JPH06196654A - 半導体メモリ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体メモリ装置及びその製造方法

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JPH06196654A
JPH06196654A JP5213379A JP21337993A JPH06196654A JP H06196654 A JPH06196654 A JP H06196654A JP 5213379 A JP5213379 A JP 5213379A JP 21337993 A JP21337993 A JP 21337993A JP H06196654 A JPH06196654 A JP H06196654A
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film
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tantalum pentoxide
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Ki-Won Kwon
奇元 權
Chang-Suk Kang
昌錫 姜
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Samsung Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キャパシターの誘電体膜として五酸化タンタル
膜を使用する半導体メモリ装置を提供する。 【構成】第1電極上にシリコンでドープされた五酸化タ
ンタル膜からなる誘電体膜及び前記誘電体膜上に形成さ
れた第2電極を具備する。 【効果】これにより、五酸化タンタル膜の内部にドープ
されたシリコンによって従来の純粋な五酸化タンタル膜
に比べ誘電率は些か減少するが、漏洩電流が減少し電界
に対する破壊耐電圧が増加するので、電気的特性及び信
頼性の優れた誘電体膜が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体メモリ装置及びそ
の製造方法に係り、特にキャパシターの誘電体膜に五酸
化タンタル膜を使用する半導体メモリ装置及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、半導体製造技術の発達とメモリ素
子の応用分野が拡張されるにつれ大容量のメモリ素子の
開発が進展されているが、特に一つのメモリセル(cel
l)を一つのキャパシターと一つのトランジスタで構成
することにより高集積化に有利なDRAM(Dynamic Ra
ndom Access Memory)の著しい発展が成ってきた。この
DRAMの発展は3年の間に4倍の高集積化を達成した
が、現在DRAMの集積度は4Mb DRAMが量産段
階に入り、16Mbは量産に向かって速い速度で開発進
行中であり、64Mb及び256Mbは開発のための研
究が活発に進行されている。
【0003】このような半導体メモリ装置は情報に読み
出しと貯蔵のために大きい静電容量を持つべきにもかか
わらず、次世代のメモリセルが以前の大きさの1/3に
縮めるために集積度が4倍増加する際有効チップ面積は
40%の増加に止まる。そのため、既存のキャパシター
の構造では限定された面積内で十分に大きいセルキャパ
シタンスが確保できない。従って、小さい面積内でより
大きいキャパシタンスを得るための方法の研究が要求さ
れたが、この方法は一般に次の三通りに分かれる。即
ち、第1は誘電体膜の厚さの減少、第2はキャパシター
の有効面積増加、第3は誘電定数の大きい物質の使用で
ある。
【0004】この中で第3の場合が、メモリ素子の集積
度が増加することに従い大きい誘電容量を確保するため
に高誘電物質や強誘電物質をキャパシターの誘電体膜に
用いる。このような高誘電物質では五酸化タンタルTa
25、酸化イットリウムY23 、二酸化ハフニウムH
fO2 等の様々な酸化物が報告されてきたが、誘電定数
と材料自体の熱力学的安定性等から五酸化タンタルが現
在一番有望な材料で報告されている。
