JPH06196700A - 電子装置 - Google Patents
電子装置Info
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- JPH06196700A JPH06196700A JP24867792A JP24867792A JPH06196700A JP H06196700 A JPH06196700 A JP H06196700A JP 24867792 A JP24867792 A JP 24867792A JP 24867792 A JP24867792 A JP 24867792A JP H06196700 A JPH06196700 A JP H06196700A
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- film
- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子装置の製造過程などで生じる静電気によ
り絶縁破壊しない合金の酸化物を適用した電子装置を提
供する。 【構成】 ガラス基板11上に、Ta−Si合金からな
るゲート電極12とこのゲート電極12の表面を陽極酸
化して得られる絶縁膜13を設け、さらにa−Si層1
4、エッチストッパー用絶縁膜15、n+ −Si層1
6、ソ−ス電極17およびドレイン電極18を形成して
TFTとした。
り絶縁破壊しない合金の酸化物を適用した電子装置を提
供する。 【構成】 ガラス基板11上に、Ta−Si合金からな
るゲート電極12とこのゲート電極12の表面を陽極酸
化して得られる絶縁膜13を設け、さらにa−Si層1
4、エッチストッパー用絶縁膜15、n+ −Si層1
6、ソ−ス電極17およびドレイン電極18を形成して
TFTとした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の酸化物からなる
絶縁膜を用いた電子装置に関する。
絶縁膜を用いた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、時計、電卓をはじめとしてコンピ
ュター端末やパソコンなどに用いられる表示素子とし
て、低電力で表示できる液晶表示素子やエレクトロルミ
ネッセンス表示素子などが注目され、実用化されてい
る。特に最近では、より高い解像度を有する表示が求め
られてきているが、従来の単純マトリックス型表示素子
は走査線数に限界があり、また走査線数の増加に伴って
表示品位が低下するので、各画素にMIM(Metal-Insu
lator-Metal )素子や薄膜トランジスタ(以下、TFT
という)などを設けたアクティブマトリックス駆動方式
による表示素子(以下、アクティブ素子という)が盛ん
に開発されている。
ュター端末やパソコンなどに用いられる表示素子とし
て、低電力で表示できる液晶表示素子やエレクトロルミ
ネッセンス表示素子などが注目され、実用化されてい
る。特に最近では、より高い解像度を有する表示が求め
られてきているが、従来の単純マトリックス型表示素子
は走査線数に限界があり、また走査線数の増加に伴って
表示品位が低下するので、各画素にMIM(Metal-Insu
lator-Metal )素子や薄膜トランジスタ(以下、TFT
という)などを設けたアクティブマトリックス駆動方式
による表示素子(以下、アクティブ素子という)が盛ん
に開発されている。
【0003】従来のアクティブ素子の一例としてTFT
の概略断面図を図8および図9に示す。図8は、ゲート
電極上にゲート絶縁膜を形成したTFTの概略断面図、
図9はゲート電極の表面を陽極酸化により酸化物を形成
したTFTの概略断面図である。図8および図9におい
て、同一の構成要素には同一の記号を付す。図8におい
て1はガラス基板、2はガラス基板1の上に形成された
ゲート電極、3はゲート電極2の上に形成されたゲート
絶縁膜、4はa−Si膜、5はエッチストッパーとして
の絶縁膜、6はn+ −Si膜、7はソ−ス電極、8はド
レイン電極である。また図9において、9はゲート電極
