JPH06192936A - 自動操作式シャフトロック装置を備えた織機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】織機の糸交換中、ヘルドをシャフトロッドに対
して確実に着脱させる。 【構成】ヘルド１とシャフトロッド２とは、ヘルド側及
び駆動側連結部１１，１２とロック部材３とによって着
脱される。連結時にはロック部材３を操作する操作部４
はヘルド１の駆動方向に対して直角に操作されて開閉さ
れることにより、ロック部材３を非作用状態又は作用状
態に保持する。ヘルド１及びシャフトロッド２の離脱時
には操作部４は閉成され駆動側連結部１２を挟んで静止
させるとともにロック部材３を非作用状態に保持する。
また、ヘルド１及びシャフトロッド２の連結時には操作
部４は開放されて駆動側連結部１２を静止状態から解く
が、ロック部材３が作動状態に保持され、駆動側連結部
１２がヘルド側連結部１１に連結された状態でロックさ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はヘルドをシャフトロッド
に着脱する方法及びこの方法を実施するための織機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】欧州特許出願公開第４０７３３４号には
ヘルドをシャフトロッドに対して着脱する方法が開示さ
れている。これによると、操作具により、連結部が一方
向に回動されてヘルド側及び駆動側の連結部分と係合さ
れ、他方向に回動されて係合が解除される。この方法で
は予め設定された連結構造にしか適用できない。ヘルド
をシャフトロッドに連結するにあたって、異なる高さに
まで操作されることを許容するために、軸連結によりこ
れに対応する大がかりな構造にして、経糸の装着を行
う。従って、ヘルドのシャフトロッドに対する着脱が制
限される問題点に加えて、シャフトの連結構造が大がか
りになるという問題点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
点を解決せんとするものであり、その本発明の目的は、
織機において手動または自動で糸交換中、ヘルドをシャ
フトロッドに対して確実に着脱させることが可能な方法
を提案することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上記した目的
を達成するために、ヘルド及びシャフトロッドにそれぞ
れ装着されたヘルド側及び駆動側連結部及び同連結部を
ロックするためのロック要素にて構成されるロック部材
によりヘルド及びシャフトロッドが連結され、ロック部
材を操作するための操作部を有する織機におけるシャフ
トロッドに対するヘルドの着脱方法において、ヘルド及
びシャフトロッドの離脱時には操作部がヘルドの駆動方
向に対して直角に作用する逆回転運動を行わせ、ロック
要素を駆動して連結部をロック解除した後、操作器具が
前記ロック要素及び駆動側連結部を静止させることと、
ヘルド及びシャフトロッドの連結中には操作部が連結要
素及び駆動側連結部を解放するとともに、駆動側連結部
をヘルド側連結部に連結した状態でロックすることとか
らなる。

【０００５】

【作用】ヘルド及びシャフトロッドの離脱時には操作部
がヘルドの駆動方向に対して直角に作用する逆回転運動
により、ロック要素を駆動し連結部をロック解除して駆
動側連結部を静止させる。また、ヘルド及びシャフトロ
ッドの連結中は操作部が連結要素及び駆動側連結部を解
放し、駆動側連結部がヘルド側連結部に対して連結され
た状態でロックされる。

【０００６】

【実施例】図１は織機内の一部を示すものであり、ヘル
ド１、シャフトロッド２、ロック部材３及びヘルド１を
ロッド２に着脱するためのロック部材４の操作部が設け
られている。

【０００７】操作部材４は、同一構成をなす２個の駆動
部５（１個のみ図示）を備えた駆動機構と、２個の歯車
コードラント８、９を介して、駆動部５に作動連結され
た回転方向と反対の方向（矢印Ａ，Ｂで示す）に揺動す
る２個のＵ字形シャックル６、７を有する。この揺動運
動により、シャックル６、７はロック部材３に対して係
合及び係合解除される。なお、駆動機構の数は織機の幅
に応じて任意に設定することができる。

【０００８】ロック部材３は、ヘルド１に取り付けられ
た第１の連結部（ヘルド側連結部）１１、３１、シャフ
トロッド１３に連結された第２の連結部（駆動側連結
部）１２、３２及びヘルド側及び駆動側の連結部をロッ
クするロック要素（図示されていない）を有している。

【０００９】図２（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、ヘル
ド側連結部１１は単体で構成され、矩形断面を備えた部
分１５及びヘルドに連結されたフランジ１６から構成さ
れている。