【0005】前記五酸化タンタルTa2 5 は薄膜でも
22〜25位の誘電率を表し、化学気相蒸着(Chemical
Vapor Deposition:CVD)法による塗布も可能であ
る。CVD成膜法では低圧化学気相蒸着(Low Pressure
Chemical Vapor Deposition:LPCVD)法、プラズ
マ化学気相蒸着(Plasma Enhanced ChemicaL Vapor De
position:PECVD)法、光化学気相蒸着Photo
−CVD法等の様々な方法が提案されている。その中で
前記PECVD法により形成された五酸化タンタル薄膜
は、イオン衝撃(ion bombardment )により膜が緻密
で、炭素を全然含まない膜が得られるので、前記LPC
VD法により形成された五酸化タンタル薄膜より電気的
特性が優れる。反面、前記LPCVD法により形成され
た五酸化タンタル薄膜は漏洩電流が大きく、破壊耐電圧
が小さいという短所を有する。しかしながら、このよう
な短所を有するにもかかわらず低温形成、優秀な段差被
覆力、量産性のために高いアスペクト比(aspect rati
o)を有する3次元メモリセル構造に対する適用が広く
成される。しかしながら、前述した短所により前記LP
CVD法による五酸化タンタルを現在の製品に適用する
には問題点がある。
【0006】従って、前記のような問題点を解決するた
めにソニー社では米国特許第4,734,340号に一
通りの技術を開示したが、前記五酸化タンタル薄膜にチ
タニウムTi又は二酸化チタニウムTiO2 をドーピン
グして電気的特性を改善しようとした。即ち、前記特許
ではタンタルTaの原料とチタニウムTiの原料が同時
に供給できる設備を製作し前記チタニウムとタンタルを
同時に蒸着することによりチタニウムのドープされた五
酸化タンタル膜を形成した。この際、前記タンタルの原
料にタンタルペンタエトキシドTa(OC2 5)5 を使
用し、チタニウムの原料にチタニウムテトラアイソプロ
クサイドTi(iso−OC3 7)4 を使用した。前記
特許では五酸化タンタル膜にチタニウムをドーピングさ
せることにより前記膜の電気的特性を改善したが、タン
タルの量を基準として前記チタニウムが1.8wt%添
加された時その改善効果が一番優れる。前記チタニウム
をドーピングする場合漏洩電流は1MV/cmの電界で
約5×E-9A/cm2 で非常に優れ、電極依存性なく常
に優秀な特性を示した。
【0007】しかしながら、前記特許に提示された方法
を適用するには既存の設備でチタニウムを供給するため
の供給装置を新たに追加すべきであり、タンタルの量を
基準として1.5〜2.5wt%のチタニウム濃度を調
節することが非常に難しい。又、一般的な化学蒸着法で
は成分の数が多くなるほど工程が難しくなる。又、前記
二酸化チタニウム膜は膜の形成の際に容易に柱状(colu
mnar)構造を形成するので、もし前記五酸化タンタル膜
内に二酸化チタニウムが集まって凝集する場合前記二酸
化チタニウムの柱状構造に従い漏洩電流が増加する等の
問題点をもたらし電気的特性を却って劣化させ得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前述し
た従来の技術の問題点を解決するために五酸化タンタル
薄膜内の漏洩電流を減少させ得る添加物のドープされた
五酸化タンタル膜を具備するキャパシターを提供するこ
とである。
【0009】本発明の他の目的は前記漏洩電流を減少さ
せ得る添加物のドープされた五酸化タンタル膜を具備す
るキャパシターを効率的に製造できる製造方法を提供す
ることである。
【0010】本発明の又他の目的は別の追加装備なく前
記キャパシターを製造できる製造方法を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題を解決
するために、半導体基板上に形成されている第1電極上
に、シリコンのドープされた五酸化タンタル膜からなる
誘電体膜が形成され、前記誘電体膜上に第2電極が形成
されてなることを特徴とするキャパシターを有する半導
体メモリ装置が提供される。
【0012】又、本発明の前記他の目的及び又他の目的
