JPH08165351A - 中空重合体粒子の製造方法 - Google Patents

中空重合体粒子の製造方法

Info

Publication number
JPH08165351A
JPH08165351A JP12453495A JP12453495A JPH08165351A JP H08165351 A JPH08165351 A JP H08165351A JP 12453495 A JP12453495 A JP 12453495A JP 12453495 A JP12453495 A JP 12453495A JP H08165351 A JPH08165351 A JP H08165351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
polymer particles
parts
acid
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12453495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2556453B2 (ja
Inventor
Hideki Toda
英樹 任田
Yukio Takagishi
幸雄 高岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP12453495A priority Critical patent/JP2556453B2/ja
Publication of JPH08165351A publication Critical patent/JPH08165351A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2556453B2 publication Critical patent/JP2556453B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】中空重合体粒子を容易に、かつ、短時間で得ら
れる方法、高いTgを有する重合体の中空粒子をも得ら
れる方法を提供する。 【構成】カルボキシ変性共重合体ラテックスを構成する
カルボキシ変性共重合体100重量部に対して0.1〜
1000重量部の有機溶剤を含有する該ラテックスに塩
基を添加して該共重合体中のカルボキシル基の少なくと
も一部を塩基で中和し、次いで該ラテックスに酸を添加
して該ラテックスのpHを7以下にした後、水分を除去
することを特徴とする中空重合体粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空重合体粒子の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、中空重合体粒子を含有するラ
テックスは、水系塗料組成物あるいは紙被覆用組成物等
の用途に広く用いられている。即ち、中空重合体粒子
は、粒子中に均一に重合体が充填された重合体(充密重
合体)の粒子に比べ、光をよく散乱させ光の透過性を低
くするので、隠蔽剤や不透明度、白色度等の光学的性質
に優れた白色顔料として賞用されている。これは、以下
のような理由によるとされている。即ち、顔料をバイン
ダーポリマー中に分散させて塗膜を形成させたときに、
充密重合体粒子を顔料とした場合には、重合体粒子の屈
折率とバインダーポリマーの屈折率との間にほとんど差
がないために光はほとんど散乱されない。ところが、そ
の内部に中空(空気層)を有する重合体粒子を顔料とし
た場合には、光はそれぞれの屈折率が大きく異なる空気
と重合体粒子との界面を2回通過することになる。その
結果、光は大きく散乱され、塗膜の不透明性が増すので
ある。
【0003】また、このとき、単一の中空を有する重合
体粒子よりも複数の中空を有する重合体粒子の方が重合
体−空気界面を光が通過する回数が多くなるから、不透
明性に優れた重合体粒子を得るには多中空とすればよい
ことが予想される。ところが、これまでのところ、多中
空を有する重合体粒子は確認されていない。特開平1−
48805号公報には、コア部/鞘部を有する重合体粒
子を有機溶媒の不存在下に塩基で膨潤させて中空重合体
粒子を得る方法が開示されており、その方法によれば少
なくとも1つの空所を有する粒子が得られると記載され
ているが、多中空粒子が得られたことを証明する記載は
ない。
【0004】中空重合体粒子の製造法としては、上記の
ほかにもいくつかの方法が知られている。例えば、特開
昭56−32513号公報で述べられている方法は、少
なくとも1種の不飽和カルボン酸を共重合させて芯部粒
子を作製した後、粒子表面層(殻部)を形成させる為、
芯部とは異なる組成のエチレン性不飽和単量体を用いて
カバー重合を行ない、得られた粒子をアンモニア等の揮
発性塩基で中和し膨潤させて中空粒子を得るというもの
である。この方法では、芯部と殻部とで異なる重合体組
成とするために二段階にわたって重合を行なうので工程
が複雑になる。更にこの方法ではエチレン性不飽和単量
体をシード粒子表面層のみにカバー重合させることが重
要であるが、界面活性剤量等の制御が難しく、多くの場
