JPH06192478A - 硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグ、積層板及び成形材料 - Google Patents

硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグ、積層板及び成形材料

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JPH06192478A
JPH06192478A JP35733692A JP35733692A JPH06192478A JP H06192478 A JPH06192478 A JP H06192478A JP 35733692 A JP35733692 A JP 35733692A JP 35733692 A JP35733692 A JP 35733692A JP H06192478 A JPH06192478 A JP H06192478A
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JP
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curable resin
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JP35733692A
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English (en)
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Hiroo Muramoto
博雄 村本
Kimiharu Kimura
公治 木村
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的強度、耐熱性、耐湿性、電気特性等に優
れた硬化性樹脂組成物、及びそれを用いたプリプレグ、
積層板、成形材料を提供する。 【構成】共役ジエン系重合体とN−置換マレイミドとか
ら合成される変性共役ジエン系樹脂と熱硬化性樹脂とか
らなる硬化性樹脂組成物、並びにそれを用いたプリプレ
グ、積層板及び成形材料 【効果】作業性が良好で、硬化収縮率が小さく、かつ、
その硬化物は機械的強度、熱的特性、耐湿性、電気特
性、耐熱衝撃性等のバランスがとれているため、電気電
子材料分野に有効に適用される。特に、該硬化性樹脂組
成物を用いた積層板は高多層のプリント配線板として、
また、成形材料は半導体封止剤として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性樹脂組成物、並
びにそれを用いたプリプレグ、積層板及び成形材料に関
し、詳しくは、共役ジエン系重合体とN−置換マレイミ
ドとを反応させて得られる変性共役ジエン系樹脂と熱硬
化性樹脂とを含有してなる硬化性樹脂組成物、該樹脂組
成物を用いたプリプレグ、積層板及び成形材料に関す
る。本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化収縮率が小さ
く、機械的強度、耐熱性、耐湿性、電気特性、耐熱衝撃
性等に優れた硬化物を与え、かつ、難燃化も容易なこと
から、電気電子材料分野を始めとする広範な分野で有効
に適用される。
【0002】
【従来の技術】電気電子材料分野において、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬
化性樹脂が、従来から広く採用されている。例えば、プ
リント配線板用の積層板の含浸用樹脂として、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が、また半導
体素子、ダイオード、コンデンサー、リレー、スイッチ
等の電気電子部品封止用として、エポキシ樹脂、シリコ
ン樹脂系等の低圧成形材料、エポキシ樹脂系、アクリル
樹脂系、シリコン樹脂系等の熱又は光硬化性の液状材料
が使用されている。
【0003】また、ポリブタジエン樹脂に代表される共
役ジエン系樹脂をラジカル硬化させた硬化物は、電気特
性、耐水性、耐湿性等に極めて優れていることが知られ
ている。例えば、数平均分子量が 1,000〜 5,000程度の
常温で液状の1,2−ポリブタジエン樹脂とラジカル重合
開始剤とからなる樹脂組成物を用いた積層板及び成形材
料の製造法(特公昭47−051952号公報、特公昭48−0144
28号公報等参照) 、数平均分子量が 50,000 〜 200,000
程度の常温で固体の 1,2−ポリブタジエン樹脂とラジカ
ル重合開始剤とからなる樹脂組成物を用いた積層板の製
造法(特公昭58−021925号公報、特公昭58−021926号公
報等参照) 、ブタジエン−ビニル芳香族化合物コポリマ
ーとシアン酸エステル系樹脂組成物とからなる硬化性樹
脂組成物(特開昭61−233060号公報等参照) などが開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の小型
化が飛躍的に進展してきているが、それに伴い電気電子
部品の高性能化、高信頼性が要求されている。例えば、
高速演算回路や高周波回路に用いるプリント配線板用の
基板(積層板)には、低誘電率、低誘電正接等の誘電特
性に優れ、かつ耐熱性に優れた材料が要求されている。
また、電気電子回路部品の封止用材料には、接着性、耐
湿性、耐熱性、耐熱衝撃性、電気特性、難燃性等のバラ
ンスのとれた材料が要求されている。これらの要求に対
し、前記汎用樹脂を用いた積層板においては、要求され
る誘電特性を満足せず、また封止材料においても、要求
される諸特性、特に耐熱衝撃性及び電気特性の双方を満
足するものはない。
【0005】一方、ポリブタジエン樹脂を用いた積層板
は、極めて優れた誘電特性を有するが、液状ポリブタジ
エン樹脂を使用した積層板の製造法においては、基材に
含浸、乾燥させて得たプリプレグが粘着性を有すること
から、その積層成形が困難であった。また、固形ポリブ
タジエン樹脂を使用した積層板の製造法においては、汎
用溶媒への溶解性が悪く、かつ含浸用ワニスの粘度が著
しく高いことから、これも積層板製造の作業性が極めて
悪い。更に両者に共通して銅箔等の金属箔への接着性が
悪いため、工業的な実用化に至っていないのが現状であ
る。
【0006】また、ポリブタジエン樹脂を電気電子部品
に用いた場合、極めて優れた耐熱性、耐湿性及び電気特
性が得られるが、硬化時の収縮率が著しく大きく、かつ
接着性が劣ることから、液状封止材料として一部の特殊
用途を除いては使用されていない。更に、ポリブタジエ
ン樹脂は、他の熱硬化性脂との相溶性が極めて悪く、そ
れを改良する方法として前記ブタジエン−ビニル芳香族
化合物コポリマーを用いる方法が提案されているが、十
分な相溶性を得るためにはビニル芳香族化合物の共重合
比率を高める必要があり、その場合には耐熱性が低下す
る。
【0007】本発明は、作業性が良く、硬化時の硬化収
縮率が小さく、且つ、機械的強度、耐熱性、耐湿性、耐
熱衝撃性、電気特性、難燃性等に優れた硬化性樹脂組成
物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板及び成形
材料を提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、共役ジエン系重合体と
N−置換マレイミドとを反応させて得られる変性共役ジ
エン系樹脂が、他の熱硬化性樹脂との相溶性に優れ、こ
の変性共役ジエン系樹脂と熱硬化性樹脂とからなる硬化
性樹脂組成物が、作業性が良く、硬化収縮率が小さく、
かつ、機械的強度、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性、電気
特性等に優れた硬化物を与え、更に、必要に応じて容易
に難燃化できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】本発明は、下記成分AとBとからなること
を特徴とする硬化性樹脂組成物である。 成分A:数平均分子量が 500〜20,000である共役ジエン
系重合体(成分a)と、下記一般式〔1〕で示されるN
−置換マレイミド(成分b)とを付加反応させて得られ
る変性共役ジエン系樹脂。
【0010】
【化3】 (ここに、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表す) 成分B:熱硬化性樹脂。 また、該硬化性樹脂組成物を用いてなるプリプレグ、積