【００１０】駆動側連結部１２は、ヘルド側連結部の部
分１５を受承するための凹部を有する部材１７と、同部
分１５が確実に収容されるように矩形状の空洞を形成す
べく、前記部材１７の前面及び後面に対して、溶接等に
より取り付けられた２個のカバープレート１８、１９を
有している。部材１７はロッド１３を収容するためのめ
くら穴を有し、ねじ（図示していない）により適宜にロ
ッドに対して連結されている。

【００１１】部材１７はロック要素１４のための案内ダ
クトを有している。ヘルド側連結部１１の部分１５は、
ロック要素１４のための軸受面２１を有する切欠き２０
を有している。

【００１２】ロック要素１４は矩形状をなし、一方の狭
い側には、ヘルド側連結部１１の軸受面２１と係合及び
離脱可能な作用平面２３を有する横長片２２が設けら
れ、他方の狭い側には、貫通穴２４（破線で示す）が設
けられている。

【００１３】ロック要素１４は２つの両アーム型レバー
２５からなる装置の一方のアームに対して連結されてい
るが、貫通穴２４内を延び、レバー２５に取り付けられ
た軸２６Ａを媒介にしている。レバー２５の両アーム間
に、圧縮バネ２６Ｂの一端が保持されている。同バネ２
６Ｂの他端は２つのカバープレート１８、１９間に保持
されている。

【００１４】ヘルド１をシャフトロッドから離脱させる
ためには、シャックル６、７が回転方向と反対方向（矢
印Ａ、Ｂ）に運動した結果としてまず駆動側連結部１
２、次にレバー２５が捕捉され、レバーはカバープレー
ト１８、１９の端に向かって揺動する。この揺動によ
り、ロック要素１４はヘルド側連結部１１の切欠き２０
から外れて解放される。このとき、駆動側連結部１２は
開放位置に保持されるため、矢印Ｃにて示すように、ヘ
ルド側連結部１１ひいてはヘルド１が駆動側連結部１２
から垂直方向に引き離されることが可能になる。

【００１５】ヘルド１を連結するときには、まずヘルド
側連結部１１が駆動側連結部１２内に導入される。駆動
側連結部１２及びレバー２５は回転方向と反対側への動
作により反対方向に解放されるため、レバー２５は圧縮
バネ２６Ｂの運動により揺回し、ロック要素１４をヘル
ド側連結部１１の方向に移動させる。このロック要素１
４の移動により、作用面２３はヘルド側連結部１１の軸
受面２１と密着し、ヘルド側及び駆動側連結部１１、１
２が確実に連結される。

【００１６】図２（Ａ）、（Ｂ）に示すロック部材と同
様に、図３（Ａ）、（Ｂ）に示すロック部材３は、ヘル
ド１に取り付けられたヘルド側連結部３１、ロッド１３
に固定された駆動側連結部３２及びヘルド側、駆動側連
結部３１、３２をロックするロック要素３３を有してい
る。ヘルド側連結部３１は、連結部３１をヘルド１に取
り付ける連結片３４及びフランジ３５を有している。

【００１７】ヘルド側連結部３１には、駆動側連結部３
２に作動連結可能な２つの作用面３７、３８を有する突
出片３６及びロック要素３３に作動連結可能な軸受面３
９が設けられている。

【００１８】駆動側連結部３２は、ヘルド側連結部３１
に作動連結可能な２つの作用面４２、４３を有する片材
４１からなる部材４０と、２個（１個のみ図示）のカバ
ープレート４４とを備えている。カバープレート４４は
例えば溶接により部材４０に連結され、ヘルド側連結部
３１の連結片３４のためのガイドを構成している。駆動
側連結部３２は、たわみ軸棒の一部であるロッド１３に
取り付けられる。

【００１９】ロック要素３３はカバープレート４４に固
定された軸４５にて枢支される２アーム式のレバーであ
る。後述するが、レバーの一端側はヘルド側連結部３１
の部材３６に作動連結可能な作用面４７を有する片材４
６からなる。レバーの他端部は圧縮バネ４８の一端を保
持している。なお、圧縮バネ４８の他端は駆動側連結部
３１の部材４０にて保持されている。

【００２０】ストッパ４９はカバープレート４４に取り
付けられ、ロック要素３３の揺動を規制している。ヘル
ド１をシャフトロッド２から離脱させるためには、操作
部（図１及び３（Ｂ））のシャックル６、７が回転方向
とは逆方向（矢印Ａ、Ｂ）に運動し、その結果として、
駆動側連結部３２及びロック要素３３の順で捕捉され、
ロック要素３３はストッパ４９の方向へ揺動する。駆動
側連結部３２は連結装置の開放部分に保持される。同時
にロッド１３のたわみのために、ヘッド側連結部３１の
作用面３７、３８と、駆動側連結部３２の軸受面４２、
４３との係合が解除され、ヘルド側連結部３１ひいては
ヘルド１が駆動側連結部３２から垂直方向（矢印Ｃ）に
引き離されることが可能になる。

【００２１】ヘルド側連結部３１を駆動側連結部３２内
に導入後、ヘルド１を連結するときには、駆動側連結部
３２及びロック要素３３はシャックル６、７の回転方向
とは逆方向への運動により反対側に離脱されるため、ヘ
ルド側連結部３１の作用面３７、３８はロッド１３によ
り駆動側連結部３２の軸受面４２、４３に係合する。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明は織機に
おいて手動または自動で糸交換中、ヘルドをシャフトロ
ッドに対して安全に着脱させることが可能となるという
優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づきヘルドの着脱を行うために織機
に設けられた装置の要部を示す斜視図である。

【図２】（Ａ）は、連結状態にあるシャフト連結装置を
示す一部破断正面図である。（Ｂ）は、ヘルド及びシャ
フトロッドが互いに離脱された状態にあるシャフト連結
装置の一部破断正面図である。

【図３】（Ａ）は、本発明に従ったシャフト連結装置に
おける別の実施例を示す一部破断正面図である。（Ｂ）
はヘルド及びシャフトロッドが互いに分離された状態を
示す一部破断正面図である。

【符号の説明】

１…ヘルド、２…シャフトロッド、３…ロック部材、４
…操作部、１１…ヘルド側連結部、１２…駆動側連結
部、１４…ロック要素。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘルド（１）及びシャフトロッド（２）
   にそれぞれ装着されたヘルド側及び駆動側連結部（１
   １，１２）及び同連結部（１１，１２）をロックするた
   めのロック要素（１４）にて構成されるロック部材
   （３）によりヘルド（１）及びシャフトロッド（２）が
   連結され、ロック部材（３）を操作するための操作部
   （４）を有する織機におけるシャフトロッドに対するヘ
   ルドの着脱方法において、 ヘルド（１）及びシャフトロッド（２）の離脱時には操
   作部（４）がヘルド（１）の駆動方向に対して直角に作
   用する逆回転運動を行わせ、ロック要素（１４）を駆動
   して連結部（１１、１２）をロック解除した後、操作器
   具が前記ロック要素（１４）及び駆動側連結部（１２）
   を静止させることと、ヘルド（１）及びシャフトロッド
   （２）の連結中には操作部（４）が連結要素及び駆動側
   連結部（１２）を解放するとともに、駆動側連結部（１
   ２）をヘルド側連結部（１１）に連結した状態でロック
   することとからなる織機におけるシャフトロッドに対す
   るヘルドの着脱方法。
2. 【請求項２】 前記ヘルド側連結部（１１）はロック要
   素（１４）のための軸受面（２１）を有する切欠き（２
   ０）を備え、さらにロック要素（１４）は、作用面（２
   ３）を軸受面（２１）に着脱させるために、ヘルド側連
   結部（１１）のための作用面（２３）を有する片材（２
   ２）を備え、同片材（２２）は連結軸心に対して直交
   し、かつ移動可能に駆動側連結部（１２）に配置された
   ことを特徴とする請求項１に記載の方法を実施する織
   機。
3. 【請求項３】 前記ヘルド側連結部（３１）及び駆動側
   連結部（３２）が互いに確実に係合する片材（３６、４
   １）をそれぞれ備え、ロック要素（３３）がヘルド側連
   結部（３１）に設けられた部材（３９）に着脱可能であ
   り、駆動側連結部（３２）のヘルドシャフト（１３）を
   可撓材にて形成し、離脱操作中は連結位置において連結
   部（３１、３２）の係合が解除され、連結操作中は連結
   部（３１、３２）が係合されることを特徴とする請求項
   １に記載の方法を実施する織機。
4. 【請求項４】 前記ロック要素（１４、３３）をヘルド
   側連結部（１１、３１）に係合させるため弾性部材（２
   ６、４８）を設けたことを特徴とする請求項２または３
   に記載の織機。