合、新粒子が発生したりシード粒子中の不飽和カルボン
酸の最終粒子表面への移動が伴ったりするという問題が
ある。
【0005】また、特開昭61−87734号公報に
は、親水性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー
成分と油性物質との共存する分散液中でモノマー成分を
重合させて油性物質を内部に含むカプセル状のポリマー
粒子を製造したのち、これから油性物質を除去すること
により中空粒子を製造する方法が記載されている。しか
し、この方法では外殻の一部がへこんだ粒子ができる場
合があり、また、ポリマー粒子中において油性物質とポ
リマーとを完全に相分離させ、更に油性物質をポリマー
粒子内部に封じ込めなければ中空粒子が得られず多孔質
の粒子となってしまうので、架橋性モノマーを多量に使
用することが必要であり、更に親水性モノマーをも多量
に必要とする等使用できるモノマーに制限が多い。
【0006】また、不飽和カルボン酸単量体を含有する
共重合体を一段重合法で合成し、これを塩基で中和して
膨潤させた後、酸処理を行なう事により中空化する方法
も提案されている(特開昭64−1704号公報)。こ
の製造法においては重合体粒子中のカルボキシル基を中
和させる必要があるが、中和に必要な塩基を十分に重合
体粒子内部に浸透させるため処理温度を重合体粒子中の
重合体のガラス転移温度(Tg)付近以上に上げる必要
がある。そのため、重合体のTgをあまり高く設定でき
ず、得られた中空重合体粒子を加熱乾燥工程を伴う塗布
組成物に用いた場合には十分な白色度、不透明度等の光
学的性質に優れた白色顔料を得ることが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような欠点のない中空重合体粒子を得る方法を提供す
ることにある。本発明者らはこの課題を達成すべく鋭意
研究の結果、塩基により重合体粒子を膨潤させるときに
有機溶媒を併存させれば、中空重合体粒子が容易に、か
つ、短時間で得られること及び高いTgを有する重合体
の中空粒子を得ることも可能であることを見出し、更
に、この方法によれば、複数の中空を有する重合体粒子
が得られることをも見出し、この知見に基いて本発明を
完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、カルボキシ変性共重合体ラテックスを構成するカル
ボキシ変性共重合体100重量部に対して0.1〜10
00重量部の有機溶剤を含有する該ラテックスに塩基を
添加して該共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一
部を塩基で中和し、次いで該ラテックスに酸を添加して
該ラテックスのpHを7以下にした後、水分を除去する
ことを特徴とする中空重合体粒子の製造方法が提供され
る。
【0009】本発明において用いられるカルボキシ変性
共重合体は、カルボキシル基を含有している共重合体で
あれば、如何なる単量体組成の共重合体でもよい。カル
ボキシル基を含有する重合体を得る方法は、特に限定さ
れず、その例としては、カルボキシル基含有単量体を共
重合する方法や共重合体に公知の高分子反応によってカ
ルボキシル基を導入する方法等を示すことができるが、
共重合による方法が製造上有利である。
【0010】本発明において使用できるカルボキシル基
含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン
酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和カルボ
ン酸;イタコン酸モノエチル、フマル酸モノブチル、マ
レイン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸のモノアル
キルエステル;等を例示することができる。本発明では
これらのカルボキシル基含有単量体を一種単独で使用し
又は二種以上を併用する。このカルボキシル基含有単量
体の使用量は限定しないが、好ましくは全単量体混合物
100重量部中0.1〜40重量部、更に好ましくは、
0.5〜20重量部の範囲である。カルボキシル基含有
単量体の量が0.1重量部未満では、塩基による共重合
体粒子の膨潤が起こり難くなり、共重合体に中空を導入
することが難しくなる。一方、それが40重量%を超え
ると共重合体を重合によって得る際に、多大の凝固物が
発生してしまう。
【0011】本発明においてカルボキシル基含有単量体
と共重合させる単量体は、これと共重合可能な単量体で
あれば、特に制限されず、その一種又は二種以上が使用
される。その具体例としては、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等の
芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル等の不飽和ニト
リル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド及び
その誘導体;ブタジエン、イソプレン等のジオレフィ
ン;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;ビニ
