JPH06240009A - 粉粒状重合体の製造方法 - Google Patents
粉粒状重合体の製造方法Info
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Abstract
粉粒状重合体を得る。 【構成】 特定の界面活性剤を特定量含有する重合体ラ
テックスを凝析する際、まずラテックス中の重合体を酸
を用いて特定量凝析させ、次にさらに酸を添加して特定
のpH値で凝析を完結させる。
Description
つ熱安定性に優れた粉粒状重合体の製造方法に関する。
重合体を回収する際に、得られる粉粒状重合体の粉体特
性を改良する方法は種々検討されており、例えば特開昭
60−217224号公報には重合体ラテックスを特定
の凝析剤濃度で凝析させる方法が開示されており、また
特開昭59−91100号公報には凝固剤の添加を2段
階以上で行う方法が開示されている。しかし、特定の凝
析剤濃度で凝析させる方法は、ラテックス中に存在する
界面活性剤の種類・量等により全く凝析が起こらない場
合や、粉体特性の改良された粉粒状重合体が得られない
場合があり、さらに凝析を完結させるために追加する酸
が製品粉体の熱安定性に悪影響を及ぼし、これを解決す
るために固化前にアルカリ性物質で凝析スラリーを中和
する操作を行っているが、工程が複雑になってしまうと
いう欠点を有している。また、凝固剤の添加を2段階以
上で行う方法に関しても酸に対して不安定な界面活性剤
のみを含有するラテックスを凝固する場合、たとえ析出
量やpHを制御しても局部的に凝析が完結して、良好な
粉粒状重合体が得られないという欠点を有している。
題点を解決することを目的として鋭意検討した結果、硫
酸エステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性
剤を特定量含有する重合体ラテックスを凝析する際、ま
ずラテックス中の重合体を特定量凝析させ、酸に対して
安定な界面活性剤による乳化状態保持作用と酸の乳化状
態破壊作用を調節させて、次にさらに酸を添加して特定
のpH値で凝析を完結させることにより、粒径分布がシ
ャープで且つ熱安定性に優れた粉粒状重合体を提供する
ことができることを見い出し本発明に到達した。
重量部に対し硫酸エステル系及び/又はスルホン酸系ア
ニオン界面活性剤を0.05〜0.15重量部含有する
ラテックス中の重合体を、酸を用いて40〜80重量%
凝析させた後、さらに酸を添加してpH2.0以上で凝
析を完結させることを特徴とする粉粒状重合体の製造方
法に関する。
で用いられる重合体ラテックスとしては、ホモ重合体、
共重合体及びグラフト共重合体があげられ、ホモ重合体
及び共重合体のラテックスとしては、ジクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化
合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート等のアルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート、さらにはアクリル酸、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸ビニル等のビニル化合物、ブタジエ
ン、クロロプレン、イソプレン等の共役ジオレフィンと
その置換生成物、エチレングリコール等の単量体からな
るホモ重合体、共重合体又はそれら重合体のラテックス
混合物があげられる。
重合体に硬質重合体を形成しうる単量体又は単量体混合
物をグラフトしたものである。グラフト共重合体ラテッ
クスを構成する弾性幹重合体としてはブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン等のジエン系重合体、ブチルアク
リレート、オクチルアクリレート等のアルキル基の炭素
数が4〜10のアクリル酸エステル系重合体、ジメチル
シロキサン重合体及びそれらと共重合可能な単量体との
共重合体が挙げられる。共重合可能な単量体としてはス
チレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタ
クリル酸アルキルエステル、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート等のアルキルの炭素数が1〜3のアクリ
ル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のビニルシアン化合物等があげられる。
チレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート及びブチ
ルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシア
ン化合物、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル等があげられる。これらの単量体は単独あるいは2種
以上を用いて使用される。
体ラテックス中に、重合体100重量部に対して硫酸エ
ステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性剤が
0.05〜0.15重量部存在することが必要である。
ン界面活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等