2の表面を陽極酸化することにより形成した絶縁膜であ
り、図8のゲート絶縁膜3の代わりに形成されている。
一般に図8に示したゲート絶縁膜3としては、タンタル
酸化物(以下、Ta2O5 という)、アルミニウム酸化
物(以下、Al2 O3 という)あるいはシリコン窒化膜
(以下、Si3 N4 という)が用いられており、また図
9に示した酸化物9としては、タンタルからなるゲート
電極2の表面を陽極酸化することにより形成したTa2
O5 が用いられている。
の概略断面図を図8および図9に示す。図8は、ゲート
電極上にゲート絶縁膜を形成したTFTの概略断面図、
図9はゲート電極の表面を陽極酸化により酸化物を形成
したTFTの概略断面図である。図8および図9におい
て、同一の構成要素には同一の記号を付す。図8におい
て1はガラス基板、2はガラス基板1の上に形成された
ゲート電極、3はゲート電極2の上に形成されたゲート
絶縁膜、4はa−Si膜、5はエッチストッパーとして
の絶縁膜、6はn+ −Si膜、7はソ−ス電極、8はド
レイン電極である。また図9において、9はゲート電極
2の表面を陽極酸化することにより形成した絶縁膜であ
り、図8のゲート絶縁膜3の代わりに形成されている。
一般に図8に示したゲート絶縁膜3としては、タンタル
酸化物(以下、Ta2O5 という)、アルミニウム酸化
物(以下、Al2 O3 という)あるいはシリコン窒化膜
(以下、Si3 N4 という)が用いられており、また図
9に示した酸化物9としては、タンタルからなるゲート
電極2の表面を陽極酸化することにより形成したTa2
O5 が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のアクティブ素子に用いられる絶縁膜は、図
8に示すような構造では、ゲート電極2のエッジによる
段差部において、ゲ−ト絶縁膜3の膜厚が薄くなった
り、またこの膜中にピンホールなどの欠陥が生じて絶縁
耐圧が低くなりやすくなる。したがって、アクティブ素
子の製造過程などで生じる静電気により、ゲート電極2
とドレイン電極7との間、またはゲート電極2とソース
電極8との間でゲ−ト絶縁膜3に絶縁破壊が生じやすく
なるため、製造上の歩留りが低いという問題があった。
一方、このような問題を解決するために、図9に示すよ
うに、タンタルからなるゲート電極2の表面を陽極酸化
して得られたTa2 O5 からなる絶縁膜9を前記ゲート
絶縁膜3の代わりに用いた構造が提案されているが、T
a2 O5 の絶縁耐圧は2MV/cm2 程度と十分ではない
ので、この構造によるアクティブ素子も製造過程などに
おいて生じる静電気により絶縁破壊が起こりやすく、製
造上の歩留りが低いという問題がある。
ような従来のアクティブ素子に用いられる絶縁膜は、図
8に示すような構造では、ゲート電極2のエッジによる
段差部において、ゲ−ト絶縁膜3の膜厚が薄くなった
り、またこの膜中にピンホールなどの欠陥が生じて絶縁
耐圧が低くなりやすくなる。したがって、アクティブ素
子の製造過程などで生じる静電気により、ゲート電極2
とドレイン電極7との間、またはゲート電極2とソース
電極8との間でゲ−ト絶縁膜3に絶縁破壊が生じやすく
なるため、製造上の歩留りが低いという問題があった。
一方、このような問題を解決するために、図9に示すよ
うに、タンタルからなるゲート電極2の表面を陽極酸化
して得られたTa2 O5 からなる絶縁膜9を前記ゲート
絶縁膜3の代わりに用いた構造が提案されているが、T
a2 O5 の絶縁耐圧は2MV/cm2 程度と十分ではない
ので、この構造によるアクティブ素子も製造過程などに
おいて生じる静電気により絶縁破壊が起こりやすく、製
造上の歩留りが低いという問題がある。
【0005】そこで最近では、ゲ−ト絶縁膜として、T
aOx−SiNxやAlOx−SiNxなど各種絶縁材
料を組み合わせたものが用いられているが、これらによ
っても前記問題を解決できない。本発明はこのような問
題点に鑑みてなされたもので、電子装置の絶縁膜として
電極の表面を酸化させて得られる酸化膜を用いても、製
造過程などで生じる静電気により絶縁破壊が起こること