層板及び成形材料である。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0011】本発明において、成分A:変性共役ジエン
系樹脂の製造に用いられる成分a:共役ジエン系重合体
としては、共役ジエン類、例えば1,3−ブタジエン、
イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジ
エン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,
3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン
等の一種又は二種以上を公知のイオン重合法やラジカル
重合法等で重合させた数平均分子量が 500〜20,000のも
のが用いられる。また、これらの共役ジエン類とビニル
モノマー類、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
p−tert−ブトキシスチレン、1,1−ジフェニル
エチレン等のビニル芳香族化合物類;(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アク
リル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト等の分子内に水酸基を有する(メタ)アクリレート
類;グリシジルメタクリレート等の分子内にグリシジル
基を有する(メタ)アクリレート類;アクリロニトリル
等の一種または二種以上との共重合体も使用することが
できる。なお、共役ジエン単位のミクロ構造には特に制
限はなく、また、前記共役ジエン系重合体のエポキシ化
物、マレイン化物、共役ジエン単位の一部が水素添加さ
れた部分水添共役ジエン系重合体等の二次変性体も使用
することができる。
【0012】市販品としては、日本曹達(株)製のNI
SSO−PB−B−1000,同B−2000,同B−
3000,同G−1000,同G−2000,同G−3
000,同C−1000,同BN−1010,同BF−
1000等、日本ゼオン(株)製のポリオイル110,
同130,同160等、出光アトケム(株)製のPol
ybdR−45HT,同R−45EPT,同R−45E
PI等、日本石油化学(株)製の日石ポリブタジエンB
−1000,同B−2000,同M−1000−20,
同M−2000−80,同E−1000−3.5,同E
−1800−6.5等、BFグッドリッチ社製のハイカ
ーCTB2000×162,同CTBN1300×8,
同CTBN1300×13,同VTBN1300×1
4,同ATBN1300×16等、(株)クラレ製のク
ラプレンLTR−290,同390,同310,同3
0,同50,同403,同410,同503等が例示さ
れる。
【0013】また、成分b:N−置換マレイミドとして
は、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−(1−ナ
フチル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−
(2−フルオレニル)マレイミド、N−1−(4アセト
キシナフチル)マレイミド、N−4−カルボキシフェニ
ルマレイミド、N−4−ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、4−ブロモフェニルマレイミド、2,4−ジブロモ
フェニルマレイミド、2,4,6−トリブロモフェニル
マレイミド等が挙げられ、これらは一種または二種以上
で用いられる。
【0014】本発明の成分Aは、数平均分子量が 500〜
20,000である共役ジエン系重合体(成分a)と、上記一
般式〔1〕で示されるN−置換マレイミド(成分b)と
を付加反応させて得られるものであるが、この反応をよ
り効率良く進行させるために有機過酸化物に代表される
触媒を使用することができる。
【0015】用いることのできる有機過酸化物として
は、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロル過酸化ベンゾイ
ル、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド
等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーベン
ゾエート、t−ブチルパーアセテート、ジ−t−ブチル
パーフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類;メ
チルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;ジ−t−ブ
チルヒドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、α−フェニルエチルヒドロパーオキサイド、シク
ロヘキセニルヒドロパーオキサイド等のハイドロパーオ
キサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン、1,1 −ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケター
ル類などが一種又は二種以上の混合物を例示でき、それ
らの使用量は共役ジエン系重合体に対して0.01〜1
0重量%、好ましくは0.1〜5重量%が適当である。
又、前記有機過酸化物と所謂レドックス系を形成するよ
うな化合物、例えば、ジメチルアニリン等の第3級アミ
ン類、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガンのよう
な有機カルボン酸金属塩類を併用して用いても良い。
【0016】本発明に用いる反応溶媒としては、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂
肪族系溶剤、n−ブタノール、n−アミルアルコール、
n−ヘキサノール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、イソ
ホロン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジメチルエーテル、アニソー
ル等のエーテル系溶剤、メチラール、ジエチルアセター
ル等のアセタール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸−n−ブチル、酢酸−n−アミル等のエステル系溶
剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコ
ール誘導体類、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエ
タン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶
剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、N−メチルモルホリン、ジメチルスルホキ
シド等の一種又は二種以上である。
【0017】本発明に用いる成分Aの変性共役ジエン系
樹脂は、例えば、次の製造方法により得ることができ
る。すなわち、共役ジエン系重合体(成分a)とN−置
換マレイミド(成分b)とを、好ましくは、有機過酸化
物等の反応触媒を用いて、有機溶媒中において、室温〜
200℃、好ましくは50〜150℃の温度下で攪拌し
ながら、1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間反
応を行うことができる。
【0018】反応時の成分aと成分bとの重量比は、1
0/90≦a/b≦95/5が好ましく、過少な場合に
は他の樹脂に対する改質効果が小さく、また、過大な場
合には十分な相溶性が得られず、各々好ましくない。反
応時の樹脂分濃度は、1〜80重量%、好ましくは10
〜50重量%である。80重量%を超えると反応系が著
しく増粘し、時にはゲル化を生じるため好ましくなく、
1重量%未満では生産性に欠ける。
【0019】この反応は、空気又は窒素、アルゴン等の
不活性ガス雰囲気下で行なうことができる。
【0020】また、反応時又は反応終了後、反応系に
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル、p−メトキシキノン、ハイドロキノン、4,4'
チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、N,N' −ジフェニル−p−フェニレンジアミン
等公知の重合防止剤を添加しても良い。
【0021】本発明の成分Bである熱硬化性樹脂として
は、耐熱性の優れた樹脂を用いるのが好ましいが、特に
その種類には制限はない。好ましい熱硬化性樹脂とし
て、例えば、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、下記
一般式〔2〕
【0022】
【化4】 (式中、Aは、p価の芳香族、脂環族又は脂肪族性の有
機基を示し、pは1〜6の整数を表す。) で表されるマ
レイミド化合物、シアン酸エステル類などが挙げられ
る。
【0023】エポキシ樹脂として、2官能以上の多官能
性エポキシ樹脂が好ましく使用される。例えば、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、
ポリグリコール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、
グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エ
ポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
ポリブタジエン変性エポキシ樹脂(特公昭−027093号公
報参照) 等が挙げられ、また、これらの変性体であるウ
レタン変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂等
も用いられ、これらは単独又は混合物で配合することが
できる。
【0024】ポリブタジエン樹脂として、重合体鎖中の
ブタジエン単位の50%以上が1,2−結合からなるブタ
ジエンのホモポリマー、コポリマー及びその誘導体を、
成分Bとして特に制限なく配合することができる。例え
ば、日本曹達 (株) から市販されているNISSO-PB B-100
0 、同B-2000、同B-3000、同G-1000、同G-2000、同G-30
00、同C-1000等、及びそれらの誘導体である TE-2000
(アクリル化変性体) 、GM-1000 (無水マレイン酸半エ
ステル変性体)、GQ-1000(ボイル化変性体) 、TP-1001
(ウレタン化変性体) 、BF-1000(エポキシ化変性体) 、G
I-1000 、GI-3000(水素添加変性体) 、BN-1010(マレイ
ン化変性体) 等が配合使用される。
【0025】前記一般式〔2〕で表されるマレイミド化
合物は、通常無水マレイン酸又はその誘導体類と1個以
上のアミノ基を有するアミン類とを反応させてマレアミ
ド酸を合成し、次いでマレアミド酸を脱水環化させる方
法等による公知の方法で合成される。
【0026】マレイミド化合物として、N−エチルマレ
イミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−o,m又はp−メト
キシフェニルマレイミド、N−2−ニトロフェニルマレ
イミド、N−3,5−ジクロロフェニルマレイミド、N−
o,m又はp−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−
o,m又はp−カルボキシフェニルマレイミド、N−p
−アリルフェニルマレイミド、N−p−フルオロフェニ
ルマレイイミド、N−4−ピリジルマレイミド、N−
(2−メチル−4−ピリジル)マレイミド、N−ペンタ
クロロフェニルマレイミド、N−o,m又はp−アセト
キシフェニルマレイミド、N−p−〔1−メチル−1−
(p'−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルマレイミ
ド、N−2−メチル−4−〔1'−メチル−1'−(3"−メ
チル−4"−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルマレ
イミド、N−ベンジルマレイミド、N−4−キノリルマ
レイミド、N−1(又は2)−ナフチルマレイミド等の
モノマレイミド類;N,N'−エチレンビスマレイミド、N,
N'−o,m又はp−フェニレンビスマレイミド、 N,N'
−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N'−(メチレン−
ジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N'−(オキシ
−ジ−p− フェニレン)ビスマレイミド、
【0027】N,N' −(チオ−ジ−pフェニレン)ビス
マレイミド、N,N'−(スルホニル−ジ−p−フェニレ
ン)ビスマレイミド、N,N'−(スルフィニル−ジ−p−
フェニレン)ビスマレイミド、N,N'−(メチレン−ジ−
1,4−シクロヘキシレン)ビスママレイミド、N,N'−
(イソプロピリデン−ジ−p−フェニレン)ビスマレイ
ミド、N,N'−m−キシリレンビスマレイミド、N,N'−p
−キシリレンビスマレイミド、N,N'−(イミノ−ジ−p
−フェニレン)ビスマレイミド、N,N'−2,4−トリレン
ビスマレイミド、N,N'−(メチレン−ジ−3−クロロ−
p−フェニレン)ビスマレイミドN,N'−(メチレン−ジ
−3−メチル−1,4−フェニレン)ビスマレイミド、N,
N'−(ビニレン−ジ−p−フェニレン)ビスマレイミ
ド、4−メチル−2,4−ビス(p−N−マレイミドフェ
ニル)ペンタン、N,N'−1,4−ナフチレンビスマレイミ
ドN,N'−2,4−ピリジンビスマレイミド、トリス(4−
N−マレイミドフェニル)ホスフェート、トリス(4−
N−マレイミドフェニル)チオホスフェート、2,4,6−
トリス(4'−N−マレイミドフェノキシ)−s−トリア
ジン、5(又は6)−N−マレイミド−1−(4'−N−
マレイミドフェニル)−1,3,3 −トリメチルインダン、
ポリ(フェニレンメチレン)ポリマレイミド、ポリ(シ
クロヘキシレンメチレン)ポリマレミド、2,2−ビス
〔4−(4−マレイミトフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−マレイミトフェノキシ)
フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−〔4−(4−マレイミド−2−トリ
フルオロメチルフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のポリマレイミ
ド類が挙げられ、またこれらのマレイミド化合物のマレ
イミド基中の不飽和炭素に結合した水素原子が、適宜塩
素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、フェニル基等
で置換された化合物も使用することができる。成分Bと
して、これらのマレイミド化合物も1種の単独又は二種
以上の混合物として配合使用される。
【0028】シアン酸エステル類とは、分子中にシアナ
ト基を有する多官能性シアン酸エスステル又はそのプレ
ポリマー単独又はこれら成分を必須成分として含有する
樹脂組成物であり、例えば、シアナト樹脂(特公昭41−
1928号公報、特公昭45−011712号公報、特公昭44−1222
号公報、DE−1,190,184 号明細書等参照) 、シアン酸
エステル−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−マレイ
ミド−エポキシ樹脂(特公昭54−030440号公報、特公昭
52−031279号公報、USP−4,110,364 号明細書等参
照) 、シアン酸エステル−エポキシ樹脂(特公昭46−04
1112号公報等参照) 等で代表されるものである。
【0029】上記の多官能性シアン酸エステルとして、
下記一般式〔3〕 R"'( OCN )q ・・・〔3〕 (ここに、R"' は、芳香族の有機基を示し、q は5以下
の整数である)で表され、シアナト基が芳香環に結合し
ている化合物が好適に使用される。例えば、1,3−又は
1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベン
ゼン、1,3−,1,4−,1,6−,1,8−,2,6−又は2,
7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフ
タレン、4,4'−ジシアナトビフェニル、ビス(4−シア
ナトフェニル)メタン、2,2−ビス (3,5−ジクロロ−