ルピリジン等を挙げることができる。また、ジビニルベ
ンゼン、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
架橋性単量体も必要に応じて使用することができる。
【0012】本発明において使用するカルボキシ変性共
重合体のラテックスは、通常、乳化重合法によって製造
するが、他の重合方法で得られた共重合体を転相法によ
ってラテックスとしてもよい。これらの各種重合法にお
いては、回分式、半連続式、連続式等のいずれの方法を
採用してもよく、また、公知の重合副資材、即ち、乳化
剤、重合開始剤、キレート剤、電解質等各種の添加剤を
使用できる。更に重合温度にも制限はない。
【0013】本発明においては、有機溶剤の存在下で、
カルボキシ変性共重合体ラテックスに塩基を添加して該
ラテックスを構成する共重合体中のカルボキシル基の少
なくとも一部を塩基で中和する。カルボキシ変性共重合
体ラテックスに有機溶剤を含有させる方法は特に制限さ
れないが、その例として重合によってラテックスを得た
後にこれに有機溶剤を添加する方法を示すことができ
る。また、別の方法として単量体混合物に有機溶剤を併
存させて重合を行わせることによってラテックスに有機
溶剤を含有させてもよい。
【0014】本発明において用いられる有機溶剤は、特
に限定されるものではなく共重合体粒子を十分に膨潤さ
せることができるものであればいずれも使用することが
できる。具体的には、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;エ
チルベンゼン、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素;四塩化炭素、トリクロロエチレン、ジクロ
ロメタン等のハロゲン化炭化水素;アミルアルコール、
ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジ
ルアルコール等のアルコール類;クレゾール等のフェノ
ール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジイソブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピ
ルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類;アミルアセテート、ブチルアセテート、プロ
ピルアセテート、エチルアセテート、メチルアセテー
ト、エチルプロピオネート等の飽和カルボン酸エステル
類等を例示することができる。これらの有機溶剤は、一
種類単独で使用してもよく、二種類以上を混合して使用
してもよい。また、カルボキシ変性共重合体ラテックス
の調製後に該ラテックスに有機溶剤を添加する場合に
は、一種又は二種以上の重合性の有機溶剤を使用するこ
とも可能である。その具体例としては、スチレン、ハロ
ゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化
合物;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、1−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;ブ
タジエン、イソプレン等のジオレフィンを示すことがで
きる。
【0015】これらの有機溶剤の量は、カルボキシ変性
共重合体100重量部に対し0.1〜1000重量部で
あることが必要であり、好ましくは、10〜100重量
部である。0.1重量部未満では、重合体粒子を十分に
軟化することができず、他方、1000重量部を超える
と、単量体粒子が軟化しすぎて凝集してしまう。
【0016】本発明において使用する塩基の種類には何
らの制限もない。その具体例としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;ジメチル
アミン、ジエタノールアミン等のアミン化合物;炭酸ナ
トリウム、重炭酸カリウム等のアルカリ金属の(重)炭
酸塩;炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の
(重)炭酸アンモニウム塩等を示すことができる。
【0017】使用する塩基は、カルボキシ変性共重合体
中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和させるだけ
の量が必要であり、カルボキシ変性共重合体ラテックス
のpHを好ましくは8以上、より好ましくは10以上に
する。
【0018】また、塩基によって重合体粒子内部のカル
ボキシル基を中和させる為には、塩基がラテックス粒子
内部に拡散する時間が必要であり、塩基を添加した後、
撹拌を十分に行なう事が好ましい。この時間はカルボキ
シル基含有量により異なるが、通常は10分以上であ
る。また、ラテックスの調製後に該ラテックスに有機溶
剤を添加する場合よりも、カルボキシ変性共重合体ラテ
ックスの調製時に重合系に有機溶剤を添加する場合の方
が、攪拌時間は短くてもよい。
【0019】一般に、塩基を重合体粒子内部に速く拡散