があげられ、スルホン酸系アニオン界面活性剤として
は、例えばアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸塩等があげられる。該界面活
性剤は重合前、重合中、重合後いずれの時期に添加され
てもかまわない。
して0.05〜0.15重量部含有されるが、該界面活
性剤の含有量が0.05重量部未満であると酸による乳
化状態破壊作用に対し界面活性剤による乳化状態保持作
用が弱くなりすぎて凝析粒子の析出状態を安定に制御す
ることが困難になり粒径分布のシャープな粉粒状重合体
を得ることが困難になり好ましくない。一方、0.15
重量部を超えると界面活性剤による乳化状態保持作用が
強くなりすぎて多量の酸を用いないと凝析しなくなり、
この場合得られる製品粉体の熱安定性が悪化するため好
ましくない。
方法でよく、開始剤及びその他の重合助剤等に関しては
特に制限はなく、通常使用されているものでよい。本発
明で使用する凝析剤としては、例えば塩酸、硫酸、リン
酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸が該当し、これら
を単独又は混合して用いられる。
クス中の重合体を40〜80重量%凝析させる必要があ
る。ここで凝析した重合体量は、凝析スラリーを東洋濾
紙No.131(JIS P3801の第3種)で濾過
し、濾液中の重合体濃度を測定して得られた未凝析重合
体量より換算した。凝析した重合体量が40重量%未満
では凝析完結時に多くの重合体ラテックスが乳化状態破
壊作用が強い状態で凝析してしまい、粒径分布のシャー
プな粉粒状重合体を得ることが困難になり好ましくな
い。また、80重量%を超える場合は乳化状態破壊作用
が強すぎるために、粒径分布のシャープな粉粒状重合体
を得ることが難しい。
件になるようにラテックスに添加することが好ましい。
酸エステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性
剤の重量部数) pHが右辺の値を超えるときは、酸による乳化状態破壊
作用に対し界面活性剤による乳化状態保持作用が強くな
りすぎて、全く凝析しなかったり、凝析するまでに長時
間を要したりするため好ましくない。
に析出させた後のスラリーのpHを2.0以上にするこ
とが好ましい。凝析スラリーのpHが2.0未満の場合
は製品粉体の熱安定性が悪化するため好ましくない。
すい場合は、50〜100℃に加熱処理することが好ま
しい。以後水洗、脱水、乾燥工程を経て粉粒状重合体と
して回収される。
図1を参照しながら説明する。重合体ラテックスは定量
ポンプ(1)から、酸は定量ポンプ(2)から第1槽
(4)に送られる。重合体の回収率を高めるために追加
する酸は定量ポンプ(3)から第2槽(5)に送られ
る。スラリーを第3槽(6)で熱処理した後、図示して
いないがさらに水洗、脱水、乾燥し、粉粒状重合体を得
る。
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。なお、実施例は図1に示す装置を用
いて行なった。
重合体70重量部にスチレン15重量部、メチルメタク
リレート13.2重量部、エチルアクリレート1.8重
量部を重合させグラフト共重合体ラテックス(固形分3
6%)を得た。得られたラテックスの平均粒径は0.1
μm、pHは8.0でありラテックス中に存在する界面
活性剤の種類及び量は表1のとおりである。
第1槽のpH及び凝析した重合体量(%)が表1に示す
値になるように供給した。第2槽に表1に示す種類の酸
をpHが表1に示す値になるように供給した。さらに第
3槽で表1に示す温度で凝析スラリーを熱処理した。第
3槽から排出されたスラリーを水洗、脱水、乾燥し、粉
粒状重合体を得た。
す方法により測定した。これらの測定方法は以下の実施
例及び比較例で共通して使用した。評価結果を表1に示
す。粒子の均整度:粒子の均整度Nは、下記式で表し
た。
(μm)又はD25は粒子群の積算重量分布曲線の25%
にある粒子径(μm)を表わす。) 熱安定性:乾燥粉を120℃一定に保たれているギアオ
ーブンの中にいれて熱着色の状態の経時変化を目視評価
した。着色の状態を下記の3段階に分けて評価した。
種類と、第1槽のpH及び凝析した重合体量、第2槽の
pHを表1に示すように変えた他は実施例1と同様にし
て粉粒状重合体を得た。評価結果を表1に示す。
活性剤の種類と、第1槽のpH及び凝析した重合体量を
表1に示すように変えた他は実施例1と同様にして粉粒
状重合体を得た。評価結果を表1に示す。
活性剤の量と、第1槽のpH及び凝析した重合体量、第
2槽のpHを表1に示すように変えた他は実施例1と同
様にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表1に示す。
活性剤の種類及び量と、第1槽のpH及び凝析した重合
体量、第2槽のpHを表1に示すように変えた他は実施
例1と同様にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表1
に示す。
うに変え、第1槽で凝析が完結していたため第2槽に酸
を供給しなかった他は実施例1と同様にして粉粒状重合
体を得た。評価結果を表2に示す。
合体量を表2に示すように変えた他は実施例1と同様に
して粉粒状重合体を得た。評価結果を表2に示す。