のない電子装置を提供することを目的としている。
aOx−SiNxやAlOx−SiNxなど各種絶縁材
料を組み合わせたものが用いられているが、これらによ
っても前記問題を解決できない。本発明はこのような問
題点に鑑みてなされたもので、電子装置の絶縁膜として
電極の表面を酸化させて得られる酸化膜を用いても、製
造過程などで生じる静電気により絶縁破壊が起こること
のない電子装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による電子装置
は、シリサイドの酸化物からなる絶縁膜を有することを
特徴とする。すなわち本発明は、電子装置の電極上に形
成される絶縁膜として、電極の表面を酸化させて得られ
る絶縁膜が電子装置の製造過程などにおいて生じる静電
気により絶縁破壊しないようにする必要がある、という
観点で創案された。
は、シリサイドの酸化物からなる絶縁膜を有することを
特徴とする。すなわち本発明は、電子装置の電極上に形
成される絶縁膜として、電極の表面を酸化させて得られ
る絶縁膜が電子装置の製造過程などにおいて生じる静電
気により絶縁破壊しないようにする必要がある、という
観点で創案された。
【0007】シリサイドの酸化物からなる絶縁膜を用い
た電子装置は、上記要求を満足する。さらに詳述すれ
ば、シリサイドは高い導電性を有するとともに、この酸
化物は6MV/cm2 〜10MV/cm2 という大きな絶縁
耐圧を有するので、この電子装置の電極としてシリサイ
ドを適用し、かつ絶縁膜としてこの電極表面の酸化物を
適用すると、電子装置の製造過程において生じる静電気
により絶縁破壊が生じることはない。特にこの酸化膜と
しては、陽極酸化して得られるものが好適に用いられ、
例えばシリサイド、特にアルミニウム−シリコン合金
(Al−Si合金)、タンタル−シリコン合金(Ta−
Si合金)などが好適に用いられる。
た電子装置は、上記要求を満足する。さらに詳述すれ
ば、シリサイドは高い導電性を有するとともに、この酸
化物は6MV/cm2 〜10MV/cm2 という大きな絶縁
耐圧を有するので、この電子装置の電極としてシリサイ
ドを適用し、かつ絶縁膜としてこの電極表面の酸化物を
適用すると、電子装置の製造過程において生じる静電気
により絶縁破壊が生じることはない。特にこの酸化膜と
しては、陽極酸化して得られるものが好適に用いられ、
例えばシリサイド、特にアルミニウム−シリコン合金
(Al−Si合金)、タンタル−シリコン合金(Ta−
Si合金)などが好適に用いられる。
【0008】
【作用】本発明によれば、電子装置の絶縁膜としてシリ
サイドを陽極酸化することにより得られる絶縁膜を用い
たので、この絶縁膜の絶縁耐圧が高いため、製造過程な
どにおいて生じる静電気により絶縁破壊が生じることな
く電子装置を製造することができる。したがって本発明
によれば、電子装置の製造上の歩留りを向上させること
ができる。
サイドを陽極酸化することにより得られる絶縁膜を用い
たので、この絶縁膜の絶縁耐圧が高いため、製造過程な
どにおいて生じる静電気により絶縁破壊が生じることな
く電子装置を製造することができる。したがって本発明
によれば、電子装置の製造上の歩留りを向上させること
ができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。具
体的な電子装置への適用例に先立ち、シリサイドの酸化
物の一例としてタンタル(Ta)とシリコン(Si)、
およびアルミニウム(Al)とシリコン(Si)の合金
の酸化膜の特性について実験結果に基づいて説明する。
まず、ガラス基板上にTaとSiの組成比を種々変えた
Ta−Si合金をスパッタ法により2000A(オング
ストローム)成膜した。このようにして得られたTa−
Si合金膜をクエン酸0.01重量%水溶液で20℃〜
70℃の温度で陽極酸化した。この陽極酸化の条件は、
100Vまでは電流密度0.5mA/cm2 で30分間定
電流酸化を行い、引き続いて100Vで1時間定電圧酸
化を行った。これらのTa−Si合金膜の陽極酸化膜に
ついて絶縁耐圧を測定した結果を図4に示す。図4にお