4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス (3,5−
ジブロモ−4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4
−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフ
ェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)
スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイ
ト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート等及
び末端−OH含有ポリカーボネートオリゴマーとハロゲ
ン化シアンとの反応より得られるシアン酸エステル(U
SP−4,026,913 号公報等参照) 、
【0030】ノボラックとハロゲン化シアンとの反応に
より得られるシアン酸エステル(USP-4,022,755号、
USP-3,448,079号公報等参照) 等が挙げられる。また
特公昭41−1928号、特公昭43−18468 号、特公昭44−47
91号、特公昭45−011712号、特公昭46−041112号、特公
昭47−026853号、特開昭51−063149号等の公報、USP
-3,553,244号、USP-3,755,402号、USP-3,740,348
号、USP-3,595,900号、USP-3,694,410号、USP
-4,116,946号明細書等に記載されたシアン酸エステル類
も使用することができる。
【0031】更に、前記シアン酸エステル類を、鉱酸、
ルイス酸、炭酸ナトリウム又は塩化リチウム等の塩類、
トリブチルホスフィン等のリン酸エステル類などの触媒
の存在下又は不存在下に重合させて得られるプレポリマ
ーも使用できる。これらのプレポリマーは、前記シアン
酸エステル中のシアン基が3量化することにより形成さ
れるsym−トリアジン環を、一般に分子中に有してい
る。
【0032】前記多官能性シアン酸エステルは、またア
ミンとのプレポリマーの形でも使用される。好適なアミ
ンとして、例えばm−又はp−フェニレンジアミン、m
−又はp−キシリレンジアミン、1,4−又は1,3−シク
ロヘキサンジアミン、ヘキサヒドロキシリレンジアミ
ン、4,4'−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)エーテ
ル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−
アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミ
ノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミ
ノフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミノ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3
−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ
−3−クロロフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ア
ミノフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−アミ
ノフェニル)−1−フェニルエタン等が挙げられる。
【0033】前記多官能性シアン酸エステル、そのプレ
ポリマー及びアミンとのプレポリマーは混合物の形でも
使用でき、単独及び混合物の数平均分子量 300〜6,000
、好ましくは 1,500以下、更に好ましくは 300〜1,000
の範囲で使用される。シアン酸エステル−マレイミド
樹脂、シアン酸エステル−マレイミド−エポキシ樹脂等
で代表されるシアン酸エステル系樹脂組成物の成分とし
て使用されるマレイミドとして、前記一般式〔3〕で表
されるマレイミド化合物が好適に用いられる。
【0034】本発明の硬化性樹脂組成物は、前記成分A
の変性共役ジエン系樹脂と成分Bの熱硬化性樹脂とを混
合、若しくは予備反応させることにより調製する。調製
方法として、(イ)無溶剤で室温又は加温下に単純に混
合する方法、(ロ)無溶剤で加熱し予備反応させる方
法、(ハ)単独又は二種以上の混合溶媒に溶解し溶液と
して混合する方法、(ニ)溶媒中において混合、予備反
応させる方法、(ホ)溶媒中において予備反応させたも
のを混合する方法等を採用することができる。
【0035】成分Aと成分Bとの組成比は、使用目的等
により特に限定されないが、通常、重量比で90/10
≧A/B≧5/95、好ましくは80/20≧A/B≧
10/90の範囲である。
【0036】本発明の硬化性樹脂組成物は、組合せによ
ってはそのままでも硬化するが、硬化反応の促進剤とし
て前記成分Bの硬化触媒として公知の化合物を使用する
ことができる。これらの硬化触媒として、エポキシ樹脂
用硬化剤、有機金属塩類、有機過酸化物等が例示され
る。
【0037】エポキシ樹脂用硬化剤として、例えばベン
ジルジメチルアミン等の第3級アミン類、2−エチルイ
ミダゾール等のイミダゾール類、塩化コリン等の第4級
アンモニウム塩類、トリエチレンジアミン、トリエチレ
ンテトラミン等の脂肪族ポリアミン類、ジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポ
リアミン類、N−アミノエチルピペラジン、メンタンジ
アミン等の脂環族ポリアミン類、無水フタル酸、4−メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸等の酸無水物類、ジシアンジアミド、フェノールノ
ボラック樹脂、アニリン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリ
−p−ビニルフェノール、臭素化ポリ−p−ビニルフェ
ノール、ポリアミド樹脂、トリフェニルホスフィン等公
知のものが挙げられ、これらは一種の単独又は二種以上
が併用される。
【0038】有機金属塩類として、ナフテン酸亜鉛、ス
テアリン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、オレイ
ン酸錫、オクチル酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン
酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン
鉄、アセチルアセトンマンガン等が挙げられ、これらも
一種の単独又は二種以上が併用される。有機過酸化物と
して、前記変性共役ジエン系樹脂の製造時に例示したも
有機過酸化物の一種の単独又は二種以上が併用される。
【0039】本発明の硬化性樹脂組成物には、その特性
を損なわない範囲で前記以外の成分を添加、配合する事
が出来る。これらの配合成分として、前記共役ジエン系
樹脂の合成に用いた共役ジエン系重合体、前記例示した
以外の熱硬化性樹脂、ビニルモノマー、熱可塑性樹脂、
ポリアリル化合物、溶剤、カップリング剤、充填剤、難
燃剤、可塑剤、光重合開始剤、重合防止剤、分子量10
00以上のオルガノポリシロキサン類、顔料等が挙げら
れる。
【0040】熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタンアクリレート
樹脂等を配合することもがきる。ビニルモノマーとし
て、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニルモノ
マー類;アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート等の(メタ)ア
クリル酸エステル類;ジメチルフマレート等のフタル酸
エステル類;ジメチルマレート等のマレイン酸エステル
類;ジアリルフタレート等のアリル化合物類;トリアリ
ルイソシアヌレートなどのラジカル重合性モノマーが使
用される。
【0041】熱可塑性樹脂として、芳香族又は脂肪族系
の石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹
脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等を配合することができ