を達成するために、半導体基板上に第1電極を形成する
段階と、五酸化タンタル膜にシリコンをドーピングする
工程を通じて成る誘電体膜を前記第1電極上に形成する
段階と、前記誘電体膜上に第2電極を形成する段階を具
備してなることを特徴とするキャパシターを有する半導
体メモリ装置の製造方法が提供される。
【0013】
【作用】前記キャパシターの誘電体膜に使用される五酸
化タンタル膜内にドープされたシリコンはシリコン原子
又はシリコン酸化物状態で存在し、前記シリコンがドー
ピングされることにより誘電体膜の漏洩電流が減少し破
壊耐電圧が増加する。
【0014】
【実施例】以下、添付した図面に基づき本発明を詳細に
説明する。図1及び図2は本発明によるシリコンのドー
プされた五酸化タンタル膜を具備したキャパシターの製
造方法の一実施例を説明するための断面図である。
【0015】図1は第1導電層13の形成段階を示した
もので、半導体基板10上にキャパシターの第1電極と
して使用される第1導電層13、例えば不純物のドープ
された多結晶シリコン層を形成する。この際、前記第1
導電層としては前記不純物のドープされた多結晶シリコ
ン以外にシリコン系の導電層、即ちシリコンを含んだ導
電層ならどんな物質でも可能である。
【0016】図2は誘電体膜15の形成段階を示したも
ので、前記シリコン系の第1導電層13の上に五酸化タ
ンタル膜を形成する。ここで、前記五酸化タンタル膜は
410℃以下の低温で低圧化学気相蒸着LPCVD法を
利用して多孔質(porous)の膜に形成する。次いで、熱
処理工程を実施し前記シリコン系第1導電層13のシリ
コンを前記多孔質の五酸化タンタル膜内に拡散させるこ
とによりシリコンのドープされた五酸化タンタル膜15
即ち、誘電体膜を形成する。この際、前記シリコンが五
酸化タンタル膜内にドープされるので些かの誘電率の減
少はあるが、漏洩電流及び破壊耐電圧が著しく改善され
る効果が得られる。ここで、前記シリコンのドーピング
は、シリコン原料とタンタル原料を同時に注入する方
法、五酸化タンタルとシリコン酸化膜を薄膜状態に交
代に蒸着した後、熱処理を通じて相互拡散させる方法に
より達成され得る。この際、前記シリコン酸化膜の1回
の蒸着厚さは、続く熱処理工程でシリコン酸化膜内のシ
リコン原子が五酸化タンタル膜内に十分に拡散できるよ
う20Å以下にするのが望ましい。上の二通りの方法以
外に他の方法でも可能である。ここで、前記シリコン原
料ではテオス(TEOS:テトラエチルオルトシリケー
ト(Tetra-Ethyl-Ortho-Silicate), 分子式はSi(OC
2 5)4 で表される)を、前記タンタル原料ではタンタ
ルペンタエトキシドTa(OC2 5)5 をそれぞれ使用
する。又、前記多孔質の五酸化タンタル膜の形成の後実
施する熱処理工程は、酸素雰囲気、窒素雰囲気、100
〜1,000mTorrの真空雰囲気、又は任意の順序
でこれらを組合した雰囲気下で650℃〜1,000℃
の間の高温で実施することが望ましい。この際、前記シ
リコン原子は前記多孔質の五酸化タンタル膜内に拡散さ
れながら前記五酸化タンタル膜の中のタンタル原子と置
き換えられるが、その置き換えられる量は前記タンタル
原子の全体量の3〜30wt%になる。
【0017】ここで、前記テオスは酸化膜SiO2 を形
成する時原料物質で一番広く使われる物質の中の一つで
あり、前記SiO2 形成の際テオスからSiが取り外さ
れるか、SiO2+或いはSiO2 が取り外されるかは確
かでないが、全て可能だということのみ知られている。
又、前記五酸化タンタルの沈積の際に、前記タンタルペ
ンタエトキシドTa(OC25)5 と酸素O2を流し沈積
を助長するが、前記タンタルペンタエトキシドからタン
タルTa、酸化タンタルTaO、或いはTa2O等が出
られるが、一般的に前記タンタルペンタエトキシドはタ
ンタルのソース(source)で、酸素は酸化剤(oxidant
)であると知られている。従って、前記テオスをシリ
コンのソースであると名付ける。一般的に、五酸化タン
タル膜の製造工程が酸素ガスを酸化剤で供給する工程で
あるのでテオスだけ供給すれば容易にSiO2 が得られ
る。ここで、前記五酸化タンタル膜内のシリコンは理論