いて横軸はTaの組成比(原子%)を、縦軸はTa−S
i合金膜の陽極酸化膜の絶縁耐圧(MV/cm2 )を示
す。この図から、陽極酸化膜はTa自身の陽極酸化膜の
絶縁耐圧よりも優れた絶縁耐圧性を示し、特にTaが9
5原子%以下のTa−Si合金は6MV/cm2 以上の絶
縁耐圧を有することが分かった。次に、ガラス基板上に
AlとSiの組成比を種々変えたAl−Si合金膜をス
パッタ法により2000A成膜した。このようにして得
られたAl−Si合金膜をアジピン酸アンモニウムの水
溶液で30℃〜50℃の温度で陽極酸化した。この陽極
酸化の条件は、60Vまでは電流密度0.1mA/cm2
で30分間定電流酸化を行い、引き続いて60Vで30
分間定電圧酸化を行った。これらのAl−Si合金膜の
陽極酸化膜について絶縁耐圧を測定した結果、この絶縁
耐圧特性は図4に示すTa−Si合金膜のそれとほぼ同
様の特性を示すことが分かった。次に本発明による具体
的な電子装置について説明する。
体的な電子装置への適用例に先立ち、シリサイドの酸化
物の一例としてタンタル(Ta)とシリコン(Si)、
およびアルミニウム(Al)とシリコン(Si)の合金
の酸化膜の特性について実験結果に基づいて説明する。
まず、ガラス基板上にTaとSiの組成比を種々変えた
Ta−Si合金をスパッタ法により2000A(オング
ストローム)成膜した。このようにして得られたTa−
Si合金膜をクエン酸0.01重量%水溶液で20℃〜
70℃の温度で陽極酸化した。この陽極酸化の条件は、
100Vまでは電流密度0.5mA/cm2 で30分間定
電流酸化を行い、引き続いて100Vで1時間定電圧酸
化を行った。これらのTa−Si合金膜の陽極酸化膜に
ついて絶縁耐圧を測定した結果を図4に示す。図4にお
いて横軸はTaの組成比(原子%)を、縦軸はTa−S
i合金膜の陽極酸化膜の絶縁耐圧(MV/cm2 )を示
す。この図から、陽極酸化膜はTa自身の陽極酸化膜の
絶縁耐圧よりも優れた絶縁耐圧性を示し、特にTaが9
5原子%以下のTa−Si合金は6MV/cm2 以上の絶
縁耐圧を有することが分かった。次に、ガラス基板上に
AlとSiの組成比を種々変えたAl−Si合金膜をス
パッタ法により2000A成膜した。このようにして得
られたAl−Si合金膜をアジピン酸アンモニウムの水
溶液で30℃〜50℃の温度で陽極酸化した。この陽極
酸化の条件は、60Vまでは電流密度0.1mA/cm2
で30分間定電流酸化を行い、引き続いて60Vで30
分間定電圧酸化を行った。これらのAl−Si合金膜の
陽極酸化膜について絶縁耐圧を測定した結果、この絶縁
耐圧特性は図4に示すTa−Si合金膜のそれとほぼ同
様の特性を示すことが分かった。次に本発明による具体
的な電子装置について説明する。
【0010】(実施例1)図1は、本発明の第1実施例
によるTFTの概略断面図である。これを製造工程に従
って説明する。まず、ガラス基板11の表面にスパッタ
リング法によりTa(33原子%)−Si(67原子
%)のTa−Si合金膜を、Arガス圧6×10-3To
rr、DCパワー5W/cm2 、基板温度300℃で20
00A成膜し、ついでフッ酸と硝酸からなる水溶液を用
いてウエットエッチングにより所定パターンのゲート電
極12を形成した。次にこのゲート電極12をクエン酸
0.01重量%水溶液で30℃〜50℃の温度で1時間
陽極酸化を行って絶縁膜13を形成した。この陽極酸化
の条件は、100Vまでは0.5mA/cm2 で30分間
定電流酸化とし、引き続いて100Vで1時間定電圧酸
化を行った。ついで真空熱処理炉により温度300℃2
Hrにて表面処理を行った。次に、この絶縁膜13を有
するゲート電極12が形成されたガラス基板11の表面
にプラズマCVD法によりa−Si層14を1000A
堆積させ、さらに連続的にエッチストッパーとしてSi
3 N4 を2000A堆積させた後このSi3N4 に対し
てフォトリソにより所定形状にパターニングしてエッチ
ストッパー用絶縁膜15とした。プラズマCVD法によ
るSi3 N4 の堆積条件は、基板温度350℃、圧力
0.1Torr、RFパワ−400Wとし原料ガスとし
