上下方向に駆動される移動テーブル２ａを有している。

【０００４】 移動テーブル２ａ上に収納物品である自動車を担持してこれを収納するには、 先ず移動テーブル２ａを図８に示す最下方位置に下降させ、この上に自動車３を 載せ、次いでこの移動テーブル２ａを図９に示す収納位置に上昇させる。これに より移動テーブル２ａの下方に空間ができるので、ここに第２の自動車４を入れ てこれを駐車することができる。

【０００５】 このように従来の立体駐車装置５ａも複数の自動車を狭い場所に収納しておく ことができる利点を有しており、移動テーブル２ａを複数設ければ、駐車できる 自動車の台数をさらに増大させることができる。

【０００６】 ところが、従来の立体駐車装置５ａによると、自動車の出し入れ作業が大変煩 雑となる点に最大の欠点があった。すなわち、図９に示すように２台の自動車３ ，４を収納した状態で、移動テーブル２ａ上の自動車３だけを駐車装置５ａ外に 出そうとするときは、先ず下の自動車４を矢印Ａ方向に走行させてこれを駐車装 置５ａ外に出し、しかるのち移動テーブル２ａを図８に示すように下降させ、そ の上の自動車３を移動テーブル２ａから下ろす。次いで、再び移動テーブル２ａ を上昇させ、その下方に自動車４を収納するのである。またこの状態で再度、移 動テーブル２ａ上に自動車３を収納するときも同様の作業を行わなければならな い。このように移動テーブル２ａ上の自動車３を出し入れするのに、本来出し入 れする必要のない下の自動車４までも出し入れしなければならず、その作業が大 変煩雑とならざるを得ない。移動テーブル２ａの数が増えれば増える程、作業は 増々煩雑となる。

【０００７】 このような不具合は、立体駐車装置に限らず、立体倉庫などにおいても全く同 様である。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、上記従来の欠点を除去し、簡単な作業で物品の出し入れを行 うことのできる物品収納装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、収納物品を担持する移動テーブルと、該 テーブルを移動可能に支持するフレームと、前記移動テーブルを、物品収納位置 からほぼ水平方向に移動させ、かつ移動テーブルへの物品の出し入れ可能な最下 方位置へ下降させると共に、下降した移動テーブルを最下方位置から前記物品収 納位置へ移動させる移動テーブル駆動手段とを具備して成る物品収納装置を提案 する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る物品収納装置を立体駐車装置として構成した実施例を図面 に従って詳細に説明する。

【００１１】 図１は立体駐車装置の正面図であり、図２はその右側面図であって、ここに示 した駐車装置５は、収納物品である自動車（図示せず）を担持する移動テーブル ２と、このテーブル２を移動可能に支持するフレーム１を有し、フレーム１は地 面Ｇに対して不動に支持されている。かかる立体駐車装置５は、図２における左 側が前側、右側が奥側となっていて、該装置５を図１のように前側から見たとき 、その構造はほぼ左右対称となっている。

【００１２】 フレーム１は前側に位置する一対の前支柱６と、奥側の一対の奥支柱７とを有 し、左右の各前支柱６と各奥支柱７は前後方向に水平に延びる４本ずつの前後梁 ８，９，１０，１１によって互いに一体に連結されている。また左右の奥支柱７ は水平に延びる複数の奥梁１２によって一体に連結され、これらの奥梁１２には 連結板１３が固着されている。１４はフレーム１のベース板であり、かかるベー ス板１４は、これを省略することもできる。

【００１３】 上述の如く構成されたフレーム１に移動可能に支持された移動テーブル２は、 図３にも示すように水平に位置する支持プレート１５と、これに一体に連結され た一対の基板１６とを有し、これらの基板１６には、左右に水平に延びる上下の 軸１７，１８が固定されている。そしてこれらの軸１７，１８の各端部には、ガ イドローラ１９，２０が回転自在に装着されている。

【００１４】 一方、左右に４本ずつ配設された前後梁８，９，１０，１１の最上位の梁８と その下の梁９には、図２及び図４に示すようにほぼ水平に延びる水平ガイド溝２ １，１２１が形成されている。また左右の前支柱６にも、ほぼ上下に延びる上下 ガイド溝２２が形成され、水平ガイド溝２１，１２１と上下ガイド溝２２は互い に連通している。

【００１５】 一方、フレーム１の左側と右側の部位には、無端のローラチェーン２３がそれ ぞれ巻き掛けられた４個ずつのスプロケット２４，２５，２６，２７が回転自在 に支持されており、その際、奥側の左右２個のスプロケット２４は、フレーム１ の上部に回転自在に支持された回転軸２８に固定されている。またこの回転軸２ ８の中央部にも、図１に示したように中間スプロケット２９が固定され、フレー ム奥側の連結板１３には減速モータより成る駆動モータ３０が支持されていて、 該モータ３０の出力軸に固定された駆動スプロケット３１と、上述の中間スプロ ケット２９には駆動ローラチェーン３２が巻き掛けられている。

【００１６】 フレーム１の左側と右側に位置する前述のローラチェーン２３は左右に延びる 連結棒３３によって互いに連結され、この連結棒３３には移動テーブル２の基板 １６に付設された耳３４が係止されている。各耳３４は、図３に矢印Ｄで示した 方向に、自由に揺動できるように、移動テーブル２の各基板１６に枢着されてい る。

【００１７】 図１及び図２は移動テーブル２が上位の物品収納位置を占めた状態を示してい るが、このとき移動テーブル２の下方のフレーム内に形成された空間Ｓに、駐車 装置５の前方から矢印Ａ，Ｂで示したように図示していない自動車を自由に出し 入れすることができ、この自動車を空間Ｓに駐車しておくことができる。

【００１８】 移動テーブル２上に自動車を駐車するときは、図示していないスイッチを操作 して駆動モータ３０を作動させ、駆動スプロケット３１を図２における反時計方 向に回転させ、その回転を、駆動ローラチェーン３２、中間スプロケット２９、 回転軸２８及び左右のスプロケット２４を介して各ローラチェーン２３に伝え、 該チェーン２３を図２に矢印Ｃで示した方向に駆動させる。

【００１９】 これにより、各ローラチェーン２３に連結棒３３を介して連結された移動テー ブル２が図２に示した物品収納位置から前方側（図の左方）へ向けてほぼ水平方 向に移動する。このとき移動テーブル２に装着されたガイドローラ１９，２０が フレーム１の水平ガイド溝２１，１２１をそれぞれ転動する。

【００２０】 このようにして、移動テーブル２は図２に一点鎖線で示した最前方の位置まで 移動するが、引き続きローラチェーン２３が作動するので、該テーブル２のガイ ドローラ１９，２０はフレーム１の上下ガイド溝２２中を下方に向けて転動し、 移動テーブル２が下方に移動する。このようにして移動テーブル２は図２に二点 鎖線で示した最下方位置に至り、このとき図示していないリミットスイッチが作 動して駆動モータ３０が作動を停止し、移動テーブル２がこの位置で静止する。

【００２１】 このように移動テーブル２を最下方位置に下降させ、この状態でその支持プレ ート１５上に図示していない自動車を走行させて該プレート１５上に載せる。あ とは、スイッチを操作して駆動モータ３０を逆転させ、前述したところと全く逆 に、移動テーブル２を一点鎖線の位置に上昇させ、次いでこれを水平方向奥側へ 移動させて図２に実線で示した物品収納位置にもたらし、ここで停止させる。こ のようにして自動車を移動テーブル２上に載せてこれを収納しておくことができ る。

【００２２】 全く同様にして、移動テーブル２上の自動車を駐車装置５から取り出すことが できる。

【００２３】 上述のように移動テーブル２上に自動車を載せるとき、或いはこれを下ろすと きに、先ず移動テーブル２をその物品収納位置からほぼ水平方向に移動させ、次 いで最下方位置へ下降させるので、下側空間Ｓに収納した自動車をここに駐車さ せたまま移動テーブル２への自動車の出し入れを行うことができ、作業を従来に 比べて著しく簡素化することができる。

【００２４】 なお、図示した実施例では、駆動モータ３０、駆動スプロケット３１、駆動ロ ーラチェーン３２、回転軸２８、左右のスプロケット２４，２５，２６，２７、 これに巻き掛けられたローラチェーン２３、並びに連結棒３３が、移動テーブル を、物品収納位置からほぼ水平方向に移動させ、かつ移動テーブルへの物品の出 し入れ可能な最下方位置へ下降させると共に、下降した移動テーブルを最下方位 置から物品収納位置へ移動させる移動テーブル駆動手段を構成しているが、勿論 、他の各種構成の駆動手段を採用することもできる。

【００２５】 図１及び図２に示した実施例においては、１つだけの移動テーブル２と、その 駆動手段を設けたが、このテーブル２よりも上方の物品収納位置を占める他の１ 又は複数の移動テーブルと、これを移動させる駆動手段を設け、自動車を３段以 上に駐車できるように構成することもできる。この場合も、自動車の出し入れを 行う移動テーブルだけを作動させ、他の移動テーブルを静止させたままにしてお くことができる。

【００２６】 また図５に示すように、移動テーブル２の下方に、空間Ｓに収納される自動車 を担持するための下方移動テーブル２ｂと、これを作動させる駆動手段を設ける こともできる。この下方移動テーブル２ｂとその駆動手段の構成、並びにその作 動態様は、図１及び図２に示した移動テーブル２及びその駆動手段と基本的な点 で相違するところはない。よってその説明は省略し、下方移動テーブル２ｂの駆 動手段を構成する各要素に、移動テーブル２の駆動手段に付した各符号にｂを添 えた符号を付しておく。

【００２７】 ところで、本考案に係る立体駐車装置は、移動テーブル２又は２ｂをフレーム １の前方に引き出し、これを最下方位置に下降させてその上に自動車を載せるよ うに構成されているので、図６に示すように自動車３，４をその前部又は後部か ら移動テーブル２，２ｂ上に走行させて、該自動車を移動テーブル２，２ｂ上に 載せるように構成できるほか、図７に示すように各自動車３，４を駐車装置に対 して横付けした状態で、該自動車を移動テーブル２，２ｂ上に載せるように構成 することもできる。この後者の構成を採用すると、立体駐車装置５の前方に、ほ ぼ自動車の車幅に相当するスペースＳ１があれば、自動車３，４の出し入れを行 うことができ、極く狭い場所にも駐車装置５を設置して支障なく自動車を駐車さ せることができる。

【００２８】 本考案は、立体駐車装置以外の物品収納装置、例えば立体倉庫、物品収納棚、 建築現場簡易物品昇降装置などにも広く適用できるものである。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、移動テーブルの下方に収納された物品を移動させるような煩 雑な操作を行うことなく、極く簡単に移動テーブルに物品を載せ、或いはこれを 下ろすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】立体駐車装置として構成された物品収納装置の
正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】移動テーブルの側面図である。

【図４】図２のIV−IV線断面図である。

【図５】立体駐車装置の他の実施例を示す側面図であ
る。

【図６】移動テーブルへの自動車の載せ方の一例を示す
概略図である。

【図７】移動テーブルへの自動車の載せ方の他の例を示
す概略図である。

【図８】従来の立体駐車装置の側面図である。

【図９】従来の立体駐車装置の側面図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 移動テーブル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納物品を担持する移動テーブルと、該
   テーブルを移動可能に支持するフレームと、前記移動テ
   ーブルを、物品収納位置からほぼ水平方向に移動させ、
   かつ移動テーブルへの物品の出し入れ可能な最下方位置
   へ下降させると共に、下降した移動テーブルを最下方位
   置から前記物品収納位置へ移動させる移動テーブル駆動
   手段とを具備して成る物品収納装置。