上SiO2 の形態で存するが、先に述べたように前記テ
オスからシリコンも取り外され得ると知られているから
前記五酸化タンタル膜内に存するシリコンはSiO2
状態、即ちシリコン酸化物状態のみならず、純粋なシリ
コン原子状態でも存在することができる。
【0018】前記シリコンのドーピング方法の中にシ
リコン原料とタンタル原料を同時に注入する方法を見れ
ば、前記シリコン原料のテオスとタンタル原料のタンタ
ルペンタエトキシド、酸化体の酸素を同時に流せば、シ
リコンのドープされた五酸化タンタル膜を共同沈積(co-
deposition) 過程を通じて形成できる。しかしながら、
実際LPCVD法によっては前記二通りの原料を同時に
流しても共同沈積は起こらない。先ず、テオスと酸素に
よる酸化膜SiO2 の沈積は600〜850℃範囲の温
度で生じ、タンタルペンタエトキシドと酸素による五酸
化タンタル膜の沈積は300〜600℃範囲の温度で生
ずるので前記酸化膜と五酸化タンタル膜が同時に形成さ
れる600℃付近で共同沈積を図るべきである。しかし
ながら、前記600℃付近では前記五酸化タンタル膜の
沈積率(deposition rate)が余り速くて薄膜を製造する
ことはほぼ不可能である。従って、実際にこれを実現す
るためには400℃付近でプラズマ雰囲気で、テオス、
タンタルペンタエトキシド及び酸素の組合を利用したP
ECVD法を利用して沈積すべきである。
【0019】続く後続工程で前記誘電体膜15の上にキ
ャパシターの第2電極に使用される導電層(図示せず)
を形成することによりキャパシターを完成する。
【0020】図3は本発明で使用された蒸着装置の概略
図である。タンタルの原料物質であるタンタルペンタエ
トキシドはタンクBに入れられ、このタンタル原料は8
psi(0.56Kg/cm2 )圧力の窒素により蒸発
装置(vaporizer:C)に押し出され前記蒸発装置Cに共
に入った蒸発装置窒素20と共に蒸気に変わった後反応
管Aに導入される。この際、前記タンタル原料及び蒸発
装置窒素が前記反応管Aに導入される途中、凝縮が起こ
ることを防ぐために希釈用窒素25が混ぜられ導入され
る。前記蒸気に変わったタンタル原料と混ぜられタンタ
ル原料を凝縮させないようにする前記窒素20、25
は、予め第1ヒーターH1で150℃位で予熱された後
供給される。前記反応管Aに導入された蒸気は別に導入
された酸素O2 と共に、第2ヒーターH2により350
〜490℃で加熱されるサセプターDの上に置かれたウ
ェハー30の表面に蒸着される。前記蒸着工程の後、残
存未反応物質と反応副産物は排出口35を経て真空ポン
プEにより排気され、前記反応管Aは前記真空ポンプE
により400〜600mTorrに圧力が調節される。
本発明の実施例では400mTorrで実験を行った。
【0021】図4は本発明による五酸化タンタル膜の蒸
着速度Å/分の対数値Lnと温度の逆数との関係を示す
グラフであり、温度による蒸着速度を観察し、アレニウ
ス(Arrhenius) 関係式による値を示した。示した通り、
410℃付近で蒸着速度が蒸着工程の活性化エネルギー
Qに比例して、傾きが急激に変化することが見られる。
高温では蒸着工程が活性化エネルギーが25.3Kca
l/molである基(radical )の表面反応(surface
reaction)により支配され、低温では活性化エネルギー
が3.41Kcal/molである他のメカニズムによ
り膜の蒸着が支配される。ここで、前記アレニウス関係
式は次の式(1)と同様であり、これは一般的に熱によ
り活性化される工程(例えば、拡散、化学反応等)にお
いて温度により加速された反応速度を示す数式である。
【0022】 K=K0 exp(−Q/RT) …(1) K:反応速度(拡散速度、反応速度、蒸着速度…) K0 :定数(無限大の高温での反応速度) Q:活性化エネルギー T:絶対温度K R:気体定数(8.3144 J/mole ′K :定数)
【0023】前記式(1)を再び解いて書けば、 LnK=LnK0 −(Q/R)(1/T) …(2)
【0024】即ち、前記式(2)で分かるように前記L
nKと1/Tは互いに1次式で表現できる関係であり、
