JPH06192308A - 凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造方法 - Google Patents

凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造方法

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JPH06192308A
JPH06192308A JP34484892A JP34484892A JPH06192308A JP H06192308 A JPH06192308 A JP H06192308A JP 34484892 A JP34484892 A JP 34484892A JP 34484892 A JP34484892 A JP 34484892A JP H06192308 A JPH06192308 A JP H06192308A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】種粒子および20℃における水との界面張力が
48dyne/cm以上である有機溶剤の存在下に、ブ
タジエンを1〜50重量%含有するビニル単量体を乳化
重合することを特徴とする凹部を有する偏平状エマルシ
ョン粒子の製造方法。 【効果】本発明による凹部を有する偏平状エマルション
粒子は紙被覆用途に用いた場合、光沢、平滑性、強度等
の物性を満足するとともに、耐ブロッキング性に優れた
有機顔料として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗工紙、情報記録紙、
塗料等に用いられるコーティング剤の添加剤として有用
な凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】近年、コーティング剤の添加剤として種々
の粒子状高分子体が検討されている。最も一般的に使用
されているものは、粒子径が0.2〜0.5μの均一な
密実型のポリスチレン粒子である。例えば特開昭59−
59741号公報には、アニオン性界面活性剤および/
又はノニオン性界面活性剤の存在下に不飽和カルボン酸
およびビニル単量体を共重合させ、粒子の90%以上が
0.2〜0.28μの共重合体エマルションを製造し、
紙被覆又は塗料等の用途に使用する例が示されている。
【0003】しかしながら、このような方法による有機
顔料では、充分な隠蔽性、白色度および光沢が得られ
ず、多量に用いなければ実用上の利点が認められない。
近年、更に隠蔽性、白色度および光沢を向上させる目的
から、上記の様な均一、密実型から小孔を有する有機材
料が提案されている(米国特許第3152280号)。
即ち、芯物質として不飽和カルボン酸を少なくとも5%
共重合させたポリマー分散液に鞘ポリマーを形成するモ
ノエチレン的不飽和鞘単量体を少なくとも1種類を添加
し、乳化重合したエマルションを水性揮発性塩基にて芯
ポリマーを中和膨潤することによって微小空隙を形成す
る水性分散液の製造方法である。本方法による、有機顔
料を塗料又は紙被覆用組成物に用いた場合、均一、蜜実
型の有機材料よりは隠蔽性、白色度および光沢が改良さ
れるものの、使用方法により、小孔が損なわれるという
欠点がある。小孔が損なわれる原因としては、凍結によ
る破壊、塗料配合に用いられるある種の溶剤による破
壊、或いは加熱による破壊等で、配合上、或いは使用上
限定された形でしか使用できない。
【0004】一方、有機顔料としての偏平状粒子では、
重合体を機械的に加熱圧縮することにより製造したポリ
エチレン偏平状粒子(粉体と工業(9)1986p3
3)等が従来知られているが、1μ以上で大きさのばら
ついたものしか得られず、用途に見合った粒子を効率よ
く正確に製造することは困難である。このような問題を
解決する方法として、凹部を有する偏平状エマルション
粒子およびその製造方法が特開平2−14222号公報
に開示されている。この様な凹部を有する偏平状エマル
ション粒子は優れた光沢、隠蔽力等の性能を示すが、塗
工紙分野においては、キャレンダー前後の光沢差が比較
的小さいという欠点があった。この様な所謂キャレンダ
ー効果を向上させるためにポリマーTgを低下させる方
法があるが、Tgを低下させることによりブロッキング
が発生しやすくなり、改善の余地が残されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑み、特に紙被覆用組成物に用いた場合、光沢、平滑
性、強度等の物性を満足するとともに、耐ブロッキング
性に優れた凹部を有する偏平状エマルション粒子を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、ブタジエンを一定量含有する凹部
を有する偏平状エマルション粒子が、特に紙被覆用途の
有機顔料として優れていることを見出し、本発明を完成
させるに到った。即ち、本発明は、ビニル単量体(a)
を乳化重合して得られる重合体を種粒子とし、1〜50
重量%のブタジエンと50〜99重量%のその他の単量
体からなるビニル単量体(b)を、20℃における水と
の界面張力が48dyne/cm以上である非水溶性有機溶
剤の存在下で乳化重合して得られる偏平面の少なくとも
一方に凹部を有しており、その偏平面の直径Dが0.1
〜5.0μであり、かつ粒子の厚さdとの比(D/d)
が1.5〜5.0の範囲にある凹部を有する偏平状エマ
ルション粒子の製造方法である。
【0007】種粒子の製造に用いられるビニル単量体
(a)としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のア
クリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステ
ル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル系単量体、(メタ)アクリロニトリル等のビニルシ
アン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル単量体、ブタジエン等のジエン系単量体、お
よびジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート等の架橋性単量体、またエマルションの安定性付与
のために、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の