てモノシラン(SiH4 )とアンモニア(NH4 )と水
素(H2 )とを用いた。
によるTFTの概略断面図である。これを製造工程に従
って説明する。まず、ガラス基板11の表面にスパッタ
リング法によりTa(33原子%)−Si(67原子
%)のTa−Si合金膜を、Arガス圧6×10-3To
rr、DCパワー5W/cm2 、基板温度300℃で20
00A成膜し、ついでフッ酸と硝酸からなる水溶液を用
いてウエットエッチングにより所定パターンのゲート電
極12を形成した。次にこのゲート電極12をクエン酸
0.01重量%水溶液で30℃〜50℃の温度で1時間
陽極酸化を行って絶縁膜13を形成した。この陽極酸化
の条件は、100Vまでは0.5mA/cm2 で30分間
定電流酸化とし、引き続いて100Vで1時間定電圧酸
化を行った。ついで真空熱処理炉により温度300℃2
Hrにて表面処理を行った。次に、この絶縁膜13を有
するゲート電極12が形成されたガラス基板11の表面
にプラズマCVD法によりa−Si層14を1000A
堆積させ、さらに連続的にエッチストッパーとしてSi
3 N4 を2000A堆積させた後このSi3N4 に対し
てフォトリソにより所定形状にパターニングしてエッチ
ストッパー用絶縁膜15とした。プラズマCVD法によ
るSi3 N4 の堆積条件は、基板温度350℃、圧力
0.1Torr、RFパワ−400Wとし原料ガスとし
てモノシラン(SiH4 )とアンモニア(NH4 )と水
素(H2 )とを用いた。
【0011】ついで、プラズマCVD法によりn+ −S
i層を基板温度250℃、圧力0.4Torrで200
0A堆積し、さらにこの上にスパッタリング法によりC
r層を200A、Al層を200A成膜した。次にフォ
トリソによりCr層とAl層をエッチングし、さらにウ
エットエッチングによりn+ −Si層を所定のパターン
にエッチングすることによりn+ −Si層16、ソ−ス
電極17およびドレイン電極18を形成した。このよう
にして得られたTFTの特性を図5に示す。図5におい
て横軸はゲート電圧(V)、縦軸はソース電極とドレイ
ン電極間に流れる電極値を示す。図4および図5から、
本発明によるTFTは、絶縁抵抗が1013Ωcmと高くか
つ絶縁耐圧が6MV/cm2 〜10MV/cm2 と高いの
で、信頼性に優れているとともに製造過程などで生じる
静電気により絶縁破壊が起きることがない。
i層を基板温度250℃、圧力0.4Torrで200
0A堆積し、さらにこの上にスパッタリング法によりC
r層を200A、Al層を200A成膜した。次にフォ
トリソによりCr層とAl層をエッチングし、さらにウ
エットエッチングによりn+ −Si層を所定のパターン
にエッチングすることによりn+ −Si層16、ソ−ス
電極17およびドレイン電極18を形成した。このよう
にして得られたTFTの特性を図5に示す。図5におい
て横軸はゲート電圧(V)、縦軸はソース電極とドレイ
ン電極間に流れる電極値を示す。図4および図5から、
本発明によるTFTは、絶縁抵抗が1013Ωcmと高くか
つ絶縁耐圧が6MV/cm2 〜10MV/cm2 と高いの
で、信頼性に優れているとともに製造過程などで生じる
静電気により絶縁破壊が起きることがない。
【0012】図2および図3は、図1に示している第1
実施例の変形例を示している。図2に示す変形例では、
図1に示すTFTの絶縁膜13とa−Si層14とのあ
いだにSi3 N4 からなる第2の絶縁膜19が介在され
ている。この変形例による効果は、図1に示す実施例よ
りも著しく大きな絶縁耐圧を示すので、製造上の歩留り
を極めて高くすることができる。また図3に示す変形例
では、図1に示すTFTのゲート電極12が例えばAl
などの導電性が大きな材料からなる導電部材20の表面
を覆うように形成されている。この効果は、図1に示す
実施例よりもゲート電極の抵抗を低くすることができる
ので、ゲート電極13のパルスのひずみによる表示品質
の劣化を防止することができ、したがって表示画面内に
色ムラを生じることなく均一な表示を実現できる。 (実施例2)本実施例では、図1に示すゲート電極12