させるためには、そのときのラテックスの温度が高い方
が望ましく、具体的には、ラテックスを構成する共重合
体の軟化点付近以上の温度が望ましい。これに対して本
発明においては、カルボキシル基の中和を、有機溶剤を
使用しない場合に比べて、より低い温度で、即ち、共重
合体の軟化点よりも低い温度で行なうことができる。従
って、本発明によれば、高いTgを有する重合体の中空
粒子をも容易に得ることができる。中和時に、より低い
温度を採用できる理由は有機溶剤を使用することによ
り、カルボキシ変性共重合体をより低い温度で十分に軟
化させることができるためであると考えられる。更に低
い温度を採用したいときは、有機溶剤の量を増加すれば
よい。また、ラテックスの調製後に該ラテックスに有機
溶剤を添加する場合よりも、カルボキシ変性共重合体ラ
テックスの調製時に重合系に有機溶剤を添加する場合の
方が、有機溶剤の量は少量でよい。
【0020】カルボキシル基の中和のためにラテックス
に塩基を加える際にラテックスの安定性が低下して凝固
物等が発生することがある。これを防ぐ為に、必要なら
ば塩基を添加する前にラテックスにアニオン性界面活性
剤や非イオン性界面活性剤を添加することも可能であ
る。
【0021】次に、カルボキシ変性共重合体中のカルボ
キシル基の中和を行なった後、ラテックスに酸を添加し
てラテックスのpHを7以下、好ましくは5以下にす
る。このために使用する酸は、特に限定されるものでは
なく、塩酸、硫酸等の鉱酸でもよく、あるいは、酢酸、
マロン酸等の有機酸でもよい。酸の添加は、共重合体が
柔軟となり得る温度で行なうのが好ましい。酸を添加し
た後、通常、30分以上攪拌を続行する。これは、酸を
重合体粒子内部に十分拡散させるためである。この後、
必要ならばラテックスを冷却する。また、酸を添加する
際にラテックスの安定性が低下するのを防ぐために、必
要ならば酸の添加前にアニオン性界面活性剤や非イオン
性界面活性剤等を添加することも可能である。
【0022】次に、共重合体ラテックスから有機溶剤を
必要に応じて除去する。除去の方法は、減圧蒸留、水蒸
気蒸留等の公知の方法のいずれを採用してもよい。中空
重合体粒子を含有する本発明のラテックスから減圧乾
燥、噴霧乾燥、熱風乾燥、自然乾燥などの公知の方法で
水分を除去することにより中空重合体粒子を得ることが
できる。
【0023】本発明で得られる中空重合体粒子は、優れ
た不透明性を有するので、例えば、紙塗工用組成物ある
いは塗料用の顔料等として有用である。本発明の方法に
より重合体粒子が中空化する理由については、現在確実
なことがわかっていないが、この現象は得られた重合体
粒子の透過型電子顕微鏡による形態観察等で確認する事
ができる。酸処理の途中段階において透過型電子顕微鏡
により重合体粒子を観察すると、最初は数個の小さい小
孔が存在するが時間の経過につれて単一中空粒子になる
事が確認できる。つまり、処理条件により、小孔を複数
有する多中空粒子と単一中空粒子のいずれをも得ること
ができる。中空の数及び中空の径は共重合体中のカルボ
キシル基量、共重合体粒子中におけるカルボキシル基の
分布状態、共重合体粒子の親水性の程度、塩基による中
和処理条件、酸処理条件、使用する有機溶剤の種類及び
量等により制御することができる。
【0024】本発明の好ましい態様を以下に示す。 (1)カルボキシル基含有単量体の使用量が、全単量体
混合物100重量部中0.5〜20重量部である本発明
の中空重合体粒子の製造方法。 (2)カルボキシル基含有単量体と共重合させる単量体
が芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド及びその誘
導体、ジオレフィン、カルボン酸ビニルエステル、ハロ
ゲン化ビニリデン、であるルピリジン等を挙げることが
できる。また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートなどである本発明の中空重合体
粒子の製造方法。 (3)カルボキシ変性共重合体ラテックスの調製後に該
ラテックスに有機溶剤を含有させる本発明の中空重合体
粒子の製造方法。 (4)カルボキシ変性共重合体ラテックスの調製時に重
合系に有機溶剤を添加することによりラテックスに有機
溶剤を含有させる本発明の中空重合体粒子の製造方法。 (5)有機溶剤が脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素、アルコール類、フェノール類、エー
テル類、ケトン類、飽和カルボン酸エステルである本発
明の中空重合体粒子の製造方法。 (6)有機溶剤の量がカルボキシ変性共重合体100重
量部に対し、10〜100重量部である本発明の中空重
合体粒子の製造方法。 (7)塩基がアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金
属の水酸化物、アミン化合物、アルカリ金属の(重)炭
酸塩、(重)炭酸アンモニウム塩である本発明の中空重
合体粒子の製造方法。 (8)塩基を添加してカルボキシ変性共重合体ラテック
スのpHを8以上にする本発明の中空重合体粒子の製造
方法。 (9)カルボキシ変性共重合体中のカルボキシル基の中