前記式の傾きは活性化エネルギーに比例する。蒸着速度
と1/Tをプロットした時直線性を満足するならその区
間で速度を支配する段階(step)は一つしかなく、その段
階の活性化エネルギーはその傾きとなる。前記図4を参
照すれば、410℃以上及び以下で直線性を満足する
(但し、410℃で折られる)。即ち、410℃以下に
一つの速度支配段階(rate controlling step) があり、
410℃以上に他の速度支配段階があると説明され得
る。
【0025】図5は本発明による熱処理前後の蒸着温度
と五酸化タンタル膜の厚さ変化との関係を示したグラフ
であり800℃酸素雰囲気での熱処理前後にエリプソメ
ーター(ellipsometer)で測定した五酸化タンタル膜の
厚さを示した。前記五酸化タンタル膜の蒸着温度が低い
ほど、熱処理の後膜の厚さが多く収縮されている。この
ように、前記五酸化タンタル膜の測定された厚さは図6
に示した透過電子顕微鏡(Transmission Electron Micr
oscope: 以下TEMという)の金属組織写真でも見られ
るように実際に縮められることが分かる。
【0026】図7は本発明による五酸化タンタル膜の蒸
着温度と屈折率との関係を示したグラフである。屈折率
は膜の密度に比例し、低温蒸着された五酸化タンタル膜
が熱処理の前は一層低い値の屈折率を有するが、熱処理
の後には(800℃、30分、酸素雰囲気)膜の屈折率
が膜の蒸着温度に関係なくほぼ一定になる。それで、低
温では高温の場合とは異なる膜形成のメカニズムによ
り、緻密でない五酸化タンタル膜が蒸着されてから熱処
理により膜の密度が増加することが分かる。
【0027】図8は各々異なる蒸着温度で蒸着した五酸
化タンタル膜を酸素雰囲気下で熱処理した後キャパシタ
ーを形成した時漏洩電流と印加電界との関係を示したグ
ラフである。示した通り、430℃以上で蒸着された膜
ではほぼ一定した漏洩電流を有しているが、410℃以
下の低温蒸着膜曲線Cでは漏洩電流が低くなるが破壊耐
電圧が増加する。ここで大事な点は、今まで五酸化タン
タルを具備した全てのキャパシターが正の電圧を加えた
時は動作電圧で漏洩電流が大きい。特に漏洩電流が急に
増加し始める“跳躍ポイント”(take-off point)が現
在使用中の電界より小さい値なので、使用する電界領域
で些かの変化があっても漏洩電流が大きく変わるように
なり膜の信頼性が確保できなかった。従って、前記図8
に示したように、350℃蒸着膜の場合跳躍ポイントが
相当向上されることにより膜の信頼性を大いに改善させ
ることが分かる。
【0028】図9は各温度で170Åの五酸化タンタル
膜を蒸着した後酸素雰囲気の熱処理を経て作ったキャパ
シターの酸化膜の有効厚さの減少を示したグラフであ
る。
【0029】前記図5及び図6で示したように、低温蒸
着膜の場合熱処理を経れば膜の厚さは減少し、下部電極
(前記図6に示したTEM写真の中、下部の黒色の部
分)と五酸化タンタル膜(第1誘電膜で前記図6に示し
たTEM写真の中、上部の黒色の部分)との間に存する
誘電率の低い中間酸化膜(前記図6に示したTEM写真
の中、中間の白色の部分)の厚さは蒸着温度に関係なく
一定する。にもかかわらず前記図9のグラフで示した通
り、前記低温蒸着膜の有効厚さが更に大きく現れている
ので、低温蒸着により他の膜が蒸着されたことが分か
る。
【0030】表1は高温及び低温で蒸着した五酸化タン
タル膜の酸素雰囲気の熱処理の前後に前記五酸化タンタ
ル膜内に存在するシリコン及び炭素の含量を示すもの
で、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy:X線
光電子分光器)を使用し測定された。
【0031】
【表1】
【0032】優れた電気的特性を示し低温蒸着の後熱処
理を経た膜の場合が炭素の含量が一番低く、シリコンの
含量は一番高かった。前記低温蒸着膜の電気的な特性が
優秀なことは膜内の炭素の含量が減った原因もあろう
が、原子価がタンタルより小さいシリコンが(タンタ
ル:5価、シリコン:4価)膜内に多く混入されること
により、膜内の漏洩電流の伝達体の役割をする酸素空孔
(結晶で酸素が占めるべき場が空いている格子点)の数
が減ったためであるといえる。前記表1で見たように、
熱処理前の炭素含量は各試片により大きい差がない。原
子価の小さい原子の混入により漏洩電流が減少すること
がソニー社の特許で確認され(タンタルに比べチタニウ
ムの原子価が小さくて前記チタニウムを五酸化タンタル
膜にドーピングして漏洩電流を低めようとする)、本発
明は前記タンタルの原子価より小さい原子価を有するシ
リコンを添加剤に用いることによりその効果を向上させ
ようとする。
【0033】
【発明の効果】本発明による五酸化タンタル膜は低温で
形成した多孔質の膜であるため、酸素雰囲気で熱処理を
する間、下部電極(キャパシターの第1電極)に使用さ
れるシリコン系の導電物質のシリコン原子が前記多孔質
の五酸化タンタル膜内に容易に拡散され、膜が自然に五
酸化タンタルとシリコン酸化物の混合物となる。このよ
うな方法によりシリコンのドープされた五酸化タンタル
膜は、従来の純粋な五酸化タンタル膜に比べ誘電率は些
か減少するが、漏洩電流が減少し破壊耐電圧が増加する
ので、優れた電気的特性及び大幅向上された信頼性を持
つ誘電体膜が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による五酸化タンタル膜を備えた半導
体装置の断面図である。
【図2】 本発明による五酸化タンタル膜を備えた半導
体装置の断面図である。
【図3】 本発明に使用された蒸着装置の概略図であ
る。
【図4】 本発明による五酸化タンタル膜の蒸着速度と
温度の逆数との関係を示したグラフである。
【図5】 本発明による五酸化タンタル膜の熱処理前後
の蒸着温度と厚さ変化との関係を示したグラフである。
【図6】 図5で測定した五酸化タンタル膜の厚さを透
過電子顕微鏡で撮った金属組織の写真である。
【図7】 本発明による五酸化タンタル膜の蒸着温度と
屈折率との関係を示すグラフである。
【図8】 それぞれ異なる蒸着温度で蒸着した五酸化タ
ンタル膜を酸素雰囲気で熱処理した後キャパシターを形
成した時の、漏洩電流と印加電界との関係を示すグラフ
である。
【図9】 各温度で170Åの五酸化タンタル膜を蒸着
した後酸素雰囲気の熱処理を経て作ったキャパシターの
酸化膜の有効厚さを示すグラフである。
【符号の説明】
A 反応管、B タンク、C 蒸発装置、D サセプタ
ー、E 真空ポンプ、H1 第1ヒーター、H2 第2
ヒーター、10 半導体基板、13 第1導電層、15
誘電体膜、20,25 蒸発装置窒素、30 ウェハ
ー、35 排出口

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成されている第1電極
    と、 前記第1電極上に形成され、シリコンのドープされた五
    酸化タンタル膜からなる誘電体膜と、 前記誘電体膜上に形成された第2電極を具備することを
    特徴とするキャパシターを有する半導体メモリ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1電極はシリコンのドープされた
    導電層であることを特徴とする請求項1記載の半導体メ
    モリ装置。
  3. 【請求項3】 前記シリコンはシリコン原子或いはシリ
    コン酸化物状態で存在することを特徴とする請求項1記
    載の半導体メモリ装置。
  4. 【請求項4】 前記シリコンは前記五酸化タンタル膜の
    中のタンタル原子と置き換えられたもので、その置き換
    えられた量は前記タンタル原子の全体の量の3〜30w
    t%であることを特徴とする請求項1記載の半導体メモ
    リ装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に第1電極を形成する段階
    と、 シリコンを五酸化タンタル膜にドーピングする工程を通
    じて成る誘電体膜を前記第1電極上に形成する段階と、 前記誘電体膜上に第2電極を形成する段階を具備してな
    ることを特徴とするキャパシターを有する半導体メモリ
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1電極はシリコンのドープされた
    導電層であることを特徴とする請求項5記載の半導体メ
    モリ装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記五酸化タンタル膜にシリコンをドー
    ピングする方法は、先ず、前記シリコンのドープされた
    導電層の上にLPCVDの低温工程を通じて多孔質の五
    酸化タンタル膜を蒸着する段階と、熱処理工程を通じて
    前記シリコンのドープされた導電層からシリコン原子を
    前記多孔質の五酸化タンタル膜内に拡散させる段階を具
    備してなることを特徴とする請求項6記載の半導体メモ
    リ装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記多孔質の五酸化タンタル膜はタンタ
    ル原料でタンタルペンタエトキシドを使用し、反応ガス
    では酸素を使用し、410℃以下の低温でLPCVD法
    により形成されることを特徴とする請求項7記載の半導
    体メモリ装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記熱処置工程は酸素雰囲気、窒素雰囲
    気、100mTorr〜1,000mTorrの真空雰
    囲気、又はこれらの組合された雰囲気中のいずれか一雰
    囲気下で650℃〜1,000℃の間の高温工程を具備
    してなることを特徴とする請求項7記載の半導体メモリ
    装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記五酸化タンタル膜にドープされた
    シリコン原子が前記五酸化タンタル膜の中のタンタル原
    子と置き換えられる量は前記タンタル原子の全体量の3
    〜30wt%であることを特徴とする請求項5記載の半
    導体メモリ装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記五酸化タンタル膜にシリコンをド
    ーピングする方法はシリコン原料とタンタル原料を同時
    に注入することによりなることを特徴とする請求項5記
    載の半導体メモリ装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記シリコン原料ではテオスを、タン
    タル原料ではタンタルペンタエトキシドをそれぞれ用い
    ることを特徴とする請求項11記載の半導体メモリ装置
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記五酸化タンタル膜にシリコンをド
    ーピングする段階は、五酸化タンタル膜とシリコン酸化
    膜を薄膜状態で交代に蒸着する段階の後、熱処理工程を
    通じて前記五酸化タンタル膜とシリコン酸化膜を相互拡
    散させる段階を具備してなることを特徴とする請求項5
    記載の半導体メモリ装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 シリコン原料ではテオスを、タンタル
    原料ではタンタルペンタエトキシドをそれぞれ用いるこ
    とを特徴とする請求項13記載の半導体メモリ装置の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記熱処置工程は酸素雰囲気、窒素雰
    囲気、100mTorr〜1,000mTorrの真空
    雰囲気、又はこれらの組合された雰囲気中のいずれか一
    雰囲気下で650℃〜1,000℃の間の高温工程を具
    備してなることを特徴とする請求項13記載の半導体メ
    モリ装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記シリコン酸化膜の1回の蒸着の厚
    さは、続く熱処理工程で前記シリコン酸化膜内のシリコ
    ン原子が五酸化タンタル膜内に十分に拡散できるよう2
    0Å以下にすることを特徴とする請求項13記載の半導
    体メモリ装置の製造方法。
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