をAl(95原子%)−Si(5原子%)のAl−Si
合金により形成して陽極酸化した以外は実施例1と同様
の構成のTFTを作成した。なお、このAl−Si合金
のウエットエッチングにりん酸の水溶液を用いた。また
陽極酸化の条件はアジピン酸アンモニウムの水溶液で3
0℃〜50℃の温度で1時間陽極酸化を行った。この陽
極酸化の条件は、60Vまでは電流密度0.1mA/cm
2 で30分間定電流酸化を行い、引き続いて60Vで3
0分間定電圧酸化を行った。このようにして得られるT
FTの特性は、図5に示す特性とほぼ同様の特性となっ
た。したがって本実施例によるTFTは、絶縁抵抗が1
013Ωcmと高くかつ絶縁耐圧が6MV/cm2 〜10MV
/cm2 と高いので信頼性に優れており、かつ製造過程な
どで生じる静電気により絶縁破壊が生じることがない。
実施例の変形例を示している。図2に示す変形例では、
図1に示すTFTの絶縁膜13とa−Si層14とのあ
いだにSi3 N4 からなる第2の絶縁膜19が介在され
ている。この変形例による効果は、図1に示す実施例よ
りも著しく大きな絶縁耐圧を示すので、製造上の歩留り
を極めて高くすることができる。また図3に示す変形例
では、図1に示すTFTのゲート電極12が例えばAl
などの導電性が大きな材料からなる導電部材20の表面
を覆うように形成されている。この効果は、図1に示す
実施例よりもゲート電極の抵抗を低くすることができる
ので、ゲート電極13のパルスのひずみによる表示品質
の劣化を防止することができ、したがって表示画面内に
色ムラを生じることなく均一な表示を実現できる。 (実施例2)本実施例では、図1に示すゲート電極12
をAl(95原子%)−Si(5原子%)のAl−Si
合金により形成して陽極酸化した以外は実施例1と同様
の構成のTFTを作成した。なお、このAl−Si合金
のウエットエッチングにりん酸の水溶液を用いた。また
陽極酸化の条件はアジピン酸アンモニウムの水溶液で3
0℃〜50℃の温度で1時間陽極酸化を行った。この陽
極酸化の条件は、60Vまでは電流密度0.1mA/cm
2 で30分間定電流酸化を行い、引き続いて60Vで3
0分間定電圧酸化を行った。このようにして得られるT
FTの特性は、図5に示す特性とほぼ同様の特性となっ
た。したがって本実施例によるTFTは、絶縁抵抗が1
013Ωcmと高くかつ絶縁耐圧が6MV/cm2 〜10MV
/cm2 と高いので信頼性に優れており、かつ製造過程な
どで生じる静電気により絶縁破壊が生じることがない。
【0013】(実施例3)図6は、本発明をMIM素子
に適用した一実施例の概略断面図である。これを製造工
程に従って説明する。まず、ガラス基板21の表面にス
パッタリング法によりTa(33原子%)−Si(67
原子%)のTa−Si合金膜を3000A成膜し、つい
でウエットエッチングにより下部電極22を所定パター
ンに形成した。次に下部電極22の端子部をフォトレジ
ストでカバーして1時間陽極酸化を行ってこの表面に絶
縁膜23を形成し、さらにこの上にスパッタリング法に
よりCr膜を1500A成膜し、ついでウエットエッチ
ングにより上部電極24を所定パターンに形成し、MI
M素子とした。ここで、陽極酸化処理条件は、実施例1
と同等の条件とした。以上の製造工程において、下部電
極22の成膜の条件および陽極酸化処理の条件は、実施
例1におけるゲート電極12のそれぞれの条件と同一と
した。
に適用した一実施例の概略断面図である。これを製造工
程に従って説明する。まず、ガラス基板21の表面にス
パッタリング法によりTa(33原子%)−Si(67
原子%)のTa−Si合金膜を3000A成膜し、つい
でウエットエッチングにより下部電極22を所定パター
ンに形成した。次に下部電極22の端子部をフォトレジ
ストでカバーして1時間陽極酸化を行ってこの表面に絶
縁膜23を形成し、さらにこの上にスパッタリング法に
よりCr膜を1500A成膜し、ついでウエットエッチ
ングにより上部電極24を所定パターンに形成し、MI
M素子とした。ここで、陽極酸化処理条件は、実施例1
と同等の条件とした。以上の製造工程において、下部電