る。ポリアリル化合物として、一分子中に少なくとも2
個以上のアリル基を有するものであれば特に制限はない
が、例えばトリアリルイソシアヌレート、 o,o´−ジア
リルビスフェノールA、 o,o´−ジアリルビスフェノー
ルF、1,1,1,3,3, 3−ヘキサフルオロ-2,2- ビス(p- ヒ
ドロキシ-o- アリルフェニル) プロパン等のビスフェノ
ール類のジアリル化合物; アリル化フェノールノボラッ
ク、1,1,3-トリス-(4-ヒドロキシフェニル) プロパンの
アリル化物、1,1,2,2-テトラ(4- ヒドロキシフェニル)
エタンのアリル化物 ; α, α, α´, α´−テトラ(4
−ヒドロキシフェニル)-p-キシレンのアリル化物及びフ
ェノール類とヒドロキシベンズアルデヒドとの脱水縮合
物のアリル化物等の1種又は2種以上の混合物を使用す
ることができる。
【0042】溶剤として、前記変性共役ジエン系樹脂の
製造時に例示した溶媒の一種又は二種以上の混合物を使
用することができる。カップリング剤として、一般式 X
SiY3(式中、Xはビニル基、メタクリロキシプロピル
基、アミノアルキル基、メルカプトアルキル基、エポキ
シアルキル基等の非加水分解型の有機基、Yはハロゲ
ン、アルコキシ基等の加水分解型の有機基を示す)で表
されるシラン化合物、例えば、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、α−アミノプロピルトリエトキ
シシラン等のシランカップリング剤、前記一般式中のSi
をTiに置き換えたチタンカップリング剤を使用できる。
【0043】充填剤として、溶融シリカ、結晶シリカ等
のシリカ粉末、アルミナ、酸化マグネシウム(マグネシ
ア)、ウォラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム、タ
ルク、ガラス等の無機質充填剤が好適に配合される。こ
れらの充填剤は、粉末状、粒子状、フレーク状又は繊維
状の充填剤としてそのままで、もしくは前記カップリン
グ剤で表面処理したものを使用する事が出来る。さら
に、テトロン、ビニロン、芳香族ポリアミド等有機質繊
維をチョップドストランドとしたものも用いることがで
きる。
【0044】難燃剤として、公知の無機系又は有機系の
難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、
パークロロペンタシクロデカン、テトラブロモビスフェ
ノールA、ペンタブロモフェノールメタクリレート、ハ
ロゲン化エポキシ樹脂、4−ブロモフェニルマレイミ
ド、2,4−ジブロモフェニルマレイミド、2,4,6
−トリブロモフェニルマレイミド及びこれらのブロモフ
ェニルマレイミド類のオリゴマー等を使用することがで
きる。
【0045】可塑剤として、例えばジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類;ト
リクレジルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェ
ート等のリン酸エステル類;ジブチルセバケート、ジオ
クチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート
等の二塩基酸エステル類などが使用される。
【0046】光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、2−エ
チルアントラキノン等の光ラジカル重合開始剤が使用で
きる。
【0047】重合防止剤として、4,4'−チオビス(6−
t−ブチル−3−メチルフェノール)、3,5−ジ−t−
ブチルヒドロキシトルエン、2,2'−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデ
ンビス(6−t−ブチル−3−クレゾール)等のアルキ
ルフェノール類;フェニル−C−ナフチルアミン、N,N'
−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のアリ
ルアミン類;p−t−ブチルカテコール等のカテコール
類;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル等のハイドロキノン類などが使用される。
【0048】オルガノポリシロキサンとしては、ジメチ
ルシロキサン単位を基本繰り返し単位とし、この分子中
の末端及び/又は側鎖にカルボキシル基、水酸基、アミ
ノ基、エステル基、メルカプト基、エポキシ基、ポリオ
キシアルキレン基、ビニル基、(メタ)アクリル基から
選択された少なくとも一種の官能基を有し、かつ数平均
分子量が1,000以上のものであり、さらに繰り返し
単位中のメチル基の一部が炭素数2〜20のアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基で
置換された構造であってもよい。市販品としては、カル
ボキシル基を有するものとしてSF−8418、BY−
16−750(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製)、XF42−411(東芝シリコーン(株)
製)、水酸基を有するものとしてSF−8427、SF
−8428、SH−3771、BX16−190、BY
16−752(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製)、XF42−220、XF42−414(以
上東芝シリコーン(株)製)、アミノ基を有するものと
してSF−8417、BX16−859、BY16−8
53(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製)、TSF4700、TSF4701、TSF470
2(以上東芝シリコーン(株)製)、エステル基を有す
るものとして、SF−8422(東レ・ダウコーニング
・シリコーン(株)製)、メルカプト基を有するものと
してBX16−838A(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製)、エポキシ基を有するものとしてSF
8411、SF8413、BY16−861、BY16
−855(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製)、TSF−4730、YF3965(以上東
芝シリコーン(株)製)、ポリオキシアルキレン基を有
するものとしてSH3749、SH8400、SF84
19(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製)、TSF4440、TSF4445、TSF445
0(以上東芝シリコーン(株)製)、エポキシ基とポリ
オキシアルキレン基とを有するものとしてSF8421
EG、BY16−845、BX16−866(以上東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、ビニル基を
有するものとしてBX16−867(東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製)、(メタ)アクリル基を有
するものとしてBX16−192(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製)等が例示され、これらは単
独、又は二種以上の混合物として使用される。
【0049】以上述べたように、第1の発明の硬化性樹
脂組成物は、成分Aの変性共役ジエン系樹脂と成分Bの
熱硬化性樹脂とからなり、所望により硬化触媒、各種添
加剤類を配合したものである。
【0050】第2の発明にかかるプリプレグは、第1の
発明にかかる硬化性樹脂組成物を、適当な溶剤に溶解し
て含浸ワニスを調製し、このワニスを繊維質基材に含浸
又は塗布し、必要に応じて風乾した後、通常60〜18
0℃で乾燥する事により不粘着性のプリプレグが得られ
る。この時の乾燥温度〜乾燥時間は、主として、硬化性
樹脂組成物の調製に用いた溶剤〜硬化触媒の種類に依存
する。
【0051】繊維質基材としては、一般に積層材料に用
いられるものは殆ど全て使用可能である。無機繊維とし
ては、SiO2 、Al2 3 等からなるEガラス、Cガ
ラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス及び石英からなる
Qガラス等の各種ガラス繊維、カーボン繊維、アスベス
ト繊維等、また、有機質繊維としては、ポリエステル