和を行なった後、ラテックスに酸を添加してラテックス
のpHを5以下にする本発明の中空重合体粒子の製造方
法。
【0025】
【発明の効果】かくして本発明によれば、従来の方法に
比べて、より低い温度で中空重合体粒子を含有するラテ
ックスを製造することができ、また、従来に比べてより
高いTgを有する中空重合体ラテックスを得ることがで
き、更に、従来確認されていない多中空重合体粒子を含
有するラテックスの製造が可能となる。これらのラテッ
クスから上記のような多中空重合体粒子を得ることがで
きる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は、これに限定されるものではな
い。なお、参考例及び実施例において部及び%は特に断
りのない限り重量基準であり、ラテックスはすべて固形
分換算で表示した。また、重合はすべて不活性ガスであ
る窒素雰囲気下で行ない、重量平均粒径は光散乱法(M
alvern社製 model9800)により求め
た。
【0027】参考例1 (1)種ラテックスの合成 攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを取り付
けた四ツ口フラスコ中にイオン交換水 300部を入
れ、更にスチレン95部及びメタクリル酸5部を加えて
撹拌を行ないながら加温した。内温が70℃に達した
後、3%過硫酸カリウム (KPS)水溶液17部を滴
下ロートより添加し、反応を開始させた。その後3時間
70℃を維持し重合反応を完結させた。重量法により重
合転化率を求めたところ、99%であった。得られたラ
テックスの固形分濃度は24%であり、pHは2.3で
あった。また、重量平均粒子径は160nmであった。
このラテックスを種ラテックス[S]とする。
【0028】(2)充密重合体ラテックスの製造 種ラテックスの製造に用いたと同様の反応容器中にイオ
ン交換水518部と3.4部の種ラテックス[S]とを
仕込んで加温した。内温が80℃に到達した後3%KP
S水溶液30部を滴下ロートよりフラスコに添加した。
次に、滴下ロートをイオン交換水20部で洗浄した後、
スチレン94部及びアクリル酸6部より成る単量体混合
物を滴下ロートから6時間かけて添加した。その後、2
時間80℃に維持し重合反応を完結させた。重量法によ
り重合転化率を求めたところ97%であった。得られた
ラテックス[A1]の固形分濃度は15%であった。ラ
テックス[A1]のpH及び重量平均粒子径を測定した
結果を表1に示す。
【0029】参考例2 溶剤存在下での充密重合体ラテ
ックスの製造 種ラテックスの製造に用いたと同様の反応容器中にイオ
ン交換水508部と3.4部の種ラテックス[S]とを
仕込み加温した。内温が80℃に到達した後3%KPS
水溶液30部を滴下ロートよりフラスコに添加した。次
に、滴下ロートをイオン交換水20部で洗浄した後、ス
チレン87.7部、ジビニルベンゼン0.3部、メチル
メタアクリレート5部及びメタクリル酸7部より成る単
量体混合物とトルエン10部との混合液を滴下ロートか
ら6時間かけて添加した。その後、2時間、80℃に維
持し重合反応を完結させた。得られたラテックス[A
2]について参考例1と同様にして重合転化率、固形分
濃度、pH及び重量平均粒子径を測定した結果を表1に
示す。
【0030】参考例3 使用する単量体及び有機溶剤を表1に示すように変更す
るほかは参考例2と同様の操作を行なってラテックス
[A3]を得た。重合転化率、固形分濃度、pH及び重
量平均粒子径を測定した結果を表1に示す。
【0031】参考例4 イオン交換水の量を468部とし、使用する単量体及び
有機溶剤を表1に示すように変更するほかは参考例2と
同様の操作を行なってラテックス[A4]を得た。重合
転化率、固形分濃度、pH及び重量平均粒子径を測定し
た結果を表1に示す。
【0032】参考例5 種ラテックス[S]の量を33部とし、使用する単量体
を表1に示すように変更するほかは参考例1と同様の操
作を行なってラテックス[A5]を得た。重合転化率、
固形分濃度、pH及び重量平均粒子径を測定した結果を
表1に示す。
【0033】実施例1 中空重合体粒子の製造 種ラテックスの製造に用いたと同様の反応容器中にイオ
ン交換水870部、ラテックス[A1]100部、ドデ
シルベンゼン硫酸ナトリウム1部、トルエン30部及び
10%水酸化ナトリウム水溶液33部を仕込み80℃に
て3時間撹拌を行なった。次いで、1%塩酸水溶液30
0部を加え、80℃にて3時間撹拌を行ないその後室温
に冷却したのち、有機溶剤を減圧除去して中空重合体粒
子を含有するラテックスを得た。該ラテックスのpH
と、それに含有される中空重合体粒子の粒子径を測定し
た。また、中空重合体粒子を含有するラテックスを水で
10万倍に希釈し、その0.1ccを室温で1時間放置
して水分を除去し、中空重合体粒子を得た。その中空重
合体粒子を透過型電子顕微鏡により観察したところ、1
〜2個の小孔が確認できた。その小孔径を表2に示す。
更に、該中空重合体粒子のTgを測定した。これらの結
果を併せて表2に示す。
【0034】比較例1 トルエンを使用しないほかは実施例1と同様の操作を行