極22の成膜の条件および陽極酸化処理の条件は、実施
例1におけるゲート電極12のそれぞれの条件と同一と
した。
【0014】このようにして得られたMIM素子の特性
を図7に示す。図7において横軸は上部電極24と下部
電極22とのあいだに印加される電圧、縦軸は上部電極
24と下部電極22間に流れるリーク電流値(A)を示
す。下部電極22としてTaを適用し、絶縁膜23とし
てTa2 O5 を適用した従来のMIM素子の電圧−電流
特性が非対称であるため、これを駆動回路により補正し
なければならないのに対して、図7に示すように、本発
明によるMIM素子は電圧−電流特性は対称性を示すと
ともに、さらにリーク電流値が小さいことが分かった。
したがって、本発明のMIM素子によれば単純な構成で
優れた特性が得られるとともに駆動回路を構成する上か
らも有利である。さらにこのMIM素子の下部電極とし
てAl(95原子%)−Si(5原子%)のAl−Si
合金膜を用いたものであっても同様の効果が得られるこ
とが分かった。このように、電子装置の電極としてシリ
サイドを、その電極上の絶縁膜としてシリサイドの酸化
物を適用すると、電子装置の製造過程などにおいて生じ
る静電気により絶縁膜に絶縁破壊を生じることを防止で
き、電子装置の歩留りを向上させることができる。
を図7に示す。図7において横軸は上部電極24と下部
電極22とのあいだに印加される電圧、縦軸は上部電極
24と下部電極22間に流れるリーク電流値(A)を示
す。下部電極22としてTaを適用し、絶縁膜23とし
てTa2 O5 を適用した従来のMIM素子の電圧−電流
特性が非対称であるため、これを駆動回路により補正し
なければならないのに対して、図7に示すように、本発
明によるMIM素子は電圧−電流特性は対称性を示すと
ともに、さらにリーク電流値が小さいことが分かった。
したがって、本発明のMIM素子によれば単純な構成で
優れた特性が得られるとともに駆動回路を構成する上か
らも有利である。さらにこのMIM素子の下部電極とし
てAl(95原子%)−Si(5原子%)のAl−Si
合金膜を用いたものであっても同様の効果が得られるこ
とが分かった。このように、電子装置の電極としてシリ
サイドを、その電極上の絶縁膜としてシリサイドの酸化
物を適用すると、電子装置の製造過程などにおいて生じ
る静電気により絶縁膜に絶縁破壊を生じることを防止で
き、電子装置の歩留りを向上させることができる。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子装置
の絶縁膜としてシリサイドの酸化物を用いたので、製造
過程などにおいて生じる静電気により絶縁破壊が生じる
ことを防止でき電子装置の製造上の歩留りを向上させる
ことができる。
の絶縁膜としてシリサイドの酸化物を用いたので、製造
過程などにおいて生じる静電気により絶縁破壊が生じる
ことを防止でき電子装置の製造上の歩留りを向上させる
ことができる。
【図1】本発明の第1実施例によるTFTの概略断面図
【図2】本発明の第1実施例の変形例を示すTFTの概
略断面図
略断面図
【図3】本発明の第1実施例の他の変形例を示すTFT
の概略断面図
の概略断面図
【図4】本発明のTa−Si合金膜の陽極酸化膜の絶縁
耐圧と各Taの組成(原子%)との関係を示す図
耐圧と各Taの組成(原子%)との関係を示す図
【図5】本発明の第1実施例によるTFTの特性図
【図6】本発明の第3実施例によるMIM素子の概略断
面図
面図
【図7】本発明の第3実施例によるMIM素子の電流−
電圧特性図
電圧特性図
1、11、21 ガラス基板 2、12 ゲート電極 9、13、23 絶縁膜 4、14 a−Si膜 5、15 エッチストッパー用絶縁膜 6、16 n+ −Si膜 7、17 ドレイン電極 8、18 ソース電極 20 導電部材 22 下部電極 24 上部電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるTFTの概略断面図
【図2】本発明の第1実施例の変形例を示すTFTの概
略断面図
略断面図
【図3】本発明の第1実施例の他の変形例を示すTFT
の概略断面図