不飽和カルボン酸類、スチレンスルホン酸ナトリウム等
の不飽和スルホン酸塩類、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、およ
び(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類等の官能性
単量体を1種または2種以上組み合わせて使用でき、特
に限定されない。ビニル単量体(a)は上記の各単量体
をすべて含む概念である。
【0008】また、種粒子の製造に際し、重合の際に、
分子量調節剤として、t−ドデシルメルカプタン等のメ
ルカプタン類、および四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素類等の連鎖移動剤を使用できる。使用量は特に限定さ
れないが、通常、単量体に対して0.05〜5.0重量
%程度使用される。種粒子の製造は、通常の乳化重合法
により行われる。用いられる界面活性剤としては、アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナト
リウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物等のアニオン系界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニィルエーテル、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、ソル
ビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤が単独
または組み合わせて使用される。界面活性剤の使用量は
特に限定されないが、通常、単量体に対して0.1〜1
0重量%程度である。
【0009】重合開始剤としては、通常の乳化重合に使
用されているものであれば良く、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化
塩類、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物類、
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等である。
必要に応じて還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤
として使用することもできる。重合開始剤の使用量は特
に限定されないが、通常、単量体に対して0.1〜3重
量%程度である。
【0010】種粒子エマルションを製造するには通常、
前記の界面活性剤、重合開始剤の存在下に、ビニル単量
体(a)を一括、分割、或いは連続的に添加して重合を
行う。その際、重合は窒素パージ下に重合温度20〜9
0℃で行われる。この様にして製造した種粒子0.5〜
50重量部の存在下に、1〜50重量%のブタジエンと
50〜99重量%のその他の単量体からなるビニル単量
体(b)50〜99.5重量部を一括に、分割、或いは
連続的に添加する。この際非水溶性有機溶剤はビニル単
量体(b)と混合して添加するか、或いは単独に一括し
て初期に添加するかいずれかの方法がとられる。また、
ビニル単量体(a)の重合とビニル単量体(b)の重合
は連続して行っても良いし、別工程で行っても良く、特
に制限はされない。
【0011】この様にしてビニル単量体(a)および、
ビニル単量体(b)からなる凹部を有する偏平状粒子が
得られるが、ビニル単量体(a)とビニル単量体(b)
の重量比は0.5/99.5〜50/50の範囲で重合
が行われる。上記以外の範囲では凹部を有する偏平状粒
子が得られない。
【0012】ビニル単量体(b)は1〜50重量%のブ
タジエンと50〜99重量%のその他の単量体からな
る。ブタジエンはポリマーに適度の柔らかさとゴム弾
性、即ち強度およびキャレンダーに対する高い効果と耐
ブロッキング性を付与する。ブタジエンの含有量はビニ
ル単量体(b)100重量部中1〜50重量%であり、
好ましくは5〜30重量%である。1重量%未満では、
その添加効果が低く、目的とする粒子が得られない。ま
た50重量%を越えるとポリマーのTgが低くなりすぎ
るために、やはり目的の粒子が得られない。
【0013】ビニル単量体(b)のその他の単量体とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等の芳香族ビニル単量体、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量
体、(メタ)アクリロニトリル等のビニルシアン系単量
体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
単量体、およびジビニルベンゼン、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート等の架橋性単量体、またエマルションの
安定性付与のために、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸等の不飽和カルボン酸類、スチレンスルホン酸ナ
トリウム等の不飽和スルホン酸塩類、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステ
ル類、および(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類
等の官能性単量体を1種または2種以上組み合わせて使
用でき、特に限定されないが、官能性単量体を使用する
場合は20重量%以下、好ましくは10重量%以下であ
る。20重量%を越えると、二次粒子が生成し易くな
る。ビニル単量体(b)は上記の各単量体をすべて含む
概念であり、組合せは自由であるが、光沢、白色度等を
考慮するとスチレンが好ましく用いられる。また種粒子
の製造のときと同様に、分子量調節剤として前述の連鎖
移動剤を添加することもできる。さらに、ビニル単量体
(b)を2種類の単量体混合物に分割することもでき
る。この場合、非水溶性有機溶剤は前半に、またブタジ
エンは後半に使用することが好ましいが、特に制限され
るものではない。
【0014】ビニル単量体(b)の重合時に添加される
非水溶性有機溶剤(以下単に有機溶剤と記す)は、20
℃における水との界面張力が48dyne/cm以上である
必要があり、この点から、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−
デカン、および1−クロロデカン等の(ハロゲン化)脂
肪族炭化水素類の中から少なくとも1種選択される。添
加する有機溶剤の水との界面張力が48dyne/cm未満
であると凹部を有する偏平状粒子にならず、球状粒子が
生成しやすくなる。
【0015】以上の様にして選択された有機溶剤はビニ
ル単量体(a)およびビニル単量体(b)の総量100
重量部に対して好ましくは1〜50重量%、より好まし
くは5〜20重量%を重合時に添加する。1重量%未満
では球状粒子が生成し、また50重量%を越えると重合
が進行しにくくなる。この様にして得られた粒子の偏平
面の直径Dは0.1〜5.0μであり、かつ粒子の厚さ
dとの比(D/d)が1.5〜5.0の範囲にある。D
および(D/d)は、種粒子の粒子径、およびビニル単
量体(a)およびビニル単量体(b)の重量比によって
決定される。例えば、ビニル単量体(b)をビニル単量
体(a)に対して多くすると、Dおよび(D/d)が大
きくなる。尚、粒子径が0.1μ未満では充分な性能が
得られない。一方5.0μを越えると安定性が低下し、
製造が困難となる。この様にして凹部を有する偏平状エ
マルション粒子が製造される。エマルション中に残留す
る有機溶剤は、エマルションの乾燥過程で水と一緒に除
去されるが、水蒸気蒸留を行えば、エマルションの状態
のままで容易に除去することもできる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示すが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以
下の部および%はそれぞれ重量部および重量%をしめす
ものであり、粒子径は電子顕微鏡により測定した。 実施例1 攪拌機、温度計付のステンレス製オートクレーブに水2
50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、攪
拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温する。内温を7
0℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム1.0部
を添加し、溶解後、スチレン10部、アクリル酸0.3
部および分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン
0.05部を添加し、2時間反応させる。反応終了後引
き続いて、予め水200部、ラウリル硫酸ナトリウム
1.5部にブタジエン50部、スチレン220部、アク
リロニトリル40部、アクリル酸10部、n−ヘプタン
40部を攪拌下に加えて調製しておいたビニル単量体お
よび有機溶剤の混合乳化物を連続的に4時間かけて添
加、反応させ、添加終了後約3時間の熟成を行う。得ら
れたエマルションは、表ー1に示すように、不揮発分約
40%、偏平面の直径Dが0.5μ、粒子の厚さdが
0.2μ、(D/d)が2.5の凹部を有する偏平状粒
子であった。
【0017】実施例2〜4 実施例1と同様の方法にて、有機溶剤の種類および量、
ビニル単量体(a)/ビニル単量体(b)の重量比、単
量体組成を変化させて重合を行い、凹部を有する偏平状
粒子を得た。結果を表−1に示す。
【0018】実施例5 実施例1と同様のオートクレーブに水240部を仕込
み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温する。内
温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム
1.5部を添加し、溶解後、予め水20部、ラウリル硫
酸ナトリウム0.1部にスチレン30部、メタクリル酸
ブチル5部、アクリル酸1部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.5部を攪拌下に加えて調製しておいたビニル単量
体の乳化物を連続的に2時間かけて添加、反応させる。
反応終了後引き続いて、予め水200部、ラウリル硫酸
ナトリウム1.5部にブタジエン150部、スチレン1
10部、アクリロニトリル40部、アクリル酸10部、
n−ヘプタン45部を攪拌下に加えて調製しておいたビ
ニル単量体および有機溶剤の混合乳化物を連続的に4時
間かけて添加、反応させ、添加終了後約3時間の熟成を
行う。得られたエマルションは、表ー1に示すように、
不揮発分約40%、偏平面の直径Dが0.7μ、粒子の
厚さdが0.25μ、(D/d)が2.8の凹部を有す
る偏平状粒子であった。
【0019】実施例6 実施例1と同様のオートクレーブに水250部、ラウリ
ル硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、攪拌下に窒素置換
しながら70℃まで昇温する。内温を70℃に保ち、重
合開始剤として過硫酸カリウム1.0部を添加し、溶解
後、スチレン10部、アクリル酸0.3部および分子量
調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部を添
加し、2時間反応させる。反応終了後引き続いて、予め
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム0.8部にスチレ
ン145部、アクリロニトリル10部、アクリル酸5
部、n−ヘプタン40部を攪拌下に加えて調製しておい
たビニル単量体および有機溶剤の混合乳化物を連続的に
2時間かけて添加、反応させた後、さらに予め水100
部、ラウリル硫酸ナトリウム0.7部にブタジエン50
部、スチレン75部、アクリロニトリル30部、アクリ
ル酸5部を攪拌下に加えて調製しておいたビニル単量体
の乳化物を連続的に2時間かけて添加、反応させ、添加
終了後約3時間の熟成を行う。得られたエマルション
は、表ー1に示すように、不揮発分約40%、偏平面の
直径Dが0.55μ、粒子の厚さdが0.2μ、(D/
d)が2.8の凹部を有する偏平状粒子であった。
【0020】比較例1 実施例1において、ブタジエンを使用せずに、全量スチ
レンに置き換えて重合を行った。得られたエマルション
は、不揮発分約40%、偏平面の直径Dが0.5μ、粒
子の厚さdが0.25μ、(D/d)が2.0の凹部を
有する偏平状粒子であった。
【0021】比較例2 実施例5において、ビニル単量体(b)のブタジエン含
有量を約70%と増加して重合を行った。得られたエマ
ルションは、不揮発分約40%、偏平面の直径Dが0.
7μ、粒子の厚さdが0.3μ、(D/d)が2.3の
凹部を有する偏平状粒子であった。
【0022】比較例3 実施例1において、ブタジエンを全量アクリル酸ブチル
に置き換えて重合を行った。得られたエマルションは、
不揮発分約40%、偏平面の直径Dが0.5μ、粒子の
厚さdが0.2μ、(D/d)が2.5の凹部を有する
偏平状粒子であった。
【0023】比較例4 実施例1において、有機溶剤を使用せずに重合を行っ
た。得られたエマルションは、不揮発分約42%で、粒
子は凹部を有する偏平状ではなく、平均粒子径0.4μ
の球状粒子であった。以上の実施例、比較例をまとめて
表−1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】応用例 : 紙被覆用顔料としての応用 実施例1〜6および比較例1〜4で得られたエマルショ
ンを紙被覆用顔料として用いた場合の性能評価を行っ
た。塗工液の調製は、まず、カオリン(UW90:米国
エンゲルハルト社製)90部、分散剤としてアロンT−
40(東亜合成化学製)0.3部をカウレス分散機を用
いて水に分散し、次いでこれに加熱溶解した澱粉(MS
3600:日本食品加工製)3部、ラテックス(ポリラ
ック755:三井東圧化学製)12部および実施例1〜
6および比較例1〜4で得られたエマルションを10部
添加し、最後に調製水を加えて固形分60%の塗工液を
得た。上記塗工液をアプリケーターにて乾燥塗工量が約
15g/m2 になる様上質紙に塗布し、120℃、20
秒間乾燥を行い、20℃、湿度65%の恒温恒湿室にて
一昼夜放置した後、温度60℃、線圧60kg/cmの
キャレンダーを2回通して塗工紙を得た。得られた塗工
紙を以下の条件にて性能評価を行った。 (1)白紙光沢 : JIS P−8142に準じて測
定した。 (2)印刷光沢 : RI印刷試験機(明制作所製)に
て印刷を行い、JISP−8142に準じて測定した。 (3)ドライピック :RI印刷試験機(明制作所製)
にて印刷を行い、表面のピッキングの観察により10点
満点法により評価した。 (4)ウエットピック:湿潤状態の塗工紙について、ド
ライピックと同様の方法で行った。 (5)平滑度 :王研式平滑度試験機(旭精工
製)にて測定した。 結果を表−2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によって得られる凹部を有する偏
平状エマルション粒子は、光沢、平滑性、強度等の物性
を満足するとともに、耐ブロッキング性に優れ、特に紙
被覆用途の有機顔料として有用であることは明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 壯 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル単量体(a)を乳化重合して得られ
    る重合体を種粒子とし、1〜50重量%のブタジエンと
    50〜99重量%のその他の単量体からなるビニル単量
    体(b)を、20℃における水との界面張力が48dyne
    /cm以上である非水溶性有機溶剤の存在下で乳化重合
    して得られる偏平面の少なくとも一方に凹部を有してお
    り、その偏平面の直径Dが0.1〜5.0μであり、か
    つ粒子の厚さdとの比(D/d)が1.5〜5.0の範
    囲にある凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造方
  2. 【請求項2】ビニル単量体(b)100重量部中に含有
    されるブタジエンが5〜30重量部である請求項1記載
    の凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】非水溶性有機溶剤の量がビニル単量体
    (a)とビニル単量体(b)の総量100重量部に対し
    て1〜50重量部である請求項1記載の凹部を有する偏
    平状エマルション粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】ビニル単量体(a)とビニル単量体(b)
    の重量比が、0.5/99.5〜50/50である請求
    項1記載の凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019216126A1 (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 日清紡ホールディングス株式会社 円盤状ポリマー粒子群の製造方法

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