JP2746765B2 - ２階ガレージ架台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガレージ架台に係わり、
特に上下２段に車両を収納する２階ガレージ架台に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の２階立てのガレージにお
いて特に２階に駐車する車の搬出入は、１階の車の移動
なくして考えられなかった。例えば、２階駐車の為の昇
降可能なベッドがあるとして、１階に車が既に駐車して
ある場合、２階への駐車の際、上記ベッドを降ろさなけ
ればならないが、その際、１階駐車の車両の移動が必須
となり、その作業は極めて繁雑であるとともに多くの時
間を要している。このことは、２階に駐車してある車両
を搬出する場合も同じである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、１階駐車台を
地下まで下降可能とし、２階駐車台の車両を出し入れす
る際には、１階駐車台を地下に待機させるようなものも
提案されているが、地下掘り下げ作業を要し、上下階の
架台の移動のために大型の駆動源を要し、コストが増大
するという問題がある。 本発明は、このような課題を
解決するためになされたもので、その目的とするところ
は、構造が簡単であるとともに地下掘り下げ作業等を不
要として、コストの増大を防止し、限られた敷地内で１
階駐車の車両の移動なくして２階への車両の出入りがで
きる２階ガレージ架台を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係わる２階ガレージ架台は、四角に配置さ
れた第１乃至第４の高さの等しい主柱を備え、収納位置
と車出入位置との間を往復可能な移動架台と、上記第１
乃至第４の主柱に沿って昇降可能に案内された昇降ベッ
ドと、駐車スペースとして機能するとともに、上記昇降
ベッドが第１乃至第４の主柱の最上端に位置したときに
上記昇降ベッドに対して少なくとも９０゜の範囲内で回
転可能に軸支されたターンテーブルと、を備えたもので
ある。

【０００５】

【作用】この構成により、まず２階に車両を駐車する場
合、収納位置から移動架台を車両出入位置まで移動させ
る。

【０００６】次にターンテーブルを垂直軸回りに９０°
回転させ、昇降ベッドとともに最下端まで降ろす。この
際、移動架台の移動により、１階に駐車してある車両へ
の干渉はなくなり、ターンテーブルの向きから車両を移
動架台の長手方向と直交する形で進入させる。さらに、
ターンテーブルの向きは変えないで、昇降ベッドを移動
架台に沿って最上端まで上げ、ターンテーブルの向きを
前述と同一方向、もしくは逆方向に９０°回転させ、そ
の後、移動架台を収納位置に戻す。これら一連の動作
は、１階の車両の有無に拘らず同じである。このように
して１階車両の移動なく、２階への駐車が可能となる。

【０００７】尚、２階に駐車してある車両を出す場合
は、前述の動作と逆の動作を要するが、例えばターンテ
ーブルの回転向きを一定方向に限った場合、常に車両の
進入方向とは反対の向きで発進できる状態となる。この
例の動作は、限られた駐車敷地内で車両の方向転換等の
無駄な動きをなくすばかりでなく、１階に駐車するより
もむしろ効率の良い車両の出入りが期待できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。

【０００９】図１、図２には本発明の第１実施例が示さ
れている。まずこの２階ガレージ架台は主として移動架
台９と、昇降ベッド１１とターンテーブル３７と、によ
り構成される。移動架台９は、主柱ラックギヤ２を有す
る４本の主柱１を有し、各々主柱最下端部には架台移動
車輪３を備え、任意の１本の主柱最下端部に走行車輪駆
動用モータ５が設けられ、架台の駆動源となっている。
該主柱の架台移動車輪３は、架台進退方向と直角方向(
幅方向) に隣接する主柱の架台移動車輪３に車輪結合用
シャフト４を介して連結されている。また、４本の主柱
は、長手方向に隣接する対については最下端位置に配さ
れた連結柱６によって連結され、幅方向に隣接する対に
ついては、最上端位置に配された連結柱７によって連結
されている。符号８はスペーサである。移動架台９は、
架台収納位置から車出入位置まで敷かれたレール１０の
上を走行車輪駆動用モータ５を駆動源とし、架台移動車
輪３によって往復動可能に構成されている。

【００１０】昇降ベッド１１は、主として、ベッド枠組
フレーム１２、１３と、後述するターンテーブル３７の
回転用の車輪３０を受けるべく円環状に形成された回転
車輪台２６と、補強フレーム１４と、によって構成され
ている。この昇降ベッドの中央部には、ベアリング２３
が設けられており、該ベアリング２３は、フレーム１２
の間において架設された受骨２５に支持されたベアリン
グケース２４に内蔵されている。

【００１１】昇降ベッド１１は、昇降のための駆動源と
なる駆動用減速器モータ２１を有し、かつ該昇降ベッド
の先端及び後端位置において、幅方向に貫通したシャフ
ト１８の両端に駆動ピニオン１５が主柱１のラックギヤ
２にかみ合うよう設置される。前記駆動用減速器モータ
２１により、シャフト駆動用ギヤ２０を介して一方のシ
ャフト１８を回転させ、該シャフト１８の所定位置に設
けられたチェーンホイル１７を介した連結チェーン１９
により、他方のシャフト１８を同回転させ、これにより
昇降ベッド１１は、水平状態を確保しつつ主柱１のラッ
クギヤ２に沿って昇降する。