の概略断面図
【図4】本発明のTa−Si合金膜の陽極酸化膜の絶縁
耐圧と各Taの組成(原子%)との関係を示す図
耐圧と各Taの組成(原子%)との関係を示す図
【図5】本発明の第1実施例によるTFTの特性図
【図6】本発明の第3実施例によるMIM素子の概略断
面図
面図
【図7】本発明の第3実施例によるMIM素子の電流−
電圧特性図
電圧特性図
【図8】従来のTFTの一例を示す概略断面図
【図9】従来のTFTの他の例を示す概略断面図
【符号の説明】 1、11、21 ガラス基板 2、12 ゲート電極 9、13、23 絶縁膜 4、14 a−Si膜 5、15 エッチストッパー用絶縁膜 6、16 n+−Si膜 7、17 ドレイン電極 8、18 ソース電極 20 導電部材 22 下部電極 24 上部電極
Claims (1)
- 【請求項1】 シリサイドの酸化物からなる絶縁膜を有
することを特徴とする電子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24867792A JPH06196700A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 電子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24867792A JPH06196700A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 電子装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06196700A true JPH06196700A (ja) | 1994-07-15 |
Family
ID=17181697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24867792A Pending JPH06196700A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 電子装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06196700A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003536260A (ja) * | 2000-06-03 | 2003-12-02 | ザ・ユニバーシティ・オブ・リバプール | 電子構成部品の製造方法及び電子構成部品 |
JP2006269344A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Hitachi Ltd | 画像表示装置とその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5091260A (ja) * | 1973-12-12 | 1975-07-21 | ||
JPS63140580A (ja) * | 1986-12-02 | 1988-06-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 薄膜トランジスタ |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP24867792A patent/JPH06196700A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5091260A (ja) * | 1973-12-12 | 1975-07-21 | ||
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JP2006269344A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Hitachi Ltd | 画像表示装置とその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19970520 |