繊、ポリアクリル繊維、芳香族ポリアミド繊維等が挙げ
られ、これらの繊維の種々の織成による織布、不織布、
マツト、ペーパー及びこれらを組合せた基材などが使用
される。なお、これらの繊維質基材は、カップリング剤
により表面処理したものを用いるのが好ましい。
【0052】第3の発明にかかる積層板は、第2の発明
にかかるプリプレグを必要枚数用い、更に必要に応じて
電解銅箔等の金属箔を重ねた構成として、通常、圧力1
〜100kg/cm2 、温度100〜300℃の条件下
で一定時間加圧、加熱して成形する事により、機械的強
度、耐熱性、電気特性、耐湿性等に優れ、また、金属箔
との接着性にも優れた積層板が得られる。
【0053】第4の発明にかかる成形材料は、第1の発
明にかかる硬化性樹脂組成物に、少なくとも前記した無
機質充填剤の一種又は二種以上を配合し、ロール、ニー
ダー等通常成形材料を製造するのに用いられる装置を使
用して室温〜150℃で溶融混練し、冷却固化した後、
粉砕することにより得られる。この成形材料は、通常、
圧力0.1〜1,000kg/cm2 、温度100〜3
00℃で一定時間加圧、加熱して成形する事により、機
械的強度、耐熱性、電気特性、耐湿性、耐熱衝撃性等に
優れた成形体を得ることができる。
【0054】
【作用】本発明の硬化性樹脂組成物は、前記したように
共役ジエン系重合体とN−置換マレイミドとを特定の条
件下で反応させた変性共役ジエン系樹脂と、熱硬化性樹
脂とを含有する事を特徴とする。本発明の成分Aの変性
共役ジエン系樹脂は、Sp値(ソルビィリィティパラメ
ータ)が8前後の共役ジエン系重合体と、12前後のN
−置換マレイミドとから構成されるため、その反応比率
を選択することにより、ポリブタジエン樹脂のような無
極性ポリマーからエポキシ樹脂やポリイミド樹脂のよう
な極性の強いポリマーまで任意に相溶させることが可能
となり、従って、従来にない新規な硬化性樹脂組成物の
調製が可能となる。
【0055】また、このような構造を有するポリマーを
他の熱硬化性樹脂に配合した時、その硬化物中にはミク
ロ相分離構造が発現し、その結果、強靱性が著しく向上
するばかりでなく、更に構成単位である共役ジエン系重
合体や熱硬化性樹脂が本来有する優れた電気特性、熱的
特性、耐湿性〜耐水性、接着性、耐熱衝撃性等を併せ持
つ硬化物を得ることが可能となる。
【0056】その結果、本発明の硬化性樹脂組成物は、
注型用、成形用、積層用、含浸用、接着用、塗料用等の
各種態様の樹脂組成物として調製でき、特に、この硬化
性樹脂組成物を高速演算回路や高周波回路用等に用いら
れるプリント配線板の含浸樹脂として用いた時、また、
半導体封止剤等の成形材料として用いた時、機械的強
度、電気特性、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃性等に高度に
バランスのとれた性能を有する硬化物が得られる。
【0057】
【実施例】本発明を、実施例及び比較例により、更に具
体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、これらの実
施例により何等制限を受けるものではない。なお、以下
の例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限
り重量基準である。
【0058】<変性共役ジエン系樹脂の合成> (a)試料A−1 1,4−ポリブタジエン,polybdR−45HT
(数平均分子量(以下、Mnと記す)=2800、1,
4結合含有率=80%、水酸基価=46.6、出光アト
ケム(株)製)50g、N−フェニルマレイミド25
g、シクロヘキサノン425g、反応触媒としてクメン
ハイドロパーオキサイド0.5gを反応容器に仕込み、
窒素雰囲気下、攪拌しながら140℃で2時間反応させ
た。反応液をガスクロマトグラフィー(以下、GCと記
す)により分析した結果、未反応のN−フェニルマレイ
ミドは1%以下であり、反応が完結していることが確認
された。ついで、反応液を大量のメタノール中に投入し
てポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間
乾燥し、白色粉末状のポリマー72g(試料A−1)を
得た。得られたポリマーについて、GPC(図1)、赤
外吸収スペクトル(図2)、1H-NMR( 図3) を測定し
た。
【0059】赤外線吸収スペクトル(図2) 3075cm-1(-CH=CH2 )、3010cm-1(-CH=CH
- )、2925cm-1、2850cm-1(-C-CH2-C-
)、1770cm-1(イミド環)、1710cm-1(-
CO )、1640cm-1(-CH=CH2 )、1600c
-1、1500cm-1(ベンゼン環)、1180cm-1
(イミド環)、910cm-1、990cm-1(-CH=C
H2 )、965cm-1(-CH=CH- )、750cm-1、6
90cm -1、690cm-1(ベンゼン環)
【0060】 1H-NMR(図3) 7〜7.5ppm(N−フェニルマレイミド:ベンゼン
環)、4.8〜5.8ppm(ブタジエン:-CH=CH- 、
-CH=CH2 )、1〜2.4ppm(ブタジエン:-CH 、-C
H2
【0061】図1に示したように、polybdR−4
5HTと得られたポリマーとのGPC溶出曲線を比較す
ると、RIサイド(示差屈折計)で後者のピークは前者
より高分子量側に移行してい、一方、UVサイド(紫外
線吸収計)では前者に見られないピークが後者において
そのRIに対応する位置に出現してい、また、後者のR
IとUVのピークはほぼ相似型を示している。
【0062】図2及び図3に示したように、得られたポ
リマーはいずれのスペクトルにおいてもポリブタジエン
とN−フェニルマレイミドの特徴的な吸収が観察され
る。前記1H-NMRの帰属には記さなかったが、0.5pp
mから2.6ppmにかけて飽和イミド環の-CH2に基ず
くブロードなシグナルが、また、2.6ppmから4.
5ppmにかけて飽和イミド環の-CH に基づくブロード
なシグナルが見られ、それらの面積はほぼ同一である。
また、図4に13C NMR の0〜70ppm付近の拡大図を
示した。20ppmから37ppmにかけて飽和イミド
環の-CH2に基づくブロードなシグナルが、また、37p
pmから52ppmにかけて飽和イミド環の-CH に基づ
くブロードなシグナルが見られ、やはり、それらの面積
はほぼ同一である。以上のことから、得られたポリマー
は目的とする変性共役ジエン系樹脂であることが確認さ
れた。
【0063】(b)試料A−2 1,2−ポリブタジエン,NISSO−PB−B−10
00(Mn=1200、1,2−結合含有率=90%、
日本曹達(株)製)50g、N−フェニルマレイミド5
0g、シクロヘキサノン560g、反応触媒として1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン1gを反応容器に仕込み、窒素雰囲
気下、攪拌しながら130℃で3時間反応させた。反応
液をGCにより分析した結果、未反応のN−フェニルマ
レイミドは1%以下であり、反応が完結していることが
確認された。ついで、反応液を実施例1におけると同様
に後処理を行い、白色粉末状のポリマー94.5g(試
料A−2)を得た。得られたポリマーについて、GP
C、赤外線吸収スペクトル、1H-NMRを測定した所、目的
とする変性共役ジエン系樹脂であることが確認された。
【0064】(c)試料A−3 1,4−ポリブタジエン,ポリオイル110(Mn=1
600、1,4−結合含有率=99%、日本ゼオン
(株)製)80g、p−カルボキシフェニルマレイミド
20g、1−メトキシ−2−プロパノール250g、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン1gを反応容器に仕込み、窒素
雰囲気下、攪拌しながら118℃で3時間反応させた。
反応液をGCにより分析した結果、未反応のp−カルボ
キシフェニルマレイミドは1%以下であり、反応が完結
していることが確認された。ついで、反応液から減圧下
に溶媒を留去して黄色エラストマー状のポリマー99g
(試料A−3)を得た。得られたポリマーの酸価は5
0.8であり、これは計算値とほぼ一致した。また、G
PC、赤外線吸収スペクトル、1H-NMRを測定したとこ
ろ、目的とする変性共役ジエン系樹脂であることが確認
された。
【0065】(d)試料A−4 1,2−ポリブタジエン,G−1000(Mn=148
0、1,2−結合含有率=91%、水酸基価=64.
5、日本曹達(株)製)50g、2,4,6−トリブロ
モフェニルマレイミド50g、シクロヘキサノン400
g、シクロヘキサノンパーオキサイド1gを反応容器に
仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら130℃で1時間
反応させ、さらにシクロヘキサノンパーオキサイドを
0.5g追加して1時間反応を継続した。反応液をGC
により分析した結果、未反応の2,4,6−トリブロモ
フェニルマレイミドは1%以下であり、反応が完結して
いることが確認された。ついで、反応液を実施例1と同
様に後処理を行い、白色粉末状のポリマー98.5g
(試料A−4)を得た。得られたポリマーについて元素
分析を行った結果、臭素含有量は28.8%であり、こ
れは計算値とほぼ一致した。また、GPC、赤外線吸収
スペクトル、1H-NMRを測定した所、目的とする変性共役
ジエン系樹脂であることが確認された。
【0066】(e)試料A−5 polybd−R45HT(前出)30g、2,4,6
−トリブロモフェニルマレイミド60g、メチルエチル
ケトン210g、ラウロイルパーオキサイド1gを反応
容器に仕込み、空気雰囲気下、攪拌しながら80℃で2
時間反応させ、さらにラウロイルパーオキサイド1gを
追加して1時間反応を継続した。反応液をGCにより分
析した結果、未反応の2,4,6−トリブロモフェニル
マレイミドは1%以下であり、反応が完結していること
が確認された。ついで、反応液を実施例1と同様に後処
理を行い、白色粉末状のポリマー85.5g(試料A−
5)を得た。得られたポリマーについて元素分析を行っ
た結果、臭素含有量は38.3%であり、これは計算値
とほぼ一致した。また、GPC、赤外線吸収スペクト
ル、1H-NMRを測定したところ、目的とする変性共役ジエ
ン系樹脂であることが確認された。
【0067】
【実施例】
実施例1〜6,比較例1〜4 −硬化性樹脂組成物(注型樹脂)− 試料C−1〜C−6,比較試料CC−1〜CC−4 成分A:前記で合成した変性共役ジエン系樹脂(試料A
−2,A−3) 成分B:下記熱硬化性樹脂 EP−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名Y
D−128、エポキシ当量=190、東都化成(株)
製) TE :アクリル変性ポリブタジエン樹脂(商品名N
ISSO TE−2000、日本曹達(株)製) その他成分:下記ビニルモノマー St:スチレン 下記共重合ジエン系重合体 CTBN:ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(商
品名ハイカーCTBN1300X13、BFグッドリッ
チ社製) BD :polybdR−45HT(前出) 下記硬化剤 MHP:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 BDA:ベンジルジメチルアミン DCP:ジクミルパーオキサイド 前記成分A、成分B及びその他成分を適宜配合し、加温
下に混合溶解して注型用樹脂組成物:試料C−1〜C−
6を調製した。また、前記成分Bの熱硬化性樹脂にその
他成分を適宜配合し、加温下に混合溶解して比較用の樹
脂組成物:試料CC−1〜CC−4を調製した。調製し
た注型用の樹脂組成物:C−1〜C−6及びCC−1〜
CC−4を、100℃において5時間、更に200℃に
おいて5時間保持して硬化とした。
【0068】得られた硬化物について、下記の特性を測
定した。 硬化収縮率(Vs): Vs=(固体比重−液体比重)×100/(固体比重)
(%) ガラス転移点(Tg):動的粘弾性測定による(℃) 誘電率(ε)および誘電正接(tanδ):1MH
z,25℃において測定 耐熱衝撃性(HC):100mlポリカップ中に、3
0gの注型用樹脂組成物を用いて外径40mmΦのCワ
ッシャーを埋め込み、前期条件で硬化後、下記の温度条
件に順次設定して耐熱衝撃性(クラック発生温度)を測
定した。 120℃,−10℃,120℃,−20℃,120℃,
−30℃,120℃,−40℃,120℃,−50℃,
120℃,−60℃ なお、各温度での保持時間は、90分とした。 剪断接着強度(Ss):JIS K−6850に準拠
し、25℃において鋼板−鋼板の引っ張り剪断強度を測
定(kg/cm2 )した。
【0069】各試料の配合組成を表1に、諸試験の結果
を表2に示す。表2に示すよう、本発明の硬化性樹脂組
成物を用いた注型樹脂は、相溶性が良く、硬化収縮率が
小さく、かつ電気特性、機械的強度、耐熱衝撃性等が優
れており、性能バランスが良くとれている。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】実施例7〜12,比較例5〜7 −硬化性樹脂組成物(含浸ワニス)、プリプレグ、積層
板− 試料W−1〜6,比較試料CW−1〜3 (a)含浸ワニスの調製 成分A:前記合成した変性共役ジエン系樹脂(試料A−
1、A−4、A−5) 成分B:下記熱硬化性樹脂 EP−2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品
名YDCN−704、エポキシ当量=210、東都化成
(株)製) M20 :ポリフェニレンメチレンビスマレイミド(商
品名BMI−M−20、三井東圧化学(株)製) MB :2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル)プロパン(商品名MB−8000、三菱油
化(株)製) SGM :ブタジエン−α−メチルスチレン共重合体
(商品名PBSG−2050、Mn=2000、水酸基
価=50.5、日本曹達(株)製)の無水マレイン酸半
エステル化物 BT :シアン酸エステル樹脂(商品名BT−217
0、三菱ガス化学(株)製) その他成分:下記難燃剤 TB :2,4,6−トリブロモフェニルマレイミド 下記硬化剤 DCP:前出 2UI:2−ウンデシルイミダゾール(商品名C11Z、
四国ファインケミカル(株)製)
【0073】前記成分A、B及びその他成分を適宜配合
し、メチルエチルケトンに加温溶解して樹脂分50%の
含浸ワニス:試料W−1〜W−6を調製した。また、前
記成分Bの熱硬化性樹脂にその他成分を適宜配合して、
加温下に混合溶解して比較用の含浸ワニス:CW−1〜
CW−3を調製した。調製した各試料の配合組成を表3
に示す。
【0074】
【表3】
【0075】(b)プリプレグ、積層板の作製及び評価 前記(a)項で調製した含浸ワニス試料:W−1〜W−
6及びCW−1〜CW−3のそれぞれを、厚さ0.1m
mのDガラス繊維に含浸し、140℃で10分加熱乾燥
してプリプレグを作製した。得られたプリプレグを14
枚重ね、更に両面に厚さ35μmの電解銅箔を重ね、圧
力を20kg/cm2 として、160℃で1時間、更に
230℃で3時間加圧成形して銅張積層板を作製した。
【0076】前記作製したプリプレグ及び銅張積層板に
ついて、下記の特性を測定した。 プリプレグの粘着性: 指触で判定。 ○:粘着性無し ×:粘着性有り 誘電率(ε)及び誘電正接(tanδ):1MHz、
25℃で測定した。 銅箔接着性(σs):25℃で測定(kg/cm2 ) 半田耐熱性(SR):300℃の半田浴に120秒間
浸漬した結果で示す。 ○:異常無し ×:ふくれ発生 吸水率(Wa):沸騰水中2時間保持(%)した。 熱膨張係数(α):Z方向についてTMA法にて、室
温〜300℃まで測定(ppm/℃)した。
【0077】測定結果を、表4に示す。表4に示すよ
う、本発明の硬化性樹脂組成物からなる含浸ワニスを用
いたプリプレグは、不粘着性で作業性が良好である。ま
た、積層板は、低誘電率であるばかりでなく、銅箔接着
性、耐水性、熱的特性等が優れており、性能バランスが