【００１２】次に、ターンテーブル３７は、フロアーシ
ート３４を上面接着したフロアー台骨３３と、該フロア
ー台骨３３の長手方向両端に設けられた勾配板３５と、
該フロアー台骨３３の底面所定位置に設けられた円環状
のターンテーブル枠２９と、により構成される。

【００１３】ターンテーブル枠２９の中央には、固定ブ
ラケット２８にて固定されたセンター基準柱２７が下方
に突出するよう設置されている。該基準柱２７は、前記
昇降ベッド１１に内装されているベアリング２３に挿入
され、これにより、ターンテーブル３７は基準柱２７の
軸回りに昇降ベッド１１に対して回転可能に支持され
る。ワッシャナット３８がセンター基準柱２７の最下端
部に螺合され、昇降ベッド１１とターンテーブル３７の
水平方向の移動や抜け等の防止がなされる。ターンテー
ブル枠２９の内周に等間隔で複数のターンテーブル車輪
３０が設けられ、この車輪３０が回転車輪台２６上をセ
ンター基準柱２７を軸として回転( 正・逆回転) するこ
とにより、車両の荷重等に対する耐久性、安全性等を確
保するとともに、ターンテーブル３７の円滑な回転を確
保している。また、ターンテーブル枠２９の外周には、
ターンテーブル駆動チェーン３１が装着され、昇降ベッ
ド１１に設置された回転用減速器モータ２２にかみ合わ
せて駆動させ、前記駆動チェーン３１を介してターンテ
ーブル枠２９を回転( 正・逆回転) させる。

【００１４】前記勾配板３５は、車の乗降の際、滑り止
めの機能をもたせる為、表層部がエキスパンドメタルで
構成されている。また、フロアー台骨３３上の所定位置
には、ストッパー３６が設けられている。

【００１５】次に図３に基づいて、２階ガレージへの車
両の出入りの経緯を模式化した例について説明する。

【００１６】Ａは、移動架台９の収納位置での待機状態
であり、ターンテーブル３７を含めて昇降ベッド１１は
移動架台９の最上端に位置している。車を２階に駐車す
る場合、まず、Ｂで示すように車両出入り位置まで架台
９をレール１０に沿って進める。次にＣでは、昇降ベッ
ド１１が再上端に位置した状態で、ターンテーブル３７
を垂直軸回りに９０°回転させるとともに、その状態で
図４に示すように、昇降ベッド１１を移動架台９に沿っ
て最下端へ降ろし、車両の進行方向と同方向に向いてい
るターンテーブル上の駐車位置まで車両を進入させた状
態をあらわしている。運転者はこの時点で車から降り
る。尚、ターンテーブル３７の回転方向は、正・逆回転
とも可能であり、例えば本実施例では、時計回りに回転
させることとする。

【００１７】Ｄは、Ｃの状態のまま昇降ベッド１１を架
台最上端へ位置させ、さらにターンテーブル３７を９０
°回転させた状態であり、また、Ｅは架台を収納位置ま
で戻した状態である。これにより、ガレージに進入して
きた車両を２階駐車させる作業が完了する。

【００１８】Ｆは、駐車中の車両をガレージから出す
際、まず、架台を収納位置から車両出入位置までレール
１０に沿って移動させた状態を示している。次に、Ｇに
示すように架台最上端に位置したターンテーブル３７を
垂直軸回りに９０°回転させ、その後、昇降ベッド１１
とともに架台最下端まで降ろす。これにより、車両は進
入時と逆方向( ガレージ出入口) に向く形となり、ただ
前進させるだけで出庫させることができる。

【００１９】この実施例では、たとえガレージの出入口
が一つであっても、車両を前進させるだけで駐車、かつ
出庫させることができ、車両を後進させる必要がない
分、車両の運転操作が容易となる。

【００２０】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、構造が簡単であるとともに、限られた敷地内で１階
駐車の車両の移動なくして２階への車両の出入りを可能
とすることができるという優れた効果がある。

【００２１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る２階ガレージ架台の第１実施例を
示す分解斜視図である。

【図２】図１の昇降ベッド１１とターンテーブル３７の
幅方向略中央部の断面図である。

【図３】図１の動作を平面図にて模式的に示した図であ
る。

【図４】ターンテーブル３７とともに昇降ベッド１１を
架台最下端まで降ろした状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ 主 柱 ２ ラックギヤ ９ 移動架台 11 昇降ベッド 26 回転車輪台 27 センター基準柱 29 ターンテーブル枠 33 フロアー台骨 37 ターンテーブル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 四角に配置された第１乃至第４の高さの
   等しい主柱を備え、収納位置と車出入位置との間を往復
   可能な移動架台と、 上記第１乃至第４の主柱に沿って昇降可能に案内された
   昇降ベッドと、 駐車スペースとして機能するとともに、上記昇降ベッド
   が第１乃至第４の主柱の最上端に位置したときに上記昇
   降ベッドに対して少なくとも９０゜の範囲内で回転可能
   に軸支されたターンテーブルと、 を備えた２階ガレージ架台。