なった。得られたラテックスのpH、粒子径の測定結果
を表2に示す。また、このラテックスに含有される重合
体粒子を透過型電子顕微鏡により観察したが小孔は見ら
れなかった。
【0035】実施例2 ラテックス[A1]に代えてラテックス[A2]を使用
し、トルエンの量を50部とするほかは実施例1と同様
の実験を行なった。結果を表2にまとめて示す。
【0036】比較例2 トルエンの量を1500部とするほかは実施例2と同様
の実験を行なったところ、1%塩酸水溶液300部を加
えたときにラテックスが凝固した。
【0037】実施例3及び実施例4 ラテックス[A2]に代えてラテックス[A3]を用
い、更に使用する有機溶剤、塩基及び酸を表2に示すよ
うに変更し、塩基処理及び酸処理の温度を60℃に変更
するほかは実施例2と同様の実験を行なった。結果を表
2に示す。
【0038】実施例5 ラテックス[A2]に代えてラテックス[A4]を用
い、更に使用する有機溶剤、塩基及び酸を表2に示すよ
うに変更するほかは実施例2と同様の実験を行なった。
結果を表2に示す。
【0039】実施例6 中空重合体製造工程で有機溶剤を使用しないほかは実施
例5と同様の実験を行なった。結果を表2に示す。
【0040】実施例7 用いるラテックスをラテックス[A5]とするほかは実
施例5と同様の実験を行なった。結果を表2に示す。
【0041】実施例8 酸による処理時間を1時間とするほかは実施例6と同様
の実験を行なった。結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果から、本発明の方法によるとき
は1つ以上の中空を有する重合体粒子が得られることが
わかる(実施例1〜8)。これに対し、ラテックス調製
時あるいはラテックス調製後のいずれにも有機溶剤を使
用しなかったときは中空重合体粒子が得られないことが
わかる(比較例1)。また、有機溶剤の量を本発明の範
囲を超えて使用するときはラテックスが凝固し、本発明
の目的が達成できないことがわかる(比較例2)。ま
た、実施例3及び実施例4に示すように、本発明により
高いTgを有する中空重合体粒子が得られることがわか
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシ変性共重合体ラテックスを構
    成するカルボキシ変性共重合体100重量部に対して
    0.1〜1000重量部の有機溶剤を含有する該ラテッ
    クスに塩基を添加して該共重合体中のカルボキシル基の
    少なくとも一部を塩基で中和し、次いで該ラテックスに
    酸を添加して該ラテックスのpHを7以下にした後、水
    分を除去することを特徴とする中空重合体粒子の製造方
    法。
JP12453495A 1995-04-26 1995-04-26 中空重合体粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP2556453B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12453495A JP2556453B2 (ja) 1995-04-26 1995-04-26 中空重合体粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12453495A JP2556453B2 (ja) 1995-04-26 1995-04-26 中空重合体粒子の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1162031A Division JPH0791390B2 (ja) 1989-06-23 1989-06-23 中空重合体粒子を含有するラテックス及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08165351A true JPH08165351A (ja) 1996-06-25
JP2556453B2 JP2556453B2 (ja) 1996-11-20

Family

ID=14887860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12453495A Expired - Fee Related JP2556453B2 (ja) 1995-04-26 1995-04-26 中空重合体粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2556453B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126533A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Sanyo Chem Ind Ltd 中空樹脂粒子の製造方法
JP2010031185A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Jsr Corp 顔料複合化中空粒子の製造方法
JP2016056336A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー 高分子カプセルを含む透明断熱材及びその製造方法