すように変えた他は実施例1と同様にして粉粒状重合体
を得た。評価結果を表2に示す。
界面活性剤の量と、第1槽のpH及び凝析した重合体
量、第2槽のpHを表2に示すように変えた他は実施例
1と同様にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表2に
示す。
とブチルアクリレート15%を乳化重合させ共重合体ラ
テックス(固形分28%)を得た。得られたラテックス
の平均粒径は0.105μm、pHは8.0であり、ラ
テックス中に存在する界面活性剤の種類及び量は表3に
示すとおりである。
第1槽のpH及び凝析した重合体量が表3に示す値にな
るように供給した。第2槽に表3に示す種類の酸をpH
が表3に示す値になるように供給した。第3槽では表3
に示す温度で凝析スラリーを熱処理した。第3槽から排
出されたスラリーを水洗、脱水、乾燥し、粉粒状重合体
を得た。評価結果を表3に示す。
活性剤の量と、第1槽のpH及び凝析した重合体量、第
2槽のpHを表3に示すように変えた他は実施例7と同
様にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表3に示す。
界面活性剤の量と、第1槽のpH及び凝析した重合体
量、第2槽のpHを表3に示すように変えた他は実施例
7と同様にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表3に
示す。
性剤を含有する重合体ラテックスを第1段目の凝析時の
析出量を制御することにより、微粉が少なく、粒径分布
のシャープな粉粒状重合体を容易に得ることができ、第
2段目の凝析時のpHを2.0以上とすることで製品粉
体の熱安定性を改善することができる。
及びスルホン酸系アニオン界面活性剤の重量部数)
Claims (2)
- 【請求項1】 重合体100重量部に対し硫酸エステル
系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性剤を0.0
5〜0.15重量部含有するラテックス中の重合体を、
酸を用いて40〜80重量%凝析させた後、さらに酸を
添加してpH2.0以上で凝析を完結させることを特徴
とする粉粒状重合体の製造方法。 - 【請求項2】 1段目の凝析を下記pH範囲で行うこと
を特徴とする請求項1記載の粉粒状重合体の製造方法。 【数1】 (式中Xは重合体100重量部に対する硫酸エステル系
及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性剤の重量部
数)
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2691393A JP3163189B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 粉粒状重合体の製造方法 |
AT94102237T ATE192466T1 (de) | 1993-02-16 | 1994-02-14 | Verfahren zur herstellung von pulver- und granulatförmigen polymeren |
DE69424203T DE69424203T2 (de) | 1993-02-16 | 1994-02-14 | Verfahren zur Herstellung von pulver- und granulatförmigen Polymeren |
EP94102237A EP0611788B1 (en) | 1993-02-16 | 1994-02-14 | Method for producing powdery and granular polymers |
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JP (1) | JP3163189B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012132026A (ja) * | 2006-07-18 | 2012-07-12 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 導電性高分子/ドーパント錯体有機溶媒分散体の製造方法 |
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-
1993
- 1993-02-16 JP JP2691393A patent/JP3163189B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR20160111993A (ko) * | 2014-03-20 | 2016-09-27 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 비닐 중합체 분체, 열가소성 수지 조성물 및 그의 성형체 |
JPWO2015141836A1 (ja) * | 2014-03-20 | 2017-04-13 | 三菱レイヨン株式会社 | ビニル重合体粉体、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
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