良くとれている。
【0078】
【表4】
【0079】実施例13〜18,比較例8〜10 −硬化性樹脂組成物(成形材料)− 試料M−1〜M−6,比較試料CM−1〜CM−3 成分A:前記で合成した変性共役ジエン系樹脂(試料A
−1、A−4、A−5)成分B:下記熱硬化性樹脂 EP−2:前出 M20 :前出 MB :前出 SGM :前出 その他成分:下記難燃剤 TB :前出 BR :難燃性エポキシ樹脂(商品名BREN、日本化
薬(株)製) 下記共役ジエン系重合体 BD :前出 下記硬化剤 DCP:前出 PN :フェノールノボラック樹脂(商品名PN−8
0、日本化薬(株)製) DMP:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)
フェノール
【0080】前記成分A、B及びその他成分を適宜配合
し、更に溶融シリカ粉末(SiO2)、三酸化アンチモン(Sb2
O3) 、シランカップリング剤(KBM) 、カルナウバワック
ス(Wax) を加えて、80〜100℃の熱ロールで10分
間溶融混合した後、冷却粉砕した成形用樹脂組成物:M
−1〜M−6を調製した。また、前記成分Bの熱硬化性
樹脂にその他成分を適宜配合し、前記と同様に各種添加
剤を加えて、溶融混合、冷却粉砕して比較用の成型用樹
脂組成物:CM−1〜CM−3を調製した。調製した各
試料の配合組成を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】これらの樹脂組成物を用いて、トランスフ
ァー成形(180℃×70kg/cm2 ×3分)により
物性試験用の試験片及び模擬素子を封止した44pin
QFPを得た後、220℃で5時間後硬化した。
【0083】得られた成形品について下記の特性を測定
した。 ガラス転移点、誘電率、誘電正接は、いずれも前記注
型用樹脂組成物におけると同様の試験法にて測定した。 曲げ強度(Fs)、曲げ弾性率(Fm) :JIS−K−67
05に準拠した。以下の試験は、44pinQFPにつ
いて行った。 半田耐熱性(SHR) :85℃×85%RH×72hr処
理後、260℃の半田浴に10秒間浸漬した時のクラック
発生数で判定した。表中に、成形品20個中でクラック
の発生した個数を示す。 耐湿性(HR):85℃×85%RH×72hr処理
後、240℃の半田浴に10秒間浸漬、次いでプレッシ
ャークッカー試験(125℃×100%RH)を行い、
回路不良発生を測定した。 300hr以上不良発生せず ○ 200hr以下で不良発生 × 難燃性(UL):UL−94
【0084】測定結果を、表6に示す。表6に示すよう
に、本発明の硬化性樹脂組成物を用いた成形材料は、機
械的強度、電気特性、熱的特性、耐湿性、耐え熱衝撃性
等のバランスが良くとれている。
【0085】
【表6】
【0086】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、基本的
に、共役ジエン系重合体とN−置換マレイミドとから構
成される特定の変性共役ジエン系樹脂と、熱硬化性樹脂
とからなることを特徴とする。実施例からも明らかなよ
うに、本発明の硬化性樹脂組成物は、溶解性、相溶性に
優れ、硬化収縮率が小さく、かつ、その硬化物は機械的
強度、電気特性、熱的特性、耐熱衝撃性等に優れている
為、注型材料、成形材料、積層板用含浸ワニス、コイル
含浸ワニス、塗料、接着剤等の広範な用途に使用するこ
とができる。
【0087】特に、本発明の一態様である含浸ワニスを
用いたプリプレグは作業性が良好であり、それを用いて
製造した積層板は金属箔との接着性に優れ、かつ優れた
誘電特性、熱的特性、耐水性、難燃性等を有している事
から、低誘電率を要求される高速演算回路や高周波回路
等に用いられるプリント配線板の基板材料として極めて
有用であり、また、別の態様である成形材料は、機械的
強度、電気特性、熱的特性、耐湿性、耐熱衝撃性等のバ
ランスが良くとれており、特に半導体封止剤用として好
適なものである。
【0088】本発明は、従来多様な分野で使用されてい
る耐熱性に優れた熱硬化性樹脂本来の特徴と、共役ジエ
ン系重合体本来の特徴とを併せ持つ新規な硬化性樹脂組
成物、及びそれを用いたプリプレグ、積層板、成形材料
を提供するものであり、その電気電子材料分野を始めと
する産業上の意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂のG
PC溶出曲線の図である。
【図2】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂の赤
外吸収スペクトルの図である。
【図3】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂の 1
H−NMRスペクトル図である。
【図4】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂の
13 C−NMRスペクトル図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分AとBとからなることを特徴とす
    る硬化性樹脂組成物。 成分A:数平均分子量が500〜20,000である共
    役ジエン系重合体(成分a)と、下記一般式〔1〕で示
    されるN−置換マレイミド(成分b)とを付加反応させ
    て得られる変性共役ジエン系樹脂。 【化1】 (ここに、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表
    す。) 成分B:熱硬化性樹脂
  2. 【請求項2】下記成分AとBとからなることを特徴とす
    る硬化性樹脂組成物。 成分A:数平均分子量が500〜20,000である共
    役ジエン系重合体(成分a)と、下記一般式〔1〕で示
    されるN−置換マレイミド(成分b)とを有機過酸化物
    存在下にて反応させて得られる変性共役ジエン系樹脂。 【化2】 (ここに、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表
    す。) 成分B:熱硬化性樹脂
  3. 【請求項3】成分Aの変性共役ジエン系樹脂が共役ジエ
    ン系重合体(成分a)とN−置換マレイミド(成分b)
    との重量比を、10/90≦A/B≦95/5として反
    応させてなる請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】成分Aの変性共役ジエン系樹脂が共役ジエ
    ン系重合体(成分a)とN−置換マレイミド(成分b)
    との総樹脂分濃度を、1〜80重量%として溶媒中で反
    応させてなる請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】成分Bの熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、
    ポリブタジエン樹脂、マレイミド化合物及びシアン酸エ
    ステルよりなる群から選択された少なくとも一種である
    請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5に記載の硬化性樹脂組成物を
    繊維質基材に含浸させ、乾燥してなるプリプレグ。
  7. 【請求項7】請求項1〜5に記載の硬化性樹脂組成物を
    繊維質基材に含浸させ、乾燥して得られるプリプレグを
    積層、成形してなる積層板。
  8. 【請求項8】請求項1〜5に記載の硬化性樹脂組成物に
    無機質充填剤を配合してなる成形材料。
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