US10005871B2 (en) 2011-03-21 2018-06-26 Organik Kimya Sanayi Ve Tic. A.S. Process of preparing an emulsion containing core-sheath-shell polymer particles

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126533A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Sanyo Chem Ind Ltd 中空樹脂粒子の製造方法
JP2010031185A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Jsr Corp 顔料複合化中空粒子の製造方法
US10005871B2 (en) 2011-03-21 2018-06-26 Organik Kimya Sanayi Ve Tic. A.S. Process of preparing an emulsion containing core-sheath-shell polymer particles
JP2016056336A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー 高分子カプセルを含む透明断熱材及びその製造方法
US9950340B2 (en) 2014-09-05 2018-04-24 Korea Institute Of Science And Technology Transparent and heat-insulating material including polymer capsule and method for preparing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2556453B2 (ja) 1996-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0404184B1 (en) Process for the preparation of microvoid-containing polymer particles
US5360827A (en) Process for preparation of latex of hollow polymer
US4910229A (en) Process for producing hollow polymer latex particles
EP0478829B1 (en) A method of preparing hollow latexes
JPH011704A (ja) 中空重合体粒子の製造方法
CA2283480A1 (en) A method for the preparation of hollow polymer particle latex
JP2713081B2 (ja) 中空重合体粒子の製造方法
US8912251B2 (en) Process of heat treating structured polymer particles
JP2556453B2 (ja) 中空重合体粒子の製造方法
JP3557823B2 (ja) 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法
JP2679523B2 (ja) 中空重合体ラテックスの製造方法
JP3948083B2 (ja) 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法
WO2001088021A1 (fr) Procede de production de polymere acrylique
JP3601215B2 (ja) 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法
JP4259320B2 (ja) 中空重合体粒子水性分散液の製造方法
JP2938637B2 (ja) 乳化重合物の製造法
JP3608303B2 (ja) 中空重合体粒子の製造方法
JP3165469B2 (ja) 内孔を有する重合体粒子の製造方法
JP2731214B2 (ja) 中空重合体エマルジョンの製造方法
JPH11166004A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH06240009A (ja) 粉粒状重合体の製造方法
JPH05287031A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0827204A (ja) 大粒子径ゴムラテックスの製造方法
KR960000854B1 (ko) 고형분 함량이 높은 라텍스의 제조방법 및 그 방법에 의해 제조된 생성물
JPH06192308A (ja) 凹部を有する偏平状エマルション粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees