JPH05112605A - 乳化重合物の製造法及びそれを用いてなるフイルム - Google Patents

乳化重合物の製造法及びそれを用いてなるフイルム

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JPH05112605A
JPH05112605A JP27552791A JP27552791A JPH05112605A JP H05112605 A JPH05112605 A JP H05112605A JP 27552791 A JP27552791 A JP 27552791A JP 27552791 A JP27552791 A JP 27552791A JP H05112605 A JPH05112605 A JP H05112605A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料、接着剤、繊維加工剤、紙加工剤、医用
材料、化粧料等の用途において、十分な力学的強度を有
する水分散型樹脂より形成したフィルム、その原料とな
る乳化重合物の製造法を提供する。 【構成】 末端にメルカプト基を有するポリビニルアル
コール系重合体を乳化分散安定剤とし、ラジカル重合可
能なエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体と
多官能性エチレン性不飽和単量体とを乳化共重合して乳
化重合物を得る。更にこの乳化重合物よりフィルムを作
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、接着剤、繊維加
工剤、紙加工剤、医用材料、化粧料等に有用な乳化重合
物の製造法及びそれを用いて作製されるフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
高分子工業の分野では、省資源、公害防止及び安全性の
観点から、従来多用された溶剤型の樹脂に代わり水分散
型樹脂が重視されている。特に、塗料、接着剤、医用材
料、化粧料等の分野においては、有用な力学的性質を有
するフィルムを水分散型樹脂より作製することが切望さ
れている。従来の大半の水分散型樹脂は、乳化重合によ
り製造されており、ポリマー粒子を分散安定化させるた
めに通常数%の乳化剤が使用されている。この乳化物か
ら作製したフィルムは、粒子界面に存在する乳化剤の影
響で機械的強度が弱いため、限定された用途でのみ使用
されている。例外的にポリビニルアルコール存在下での
酢酸ビニルに代表されるカルボン酸ビニル類や塩化ビニ
ル等のモノマーの乳化重合で製造される乳化物からは、
比較的良好な力学的性質を有するフィルムが得られる
が、この方法に用いることができるモノマーに制限があ
るために広範な用途では使用されていない。
【0003】前者の欠点を克服する方法として、乳化剤
を含まない水分散型樹脂の合成方法に関する研究開発が
増加している。例えば山崎らの「合成ポリマーラテック
スの新展開と問題点」(化学工業資料(東工試ニュー
ス),vol. 13(4), p3(1978))には、ソープフリー乳化
重合法について記述されているが、ソープフリー乳化重
合法により得られた水分散物は放置安定性と機械的強度
が著しく悪く、実用には至っていない。また、特開昭63
−280702号公報に示されている自己分散型水性ビニル樹
脂より作製されるフィルムの機械的強度は、通常の乳化
重合で作製した分散物から得られたフィルムよりは機械
的性質は改善されているもののまだ不十分である。その
他に、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコー
ル系重合体を乳化分散安定剤として用いる乳化重合法
(特開昭60−197229号公報記載)で得たラテックスから
は、比較的良好な力学的強度を有するフィルムが作製で
きるが、広範囲な用途に対してはまだ強度が不十分であ
る。本発明の目的は、塗料、接着剤、繊維加工剤、紙加
工剤、医用材料、化粧料等の用途において、十分な力学
的強度を有する水分散型樹脂より形成したフィルム及び
その原料となる乳化重合物の製造法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、末端にメルカプト基を有
するポリビニルアルコール系重合体を乳化分散安定剤と
して用い、単官能単量体と多官能単量体とを乳化重合さ
せることにより、塗料、接着剤、繊維加工剤、紙加工
剤、医用材料、化粧品等に有用な乳化物及びそのフィル
ムが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、末端にメルカプト基を有するポリ
ビニルアルコール系重合体を乳化分散安定剤とし、ラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和単量体あるいはジエン
系単量体と多官能性エチレン性不飽和単量体とを乳化共
重合させることを特徴とする乳化重合物の製造法、及び
その乳化重合物より作製したフィルムを提供するもので
ある。
【0005】本発明に用いる末端にメルカプト基を有す
るポリビニルアルコール系重合体はチオール酸の存在下
にビニルエステル類モノマーを主体とするビニルモノマ
ーを重合して得たポリビニルエステル系重合体を常法に
より鹸化して得られるが、この製造方法については以下
に詳述する。まずここで使用するチオール酸は−COSH基
を有する有機チオール酸を包含する。例えばチオール酢
酸、チオールプロピオン酸、チオール酪酸、チオール吉
草酸等が挙げられるが、中でもチオール酢酸が分解性も
よく最も好ましい。またビニルエステルはラジカル重合
可能なビニルエステルであれば使用できる。例えばギ酸
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられるが、中でも
酢酸ビニルが最も重合性がよく、好ましい。またこれら
ビニルエステルと共重合可能なモノマーを共存させ共重
合することもできる。例えばエチレン、プロピレン、イ
ソブチレン、アクリル酸、メタクリル酸又はその塩ある
いはこれらのアルキルエステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチル
プロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、 N−ビニルピロリドン、
塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム
等が挙げられる。本発明に用いられる末端にメルカプト
基を有するポリビニルアルコール系重合体の重合度は、
3500以下が好ましい。また鹸化度は、他の変性基の種類
によっても異なり一義的には決められないが、水溶性の
点からポリビニルアルコール成分が70モル%以上が好ま
しい。
【0006】本発明に用いられるラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、フッ化
ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオライド
などのハロゲン化オレフィン;ギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビ
ニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸およびそのエ
ステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル及びこれらの四級化物;アクリルアミド、メ
タクリルアミド、 N−メチロールアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリ
ルアミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
等のビニルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、
p−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウ
ム塩等のスチレン系単量体、その他 N−ビニルピロリド
ン等が挙げられ、またジエン系単量体としては、ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これ
らの例は本発明に用いることが出来るラジカル重合可能
なエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体を限
定するものではない。
【0007】本発明に用いる多官能性エチレン性不飽和
単量体としては、ジビニルベンゼン、テトラアリロキシ
エタン、N,N'−メチレンビス−アクリルアミド、2,2'−
ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン、 1,3−ブチレングリコールジアクリレート、 1,5−
ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、1,6 −ヘキサンジオールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、アリルメタクリレート、 1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、1,3 −ブチレングリコールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6 −
ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
エタントリメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、2,2 −ビス(4−メタクリロキシポ
リエトキシフェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニ
ウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メ
タクリル酸マグネシウム、N,N'−m−フェニレンビスマ
レイミド、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリ
テート、ジアリルクロレンデート、エチレングリコール
ジグリシジルエーテルアクリレート等が挙げられる。た
だし、これらの例は本発明に利用することが出来る多官
能性エチレン性不飽和単量体を限定するものではない。
【0008】上記ラジカル重合可能なエチレン性不飽和
単量体あるいはジエン系単量体の単独もしくは複数と、
上記多官能性エチレン性不飽和単量体とを、末端にメル
カプト基を有するポリビニルアルコール系重合体を乳化
分散安定剤とし、重合開始剤を用いて、通常の乳化重合
を行うことにより、本発明の乳化重合物を得ることがで
きる。ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体ある
いはジエン系単量体と多官能性エチレン性不飽和単量体
との共重合の割合は、エチレン性不飽和単量体あるいは
ジエン系単量体 100重量部に対し、多官能性エチレン性
不飽和単量体を0.01〜50重量部、好ましくは0.1 〜10重
量部、更に好ましくは0.1 〜5重量部である。また末端
にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体
からなる乳化分散安定剤の使用量は通常不飽和単量体 1
00重量部に対して1〜20重量部である。
【0009】本発明に使用する重合開始剤としては、臭
素酸カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、
過酸化水素、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ヒドロクロリド(商品名V−50:和光純薬製)、アゾビ
スシアノ吉草酸等の水溶性開始剤を用いることが出来
る。ただし、これらの例は上記の開始剤の例を限定する
ものではない。また、本発明の乳化重合において、乳化
分散安定剤としては、末端にメルカプト基を有するポリ
ビニルアルコール系重合体を単独で用いるのが好ましい
が、場合によっては従来公知の各種アニオン性、カチオ
ン性、ノニオン性界面活性剤、もしくは各種水溶性高分
子を適宜併用することもできる。本発明の乳化重合物の
粒径は、0.01〜5μm が好ましく、0.05〜1μm が更に
好ましい。
【0010】このようにして得られる乳化重合物はその
まま、あるいは従来公知の添加剤を添加して、各種の用
途に利用される。例えば、塗料、接着剤、繊維加工剤、
紙加工剤、無機物バインダー、セメント混和剤、モルタ
ルプライマー、医用材料、化粧品等、広範に利用されう
る。また、本発明の乳化重合物を用いて、キャスト法、
アプリケータを用いた方法など通常の方法によりフィル
ムを作製することができる。
【0011】
【発明の作用及び効果】末端にメルカプト基を有するポ
リビニルアルコール系重合体を乳化分散安定剤として作
成した乳化物は、特公平3−24481 号公報に記載されて
いるように、機械的安定性、高温放置安定性、凍結安定
性、顔料混和性に優れている。更に、ポリビニルアルコ
ール水溶液と通常のポリマー粒子をブレンドした乳化物
を成膜すると、ポリビニルアルコール相とポリマー粒子
凝集相に相分離し、均一なフィルムを形成しないが、末
端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合
体を乳化分散安定剤として製造した乳化重合物より作製
したフィルムは、巨視的には均一なフィルムである。こ
のフィルムを透過型電子顕微鏡で分析した結果、微視的
にはポリビニルアルコールを連統層、ポリマー粒子1つ
1つが不連続層となる海島構造をしていることがわかっ
た。この海島構造を形成するために巨視的には均一にな
ると推定される。また、このフィルムは連統層のポリビ
ニルアルコールが強靭でかつ、連続層とポリマー粒子層
とが共有結合で結ばれているためにある程度良好な物性
を示すが、連続層のポリビニルアルコールに比べるとフ
ィルム強度はまだ弱い。その理由としては、ポリマー粒
子層が強度的に弱いためと考えられる。
【0012】これに対し、本発明により製造した乳化物
は、前述の乳化物と同様な機械安定性、高温放置安定
性、凍結安定性、顔料混和性に優れ、なおかつ、これを
用いて得られたフィルムの物性において連続層のポリビ
ニルアルコールと比べて遜色ない皮膜強度が得られた。
これは、単官能性の単量体と多官能性単量体を共重合さ
せた結果、ポリマー粒子が架橋による網目構造となった
ために強い皮膜強度が発現したものと考えられる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもので
はない。なお、実施例中、部及び%はいずれも重量基準
を意味する。実施例及び比較例で用いたポリビニルアル
コール系重合体PVA−1から PVA−5の重合度、鹸化
度、メルカプト基含量の分析値を表1に示す。尚、PVA
−1から PVA−5に関しては、特公平3−24481 号公報
に記載されている方法に従って合成、分析した。
【0014】
【表1】
【0015】実施例1 還流冷却器、温度計、撹拌翼、窒素吹き込み口を備えた
ガラス製重合容器に、5%のポリビニルアルコール(PVA
−1)水溶液(200 部)を仕込み、30分間窒素置換を行
った。0.1 N塩酸でpHを4.9に調整した後、200rpmで撹
拌しながら、アクリル酸n−ブチル(40部)、ジビニル
ベンゼン(0.4 部)、過硫酸アンモニウム(0.2 部)を
加え、80℃に昇温し6時間重合を行った。仕込み条件、
生成した乳化重合物の粒径と PVA反応率を表2に示す。
生成した乳化重合物を、pH調整後、 300メッシュの金網
で濾過したが、凝集物はわずかであった。濾過した乳化
物をポリエチレンテレフタレートフィルム上に日本理学
製のアプリケーターを用いて塗布し、8時間乾燥させ膜
厚0.05±0.01mmのフィルムを作成した。皮膜物性は、オ
リエンテック(株)製の高性能万能型材料試験機(TENS
ILONUCT-100)を用い、引張強度、ヤング率を測定した。
測定試料は幅10mm、長さ30mmであり、23℃、60%RH、引
張速度200 mm/min の条件で測定を行った。結果は表4
に示す。
【0016】実施例2,3 実施例1と同様の方法で、不飽和単量体、多官能性不飽
和単量体、ポリビニルアルコール、開始剤の種類及び仕
込み量を表2に示すように変化させて重合を行った。そ
の後実施例1と同様の方法で後処理を行い、フィルムを
作成し、皮膜物性を測定した。仕込み条件、生成乳化重
合物の粒径等を表2に、皮膜物性を表4に示す。
【0017】実施例4 還流冷却器、温度計、撹拌翼、窒素吹き込み口を備えた
ガラス製重合容器に、3%のポリビニルアルコール(PVA
−2)水溶液(200 部)を仕込み、30分間窒素置換を行
った。0.1 N塩酸でpHを4.9に調整し、80℃に昇温した
後、200rpmで撹拌しながら、アクリル酸n−ブチル(19
部)、メタクリル酸(1部)、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート(0.6 部)及び過硫酸アンモニウム
(0.15部)を加えた。5分後、アクリル酸n−ブチル
(11部)、メタクリル酸(9部)及びネオペンチルグリ
コールジメタクリレート(0.6 部)の混合物を1時間か
けて滴下した。混合物の滴下開始後30分経ってから過硫
酸アンモニウム1%水溶液(10部)を30分間かけて滴下
した。モノマー及び開始剤の滴下終了後、5時間同条件
で加熱撹拌し重合を行った。その後、実施例1と同様の
方法で後処理を行い、フィルムを作成し、皮膜物性を測
定した。仕込条件、生成した乳化重合物の粒径等を表2
に、皮膜物性を表4に示す。
【0018】実施例5〜8 実施例4と同様の方法で不飽和単量体、多官能性不飽和
単量体、ポリビニルアルコール、開始剤の種類及び仕込
み量を表2に示すように変化させて重合を行った。その
後実施例1と同様の方法で後処理を行い、フィルムを作
成し、皮膜物性を測定した。仕込み条件、生成乳化重合
物の粒径等を表2に、皮膜物性を表4に示す。
【0019】実施例9〜11 実施例1と同様の方法で、不飽和単量体、多官能性不飽
和単量体、ポリビニルアルコール、開始剤の種類及び仕
込み量を表3に示すように変化させて重合を行った。そ
の後実施例1と同様の方法で後処理を行い、フィルムを
作成し、皮膜物性を測定した。仕込み条件、生成乳化重
合物の粒径等を表3に、皮膜物性を表4に示す。
【0020】実施例12 窒素吹き込み口、温度計を備えたステンレス製のオート
クレーブに、5%のポリビニルアルコール(PVA−3)水
溶液(200 部)を仕込み、30分間窒素置換を行った。0.
1 N塩酸でpHを4.9 に調整し、200rpmで撹拌しながらス
チレン(20部)及びジビニルベンゼン(0.3 部)を仕込
んだ。次いでブタジエン(20部)を耐圧計量器より圧入
し、70℃に昇温した後、1%過硫酸カリウム水溶液(0.
32部)を圧入して重合を開始した。24時間後に圧力が低
下していることを確かめて重合を終了した。その後実施
例1と同様の方法で後処理とフィルム作成を行い、皮膜
物性を測定した。仕込み条件、生成乳化重合物の粒径等
を表3に、皮膜物性を表4に示す。
【0021】比較例1〜3 多官能性不飽和単量体を使用せず、実施例1,4又は12
と同様の方法で重合を行い、フィルムを作成し、皮膜物
性を測定した。仕込み条件、生成乳化重合物の粒径等を
表3に、皮膜物性を表4に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】注) *1:不飽和単量体:一括仕込み分、不飽和単量体:
滴下分 *2:多官能性不飽和単量体
【0025】
【化1】
【0026】*3:2段に分かれている場合、上段:一括
仕込み分、下段:滴下分 *4:エマルジョンの粒径は、コールター社製粒径分布測
定装置 N−4及び/又は透過型電子顕微鏡を用いて測定
した。 *5:PVA 反応率は、大塚らの方法(大塚ら, 高分子化
学,25, 375 (1968))を用い、下記(1) 式に従って計算
した。
【0027】
【数1】
【0028】また、実施例1〜12及び比較例1〜3のい
ずれの場合も重合はほぼ定量的に進行した。
【0029】
【表4】
【0030】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/06 MLN 7242−4J 220/20 MMV 7242−4J 226/06 MNL 7242−4J 236/00 C08J 5/18 CER 9267−4F // C08L 29/04 LGT 6904−4J C08L 29:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にメルカプト基を有するポリビニル
    アルコール系重合体を乳化分散安定剤とし、ラジカル重
    合可能なエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量
    体と多官能性エチレン性不飽和単量体とを乳化共重合さ
    せることを特徴とする乳化重合物の製造法。
  2. 【請求項2】 末端にメルカプト基を有するポリビニル
    アルコール系重合体を乳化分散安定剤とし、ラジカル重
    合可能なエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量
    体と多官能性エチレン性不飽和単量体とを乳化共重合さ
    せて得られた乳化重合物より作製したフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08170296A (ja) * 1994-12-14 1996-07-02 Kuraray Co Ltd 紙用の内添剤
JPH08269889A (ja) * 1995-04-03 1996-10-15 Kuraray Co Ltd 填料含有紙
JP2003104779A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nisshin Chem Ind Co Ltd 水溶液型セラミックス成形用バインダー

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